JP2024503252A - 粘着フィルム、これを含む光学部材及びこれを含む光学表示装置 - Google Patents

Abstract

（メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成される粘着フィルムであって、前記粘着フィルムは、ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下である、粘着フィルム、これを含む光学部材及びこれを含む光学表示装置が提供される。【選択図】図１

Description

本発明は、粘着フィルム、これを含む光学部材及びこれを含む光学表示装置に関する。

近年、フォルダブルディスプレイ装置に対する技術的関心が急増しながら、フォルダブルディスプレイ装置内に含まれる粘着フィルムに対する開発も継続されている。粘着フィルムは、光学的透明性及び被着体に対する剥離強度にも優れなければならなく、フォールディング性にも優れなければならない。

上述した粘着フィルムを得るためには、（メタ）アクリル系単量体、架橋剤及び光重合開始剤を含む組成物を離型フィルム又は被着体に塗布することによってコーティング層を形成し、ＵＶ照射などによる光によって硬化させる方法などが知られている。

しかし、上述した方法において、前記組成物は、ＵＶ照射などを考慮して溶剤を含有しない組成物（無溶剤型組成物）であるので、最終的に製造される粘着フィルムの厚さを２０μｍ以下にするのに困難があった。また、無溶剤型組成物は、粘度が高くなってしまい、塗工性が良くないので、薄く且つ均一に塗布されるのに限界を有し、最終的に製造される粘着フィルムの厚さも減少させにくく、均一な表面を有するのに困難があった。

一方、近年、外部のＵＶ照射量が強くなると共に、光学表示装置内の発光素子などが外部のＵＶ照射によって損傷を受けながら光学表示装置の信頼性及び寿命を低下させ得る。そこで、粘着フィルム内にＵＶ吸収剤を含ませる方法を考慮することができる。しかし、粘着フィルムをＵＶ照射によるＵＶ硬化によって形成する場合、ＵＶ吸収剤によって硬化率が低下し、投入され得るＵＶ吸収剤の含量に限界があり、目的とする粘着フィルムを得ることが難しかった。

本発明の背景技術は、韓国公開特許第１０－２０１７－００７０７５３号などに開示されている。

本発明の目的は、薄型の厚さ及び均一な表面を有し、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れた粘着フィルムを提供することにある。

本発明の他の目的は、熱硬化型組成物で形成され、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れた粘着フィルムを提供することにある。

本発明の更に他の目的は、外部のＵＶ透過を低下させ、パネル内の素子の寿命及び信頼性における改善効果を有する粘着フィルムを提供することにある。

本発明の一観点は、粘着フィルムである。

１．粘着フィルムは、（メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成され、前記粘着フィルムは、ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下である。

２．粘着フィルムは、ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下で、ガラス板又はＳＵＳでの剥離強度が約６００ｇｆ／２５ｍｍ以上である。

３．１－２において、前記粘着フィルムは、厚さが約２０μｍ以下であってもよい。

４．１において、前記粘着フィルムは、ガラス板又はＳＵＳでの剥離強度が約６００ｇｆ／２５ｍｍ以上であってもよい。

５．１－４において、前記粘着フィルムは、せん断変形率が約１８％以上であってもよい。

６．１－５において、前記粘着フィルムは、下記数式１のせん断変形率の変化率が約１０％以下であってもよい。

（前記数式１において、Ａは、粘着フィルムの初期せん断変形率（単位：％）で、
Ｂは、高温高湿後のせん断変形率であって、粘着フィルムを６０℃及び９５％の相対湿度内で１０日間放置し、２５℃で２時間放置した後の前記粘着フィルムのせん断変形率（単位：％）である。）
７．２において、前記粘着フィルムは、（メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成されてもよい。

８．１－７において、前記（メタ）アクリル系バインダーは、ガラス転移温度が約－５５℃以下であってもよい。

９．１－８において、前記（メタ）アクリル系バインダーは、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物の（メタ）アクリル系共重合体を含むことができる。

１０．１－９において、前記ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である（メタ）アクリル系単量体は、前記単量体混合物のうち約９０重量％乃至１００重量％で含まれてもよい。

１１．１－１０において、前記単量体混合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、分岐鎖型の炭素数３乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体約４０重量％以上１００重量％未満と、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、直鎖型の炭素数１乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体約０重量％超過６０重量％以下とを含むことができる。

１２．１－１１において、前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、ガラス転移温度が約５０℃以上であってもよい。

１３．１－１２において、前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物のオリゴマーを含むことができる。

１４．１－１３において、前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、重量平均分子量が約３，０００乃至５０，０００であってもよい。

１５．１－１４において、前記硬化剤は、イソシアネート系硬化剤を含み、前記粘着フィルム用組成物のうち、前記（メタ）アクリル系バインダー１００重量部、前記（メタ）アクリル系オリゴマー約３重量部以下、及び前記イソシアネート系硬化剤約１重量部以下を含むことができる。

１６．１－１５において、前記粘着フィルム用組成物は、金属キレート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、アジリジン系硬化剤、及びエポキシ系硬化剤のうち１種以上の硬化剤をさらに含むことができる。

１７．１－１６において、前記粘着フィルムは、ＵＶ吸収剤をさらに含むことができる。

本発明の光学部材は、光学素子、及び前記光学素子の少なくとも一面に形成された本発明の粘着フィルムを含む。

本発明の光学表示装置は、本発明の粘着フィルムを含む。

本発明は、薄型の厚さ及び均一な表面を有し、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れた粘着フィルムを提供することができる。

本発明は、熱硬化型組成物で形成され、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れた粘着フィルムを提供することができる。

本発明は、外部のＵＶ透過を低下させ、パネル内の素子の寿命及び信頼性における改善効果を有する粘着フィルムを提供することができる。

本発明の一実施例に係る粘着フィルムのせん断変形率測定の一例を示す図である。

［発明を実施するための最善の形態］
添付の実施例によって、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。

本明細書において、「アクリル」は、アクリル及び／又はメタクリルを意味し得る。

本明細書において、「共重合体」は、ポリマー又は樹脂を含むことができる。

本明細書において、「ｔａｎδ値のピーク温度」は、レオメーターを用いて温度によって貯蔵モジュラス及び損失モジュラスを測定し、貯蔵モジュラスに対する損失モジュラスの比で計算されるｔａｎδ値が最高になる温度を読み込む方法で測定される値である。

