JP2024093289A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024093289000001
【課題】使用済みの定着ユニットにおける部材の再利用率を向上する。
【解決手段】ヒータと、接着剤により取り付けられたヒータを保持する圧接部材103と、内周面がヒータに接触した状態で摺動する定着ベルトと、定着ベルトとの間でシートを挟持搬送する定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を備える。ヒータと圧接部材103との一方は、ヒータと圧接部材103との他方に形成された接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に接着面に接着される第1接着剤塗布面41と、第1接着剤塗布面41とは異なる位置に配置されて接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に接着面に接着される凹凸面である第2接着剤塗布面42と、を有し、ヒータは圧接部材103に対して、第1接着剤塗布面41は接着剤により接着面に接着された状態で、かつ、第2接着剤塗布面42には接着剤が塗布されていない状態で取り付けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート上のトナー像を加熱して定着する定着装置に関する。
近年、未定着トナー画像を加熱溶融により定着する定着装置として、ヒータにより加熱されるフィルム(ベルト)を介して記録材上の未定着トナー画像を定着するフィルム定着方式が広く普及している。フィルム定着方式は、ローラ定着方式に比べ、装置を大型化することなく広いニップを形成することができるので、ウエイトタイム短縮、装置の小型化、高速化対応が可能である。フィルム定着方式の定着装置として、基板に設けられた発熱体を有するヒータと、内面がヒータと接触して回転する筒状の定着フィルムと、ヒータを保持する保持部材と、ヒータとフィルムとの間に介在する潤滑剤とを有するものが公知である(特許文献1参照)。この定着装置では、ヒータと保持部材とは、接着剤により互いに接着されている。
フィルム加熱方式の定着装置においては、定着フィルムが寿命の原因となることが多い。定着フィルムは、画像形成装置の保証利用期間の間に数回程度交換する必要があり、交換の際には定着フィルムを含んだ定着ユニットとして交換される。使用済みとなった定着ユニットは定着フィルムが寿命の原因となる場合が多いため、定着フィルム以外の部品は再利用可能な場合が多い。限りある資源を有効に使用するため、使用済みの製品から再利用可能な部品やユニットを選別し、リユース・リサイクルすることで資源循環型社会の実現に対応することが望ましい。
特開2020-71413号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の定着装置では、長期間の使用に伴い、フィルム内面に塗布された潤滑剤によりヒータと保持部材との間に塗布された接着剤の接着力が低下する可能性がある。このため、部品を再利用するための工程において、使用済のヒータに付着した潤滑剤の清掃を行う際に、ヒータを保持部材から剥がす方向に負荷がかかってしまう場合に、ヒータが保持部材から剥がれてしまう可能性があった。このようにヒータが保持部材から剥がれてしまった場合、再び接着しても接着剤の上塗りとなり所望の接着力を得られない虞がある。このため、ヒータが保持部材から剥がれてしまった場合は、ヒータ及び保持部材の再利用が困難であった。
本発明は、使用済みの定着ユニットにおける部材の再利用率を向上できる定着装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、発熱部材と、接着剤により取り付けられた前記発熱部材を保持する保持部材と、内周面が前記発熱部材に接触した状態で摺動する定着ベルトと、前記定着ベルトとの間でシートを挟持搬送する定着ニップ部を形成する対向回転体と、を備え、前記発熱部材と前記保持部材との一方は、前記発熱部材と前記保持部材との他方に形成された接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に前記接着面に接着される第1接着剤塗布領域と、前記第1接着剤塗布領域とは異なる位置に配置されて前記接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に前記接着面に接着される凹凸面である第2接着剤塗布領域と、を有し、前記発熱部材は前記保持部材に対して、前記第1接着剤塗布領域は接着剤により前記接着面に接着された状態で、かつ、前記第2接着剤塗布領域には接着剤が塗布されていない状態で、取り付けられていることを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、使用済みの定着ユニットにおける部材の再利用率を向上できる。
