JP2024513398A - 金属ストリップにプレコーティングし、印刷するためのプラント及び方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、金属ストリップにプレコーティング（１１１）したのち、デジタルゾルゲルインクジェット印刷（１２２）するための、乾燥したインク上に保護クリアコート（１２４）が塗布される、プラント及び方法に関する。本発明の核心は、印刷がゾルゲルインクタイプであり、プレコーティング（１１１）がもはや、二つのコート、すなわちプライマ及びベースコートの別々の塗布（関連するコートの乾燥及び冷却を伴う）によって実施されるのではなく、プライマの機能とベースコートの機能とを合わせた単一コートの塗布によって実施されるという事実にある。加えて、ＵＶ処理を要しない、塗布後にインクを乾燥させるだけでよい特殊なゾルゲルタイプインクによる印刷が方法をさらに簡単にする。

Description

本発明は、プレコーティングされたストリップのための特にデジタルインクジェット印刷のための印刷プラント及び方法、特に、印刷される物品の表面を下処理してインク付着に適させるためのプレコーティングと直列する印刷法の構成に関する。

プレコーティングされたストリップは多様な用途を有し、屋内及び屋外の建築、土木及び産業建設ならびに家電産業の分野において広く使用されている。この部門においては、ますます複雑な装飾的デザインを有するストリップの需要が高まっている。

複雑なデザインを有するプレコーティングされたストリップを製造するための通常の技術は、添付の図１を参照して例示される以下の工程を含む。

第一の工程は、第一のコート、すなわちプライマを塗布したのち（１０）、そのプライマを乾燥させ（１２）、その後、冷却する（１４）。第二のステップは、得られるデザインの背景を構成する第二のコート、すなわちベースコートを塗布したのち（１６）、そのコートを乾燥させ（１８）、その後、冷却する（２０）。第三の工程で、先に形成されたダブルコートのベースコートの上に、たとえば溶剤で薄めた、又は薄めていないインクを使用して、デザイン又はプリントを塗布し（２２）、その後、インクを乾燥させ、最後に、第四の工程で、クリアコートを塗布したのち（２４）、乾燥させ（２６）、その後、冷却する（２８）。上記の様々な工程は、プレコーティング・印刷プラント中の一連のデバイス中で反映され、それらのデバイスは正確に以下の順序で互いに続く：第一のコーティングデバイス、第一のオーブン、第一の冷却デバイス、第二のコーティングデバイス、第二のオーブン、第二の冷却デバイス、プリンタ、第三のコーティングデバイス、第三のオーブン及び第三の冷却デバイス。したがって、図１のフローチャートは、一方では、一連の処理工程を表し、他方では、プレコーティング及び印刷のためのプラント又は対応するライン中で各個の工程を実行するために必要である対応する一連のデバイスを表す。

インク塗布又は印刷技術は時とともに技巧的かつ技術的に進化したが、今日、以下の技術：通常は２～５個のローラからなる印刷ローラを用いる、ローラ上にネガデザインが刷り込まれる塗布法（輪転グラビア法）；通常は２～５個のゴム被覆ローラのユニットからなる印刷ローラをフレキソ印刷技術によって用いる、ゴム表面に（ポジ）デザインが型押しされる塗布法；及び４色デジタルインクジェットプリンタを用いる塗布法、が一般に使用されている。すべての技術には限界がある。特に、すべての従来技術に共通の欠点がある。印刷前の二つのコート（プライマ＋ベースコート）の塗布は、運用コストの増加と、プレコーティング・印刷プラントの構成の複雑さとを必然的に伴い、三つのコート（プライマ＋ベースコート＋クリアコート）のために三つの乾燥又は加熱オーブンを使用して作業する必要性を課す。

ローラ塗布と関連する欠点は以下のとおりである。デザインが、使用するローラの円周方向の展開によって制約される。各デザインがそれ専用の一連のローラの使用を必要とし；したがって、設備投資費が高額になり、製造される数多くのデザインのせいでプロダクトポートフォリオマネジメントが特に複雑になる。

現在の技術水準に関連して、デジタル印刷を使用する塗布には、以下のような他の欠点もある：固体の無溶剤ＵＶインクは、耐熱性の低下、柔軟性の低下及び外部環境条件に対する耐性の低下を有する。漏れが発生した場合、ＵＶインクは、より大きな環境フットプリントを有し、対処するのにはるかに多額の費用を要する。インクの硬化又は加熱乾燥は、組み込まれたＵＶランプを有する印刷機の中で実施される。金属基材へのインク印刷を開示する従来技術文献がＪＰ２０１７０４７３７０Ａ及びＵＳ２００７／００８５９８３Ａ１である。