本明細書において、「せん断変形率（ｓｈｅａｒ ｓｔｒａｉｎ）」は、６０℃でクリープ評価法を用いて測定した値であって、粘着フィルムで形成された試験片に一定のせん断方向の力が加えられたとき、前記試験片が変形する程度を意味する。図１を参照すると、一定の力及び時間によって、粘着フィルムで形成された試験片に加えられるひずみ（ｓｔｒａｉｎ）を測定したときの最大ひずみがせん断変形率に該当し、せん断変形率の変化率を測定したときの初期せん断変形率に該当する値である。

本明細書において、「ホモポリマーのガラス転移温度」は、測定対象単量体のホモポリマーに対してＴＡ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ社のＤＳＣディスカバリー（Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ）を用いて測定したガラス転移温度（Ｔｇ）を意味し得る。具体的には、測定対象単量体のホモポリマーに対して２０℃／分の速度で１８０℃まで温度を上げた後、徐々に冷やしながら－１００℃まで冷却させ、１０℃／分の速度で１００℃まで昇温したときの吸熱転移曲線をデータとして得てから、前記吸熱転移曲線の変曲点をガラス転移温度として決定することができる。

本明細書において、数値範囲の記載時、「Ｘ乃至Ｙ」は、Ｘ以上Ｙ以下（Ｘ≦そして≦Ｙ）を意味する。

本発明の粘着フィルムは、熱硬化型組成物で形成され、薄型の厚さを有しながら低温でのフォールディング性に優れ、剥離強度も高かった。本発明の粘着フィルムは、外部のＵＶ透過を低下させ、パネル内の素子の寿命及び信頼性における改善効果を有する。

以下、本発明の一実施例に係る粘着フィルムを説明する。

本実施例に係る粘着フィルム（以下、「粘着フィルム」という。）は、ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下である。粘着フィルムは、前記ｔａｎδ値のピーク温度及び－２０℃での貯蔵モジュラスの範囲を有することによって、低温での優れたフォールディング性を有することができる。

具体的には、粘着フィルムは、ｔａｎδ値のピーク温度が、例えば、－７０℃、－６９℃、－６８℃、－６７℃、－６６℃、－６５℃、－６４℃、－６３℃、－６２℃、－６１℃、－６０℃、－５９℃、－５８℃、－５７℃、－５６℃、－５５℃、－５４℃、－５３℃、－５２℃、－５１℃、－５０℃、－４９℃、－４８℃、－４７℃、－４６℃、－４５℃、－４４℃、－４３℃、－４２℃、－４１℃、－４０℃、－７０℃乃至－４０℃、さらに具体的には－５０℃乃至－４０℃になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムは、低温での優れたフォールディング性を有し、低温でフォルダブルパネルに加えられる応力を緩和させるという効果を奏することができる。

具体的には、粘着フィルムは、－２０℃での貯蔵モジュラスが、例えば、０．００１ＭＰａ、０．００５ＭＰａ、０．０１ＭＰａ、０．０１５ＭＰａ、０．０２ＭＰａ、０．０２５ＭＰａ、０．０３ＭＰａ、０．０３５ＭＰａ、０．０４ＭＰａ、０．０４５ＭＰａ、０．０５ＭＰａ、０．１ＭＰａ、０．１５ＭＰａ、０．２ＭＰａ、０．２５ＭＰａ、０．３ＭＰａ、具体的には０．００１ＭＰａ乃至０．３ＭＰａ、さらに具体的には０．０５ＭＰａ乃至０．２５ＭＰａになってもよい。前記範囲で、粘着フィルムは、低温での優れたフォールディング性を有し、低温でフォルダブルパネルに加えられる応力を緩和させるという効果を奏することができる。

粘着フィルムは、被着体に対する剥離強度が約６００ｇｆ／２５ｍｍ以上である。前記範囲で、被着体に対する剥離強度が高いので、常温でのフォールディングにおいても信頼性が優秀になり得る。前記「被着体」は、ガラス板（無アルカリガラス板又はソーダライムガラスを含む。）又はＳＵＳ（ｓｔｅｅｌ ｕｓｅ ｓｔａｉｎｌｅｓｓ）になってもよい。前記「剥離強度」は、前記被着体に対して２５℃で厚さ１５μｍ以下の粘着フィルムで測定された値である。粘着フィルムは、被着体であるガラス板及びＳＵＳの両者に対して前記剥離強度を確保することができる。本発明の粘着フィルムは、低温での優れたフォールディング性と剥離強度を同時に有する。例えば、前記剥離強度は、６００ｇｆ／２５ｍｍ、６５０ｇｆ／２５ｍｍ、７００ｇｆ／２５ｍｍ、７５０ｇｆ／２５ｍｍ、８００ｇｆ／２５ｍｍ、８５０ｇｆ／２５ｍｍ、９００ｇｆ／２５ｍｍ、９５０ｇｆ／２５ｍｍ、１０００ｇｆ／２５ｍｍ、１０５０ｇｆ／２５ｍｍ、１１００ｇｆ／２５ｍｍ、１１５０ｇｆ／２５ｍｍ、１２００ｇｆ／２５ｍｍ、１２５０ｇｆ／２５ｍｍ、１３００ｇｆ／２５ｍｍ、１３５０ｇｆ／２５ｍｍ、１４００ｇｆ／２５ｍｍ、１４５０ｇｆ／２５ｍｍ、１５００ｇｆ／２５ｍｍ、１５５０ｇｆ／２５ｍｍ、１６００ｇｆ／２５ｍｍ、１６５０ｇｆ／２５ｍｍ、１７００ｇｆ／２５ｍｍ、１７５０ｇｆ／２５ｍｍ、１８００ｇｆ／２５ｍｍ、１８５０ｇｆ／２５ｍｍ、１９００ｇｆ／２５ｍｍ、１９５０ｇｆ／２５ｍｍ、２０００ｇｆ／２５ｍｍ、具体的には６００ｇｆ／２５ｍｍ乃至２０００ｇｆ／２５ｍｍ、さらに具体的には７００ｇｆ／２５ｍｍ乃至１５００ｇｆ／２５ｍｍになってもよい。

