JP2024082841A - 膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラム - Google Patents

膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラムを提供すること。【解決手段】膜洗浄風量制御システム100は、膜分離装置90で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する運転データ取得装置4と、運転データから入力データを導出する入力データ算出装置5と、機械学習により学習モデルを生成する学習モデル生成装置1と、学習モデルを記憶する記憶装置3と、学習モデルを用い入力データに基づいて分離膜93の状態を推測する推測装置2と、入力データを判断する入力データ判断装置6と、第1レベルで散気するように散気装置95の第1制御を実行しつつ、入力データ判断装置6により判断された入力データが閾値以上または閾値以下になると第2レベルで散気するように散気装置95の第2制御を実行する散気量制御装置8と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラムに関する。
膜分離活性汚泥法システムは、膜分離装置における膜ろ過運転の安定性を維持するために、分離膜の下側に設けられた散気装置から散気あるいは曝気を行い、分離膜を洗浄している。特許文献1には、分離膜の性能を最大限に引き出しつつ、学習機能を利用し適正な範囲で散気量(すなわち膜洗浄風量)を制御することにより、ライフサイクルコスト低減化および省エネルギー化を実現できる技術が開示されている。特許文献1に記載されたシステムは、膜ろ過運転の1サイクル毎に機械学習を行い、散気装置の散気量を制御している。特許文献1に記載された膜ろ過運転のサイクルは、膜ろ過運転を実行する運転期間(例えば約5分間)と、膜ろ過運転を実行しない休止期間(例えば約1分間)と、から構成されている。
ここで、膜分離活性汚泥法システムでは、例えば、被処理水の流入量が増加したり、貯留タンクにおける被処理水の容量が増加した場合に、膜ろ過流量またはFluxを増加させる必要性が生ずる場合がある。しかし、特許文献1に記載されたシステムは、膜ろ過運転の1サイクル毎に機械学習モデルによる推論(推測)を行い散気量を制御しているため、膜間差圧などの入力データに応じた緻密な散気量を制御できる一方で、膜ろ過流量が急増した場合など、膜ろ過運転の条件が急変した場合には、運転条件の急変に即時に対応できず、散気量の制御に遅延が生ずる場合がある。散気量の制御に遅延が生ずると、膜ろ過流量が急増した場合には散気量が不足する時間帯が生ずることにより膜間閉塞が進行するおそれがあり、一方で、膜ろ過流量が急減した場合には散気量が過剰になる時間帯が生ずることにより省エネルギー化の実現が困難となるおそれがある。この点において、特許文献1に開示された技術には改善の余地がある。
特開2021-186761号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御システムであって、前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する運転データ取得装置と、前記運転データ取得装置から受信した前記運転データから入力データを導出する入力データ算出装置と、前記入力データ算出装置から受信した前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する学習モデル生成装置と、前記学習モデル生成装置により生成された前記学習モデルを記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記学習モデルを用い前記入力データ算出装置から受信した前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する推測装置と、前記入力データ算出装置から受信した前記入力データを判断する入力データ判断装置と、前記推測装置が推測した前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記入力データ判断装置により判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する散気量制御装置と、を備えたことを特徴とする膜洗浄風量制御システムである。
本発明の第1態様によれば、学習モデル生成装置は、膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データに基づき分離膜の状態を推測する学習モデルを生成する。推測装置が分離膜の状態を推測できれば、散気量制御装置は、分離膜の状態に応じて決定された散気量の第1レベルで散気するように散気装置の第1制御を実行できるため、分離膜が正常な状態(例えば、膜間差圧の急上昇が起こる可能性を低減した状態)を維持しながら安定した膜ろ過運転を行うことができる。また、散気量制御装置は、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データに応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過運転の条件が急変した場合であっても、散気量制御装置は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過運転の条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。そのため、膜ろ過運転中において、散気量が不足する時間帯が生じたり、散気量が過剰になる時間帯が生じたりすることを抑えることができる。これにより、本発明の第1態様は、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる。
