JP2024088035A - 鋼材塗装方法 - Google Patents

鋼材塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024088035A
JP2024088035A JP2022202986A JP2022202986A JP2024088035A JP 2024088035 A JP2024088035 A JP 2024088035A JP 2022202986 A JP2022202986 A JP 2022202986A JP 2022202986 A JP2022202986 A JP 2022202986A JP 2024088035 A JP2024088035 A JP 2024088035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
paint
film forming
specified
back surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022202986A
Other languages
English (en)
Inventor
一清 出水
武 濱田
Original Assignee
株式会社山水
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社山水 filed Critical 株式会社山水
Publication of JP2024088035A publication Critical patent/JP2024088035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

Figure 2024088035000001
【課題】所定の面の塗膜の厚さをその面から見た裏面の塗膜の厚さより容易に厚くし得る。
【解決手段】鋼材塗装方法は、所定面塗膜形成工程S60と裏面塗膜形成工程S62とを備える。所定面塗膜形成工程S60において部材200の所定の面に塗膜が形成される。裏面塗膜形成工程S62において部材200のうち所定の面から見た裏面に塗膜が形成される。鋼材塗装方法は、所定面塗料追加吹付工程S64をさらに備える。所定面塗料追加吹付工程S64において、裏面塗膜形成工程S62の完了後、かつ、所定面塗膜形成工程S60において所定の面に吹き付けられた塗料のうち少なくとも表面が塗膜の一部を形成した後に、塗膜の一部に塗料が吹き付けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、鋼材塗装方法に関する。
特許文献1は缶胴用鋼板の塗装方法を開示する。この方法は、缶胴用に裁断された鋼板の缶の外側となる面をまず塗装し、ついてその鋼板の缶の内側となる面の端縁部を小型コーティングロールにより帯状に塗装し、しかるのちその鋼板の塗装された内外の塗膜を同時焼付する方法である。
特許文献1に開示されている塗装方法によれば、鋼板のうち缶の外側となる面および内側となる面の端縁部の焼付を同時に行うので、その焼付に要する燃料資源を節約できる。
特開昭58-207969号公報
しかしながら、特許文献1に開示された塗装方法には、缶の外側となる面と缶の内側となる面とで塗膜の厚さを異なるものとすることが困難という問題点がある。
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、所定の面の塗膜の厚さをその面から見た裏面の塗膜の厚さより容易に厚くし得る鋼材塗装方法を提供することにある。
図面を参照して本発明の鋼材塗装方法を説明する。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
上述された課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、鋼材塗装方法は、所定面塗膜形成工程S60と、裏面塗膜形成工程S62とを備える。所定面塗膜形成工程S60において、部材200の所定の面に塗膜が形成される。裏面塗膜形成工程S62において、部材200のうち所定の面から見た裏面に塗膜が形成される。所定面塗膜形成工程S60において所定の面に塗料が吹き付けられることにより塗膜が形成される。裏面塗膜形成工程S62が、所定面塗膜形成工程S60の開始時以降に裏面に塗膜を形成する工程である。鋼材塗装方法は、所定面塗料追加吹付工程S64をさらに備える。所定面塗料追加吹付工程S64において、裏面塗膜形成工程S62の完了後、かつ、所定面塗膜形成工程S60において所定の面に吹き付けられた塗料のうち少なくとも表面が塗膜の一部を形成した後に、形成された塗膜の一部に塗料が吹き付けられる。