粘着フィルムは、６０℃での貯蔵モジュラスが約０．０２ＭＰａ以上、例えば、０．０２ＭＰａ、０．０５ＭＰａ、０．１ＭＰａ、０．１５ＭＰａ、０．２ＭＰａ、０．２５ＭＰａ、０．３ＭＰａ、０．３５ＭＰａ、０．４ＭＰａ、０．４５ＭＰａ、０．５ＭＰａ、具体的には０．０２ＭＰａ乃至０．５ＭＰａ、さらに具体的には０．０２ＭＰａ乃至０．１ＭＰａになってもよい。前記範囲で、粘着フィルムの高温での信頼性が優秀になり得る。

粘着フィルムは、６０℃での貯蔵モジュラス：－２０℃での貯蔵モジュラスの比が約１：１乃至約１：２０、例えば、約１：１、１：２、１：３、１：４、１：５、１：６、１：７、１：８、１：９、１：１０、１：１１、１：１２、１：１３、１：１４、１：１５、１：１６、１：１７、１：１８、１：１９、１：２０、具体的には１：２乃至１：１０になってもよい。前記範囲で、高温及び低温を含む広範囲な温度でのフォールディング性が優秀になり得る。

粘着フィルムは、せん断変形率が約１８％以上、例えば、１８％、１９％、２０％、２１％、２２％、２３％、２４％、２５％、２６％、２７％、２８％、２９％、３０％、３１％、３２％、３３％、３４％、３５％、３６％、３７％、３８％、３９％、４０％、具体的には１８％乃至４０％、さらに具体的には２０％乃至３５％になってもよい。前記範囲で、低温でのフォールディングにおいて信頼性が確保され得る。

粘着フィルムは、下記数式１のせん断変形率の変化率が約１０％以下、例えば、０％、０．１％、０．５％、１％、１．５％、２％、２．５％、３％、３．５％、４％、４．５％、５％、５．５％、６％、６．５％、７％、７．５％、８％、８．５％、９％、９．５％、１０％、具体的には０．１％乃至１０％、さらに具体的には０．１％乃至５％になってもよい。前記範囲で、高温高湿で長期間放置した後にも、低温での優れたフォールディング性を確保することができる。

（前記数式１において、Ａは、粘着フィルムの初期せん断変形率（単位：％）で、
Ｂは、高温高湿後のせん断変形率であって、粘着フィルムを６０℃及び９５％の相対湿度内で１０日間放置し、２５℃で２時間放置した後の前記粘着フィルムのせん断変形率（単位：％）である。）
前記数式１において、Ａ及びＢは、それぞれ約１８％以上、例えば、１８％、１９％、２０％、２１％、２２％、２３％、２４％、２５％、２６％、２７％、２８％、２９％、３０％、３１％、３２％、３３％、３４％、３５％、３６％、３７％、３８％、３９％、４０％、具体的には１８％乃至４０％、さらに具体的には２０％乃至３５％になってもよい。前記範囲で、低温でのフォールディングにおいて信頼性が確保され得る。

粘着フィルムは、厚さが約２０μｍ以下、例えば、０．１μｍ、０．５μｍ、１μｍ、２μｍ、３μｍ、４μｍ、５μｍ、６μｍ、７μｍ、８μｍ、９μｍ、１０μｍ、１１μｍ、１２μｍ、１３μｍ、１４μｍ、１５μｍ、１６μｍ、１７μｍ、１８μｍ、１９μｍ、２０μｍ、具体的には０μｍ超過１５μｍ以下になってもよい。前記範囲で、薄型の光学部材及び光学表示装置を容易に製造することができる。

上述したｔａｎδ値のピーク温度、－２０℃での貯蔵モジュラス、被着体に対する剥離強度、せん断変形率及びせん断変形率の変化率を有する粘着フィルムは、熱硬化型粘着フィルム用組成物で形成された。本発明は、上述した物性を有する粘着フィルムを熱硬化型組成物で形成した。これを通じて、前記言及した効果と共に、ＵＶ吸収剤の含有量に制限がないので、外部のＵＶ透過によるパネル内の素子の寿命及び信頼性における改善効果も得ることができる。

以下、前記熱硬化型組成物（以下、「組成物」ともいう。）に対して説明する。

前記組成物は、（メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む。（メタ）アクリル系バインダーは、（メタ）アクリル系オリゴマーに比べて高い重量平均分子量を有する。

（メタ）アクリル系バインダーは、硬化剤によって硬化されることによって粘着フィルムのマトリックスを形成し、低温でのフォールディング性を改善することを助けることができる。

（メタ）アクリル系バインダーは、ガラス転移温度が約－５５℃以下、例えば、－７０℃、－６９℃、－６８℃、－６７℃、－６６℃、－６５℃、－６４℃、－６３℃、－６２℃、－６１℃、－６０℃、－５９℃、－５８℃、－５７℃、－５６℃、－５５℃、具体的には－７０℃乃至－５５℃になってもよい。前記範囲で、硬化剤を含む場合にも、前記ｔａｎδ値のピーク温度及び－２０℃での貯蔵モジュラスに到達し、低温でのフォールディング性を改善することができる。

（メタ）アクリル系バインダーは、単量体混合物のうちホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下、例えば、－８０℃、－７９℃、－７８℃、－７７℃、－７６℃、－７５℃、－７４℃、－７３℃、－７２℃、－７１℃、－７０℃、－６９℃、－６８℃、－６７℃、－６６℃、－６５℃、－６４℃、－６３℃、－６２℃、－６１℃、－６０℃、－５９℃、－５８℃、－５７℃、－５６℃、－５５℃、－５４℃、－５３℃、－５２℃、－５１℃、－５０℃、具体的には－８０℃乃至－５０℃である（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物の（メタ）アクリル系共重合体を含むことができる。前記範囲で、前記バインダーのガラス転移温度に容易に到達し、前記ｔａｎδ値のピーク温度及び－２０℃での貯蔵モジュラスに到達し得る。

ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下、具体的には－８０℃乃至－５０℃である（メタ）アクリル系単量体は、前記ガラス転移温度範囲を有するのであれば、その種類に特別な制限を設けない。前記ガラス転移温度は、該当の（メタ）アクリル系単量体のカタログを参照したり、当業者に知られている通常の方法で測定され得る。

一具体例において、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である単量体としては、直鎖型又は分岐鎖型の炭素数１乃至１０、例えば、１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体のうち１種以上が選択されて使用されてもよい。例えば、直鎖型又は分岐鎖型の炭素数１乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体は、Ｎ－ブチルアクリレート、２－エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、及びイソノニルアクリレートのうち１種以上を含み得るが、これに制限されない。

