JP2024103166A - ワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤーハーネスの製造に関する一連作業を自動で行う。【解決手段】ワイヤーハーネス製造装置1は、複数のスライド部12と、電線W18をスライド部12に搭載された先端側コネクタに接続するコネクタ接続部17の先端側コネクタ接続部と、引き出された電線W18を選択的に寄せて分岐形状を形成する、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部及び大規模寄せ部20(電線寄せ部)と、寄せられた電線W18のテープ巻きを行なって分岐形状を確定する移動テープ巻き機構22(テープ巻き部)と、各々が後端側コネクタを搭載するように複数設けられて直交方向D13に移動することで、電線W18を各後端側コネクタに振り分ける後端側コネクタ供給部16の後端側コネクタ移動部と、電線W18を切断するとともに後端側コネクタに接続するコネクタ接続部17の後端側コネクタ接続部と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、分岐形状のワイヤーハーネスを製造するためのワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法に関するものとなっている。
従来、分岐形状のワイヤーハーネスを製造するための製造装置として、平板状の布線板に、ワイヤーハーネスを保持する複数の保持部材を、分岐形状に応じた配置で設置した装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。このような製造装置では、布線板上に分岐形状をなすように電線を配策し、その後に、各所にテープ巻きを施して分岐形状を確定するといった一連の作業を経てワイヤーハーネスが製造される。
特開2018-606043号公報
ここで、上述の製造装置を用いた作業の多くは作業者の手作業によって行われる。特に、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定に至る作業は、多くの場合、熟練の作業者が経験に基づいて行っている。他方、ワイヤーハーネスの製造に関し、人手を介さずに自動で製造作業を行う装置の開発も進められてはいる。しかしながら、熟練の作業者による分岐形状の形成から確定に至る作業については自動化が困難であり、これらの作業を含めて、ワイヤーハーネスの製造に関する一連作業を自動で行うことができる装置が求められている。
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、ワイヤーハーネスの製造に関する一連作業を自動で行うことができるワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、ワイヤーハーネス製造装置は、先端側コネクタを搭載可能で、第1端側と第2端側との間で互いに平行に直線移動するように複数設けられたスライド部と、各前記スライド部に振り分けて供給され、前記第1端側から前記第2端側に引出し可能な電線を、振り分け対象である前記スライド部に搭載された前記先端側コネクタに接続する、前記第1端側に設けられた先端側コネクタ接続部と、異なる前記スライド部の移動によって引出された前記電線を選択的に寄せて分岐形状を形成する電線寄せ部と、寄せられた前記電線のテープ巻きを行なって前記分岐形状を確定するテープ巻き部と、各々が後端側コネクタを搭載するように複数設けられ、各々が前記第1端側で前記スライド部の移動方向に対する直交方向に移動することで、前記スライド部の移動によって引出された前記電線を各前記後端側コネクタに振り分ける後端側コネクタ移動部と、各前記後端側コネクタに振り分けられた前記電線を切断するとともに前記後端側コネクタに接続する、前記第1端側に設けられた後端側コネクタ接続部と、を備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、ワイヤーハーネス製造方法は、引出し可能な電線を、複数設けられた先端側コネクタに振り分けて接続する先行接続工程と、前記先端側コネクタを互いに平行に直線移動させて前記電線を引き出す電線引出し工程と、引出された前記電線同士を選択的に寄せて分岐形状を形成するとともに、テープ巻きによって当該分岐形状を確定するテープ巻き工程と、引出された前記電線を複数設けられた後端側コネクタそれぞれに振り分け、各前記後端側コネクタに振り分けられた前記電線を切断するとともに前記後端側コネクタに接続する後行接続工程と、を備えたことを特徴とする。
上述のワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法によれば、ワイヤーハーネスの製造に関する一連作業を自動で行うことができる。
一実施形態に係るワイヤーハーネス製造装置を示す外観斜視図である。 図1に示されているワイヤーハーネス製造装置を模式的なブロックで示すブロック図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置によって製造されるワイヤーハーネスの一例を示す模式図である。 図1及び図2に示されているスライド部及びレールを示す斜視図である。 図4に示されているスライド部の一つを拡大して示す斜視図である。 図1及び図2に示されている先端側コネクタ供給部を、当該先端側コネクタ供給部によって先端側コネクタ搭載部へと先端側コネクタが供給される様子とともに示す斜視図である。 図1及び図2に示されている先端側コネクタ搭載部を、当該先端側コネクタ搭載部によってスライド部へと先端側コネクタが搭載される様子とともに示す斜視図である。 図1及び図2に示されているコネクタ接続部において先端側コネクタに電線を接続する部分を、電線接続の流れとともに示す図である。 図1及び図2に示されている後端側コネクタ供給部を、コネクタ供給の流れとともに示す図である。 図1及び図2に示されているコネクタ接続部において後端側コネクタに電線を接続する部分を、電線接続の流れにおける初期動作とともに示す図である。 コネクタ接続部において、図10に示されている初期動作に続いて行われる電線の接続動作を示す図である。 図1及び図2に示されている固定テープ巻き機構を示す斜視図である。 図12に示されている固定テープ巻き機構が備える引出し中テープ巻き部を、図12中の矢印V11方向から見た平面図である。 図1及び図2に示されている電線把持/余長付与部を示す斜視図である。 図14に示されている余長引出しに対応した電線把持機構によって電線の余長分が引き出される様子を示す斜視図である。 図15に示されている電線把持機構によって電線の余長分が引き出される様子を示す模式的な平面図である。 図16に示されている電線把持機構の変形例を、図16と同様の模式的な平面図で示した図である。 図1及び図2に示されている大規模寄せ部を示す斜視図である。 図18に示されている大規模寄せ部が電線を寄せる様子を示す斜視図である。 図1及び図2に示されている移動テープ巻き機構をロボットアームとともに示す斜視図である。 図20に示されている移動テープ巻き機構を単品で示した斜視図である。 図1及び図2に示されているクリップ取付け部をロボットアームとともに示す斜視図である。 図1及び図2に示されている外装材取付け部をロボットアームとともに示す斜視図である。 図1及び図2に示されている既成電線配置部をロボットアームとともに示す斜視図である。 図24に示されている既成電線配置部を単品で示した斜視図である。 図1及び図2に示されている払出し部をロボットアームとともに示す斜視図である。 図26に示されている払出し部を単品で示した斜視図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS11~S14を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS15~S18を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS19~S22を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS23~S25を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS26~S29を示す模式図である。 、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS30~S33を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS34~S37を示す模式図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS38~S40を示す模式図である。 図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS51及びステップS52を示す模式図である。 図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS53~ステップS55を示す模式図である。 図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS56及びステップS57を示す模式図である。
以下、ワイヤーハーネス製造装置、ワイヤーハーネス製造方法、ワイヤーハーネス、張力制御装置、及び張力制御方法の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係るワイヤーハーネス製造装置を示す外観斜視図であり、図2は、図1に示されているワイヤーハーネス製造装置を模式的なブロックで示すブロック図である。また、図3は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置によって製造されるワイヤーハーネスの一例を示す模式図である。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、図3に一例として示されているような分岐形状のワイヤーハーネスW1を自動で製造する装置である。
製造対象のワイヤーハーネスW1は、自動車に搭載されて配策され、車内の複数の機器同士を繋ぐ部材である。このワイヤーハーネスW1は、複数の先端側コネクタW11、複数の後端側コネクタW12、枝線テープ巻き部W13、枝線外装部W14、分岐テープ巻き部W15、分岐外装部W16、及び複数の固定クリップW17、を備えている。
先端側コネクタW11は、ワイヤーハーネス製造装置1における電線W18の引出し方向D11の先端側に位置するコネクタである。ここにいう先端側は、ワイヤーハーネスW1における分岐の先端側に相当する。後端側コネクタW12は、引出し方向D11の後端側に位置するコネクタであり、ここにいう後端側は、ワイヤーハーネスW1における分岐の根本側に相当する。本実施形態では、先端側コネクタW11よりも後端側コネクタW12の方が少なく、複数の先端側コネクタW11に接続された電線W18の一部が、幾つかの先端側コネクタW11についてまとめられて一の後端側コネクタW12に接続されている。本実施形態では、先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12は、何れも圧接コネクタとなっている。
枝線テープ巻き部W13は、複数用意された電線W18のうち、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18にテープW19が直にテープ巻きされ、分岐形状における枝線を形成している部位である。枝線外装部W14は、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18にコルゲートチューブ等の外装材W20が直に取り付けられ、枝線テープ巻き部W13と同様の枝線を形成している部位である。尚、電線W18にテープW19が巻き付けられた上に外装材W20が取り付けられた枝線部分については、枝線テープ巻き部W13と呼んで説明を行う。
分岐テープ巻き部W15は、異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18における枝線テープ巻き部W13同士が更にテープ巻きされて分岐を形成している部位である。本実施形態では、分岐テープ巻き部W15として、2本の枝線テープ巻き部W13同士がテープ巻きされた部位や、その部位に更なる枝線テープ巻き部W13が追加されてテープ巻きされた部位が例示されている。分岐外装部W16は、異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18における枝線外装部W14同士が束ねられ、更に外装材W20が取り付けられて分岐を形成している部位である。尚、枝線テープ巻き部W13に枝線外装部W14や分岐外装部W16が加えられて束ねられ、その上からテープ巻きされた部分については、分岐テープ巻き部W15と呼んで説明を行う。また、本実施形態では、分岐テープ巻き部W15の上から外装材W20が取り付けられた箇所も存在している。また、分岐テープ巻き部W15は、枝線テープ巻き部W13におけるテープW19の上からテープW19が重ね巻きされて形成された部位となっている。
固定クリップW17は、このワイヤーハーネスW1を所定の固定先に固定するための固定部材であり、ワイヤーハーネスW1の各所に取り付けられている。
図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置1は、以上に説明した分岐形状のワイヤーハーネスW1を自動で製造する装置である。即ち、ワイヤーハーネス製造装置1は、電線W18の引出し、先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12の接続、分岐形状の形成とテープ巻きによる形状確定、外装部材W20や固定クリップW17の取付け、を含む一連作業を自動で行う装置となっている。
ワイヤーハーネス製造装置1は、電線棚11、スライド部12、レール13、先端側コネクタ供給部14、先端側コネクタ搭載部15、後端側コネクタ供給部16、コネクタ接続部17、固定テープ巻き機構18、及び電線把持/余長付与部19、を備えている。また、ワイヤーハーネス製造装置1は、大規模寄せ部20、ロボットアーム21、移動テープ巻き機構22、クリップ取付け部23、外装材取付け部24、既成電線配置部25、払出し部26、及び制御部27、を備えている。
電線棚11は、複数の電線リール111を収容する構造物であり、この電線棚11からワイヤーハーネスW1を製造するための複数の電線W18が引出し方向D11に引き出される。
スライド部12は、先端側コネクタW11を搭載可能で、電線棚11側となる第1端側と、引出し方向D11の前方側となる第2端側との間で直線移動する部位である。レール13は、このスライド部12を、引出し方向D11の前後方向となる移動方向D12について移動可能に保持するレール部材である。このレール13に沿ったスライド部12の移動はサーボモータによって行われる。本実施形態では、レール13に組付けられた状態のスライド部12が、移動方向D12に対する直交方向D13に9列に配列されて設けられている。
先端側コネクタ供給部14は、複数の先端側コネクタW11をストックしており、先端側コネクタ搭載部15へと先端側コネクタW11を供給する部位である。そして、先端側コネクタ搭載部15が、供給された先端側コネクタW11をスライド部12に搭載する部位となっている。先端側コネクタW11の供給と、スライド部12への搭載は、スライド部12の移動経路における上記の第2端側で行われる。スライド部12は、電線棚11側となる第1端側へと移動することで、搭載された先端側コネクタW11をコネクタ接続部17へと運ぶ。このコネクタ接続部17で先端側コネクタW11に電線W18が接続されると、今度は、スライド部12が第2端側へと引出し方向D11に移動することで、電線W18が引き出される。
後端側コネクタ供給部16は、電線棚11側となる第1端側、即ち電線W18の引出し元側において、コネクタ接続部17から直交方向D13にずれた位置に設けられた部位である。後端側コネクタ供給部16は、上記のずれた位置で複数の後端側コネクタW12をストックするとともに、その後端側コネクタW12を取り出してコネクタ接続部17へと供給する。