本発明の目的は、前述の欠点を解消し、金属ストリップにプレコーティングし、印刷するための様々な技巧及び技術の限界を考慮して、比較的複雑でなく、より少ない構成部品しか要らず、より安価であり、好ましくは、より高いプリント耐性をより低い環境フットプリントとともに提供する、金属ストリップにプレコーティングし、印刷するためのプラント及び方法を提案することである。

本発明のさらなる目的又は利点は、以下の説明から明らかになるであろう。

本発明の第一の態様において、目的は、以下の順序で、
（ａ）プライマ及びベースコートの両方として働く複合コートを塗布するための第一のコーティングデバイス；
（ｂ）コートを乾燥させるための第一のオーブン；
（ｃ）空冷システム及び水冷システムなどの第一の冷却システム；
（ｄ）好ましくはインク乾燥デバイスを備えた、デジタルゾルゲルタイプインクジェット印刷ユニット；
（ｅ）クリアコートを塗布するための第二のコーティングデバイス、特にローラアプリケータ；
（ｆ）コートを乾燥させるための第二のオーブン；及び
（ｇ）空冷システム及び水冷システムなどの第二の冷却システム
を含む、金属ストリップのプレコーティング及びデジタルインクジェットによる印刷のためのプラントによって達成される。

プライマの機能とベースコートの機能とを同時に遂行する単一のコートを提供する前記プラントは、印刷の前に、二つの乾燥オーブン、二つの冷却デバイス及び二つのコーティングデバイスの必要性を除き、ひいては、プレコーティング工程における構成部品の数を半分にする。本発明は、コートを加熱乾燥又は硬化させるために、二つのオーブン、すなわち、プライマ及びベースコートとして働く初期コートの乾燥、ひいては重合に必要である第一のオーブンならびに印刷ユニット及びクリアコートの塗布の後に配置された、クリアコートの乾燥／重合に必要である第二のオーブン、しか要らないプレコーティング・印刷ラインを創製することを可能にする。

本発明のプラントは、連続ストリップへの印刷に特に適している。これに関して、プラントはまた、好都合に、ストリップをプラントそのものの様々な構成部品に通して運ぶための手段を含む。印刷ユニット中を移動する間に印刷画像の鮮明度を損なわないために、印刷されるストリップをセンタリングし、所定のストリップ張りを維持することが望ましい。これに関して、本発明の好ましい実施形態において、印刷ユニットは、以下の順序で、
（ｄ－１）一つ以上のデジタルゾルゲルタイプインクジェットプリントヘッド；
（ｄ－２）インク乾燥オーブン；
（ｄ－３）第三の冷却システム
を含み、前記一つ以上のプリントヘッドの上流に、センタリングシステム及び第一のストリップ張り制御システム、特に、以下の順序で、
（ｄ－４）粗調整ストリップセンタリングシステム；
（ｄ－５）ストリップ張りを制御するための第一の「Ｓ字状」ブライドルシステム；
（ｄ－６）微調整ストリップセンタリングシステム；
（ｄ－７）パスラインローラ及び任意選択でデフレクタ
が設けられ、前記一つ以上のプリントヘッドの下流に、第二のストリップ張り制御システム、特に
（ｄ－８）第二の「Ｓ字状」ブライドルシステム
が設けられている。

ストリップ張り制御システムは、好ましくは「Ｓ字状」ブライドルシステムである。ストリップ張りを制御するための考え得る「Ｓ字状」ブライドルシステムは、クリアコートコーティングデバイスの入口に設けることができる。

パスラインローラはストリップの垂直振動を抑制する。

好都合に、印刷されるストリップは、前記センタリングシステム及び前記第一のストリップ張り制御システムを通して誘導されたのち、前記一つ以上のプリントヘッドの下に誘導され（ここでは好都合にコンベヤベルトによって運ばれる）、次いで、前記第二のストリップ張り制御システムを通して印刷ユニットの出口に誘導される。コンベヤは、好都合に、ストリップの対応する区分をエアクッション上に支持するように適合された空気式支持面を備えることができる。ブライドルシステムは、ストリップの縦方向の張りを実質的に打ち消す。また、前記一つ以上のプリントヘッドの前にストリップ均しシステムが配置されることが考えられる。そのようなストリップセンタリング・張りシステムは、たとえば特許出願ＩＴ１０２０１８０００００７４８８に記載されている。