一具体例において、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である（メタ）アクリル系単量体は、前記単量体混合物のうち９０重量％以上、例えば、９０重量％、９１重量％、９２重量％、９３重量％、９４重量％、９５重量％、９６重量％、９７重量％、９８重量％、９９重量％、１００重量％、具体的には９０重量％乃至１００重量％で含まれてもよい。前記範囲で、バインダーのガラス転移温度の範囲に容易に到達し得る。

一具体例において、前記単量体混合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、分岐鎖型の炭素数３乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体約４０重量％以上約１００重量％未満、例えば、４０重量％、４１重量％、４２重量％、４３重量％、４４重量％、４５重量％、４６重量％、４７重量％、４８重量％、４９重量％、５０重量％、５１重量％、５２重量％、５３重量％、５４重量％、５５重量％、５６重量％、５７重量％、５８重量％、５９重量％、６０重量％、６１重量％、６２重量％、６３重量％、６４重量％、６５重量％、６６重量％、６７重量％、６８重量％、６９重量％、７０重量％、７１重量％、７２重量％、７３重量％、７４重量％、７５重量％、７６重量％、７７重量％、７８重量％、７９重量％、８０重量％、８１重量％、８２重量％、８３重量％、８４重量％、８５重量％、８６重量％、８７重量％、８８重量％、８９重量％、９０重量％、９１重量％、９２重量％、９３重量％、９４重量％、９５重量％、９６重量％、９７重量％、９８重量％、９９重量％、９９．９重量％、具体的には４０重量％乃至９０重量％と、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、直鎖型の炭素数１乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体０重量％超過６０重量％以下、例えば、１重量％、２重量％、３重量％、４重量％、５重量％、６重量％、７重量％、８重量％、９重量％、１０重量％、１１重量％、１２重量％、１３重量％、１４重量％、１５重量％、１６重量％、１７重量％、１８重量％、１９重量％、２０重量％、２１重量％、２２重量％、２３重量％、２４重量％、２５重量％、２６重量％、２７重量％、２８重量％、２９重量％、３０重量％、３１重量％、３２重量％、３３重量％、３４重量％、３５重量％、３６重量％、３７重量％、３８重量％、３９重量％、４０重量％、４１重量％、４２重量％、４３重量％、４４重量％、４５重量％、４６重量％、４７重量％、４８重量％、４９重量％、５０重量％、５１重量％、５２重量％、５３重量％、５４重量％、５５重量％、５６重量％、５７重量％、５８重量％、５９重量％、６０重量％、具体的には１０重量％乃至６０重量％とを含むことができる。前記範囲で、バインダーのガラス転移温度の範囲に容易に到達し得る。

前記単量体混合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過である（メタ）アクリル系単量体をさらに含むこともできる。ただし、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過である単量体の前記単量体混合物中の含量は、バインダーのガラス転移温度の範囲に影響を与えてはならない。例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過である（メタ）アクリル系単量体は、単量体混合物のうち１０重量％未満、例えば、０．０１重量％、０．０５重量％、０．１重量％、１重量％、２重量％、３重量％、４重量％、５重量％、６重量％、７重量％、８重量％、９重量％、９．５重量％、９．９重量％、具体的には０．０１重量％以上１０重量％未満で含まれてもよい。

例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過である（メタ）アクリル系単量体は、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過約１５０℃以下、例えば、－４９℃、－４５℃、－４０℃、－３０℃、－２０℃、－１０℃、０℃、１０℃、２０℃、３０℃、４０℃、５０℃、６０℃、７０℃、８０℃、９０℃、１００℃、１１０℃、１２０℃、１３０℃、１４０℃、１５０℃になってもよい。前記ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃超過である（メタ）アクリル系単量体は、水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体、芳香族基を有する（メタ）アクリル系単量体、脂環族基を有する（メタ）アクリル系単量体、ヘテロ脂環族基を有する（メタ）アクリル系単量体、及びアミノ基を有する（メタ）アクリル系単量体のうち１種以上から選択されて含まれてもよい。

（メタ）アクリル系バインダーは、重量平均分子量（Ｍｗ）が約１５０万以下、例えば、９０万、９５万、１００万、１０５万、１１０万、１１５万、１２０万、１２５万、１３０万、１３５万、１４０万、１４５万、１５０万、具体的には約９０万乃至約１５０万になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムのマトリックスの形成が容易になり、剥離強度及び信頼性を高めることができる。

（メタ）アクリル系バインダーは、多分散指数（ＰＤＩ）が約１０以下、具体的には約３乃至約１０になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムのマトリックスの形成が容易になり、剥離強度及び信頼性を高めることができる。