コネクタ接続部17は、電線W18の引出し元側に設置され、スライド部12によって先端側コネクタW11が運ばれて来ると、この先端側コネクタW11に電線W18を圧接によって接続する。また、電線W18の引出し後、後端側コネクタ供給部16によって後端側コネクタW12が供給されると、その後の適宜のタイミングで、コネクタ接続部17は、引出し状態の電線W18を切断するとともに後端側コネクタW12に接続する。
固定テープ巻き機構18は、電線W18の引出し元側に固定設置され、スライド部12が引き出し中の電線W18のテープ巻きを行なう部位である。
電線把持/余長付与部19は、スライド部12が引き出した複数の電線W18を、引出し元側で解除可能に把持するとともに、必要に応じ、一部の電線W18について更に余長分を引き出す部位である。
大規模寄せ部20は、異なるスライド部12の移動によって引出された電線W18を選択的に寄せて分岐形状を形成する機構の一部である。この大規模寄せ部20は、対象となる電線W18の電線量が所定量を超える場合に当該電線量の電線W18を寄せる部位となっている。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1では、ここまでに説明した部位が、金属フレーム28に組付けられて一体構造物として構築されている。即ち、スライド部12、レール13、先端側コネクタ供給部14、先端側コネクタ搭載部15、後端側コネクタ供給部16、コネクタ接続部17、固定テープ巻き機構18、及び電線把持/余長付与部19、が金属フレーム28に組付けられている。そして、この一体構造物の第1端側に電線棚11が配置され、一体構造物の周囲に、ロボットアーム21、移動テープ巻き機構22、クリップ取付け部23、外装材取付け部24、既成電線配置部25、払出し部26、及び制御部27、が配置されている。
ロボットアーム21は、移動テープ巻き機構22、クリップ取付け部23、外装材取付け部24、払出し部26という複数種類の機構装置の中から一の機構装置を選択して把持し、当該一の機構装置による作業位置に運ぶ。そして、ロボットアーム21は、その運んだ機構装置を、作業動作に応じて移動させる部位となっている。本実施形態では、レール13等が組付けられた金属フレーム28の、直交方向D13の両サイドに2つずつ、合計で4つのロボットアーム21が設置されている。
移動テープ巻き機構22は、テープW19を巻き付け対象に巻き付ける機構である。また、クリップ取付け部23は、テープ巻きされた電線W18や、外装材W20が取り付けられた電線W18に、テープW19や外装材W20の上から固定クリップW17を取り付ける機構である。外装材取付け部24は、電線W18に対して直に、あるいはテープ巻きされた電線W18に対してテープW18の上からコルゲートチューブ等の外装材W20の取付けを行う機構である。
移動テープ巻き機構22、クリップ取付け部23、外装材取付け部24は、金属フレーム28の両サイドに2つずつ設置されたロボットアーム21に隣接して配置された機構待機テーブル29の上に載置されている。ロボットアーム21は、各機構待機テーブル29の上で、作業内容に応じた機構装置を選択して把持して作業位置へと運ぶ。
既成電線配置部25は、ワイヤーハーネス製造装置1とは別の作業場所で両端に先端側コネクタW11と後端側コネクタW12が接続された既成電線を、スライド部12の移動によって引出された電線W18と平行に配置する機構である。この既成電線配置部25は、一の機構待機テーブル29の側部に設置されている。ロボットアーム21は、既成電線の配置の際に、この機構待機テーブル29の側部で既成電線配置部25を選択して把持して作業位置へと運ぶ。
払出し部26は、完成したワイヤーハーネスW1を保持するとともに、先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12を各保持部から一括して取り外し、ワイヤーハーネスW1を所定の払出し先26aとして設けられたテーブル上へと移動させる機構である。払出し先26aのテーブルは、既成電線配置部25が設置された機構待機テーブル29とは反対側のもう一方の機構待機テーブル29に隣接して配置されている。そして、払出し部26は、この払出し先26aの側部に設置されている。ロボットアーム21は、ワイヤーハーネスW1が完成すると、この払出し先26aの側部で払出し部26を選択して把持して作業位置へと運ぶ。
制御部27は、以上に説明したワイヤーハーネス製造装置1における各構成要素の動作を制御するコンピュータ装置であり、また、既成電線配置部25が設置された機構待機テーブル29に隣接して設置されている。本実施形態では、制御部27は、作業者とのインターフェース部分としてタブレット端末を備えており、作業開始の指示等を作業者からこのタブレット端末を介して受ける。
以上に概要を説明したワイヤーハーネス製造装置1における各構成要素について、以下では、別図を参照しながら更に説明する。
図4は、図1及び図2に示されているスライド部及びレールを示す斜視図であり、図5は、図4に示されているスライド部の一つを拡大して示す斜視図である。尚、これらの図4及び図5では、スライド部の構造が見易いように、図1及び図2とは電線W18の引出し方向D11が逆向きとなる姿勢でスライド部12及びレール13が示されている。
本実施形態では9本のレール13が引出し方向D11に対する直交方向D13に、互いに平行となるように配列されており、各レール13に1つずつ、スライド部12が、引出し方向D11の前後方向となる移動方向D12について移動可能に保持されている。
スライド部12は、先端側コネクタW11を搭載してレール13に沿って直線移動動することにより、先端側コネクタW11に接続された電線W18を引き出す部位である。このスライド部12は、先端側コネクタW11を保持する保持部121と、この保持部121を搭載するスライド本体部122と、スライド本体部122に対する保持部121の搭載を仲介する連結部123と、を備えている。更に、スライド部12には、ワイヤーハーネスW1の製造時に先端側コネクタW11に対する導通検査を行う導通検査部124が設けられている。
まず、スライド本体部122が、レール13に、移動方向D12について移動可能となるように連結されている。このスライド本体部122は、レール13に対するスライド連結部122aと、このスライド連結部122aから電線の引出し方向D11とは逆向きに帯板状に延出して先端部に連結部123が連結されるアーム部122bと、を備えている。
連結部123は、アーム部122bの先端部に、スライド部12の移動方向D12及びワイヤーハーネス製造装置1における直交方向D13の双方と直交する回転軸X11を中心とした回転方向D14に回転可能となるように取り付けられた柱状の部位である。この連結部123が回転方向D14に回転することで、保持部121が回転方向D14に回転することになり、保持部121に保持されている先端側コネクタW11からの電線D18を、回転軸X11周りの所望の向きに向けることができる。
保持部121は、連結部123の中間部から引出し方向D11とは逆向きに延出した円柱状の部位であり、その先端部で先端側コネクタW11を保持する。また、保持部121は、スライド部12の移動方向D12に沿ったツイスト軸X12を中心としたツイスト方向D15に回転可能となるように取り付けられている。電線接続後の先端側コネクタW11を保持した状態でツイスト方向D15に保持部121が回転することで、先端側コネクタW11からの電線D18を捩ってツイストすることができる。
導通検査部124は、保持部121の上方で、引出し方向D11とは逆向きに進んで保持部121における先端側コネクタW11の搭載位置へと降下する検査移動方向D16に移動可能となるように連結部123に取り付けられた矩形板状の部位である。その下端縁には、複数の検査ピン124aが設けられている。導通検査部124が検査移動方向D16に移動すると、検査ピン124aが先端側コネクタW11における導通部に接触して導通検査が行われる。このときの導通検査は、制御部27に制御の下で実行される。
図6は、図1及び図2に示されている先端側コネクタ供給部を、当該先端側コネクタ供給部によって先端側コネクタ搭載部へと先端側コネクタが供給される様子とともに示す斜視図である。尚、この図6でも、上述の図4及び図5と同様に、図1及び図2とは電線W18の引出し方向D11が逆向きとなる姿勢で先端側コネクタ供給部14及び先端側コネクタ搭載部15が示されている。
先端側コネクタ供給部14は、9列のスライド部12と一対一に対応するように、ワイヤーハーネス製造装置1における直交方向D13に9列の先端側供給機構14aが配列された部位となっている。各先端側供給機構14aは、先端側ストッカ141と、コネクタ受渡し部142と、回転機構143と、を備えている。
先端側ストッカ141には、矩形板状の圧接コネクタである先端側コネクタW11がスライド部12の移動方向D12に沿って厚み方向に重ねられて複数ストックされている。本実施形態では、各先端側供給機構14aには、先端側ストッカ141が直交方向D13に2列配列されて設けられている。
コネクタ受渡し部142は、先端側コネクタW11を2つ搭載して保持可能なコネクタ搭載面142aを備える矩形板状の部位である。コネクタ受渡し部142は、このコネクタ搭載面142aを先端側ストッカ141に向けるキャッチ姿勢P11で、先端側ストッカ141にストックされている先端側コネクタW11をキャッチする。更に、コネクタ受渡し部142は、コネクタ搭載状態のコネクタ搭載面142aを上方に向ける受渡し姿勢P12で先端側コネクタ搭載部15へと先端側コネクタW11を受け渡す。
回転機構143は、上記のコネクタ受渡し部142を、直交方向D13に沿った回転軸X13を中心にキャッチ姿勢P11と受渡し姿勢P12との相互間で受渡し回転方向D17に回転可能に支持する機構部位である。
図7は、図1及び図2に示されている先端側コネクタ搭載部を、当該先端側コネクタ搭載部によってスライド部へと先端側コネクタが搭載される様子とともに示す斜視図である。尚、この図7でも、上述の図4及び図5と同様に、図1及び図2とは電線W18の引出し方向D11が逆向きとなる姿勢で先端側コネクタ供給部14及び先端側コネクタ搭載部15が示されている。
先端側コネクタ搭載部15は、まず、9列の先端側供給機構14a及びスライド部12と一対一に対応する9列のコネクタ運搬部151を備えている。更に、先端側コネクタ搭載部15は、これら9列のコネクタ運搬部151を直交方向D13に配列された状態で支持して移動方向D12に移動する支持ブリッジ152と、を備えている。
各コネクタ運搬部151は、コネクタハンド部151aと、ハンド上下機構151bと、を備えている。コネクタハンド部151aは、受渡し姿勢P12のコネクタ受渡し部142のコネクタ搭載面142aから先端側コネクタW11を取り上げ、スライド部12の保持部121へと先端側コネクタW11を搭載する部位である。そして、ハンド上下機構151bは、コネクタハンド部151aを、コネクタ搭載面142aに対して上下させる受取り方向D18と、スライド部12の保持部121に対して上下させる搭載方向D19とに移動させる機構部位である。
本実施形態では、先端側コネクタ供給部14の各先端側供給機構14aにおけるコネクタ受渡し部142によって受け渡された先端側コネクタW11が、先端側コネクタ搭載部15の各コネクタ運搬部151によってスライド部12の保持部121へと運ばれる。これら各部の動作によって、先端側ストッカ141にストックされている先端側コネクタW11がスライド部12の保持部121に搭載されることとなる。この搭載に関する一連の動作は、ワイヤーハーネス製造装置1において電線棚11側となる第1端側とは反対側の第2端側で行われる。また、この第2端側でスライド部12に搭載される先端側コネクタW11は電線W18が未接続の状態にある。
このように、本実施形態では、スライド部12は、電線W18の引出し方向D11について、引出し元側(電線棚11側となる第1端側)とは反対側の第2端側における先端側コネクタ搭載位置P13で、電線W18が未接続の先端側コネクタW11が搭載される。そして、スライド部12は、搭載後に、引出し元側のコネクタ接続部17へと移動する。
コネクタ接続部17は、スライド部12が保持する先端側コネクタW11に電線W18を接続する部分と、その接続後にスライド部12が引出し方向D12に移動することで引き出される電線W18を後端側コネクタW12に接続する部分と、を備えている。以下では、まず、コネクタ接続部17において先端側コネクタW11に電線W18を接続する部分について説明する。
図8は、図1及び図2に示されているコネクタ接続部において先端側コネクタに電線を接続する部分を、電線接続の流れとともに示す図である。この図8では、図中右側が、電線棚11側であり、図中左側が、上述の先端側コネクタ搭載位置P13に向かう側となっている。
図8に示されているように、コネクタ接続部17は、引出し元側における先端側接続位置P14において、電線W18を先端側コネクタW11に接続する先端側コネクタ接続部171を備えている。先端側コネクタW11の接続時には、スライド部12が、先端側接続位置P14へと保持部121の先端側コネクタW11を位置付けるように引出し元側へと直線移動している。また、このコネクタ接続部17は、先端側コネクタ接続部171に引出し元側で隣接するように後端側コネクタ接続部172を備えている。後端側コネクタ接続部172は、電線W18を後端側コネクタW12に接続する部分である。後端側コネクタ接続部172は別図を参照して後述するとして、ここでは、先端側コネクタ接続部171について図8を参照しながら説明を行う。
先端側コネクタ接続部171の引出し元側には、電線棚11から引き出された電線W18の先端を先端側コネクタ接続部171へと案内しつつ送り込む電線ガイド部30が、後端側コネクタ接続部172の下方を潜るように配置されている。電線ガイド部30は、電線棚11側に櫛歯状の電線ガイド301を備え、この電線ガイド301で電線W18を整列させた状態で電線W18の先端を先端側コネクタ接続部171へと案内する。圧接前には、この電線ガイド部30が、電線W18の先端を先端側コネクタ接続部171における圧接部分171aへと送込み方向D20に約25mm送り込む。更に、電線ガイド部30は、位置合わせ方向D21に若干下降し、電線W18の先端を、先端側接続位置P14の先端側コネクタW11へと位置合わせする。この位置合わせ後に、先端側コネクタ接続部171の圧接部分171aが圧接方向D22に下降し、電線W18の先端を先端側コネクタW11に圧接により接続する。
本実施形態では、コネクタ接続部17において、先端側コネクタ接続部171及び後端側コネクタ接続部172が、ワイヤーハーネス製造装置1の直交方向D13に並ぶように複数設置されている。先端側コネクタW11への電線W18の接続は、複数の先端側コネクタ接続部171によって、9列のスライド部12の先端側コネクタW11に対して直交方向D13に順次に行われる。これにより、圧接時にワイヤーハーネス製造装置1の金属フレーム28に掛かる圧力が分散されることとなる。
このように電線W18が先端側コネクタW11に接続されると、スライド部12が電線W18の引出し方向D11に移動する。このスライド部12の移動によって、電線W18が電線棚11から、ワイヤーハーネスW1の形成に必要な長さについて引き出され、分岐形成やテープ巻き等の後工程へと移行する。この後工程における適宜のタイミングで、後端側コネクタ接続部172によって、電線W18の後端側コネクタW12への接続が行われる。ここで、本実施形態では、後端側コネクタ接続部172による接続に先だって、後端側コネクタ供給部16による、後端側コネクタW12の供給が行われる。
図9は、図1及び図2に示されている後端側コネクタ供給部を、コネクタ供給の流れとともに示す図である。
後端側コネクタ供給部16は、複数の後端側供給機構16aと、各後端側供給機構16aにおける後述の後端側コネクタ移動部163を直交方向D13に移動可能に支持するコネクタレール16bと、を備えている。そして、各後端側供給機構16aが、後端側ストッカ161と、後端側コネクタ搭載部162と、後端側コネクタ移動部163と、を互いに一対一に対応するように備えている。
