JP2024085964A - 二次電池用固体電解質、二次電池用電極、全固体二次電池、及び、全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池用固体電解質、二次電池用電極、全固体二次電池、及び、全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での焼成を行わなくても電極との密着性に優れ緻密化可能であり、良好な電池特性とすることが可能な固体電解質を提供する。
【解決手段】アルカリ金属酸化物及び酸化ケイ素を含有し、非晶質であることを特徴とするナトリウムイオン二次電池用固体電解質。
【選択図】図1

Description

本発明は、全固体ナトリウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに用いられる二次電池用固体電解質、二次電池用電極、全固体二次電池、及び、全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、モバイル機器や電気自動車等に不可欠な、高容量で軽量な電源としての地位を確立している。しかし、現行のリチウムイオン二次電池には、電解質として可燃性の有機系電解液が主に用いられているため、発火等の危険性が懸念されている。この問題を解決する方法として、有機系電解液に代えて固体電解質を使用したリチウムイオン全固体電池の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、リチウムは世界的な原材料の高騰の懸念がある。そこで、リチウムに代わる材料としてナトリウムが注目されており、固体電解質としてβ-アルミナやβ’’-アルミナといったベータアルミナ系固体電解質が使用されている。
特許文献1には、固体電解質としてβ-アルミナやβ’’-アルミナといったベータアルミナ系固体電解質が使用されている全固体ナトリウムイオン二次電池が開示されている。
国際公開WO2018/225494号公報
従来のベータアルミナ系固体電解質を全固体ナトリウム二次電池に使用した場合、電極活物質と固体電解質を混合して高温で焼成することで電極との密着性に優れ緻密な電極が作製される。しかし、焼成時に電極活物質と固体電解質の間で反応が起き電池特性が悪化することがあるため、電極活物質の材料の選択肢が限られることが問題である。
以上に鑑み、本発明は、高温での焼成を行わなくても電極との密着性に優れ緻密化可能であり、良好な電池特性とすることが可能な固体電解質を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための各態様について説明する。
本発明の態様1に係るナトリウムイオン二次電池用固体電解質は、アルカリ金属酸化物及び酸化ケイ素を含有し、非晶質であることを特徴としている。
本発明の態様2に係るナトリウムイオン二次電池用固体電解質は、態様1において、モル%で、NaO 5~70%、及び、SiO 15~90%、を含有することが好ましい。
本発明の態様3に係るナトリウムイオン二次電池用固体電解質は、態様1又は2において、全固体ナトリウムイオン二次電池に用いられることが好ましい。
本発明の態様4に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様1~3のいずれか1つの態様に従って構成されるナトリウムイオン二次電池用固体電解質、及び、電極活物質を含むことを特徴としている。
本発明の態様5に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4において、さらに、β-アルミナ、β’’-アルミナ及びNASICON結晶から選ばれる少なくとも1種のナトリウムイオン伝導性結晶を含有することが好ましい。
本発明の態様6に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4又は5において、前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質が、前記ナトリウムイオン二次電池用電極の内部に含有していることが好ましい。
本発明の態様7に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4又は5において、前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質が、前記ナトリウムイオン二次電池用電極の一方の主面上に形成されていることが好ましい。
本発明の態様8に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4~7のいずれか1つの態様において、前記電極活物質が、負極活物質であってもよい。
本発明の態様9に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様8において、前記負極活物質が、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種の金属結晶、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種を含む合金結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含有するガラス、ハードカーボンまたはソフトカーボンを含有することが好ましい。
本発明の態様10に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4~7のいずれか1つの態様において、前記電極活物質が、正極活物質であってもよい。
本発明の態様11に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様10において、前記正極活物質が、(i)Fe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素と、(ii)Naからなる元素と、(iii)Oからなる元素とを含有することが好ましい。