実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。 実施形態に係る定着ユニットを示す図であり、(a)は図1のA-A線で切断した側面図、(b)は(a)のB-B線で切断した断面図である。 (a)は実施形態に係る保持部材を示す底面図であり、(b)は比較例に係る保持部材を示す底面図である。 実施例に係る圧接部材及びヒータを再利用する手順を示すフローチャートである。 比較例に係る圧接部材及びヒータを再利用する手順を示すフローチャートである。
以下、本実施形態について、図1~図5を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。なお、本実施形態として、感光ドラムを複数備えたフルカラーの複写機を適用している。但し、これには限られず、感光ドラムを1つ備えたモノクロやモノカラーの複写機やプリンタにも適用することができる。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置500は、それぞれ像担持体としての感光ドラム1a、1b、1c、1dを有する4つのカートリッジ7a、7b、7c、7dを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置500は、装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、カートリッジ7a、7b、7c、7dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置500が備える4つのカートリッジ7a、7b、7c、7dは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、代表してカートリッジ7aについて説明し、その他のカートリッジについては、カートリッジ7aにおける構成に付した符号の添え字「a」をそれぞれb、c、dに置き換えて示し、説明を省略する。
カートリッジ7aは、像担持体及び電子写真用の感光体としての感光ドラム1aを有するドラムユニット26aと、現像ユニット4aとを備える。感光ドラム1aは、駆動部材(不図示)によって、図1の時計回り(矢印Q方向)に回転駆動される。また、感光ドラム1aの周囲には、その回転方向の順に、クリーニング部材6a、帯電ローラ2a、現像ユニット4aが配置される。
帯電ローラ2aは、感光ドラム1aの表面を均一に帯電するものである。帯電ローラ2aによって感光ドラム1aの表面が帯電された後、スキャナユニット(露光手段)3からユニット開口32a~32dを通じて、感光ドラム1aの表面にレーザ光が露光される。これにより、感光ドラム1aの表面に静電潜像が形成される。なお、本実施形態においては、スキャナユニット3は、カートリッジ7a~7dの下方に配置されている。
現像ユニット4aは、感光ドラム1a上に形成された静電潜像にトナーを供給して、静電潜像をトナー像として現像するためのものである。現像ユニット4aには、感光ドラム1aと当接して感光ドラム1aの表面にトナーを供給する現像ローラ25aと現像ローラ25aに当接して現像ローラ25aにトナーを供給する供給ローラ34aが備えられる。
記録材Sに画像を形成する際は、まず、スキャナユニット3によって感光ドラム1aの表面に形成された静電潜像が現像ユニット4aによってトナー像として現像され、中間転写ベルト5に転写される。
中間転写体としての中間転写ベルト5は、駆動ローラ10、テンションローラ11などに張架され、図1の矢印R方向に駆動する。また、各感光ドラム1a~1dに対向して、中間転写ベルト5の内側には、一次転写ローラ12a~12dが配設されており、不図示の電源(バイアス印加手段)により転写バイアスが印加される構成となっている。例えば、負極性に帯電したトナーを用いる場合は、一次転写ローラ12a~12dに正極性のバイアスを印加することにより、順次、中間転写ベルト5上にトナー像が一次転写される。また、中間転写ベルト5の回転方向に関してテンションローラ11の下流側には、中間転写ベルト5の外周面と当接するように二次転写部材としての二次転写ローラ18が配置され、中間転写ベルト5と二次転写ローラ18との間で二次転写部15を形成している。
クリーニング部材6aは、感光ドラム1a上に形成されたトナー像を中間転写ベルト5上に転写した後、感光ドラム1a上に残留したトナーを除去するものである。クリーニング部材6aによって除去されたトナーは、ドラムユニット26a内の除去トナー室に回収される。