形成された塗膜の一部に塗料が吹き付けられることにより、まだ塗膜が形成されていない場合に比べ、部材200に吹き付けられた塗料が滴り落ちたり流れたりして塗膜の膜厚を大きく変動させる可能性を抑制できる。そのような可能性を抑制できるので、所定の面の塗膜の厚さをその面から見た裏面の塗膜の厚さより容易に厚くし得る。
また、上述された所定面塗膜形成工程S60において、部材200が所定の方向に搬送されている間に部材200の所定の面に塗料が吹き付けられることが望ましい。この場合、裏面塗膜形成工程S62において、所定面塗膜形成工程S60の際と同一方向に部材200が搬送されている間に部材200の裏面に塗料が吹き付けられることが望ましい。この場合、所定面塗料追加吹付工程S64において、所定面塗膜形成工程S60の際と同一方向に部材200が搬送されている間に部材200の所定の面に塗料が吹き付けられることが望ましい。
部材200には、所定面塗膜形成工程S60、裏面塗膜形成工程S62、および、所定面塗料追加吹付工程S64において同一方向に搬送されている間に塗料が吹き付けられる。これにより、型鋼その他の長尺材に対して塗装を行う場合には単一の鋼材の互いに異なる箇所に対して順次塗装を行うことが可能となる。そのように塗装を行うことが可能になるので、所定の面の塗膜の厚さをその面から見た裏面の塗膜の厚さより厚くすることを迅速に実現できる。
もしくは、上述した部材200がフランジの対とウェブとを有する溝形鋼であることが望ましい。この場合、所定の面が、フランジの対とウェブとにより形成された溝の内周を形成する面であることが望ましい。この場合、所定面塗膜形成工程S60において、部材200が搬送される際に部材200によって囲まれる空間に配置され部材200が搬送される所定の方向側を向くノズルの対によって溝の内周を形成する面に塗料が吹き付けられることが望ましい。
次に述べられるノズルの対によって溝の内周を形成する面に塗料が吹き付けられる。それらのノズルの対は、部材200が搬送される際に部材200によって囲まれる空間に配置される。それらのノズルの対は、所定の方向側を向く。その所定の方向は、部材200が搬送される方向である。これにより、部材200のうち塗料が吹き付けられた箇所は塗料が届く領域から直ちに離れることとなる。塗料が届く領域から離れることにより、既に塗料が吹き付けられた領域に所定面塗膜形成工程S60にてさらに塗料が吹き付けられることは防止される。それが防止されるので、部材200に吹き付けられた塗料が滴り落ちたり流れたりして塗膜の膜厚を大きく変動させる可能性を抑制できる。
本発明にかかる鋼材塗装方法によれば、所定の面とその面から見た裏面とで塗膜の厚さを異なるものとすることを容易とし得る。
本発明の一実施形態にかかる鋼材塗装システムの構成が示される図である。 本発明の一実施形態にかかる所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置の構成が示される図である。 本発明の一実施形態にかかる双方面塗膜形成装置の構成が示される図である。 本発明の一実施形態にかかる所定面塗料追加吹付装置の構成が示される図である。 本発明の一実施形態にかかる鋼材塗装方法の工程が示される図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10の構成が示される図である。図1においては、後述される隔壁形成部48の一部と配管とが示されていない。これにより、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10の他の構成が図1に示されることとなる。図1に基づいて、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10の構成が説明される。
本実施形態にかかる鋼材塗装システム10は、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20と、双方面塗膜形成装置22と、所定面塗料追加吹付装置24と、4基の搬送装置26,26,26,26と、6本のレール28とを備える。
本実施形態の場合、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、リップ溝形鋼200の所定の面に対して塗料を吹き付ける。本実施形態の場合、その所定の面は、リップ溝形鋼200において溝の内周を形成する面である。所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、リップ溝形鋼200のうちその所定の面から見た裏面に対しても塗料を吹き付ける。本実施形態の場合、その裏面は、リップ溝形鋼200の外周面である。
双方面塗膜形成装置22は、後述されるH状鋼材202のうち溝の内周を形成する面に対して塗料を吹き付ける。これにより、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10は複数種類の鋼材に対する塗装が可能である。