本発明の態様12に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様10又は11において、前記正極活物質が、一般式Na(1≦x≦2.8、0.95≦y≦1.6、6.5≦z≦8、MはFe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素)で表される結晶を含有することが好ましい。
本発明の態様13に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様10~12のいずれか1つの態様において、前記正極活物質が、さらに、非晶質相を含有することが好ましい。
本発明の態様14に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4~13のいずれか1つの態様において、さらに、導電助剤を含有することが好ましい。
本発明の態様15に係るナトリウムイオン二次電池用電極は、態様4~14のいずれか1つの態様において、質量%で、前記電極活物質 70%~99%、及び前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質 1%~20%を含有することが好ましい。
本発明の態様16に係るナトリウムイオン二次電池は、態様4~15のいずれか1つの態様に従って構成されるナトリウムイオン二次電池用電極を備えることを特徴としている。
本発明の態様17に係るナトリウムイオン二次電池は、態様1~3のいずれか1つの態様に従って構成されるナトリウムイオン二次電池用固体電解質を含む固体電解質層を備えることを特徴としている。
本発明の態様18に係るナトリウムイオン二次電池の製造方法は、β-アルミナ、β’’-アルミナ、NASICON結晶を含有するセパレータ層の主面上に電極活物質及び水ガラスを含有する電極合材を塗工する合材塗工工程、及び、塗工後に、200℃以下で熱処理を行う熱処理工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、高温での焼成を行わなくても電極との密着性に優れ緻密化可能であり、良好な電池特性とすることが可能な固体電解質を提供することができる。
図1は、本発明のナトリウムイオン二次電池用電極の一実施形態を示す模式的断面図である。 図2は、本発明のナトリウムイオン二次電池用電極の別の実施形態を示す模式的断面図である。 図3は、本発明のナトリウムイオン二次電池用電極の実施例1における、セパレータ層上に形成した電極の断面SEM像である。 図4は、本発明のナトリウムイオン二次電池用電極の実施例1で作製した試験電池の初回充放電曲線を示す図である。
本発明のナトリウムイオン二次電池用固体電解質は、アルカリ金属酸化物及び酸化ケイ素を含有し、非晶質であることを特徴としている。具体的な組成としては、モル%で、NaO 5~70%、及び、SiO 15~90%を含有するものが挙げられる。組成を上記のように限定した理由を以下に説明する。
アルカリ金属酸化物はイオン伝導性を付与する成分である。アルカリ金属酸化物としては、LiO、NaO、KO等が挙げられる。この中でもNaOは、ナトリウムイオン二次電池の充放電時に移動するナトリウムイオンを構成するので好ましい。NaOの含有量は5~70%、10~60%、特に15~50%であることが好ましい。NaOが少なすぎると、上記効果を得にくくなる。一方、NaOが多すぎると、余剰のナトリウムがイオン伝導性に寄与しない化合物を形成するため、固体電解質のイオン伝導性が低下しやすくなる。
酸化ケイ素(SiO)は、Si-O-Si結合の三次元ネットワークから構成されるイオン伝導パスを形成する骨格成分である。さらに、非晶質であるので、結晶の場合に比べて上記の三次元ネットワークがランダムに構成されるので、より大きく連続的なイオン伝導パスを形成することができ、さらにイオン伝導性を高めることができる。また、アルカリ金属酸化物が含まれていると、非架橋酸素が形成されるので、さらにイオン伝導パスのサイズが大きくなり、さらにイオン伝導性を高めることができる。SiOの含有量は5~70%、10~60%、特に15~50%であることが好ましい。SiOが少なすぎると、非晶質の三次元ネットワークを維持しにくくなり、イオン伝導性が低下しやすくなる。一方、SiOが多すぎると、非架橋酸素が低減するため、イオン伝導性が低下しやすくなる。
本発明のナトリウムイオン二次電池用固体電解質は、ケイ酸リチウムやケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムの水溶液を、200℃以下の熱処理を行い、水分を除くことにより製造することができる。
本発明のナトリウムイオン二次電池用電極は、上述のナトリウムイオン二次電池用固体電解質、及び、電極活物質を含むことを特徴としている。電極としては、正極と負極があり、負極に含まれる電極活物質は負極活物質であり、正極に含まれる電極活物質は正極活物質である。
負極活物質としては、充電時にナトリウムを吸蔵し、放電時にナトリウムを放出するものであれば、特に限定されないが、例えば、ハードカーボンやソフトカーボン等の炭素電極材料を用いることができる。炭素電極材料は、ハードカーボンであることが好ましい。もっとも、負極活物質は、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種のナトリウムを吸蔵・放出できる金属結晶、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種を含む合金結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含有するガラスを含んでいてもよい。なお、負極層は、金属ナトリウム単相からなる負極層ではないことが好ましい。