後端側ストッカ161には、矩形板状の圧接コネクタである後端側コネクタW12がスライド部12の移動方向D12に沿って厚み方向に重ねられて複数ストックされている。本実施形態では、複数の後端側ストッカ161のうちの幾つかは標準サイズのコネクタの2つ分の幅を有する幅広コネクタを後端側コネクタW12として収容しており、他の幾つかは標準サイズのコネクタを後端側コネクタW12として収容している。
後端側コネクタ搭載部162は、後端側ストッカ161から後端側コネクタW12を1つずつ取り出して後端側コネクタ移動部163に搭載する。搭載時には、複数の後端側コネクタ搭載部162を支持する支持ブリッジ162aが移動して各後端側コネクタ搭載部162を各後端側ストッカ161における後端側コネクタW12の取出し位置に位置付ける。この取出し位置において、各後端側コネクタ搭載部162は、各後端側ストッカ161の後端側コネクタW12に向かって下降方向D23に下降し、後端側コネクタW12をキャッチする。
続いて、各後端側コネクタ搭載部162は、後端側コネクタW12をキャッチしたまま上昇方向D24に上昇し、支持ブリッジ162aが移動方向D12に沿ったスライド方向D25に移動し、後端側コネクタ搭載位置P15の上方へと位置付ける。この後端側コネクタ搭載位置P15は、電線W18の引出し元側において、コネクタ接続部17によって電線W18が接続される後端側接続位置P16から電線W18の引出し方向D11に対する直交方向D13にずれた位置となっている。各後端側コネクタ搭載部162は、各後端側コネクタ搭載位置P15の上方に達すると、下降方向D26に下降し、後端側コネクタ搭載位置P15に待機している後端側コネクタ移動部163に後端側コネクタW12を搭載する。
このようにして後端側コネクタW12が搭載されると、その搭載後に、複数の後端側コネクタ移動部163は、後端側接続位置P16へと後端側コネクタW12を位置付けるように直交方向D13に沿った位置付け方向D131に移動する。この位置付け後に、後端側コネクタW12に対する電線W18の接続が、コネクタ接続部17における後端側コネクタ接続部172によって行われる。
図10は、図1及び図2に示されているコネクタ接続部において後端側コネクタに電線を接続する部分を、電線接続の流れにおける初期動作とともに示す図である。また、図11は、コネクタ接続部において、図10に示されている初期動作に続いて行われる電線の接続動作を示す図である。これらの図10及び図11では、図中右側が、電線棚11側であり、図中左側が、上述の後端側接続位置P16に向かう側となっている。
本実施形態では、図8を参照して説明したように、コネクタ接続部17において先端側コネクタ接続部171及び後端側コネクタ接続部172互いに隣接するように設けられている。スライド部12の移動方向D12について、先端側コネクタ接続部171が、電線W18の引出し先側(第2端側)に配置され、後端側コネクタ接続部172が、電線棚11側である引出し元側(第1端側)に配置されている。このとき、コネクタ接続部17は、圧接動作の駆動源173と、この駆動源173の出力を先端側コネクタ接続部171及び後端側コネクタ接続部172へと切換え可能に伝達する伝達機構174と、を備えている。図8を参照して説明した先端側コネクタ接続部171による接続動作は、伝達機構174によって駆動源173と先端側コネクタ接続部171とが連結された状態で行われる。そして、後端側コネクタ接続部172による接続動作の前段階では、コネクタ接続部17は、先だって行われた先端側コネクタ接続部171による接続動作のときの状態のままとなっている。即ち、図10の上段に示されているように、伝達機構174が駆動源173を先端側コネクタ接続部171に連結した状態となっている。そこで、電線接続の流れにおける初期動作では、図10の下段に示されているように、伝達機構174が駆動源173の出力の伝達先を後端側コネクタ接続部172へと切り替える。同時に、コネクタ接続部17が移動方向D12に沿って移動して後端側接続位置P16の上方に後端側コネクタ接続部172が位置付けられる。後端側接続位置P16には、後端側コネクタ移動部163によって後端側コネクタW12が位置付けられている。
このようにして、図10に示されている初期動作が終了すると、図11に示されているように、後端側コネクタ接続部172による電線W18の接続動作が行われる。後端側コネクタ接続部172は、上下方向の先端部に、電線カット刃172aと圧接部分172bとを備えている。また、後端側コネクタ接続部172の先端部と、後端側接続位置P16の後端側コネクタW12の間で圧接前の電線W18を保持している部分には、圧接時に電線カット刃172aが摺擦する電線カット下型31が設置されている。そして、初期動作の終了後、後端側コネクタ接続部172が後端側コネクタW12に向かって下降する圧接方向D27に移動する。この移動により、まず、電線カット刃172aが電線カット下型31との間に挟むようにして電線W18を電線棚11側から切断するとともに、切断後の引出し側の電線W18を圧接部分172bが後端側コネクタW12に圧接によって接続する。
上述したように、コネクタ接続部17では、先端側コネクタ接続部171及び後端側コネクタ接続部172が、ワイヤーハーネス製造装置1の直交方向D13に並ぶように複数設置されている。後端側コネクタW12への電線W18の接続は、複数の後端側コネクタ接続部172によって、複数の後端側コネクタW12に対して直交方向D13に順次に行われる。これにより、この後端側についても、圧接時にワイヤーハーネス製造装置1の金属フレーム28に掛かる圧力が分散されることとなる。
先端側コネクタW11の接続後のスライド部12による電線W18の引出し中から、その後の後端側コネクタW12への電線W18の接続の前後における各タイミングで、テープ巻きを含むワイヤーハーネスW1の分岐形成が行われる。
図12は、図1及び図2に示されている固定テープ巻き機構を示す斜視図であり、図13は、図12に示されている固定テープ巻き機構が備える引出し中テープ巻き部を、図12中の矢印V11方向から見た平面図である。
上述したように固定テープ巻き機構18は、電線W18の引出し元側に固定設置され、スライド部12による引出し中の電線W18に対しテープ巻きを行う機構であり、6つの引出し中テープ巻き部181と、支持レール182と、を備えている。
6つの引出し中テープ巻き部181は、ワイヤーハーネス製造装置1における直交方向D13に並ぶように設けられている。本実施形態では、引出し中テープ巻き部181は、9列のスライド部12の配列のうち、予め定められた3列を除く6列の配列と一対一に対応するように配置され、各列のスライド部12によって引き出される電線W18に対するテープ巻きが可能となっている。各引出し中テープ巻き部181は、各列の電線W18を中心にテープリール181aをリール回転方向D28に回転させながら当該テープリール181aから引き出したテープW19を対応する列の電線W18に巻き付けて束ねる。
更に、各引出し中テープ巻き部181は、テープ巻き対象の電線W18を保持する一対の保持アーム181bを備えている。一対の保持アーム181bは、テープ巻き時に、テープ巻き対象の電線W18を挟み込む挟持方向D29に閉じるように設置された機構部分である。スライド部12によって引出し中の電線W18は、これら一対の保持アーム181bで保持されることで安定した状態の下でテープリール181aからのテープW19によってテープ巻きされることとなる。また、本実施形態では、6つの引出し中テープ巻き部181は、互いに同じリール回転方向D28にテープリール181aを回転させるように構成されている。
このような引出し中のテープ巻きが、9列のスライド部12のうち予め定められた一部のスライド部12によって引き出される電線W18に対して行われれる。そして、その一部についてテープ巻きを受けつつ、電線W18が、ワイヤーハーネス1の形成に必要な長さ分だけ引き出される。電線W18の引出し量は各スライド部12の移動量として制御部27によって把握されており、制御部27は、必要な長さに相当する引出し量が引き出されたものから順次にスライド部12の移動を停止する。この停止時には、制御部27の制御の下、電線把持/余長付与部19が、スライド部12が引き出した複数の電線W18を、引出し元側で解除可能に把持する。更に、電線把持/余長付与部19は、スライド部12による引出し後、一部の電線W18について更に余長分を引き出す処理を行う。
図14は、図1及び図2に示されている電線把持/余長付与部を示す斜視図である。
電線把持/余長付与部19は、各々が櫛歯状の電線把持機構191a(電線把持部)で電線W18を把持する把持ユニット191を、9列のスライド部12の配列のうち、予め定められた1列を除く8列の配列と一対一に対応するように8列備えている。これら8列の把持ユニット191は、支持レール192によって、直交方向D13に配列された状態で支持されている。各把持ユニット191における電線把持機構191aは、櫛歯の間隔を開方向D301及び閉方向D302に開閉することで電線W18の把持状態と非把持状態とを切り替える機構となっている。そして、8列の把持ユニット191のうち、予め定められた3列の把持ユニット191における電線把持機構191aが、電線W18の余長引出しに対応した形状を備えている。
図15は、図14に示されている余長引出しに対応した電線把持機構によって電線の余長分が引き出される様子を示す斜視図であり、図16は、図15に示されている電線把持機構によって電線の余長分が引き出される様子を示す模式的な平面図である。
本実施形態では、余長引出しに対応した把持ユニット191の電線把持機構191aが、複数の櫛歯191a-1の長さが図中右側に向かって漸増する形状を備えている。余長引出しの際には、この電線把持機構191aが、電線W18の非把持状態に切替えられ、図中右側に向かって、即ち最長の櫛歯の方へと向かう余長回転方向D31に90°に亘って回転される。その結果、各電線W18を挟む櫛歯によって電線W18が引出し方向D11に引き出される。このときの引出し量は、図16に示されているように、電線W18を引き出す櫛歯が長い程多くなる。ワイヤーハーネスW1において、このように余長分が引き出された部分は、余長分が短い方を内側に、長い方を外側にした曲げ配策に対応した部分となる。各電線W18に上記のような段階的な余長分が設けられていることで、上記の曲げ配策を行った際にハーネス部分を自然に曲げることができ、また、当該部分の電線W18における曲げによる負荷を抑えることができる。
図17は、図16に示されている電線把持機構の変形例を、図16と同様の模式的な平面図で示した図である。
この図17に示されている変形例の電線把持機構591aは、電線W18の長手方向について位置が固定されている固定端部591a-1と、移動可能な移動端部591a-2と、移動端部591a-2を移動可能に支持する支持棒591a-3と、を備えている。まず、複数の固定端部591a-1は、上述した実施形態と同様に、櫛歯を開閉することで電線W18の把持状態と非把持状態とを切り替える機構となっている。他方、複数の移動端部591a-2は、上述した実施形態とは異なり互いに同じ長さで形成されている。更に、複数の移動端部591a-2は、移動端部591a-2と交差して配置された支持棒591a-3によって、当該支持棒591a-3に対する交差角が変更可能となるように支持されている。そして、この支持棒591a-3が、一端側を中心に、支持棒回動方向D33に回動すると、その回動角に応じて各移動端部591a-2が固定端部591a-1から離れる方向に移動する。このときの移動量は、支持棒591a-3の回動中心から離れるにつれて漸増する。つまり、本変形例では、この支持棒591a-3の回動によって、図16に示されている実施形態の電線把持機構191aと同様の形状を得ることができる。更に、支持棒591a-3の回動量を適宜に設定することで、移動端部591a-2の移動量を介して余長分の引出し量を調整することが可能となる。
本変形例の電線把持機構591aでは、次のような運用が可能となる。まず、実車状態でワイヤーハーネスW1のコネクタがどのように配置されるかというコネクタ位置情報が取得される。続いて、支持棒591a-3の回動角度がハーネス配策時のコネクタ位置情報に基づいて算出される。更に、その算出結果に基づいての支持棒591a-3の回動中心とは反対側の端部の移動距離が算出される。そして、算出された移動距離に基づきモーター等の駆動源を駆動させ、支持棒591a-3の端部を移動させることで必要量だけ支持棒591a-3を回動させる。この回動により、複数の移動端部591a-2が移動し、電線把持機構591aの全体形状が確定する。この確定した電線把持機構591aが、上述した実施形態と同様に余長回転方向D31に90°に亘って回転されると、支持棒591a-3の回動によって確定した形状に応じた余長分だけ電線W18が引出し方向D11に引き出される。このように、本変形例の構成によれば、実車状態でのコネクタ配置に応じた余長分の引出しが可能となる。
余長分を含む電線の引出しや、固定テープ巻き機構18による引出し元側でのテープ巻きは、基本的に9列のスライド部12それぞれが保持する同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18に対して行われる。ここで、本実施形態では、先端側コネクタW11と後端側コネクタW12とは一対一に対応してはおらず、また、その数についても後端側コネクタW12の方が少なくなっている。そこで、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1では、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18に対するテープ巻きとは別に、異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18を選択的に寄せて分岐形状を形成する処理が行われる。寄せられた電線W18がテープ巻きによって束ねられて一の後端側コネクタW12に接続されることで、ワイヤーハーネスW1の電線W18が、先端側コネクタW11よりも少ない数の後端側コネクタW12へと集約される。本実施形態では、上述の電線W18の寄せが、大規模寄せ部20と、移動テープ巻き機構22に備えられる後述の小規模寄せ部と、によって行われる。
図18は、図1及び図2に示されている大規模寄せ部を示す斜視図であり、図19は、図18に示されている大規模寄せ部が電線を寄せる様子を示す斜視図である。
本実施形態における大規模寄せ部20は、ワイヤーハーネス製造装置1における直交方向D13について、最大で、9列のスライド部12によって引き出される電線W18の全てを寄せることが可能な機構となっている。この大規模寄せ部20は、ワイヤーハーネス製造装置1における両サイドの金属フレーム28に跨るとともに、スライド部12の移動方向D12に移動可能に金属フレーム28に支持されている。大規模寄せ部20は、金属フレーム28に跨って支持された支持ブリッジ201と、この支持ブリッジ201に直交方向D13について移動可能に支持された一対の寄せアーム202と、を備えている。支持ブリッジ201が、所定の寄せ位置に移動し、一対の寄せアーム202が閉じられることで、複数の電線W18が寄せられて束ねられることとなる。尚、このときには、各スライド部12における保持部121が回転することで、保持部121に保持されている先端側コネクタW11が、電線寄せによって束ねられた部分に向かって電線D18が斜行するように配向される。
また、本実施形態では、大規模寄せ部20と同様のアーム機構が、上述の先端側コネクタ搭載部15の支持ブリッジ152にも設けられており、この先端側コネクタ搭載部15においても同様の大規模な電線寄せが可能となっている。
他方、大規模寄せ部20による電線寄せが可能な電線量よりも少ない所定量以下の電線量での電線寄せを行う小規模寄せ部が、ロボットアーム21によって運ばれる移動テープ巻き機構22に備えられている。
図20は、図1及び図2に示されている移動テープ巻き機構をロボットアームとともに示す斜視図であり、図21は、図20に示されている移動テープ巻き機構を単品で示した斜視図である。