本発明の好ましい実施形態において、プラントはさらに、印刷ユニット中にストリップポジションセンサを含み、プリントヘッドは、ストリップの移動方向に対して直交方向に並進することができるスライドに取り付けられ、プラントは、対応する制御ユニットを含み、この制御ユニットは、ポジションセンサによって検出された値にしたがってスライドの移動を管理して、ポジションセンサによって測定されたストリップの位置の横方向偏りを補正するように構成されている。

クリアコートの塗布を最適化するために、本発明の実施形態において、本発明のプラントはさらに、印刷ユニットの下流かつ第二のコーティングデバイスの上流にストリップ温度センサ、特に温度トランスデューサを含み、そのストリップ温度センサは、ストリップの温度を測定し、測定値を、対応する制御ユニットに送るように適合され、その制御ユニットは、ストリップの速度及び／又は第三の冷却システムの流量を自動的に制御して、温度センサによって測定された温度を所定の値内に戻すように構成されている。好都合に、そのような制御ユニットは、上記スライドの移動を管理するもの、及びプレコーティング・印刷プラントのすべての構成部品を制御するものと同じ制御ユニットである。また、一つ以上のプリントヘッドを支持することができるスライド及びストリップの温度を制御するために、異なる第一及び第二の制御ユニットが考えられる。

本発明の第二の態様は、以下の工程：
（I）プライマ及びベースコートの両方として働く複合コート層を金属ストリップに塗布する工程；
（II）複合コートを加熱乾燥させる工程；
（III）複合コートを冷却する工程；
（IV）プレコーティングされたストリップにデジタルゾルゲルタイプインクジェット印刷し、インクを乾燥させる工程；
（V）プレコーティングされ、印刷されたストリップにクリアコートを塗布する工程；
（VI）クリアコートを加熱乾燥させる工程；及び
（VII）クリアコートを冷却する工程
を記載の順序で含む、金属ストリップのプレコーティング及び印刷、特にデジタルインクジェット印刷の方法に関する。

印刷画像の鮮明度を損なわないために、本発明の好ましい実施形態において、工程（IV）の前に、前記ストリップをセンタリングする。好都合には、工程（IV）の前後に、特に第二の請求項に記載されるプラントを使用して、ストリップに張りを加える。

本発明の方法の好ましい実施形態において、複合コートはポリエステル／メラミン樹脂系であり、ひとたび乾燥すると、デジタルインクジェット印刷から完璧なインク付着を得ることを可能にする。

複合ポリエステル／メラミン樹脂コートは好都合には白色である。ストリップへの塗布を予定されるコートは、好ましくは、ＤＩＮ規格５３２１１にしたがって測定して６０～９０秒の粘度を有する。後者の規格は、１００cm²の容積及び４mmの出口穴を有するフローカップを必要とする。周囲温度２０℃で、試験液を穴に通して完全に排出し、排液時間を測定する。測定単位は秒ＤＩＮ規格である。密度は、好都合には、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ２８１１－１－４に示される方法にしたがって測定して１０００～１５００kg/m³の範囲である。好ましくは、複合コートは、５～１５μmの最終（乾燥）厚さで塗布される。

複合コートは、印刷が施される材料の表面を下処理して（変性させて）、インクが、それに付着すると同時に、多様な種類であり得る基材、たとえば金属、プラスチック、ガラス及び印刷し難しい他の基材にプレコーティングなしで付着し、それによってプライマ及びベースコートとして同時に作用するように適合されているタイプの「接着促進剤」（より一般的には接着剤として知られる）である。市場は、幅広い範囲の複合コートを提供しており、当業者は、それらの中から、使用する予定である基材及びインクに最適であるものを選択することができる。

ゾルゲルタイプのインクは、乾燥のためのＵＶランプの使用を回避させ、環境に優しくない溶剤の使用を必要としない。これは、現在使用されているインクの制約を解消し、インク乾燥を簡単にするインク技術である。この用途のために好適に開発されたインクは、好ましくは、シラン系熱重合生成物である。好都合に、インクは、インクの環境フットプリントを減らす環境保護的な溶剤を使用する。その好ましい変形形態において、インクは、ＡＳＴＭ Ｄ４０４０／４２０７にしたがって２５℃で測定して６～１０cpsの動粘度及び好ましくはＩＳＯ １２６４７－３にしたがって測定して０．９～１．０g/mlの密度を特徴とする。インクは、印刷のための以下の色：ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー、で作製することができる。