正極活物質としては、充電時にナトリウムを放出し、放電時にナトリウムを吸蔵するものであれば、特に限定されないが、例えば、(i)Fe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素と、(ii)Naからなる元素と、(iii)Oからなる元素とを含有する正極活物質を用いることができる。その中でも、一般式Na(1≦x≦2.8、0.95≦y≦1.6、6.5≦z≦8、MはFe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素)で表される結晶を含有する正極活物質であることが好ましい。また、上記正極活物質が、さらに、非晶質相を含有することが好ましい。
電極における各材料の比率は、例えば、質量%で、電極活物質 70%~99%、ナトリウムイオン二次電池用固体電解質 1%~20%とすることができる。
電極は、さらに、β-アルミナ、β’’-アルミナ及びNASICON結晶から選ばれる少なくとも1種のナトリウムイオン伝導性結晶や導電助剤を含んでいてもよい。
β-アルミナ、β’’-アルミナ及びNASICON結晶から選ばれる少なくとも1種のナトリウムイオン伝導性結晶は、ナトリウムイオン二次電池用電極のイオン伝導性をさらに高めることができる。ナトリウムイオン伝導性結晶の好ましい含有量は、質量%で、0%~15%であり、より好ましくは1%~12%である。
導電助剤は、電極の高容量化やハイレート化を達成するために添加される成分である。導電助剤としては、例えば、導電性炭素を用いることができる。導電性炭素としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維炭素導電助剤(VGCF)、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。また、導電助剤としては、Ni粉末、Cu粉末、Ag粉末等の金属粉末等も挙げられる。導電助剤の好ましい含有量は、質量%で、0%~5%であり、より好ましくは1%~3%である。
以下、図1に示すような、電極活物質及び本発明のナトリウムイオン二次電池用固体電解質を含む電極1の形成方法について説明する。
まず、電極活物質粉末と、ケイ酸リチウムやケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムの水溶液を混合して、スラリーを作製する。次に、β-アルミナ、β’’-アルミナ、NASICON結晶等のナトリウムイオン伝導性結晶を含有するセパレータ層4の主面上にスラリーと塗工する。セパレータ層4の代わりに、図示しないAl等の金属からなる集電体(集電箔)の主面上にスラリーを塗工してもよい。なお、セパレータ層4は、正極と負極の間に設けられ、イオン伝導性は高いが電子伝導性が低い層である。次に、200℃以下の温度で熱処理を行い、水分を除去させることにより、セパレータ層4や集電体上に形成された電極1が得られる。得られた電極1は、図1に示すように、内部に電極活物質2とナトリウムイオン二次電池用固体電解質3が分散した構造を有している。
なお、上記熱処理を行う雰囲気は、特に限定されないが、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、又は真空雰囲気下で行えばよい。もし、電極活物質が酸化されることにより劣化しやすい場合は、Hを含む還元雰囲気で熱処理を行ってもよい。熱処理温度は200℃以下であり、好ましくは180℃以下であり、より好ましくは160℃以下である。熱処理温度の下限は特に限定されないが、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましく、30℃以上が特に好ましい。
別の実施形態として、図2に示すように、電極コア層12と固体電解質層13から構成される電極において、電極活物質を含む電極コア層12の一方の主面側(外側)にナトリウムイオン二次電池用固体電解質を含む固体電解質層13を形成したナトリウムイオン二次電池用電極11が挙げられる。この場合、固体電解質層13が電極コア層12と前述のセパレータ層14の間に設けられることにより、電極コア層12とセパレータ層14との間を密着させることができる
この実施形態における電極11の形成方法は、電極コア層12とセパレータ層14を準備し、電極コア層12の表面にケイ酸リチウムやケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムの水溶液を塗工する。塗工後、その塗工面とセパレータ層の主面を接合する。接合後、200℃以下の温度で熱処理を行い、水分を除去させることにより、図2に示す電極-セパレータ層複合体が得られる。
電極コア層12の形成方法は、特に限定されない。例えば、図示しない集電箔にバインダーを含む電極活物質含有スラリーを塗布した後、乾燥して電極コア層12を形成してもよい。または、電極活物質粉末を加圧成型して電極コア層12を形成してもよい。強度が不十分な場合には、加圧成型した後、活物質の焼結温度で熱処理して、電極コア層12を形成してもよい。さらに別の形成方法としては、ガラスを含む電極活物質前駆体粉末を結晶化温度以上で加熱し、ガラスから電極活物質結晶を析出させた結晶化ガラスを形成させてもよい。上記のように、電極コア層12だけを焼成することにより、セパレータ層14と反応させずに、良好な電池特性をもつ電池部材を作製できる。
また、電極の一方の主面には、集電体層を設けることができる。集電体層の材料としては、特に限定されないが、アルミニウム、チタン、銀、銅、ステンレス鋼又はこれらの合金などの金属材料を用いることができる。上記金属材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。なお、これらの合金とは、少なくとも1種の上記金属を含む合金である。集電体層の厚みは、特に限定されないが、0.1μm~1000μmの範囲とすることができる。