（メタ）アクリル系バインダーは、前記単量体混合物を通常の重合方法で重合させることによって製造され得る。重合方法は、当業者に知られている通常の方法を含むことができる。例えば、（メタ）アクリル系バインダーは、単量体混合物に開始剤を添加した後、通常の共重合体重合、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などで製造されてもよい。重合温度は約６０℃乃至７０℃、重合時間は約６時間乃至８時間になってもよい。開始剤としては、アゾ系重合開始剤；及び／又は過酸化ベンゾイル又は過酸化アセチルなどの過酸化物などを含む通常のものを使用することができる。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、粘着フィルムの剥離強度を高めることができる。上述した粘着フィルムは、熱硬化型組成物で形成され、薄型の厚さを有し得るが、剥離強度が低下する可能性がある。（メタ）アクリル系オリゴマーは、粘着フィルムの凝集力を高め、粘着フィルムの剥離強度を高めることができる。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、ガラス転移温度が約５０℃以上になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムの剥離強度を高めることができる。具体的には、（メタ）アクリル系オリゴマーは、ガラス転移温度が、例えば、５０℃、５１℃、５２℃、５３℃、５４℃、５５℃、５６℃、５７℃、５８℃、５９℃、６０℃、６１℃、６２℃、６３℃、６４℃、６５℃、６６℃、６７℃、６８℃、６９℃、７０℃、７１℃、７２℃、７３℃、７４℃、７５℃、７６℃、７７℃、７８℃、７９℃、８０℃、８１℃、８２℃、８３℃、８４℃、８５℃、８６℃、８７℃、８８℃、８９℃、９０℃、具体的には５０℃乃至９０℃、さらに具体的には５０℃乃至８０℃になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムの剥離強度を高め、低温でのフォールディング性を高めることができる。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、重量平均分子量が約３０００乃至５００００、例えば、３０００、４０００、５０００、６０００、７０００、８０００、９０００、１００００、１１０００、１２０００、１３０００、１４０００、１５０００、１６０００、１７０００、１８０００、１９０００、２００００、３０００、４００００、５００００、具体的には５０００乃至５００００になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムの凝集力を高めることができる。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物のオリゴマーを含むことができる。前記水酸基は、（メタ）アクリル系オリゴマーに含まれ、高温高湿耐久性を向上させるという効果を提供することができる。前記（メタ）アクリル系オリゴマーのうち水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体は、前記（メタ）アクリル系バインダーが架橋性官能基、例えば、水酸基又はカルボン酸基を有さない（メタ）アクリル系バインダーである場合、粘着フィルムの剥離強度の向上、低温でのフォールディング性の確保を助けることができる。水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体は、４－ヒドロキシブチル（メタ）アクリレート、ヒドロキシエチル（メタ）アクリレートなどを含み得るが、これに制限されない。水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体は、前記単量体混合物のうち約０．１重量％乃至約９９．９重量％で含まれてもよい。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が約９０℃以上、例えば、９０℃、９１℃、９２℃、９３℃、９４℃、９５℃、９６℃、９７℃、９８℃、９９℃、１００℃、１０１℃、１０２℃、１０３℃、１０４℃、１０５℃、１０６℃、１０７℃、１０８℃、１０９℃、１１０℃、１１１℃、１１２℃、１１３℃、１１４℃、１１５℃、１１６℃、１１７℃、１１８℃、１１９℃、１２０℃、具体的には１００℃乃至１２０℃である（メタ）アクリル系単量体を主要構成単位で含むことができる。前記範囲で、粘着フィルムの高温での貯蔵モジュラスが過度に高くなることを防止することができ、前記ガラス転移温度の範囲を確保することができる。例えば、前記（メタ）アクリル系単量体は、単官能の（メタ）アクリル系単量体であって、具体的には、メチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどになってもよいが、これに制限されない。前記「主要構成単位」は、前記（メタ）アクリル系オリゴマーの全体単位のうち該当の単量体が約５０重量％以上、６０重量％以上、１００％以下で含まれることを意味する。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が約５０℃以下、例えば、－８０℃乃至０℃、具体的には、－８０℃、－７５℃、－７０℃、－６５℃、－６０℃、－５５℃、－５０℃、－４５℃、－４０℃、－３５℃、－３０℃、－２５℃、－２０℃、－１５℃、－１０℃、－５℃、０℃、５℃、１０℃、１５℃、２０℃、２５℃、３０℃、３５℃、４０℃、４５℃、５０℃である（メタ）アクリル系単量体を構成単位でさらに含むこともできる。

一具体例において、（メタ）アクリル系オリゴマーは、４－ヒドロキシブチル（メタ）アクリレート及びメチルメタクリレートを含む単量体混合物のオリゴマーを含むことができる。前記単量体混合物は、メタクリル酸、及びＮ－ブチル（メタ）アクリレートのうち１種以上をさらに含むことができる。

（メタ）アクリル系オリゴマーは、（メタ）アクリル系バインダー１００重量部に対して約３重量部以下、例えば、０．００１重量部、０．５重量部、１重量部、１．５重量部、２重量部、２．５重量部、３重量部、具体的には０．００１重量部乃至３重量部、さらに具体的には０．０１重量部乃至１重量部で含まれてもよい。前記範囲で、粘着フィルムの剥離強度を高めながら、低温での貯蔵モジュラスの上昇を防止することができる。

硬化剤は、（メタ）アクリル系バインダーを熱硬化させることによって粘着フィルムのマトリックスを形成し、粘着フィルムの信頼性を高めることができる。

前記硬化剤は、イソシアネート系硬化剤を含むことができる。

一具体例において、イソシアネート系硬化剤は、ウレタン結合を含有しなくてもよい。

イソシアネート系硬化剤は、２官能以上、具体的には２官能乃至６官能のイソシアネート系硬化剤を含むことができる。一具体例において、イソシアネート系硬化剤は、ｍ－キシレンジイソシアネートなどを含むキシレンジイソシアネート（ＸＤＩ）、４，４'－メチレンビス（フェニルイソシアネート）などを含むメチレンビス（フェニルイソシアネート）（ＭＤＩ）、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートのうち１種以上の芳香族イソシアネート系硬化剤又は脂肪族イソシアネート系硬化剤、又はこれらの付加体を含むことができる。例えば、前記付加体は、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、キシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、及びイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体になってもよい。イソシアネート系硬化剤には、前記組成物のうち１種以上が含まれてもよい。

イソシアネート系硬化剤は、前記（メタ）アクリル系バインダー１００重量部に対して約１重量部以下、具体的には０．０１重量部乃至１重量部、さらに具体的には０．０１重量部乃至０．５重量部で含まれてもよい。前記範囲で、粘着フィルムの信頼性を高めながら、粘着フィルムの低温での貯蔵モジュラスの上昇を防止することができる。

前記組成物は、イソシアネート基を有さない硬化剤（以下、「非イソシアネート系硬化剤」ともいう。）をさらに含むことができる。

非イソシアネート系硬化剤は、金属キレート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、アジリジン系硬化剤、及びエポキシ系硬化剤のうち１種以上を含むことができ、好ましくは、金属キレート系硬化剤を含むことができる。金属キレート硬化剤は、（メタ）アクリル系バインダーの硬化速度を高めることができる。

金属キレート系硬化剤としては、通常の硬化剤を使用可能であるが、例えば、アルミニウム、チタン、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの金属を含む硬化剤を使用することができる。例えば、金属キレート系硬化剤は、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス（エチルアセトアセテート）、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムイソプロピレート、モノ－ｓｅｃ－ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム－ｓｅｃ－ブチレート、アルミニウムエチレート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネート二量体、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、ポリヒドロキシチタンステアレート、及びアルミニウムアセチルアセトネートのうち一つ以上を含むことができる。

非イソシアネート系硬化剤は、（メタ）アクリル系バインダー１００重量部に対して約５重量部以下、具体的には０．０１重量部乃至２重量部で含まれてもよい。前記範囲で、本発明の粘着フィルムの効果に影響を与えないと共に、追加的な効果を得ることができる。