ゾルゲル法は、インクジェットプリンタによって塗布されるインク塗膜などの塗膜を創製するために使用される方法の一つである。ゾルゲルタイプインクは、加水分解及び縮合反応によるその後のゲル（相互接続された液相を含む連続的な無機格子）の形成のための前駆体を構成するコロイド溶液（ゾル）を含む。一般に、ゲルから液相を除去し、さらなる縮合を促進し、機械的性質を高めるために、乾燥及び固化の熱後処理が使用される。ゾルゲル法に一般的な前駆体は、Ｍ（ＯＲ）_n、ＭＸ_n、Ｒ′－Ｍ（ＯＲ）_n-1（式中、Ｍは金属中心を表し、Ｘ及びＲＯは、代わりに、金属塩又は金属アルコキシド中に存在する共通の（common）脱離基、たとえば金属ハロゲン化物中の塩化物アニオンであり、Ｒ′は、共有結合（Ｓｉ－Ｃ、Ｓｎ－Ｃ）又は配位結合物質（Ｍ＝Ｔｉ、Ｚｒ．．．）を介して金属中心に結合した任意の有機基である）の形態で存在する。インク産業は、様々な媒体のための豊富な品揃えのゾルゲルタイプインクを提供しており、当業者は、それらの中から、自らの必要性に最適である一つを容易に特定することができる。

印刷製品の耐久性を保証するために、乾燥させたインクの層の上に、印刷面と適合性のクリアコートを塗布する。適当なコーティングは市販されており、当業者によって容易に特定可能である。本発明の好ましい実施形態において、クリアコートはＨＤ（高密度）ポリエステルである。ＨＤポリエステルは、外部環境及び薬品に対する優れた耐性を有する。クリアコート層は、好ましくは、以下の特性：８０～１２０sの粘度（ＤＩＮ ５３２１１にしたがって測定）、＞５０％の固形分（ＵＮＩ ＥＮ ＩＳＯ ３２５１にしたがって測定）及び１０００～１５００kg/m³の範囲の密度（ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ２８１１－１／２／３／４にしたがって測定）、の少なくとも一つを有する。塗布される最終（乾燥）厚さは、好都合には、１０～２５μmに一致する。

印刷及び印刷されるデザインの品質を最適化するために、好ましくは、工程（IV）の前に、ストリップの位置の測定を実施し、工程（IV）中、ストリップへのインクの塗布を最適化するために、ストリップ位置の測定に基づいてプリントヘッドの位置を調節する。

プリントへのクリアコートの塗布を完成するために、好都合に、本発明の方法は、その実施形態において、工程（IV）の後、ストリップの温度をモニタし、温度が限度値を超えるならば、工程（V）におけるクリアコートの塗布の前に前記乾燥を調節するために、ストリップの速度を落とす、及び／又はインクの乾燥を増進することを提供する。

印刷ユニットは、好都合に、インクの循環及びプリントヘッドのノズルの清浄もしくは洗浄のための補助システムを備えることができる。

本発明の一つの態様に関して開示された特徴及び利点は、必要な変更を加えたうえで、本発明の他の態様に移すこともできる。

産業上の利用可能性は、プレコーティング・印刷プラントが、より少ない構成部品しか要さず、より簡単になり、処理がより安価かつより環境に優しくなる瞬間から明らかである。

前記目的及び利点は、非限定的な例としてのみ記される本発明の好ましい実施例の開示中にさらに強調される。

本発明の変形形態及びさらなる特徴が従属項の目的である。ストリップのプレコーティング及び印刷のための本発明のプラント及び方法ならびにストリップを誘導し、その固有の張りを制御し、それをセンタリングするための補助システムの好ましい実施例の開示は、添付図面を参照しながら例としてのみ記される。特に、別段の指定がない限り、システム及び個々の構成部品の数、形状、サイズ及び材料は異なることができ、本発明の概念を逸脱することなく等価の要素を適用することができる。

プレコーティングされたストリップへのプリントを実現するための従来技術、特に、方法の様々な工程及び各工程を実現するために必要なデバイスをブロック図で表す。 本発明にしたがってストリップにコーティングし、印刷するためのシステム及び方法の実施形態をブロック図で表す。 本発明のプラントのデジタルインクジェット印刷の区分の詳細図である。