各感光ドラム1a~1d上のトナー像は、中間転写ベルト5に重畳して一次転写される。そして、中間転写ベルト5に4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。二次転写部15において、トナー像が中間転写ベルト5から記録材Sに二次転写される。記録材Sへの二次転写後に中間転写ベルト5上に残ったトナーは、ベルトクリーニング装置23によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)で回収される。
一方、上記で説明した画像形成動作と同期して、給送装置13やレジストローラ対17等からなる搬送機構によって記録材Sが二次転写部15へ向けて給送される。給送装置13は、複数の記録材Sを収納する給送カセット24と、記録材Sを給送する給送ローラ8と、給送された記録材Sを搬送する搬送ローラ対16とを有している。
給送カセット24は、画像形成装置500の装置本体から着脱自在に構成されている。ユーザは、給送カセット24を引き抜き、装置本体から取り外した後、記録材Sをセットし、装置本体へ挿入することで記録材Sの補給が完了する。給送カセット24に収納された記録材Sのうち、最上位に位置する記録材Sには、給送ローラ8が圧接し、給送ローラ8の回転とともに分離パッド9によって一枚ずつ剥離されて(摩擦片剥離方式)、記録材Sが搬送される。
そして、給送装置13から搬送された記録材Sは、レジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。二次転写部15においては、二次転写ローラ18に正極性のバイアスを印加することにより、搬送された記録材Sに、中間転写ベルト5上の4色のトナー像を二次転写することが可能である。
そして、二次転写部15から給送された記録材Sは、定着装置40へと更に搬送される。定着装置40は、記録材Sに担持されたトナー像に熱、圧力を加えて、トナー像を記録材S上に定着させる。その後、トナー像が定着された記録材Sは、排出ローラ対19によって排出トレイ20に排出される。
[定着装置]
次に、本実施形態における定着装置40の構成について、図2(a)(b)を用いて説明する。図2(a)に本実施形態における定着装置40の長手方向の断面図(図1のA-A断面図)、図2(b)に定着装置40の短手方向の断面図(図2(a)のB-B断面図)を示す。定着装置40は、円筒状の薄肉金属の基層上に弾性層が形成されたフィルム状の定着ベルト101を用いたフィルム加熱方式で、定着ベルト101を加圧ローラ106により駆動する加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
定着装置40は、定着ベルト101、加圧ローラ106、発熱部材の一例であるヒータ100、圧接部材103、ステー102、定着フランジ104、押さえ部材107を有する。そして、定着ベルト101と加圧ローラ106とで形成される定着ニップ部Nに搬送された記録材Sを加熱し、記録材Sに担持されたトナー像を記録材Sに定着する。
以下、定着ベルト101、ヒータ100、圧接部材103、ステー102、定着フランジ104をまとめたものをフィルムユニット111とする。また、本実施形態においてはフィルムユニット111の短手方向をX方向、フィルムユニット111の長手方向をY方向、後述するフィルムユニット111の加圧方向をZ方向とする。なお、長手方向(図2(a)の左右方向)とは、定着ニップ部Nで搬送される記録材Sの搬送方向に交差する方向であり、定着ベルト101の回転方向に交差する幅方向でもある。次に、それぞれの構成について詳しく説明する。
[定着ベルト]
定着部材としての無端状のベルトである定着ベルト101は、記録材Sに熱を伝達する円筒状の耐熱性のフィルムであり、圧接部材103にルーズに外嵌されている。定着ベルト101は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上としている。また、定着ベルト101は、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEPの単層、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。また金属製のものにすることもできる。
このような定着ベルト101は、回転して記録材Sと当接し、記録材Sに担持されたトナー像を加熱することでトナー像を記録材に定着させるものである。後述するように、定着ベルト101は、加圧ローラ106に従動して図3の矢印R1方向に回転する。
[加圧ローラ]
定着部材と対向する対向回転体としての加圧ローラ106は、図2(b)に示すように、金属製の芯金106aと、芯金106aの周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた弾性層106bと、弾性層106bの表層に設けた離型層とから構成される。弾性層106bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などの耐熱性及び弾性を有する層である。離型層は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