前記組成物は、シランカップリング剤をさらに含むことができる。

シランカップリング剤は、粘着フィルムの粘着力を高めることができる。シランカップリング剤は、当業者に知られている通常のシランカップリング剤を含むことができる。例えば、シランカップリング剤は、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤を含み得るが、これに制限されない。

シランカップリング剤は、（メタ）アクリル系バインダー１００重量部に対して約０．０１重量部乃至５重量部で含まれてもよい。前記範囲で、剥離強度の改善効果をさらに奏し得る。

前記組成物は、ＵＶ吸収剤をさらに含むことができる。ＵＶ吸収剤は、粘着フィルムに含まれ、外部から入射されるＵＶの含量を低下させることによって、パネル内の発光素子などの損傷を防止することができる。一具体例において、粘着フィルムは、波長約３９０ｎｍ以下での光透過率が約２０％以下、例えば、０％乃至１０％になってもよい。

ＵＶ吸収剤は、最大吸収波長が約３９０ｎｍ以上、具体的には３９０ｎｍ以上４００ｎｍ以下、さらに具体的には３９０ｎｍ超過４００ｎｍ未満になってもよい。前記範囲で、外光のうち波長４２０ｎｍ以下、波長４００ｎｍ乃至４２０ｎｍ、波長４０５ｎｍ以下での光を十分に吸収し、ＵＶ透過率を低下させることによって発光素子の損傷を防止することができる。

前記「最大吸収波長」は、最大吸収ピークを示す波長、すなわち、波長による吸光度曲線で最大吸光度を出す波長を意味する。前記「吸光度」は、当業者に知られている通常の方法で測定され得る。

ＵＶ吸収剤は、粘着フィルムのうち約０．１重量％乃至１．５重量％、具体的には０．５重量％乃至１重量％で含まれてもよい。前記範囲で、ＵＶ遮断効果を奏し、粘着フィルムからのＵＶ吸収剤の溶出などの問題がなくなり得る。

ＵＶ吸収剤は、前記最大吸収波長を有するインドール系吸収剤、及びトリアジン系吸収剤のうち１種以上を含み得るが、これに制限されない。

前記組成物は、添加剤をさらに含むことができる。添加剤は、粘着フィルムに含まれるものであって、当業者に知られている通常の添加剤を含むことができる。例えば、添加剤は、顔料、紫外線吸収剤、レベリング剤、及び帯電防止剤のうち１種以上を含み得るが、これに制限されない。

前記組成物は、溶剤をさらに含むことができる。溶剤は、前記組成物の塗工性を高め、薄型の厚さを有しながら均一な表面を有する粘着フィルムを提供することを可能にする。溶剤は、当業者に知られている通常の種類を含むことができる。例えば、溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルアセテートなどを含み得るが、これに制限されない。一具体例において、前記組成物は、粘着フィルムの固形分約２０重量％乃至３０重量％、具体的には２０重量％乃至２５重量％を含むことができる。前記範囲で、組成物の塗工性が優秀になり得る。

粘着フィルムは、可視光領域（例：波長３８０ｎｍ乃至７８０ｎｍ）でのヘイズ（ｈａｚｅ）が約２％以下、具体的には０．１％乃至１％になり、全光線透過率が約９０％以上、具体的には９５％乃至９９％になってもよい。前記範囲で、光学透明性が良くなり、粘着フィルムが光学表示装置に使用され得る。

本発明の一実施例に係る光学部材は、光学素子、及び前記光学素子の少なくとも一面に形成された粘着フィルムを含み、粘着フィルムは、本発明の各実施例に係る粘着フィルムを含む。よって、光学部材は、良好なベンディング及び／又は良好なフォールディング特性を有し、フレキシブルディスプレイ装置に使用され得る。

一実施例において、光学素子は、ディスプレイ装置のうち一定の光学的機能、例えば、発光、偏光、光学補償、ディスプレイ画質の改善、及び／又は導電性を提供するものであって、光学フィルムとしては、ＯＬＥＤパネルなどを含むディスプレイパネル、ウィンドウフィルム、ウィンドウ、偏光フィルム、偏光板、カラーフィルター、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射偏光フィルム、反射防止フィルム、補償フィルム、輝度向上フィルム、配向膜、光拡散フィルム、ガラス飛散防止フィルム、表面保護フィルム、ＯＬＥＤ素子バリア層、プラスチックＬＣＤ基板、ＩＴＯ（ｉｎｄｉｕｍ ｔｉｎ ｏｘｉｄｅ）、ＦＴＯ（ｆｌｕｏｒｉｎａｔｅｄ ｔｉｎ ｏｘｉｄｅ）、ＡＺＯ（ａｌｕｍｉｎｕｍ ｄｏｐｐｅｄ ｚｉｎｃ ｏｘｉｄｅ）、ＣＮＴ（ｃａｒｂｏｎ ｎａｎｏｔｕｂｅ）、Ａｇナノワイヤ、グラフェンなどを含む透明電極フィルムなどを挙げることができる。光学素子は、本発明の属する分野で通常の知識を有する者によって容易に製造され得る。

例えば、タッチパッドに粘着フィルムを用いてウィンドウや光学フィルムを付着させ、タッチパネルを形成することができる。又は、従来のように通常の偏光フィルムに粘着フィルムを適用することもできる。

本発明の光学表示装置は、本発明の粘着フィルムを含む。

光学表示装置は、有機発光素子表示装置、液晶表示装置などを含むことができる。光学表示装置は、フレキシブルディスプレイ装置を含むことができる。しかし、光学表示装置は、ノン・フレキシブルディスプレイ装置を含むこともできる。

［発明を実施するための形態］
以下、本発明の好適な実施例を通じて、本発明の構成及び作用をさらに詳細に説明する。ただし、これは、本発明の好適な例示として提示されたものであって、如何なる意味でも、これによって本発明が制限されると解釈してはならない。

実施例１
２－エチルヘキシルアクリレート（２－ＥＨＡ）７０重量部、及びｎ－ブチルアクリレート（ｎ－ＢＡ）３０重量部を含む単量体混合物１００重量部を重合することによって（メタ）アクリル系バインダーを製造した。