好ましい実施例の説明
図１は、冒頭で従来の技術水準を参照して説明したものである。図２は、ストリップにジェットプリントを施すための本発明の一実施形態のブロック図を示す。方法の始まりは、単一工程でプライマ及びベースコートからなるダブルコートの塗布１１１を見る。続いて、複合コートを乾燥させ（１１３）、次いで冷却する（１１５）。次いで、コートに印刷を実行する（１２２）。従来技術と同様に、印刷１２２ののち、クリアコートの塗布１２４、その乾燥１２６、次いでその冷却１２８が続く。冷却は、空気及び水による冷却である。アイドルサポートローラシステム及びデフレクタがストリップをデジタル印刷区分に誘導する。

各工程は、その工程を実行するように適合された対応するデバイスに、正確に以下の順序で接続される：複合コートを塗布するための第一のコーティングデバイス；コートを乾燥させるための第一のオーブン；第一の冷却デバイス；プリンタ；クリアコートを塗布するための第二のコーティングデバイス、好ましくはローラアプリケータ；第二のオーブン；及び第二の冷却デバイス。図２は、図１と同じく、本発明の方法の実施例の一連の工程と、本発明のプラントの実施例におけるデバイスの順序の両方を表す。

図３を参照すると、印刷段階を実行するための印刷ユニット１２２を表すインクジェット印刷区分及び関連する補助システムの好ましい実施形態が示されている。

印刷ユニット１２２の入口には、粗調整ストリップセンタリングデバイス１３０があり、それに、ストリップ１３４の張りを制御するための「Ｓ字状」ブライドルシステム１３２が続く。その下流に、微調整ストリップセンタリングデバイス１３６と、次いでパスラインローラ１３８と、デフレクタ（図示せず）と、コンベアベルト１４０とが続く。ベルトコンベア１４０の上方に、複数のデジタルインクジェットプリントヘッド１４２がある。次いで、インクを乾燥させるためのオーブン１４４が続く。ストリップ１３４を冷却するために、ストリップ冷却システム１４６が必要である。ストリップ１３４が、保護クリアコートを塗布するのに適した温度を有することを確認するために、クリアコートを塗布するコーティングローラの前に、ストリップの温度を測定するためのプローブ１４８が予見される（図２）。印刷ユニット１２２は、ストリップ１３４に加えられた張りを制御するための、印刷区分のアウトプットにおけるさらなる「Ｓ字状」ブライドルシステム１５０をもって終わる。

考え得る変形形態は、デジタルインクジェットプリントヘッド１４２の後に配置されるストリップポジションセンサ１５２の追加を考慮することができる。前記センサは、ラインの中心に対するストリップ１３４の起こり得る偏りを測定する。さらなる実施形態において、偏り測定値は、横方向の変位を補正するために、プリントヘッド１４２が取り付けられているスライド（図示せず）の横方向の移動１５６を制御する制御ユニット１５４に送られる。

さらなる実施形態において、温度トランスデューサ１４８によって測定されたストリップの温度はラインコントローラ１５４に送信され、このラインコントローラが、ストリップ１３４の温度が、限度と見なされる温度を超えた場合、プロセス速度及び冷却システム１４６の容量を変更することによって介入して、ストリップ１３４の温度を許容可能と思われる限度内に戻す。制御ユニット１５４は、印刷ユニット１２２全体を管理し、これに関して、ケーブルによって個々の要素に接続されることもできるし、テレマティクス的に通信することもできる。

考え得る変形形態は、ストリップ１３４の上面と下面の両方に関して製品／プロセス品質パラメータの測定を考慮することができる。

適切には、複合コートは、その後のインク塗布と適合性であるポリエステルコーティングに基づくことができる。例示的な実施形態においては、以下の一連の層：厚さ約５～１０μmの、複合ポリエステル系コートに基づく第一の層；厚さ約０．５～３μmのインク層；及び最後に、厚さ約１０～２０μmのクリアコート、をストリップ上に形成することができる。

Claims (10)