所定面塗料追加吹付装置24は、リップ溝形鋼200の上述された所定の面へ塗料を吹き付ける。これにより、リップ溝形鋼200において溝の内周を形成する面に対し塗料が吹き付けられることとなる。
搬送装置26は、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10において塗装の対象となる鋼材を所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20から所定面塗料追加吹付装置24へ向かう方向に搬送する。その鋼材の例は、上述されたリップ溝形鋼200および後述されるH状鋼材202である。
レール28は、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20、双方面塗膜形成装置22、および、所定面塗料追加吹付装置24のうち自らに載せられているものを支持する。
図2は、本実施形態にかかる所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の構成が示される図である。図2は、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の内部のうちリップ溝形鋼200の出口62付近から入口60付近を見た図となっている。また、図2においては配管の一部が省略されている。これにより、本実施形態にかかる所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の他の構成が図2に示されることとなる。
図2に示されるように、本実施形態にかかる所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、所定面吹付部40と、裏面吹付部42と、塗料受止板44と、塗料排出バルブ46と、隔壁形成部48と、4個の車輪50,50とを有する。図2には4個の車輪50,50のうち2個が示されている。
所定面吹付部40は、リップ溝形鋼200のうち上述された所定の面に対して塗料を吹き付ける。裏面吹付部42は、リップ溝形鋼200のうち上述された裏面に塗料を吹き付ける。塗料受止板44は、空気中に飛散した後に落下した塗料を受け止める。塗料排出バルブ46は、塗料受止板44上を流れてきた塗料を排出する。隔壁形成部48は、塗料の飛散を抑制する。隔壁形成部48には入口60と図1に示される出口62とが形成される。リップ溝形鋼200はその入口60から隔壁形成部48の内側に入りその出口62から隔壁形成部48の外へ出る。4個の車輪50,50は、隔壁形成部48の下端の四隅に取付けられる。4個の車輪50,50は、所定面吹付部40と裏面吹付部42と塗料受止板44と塗料排出バルブ46と隔壁形成部48とをレール28に沿って移動させる。これにより、本実施形態にかかる所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、リップ溝形鋼200および後述されるH状鋼材202といった鋼材の搬送方向とは直交する水平方向へ移動できる。
本実施形態の場合、裏面吹付部42は、裏面法線方向吹付部80と、裏面一方斜方向吹付部82と、裏面他方斜方向吹付部84と、裏面一方端吹付部86と、裏面他方端吹付部88と、裏面両端補足吹付部90とを有する。
裏面法線方向吹付部80は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてウェブ部分へ塗料を吹き付ける。裏面一方斜方向吹付部82は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてウェブからフランジの一方にわたる部分へ塗料を吹き付ける。裏面他方斜方向吹付部84は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてウェブからフランジの他方にわたる部分へ塗料を吹き付ける。裏面一方端吹付部86は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてフランジの一方からリップの一方にわたる部分へ塗料を吹き付ける。裏面他方端吹付部88は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてフランジの他方からリップの他方にわたる部分へ塗料を吹き付ける。裏面両端補足吹付部90は、リップ溝形鋼200の上述された裏面のうち主としてリップの双方へ塗料を吹き付ける。