ロボットアーム21は、金属フレーム28の両サイドに2つずつ設けられる多関節のアーム機構であり、その先端で、移動テープ巻き機構22を含む複数種類の機構装置の中から一の機構装置を選択して把持し、当該一の機構装置による作業位置に運ぶ。
このロボットアーム21によって運ばれる移動テープ巻き機構22は、運ばれた先でテープW19を電線W18に巻き付ける機構である。移動テープ巻き機構22は、機構フレーム221、ロボットアーム接続部222、テープリール223、リール回転機構224、小規模寄せ部225、及び駆動源226、を備えている。
機構フレーム221は、移動テープ巻き機構22における各機構部分を支持する板状のフレームである。ロボットアーム接続部222は、機構フレーム221の一端縁に設けられてロボットアーム21が機械的及び電気的に接続して把持する部分である。テープリール223は、巻き付け用のテープW19のリールであり、リール回転機構224は、そのテープリール223を保持して巻き付け対象の電線W18を中心にリール回転方向D34に回転させる機構部分である。
小規模寄せ部225は、テープW19の巻き付け対象となる、大規模寄せ部20での電線量よりも少ない所定量以下の電線量の電線W18について電線寄せを行う機構部分である。この小規模寄せ部225は、ローラ225aと、寄せブレード225bと、を備えている。ローラ225a及び寄せブレード225bは、何れもテープ巻き時に電線W18と交差する方向に延在するように設置されている。寄せブレード225bにおけるローラ225a側に縁には、電線W18を受け入れる受入れ凹部225b-1が形成されており、ローラ225aは、その周面がこの受入れ凹部225b-1と対向するように配置されている。テープ巻き時には、寄せブレード225bが、電線W18を受入れ凹部225b-1に受け入れつつローラ225aの周面に向かって電線W18を挟む電線挟持方向D35に移動する。この移動によって寄せられて挟持された電線W18に対し、テープW19が巻き付けられることとなる。また、このテープ巻き時には、テープW19が巻き付けられつつ、ロボットアーム21が移動テープ巻き機構22を電線W18に沿ったテープ巻き方向D36に直線移動する。これにより、所定のテープ巻き範囲に亘るテープ巻きが行われることとなる。
本実施形態では、上述したように、ロボットアーム21による把持対象の機構装置としては、上記の移動テープ巻き機構22の他に、クリップ取付け部23、外装材取付け部24、既成電線配置部25、及び払出し部26が設けられている。
図22は、図1及び図2に示されているクリップ取付け部をロボットアームとともに示す斜視図である。
クリップ取付け部23は、ロボットアーム21に運ばれてワイヤーハーネスW1を所定の固定先に固定するための固定クリップW17を電線W18に取り付ける機構部分である。このクリップ取付け部23は、ロボットアーム接続部231と、電線W18を保持する保持フック232と、この保持フック232の内周縁に沿って固定クリップW17を送り込んで電線W18に巻き付けるクリップ送出し機構233と、を備えている。尚、図22には、保持フック232及びクリップ送出し機構233が電線W18の長手方向に2つ並ぶように配置されたクリップ取付け部23が例示されている。このクリップ取付け部23では、2つの固定クリップW17を同時に取付け可能となっている。ただし、本実施形態では、このクリップ取付け部23として、保持フック232及びクリップ送出し機構233が3つ以上設けられて3つ以上の固定クリップW17の同時取付けが可能なものも用意されている。ワイヤーハーネスW1の製造時には、ロボットアーム21が、固定クリップW17の取付け数に応じたクリップ取付け部23を選択して取付け箇所へと運ぶこととなっている。
図23は、図1及び図2に示されている外装材取付け部をロボットアームとともに示す斜視図である。
外装材取付け部24は、ロボットアーム21に運ばれて電線W18に対してコルゲートチューブ等の外装材W20の取付けを行う機構部分である。この外装材取付け部24は、ロボットアーム接続部241と、電線W18に沿うように外装材W20を送り込んで取り付ける取付機構242と、を備えている。本実施形態における筒状の外装材W20には、周壁に長手方向のスリットが形成されている。取付機構242は、このスリットから外装材W20の内側に電線W18が押し込まれるように押し付けつつ、必要長だけ外装材W20を繰出して切断する。尚、本実施形態のワイヤーハーネスW1では、このようにして取り付けられた外装材W20の上から、上述のテープ巻き機構22によるテープ巻きや、クリップ取付け部23による固定クリップW20の取付けが行われる箇所も存在している。
図24は、図1及び図2に示されている既成電線配置部をロボットアームとともに示す斜視図であり、図25は、図24に示されている既成電線配置部を単品で示した斜視図である。
既成電線配置部25は、両端に先端側コネクタW11と後端側コネクタW12が接続された既成電線W21を保持するとともに、ロボットアーム21に運ばれた先で、スライド部12の移動によって引出された電線W18と平行に配置する機構である。この既成電線配置部25は、ロボットアーム接続部251と、本体部252と、コネクタ保持部253と、を備えている。本体部252は、既成電線W21に沿って延在する帯板状で中央にロボットアーム接続部251が設けられた部位である。また、コネクタ保持部253は、本体部252の両端部それぞれに1つずつ設けられて先端側コネクタW11と後端側コネクタW12を取外し可能に保持する部位である。そして、これら一対のコネクタ保持部253で先端側コネクタW11と後端側コネクタW12を保持することで既成電線配置部25は既成電線W21を保持する。ロボットアーム21は、このように既成電線W21を保持した既成電線配置部25を、既成電線W21の配置場所に待機している一のスライド部12と後端側コネクタ移動部163のもとへと運ぶ。そして、その運ばれた先で、既成電線配置部25は、既成電線W21の先端側コネクタW11をスライド部12の保持部121にセットし、後端側コネクタW12を後端側コネクタ移動部163にセットする。これにより、既成電線W21が、他のスライド部12の移動によって引出された電線W18と平行に配置されることとなる。
図26は、図1及び図2に示されている払出し部をロボットアームとともに示す斜視図であり、図27は、図26に示されている払出し部を単品で示した斜視図である。
払出し部26は、完成したワイヤーハーネスW1を保持するとともにロボットアーム21に運ばれ、払出し先26aとして設けられたテーブル上にワイヤーハーネスW1を払い出す機構である。この払出し部26は、ロボットアーム接続部261と、本体フレーム262と、先端側コネクタ保持部263と、後端側コネクタ保持部264と、を備えている。
本体フレーム262は、先端側フレーム262aと、後端側フレーム262bと、中間フレーム262cと、を備えている。先端側フレーム262aは、払出し時に、9列のスライド部12が配列される直交方向D13に沿って配置され、9つの先端側コネクタ保持部263が直線状に並ぶように取り付けられた帯板状のフレーム部分である。後端側フレーム262bは、6つの後端側コネクタ移動部163が配列される直交方向D13に沿って配置され、6つの後端側コネクタ保持部264が直線状に並ぶように取り付けられた帯板状のフレーム部分である。中間フレーム262cは、先端側フレーム262aと後端側フレーム262bとの間を繋ぐ枠状のフレーム部分であり、その中央部にロボットアーム接続部261が設けられている。
先端側コネクタ保持部263は、先端側フレーム262aに直線状に並ぶように9つ取り付けられ、各々が完成したワイヤーハーネスW1における先端側コネクタW11を開放可能に把持する。また、先端側コネクタ保持部263は、完成時のワイヤーハーネスW1における先端側コネクタW11の向きに応じた姿勢で先端側コネクタW11を把持するために、各々の支持軸263a回りに回転可能に取り付けられている。
後端側コネクタ保持部264は、後端側フレーム262bに直線状に並ぶように取り付けられ、各々が完成したワイヤーハーネスW1における後端側コネクタW12を開放可能に把持する。後端側コネクタ保持部264は、後端側コネクタ移動部163によって確定した向きで保持されている後端側コネクタW12を把持するので、後端側フレーム262bに固定した姿勢で取り付けられている。
この払出し部26による払出し時には、まず、スライド部12が直交方向D13に直線状に並べられることで、完成したワイヤーハーネスW1における先端側コネクタW11が整列する。そして、その整列した先端側コネクタW11と、元々整列している後端側コネクタW12の各上部に先端側コネクタ保持部263及び後端側コネクタ保持部264が位置付けられるように、ロボットアーム21が払出し部26を運ぶ。この位置付け後に、払出し部26が降下し、先端側コネクタ保持部263及び後端側コネクタ保持部264が先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12を把持する。その後、ロボットアーム21が払出し部26を上昇させることで、先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12をスライド部12及び後端側コネクタ移動部163から取り外す。そして、コネクタ把持によってワイヤーハーネスW1を保持した払出し部26を、ロボットアーム21が、払出し先26aのテーブル上へと運ぶ。払出し先26aに達すると、先端側コネクタ保持部263及び後端側コネクタ保持部264が先端側コネクタW11及び後端側コネクタW12を開放してワイヤーハーネスW1を払出し先26aに載置する。この払出し部26による払出しを以て、ワイヤーハーネス製造装置1によるワイヤーハーネスW1の製造が終了する。
以上に各部の詳細も含めて説明したワイヤーハーネス製造装置1でワイヤーハーネスW1を製造するワイヤーハーネス製造方法の一連の流れについて、以下では各処理を模式的に示す図28~図34を参照しながら説明する。
図28は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS11~S14を示す模式図である。
この図28におけるステップS11は、9列のスライド部12によって引出し元側における先端側接続位置P14に運ばれた9つの先端側コネクタW11に電線W11が接続されるステップである。尚、このステップS11の段階では、後端側コネクタW12は未セットであり、図28では、9つの先端側コネクタW11に向き合うように、9つの把持ユニット191が示されている。尚、「4番」の先端側接続位置P14及び把持ユニット191は、後工程で上述した既成電線W21がセットされる位置に対応し、ステップS11では点線で図示されている。
ステップS12では、9列のスライド部12が引出し方向D11に移動する。この移動は制御部27による電線引出し量の制御下で行われる。これにより、「4番」を除く8つの先端側コネクタW11に接続された電線W18が各必要量だけ引き出される。尚、「4番」については、既成電線W21における先端側コネクタW11のセット位置へと、空状態のスライド部12が移動する。このステップS12での引出し中、9つの把持ユニット191における電線把持機構191aは非把持状態となり、引出し終了後に把持状態へと切り替わる。また、引出し終了後は、各スライド部12は、把持状態の各電線把持機構191aによる把持力と釣り合う力で電線W18を引出し方向D11に引っ張って張力を付与しつつ停止する。このような張力付与により、複数の電線W18が、互いに平行状態になるように規制されることとなる。このような平行状態が、基本的に、ワイヤーハーネス製造方法における以下のステップにおいて維持される。
また、このステップS12では、「5番」の電線W18は、固定テープ巻き機構18の引出し中テープ巻き部181によるテープW19の巻き付けを引出し始めから一定期間に亘って受けながら引き出される。その結果、引出し終了時には、先端側コネクタW11の側から所定長に亘ってテープW19が巻かれた状態となる。更に、「5番」の電線W18については、テープ巻き終了後、所定長だけ引き出された後、もう一度、短くテープW19の巻き付けが行われる。この短距離のテープ巻きは、後工程での作業時に電線W18がバラけないための仮止めとなる。この仮止め後、「5番」の電線W18は、必要長に達するまで引き出される。
また、ステップS12では、「6番」及び「8番」の電線W18について、必要長の引出し後にスライド部12の保持部121が回転することでツイストが行われる。尚、このステップS12におけるテープ巻きやツイストを伴う電線W18の引出しは、列同士の干渉を回避するため、適宜に複数回に分けて行われる。
ステップS13では、「6番」のツイスト後の電線W18に対し、移動テープ巻き機構22によるテープW19の巻き付けが所定長に亘って行われる。このときのテープ巻きは先端側コネクタW11の側からロボットアーム21によって移動テープ巻き機構22が引出し元側へと動かされながら行われる。また、移動テープ巻き機構22でのテープ巻きは、テープ巻き対象の電線W18に対する電線寄せとともに行われる。ここでの電線寄せは、制御部27において寄せられる電線量が所定量以下であると判断されることで、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225によって行われる。以下、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18に対する移動テープ巻き機構22によるテープ巻きは、基本的に何れの場合も電線量が所定量以下であると判断されて、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225による電線寄せとともに行われる。
ステップS14では、「1番」の電線W18に対する所定長に亘るテープW19の巻き付けが移動テープ巻き機構22によって先端側コネクタW11の側から行われ、「9番」の電線W18に対する外装材W20の取付けが外装材取付け部24によって行われる。ここでの外装材W20の取付けは、先端側コネクタW11の側から一定の間隔を開けて2回行われる。これにより、「9番」の電線W18には、先端側コネクタW11の側の箇所と、そこから一定距離離れた箇所との2箇所に外装材W20が取付けられることとなる。
図29は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS15~S18を示す模式図である。
ステップS15では、「3番」の電線W18に対する所定長に亘るテープW19の巻き付けが移動テープ巻き機構22によって先端側コネクタW11の側から行われる。また、「8番」のツイスト後の電線W18に対する外装材W20の取付けが外装材取付け部24によって行われる。ここでの外装材W20の取付けは、先端側コネクタW11の側から1回行われる。また、ステップS15では、「9番」の外装材W20について、テープ巻きによる固定が、移動テープ巻き機構22によって行われる。この外装材W20に対するテープ巻きは、ステップS17まで続けられる。
ステップS16では、「2番」の電線W18に対する所定長に亘るテープW19の巻き付けが移動テープ巻き機構22によって先端側コネクタW11の側から行われる。また、ステップS16では、「8番」の外装材W20についてテープ巻きによる固定が、移動テープ巻き機構22によって行われるとともに、「9番」の外装材W20に対する移動テープ巻き機構22によるテープ巻きが続けられる。「8番」の外装材W20に対するテープ巻きも、「9番」の外装材W20に対するテープ巻きとともにステップS17まで続けられる。
ステップS17では、「3番」及び「5番」の電線W18について、テープW19の上からクリップ取付け部23による固定クリップW17の取付けが行われる。ここでは、各電線W18に対し固定クリップW17が1つずつ取り付けられる。また、「8番」及び「9番」の外装材W20に対するテープ巻きがステップS17に至って終了する。
ステップS18では、「6番」の電線W18について、テープW19の上からクリップ取付け部23による固定クリップW17の取付けが行われる。ここでは、「6番」の電線W18に対し固定クリップW17が2つ取り付けられる。
図30は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS19~S22を示す模式図である。