1. 金属ストリップ（１３４）のプレコーティング及びデジタルインクジェット印刷のためのプラントであって、以下の順序で、
   （ａ）プライマ及びベースコートの両方として働く複合コートを塗布するための第一のコーティングデバイス（１１１）；
   （ｂ）コートを乾燥させるための第一のオーブン（１１３）；
   （ｃ）空冷システム及び水冷システムなどの第一の冷却システム（１１５）；
   （ｄ）好ましくはインク乾燥デバイス（１４６）を備えた、デジタルゾルゲルタイプインクジェット印刷ユニット（１２２）；
   （ｅ）クリアコートを塗布するための第二のコーティングデバイス（１２４）、特にローラアプリケータ；
   （ｆ）コートを乾燥させるための第にのオーブン（１２６）；及び
   （ｇ）空冷システム及び水冷システムなどの第二の冷却システム（１２８）
   を含む、プラント。
2. 前記印刷ユニット（１２２）が、以下の順序で、
   （ｄ－１）一つ以上のデジタルゾルゲルタイプインクジェットプリントヘッド（１４２）；
   （ｄ－２）インク乾燥オーブン（１４４）：
   （ｄ－３）第三の冷却システム（１４４）
   を含み、前記一つ以上のプリントヘッド（１４２）の上流に、センタリングシステム（１３０、１３６、１３８）及び第一のストリップ張り制御システム（１３２）、特に、以下の順序で、
   （ｄ－４）粗調整ストリップセンタリングシステム（１３０）；
   （ｄ－５）ストリップ張りを制御するための第一の「Ｓ字状」ブライドルシステム（１３２）；
   （ｄ－６）微調整ストリップセンタリングシステム（１３６）；
   （ｄ－７）パスラインローラ（１３８）及び任意選択でデフレクタ
   が設けられ、前記一つ以上のプリントヘッド（１４２）の下流に、第二のストリップ張り制御システム（１５０）、特に
   （ｄ－８）第二の「Ｓ字状」ブライドルシステム（１５０）
   が設けられている、請求項１記載のプレコーティング及び印刷のためのプラント。
3. 印刷ユニット中にストリップポジションセンサ（１５２）をさらに含み、プリントヘッド（１４２）が、ストリップの移動方向に対して直交方向に並進することができるスライドに取り付けられ、プラントが、対応する制御ユニット（１５４）を含み、この制御ユニットが、ポジションセンサ（１５２）によって検出された値にしたがってスライドの移動を管理して、ポジションセンサ（１５２）によって測定されたストリップ（１３４）の位置の横方向偏りを補正するように構成されている、請求項２記載のプラント。
4. 印刷ユニット（１２２）の下流かつ第二のコーティングデバイス（１２４）の上流にストリップ温度センサ（１４８）、特に温度トランスデューサをさらに含み、そのストリップ温度センサが、ストリップ（１３４）の温度を測定し、測定値を、対応する制御ユニット（１５４）に送るように適合され、その制御ユニットが、ストリップ（１３４）の速度及び／又は第三の冷却システム（１４６）の流量を自動的に制御して、温度センサ（１４８）によって測定された温度を所定の値内に戻すように構成されている、請求項２又は３記載のプラント。
5. 金属ストリップ（１３４）のプレコーティング及び印刷、特にデジタルインクジェット印刷のための方法であって、以下の工程：
   （I）プライマ及びベースコートの両方として働く複合コート（１１１）を金属ストリップ（１３４）に塗布する工程（１１１）；
   （II）複合コートを加熱乾燥させる工程（１１３）；
   （III）複合コートを冷却する工程（１１５）；
   （IV）プレコーティングされたストリップにデジタルゾルゲルタイプインクジェット印刷し、好ましくはインクを乾燥させる工程（１２２）；
   （V）プレコーティングされ、印刷されたストリップにクリアコートを塗布する工程（１２４）；
   （VI）クリアコートを加熱乾燥させる工程（１２６）；及び
   （VII）クリアコートを冷却する工程（１２８）
   を記載の順序で含む、方法。
6. 工程（IV）の前に、前記ストリップ（１３４）をセンタリングし、工程（IV）の前後に、特に請求項２記載のプラントを使用して、好ましくは前記ストリップ（１３４）に張りを加える、請求項５記載の方法。
7. 前記複合コートがポリエステル／メラミン樹脂系である、請求項５又は６記載の方法。
8. 前記ゾルゲルタイプインクがシラン系熱重合生成物である、請求項５～７のいずれか１項記載の方法。
9. 工程（IV）の前に、ストリップ（１３４）の位置の測定を実施し、工程（IV）中、ストリップ（１３４）へのインクの塗布を最適化するために、ストリップの位置の測定に基づいて前記一つ以上のプリントヘッド（１４２）の位置を調節する、請求項５～８のいずれか１項記載の方法。
10. 工程（IV）の後、ストリップ（１３４）の温度をモニタし、温度が限度値を超えるならば、工程（V）におけるクリアコートの塗布（１２４）の前にインクの乾燥を調節するために、ストリップ（１３４）の速度を落とす、及び／又はインクの乾燥を増進する、請求項５～９のいずれか１項記載の方法。

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