固形分を基準にして、前記製造した（メタ）アクリル系バインダー１００重量部に対して（メタ）アクリル系オリゴマー１ ０．０４重量部、イソシアネート系硬化剤２ ０．２重量部、及びシランカップリング剤（Ｓ－１、サイデン化学株式会社）０．０６重量部を混合し、溶媒であるメチルエチルケトンを混合することによって固形分２０重量％の粘着フィルム用組成物を製造した。

前記製造した粘着フィルム用組成物を、第１離型フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ１５μｍで塗布し、１００℃で３分間硬化させた後、第２離型フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムを合わせ、第１離型フィルム／粘着フィルム／第２離型フィルムで構成される粘着シートを製造した。

実施例２乃至実施例４
実施例１における各成分の種類及び／又は含量を下記表１のように変更したことを除いては、実施例１と同一の方法を実施することによって粘着シートを製造した。

比較例１乃至比較例３
実施例１における各成分の種類及び／又は含量を下記表１のように変更したことを除いては、実施例１と同一の方法を実施することによって粘着シートを製造した。

実施例及び比較例で製造した粘着シートからＰＥＴフィルムを剥離することによって粘着フィルムを製造し、粘着フィルムに対して下記表１の物性を評価し、その結果を下記表１に示した。

（１）剥離強度（単位：ｇｆ／２５ｍｍ）：実施例及び比較例の粘着シートを長さ×幅（２５ｍｍ×２５ｍｍ）の大きさに切断し、第１離型フィルムを剥離した。ＰＥＴフィルム（長さ×幅×厚さ：１５０ｍｍ×２５ｍｍ×７５μｍ）の一面をコロナ処理機を用いて１回当たり７８ｄｏｓｅの線量で放電させながら、コロナ２回処理（総線量：１５６ｄｏｓｅ）でコロナ処理した。前記コロナ処理されたＰＥＴフィルムのコロナ処理された面に粘着フィルムの一面を合わせ、粘着シートのうち第２離型フィルムを離型させた後、粘着フィルムの他の一面をガラス板（ソーダライムガラス）に合わせ、２ｋｇのハンドローラーで圧着することによって試験片を製造した。

製造した試験片を、剥離強度測定機であるＴＡ．ＸＴ－Ｐｌｕｓテクスチャアナライザー（Ｔｅｘｔｕｒｅ Ａｎａｌｙｚｅｒ）（Ｓｔａｂｌｅ Ｍｉｃｒｏ Ｓｙｓｔｅｍ（製））に固定させた。ＴＡ．ＸＴ－Ｐｌｕｓテクスチャアナライザーを用いて、２５℃でガラス板から粘着フィルム及びＰＥＴフィルムを３００ｍｍ／ｍｉｎの速度で１８０゜に引っ張り、ガラス板から粘着フィルム及びＰＥＴフィルムが剥離されながら剥離力が一定に維持される領域の剥離強度を測定した。

ガラス板（ソーダライムガラス）の代わりにＳＵＳ（ｓｔｅｅｌ ｕｓｅ ｓｔａｉｎｌｅｓｓ、ＳＵＳ３０６プレート）を使用し、同一の方法で剥離強度を測定した。

（２）貯蔵モジュラス（単位：ＭＰａ）：実施例及び比較例で製造した粘着シートから２個の離型フィルムを剥離した後、粘着フィルムを複数個で積層させ、５００μｍの厚さでサンプルを製作した。前記粘着フィルムサンプルの積層物を直径８ｍｍの穿孔機を用いて穿孔し、これを試験片として使用した。動的粘弾性測定装置であるレオメーター（Ｒｈｅｏｍｅｔｅｒ）（ＴＡ社、ＤＨＲ３）を用いて、－５０℃乃至１００℃の温度区間において５℃／ｍｉｎの温度上昇速度で温度スイープ試験（ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ ｓｗｅｅｐ ｔｅｓｔ）モードで１％のひずみ及び１Ｈｚの条件下でモジュラスを測定した。－２０℃及び６０℃のそれぞれで貯蔵モジュラスを測定した。

（３）せん断変形率（単位：％）及びせん断変形率の変化率（単位：％）：実施例及び比較例の粘着シートから両側の離型フィルムを離型させ、粘着フィルム（長さ×幅：１００ｍｍ×２５ｍｍ）を得た。粘着フィルムの複数個を積層させ、直径が８ｍｍである穿孔機を用いて積層物を穿孔し、上部面及び下部面を有する円柱試験片（厚さ：４００μｍ、直径：８ｍｍ）を製造した。

製造した円柱試験片の上部面及び下部面が、それぞれ動的粘弾性測定装置であるレオメーター（ＴＡ社、ＤＨＲ３）の上部ジグ及び下部ジグと噛み合うように装着した。チャンバーの温度：６０℃、軸力（Ａｘｉａｌ ｆｏｒｃｅ）：１Ｎ、トルク（Ｔｏｒｑｕｅ）：２０００Ｐａにセッティングし、時間を６００ｓと指定し、このときのせん断変形率値を初期せん断変形率とした。

実施例及び比較例で製造した粘着シートから両側の離型フィルムを離型させて得た粘着フィルムを、６０℃及び９５％の相対湿度下のチャンバー内で１０日間置いた。前記粘着フィルムを２５℃で２時間置いた後、前記初期せん断変形率測定と同一の方法でせん断変形率を測定し、この値を「高温高湿後のせん断変形率」とした。数式１を用いて変化率を計算した。

（前記数式１において、Ａは、粘着フィルムの初期せん断変形率（単位：％）で、
Ｂは、高温高湿後のせん断変形率であって、粘着フィルムを６０℃及び９５％の相対湿度内で１０日間放置し、２５℃で２時間放置した後の前記粘着フィルムのせん断変形率（単位：％）である。）
（４）ｔａｎδのピーク温度（単位：℃）：前記モジュラス測定方法と同一であり、準備した積層された試験片に対して温度によって貯蔵モジュラス及び損失モジュラスを測定し、これらの比（損失モジュラス／貯蔵モジュラス）で定められるｔａｎδ値が最高になる温度を確認した。