本実施形態の場合、所定面吹付部40は、所定面用吹付ノズル70,70の対と供給管72とを有する。所定面用吹付ノズル70,70の対は、リップ溝形鋼200が搬送され所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20内を通り抜ける際にそのリップ溝形鋼200によって囲まれる空間に配置される。所定面用吹付ノズル70,70の対は、リップ溝形鋼200がこれら所定面用吹付ノズル70,70の対の周囲を通り抜ける際、塗料を噴射する。これにより、リップ溝形鋼200の所定面すなわちリップ溝形鋼200のうち溝の内周を形成する面に塗料が吹き付けられる。供給管72は、所定面用吹付ノズル70,70の対へ塗料を供給する。
本実施形態の場合、所定面用吹付ノズル70,70の対は、リップ溝形鋼200が搬送される方向側を向く。ただし、本実施形態の場合、所定面用吹付ノズル70が向く方向は、リップ溝形鋼200が搬送される方向に平行ではない。所定面用吹付ノズル70,70の対の一方が向く方向は、リップ溝形鋼200が搬送される方向に対して鋭角をなす。その結果、所定面用吹付ノズル70,70の対の一方は、リップ溝形鋼200のフランジの一方とその表面に対し斜めとなるよう対向する。所定面用吹付ノズル70,70の対の他方が向く方向も、リップ溝形鋼200が搬送される方向に対して鋭角をなす。その結果、所定面用吹付ノズル70,70の対の他方は、リップ溝形鋼200のフランジの他方とその表面に対し斜めとなるよう対向する。さらに、本実施形態の場合、所定面用吹付ノズル70,70の対が向く方向は、水平方向に対しても鋭角をなす。本実施形態の場合、リップ溝形鋼200は水平に搬送される。この点でも、所定面用吹付ノズル70,70の対が向く方向は、リップ溝形鋼200が搬送される方向に対して鋭角をなす。その結果、所定面用吹付ノズル70,70の対は、リップ溝形鋼200のウェブとその表面に対し斜めとなるよう対向する。
図3は、本実施形態にかかる双方面塗膜形成装置22の構成が示される図である。図3は、双方面塗膜形成装置22の内部のうちリップ溝形鋼200の出口62付近から入口60付近を見た図となっている。また、図3においては配管の一部が省略されている。これにより、本実施形態にかかる双方面塗膜形成装置22の他の構成が図3に示されることとなる。
上述されたように、本実施形態にかかる双方面塗膜形成装置22は、H状鋼材202のうち溝の内周を形成する面に対して塗料を吹き付ける。このH状鋼材202は、背中合わせに接しているリップ溝形鋼200の対が互いに溶接されたものである。その結果、このH状鋼材202は、所定の面の対と外周面の対とを有することとなる。その所定の面の対は各々溝の内周を形成する。
図3に示されるように、本実施形態にかかる双方面塗膜形成装置22は、一方所定面吹付部100と、他方所定面吹付部102と、外周吹付部104と、塗料受止板44と、塗料排出バルブ46と、隔壁形成部48とを有する。一方所定面吹付部100は、H状鋼材202のうち上述された所定の面の一方に対して塗料を吹き付ける。他方所定面吹付部102は、H状鋼材202のうち上述された所定の面の他方に対して塗料を吹き付ける。外周吹付部104は、H状鋼材202のうち外周面の対に塗料を吹き付ける。
本実施形態の場合、一方所定面吹付部100は次に述べられるノズルを有する。このノズルは、H状鋼材202が搬送され双方面塗膜形成装置22内を通り抜ける際にそのH状鋼材202によって囲まれる空間の一方に配置される。このノズルは、そのH状鋼材202が搬送される方向を向く。すなわち、このノズルは、入口60から出口62へ向かう方向を向いている。
本実施形態の場合、他方所定面吹付部102は次に述べられるノズルを有する。このノズルは、H状鋼材202が搬送され双方面塗膜形成装置22内を通り抜ける際にそのH状鋼材202によって囲まれる空間の他方に配置される。このノズルも、そのH状鋼材202が搬送される方向を向く。すなわち、このノズルも、入口60から出口62へ向かう方向を向いている。
本実施形態の場合、外周吹付部104は、一方外周面一方斜方向吹付部120と、一方外周面他方斜方向吹付部122と、一方外周面両端補足吹付部124と、他方外周面一方斜方向吹付部126と、他方外周面他方斜方向吹付部128と、他方外周面両端補足吹付部130とを有する。
一方外周面一方斜方向吹付部120は、H状鋼材202の上述された外周面の対の一方のうち上半部へ塗料を吹き付ける。一方外周面他方斜方向吹付部122は、H状鋼材202の上述された外周面の対の他方のうち上半部へ塗料を吹き付ける。一方外周面両端補足吹付部124は、H状鋼材202のうち上側のリップ溝形鋼のリップの双方にあたる箇所へ塗料を吹き付ける。他方外周面一方斜方向吹付部126は、H状鋼材202の上述された外周面の対の他方のうち下半部へ塗料を吹き付ける。他方外周面他方斜方向吹付部128は、H状鋼材202の上述された外周面の対の他方のうち下半部へ塗料を吹き付ける。他方外周面両端補足吹付部130は、H状鋼材202のうち下側のリップ溝形鋼のリップの双方にあたる箇所へ塗料を吹き付ける。