芯金106aの両端部には、図2(a)に示すように、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂よりなる軸受部材113が装着されている。そして、加圧ローラ106は、軸受部材113により定着フレーム112の側板に回転自在に支持されている。また、加圧ローラ106は、装置本体内に設けられた不図示の定着モータによって回転駆動される。定着ベルト101は、加圧ローラ106に従動して、図2(b)の矢印R1方向に回転する。加圧ローラ106は、定着ベルト101との間でシートを挟持搬送する定着ニップ部Nを形成する対向回転体の一例である。
[ヒータ]
加熱部材としてのヒータ100は、定着ベルト101内に配置され、定着ベルト101を加熱する加熱源であり、本実施形態では、セラミックヒータを用いている。定着ベルト101は、内周面がヒータ100に接触した状態で摺動する。ヒータ100は、長手方向に細長い薄板状のセラミック基板と、この基板に具備させた通電発熱抵抗体層を合わせた物を基本構成とするもので、発熱体に対する装置本体からの電力供給により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する低熱容量のヒータである。
[圧接部材]
圧接部材103は、定着ベルト101の内側に配置され、定着ベルト101を挟んで加圧ローラ106との間に定着ニップ部Nを形成させる。このような圧接部材103は、長手方向に直交する断面略半円弧状の耐熱性及び断熱性を有する部材である。圧接部材103としては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、LCP樹脂等の絶縁性及び耐熱性の良い材料が用いることが好ましい。
圧接部材103は、定着ベルト101をバックアップしつつ、定着ベルト101を加圧ローラ106に圧接させることで、定着ベルト101と加圧ローラ106との間に定着ニップ部Nを形成する。そして、この定着ニップ部Nの加圧、定着ベルト101の回転時の搬送安定性を図る役目を有する。また、圧接部材103の下面に長手方向に沿って形成された嵌め込み溝103a内には、上述のヒータ100が嵌め込まれ保持されており、圧接部材103はヒータ100を保持する保持部材としての機能も有している。ヒータ100と圧接部材103とは、ヒータ100の接点機能を安定させる目的で、ヒータ100を圧接部材103に固定させて用いる構成である。ヒータ100は、定着ベルト101を介して定着ニップ部Nに対向して配置されている。
本実施形態では、圧接部材103の長手方向に沿って設けられた複数の第1接着剤塗布面41に接着剤108を塗布して、ヒータ100と圧接部材103とを接着する構成となっている。即ち、圧接部材103は、接着剤108により取り付けられたヒータ100を保持する保持部材の一例である。第1接着剤塗布面41の表面形状としては、付着させた接着剤を剥がれにくくするためにシボやローレット形状のように微小な凹凸がある凹凸面としている。このため、ヒータ100の接着面100aへの接着力を高めることができる。ヒータ100及び圧接部材103の接着方法に関しては、後述において詳細を説明する。尚、第1接着剤塗布面41の表面形状としては、上記の他、第1接着剤塗布面41以外の部位より表面粗さが粗い面や、他の部位より高さが高い面なども含めることができる。
[ステー]
ステー102は、圧接部材103の強度を確保するために定着ベルト101の内側に長手方向に沿って配置されている。即ち、ステー102は、比較的柔軟な樹脂製であり、圧接部材103の裏面(ヒータ100が配置される側と反対側の面)に押し当てることで、圧接部材103に長手方向の強度を持たせ、且つ、圧接部材103を矯正させるための部材である。
[定着フランジ]
保持部としての定着フランジ104は、円筒状の定着ベルト101の長手方向両端部に設置され、定着ベルト101の長手方向の移動量を規制する。即ち、定着フランジ104は、圧接部材103とステー102との組立体の両端にはめ込まれ、定着ベルト101の回転を案内すると共に、定着ベルト101の抜け出しを防止している。言い換えれば、定着フランジ104は、定着ベルト101を回転自在に保持している。
図2において、定着ベルト101の長手方向両端に配置された定着フランジ104には、それぞれ定着フレーム112に対して回転可能に取り付けられた加圧板(不図示)により矢印P方向に加圧力が与えられる。これによりフィルムユニット111を加圧ローラ106に向けて加圧している。