ステップS19では、「2番」及び「3番」という異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18のテープW19が巻き付けられた部分同士が、更なるテープW19の巻き付けによって束ねられる。ここでのテープ巻きは、異なる先端側コネクタW11の電線W18に対する電線寄せとともに行われるが、ここでは、電線量が所定量以下であると判断されて、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225による電線寄せとともに行われる。そして、ここでのテープ巻きにより一つの分岐が形成される。
また、この電線寄せの際には、「2番」及び「3番」のうちの少なくとも一方のスライド部12が引出し元側へと移動するとともに、その保持部121が回転して、先端側コネクタW11を分岐点の方へと向ける。スライド部12におけるこれらの動作により、電線寄せによって各電線W18に掛かる張力が緩和される。
また、ステップS19では、「9番」の電線W18について、2箇所の外装材W20それぞれの上からクリップ取付け部23による固定クリップW17の取付けが行われる。ここでは、各外装材W20に対し固定クリップW17が2つずつ取り付けられる。
ステップS20では、引出し元側において、6つの後端側コネクタW12が後端側コネクタ移動部163によって後端側接続位置P16へと運ばれる。このとき、「4番」については、スライド部12と向き合う位置に空状態の後端側コネクタ移動部163が移動する。
ステップS21では、「4番」のセット位置へと既成電線W21が既成電線配置部25によって運ばれる。そして、このセット位置において、スライド部12の保持部121に既成電線W21の先端側コネクタW11がセットされ、後端側コネクタW12が後端側コネクタ移動部163にセットされる。また、ステップS21では、ステップS12において電線引出し時にツイストされた「6番」及び「8番」の電線W18について、もう一度、保持部121の回転によるツイストが行われる。
ステップS22では、「4番」の既成電線W21及び「7番」の電線W18それそれに対する外装材W20の取付けが外装材取付け部24によって行われる。ここでの外装材W20の取付けは、それぞれの先端側コネクタW11の側から1回行われる。
図31は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS23~S25を示す模式図である。
ステップS23では、「4番」及び「7番」の外装材W20について、テープ巻きによる固定が、移動テープ巻き機構22によって行われる。
ステップS24では、「5番」の電線W18について、把持ユニット191における電線把持機構191aの回転による余長分の引出しが行われる。上述のステップS12においてテープW19の巻付けによって形成された仮止めが、この余長分の引出し時の電線把持機構191aの回転の際に、電線W18がバラけてしまわないように保持する。
ステップS25では、上述のステップS20で後端側接続位置P16へと運ばれた6つの後端側コネクタW12それぞれに対する電線W18の接続と切断がコネクタ接続部17における後端側コネクタ接続部172によって行われる。ここで、本実施形態では、「1番」及び「2番」という異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18が一の後端側コネクタW12に接続される。同様に、「5番」及び「6番」の電線W18と、「7番」及び「8番」の電線W18も、それぞれ一の後端側コネクタW12に接続される。これら異なる先端側コネクタW11からの電線W18の一の後端側コネクタW12への接続及び切断は、次のように2回に分けて行われる。
まず、後端側コネクタ接続部172において一の先端側コネクタW11の電線W18について一の後端側コネクタW12との接続及び切断とが終了した後、後端側コネクタ移動部163が、当該後端側コネクタW12を移動させる。即ち、後端側コネクタ移動部163は、一の先端側コネクタW11の電線W18が接続された後端側コネクタW12を、隣の他の先端側コネクタW11へと延びる隣の電線W18との接続が可能な隣の後端側接続位置P16へと幅寄せするように移動させる。この幅寄せ後に、隣の電線W18が後端側コネクタW12に接続されるとともに切断される。このような2回に渡る接続と切断が、「1番」及び「2番」の電線W18、「5番」及び「6番」の電線W18、「7番」及び「8番」の電線W18、それぞれについて行われる。
図32は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS26~S29を示す模式図である。
ステップS26では、一の後端側コネクタW12に接続された「5番」及び「6番」の電線W18が電線寄せによって束ねられ、引出し元側へと移動テープ巻き機構22によって所定長に亘ってテープW19が巻き付けられる。ここでのテープ巻きは、移動テープ巻き機構22が、各電線W18に既に巻き付けられているテープW19における端部側の一部の上からテープW19の重ね巻きを行いつつ、更に引出し元側へと向かうことでなされる。また、このテープ巻きも、電線量が所定量以下であると判断され、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225による電線寄せとともに行われる。そして、ここでのテープ巻きにより一の分岐が形成される。また、ここでの電線寄せの際にも、スライド部12の移動と保持部121の回転によって各電線W18に掛かる張力が緩和される。
また、ステップS26では、一の後端側コネクタW12に接続された「7番」及び「8番」の電線W18について、電線寄せによって束ねるとともに、各外装材20の端部近傍となる合流点に、局所的なテープW19の巻き付けが行われる。この局所的なテープ巻きも、電線量が所定量以下であると判断され、移動テープ巻き機構22によって、小規模寄せ部225による電線寄せとともに行われる。そして、このテープ巻きでも一の分岐が形成される。ここでの電線寄せも、「5番」及び「6番」の場合と同様に、スライド部12の移動と保持部121の回転によって各電線W18に掛かる張力が緩和された状態で行われる。
ステップS27では、「1番」~「6番」の電線W18が電線寄せを受けるとともに、一の後端側コネクタW12に接続された「7番」及び「8番」の電線W18について、分岐点から離れた位置に外装材W20が取り付けられる。
「1番」~「6番」の電線W18に対する電線寄せは、制御部27において寄せられる電線量が所定量を超えると判断されることで、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225ではなく、大規模寄せ部20によって行われる。寄せられた部分が一の分岐点となる。また、この大規模電線寄せの際には、「1番」~「6番」の略全てのスライド部12が引出し元側へと移動するとともに、各保持部121が回転して、各先端側コネクタW11を分岐点の方へと向ける。スライド部12におけるこれらの動作により、大規模電線寄せによって各電線W18に掛かる張力が緩和される。
また、「7番」及び「8番」の電線W18に対する外装材W20の取付けは、外装材取付け部24によって1回行われる。
ステップS28では、ステップS27で寄せられた「1番」~「6番」の電線W18について、分岐点側から引出し元側へと向かうテープ巻きが移動テープ巻き機構22によって行われる。ここでのテープ巻きは、各電線W18に既に巻き付けられているテープW19における分岐点側の一部の上からテープW19の重ね巻きを行いつつ、移動テープ巻き機構22が更に引出し元側へと向かうことでなされる。
また、ステップS28では、一の後端側コネクタW12に接続された「7番」及び「8番」の電線W18について、ステップS27で取り付けられた外装材W20に対するテープW19の巻き付けによる固定が移動テープ巻き機構22によって行われる。この外装材W20に対するテープ巻きは次のステップS29まで続けられる。
ステップS29では、ステップS28においてテープ巻きされた「1番」~「6番」の電線W18について、テープW19の上から外装材W20が外装材取付け部24によって取り付けられる。この外装材W20の取付けは、電線W18の分岐点の近傍から一回行われる。また、このステップS29において、ステップS28から続く「7番」及び「8番」の電線W18の外装材W20に対するテープ巻きが終了する。
図33は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS30~S33を示す模式図である。
ステップS30では、「1番」~「6番」の電線W18の外装材W20に対するテープW19の巻き付けによる固定が移動テープ巻き機構22によって行われる。この外装材W20に対するテープ巻きはステップS32まで続けられる。
また、ステップS30では、「7番」~「9番」の電線W18が、「7番」及び「8番」の電線W18に対するテープ巻きの端部近傍にて寄せられる。ここでの電線寄せは、制御部27において寄せられる電線量が所定量以下であると判断されることで、移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225によって行われる。また、この電線寄せの際にも、スライド部12の移動と保持部121の回転によって、各電線W18に掛かる張力が緩和される。
ステップS31では、「7番」~「9番」の電線W18について、各電線W18に既に巻き付けられているテープW19における分岐点側の一部の上からテープW19の重ね巻きを行いつつ、更に引出し元側へと向かうテープ巻きが行われる。ここでのテープ巻きも移動テープ巻き機構22によって行われる。
ステップS32では、「7番」~「9番」の電線W18について、ステップS31でのテープ巻きで巻き付けられたテープW19の上から外装材W20が外装材取付け部24によって取り付けられる。この外装材W20の取付けは、電線W18の分岐点の近傍から一回行われる。また、このステップS32において、ステップS30から続く「1番」~「6番」の電線W18の外装材W20に対するテープW19の巻き付けが終了する。
ステップS33では、ステップS32で取り付けられた「7番」~「9番」の電線W18の外装材W20に対するテープW19の巻き付けによる固定が移動テープ巻き機構22によって行われる。
図34は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS34~S37を示す模式図である。
ステップS34では、「1番」~「6番」の電線W18と「7番」~「9番」の電線W18のテープW19が巻き付けられた部分同士が寄せられて分岐が形成される。ここでの電線寄せは、電線量が所定量を超えると判断されて大規模寄せ部20によって行われる。寄せられた部分が一の分岐点となる。また、この大規模電線寄せの際には、「1番」~「9番」の略全てのスライド部12が引出し元側へと移動するとともに、各保持部121が回転して、各先端側コネクタW11を分岐点の方へと向ける。スライド部12におけるこれらの動作により、大規模電線寄せによって各電線W18に掛かる張力が緩和される。
ステップS35では、「1番」~「9番」の電線W18の分岐点から引出し元側へと向かって、各電線W18に既に巻き付けられたテープW19の上からテープW19が重ね巻きされる。ここでのテープ巻きも、移動テープ巻き機構22によって行われる。このステップS35でのテープ巻きによって、図3に示されているワイヤーハーネスW1における分岐形状が確定する。
ステップS36では、「1番」~「9番」の電線W18について、ステップS35で巻き付けられたテープW19の上から外装材W20が外装材取付け部24によって取り付けられる。この外装材W20の取付けは、電線W18の分岐点から1回だけ行われる。
また、このステップS36では、「7番」及び「8番」の電線W18について、先端側コネクタW11側の分岐点と、「9番」の電線W18との分岐点側の外装材W20と、の間の部分に、更なる外装材W20の取付けが行われる。この外装材W20の取付けも、外装材取付け部24によって先端側コネクタW11側の分岐点から1回だけ行われる。
ステップS37では、ステップS36で取り付けられた「1番」~「9番」の電線W18の外装材W20に対するテープW19の巻き付けによる固定が移動テープ巻き機構22によって行われる。また、ステップS36で取り付けられた「7番」及び「8番」の電線W18の外装材W20に対するテープW19の巻き付けによる固定も移動テープ巻き機構22によって行われる。
図35は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置で図3に示されているワイヤーハーネスを製造するワイヤーハーネス製造方法のステップS38~S40を示す模式図である。
ステップS38では、「7番」及び「8番」の電線W18について、2箇所の外装材W20それぞれの上から固定クリップW17が1つずつ取り付けられる。これら2つの固定クリップW17は、クリップ取付け部23によって取り付けられる。
ステップS39では、「1番」~「6番」の電線W18について、2つの固定クリップW17がクリップ取付け部23によって取り付けられる。一の固定クリップW17は、「1番」~「6番」の電線W18の分岐点近傍の外装材W20の上から取り付けられる。もう一つの固定クリップW17は、この外装材W20と、「7番」~「9番」の電線W18との分岐点と、の間に巻き付けられているテープW19の上から取り付けられる。
ステップS40では、「7番」~「9番」の電線W18について、4つの固定クリップW17がクリップ取付け部23によって取り付けられる。3つの固定クリップW17は、「7番」~「9番」の電線W18の分岐点近傍の外装材W20の上から取り付けられる。他の1つの固定クリップW17は、この外装材W20と、「1番」~「6番」の電線W18との分岐点と、の間に巻き付けられているテープW19の上から取り付けられる。このステップS40での固定クリップW17の取付けを以て、図3に示されているワイヤーハーネスW1が完成する。完成したワイヤーハーネスW1は、払出し部26に保持され、9つの先端側コネクタW11及び6つの後端側コネクタW12が、スライド部12の保持部121及び後端側コネクタ移動部163から一括して取り外される。そして、ワイヤーハーネスW1は、ロボットアーム21による払出し部26の移動によって、払出し先26aのテーブル上へと運ばれて払い出される。以上で、図1及び図2に示されているワイヤーハーネス製造装置1で図3に示されているワイヤーハーネスW1を製造するワイヤーハーネス製造方法が終了する。
ここで、本実施形態では、上述したように、ステップS12において電線W18が引き出された後は、各スライド部12が電線W18を引出し方向D11に引っ張って張力を付与する。そして、ワイヤーハーネス製造装置1では、このように付与される張力について、ワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部27によって次のように制御されることとなっている。
図36は、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS51及びステップS52を示す模式図である。
この図36には、ワイヤーハーネス製造装置1において、電線リール111から引き出された電線W18に付与される張力を、ワイヤーハーネス製造方法の実行中に制御する張力制御装置2として機能する構成部分が模式的に示されている。このワイヤーハーネス製造装置1における張力制御装置2は、サーボモータ32の駆動によって直線移動するスライド部12と、制御部27と、を備えている。スライド部12は、電線リール111から引出し可能な電線W18の電線端部を、先端側コネクタW11を介して保持し、直線移動することで電線W18を引き出す部位である。制御部27は、スライド部12の移動による電線引出し量を制御するとともに、電線W18の張力に関する次のような制御を行う。即ち、制御部27は、電線W18の張力を示す指標としてサーボモータ32の駆動力を取得し、スライド部12の停止時に指標としての駆動力を所定の基準値と比較し、比較結果に応じてスライド部12を移動させることで電線W18の張力を制御する。