図4は、本実施形態にかかる所定面塗料追加吹付装置24の構成が示される図である。図4は、所定面塗料追加吹付装置24の内部のうちリップ溝形鋼200の出口付近から入口付近を見た図となっている。また、図4においては配管の一部が省略されている。これにより、本実施形態にかかる所定面塗料追加吹付装置24の他の構成が図4に示されることとなる。
図4に示されるように、本実施形態にかかる所定面塗料追加吹付装置24は、所定面吹付部40と、裏面両端補足吹付部90と、塗料受止板44と、塗料排出バルブ46と、隔壁形成部48と、4個の車輪50,50とを有する。これらの機能および構成は上述されたものと同様である。したがって、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
なお、本実施形態にかかる、所定面吹付部40と、裏面法線方向吹付部80と、裏面一方斜方向吹付部82と、裏面他方斜方向吹付部84と、裏面一方端吹付部86と、裏面他方端吹付部88と、裏面両端補足吹付部90と、一方所定面吹付部100と、他方所定面吹付部102と、一方外周面一方斜方向吹付部120と、一方外周面他方斜方向吹付部122と、一方外周面両端補足吹付部124と、他方外周面一方斜方向吹付部126と、他方外周面他方斜方向吹付部128と、他方外周面両端補足吹付部130とは、図示されない塗料供給装置に接続されている。その結果、これらは塗料を吹き付けることが可能である。その塗料供給装置の具体的な構成は周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
[鋼材塗装方法の説明]
図5は、本実施形態にかかる鋼材塗装方法の工程が示される図である。図1乃至図5に基づいて、本実施形態にかかる鋼材塗装方法の各工程が説明される。
本実施形態にかかる鋼材塗装方法は、所定面塗膜形成工程S60と、裏面塗膜形成工程S62と、所定面塗料追加吹付工程S64とを備える。
所定面塗膜形成工程S60において、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、リップ溝形鋼200の所定の面に塗料を吹き付ける。その塗料の乾燥に伴って、その所定の面に塗膜が形成される。上述されたように、本実施形態の場合、その所定の面は、溝の内周を形成する面である。その結果、リップ溝形鋼200のうち溝の内周を形成する面に塗膜が形成されることとなる。本実施形態の場合、この工程において吹き付けられる塗料は、日本産業規格(JIS) K 5674に準拠する鉛・クロムフリーさび止めペイントである。
裏面塗膜形成工程S62において、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20は、リップ溝形鋼200のうち所定の面から見た裏面に塗料を吹き付ける。その塗料の乾燥に伴って、その裏面に塗膜が形成される。上述されたように、本実施形態の場合、その裏面は、リップ溝形鋼200の外周面である。その結果、リップ溝形鋼200の外周面に塗膜が形成されることとなる。本実施形態の場合、裏面塗膜形成工程S62は所定面塗膜形成工程S60とほぼ同時に実施される。本実施形態の場合、この工程において吹き付けられる塗料は、日本産業規格(JIS) K 5621に準拠する一般用さび止めペイントである。
所定面塗料追加吹付工程S64において、所定面塗料追加吹付装置24は、リップ溝形鋼200の所定の面に塗料を吹き付ける。これにより、所定面塗膜形成工程S60において吹き付けられた塗料のうち少なくとも表面が塗膜の一部を形成した後に、その塗膜の一部に塗料が吹き付けられることとなる。本実施形態の場合、この工程において吹き付けられる塗料は、日本産業規格(JIS) K 5674に準拠する鉛・クロムフリーさび止めペイントである。
[動作の説明]
事前に、双方面塗膜形成装置22はレール28上を移動させられる。これにより、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10によって塗装されるリップ溝形鋼200は双方面塗膜形成装置22の中を通過しなくなる。
双方面塗膜形成装置22が移動させられると、作業者は、任意の方法で所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の内部へリップ溝形鋼200を進入させる。その際、リップ溝形鋼200のうち溝の内周を形成する面が下とされる。リップ溝形鋼200が進入する際、搬送装置26はリップ溝形鋼200を搬送する。
搬送装置26による搬送に伴ってリップ溝形鋼200が所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の内部に進入すると、所定面吹付部40はそのリップ溝形鋼200のうち所定の面すなわち溝の内周を形成する面へ塗料を吹き付ける(S60)。その吹き付けのための操作は作業者によって行われる。