[サーミスタ]
サーミスタ105は、定着ベルト101の内面温度を検出して不図示の制御回路へフィードバックする。サーミスタ105は、温度検知素子部105aと板ばね部105bとを有している。温度検知素子部105aは、圧接部材103に固定して取付け保持するための保持部と温度検知素子とを有し定着ベルト101内面に接触して温度を検知する。板ばね部105bは、温度検知素子部105aを所定の接触圧で定着ベルト101に付勢するための弾性を有する。板ばね部105bはステンレス製であり、温度検知素子の導通経路にもなっている
[潤滑剤]
潤滑剤は、定着ベルト101とヒータ100との摺動抵抗を低減させるための摺動性を有し、高温で使用しても性能低下の少ない材料が選択される。このような条件を満足する潤滑剤の一例として、フッ素グリスが挙げられる。フッ素グリスはフッ素オイルとフッ素樹脂からなり、オイルの潤滑性による高い摺動性と、フッ素樹脂がフッ素オイルを保持することで高耐久性を満たすことができる。
[圧接部材及びヒータの接着構成]
次に、本実施形態における新品の状態の圧接部材103とヒータ100を使用した時の圧接部材103とヒータ100の接着構成について説明する。図3(a)は、本実施形態の圧接部材103に設けられた第1接着剤塗布面41を示す底面図である。図3(a)において、圧接部材103の第1接着剤塗布面41は、新品の状態で組み立てする時に使用するものであり、嵌め込み溝103aにおいて長手方向に間隔を空けて9箇所に設けられている。また、各第1接着剤塗布面41に並んで、第2接着剤塗布面42が、長手方向に間隔を空けて9箇所に設けられている。即ち、第1接着剤塗布面41及び第2接着剤塗布面42は、それぞれ複数設けられ、ヒータ100及び圧接部材103の長手方向に関して、第1接着剤塗布面41と第2接着剤塗布面42とが交互に配置されている。尚、第1接着剤塗布面41と第2接着剤塗布面42との並び順については、交互であることには限られない。
本実施形態では、複数の第1接着剤塗布面41と、複数の第2接着剤塗布面42とは、それぞれ等間隔で配置されている。これにより、ヒータ100及び圧接部材103の長手方向に関して、いずれの箇所でも同等の接着力を得ることができ、ヒータ100は定着ベルト101の摺動に対して安定して保持されるようになる。また、複数の第1接着剤塗布面41と、複数の第2接着剤塗布面42とは、それぞれ同数配置されている。これにより、新品時と再利用時とで、ヒータ100の圧接部材103に対する接着力を同等にでき、ヒータ100は定着ベルト101の摺動に対して安定して保持されるようになる。
第2接着剤塗布面42は、使用された圧接部材103及びヒータ100を再利用する工程において、ヒータ100が圧接部材103から剥がれた場合にヒータ100と圧接部材103とを再度接着する時に使用する接着剤塗布面である。第2接着剤塗布面42の表面形状としては、第1接着剤塗布面41と同様に、付着させた接着剤を剥がれにくくするためにシボやローレット形状のように微小な凹凸がある凹凸面としている。尚、第2接着剤塗布面42の表面形状としては、上記の他、第2接着剤塗布面42以外の部位より表面粗さが粗い面や、他の部位より高さが高い面なども含めることができる。
第1接着剤塗布面41と第2接着剤塗布面42とで合計18箇所の接着剤塗布面が設けられている。本実施形態では、第1接着剤塗布面41と第2接着剤塗布面42とはいずれも略正方形形状としている。但し、これには限られず、長方形状や円形状などであってもよい。ここで、第1接着剤塗布面41は、ヒータ100に形成された接着面100aに対向し、かつ、接着剤108を塗布した場合に接着面100aに接着される第1接着剤塗布領域の一例である。第2接着剤塗布面42は、第1接着剤塗布面41とは異なる位置に配置されて接着面100aに対向し、かつ、接着剤108を塗布した場合に接着面100aに接着される凹凸面である第2接着剤塗布領域の一例である。
新品の状態での組立の際は、圧接部材103に設けられた9箇所の第1接着剤塗布面41のみに接着剤108を塗布する。このときには、9箇所の第2接着剤塗布面42には接着剤108を塗布しない。ヒータ100を嵌め込み溝103aに嵌めることで、第1接着剤塗布面41に塗布した接着剤108がヒータ100の接着面100aに付着し、接着剤108を介して圧接部材103とヒータ100が接着して取り付けられた状態となる。即ち、ヒータ100は圧接部材103に対して、第1接着剤塗布面41は接着剤108により接着面100aに接着された状態で、かつ、第2接着剤塗布面42には接着剤108が塗布されていない状態で、取り付けられている。