図36に示されているステップS51は、図28のステップS12における電線W18の引出しに相当する。このステップS51では、サーボモータ32の駆動によりスライド部12が引出し方向D11に移動することで電線W18が引き出される。このときには、制御部27の制御の下、サーボモータ32はスライド部12を次のような駆動力F11で駆動する。この駆動力F11は、スライド部12が非把持状態の電線把持機構191aを経由して電線W18を電線リール111から引き出すのに必要な力となっている。また、この電線W18の引出し時には、制御部27は、スライド部12の直線移動による電線引出し量を制御する。この引出し量は、制御部27において、サーボモータ32の回転数等に基づいて取得される。制御部27は、複数のスライド部12を、各々の電線引出し量に対応する移動量を移動したタイミングで停止させる。
ステップS52では、電線W18の引出しが終了し、スライド部12は停止している。この停止状態では、電線把持機構191aが把持状態となり、スライド部12は、電線把持機構191aによる把持力と釣り合う釣合い力F12で電線W18を引出し方向D11に引っ張っている。このスライド部12による釣合い力F12での引っ張りにより、電線W18には所定の張力が付与されることとなる。本実施形態では、この電線把持機構191aの把持力に対応した値が基準値として使われる。
図37は、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS53~ステップS55を示す模式図である。
この図37には、ワイヤーハーネス製造装置1の張力制御装置2において、スライド部12の停止時に電線W18の張力が上昇する状況の一例として、大規模寄せ部20によって寄せられることで電線W18が引っ張られる状況が例示されている。
ステップS53では、電線リール111からの電線W18を、電線把持機構191aの把持力に対する釣合い力F12でスライド部12が引っ張っているところに、大規模寄せ部20による電線寄せが開始される。本実施形態では、この大規模寄せ部20や、同様の電線寄せを行う移動テープ巻き機構22における小規模寄せ部225が、複数の電線W18を集束する集束部となっている。以下では、この集束部として、大規模寄せ部20を例に挙げて説明を続ける。
大規模寄せ部20によって集束が行われると、電線W18が引っ張られて張力が一時的に上昇し、これに応じてスライド部12を駆動するサーボモータ32の出力が一時的に上記の釣合い力F12から上昇駆動力F13へと上昇する。本実施形態では、制御部27において、張力制御に用いる基準値が、大規模寄せ部20や小規模寄せ部225による集束によって一時的に上昇するサーボモータ32の駆動力よりも小さい値に設定されている。やがて、引出し方向D11の上昇駆動力F13が基準値を超えると、制御部27での処理が次のステップS54へと移行する。
ステップS54では、制御部27は、電線W18の引出し方向D11とは逆方向となる張力緩和方向D32に、サーボモータ32の駆動力が上記の基準値を下回るのに必要な距離よりも長い緩和距離L11だけスライド部12を移動させる。更に、本実施形態では、制御部27は、スライド部12における保持部121を、図5に示されている回転方向D14について、指標が減少する張力緩和回転方向に回転させる。この張力緩和回転方向は、電線W18の集束点へと保持部121を向ける方向となる。これにより、電線リール111からの電線W18は、スライド部12と電線把持機構191aとの間で大規模寄せ部20を経由しつつ弛んだ状態となる。この移動後に、処理が次のステップS55へと移行する。
ステップS55は、上記の移動後の処理であって、制御部27は、電線把持機構191aの把持力と釣り合う釣合力F12で電線W18を引っ張りつつ停止する位置までスライド部12を引出し方向D11へと移動させる。これにより、電線リール111からの電線W18は、スライド部12と電線把持機構191aとの間で大規模寄せ部20を経由しつつ所定の張力で張られた状態となる。大規模寄せ部20の集束時のテープ巻き等の処理は、このように電線W18が張られた状態で行われる。
ここで、本実施形態では、制御部27は、スライド部12の移動によって電線W18が引き出された後、上記の張力緩和方向D32に所定の退避位置へとスライド部12を退避させる場合がある。この退避は、他のスライド部12で引き出された電線W18に対するテープ巻き等の処理を行うべくロボットアーム21で運ばれる機構装置との干渉を避けるために実行される。
図38は、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で行われる電線の張力制御方法のステップS56及びステップS57を示す模式図である。
この図37には、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1において張力制御装置2を構成する制御部27が、張力制御方法の一環として行うスライド部12の退避処理が模式的に示されている。
この退避処理におけるステップS56では、制御部27は、他の装置機構の接近が予想される退避期間が到来すると、サーボモータ32を制御して上記の張力緩和方向D32に所定の退避位置P17へとスライド部12を退避させる。この退避により、電線リール111からの電線W18は、スライド部12と電線把持機構191aとの間で大幅に弛んだ状態となる。そして、上記の退避期間が終了すると、処理が次のステップS57に移行する。
ステップS57では、制御部27は、引出し方向D11へとスライド部12を移動させて、退避前の釣合い位置P18までスライド部12を復帰させる。このスライド部12の復帰により、電線リール111からの電線W18は、スライド部12と電線把持機構191aとの間で所定の張力で張られた状態となる。
本実施形態では、この退避処理を含む張力制御方法が、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法の実行中、制御部の制御の下で同時並行に行われることとなる。
以上に説明した実施形態のワイヤーハーネス製造装置1、ワイヤーハーネス製造方法、ワイヤーハーネスW1、張力制御装置2、及び張力制御方法、によれば様々な観点において以下のような効果を奏することができる。
まず、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1、ワイヤーハーネス製造方法、及びワイヤーハーネスW1は、電線W18のテープ巻きによる分岐形成の観点から次のような構成を有するとともに、当該構成による効果を奏することができる。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1では、固定テープ巻き機構18における引出し中テープ巻き部181と移動テープ巻き機構22とが次のような先行テープ巻き部として機能する。この先行テープ巻き部は、ワイヤーハーネスW1を製造するために複数用意される先端側コネクタW11及び電線W18のうち、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18をテープ巻きする部位となっている。そして、電線寄せの対象となった電線W18についてテープ巻きを行う移動テープ巻き機構22が、次のような後行テープ巻き部として機能する。後行テープ巻き部は、異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18の先行テープ巻き部により個別にテープ巻きされた部分同士をテープ巻きして分岐を形成する部位となっている。
また、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法において、引出し中テープ巻き部181及び移動テープ巻き機構22が先行テープ巻き部として機能するステップS12~ステップS16の処理が先行テープ巻き工程となっている。先行テープ巻き工程は、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18をテープ巻きする工程である。また、移動テープ巻き機構22が後行テープ巻き部として機能するステップS19、ステップS26、ステップS28、ステップS31、及びステップS35が、後行テープ巻き工程となっている。後行テープ巻き工程は、異なる先端側コネクタW11に接続された電線W18の既にテープ巻きされた部分同士をテープ巻きして分岐を形成する工程である。
このような構成を有する本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、まず、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18について先行してテープ巻きが行われる。その後、異なる先端側コネクタW11に接続された先行テープ巻き済みの電線W18についてテープ巻きが行われる。これら先行及び後行の2段階のテープ巻きにより、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定が同時並行に行われることとなる。これらの作業は、先行、後行の手順に則りさえすれば特に熟練を要することなく行えることから、効果的に自動化が可能であり、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、この点に基づいた自動製造装置となっている。このように、上記のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定に至る作業を自動で行うことができる。
ここで、本実施形態では、後行テープ巻き部としての移動テープ巻き機構22は、先行テープ巻き部としての引出し中テープ巻き部181や移動テープ巻き機構22が巻き付けたテープW19の上からテープW19の重ね巻きを行う。この構成によれば、例えば先行テープ巻き部によって巻き付けられたテープW19を避けながら後行テープ巻き部にテープ巻きを行わせる場合等と比較して、後行テープ巻き部によるテープ巻きを容易に行うことができる。この後行テープ巻き部でのテープ巻きの容易性に鑑みて、上記の一連作業について一層効果的に自動化することができる。
また、本実施形態では、電線W18を引き出すスライド部12が設けられている。そして、先行テープ巻き部が、引き出し中の電線W18のテープ巻きを行なう引出し中テープ巻き部181、及び、引き出された後の電線W18のテープ巻きを行なう引出し後テープ巻き部として機能する移動テープ巻き機構22を備えている。また、後行テープ巻き部は、引出し後の電線W18についてテープ巻き済みの部分同士のテープ巻きを行なう。この構成によれば、スライド部12による引出し中及び引出し後のそれぞれのタイミングでテープ巻きが行われるので、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定に至る作業を一層効果的に自動で行うことができる。更に、引出し中及び引出し後のそれぞれのタイミングでのテープ巻き実施により、作業時間を短縮することもできる。
また、本実施形態では、引出し中テープ巻き部181は移動せずにテープ巻きを行い、移動テープ巻き機構22による引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部は電線W18に沿った移動を行なってテープ巻きを行なう。この構成によれば、テープ巻きの一部が移動を伴わない作業であることから、その分、テープ巻きに関する機構を単純化することができる。
また、本実施形態では、移動テープ巻き機構22による引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部は、電線W18の引出し方向D11の前方側から後方側に向かって移動しながらテープ巻きを行う。この構成によれば、引出し方向D11の前方側に位置する先端側コネクタW11等を、テープ巻きにおける巻き始めの基準として利用することができる。
また、本実施形態では、外装材W20の取付けを行う外装材取付け部24が設けられ、移動テープ巻き機構22による引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部は、外装材W20を電線W18に固定するためのテープ巻きも行う。この構成によれば、外装材W20の取付けから固定に至る作業についても人手を介さずに自動で行うことができる。
また、本実施形態では、ロボットアーム21が移動テープ巻き機構22を把持し、テープW19の巻き付け位置に運ぶとともにテープ巻き作業に応じて移動させることで、テープ巻き機構22を引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部として動作させる。この構成によれば、移動テープ巻き機構22がロボットアーム21によってテープW19の巻き付け位置に運ばれて適宜に動かされることで引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部が構築される。従って、引出し後テープ巻き部及び後行テープ巻き部それぞれを個別機構として搭載することに比べて、ワイヤーハーネス製造装置1の装置構成を簡略化することができる。
また、本実施形態では、複数のスライド部12のうちの少なくとも一(本実施形態では全て)のスライド部12が、電線W18の引出し後に先端側コネクタW11をツイスト軸X12を中心に回転することで電線W18をツイスト可能となっている。そして、先行テープ巻き部のうち、移動テープ巻き機構22による引出し後テープ巻き部は、ツイスト後の電線W18を巻き付け対象の一つとして対してテープ巻きを行う。この構成によれば、ツイストされた電線W18を備えるワイヤーハーネスW1についても、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定に至る作業を自動で行うことができる。
また、本実施形態では、引出し中テープ巻き部181が電線W18の引出し方向D11に対する直交方向D13に並ぶように複数設けられている。そして、各引出し中テープ巻き部181が、各電線W18を中心にテープリール181aを回転させながら当該テープリール181aから引き出したテープW19を各電線W18に巻き付ける。この構成によれば、複数の引出し中テープ巻き部181により、複数のスライド部12によって引出し中の電線W18について、同時並行にテープ巻きを行うことができる。
また、本実施形態では、複数の引出し中テープ巻き部181は、互いに同じリール回転方向D28にテープリール181aを回転させる。この構成によれば、複数の引出し中テープ巻き部181の相互間でテープリール181aのリール回転方向D28が同じであることから、相互間の干渉を回避しつつ複数の引出し中テープ巻き部181の相互間隔を詰めることができる。そして、相互間隔を詰めることができる分、装置の大型化を抑えて複数の引出し中テープ巻き部181を並べて配置することができる。
また、本実施形態では、クリップ取付け部23が設けられている。この構成によれば、固定クリップW17の取り付け作業についても自動で行うことができる。
また、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法で製造されるワイヤーハーネスW1は、各先端側コネクタW11の側が、枝線を形成している枝線テープ巻き部となっている。この枝線テープ巻き部は、同一の先端側コネクタW11に接続された電線W18がテープ巻きされた部位である。そして、この枝線テープ巻き部同士が更にテープ巻きされて分岐を形成している部分が分岐テープ巻き部となっている。
上記のワイヤーハーネスW1は、枝線に関するテープ巻きを先行して行い、その後に、それらを束ねて分岐を形成するテープ巻きを行う、という2段階のテープ巻きによって分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定を同時並行に行うことができる。これらの作業は、2段階のテープ巻きの手順に則りさえすれば特に熟練を要することなく行えることから、効果的に自動化が可能である。従って、上記のワイヤーハーネスW1によれば、分岐形状の形成からテープ巻きによる形状確定に至る作業を自動で行って製造することができる。