溝の内周を形成する面へ塗料を吹き付けられている途中も、リップ溝形鋼200は搬送装置26による搬送に伴って所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20の内部を進む。裏面吹付部42は、そのリップ溝形鋼200の裏面すなわち外周面へ塗料を吹き付ける(S62)。その吹き付けのための操作も作業者によって行われる。
その後、搬送装置26による搬送に伴ってリップ溝形鋼200の一端は所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20を出て所定面塗料追加吹付装置24の方へ進む。その間にもリップ溝形鋼200に吹き付けられた塗料は乾燥し始める。そのリップ溝形鋼200の一端が所定面塗料追加吹付装置24の内部に進入すると、所定面塗料追加吹付装置24の所定面吹付部40と裏面吹付部42とはそのリップ溝形鋼200の一端へ塗料を吹き付ける(S64)。その吹き付けのための操作は作業者によって行われる。
その後、その後、リップ溝形鋼200の他端が所定面塗料追加吹付装置24を出ると、本実施形態にかかる鋼材塗装方法は終了する。
[効果の説明]
本実施形態にかかる鋼材塗装方法は、リップ溝形鋼200に吹き付けられた塗料が滴り落ちたり流れたりして塗膜の膜厚を大きく変動させる可能性を抑制できる。そのような可能性を抑制できるので、所定の面とその面から見た裏面とで塗膜の厚さを異なるものとすることを容易とし得る。
また、本実施形態にかかる鋼材塗装方法は、リップ溝形鋼200が同一方向に搬送されている間に塗料が吹き付けられる。これにより、リップ溝形鋼200の互いに異なる箇所に対して順次塗装を行うことが可能となる。そのように塗装を行うことが可能になるので、所定の面とその面から見た裏面とで塗膜の厚さを異なるものとすることを迅速に実現できる。
また、本実施形態にかかる鋼材塗装方法において、リップ溝形鋼200のうち塗料が吹き付けられた箇所は塗料が届く領域から直ちに離れることとなる。塗料が届く領域から離れることにより、既に塗料が吹き付けられた領域に所定面塗膜形成工程S60にてさらに塗料が吹き付けられることは防止される。それが防止されるので、リップ溝形鋼200に吹き付けられた塗料が滴り落ちたり流れたりして塗膜の膜厚を大きく変動させる可能性を抑制できる。
また、本実施形態にかかる鋼材塗装システム10においては、所定面用吹付ノズル70,70の対が上述された方向を向く。これにより、本実施形態にかかる鋼材塗装方法によって塗装された溝形鋼は、これの溝の内周を形成する面のうちフランジからウェブの端付近までの塗膜が厚くウェブの中央付近の塗膜は薄い。これにより、ウェブの中央付近に吹き付けられた塗料がいつまでも塗膜にならない恐れは軽減される。その恐れが軽減されると、塗装が完成した溝形鋼同士を接触させて梱包した際における塗装ブロッキングの発生が抑えられる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
例えば、所定面塗膜形成工程S60および所定面塗料追加吹付工程S64にて用いられる所定面吹付部40の構成は上述したものに限定されない。したがって、その所定面吹付部40が有するノズルの向きも特に限定されない。
また、裏面塗膜形成工程S62は所定面塗膜形成工程S60が完了した後に実施されてもよい。そのために、本発明にかかる鋼材塗装システム10は、所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置20に代えて、所定面塗膜形成工程S60のみを実施する装置と裏面塗膜形成工程S62のみを実施する装置とを有していてもよい。
また、本発明にかかる鋼材塗装システム10において、塗装の対象となる鋼材が搬送される方向は直線状でなくてもよい。
また、本発明にかかる所定面用吹付ノズル70,70の対の向きは、次に述べられるような角度であってもよい。すなわち、所定面用吹付ノズル70,70の対それぞれが向く方向の間の角度は、3分のπラジアン以上9分の8πラジアン以下であってもよい。所定面用吹付ノズル70,70の対それぞれが向く方向が水平方向との間でなす角度は、プラス36分の5πラジアン以上マイナス18分のπラジアン以下であってもよい。
10…鋼材塗装システム
20…所定面塗膜形成装置兼裏面塗膜形成装置
22…双方面塗膜形成装置
24…所定面塗料追加吹付装置
26…搬送装置
28…レール
40…所定面吹付部
42…裏面吹付部
44…塗料受止板
46…塗料排出バルブ
48…隔壁形成部
50…車輪
60…入口
62…出口
70…所定面用吹付ノズル
72…供給管
80…裏面法線方向吹付部
82…裏面一方斜方向吹付部
84…裏面他方斜方向吹付部
86…裏面一方端吹付部
88…裏面他方端吹付部
90…裏面両端補足吹付部
100…一方所定面吹付部
102…他方所定面吹付部