本実施形態で使用する接着剤108は、湿気硬化型の接着剤で、空気中の水分を吸収し硬化するものである。例えば、ヒータ100と圧接部材103とが密着された状態で湿度80%の環境に5時間置いておく間に接着剤108が空気中の水分を吸収して硬化することで、ヒータ100と圧接部材103とが接着される。本実施形態では、1箇所の第1接着剤塗布面41あたりの接着強度は例えば5N以上になるようにする。
[圧接部材及びヒータの再利用]
次に、圧接部材103及びヒータ100を再利用する手順について、比較例と本実施形態とを比較して説明する。ここでは、ヒータ100及び圧接部材103の再利用回数を1回とした場合について説明する。
(比較例)
図3(b)は、比較例の圧接部材203に設けられた接着剤塗布面43を示す底面図である。図3(b)において、圧接部材203には新品の状態で組み立てする時に使用する接着剤塗布面43は、嵌め込み溝203aにおいて長手方向に間隔を空けて9箇所に設けられている。比較例においては、第2接着剤塗布面は設けられていない。
次に、比較例における圧接部材203を用いて圧接部材203及びヒータ100を再利用する手順を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。まず、使用済みとなり回収された定着ユニットに紐付けられた履歴から、再利用した履歴があるか否かを判断する(ステップS1)。圧接部材203及びヒータ100は、再利用回数を1回としているため、再利用した履歴があると判断した場合は(ステップS1のYES)、再利用不可とする(ステップS2)。
再利用した履歴が無いと判断した場合は(ステップS1のNO)、圧接部材203及びヒータ100に付着している長期間使用された古い潤滑剤を清掃する(ステップS3)。この清掃工程でヒータ100と圧接部材203との接着が剥がれてしまう場合があるため、清掃後に圧接部材203とヒータ100との接着剥がれがあるかを判断する(ステップS4)。圧接部材203とヒータ100との接着剥がれが無いと判断した場合は(ステップS4のNO)、そのまま再利用する(ステップS5)。圧接部材203とヒータ100との接着している9箇所のうち、剥がれている箇所があると判断した場合は(ステップS4のYES)、再利用不可とする(ステップS2)。
ここで、ヒータ100が圧接部材203から剥がれてしまった場合、再度ヒータと圧接部材203とを接着剤を使用して接着し、所望の接着強度を満たす必要がある。しかし、ヒータ100及び圧接部材203に接着剤が残った状態で再度接着剤を塗布すると、既に硬化した接着剤の上から接着剤を塗布することになるため所望の接着力を得られない可能性がある。そのため、ヒータ100及び圧接部材203に残った接着剤を新品と同じ状態まで除去することで、所望の接着力を満たす除去工程が必要であった。しかし、ヒータ100の接着面100aに設けられている発熱体とガラス面との段差や、圧接部材203に設けられた接着剤塗布面43のシボや微小な凹凸形状の隙間に入った接着剤を除去しようとすると部品を傷つけてしまう虞がある。このため、ヒータ100が圧接部材203から剥がれてしまった場合は再利用ができなかった。
そこで、本実施形態では、新品時の接着に使用する第1接着剤塗布面41の他に再利用時の接着に使用する第2接着剤塗布面42を設け、第1接着剤塗布面41の接着が剥がれた後は接着剤が未塗布の第2接着剤塗布面42を用いて接着するようにしている。尚、例えば、第1接着剤塗布面41以外の平滑な面をヒータ100に接着した場合、単位面積当たりの接着力が第1接着剤塗布面41より小さいので、より広い面に接着剤を塗布する必要がある。この場合、コスト増やヒータ100の熱が圧接部材103に逃げるなど、好ましくない。
(実施例)
次に、本実施形態の実施例における圧接部材103及びヒータ100を再利用する手順を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。尚、ステップS1~S5については、比較例と同様であるので説明を省略する。圧接部材103とヒータ100との接着している9箇所のうち、剥がれている箇所があると判断した場合は(ステップS4のYES)、圧接部材103とヒータ100を再度接着する必要がある。このため、圧接部材103とヒータ100の全ての箇所の接着を剥がす(ステップS10)。そして、ヒータ100または圧接部材103に付着している接着剤108を除去する(ステップS11)。接着剤108の除去に関しては、硬化して付着している接着剤108を介して、ヒータ100と圧接部材103とが接触しない状態まで除去できていれば良く、新品の部品と同じ表面性状の状態にする必要はない。
次に、圧接部材103に設けられた9箇所の第2接着剤塗布面42のみに接着剤を塗布する(ステップS12)。この時には、9箇所の第1接着剤塗布面41には接着剤を塗布しない。そして、ヒータ100と圧接部材103とが密着された状態で湿度80%の環境に5時間置く接着工程を実施し、再利用可能な状態とする(ステップS13)。