集電体層の形成方法としては、特に限定されず、例えば、蒸着又はスパッタリング等の物理的気相法や、熱CVD、MOCVD、プラズマCVD等の化学的気相法が挙げられる。集電体層のその他の形成方法として、メッキ、ゾルゲル法、スピンコートによる液相成膜法が挙げられる。もっとも、集電体層は、電極の主面上にスパッタリング法により形成することが、密着性に優れるため好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
電極活物質として、ハードカーボン(ATエレクトロ―ド社製、BELLFINE、平均粒子径D50=1μm)からなる負極活物質を用いた。電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液(関東化学製:36.6% (as SiO)(G)/17.5%(as NaO))を質量比で91:9の割合で測り取った。混合液中のハードカーボン粉末を固形分として、固形分濃度が60%になるようにイオン交換水を滴下し、自公転ミキサー(シンキー製、泡とり練太郎)にて混合し、スラリーを得た。
0.1mm厚さのβ’’-アルミナ固体電解質からなるセパレータ層の上に、上記スラリーを、乾燥後厚さ30μmとなるように塗工した。塗工後、150℃で2時間、真空乾燥を行い、ケイ酸ナトリウムを硬化させ、セパレータ層の上に電極(負極)を形成した。
電極の表面に集電体として厚み500nmのアルミ蒸着膜を形成した。その後、アルゴングローブボックス中で、対極に金属ナトリウムを正対するようにセパレータ層上に貼り付け、CR2032のコインセルに封入し、全固体電池を作製した。
作製した全固体電池について、0.02Cレート(50時間充放電)の電流値で定電流充放電試験を60℃中の恒温槽内で試験した。終止電圧は2.5~0.001Vで充放電し、充電容量と放電容量から充放電効率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
電極活物質として、ハードカーボン(平均粒子径D50=10μm)からなる負極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液を質量比で95:5の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
電極活物質として、ハードカーボン(平均粒子径D50=10μm)からなる負極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液を質量比で97:3の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
電極活物質として、金属スズ(イーエムジャパン社製、平均粒子径D50=0.5μm)からなる負極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液を質量比で87:13の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液を質量比で70:30の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
電極活物質として、NaFe(PO)P(平均粒子径D50=2μm)からなる正極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液、カーボンナノチューブ、を質量比で94:5:1の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。終止電圧は4.5~1.5Vで充放電したこと以外は実施例1と同様にして電池特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
電極活物質として、NaFeP(平均粒子径D50=0.7μm)からなる正極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液、カーボンナノチューブ、を質量比で94:5:1の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。終止電圧は4.5~1.5Vで充放電したこと以外は実施例1と同様にして電池特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
電極活物質として、NaMn(PO(平均粒子径D50=0.6μm)からなる正極活物質を用いたこと、電極活物質、ケイ酸ナトリウム水溶液、カーボンナノチューブ、を質量比で94:5:1の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。終止電圧は4.5~1.5Vで充放電したこと以外は実施例1と同様にして電池特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
ケイ酸ナトリウムを入れなかったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
電極活物質として、ハードカーボン(ATエレクトロ―ド社製、BELLFINE、平均粒子径D50=1μm)からなる負極活物質を用いて、ケイ酸ナトリウムの代わりに、NaZrSiPO12(平均粒子径D50=2μm)の固体電解質を用いて、質量比で電極活物質:固体電解質が80:20の割合で測り取ったこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表2に示す。
図3に、実施例1における、セパレータ層上に形成した電極の断面SEM像を示す。図4に、実施例1で作製した試験電池の初回充放電曲線を示す。また、表1、2に、実施例1~8及び比較例1、2で作製した試験電池の充電容量、放電容量、初回充放電効率の結果を示す。