次に、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法は、電線W18を平行状態に規制して製造作業を行う観点から次のような構成を有するとともに、当該構成による効果を奏することができる。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1では、櫛歯状の電線把持機構191aと、電線W18を引き出して適宜に張力を付与しつつ牽引する複数のスライド部12と、が平行規制部として機能する。平行規制部は、複数用意される電線を平行状態になるように規制する部位である。また、固定テープ巻き機構18における引出し中テープ巻き部181と移動テープ巻き機構22とが、複数の電線W18の一部の電線W18を、分岐形成前に選択して結束する先行結束部として機能する。また、移動テープ巻き機構22が、先行結束部によって結束された部分同士を更に結束して分岐を形成する後行結束部として機能する。
また、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法において、平行状態で電線W18が引き出されるステップS12から、全電線W18の平行状態が崩れるステップS30の直前、つまり、ステップ29までの処理が平行規制工程となっている。平行規制工程は、複数の電線W18を平行状態になるように規制する工程である。また、引出し中テープ巻き部181及び移動テープ巻き機構22が先行結束部として機能するステップS12~ステップS16における各ステップが、複数の電線W18の一部の電線W18を選択して結束する先行結束工程となっている。また、移動テープ巻き機構22が後行テープ巻き部として機能するステップS19、ステップS26、ステップS28、ステップS31、及びステップS35それぞれが、後行結束工程となっている。後行結束工程は、先行結束工程によって結束された部分同士を更に結束して分岐を形成する工程である。
上記のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、分岐形状での電線W18の配策等のような熟練作業が不要であり、機械的に実施可能な、複数の電線W18を平行状態に規制することからワイヤーハーネスW1の製造が始められる。その後、先行、後行の2段階の結束を経て、分岐形状の形成から結束による形状確定が同時並行に進められる。これら2段階の結束についても、その手順に則りさえすれば特に熟練を要することなく行えることから機械的に実施可能である。このように、平行状態の規制から2段階の結束を経て行われる分岐形状の形成及び形状確定は、何れも機械的に実施可能であることから、効果的に自動化が可能である。本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、この点に基づいた自動製造装置となっている。このように、上記のワイヤーハーネス製造装置及びワイヤーハーネス製造方法によれば、分岐形状の形成から結束による形状確定に至る作業を自動で行うことができる。
ここで、本実施形態では、電線把持機構191a及びスライド部12による平行規制部は、複数の電線W18が空中で平行状態になるように規制する。この構成によれば、例えば複数の電線W18が平行状態で載置されて固定される布線板等を設ける構成等と比べて、その後の結束における電線W18へのアクセス自由度が高くなり、その後の電線W18へのアクセス方向の最適化を図ることができる。
また、本実施形態では、電線把持機構191a及びスライド部12による平行規制部は、電線W18の長手方向について空中の空間を挟んだ両側から複数の電線W18を規制する。この構成によれば、例えば長手方向の複数箇所で複数の電線W18を支えて平行状態に規制する等といった構成等と比べて、結束における電線W18へのアクセス自由度を更に高めることができる。
また、本実施形態では、ワイヤーハーネス製造方法において、ステップS12~ステップ29の平行規制工程が次のように行われる。即ち、本実施形態では、この平行規制工程は、ステップS12~ステップS16の先行結束工程及びステップS19、ステップS26、及びステップS28の後行結束工程の実行中にも並行して行なわれる。この構成によれば、先行結束工程及び後行結束工程の実行中にも平行規制工程が並行して行われるので、分岐形状の形成中に不用意に電線が弛んで絡まってしまう等といった事態を効果的に回避することができる。
次に、本実施形態は、ワイヤーハーネス製造装置1が張力制御装置2を備え、ワイヤーハーネス製造方法が張力制御方法を含んでいるという観点から次のような構成を有するとともに、当該構成による効果を奏することができる。
まず、本実施形態の張力制御装置2は、電線端部を保持して直線移動するスライド部12と、制御部27と、を備えている。制御部27は、電線引出し量を制御するとともに、電線W18の張力を示す指標として、スライド部12を駆動するサーボモータ32の駆動力を取得する。そして、制御部27は、スライド部12の停止時に指標としての駆動力を所定の基準値と比較し、比較結果に応じてスライド部12を移動させる。
そして、本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、上述の張力制御装置2と、この張力制御装置2によって張力が制御された状態の電線W18に対してワイヤーハーネスW1の製造作業を行う作業機構と、を備えている。本実施形態では、図2に示されているワイヤーハーネス製造装置1のうち、図36に示されている張力制御装置2を除いた複数の構成要素が上記の作業機構として機能する。
また、本実施形態の張力制御方法では、図36~図38に示されている張力制御方法のうち、ステップS51が、スライド部12を直線移動させることにより電線引出し量を制御する引出し量制御工程となっている。そして、その後のステップS52~ステップS57が、スライド部の停止時に張力の指標としてのサーボモータ32の駆動力を基準値と比較し、比較結果に応じてスライド部12を移動させる移動制御工程となっている。
そして、本実施形態のワイヤーハーネス製造方法は、上述の張力制御方法によって電線の張力を制御する張力制御工程(ステップS51~ステップS57)と、ワイヤーハーネスの製造作業を行う作業工程(ステップS11~ステップS40)と、を備えている。
以上の本実施形態の張力制御装置2、ワイヤーハーネス製造装置1、張力制御方法、及びワイヤーハーネス製造方法によれば、次のような効果を奏することができる。即ち、本実施形態によれば、所望の電線引出し量で電線W18が引き出された後のスライド部12の停止時には、制御部27によって、電線W18の張力を示す指標と所定の基準値との比較結果に応じてスライド部12の移動が制御される。このスライド部12の移動制御により、スライド部12の停止時の電線W18に基準値を超えるような過度な張力が加わりそうな時に張力を緩和する方向にスライド部12を移動させる等といった運用が可能となり、電線W18に加わる張力を抑えることができる。また、このような張力制御に必要な構成は、電線引出し構成と、その制御構成とで足りる。このように、本実施形態によれば、簡略な構成で電線に加わる張力を抑えることができる。
ここで、本実施形態では、スライド部12が、電線端部が接続された先端側コネクタW11を搭載し、直線移動するものとなっている。この構成によれば、電線端部に先端側コネクタW11が接続された電線W18を扱う場合に、電線自体に比べて保持性の良好な先端側コネクタW11を介して効果的に電線端部を保持し、張力制御を行うことができる。
また、本実施形態では、電線W18の引出し元側に電線把持機構191aが設けられ、スライド部12は、電線把持機構191aが非把持状態のときに電線W18を引き出す。また、スライド部12は、電線把持機構191aが把持状態のときにその把持力と釣り合う力で電線W18を引出し方向D11に引っ張って張力を付与しつつ停止する。そして、制御部27は、電線把持機構191aの把持力に対応した値を基準値として用いる。この構成によれば、引出し元側での把持力と釣り合う力で電線W18が引っ張られることで、適度な張力が電線W18に付与された良好な作業性の下で、スライド部12の停止時の電線W18に対する作業を行うことができる。
また、本実施形態では、スライド部12が、互いに平行に移動するように複数台設けられている。そして、スライド部12と電線把持機構191aとの間で、複数の電線W18を集束する集束部として、大規模寄せ部20及び移動テープ巻き機構22の小規模寄せ部225が設けられている。そして、制御部27において、張力制御の基準値が、集束部による集束によって一時的に上昇する指標よりも小さくなっている。この構成によれば、例えば結束等のために複数の電線W18を集束する際に張力が一時的に上昇しても、その張力が予め張力制御における基準値に反映されているので、その張力の上昇を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、制御部27は、張力の指標が基準値を超えた場合に、張力緩和方向D32に、指標が基準値を下回るのに必要な距離よりも長い緩和距離L11だけスライド部12を移動させる。更に、制御部27は、移動後には、電線把持機構191aの把持力に対する釣合い力F12で電線W18を引っ張りつつ停止する位置までスライド部12を引出し方向D11へと移動させる。この構成によれば、指標が基準値を超えた場合には、まず、上記の長い緩和距離L11だけスライド部12が動かされて電線W18の張力が大幅に抑えられる。その後、釣合い力F12で電線W18を引っ張りつつ停止する位置までスライド部12が移動することで、電線W18が適度な張力で張られることとなる。このように、上記の構成によれば、張力上昇時の速やかな緩和と、その後の電線W18に対する良好な作業性の確保と、を効果的に両立させることができる。
また、本実施形態では、制御部27は、予め定められた退避期間が到来すると、張力緩和方向D32について所定の退避位置へとスライド部12を退避させ、退避期間が終了すると退避前の位置まで引出し方向D12へとスライド部12を復帰させる。この構成によれば、例えば、スライド部12や、そのスライド部12によって張られている電線W18が、周辺作業の妨げとなるような場合に、スライド部12を電線W18ごと退避させることで、その周辺作業を良好な作業性の下で実施させることができる。
また、本実施形態では、スライド部12が、保持部121及びスライド本体部122を備えている。そして、制御部27は、指標が基準値を超えた場合に、スライド本体部122を張力緩和方向D32に移動させるとともに、保持部121を、図5に示されている回転方向D14のうちの張力緩和回転方向に回転させる。この構成によれば、指標が前記基準値を超えた場合に、スライド本体部122の張力緩和方向D32への移動と保持部121の張力緩和回転方向への回転により、一層効果的に電線W18の張力を抑えることができる。
次に、本実施形態は、スライド部12で電線引出しを行って分岐形成を行うという観点から次のような構成を有するとともに、当該構成による効果を奏することができる。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、電線W18が接続された先端側コネクタW11を各々が搭載して直線移動するように複数設けられたスライド部12を備えている。また、移動テープ巻き機構22が、複数のスライド部12によって引出された複数の電線W18を選択的に結束して分岐を形成する分岐形成部として機能する。そして、制御部27が、電線引出し量及び分岐動作を制御する。
また、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法において、ステップS12が、複数設けられたスライド部12を直線移動させることにより、電線W18それぞれの引出し量を制御しつつ電線W18を引き出す電線引出し工程となっている。また、分岐が始まるステップS19から、最終的に分岐形状が確定するステップS35までが、複数の電線W18を選択的に結束して分岐を形成する分岐形成工程となっている。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、分岐形状での電線W18の配策等のような熟練作業が不要である。そして、先端側コネクタW11を各々が保持した複数のスライド部12の直線移動と、移動後の分岐形成とにより、分岐形状の形成から結束による形状確定が行われる。これら一連の作業は、その手順に則りさえすれば特に熟練を要することなく行えることから機械的に実施可能であり、この点を踏まえた作業が所定の制御下で行われることとなっている。つまり、上記のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、分岐形状の形成から結束による形状確定に至る作業を自動で行うことができる。
ここで、本実施形態では、引出し元側で電線W18を切断するとともに後端側コネクタW12に接続する後端側コネクタ接続部172が設けられ、制御部27がその接続動作も制御する。この構成によれば、引出し元側での電線W18の切断と後端側コネクタW12の接続についても、制御部27の制御下で、自動で行うことができる。
また、本実施形態では、次のような、後端側コネクタ移動部163が設けられている。後端側コネクタ移動部163は、後端側接続位置P16から直交方向D13にずれた後端側コネクタ搭載位置P15で、後端側コネクタW12が搭載される。そして、後端側コネクタ移動部163は、後端側コネクタW12の搭載後に、後端側接続位置P16へと後端側コネクタW12を位置付けるように直交方向D13に移動する部位となっている。制御部27は、この後端側コネクタ移動部163の移動による後端側接続位置P16への後端側コネクタW12の位置付けも制御する。この構成によれば、電線W18の引出し元側での後端側コネクタW12の後端側接続位置P16への位置付けについても、制御部27の制御下で、自動で行うことができる。
また、本実施形態では、引出し元側の先端側接続位置P14で電線W18を先端側コネクタW11に接続する先端側コネクタ接続部171が設けられている。スライド部12は、引出し元側とは反対側の先端側コネクタ搭載位置P13で先端側コネクタW12が搭載され、搭載後に、先端側接続位置P14へと先端側コネクタW11を位置付けるように引出し元側へと直線移動するものとなっている。制御部27は、このような先端側コネクタ接続部171による接続動作と、スライド部12の移動による先端側接続位置P14への先端側コネクタW11の位置付けも制御する。この構成によれば、スライド部12の移動による先端側コネクタW11の先端側接続位置P14への位置付けから、先端側コネクタW11の接続に至る一連動作についても、制御部27の制御下で、自動で行うことができる。
また、本実施形態では、先端側コネクタ搭載位置P13で先端側コネクタW11をスライド部12に搭載する先端側コネクタ搭載部15が設けられている。制御部27は、この先端側コネクタ搭載部15による先端側コネクタW11のスライド部12への搭載動作も制御する。この構成によれば、先端側コネクタ搭載位置P13での先端側コネクタW11のスライド部12への搭載についても、制御部27の制御下で、自動で行うことができる。
次に、本実施形態は、スライド部12の移動による電線W18の引出しから、分岐形成を経つつ後端側コネクタW12を接続するという装置及び方法の全体構成の観点から次のような構成を有するとともに、当該構成による効果を奏することができる。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、先端側コネクタW11を搭載可能で複数設けられたスライド部12と、電線W18を各スライド部12の先端側コネクタW11に接続する先端側コネクタ接続部171を備えている。また、ワイヤーハーネス製造装置1は、電線寄せ部として機能する小規模寄せ部225及び大規模寄せ部20と、テープ巻き部として機能する移動テープ巻き機構22と、を備えている。電線寄せ部は、異なるスライド部12で引出された電線W11を選択的に寄せて分岐形状を形成する部位であり、テープ巻き部は、寄せられた電線W18のテープ巻きを行なって、電線寄せ部による分岐形状を確定する部位である。また、ワイヤーハーネス製造装置1は、後端側コネクタ移動部163と、後端側コネクタ接続部172と、を備えている。後端側コネクタ移動部163は、各々が後端側コネクタW12を搭載するように複数設けられ、各々が直交方向D13に移動することで、スライド部12の移動によって引出された電線W18を各後端側コネクタW12に振り分ける部位である。後端側コネクタ接続部172は、各後端側コネクタW12に振り分けられた電線W18を切断するとともに後端側コネクタW12に接続する部位である。