上述したように、本実施形態の定着装置40によれば、第1接着剤塗布面41と接着面100aとの接着が剥がれた場合は、第2接着剤塗布面42が接着剤108により接着面100aに接着される。ヒータ100と圧接部材103とは、第1接着剤塗布面41には新たに接着剤が塗布されない状態で取り付けられる。このため、ヒータ100及び圧接部材103を再利用して使用する際に、圧接部材103からヒータ100が剥がれても、圧接部材103とヒータ100を再度接着して所望の接着力を満たすようにできる。これにより、ヒータ100及び圧接部材103を再利用可能にすることができる。その結果、使用済みの部品の再利用率を向上することで資源を有効活用し、環境負荷を低減した定着装置40を提供することが可能となる。
尚、上述した実施形態では、発熱部材としてセラミックヒータを適用し、セラミックヒータと圧接部材103とを接着する場合について説明したが、これには限られない。例えば、IH加熱方式の定着装置のように、発熱部材として例えばSUS製の板材を適用し、この板材と圧接部材103とを接着するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ヒータ100及び圧接部材103の再利用回数を1回とした場合について説明したが、これには限られず、再利用回数を例えば2回以上としてもよい。この場合、例えば、再利用回数を2回とした場合は第3接着剤塗布面を設けるようにし、接着剤塗布面を再利用する回数分だけ増やした構成にする。
また、上述した実施形態では、圧接部材103に第1接着剤塗布面41及び第2接着剤塗布面42を形成した場合について説明したが、これには限られない。例えば、ヒータ100に第1接着剤塗布面41及び第2接着剤塗布面42を形成してもよい。即ち、ヒータ100と圧接部材103との一方は、第1接着剤塗布面41及び第2接着剤塗布面42を有し、ヒータ100と圧接部材103との他方は、第1接着剤塗布面41及び第2接着剤塗布面42が接着可能な接着面100aを有する。
40…定着装置、41…第1接着剤塗布面(第1接着剤塗布領域)、42…第2接着剤塗布面(第2接着剤塗布領域)、100…ヒータ(発熱部材)、101…定着ベルト、103…圧接部材(保持部材)、106…加圧ローラ、N…定着ニップ部

Claims (6)

  1. 発熱部材と、
    接着剤により取り付けられた前記発熱部材を保持する保持部材と、
    内周面が前記発熱部材に接触した状態で摺動する定着ベルトと、
    前記定着ベルトとの間でシートを挟持搬送する定着ニップ部を形成する対向回転体と、を備え、
    前記発熱部材と前記保持部材との一方は、
    前記発熱部材と前記保持部材との他方に形成された接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に前記接着面に接着される第1接着剤塗布領域と、
    前記第1接着剤塗布領域とは異なる位置に配置されて前記接着面に対向し、かつ、接着剤を塗布した場合に前記接着面に接着される凹凸面である第2接着剤塗布領域と、を有し、
    前記発熱部材は前記保持部材に対して、前記第1接着剤塗布領域は接着剤により前記接着面に接着された状態で、かつ、前記第2接着剤塗布領域には接着剤が塗布されていない状態で、取り付けられている、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1接着剤塗布領域及び前記第2接着剤塗布領域は、それぞれ複数設けられ、前記発熱部材及び前記保持部材の長手方向に関して、前記第1接着剤塗布領域と前記第2接着剤塗布領域とが交互に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 複数の前記第1接着剤塗布領域と、複数の前記第2接着剤塗布領域とは、それぞれ等間隔で配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 複数の前記第1接着剤塗布領域と、複数の前記第2接着剤塗布領域とは、それぞれ同数配置されている、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記発熱部材は、前記定着ベルトを介して前記定着ニップ部に対向して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  6. 前記発熱部材は、セラミックヒータからなる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
JP2022209571A 2022-12-27 2022-12-27 定着装置 Pending JP2024093289A (ja)

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