本発明の第2態様は、本発明の第1態様において、前記膜ろ過運転は、前記膜ろ過運転を実行する運転期間と、前記運転期間に続く休止期間と、を含むサイクルが繰り返されてなる間欠運転であり、前記第1制御は、前記休止期間の毎に実行され、前記第2制御は、前記運転期間に実行されることを特徴とする膜洗浄風量制御システムである。
本発明の第2態様によれば、膜ろ過運転の運転期間中に条件が急変した場合であっても、散気量制御装置は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過運転の運転期間中における条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。
本発明の第3態様は、本発明の第1または2態様において、前記運転データは、前記膜ろ過運転中に計測された膜ろ過流量を含み、前記入力データ算出装置により前記膜ろ過流量から導出される前記入力データは、前記膜ろ過運転中における前記膜ろ過流量の変動速度を含み、前記入力データ判断装置は、前記変動速度を判断することを特徴とする膜洗浄風量制御システムである。
本発明の第3態様によれば、散気量制御装置は、膜ろ過流量の変動速度が第1閾値以上または第2閾値以下になると、膜ろ過流量の変動速度に応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過流量が急増したり急減した場合であっても、散気量制御装置は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過流量の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。
本発明の第4態様は、本発明の第3態様において、前記散気量制御装置は、正の前記変動速度が前記第1閾値以上になると前記第1レベルよりも高いレベルの前記第2レベルを決定し、負の前記変動速度が前記第2閾値以下になると前記第1レベルよりも低いレベルの前記第2レベルを決定することを特徴とする膜洗浄風量制御システムである。
本発明の第4態様によれば、散気量制御装置は、膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上になると、散気装置の散気量のレベルを第1レベルよりも高い第2レベルに決定する。また、散気量制御装置は、膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下になると、散気装置の散気量のレベルを第1レベルよりも低い第2レベルに決定する。そして、散気量制御装置は、散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過流量が急増した場合であっても、散気量制御装置は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、散気量が不足する時間帯が生ずることを抑え膜間閉塞が進行することを抑えることができる。また、膜ろ過流量が急減した場合であっても、散気量制御装置は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、散気量が過剰になる時間帯が生ずることを抑えることができる。これにより、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上をより一層確実に図ることができる。
本発明の第5態様は、本発明の第1~4態様のいずれか1つの態様において、前記学習モデル生成装置は、前記推測装置が前記分離膜の状態を推測したときに前記学習モデルに入力されたデータを取得し、取得した前記データを入力とした機械学習により前記学習モデルを更新することを特徴とする膜洗浄風量制御システムである。
本発明の第5態様によれば、学習モデル生成装置は、推測装置が分離膜の状態を推測したときに学習モデルに入力されたデータを用いた機械学習により学習モデルを更新するため、推測装置が推測を行うたびに学習モデルの推測精度を向上させることができる。
本発明の第6態様は、膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御方法であって、前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する第1ステップと、前記第1ステップにおいて取得された前記運転データから入力データを導出する第2ステップと、前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する第3ステップと、前記第3ステップにおいて生成された前記学習モデルを記憶する第4ステップと、前記第4ステップにおいて記憶された前記学習モデルを用い前記第2ステップにおいて導出された前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する第5ステップと、前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを判断する第6ステップと、前記第5ステップにおいて推測された前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記第6ステップにおいて判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する第7ステップと、備えたことを特徴とする膜洗浄風量制御方法である。