104…外周吹付部
120…一方外周面一方斜方向吹付部
122…一方外周面他方斜方向吹付部
124…一方外周面両端補足吹付部
126…他方外周面一方斜方向吹付部
128…他方外周面他方斜方向吹付部
130…他方外周面両端補足吹付部
200…リップ溝形鋼
202…H状鋼材

Claims (3)

  1. 部材の所定の面に塗膜を形成する所定面塗膜形成工程と、
    前記部材のうち前記所定の面から見た裏面に塗膜を形成する裏面塗膜形成工程とを備え、
    前記所定面塗膜形成工程において前記所定の面に塗料が吹き付けられることにより前記塗膜が形成される鋼材塗装方法であって、
    前記裏面塗膜形成工程が、前記所定面塗膜形成工程の開始時以降に前記裏面に前記塗膜を形成する工程であり、
    前記裏面塗膜形成工程の完了後、かつ、前記所定面塗膜形成工程において前記所定の面に吹き付けられた前記塗料のうち少なくとも表面が前記塗膜の一部を形成した後に、形成された前記塗膜の一部に塗料が吹き付けられる所定面塗料追加吹付工程をさらに備えることを特徴とする鋼材塗装方法。
  2. 前記所定面塗膜形成工程において、前記部材が所定の方向に搬送されている間に前記部材の前記所定の面に塗料が吹き付けられ、
    前記裏面塗膜形成工程において、前記所定面塗膜形成工程の際と同一方向に前記部材が搬送されている間に前記部材の前記裏面に塗料が吹き付けられ、
    前記所定面塗料追加吹付工程において、前記所定面塗膜形成工程の際と同一方向に前記部材が搬送されている間に前記部材の前記所定の面に塗料が吹き付けられることを特徴とする請求項1に記載の鋼材塗装方法。
  3. 前記部材がフランジの対とウェブとを有する溝形鋼であり、
    前記所定の面が、前記フランジの対と前記ウェブとにより形成された溝の内周を形成する面であり、
    前記所定面塗膜形成工程において、前記部材が搬送される際に前記部材によって囲まれる空間に配置され前記部材が搬送される前記所定の方向側を向くノズルの対によって前記溝の内周を形成する面に塗料が吹き付けられることを特徴とする請求項2に記載の鋼材塗装方法。
JP2022202986A 2022-12-20 鋼材塗装方法 Pending JP2024088035A (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024088035A true JP2024088035A (ja) 2024-07-02

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20180072227A (ko) 도장장치 및 도장방법
JPS62183887A (ja) 連続的長さの金属管の製造方法およびその製管ライン
EP1577018A2 (en) Coating apparatus and coating method
JP2024088035A (ja) 鋼材塗装方法
CA2844887C (en) Device for producing coated steel sheet and method for producing coated steel sheet
US5205869A (en) Overspray extractor
JP2003024858A (ja) フローティングドライヤーと塗膜乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料の製造方法
GB1570506A (en) Conveyance of articles
JP5838581B2 (ja) 金属帯の塗布方法、連続塗布装置
JPH0698328B2 (ja) 真空塗装装置
JP4956886B2 (ja) 帯状体の予備塗装方法及びその装置
JP6015375B2 (ja) 連続塗布装置および連続塗布方法
JPS61244530A (ja) 複合金属板製造方法
JPS61271046A (ja) 金属板の額縁塗装装置
JP2006150184A (ja) 金属帯の塗装装置及び塗装方法
JPH0460705B2 (ja)
JPS599736Y2 (ja) 液漏防止装置のついたトップフィ−ド型ロ−ルコ−タ−
CN118163431A (zh) 一种增压挤出全水性油漆复合不锈钢板及其制造设备
JPH06262129A (ja) カ−テンフロ−塗装方法
JPS62160163A (ja) 鋼板の額縁塗装方法
JPS6243752B2 (ja)
GB2280864A (en) Vacuum coating elongate aluminium sections with UV curable acrylic lacquer
JPS6232617Y2 (ja)
JP3477882B2 (ja) ダイコーティング方法
JP2011092834A (ja) 金属帯の塗装装置及び塗装方法