また、図28~図35に示されているワイヤーハーネス製造方法において、ステップS11が、引出し可能な電線W18を、複数設けられた先端側コネクタW11に振り分けて接続する先行接続工程となっている。また、ステップS12が、先端側コネクタW11を互いに平行に直線移動させて電線W11を引き出す電線引出し工程となっている。また、電線寄せを伴うテープ巻きを行うステップS19~ステップS35が、引出された電線W18同士を選択的に寄せて分岐形状を形成するとともに、テープ巻きによって当該分岐形状を確定するテープ巻き工程となっている。そして、ステップS25が、引出された電線W18を複数の後端側コネクタW12それぞれに振り分け、各後端側コネクタW12に振り分けられた電線W18を切断するとともに後端側コネクタW12に接続する後行接続工程となっている。
本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、先端側コネクタW11への電線接続、引出し、電線寄せとテープ巻きによる分岐形成及び確定、後端側側コネクタW12への電線接続、を経てワイヤーハーネスW1が製造される。これらの一連作業は、何れも、分岐形状での電線W18の配策等のような熟練作業が不要であって、機械的に実施可能であることから、何れの作業も効果的に自動化が可能である。本実施形態のワイヤーハーネス製造装置1は、この点に基づいた自動製造装置となっている。このように、上記のワイヤーハーネス製造装置1及びワイヤーハーネス製造方法によれば、ワイヤーハーネスW1の製造に関する一連作業を自動で行うことができる。
ここで、本実施形態では、スライド部12は、先端側コネクタW12を保持する保持部121とスライド本体部122とを備えている。そして、保持部121が、ツイスト軸X12を中心に回転することで電線W18をツイストする。この構成によれば、ツイストされた電線W18を備えるワイヤーハーネスW1についても人手を介さずに自動で製造することができる。
また、本実施形態では、スライド部12の保持部121は、スライド部12の移動方向D12と直交する回転軸X11を中心に回転可能となるように取り付けられている。そして、保持部121は、先端側コネクタW11に繋がる電線W18が寄せられる際には、寄せられた当該電線W18が向かう方へと先端側コネクタW11を向けるように回転する。この構成によれば、電線W18が寄せられる際には、保持部121の回転によってその電線W18が向かう方へと先端側コネクタW12を向けることで、電線W18に加わる張力を抑えることができる。
また、本実施形態では、一の先端側コネクタW11からの電線W18について後端側コネクタW12との接続及び切断とが終了した後、当該後端側コネクタW12に、隣の他の先端側コネクタW11へと延びる隣の電線W18を更に接続する必要がある場合がある。後端側コネクタ移動部163は、このような場合には、当該後端側コネクタW12を、隣の電線W11との接続が可能な隣の後端側接続位置P16へと移動させる。そして、後端側コネクタ接続部172が、この隣の電線W18を隣の後端側接続位置P16の後端側コネクタW12に接続して切断する。この構成によれば、複数の先端側コネクタW11に接続された電線W18を一の後端側コネクタW12に振り分けるに際し、姿勢が不安定になりがちな電線W18ではなく後端側コネクタW12を移動させることで効果的に振分けを行うことができる。また、後端側コネクタW12への電線W18の接続が、先端側コネクタW11毎に、複数回に分けて行われることから、後端側コネクタW12及びその周辺構造に対する接続時の負荷を抑えることもできる。
また、本実施形態では、電線寄せ部が大規模寄せ部20及び小規模寄せ部225を備えている。この構成によれば、電線量に応じて大規模寄せ部20と小規模寄せ部225とで使い分けて電線寄せを効果的に行うことができる。
また、本実施形態では、既成電線W21を電線W18と平行に配置する既成電線配置部25が設けられている。この構成によれば、別途用意された既成電線W21を、スライド部12による電線W18の引出し後に追加設置することが可能であるので、ワイヤーハーネスW1の製造における自由度を高めることができる。
また、本実施形態では、少なくとも一部の電線W18について、中途部分を把持するとともに捻ることで更に余長分を引き出す余長引出し部として機能する電線把持機構191aが設けられている。この構成によれば、例えば完成したワイヤーハーネス1の配策形状等に応じて、一部の電線W18について適宜に余長分を持たせることが可能となるので、ワイヤーハーネスW1の製造における自由度を高めることができる。
また、本実施形態では、テープ巻き部としての移動テープ巻き機構22が、余長分の引出しに先立ち、余長引出し対象の電線W18に対して、余長引出し時に把持される中途部分よりも先端側コネクタW12側をテープ巻きによって仮止めする。この構成によれば、余長引出し対象の電線W18に対する仮止めにより、余長分の引出しの際の電線W18のバラけ等を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、完成したワイヤーハーネスW1を所定の払出し先26aへと移動させる払出し部26が設けられている。この構成によれば、完成したワイヤーハーネスW1の払出しも含めてワイヤーハーネスW1の製造を自動で行うことができる。
尚、以上に説明した実施形態はワイヤーハーネス製造装置、ワイヤーハーネス製造方法、ワイヤーハーネス、張力制御装置、及び張力制御方法の代表的な形態を示したに過ぎない。ワイヤーハーネス製造装置、ワイヤーハーネス製造方法、ワイヤーハーネス、張力制御装置、及び張力制御方法は、これらに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、製造対象のワイヤーハーネスの一例として、自動車に搭載されて配策されるワイヤーハーネスW1が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これに限るものではなく、自動車搭載用以外のワイヤーハーネスであってもよい。
また、上述した実施形態では、製造対象のワイヤーハーネスの一例として、先端側コネクタW11が9つ設けられ、後端側コネクタW12が6つ設けられ、7箇所で分岐した分岐形状を有するワイヤーハーネスW1が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これに限るものではなく、両端側にコネクタが設けられて分岐形状を有するものであれば、具体的なコネクタ数や分岐数は、これを問うものではない。
また、上述した実施形態では、ワイヤーハーネス製造装置の一例として、9列のスライド部12を備え、他の機構部分の形状や配置が図1及び図2に具体的に示されたワイヤーハーネス製造装置1が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネス製造装置は、これに限るものではなく、スライド部の数をはじめとして、各機構部分の形状や配置等については任意に設定し得るものである。
1 ワイヤーハーネス製造装置
2 張力制御装置
11 電線棚
12 スライド部
13 レール
14 先端側コネクタ供給部
14a 先端側供給機構
15 先端側コネクタ搭載部
16 後端側コネクタ供給部
16a 後端側供給機構
16b コネクタレール
17 コネクタ接続部
18 固定テープ巻き機構
19 電線把持/余長付与部
20 大規模寄せ部
21 ロボットアーム
22 移動テープ巻き機構
23 クリップ取付け部
24 外装材取付け部
25 既成電線配置部
26 払出し部
26a 払出し先
27 制御部
28 金属フレーム
29 機構待機テーブル
30 電線ガイド部
31 電線カット下型
32 サーボモータ
111 電線リール
121 保持部
122 スライド本体部
122a スライド連結部
122b アーム部
123 連結部
124 導通検査部
124a 検査ピン
141 先端側ストッカ
142 コネクタ受渡し部
142a コネクタ搭載面
143 回転機構
151 コネクタ運搬部
151a コネクタハンド部
151b ハンド上下機構
152,162a,201 支持ブリッジ
161 後端側ストッカ
162 後端側コネクタ搭載部
163 後端側コネクタ移動部
171 先端側コネクタ接続部
171a,172a 圧接部分
172 後端側コネクタ接続部
172a 電線カット刃
173,226 駆動源
174 伝達機構
181 引出し中テープ巻き部
181a,223 テープリール
181b 保持アーム
182,192 支持レール
191 把持ユニット
191a,591a 電線把持機構
202 寄せアーム
221 機構フレーム
222,231,241,251,261 ロボットアーム接続部
224 リール回転機構
225 小規模寄せ部
225a ローラ
225b 寄せブレード
225b-1 受入れ凹部
232 保持フック
233 クリップ送出し機構
242 取付機構
252 本体部
253 コネクタ保持部
262 本体フレーム
262a 先端側フレーム
262b 後端側フレーム
262c 中間フレーム
263 先端側コネクタ保持部
263a 支持軸
264 後端側コネクタ保持部
301 電線ガイド
591a-1 固定端部
591a-2 移動端部
591a-3 支持棒
D11 引出し方向
D12 移動方向
D13 直交方向
D14 回転方向
D15 ツイスト方向
D16 検査移動方向
D17 受渡し回転方向
D18 受取り方向
D19 搭載方向
D20 送込み方向
D21 位置合わせ方向
D22,D27 圧接方向
D23,D26 下降方向
D24 上昇方向
D25 スライド方向
D28,D34 リール回転方向
D29 挟持方向
D31 余長回転方向
D32 張力緩和方向
D33 支持棒回動方向
D35 電線挟持方向
D36 テープ巻き方向
D131 位置付け方向
D301 開方向
D302 閉方向
F11 駆動力
F12 釣合い力
F13 上昇駆動力
L11 緩和距離
P11 キャッチ姿勢
P12 受渡し姿勢
P13 先端側コネクタ搭載位置
P14 先端側接続位置
P15 後端側コネクタ搭載位置
P16 後端側接続位置
P17 退避位置
P18 釣合い位置
W1 ワイヤーハーネス
W11 先端側コネクタ
W12 後端側コネクタ
W13 枝線テープ巻き部
W14 枝線外装部
W15 分岐テープ巻き部
W16 分岐外装部
W17 固定クリップ
W18 電線
W19 テープ
W20 外装材
W21 既成電線
X11,X13 回転軸
X12 ツイスト軸

Claims (10)

  1. 先端側コネクタを搭載可能で、第1端側と第2端側との間で互いに平行に直線移動するように複数設けられたスライド部と、
    各前記スライド部に振り分けて供給され、前記第1端側から前記第2端側に引出し可能な電線を、振り分け対象である前記スライド部に搭載された前記先端側コネクタに接続する、前記第1端側に設けられた先端側コネクタ接続部と、
    異なる前記スライド部の移動によって引出された前記電線を選択的に寄せて分岐形状を形成する電線寄せ部と、
    寄せられた前記電線のテープ巻きを行なって前記分岐形状を確定するテープ巻き部と、
    各々が後端側コネクタを搭載するように複数設けられ、各々が前記第1端側で前記スライド部の移動方向に対する直交方向に移動することで、前記スライド部の移動によって引出された前記電線を各前記後端側コネクタに振り分ける後端側コネクタ移動部と、
    各前記後端側コネクタに振り分けられた前記電線を切断するとともに前記後端側コネクタに接続する、前記第1端側に設けられた後端側コネクタ接続部と、
    を備えたことを特徴とするワイヤーハーネス製造装置。
  2. 前記スライド部は、前記先端側コネクタを保持する保持部と前記保持部を搭載するスライド本体部とを備え、
    前記保持部が、前記スライド部の移動方向に沿ったツイスト軸を中心に回転することで前記電線をツイストするものであることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  3. 前記スライド部は、前記先端側コネクタを保持する保持部と当該保持部を搭載するスライド本体部とを備え、
    前記保持部は、前記スライド本体部に対して、前記スライド部の移動方向と直交する回転軸を中心に回転可能となるように取り付けられており、前記電線寄せ部によって前記先端側コネクタに繋がる前記電線が寄せられる際には、寄せられた当該電線が向かう方へと前記先端側コネクタを向けるように回転することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  4. 前記後端側コネクタ移動部は、前記後端側コネクタ接続部において一の前記先端側コネクタに接続された電線について前記後端側コネクタとの接続及び切断とが終了した後、当該後端側コネクタに、隣の他の前記先端側コネクタへと延びる隣の電線を更に接続する必要がある場合には、当該後端側コネクタを、前記隣の電線との接続が可能な隣の後端側接続位置へと移動させ、
    前記後端側コネクタ接続部は、前記隣の電線を前記隣の後端側接続位置の前記後端側コネクタに接続して切断することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  5. 前記電線寄せ部が、対象となる前記電線の電線量が所定量を超える場合に当該電線量の前記電線を寄せる大規模寄せ部、及び、前記電線量が前記所定量以下の場合に当該電線量の前記電線を寄せる小規模寄せ部、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  6. 両端がコネクタに接続された既成電線を、前記スライド部の移動によって引出された前記電線と平行に配置する既成電線配置部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  7. 前記スライド部の移動によって引出された前記電線のうちの少なくとも一部の電線について、当該電線における前記移動方向の中途部分を把持するとともに、前記移動方向と直交する軸を中心に捻ることで更に余長分を引き出す余長引出し部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  8. 前記テープ巻き部が、前記余長引出し部による前記余長分の引出しに先立ち、余長引出し対象の前記電線に対して、前記中途部分よりも前記先端側コネクタ側をテープ巻きによって仮止めすることを特徴とする請求7に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  9. 前記先端側コネクタ及び前記後端側コネクタが接続され、前記テープ巻きが行なわれた前記電線を完成したワイヤーハーネスとして保持するとともに、前記先端側コネクタ及び前記後端側コネクタを前記スライド部及び前記後端側コネクタ移動部から一括して取り外し、前記ワイヤーハーネスを所定の払出し先へと移動させる払出し部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス製造装置。
  10. 引出し可能な電線を、複数設けられた先端側コネクタに振り分けて接続する先行接続工程と、
    前記先端側コネクタを互いに平行に直線移動させて前記電線を引き出す電線引出し工程と、
    引出された前記電線同士を選択的に寄せて分岐形状を形成するとともに、テープ巻きによって当該分岐形状を確定するテープ巻き工程と、
    引出された前記電線を複数設けられた後端側コネクタそれぞれに振り分け、各前記後端側コネクタに振り分けられた前記電線を切断するとともに前記後端側コネクタに接続する後行接続工程と、
    を備えたことを特徴とするワイヤーハーネス製造方法。
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