本発明の第6態様によれば、第3ステップにおいて、膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データに基づき分離膜の状態を推測する学習モデルを生成する。分離膜の状態を推測できれば、第7ステップにおいて、分離膜の状態に応じて決定された散気量の第1レベルで散気するように散気装置の第1制御を実行できるため、分離膜が正常な状態(例えば、膜間差圧の急上昇が起こる可能性を低減した状態)を維持しながら安定した膜ろ過運転を行うことができる。また、第7ステップでは、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データに応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過運転の条件が急変した場合であっても、第7ステップにおいて、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過運転の条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。そのため、膜ろ過運転中において、散気量が不足する時間帯が生じたり、散気量が過剰になる時間帯が生じたりすることを抑えることができる。これにより、本発明の第6態様は、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる。
本発明の第7態様は、膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御システムのコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する第1ステップと、前記第1ステップにおいて取得された前記運転データから入力データを導出する第2ステップと、前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する第3ステップと、前記第3ステップにおいて生成された前記学習モデルを記憶する第4ステップと、前記第4ステップにおいて記憶された前記学習モデルを用い前記第2ステップにおいて導出された前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する第5ステップと、前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを判断する第6ステップと、前記第5ステップにおいて推測された前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記第6ステップにおいて判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する第7ステップと、を実行させることを特徴とする膜洗浄風量制御プログラムである。
本発明の第7態様によれば、第3ステップにおいて、膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データに基づき分離膜の状態を推測する学習モデルを生成する。分離膜の状態を推測できれば、第7ステップにおいて、分離膜の状態に応じて決定された散気量の第1レベルで散気するように散気装置の第1制御を実行できるため、分離膜が正常な状態(例えば、膜間差圧の急上昇が起こる可能性を低減した状態)を維持しながら安定した膜ろ過運転を行うことができる。また、第7ステップでは、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データに応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過運転の条件が急変した場合であっても、第7ステップにおいて、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過運転の条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。そのため、膜ろ過運転中において、散気量が不足する時間帯が生じたり、散気量が過剰になる時間帯が生じたりすることを抑えることができる。これにより、本発明の第7態様は、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる。
本発明によれば、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる膜洗浄風量制御システム、膜洗浄風量制御方法および膜洗浄風量制御プログラムを提供することができる。
本実施形態に係る膜洗浄風量制御システムの概要を示すブロック図である。 膜分離装置が実行する膜ろ過運転中に計測される膜ろ過圧の経時変化を示すグラフである。 学習モデル生成装置および推測装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 運転データから導出される入力データの一具体例を示す図である。 入力データ判断装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 学習モデル生成装置が実行する学習モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 学習モデル生成装置が実行する学習モデル更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。 推測装置が実行する推測処理および散気量制御装置が実行する散気量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 入力データ判断装置が実行する入力データ判断処理および散気量制御装置が実行する散気量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 膜ろ過流量および膜間差圧と時間との関係の一例を表すグラフである。 散気量と時間との関係の一例を表すグラフである。 膜ろ過流量および散気量と時間との関係の一例を表すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
<膜洗浄風量制御システムの概要>
図1は、本実施形態に係る膜洗浄風量制御システムの概要を示すブロック図である。