図3に示すように、セパレータ層上に緻密な電極が密着して形成されていた。表1、2に示すように、充電容量については、実施例1~8では87mAh/g以上であったのに対し、比較例1、2では1.3mAh/g以下と劣っていた。また、放電容量については、実施例1~8では79mAh/g以上であったのに対し、比較例1、2では0.3mAh/g以下と劣っていた。初回充放電効率については、実施例1~8では63.4%以上であったのに対し、比較例1、2では23.1%以下と劣っていた。
本発明の固体電解質は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に使用されるナトリウムイオン二次電池用として好適である。

Claims (18)

  1. アルカリ金属酸化物及び酸化ケイ素を含有し、非晶質であることを特徴とするナトリウムイオン二次電池用固体電解質。
  2. モル%で、NaO 5~70%、及び、SiO 15~90%、を含有することを特徴とする請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用固体電解質。
  3. 全固体ナトリウムイオン二次電池に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池用固体電解質。
  4. 請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池用固体電解質、及び、電極活物質を含むことを特徴とするナトリウムイオン二次電池用電極。
  5. さらに、β-アルミナ、β’’-アルミナ及びNASICON結晶から選ばれる少なくとも1種のナトリウムイオン伝導性結晶を含有することを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  6. 前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質が、前記ナトリウムイオン二次電池用電極の内部に含有していることを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  7. 前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質が、前記ナトリウムイオン二次電池用電極の一方の主面上に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  8. 前記電極活物質が、負極活物質であることを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  9. 前記負極活物質が、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種の金属結晶、Sn、Bi、Pb、P及びSbから選ばれる少なくとも1種を含む合金結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含有するガラス、ハードカーボンまたはソフトカーボンを含有することを特徴とする請求項8に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  10. 前記電極活物質が、正極活物質であることを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  11. 前記正極活物質が、(i)Fe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素と、(ii)Naからなる元素と、(iii)Oからなる元素とを含有することを特徴とする請求項10に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  12. 前記正極活物質が、一般式Na(1≦x≦2.8、0.95≦y≦1.6、6.5≦z≦8、MはFe、Mn、Co、Ni、V、Ti、及びCrからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素)で表される結晶を含有することを特徴とする請求項10に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  13. 前記正極活物質が、さらに、非晶質相を含有することを特徴とする請求項12に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  14. さらに、導電助剤を含有することを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  15. 質量%で、前記電極活物質 70%~99%、及び前記ナトリウムイオン二次電池用固体電解質 1%~20%を含有することを特徴とする請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極。
  16. 請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池用電極を備えることを特徴とする全固体ナトリウムイオン二次電池。
  17. 請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池用固体電解質を含む固体電解質層を備えることを特徴とする全固体ナトリウムイオン二次電池。
  18. β-アルミナ、β’’-アルミナ、NASICON結晶を含有するセパレータ層の主面上に電極活物質及び水ガラスを含有する電極合材を塗工する合材塗工工程、及び、
    塗工後に、200℃以下で熱処理を行う熱処理工程を含むことを特徴とする全固体ナトリウムイオン二次電池の製造方法。
JP2022200769A 2022-12-16 2022-12-16 二次電池用固体電解質、二次電池用電極、全固体二次電池、及び、全固体二次電池の製造方法 Pending JP2024085964A (ja)

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