（５）低温でのフォールディング：実施例及び比較例で製造された粘着シートから両側の離型フィルムをそれぞれ分離し、粘着フィルムを得た。粘着フィルムをコロナ処理された厚さ５０μｍのポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルムの間に入れ、ＰＥＴフィルムのコロナ処理された面が粘着フィルムと接するようにし、ローラーで付着させた後、１２時間にわたって常温で熟成（ａｇｉｎｇ）させ、横×縦（７０ｍｍ×１４０ｍｍ）の大きさに切断することによって試験片を製造した。前記切断された試験片を粘着剤（４９６５、テサテープ株式会社）を用いて屈曲性評価装備（ＣＦＴ－２００、Ｃｏｖｏｔｅｃｈ社）に固定させ、－２０℃で試験片の縦（１４０ｍｍ）の曲率半径が３ｍｍになるように１分当たり３０サイクル（ｃｙｃｌｅ）の速度でベンディング（粘着フィルムを半分に１回曲げたり広げたりすることを１サイクルとする）を繰り返した。ベンディングを１サイクルとして繰り返したとき、ポリエチレンテレフタレートフィルムにクラックが発生する最初のサイクル数を肉眼で測定した。最初のサイクル数が大きい粘着フィルムは、ベンディングによるポリエチレンテレフタレートフィルムのストレスを容易に緩和（ｒｅｌａｘａｔｉｏｎ）できる粘着フィルムを意味する。最初のサイクル数が１０万回以上である場合はＯＫとし、１０万回未満である場合はＮＧとする。

＊（メタ）アクリル系オリゴマー１：ＮＣＩ、４－ヒドロキシブチルアクリレート及びメチルメタクリレートで形成されたオリゴマー
＊（メタ）アクリル系オリゴマー２：ＮＣＩ、４－ヒドロキシブチルアクリレート、メチルメタクリレート及びメタクリル酸で形成されたオリゴマー
＊（メタ）アクリル系オリゴマー３：Ｓａｉｄｅｎ、４－ヒドロキシブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸及びｎ－ブチルアクリレートで形成されたオリゴマー
＊（メタ）アクリル系オリゴマー４：Ｓａｉｄｅｎ、４－ヒドロキシブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸及びｔｅｒｔ－ブチルメタクリレートで形成されたオリゴマー
＊硬化剤１：Ｓａｉｄｅｎ、トルエンジイソシアネート系硬化剤
＊硬化剤２：ＮＣＩ、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤
＊硬化剤３：Ｓａｉｄｅｎ、金属キレート系硬化剤
前記表１に示したように、本発明の粘着フィルムは、薄型の厚さ及び均一な表面を有し、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れていた。本発明の粘着フィルムは、熱硬化型組成物で形成され、剥離強度が高く、低温でのフォールディング性に優れた粘着フィルムを提供した。前記表１には示していないが、本発明の粘着フィルムは、外部のＵＶ透過を低下させ、パネル内の素子の寿命及び信頼性における改善効果を有する。

しかし、前記表１に示したように、本発明の構成から逸脱する比較例の粘着フィルムは、本発明の上述した効果を全て満足できなかった。

本発明の単純な変形及び変更は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。

Claims (19)

1. （メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成される粘着フィルムであって、
   前記粘着フィルムは、ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下である、粘着フィルム。
2. ｔａｎδ値のピーク温度が約－４０℃以下で、－２０℃での貯蔵モジュラスが約０．３ＭＰａ以下である粘着フィルムであって、
   前記粘着フィルムは、ガラス板又はＳＵＳでの剥離強度が約６００ｇｆ／２５ｍｍ以上である、粘着フィルム。
3. 前記粘着フィルムは、厚さが約２０μｍ以下である、請求項１又は請求項２に記載の粘着フィルム。
4. 前記粘着フィルムは、ガラス板又はＳＵＳでの剥離強度が約６００ｇｆ／２５ｍｍ以上である、請求項１に記載の粘着フィルム。
5. 前記粘着フィルムは、せん断変形率が約１８％以上である、請求項１又は請求項２に記載の粘着フィルム。
6. 前記粘着フィルムは、下記数式１のせん断変形率の変化率が約１０％以下である、請求項１又は請求項２に記載の粘着フィルム：
   
   （前記数式１において、Ａは、粘着フィルムの初期せん断変形率（単位：％）で、
   Ｂは、高温高湿後のせん断変形率であって、粘着フィルムを６０℃及び９５％の相対湿度内で１０日間放置し、２５℃で２時間放置した後の前記粘着フィルムのせん断変形率（単位：％）である。）
7. 前記粘着フィルムは、（メタ）アクリル系バインダー、（メタ）アクリル系オリゴマー及び硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成される、請求項２に記載の粘着フィルム。
8. 前記（メタ）アクリル系バインダーは、ガラス転移温度が約－５５℃以下である、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
9. 前記（メタ）アクリル系バインダーは、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物の（メタ）アクリル系共重合体を含む、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
10. 前記ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下である（メタ）アクリル系単量体は、前記単量体混合物のうち約９０重量％乃至１００重量％で含まれる、請求項９に記載の粘着フィルム。
11. 前記単量体混合物は、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、分岐鎖型の炭素数３乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体約４０重量％以上１００重量％未満と、ホモポリマーのガラス転移温度が約－５０℃以下で、直鎖型の炭素数１乃至１０のアルキル基を有する（メタ）アクリル系単量体約０重量％超過６０重量％以下と、を含む、請求項９に記載の粘着フィルム。
12. 前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、ガラス転移温度が約５０℃以上である、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
13. 前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、水酸基を有する（メタ）アクリル系単量体を含む単量体混合物のオリゴマーを含む、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
14. 前記（メタ）アクリル系オリゴマーは、重量平均分子量が約３，０００乃至５０，０００である、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
15. 前記硬化剤は、イソシアネート系硬化剤を含み、
    前記粘着フィルム用組成物のうち前記（メタ）アクリル系バインダー１００重量部、前記（メタ）アクリル系オリゴマー約３重量部以下、及び前記イソシアネート系硬化剤約１重量部以下を含む、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
16. 前記粘着フィルム用組成物は、金属キレート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、アジリジン系硬化剤、及びエポキシ系硬化剤のうち１種以上の硬化剤をさらに含む、請求項１又は請求項７に記載の粘着フィルム。
17. 前記粘着フィルムは、ＵＶ吸収剤をさらに含む、請求項１又は請求項２に記載の粘着フィルム。
18. 光学素子、及び前記光学素子の少なくとも一面に形成された粘着フィルムを含み、
    前記粘着フィルムは、請求項１又は請求項２の粘着フィルムを含む、光学部材。
19. 請求項１８の光学部材を含む、光学表示装置。