膜洗浄風量制御システム100は、機械学習により生成される学習モデルを用いて膜ろ過運転に用いられる分離膜93の状態を推測したうえで、推測結果に応じて分離膜93へ供給する散気量(すなわち膜洗浄風量)を制御するシステムである。分離膜93の「状態」とは、どの程度汚染されている状態にあるかを意味する。正常な状態とは、汚染度が低く、膜間差圧(TMP:Trans Membrane Pressure)が急上昇する現象が当面は発生し難い状態である。この制御は、本発明の「第1制御」の一例である。以下の説明では、機械学習により生成される学習モデルを用いて実行される制御を「第1制御」と称することがある。
また、膜洗浄風量制御システム100は、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データに応じて分離膜93へ供給する散気量(すなわち膜洗浄風量)を制御するシステムである。この制御は、本発明の「第2制御」の一例である。以下の説明では、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、第1制御とは別の割り込み処理として実行される制御を「第2制御」と称することがある。
膜洗浄風量制御システム100は、学習モデル生成装置1と、推測装置2と、記憶装置3と、運転データ取得装置4と、入力データ算出装置5と、入力データ判断装置6と、散気量制御装置8と、膜分離装置90と、を含む。膜洗浄風量制御システム100は、記憶装置7を含んでもよい。
学習モデル生成装置1、推測装置2、記憶装置3、運転データ取得装置4、入力データ算出装置5、入力データ判断装置6、および記憶装置7の実装方法および所在は、特に限定されるものではない。なお、好ましい典型例としては、運転データ取得装置4および散気量制御装置8は、PLC(Programmable Logic Controller)として実装される。推測装置2、入力データ算出装置5、入力データ判断装置6および記憶装置7は、エッジコンピューティングである。学習モデル生成装置1および記憶装置3は、クラウドコンピューティングである。なお、学習モデル生成装置1、推測装置2、記憶装置3、入力データ算出装置5、入力データ判断装置6および記憶装置7に関して前述した実装方法は、一例であり、特に限定されるものではない。
(膜分離装置90)
膜分離装置90は、被処理水92中に対し分離膜93を用いたろ過を行い、分離膜93を透過した処理水を得る膜ろ過運転を行う装置である。処理水は、ろ過により不純物質が除去された被処理水と表現することもできる。
膜分離装置90は、膜分離槽91と、分離膜93と、散気管94と、散気装置95と、ろ過水配管96と、ろ過ポンプ97と、を含む。膜分離槽91は、被処理水92を貯留する。分離膜93は、被処理水92中に浸漬して配置され、被処理水92をろ過する。ろ過水配管96は、分離膜93を介して膜分離槽91に接続され、被処理水92が分離膜93によりろ過された処理水を流通する。ろ過ポンプ97は、ろ過水配管96を介して分離膜93に接続され、処理水を流出させる。散気装置95は、分離膜93に付着した不純物質を剥離するための空気を供給する。換言すれば、散気装置95は、分離膜93の膜面散気を行う。散気管94は、分離膜93の真下に配置され、散気装置95から供給された空気により、分離膜93の下方から上方に向かって流れる気泡を供給する。
膜分離槽91は、膜分離槽91へ流入する被処理水92を受け入れて貯留できればよく、コンクリート、ステンレスまたは樹脂などの水漏れしない材質で形成されていればよい。また、膜分離槽91の構造は、水漏れしない構造であればよい。
分離膜93は、中空糸膜や平膜などの固体と液体とを分離可能な膜であればよい。分離膜93としては、例えば、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜、ナノろ過(NF:Nano Filtration)膜、限外ろ過(UF:Ultra Filtration)膜、精密ろ過(MF:Micro Filtration)膜などが挙げられる。但し、分離膜93は、これに限定されない。
散気管94は気泡を供給できる能力があればよく、その材質としては、ガラス、ステンレス、焼結金属または樹脂などを使用することができる。散気装置95は、ブロワなどの空気を圧送できる装置であればよい。
(運転データ取得装置4)
運転データ取得装置4は、各種センサ等を用いて、膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する。本実施形態に係る運転データは、少なくとも、膜ろ過圧、散気量および膜ろ過流量を含む。膜ろ過圧は、例えば、分離膜93とろ過ポンプ97との間のろ過水配管96に配置された圧力計から取得される。散気量は、散気装置95が供給する空気量であり散気装置95から直接取得される。膜ろ過流量は、例えば、ろ過水配管96に配置された流量計から取得される。運転データ取得装置4は、取得した運転データを入力データ算出装置5へ送信する。
(入力データ算出装置5)
入力データ算出装置5は、受信した運転データから、学習モデル生成装置1、推測装置2および入力データ判断装置6へ入力するための入力データを導出する。入力データは、運転データの特徴量を表すデータであり、運転データそのものである場合と、運転データに演算を施して得られる場合と、を含む。そして、学習モデルを生成するフェーズでは、入力データ算出装置5は、算出した入力データを学習モデル生成装置1へ直接送信するか、または、入力データを格納するための記憶装置7へ送信する。分離膜93の状態を推測するフェーズでは、入力データ算出装置5は、算出した入力データを推測装置2へ送信する。入力データを判断するフェーズでは、入力データ算出装置5は、算出した入力データを入力データ判断装置6へ送信する。なお、入力データの詳細については後述する。
(学習モデル生成装置1)
学習モデル生成装置1は、受信した入力データを入力とした機械学習により、分離膜93の状態を推測するための学習モデルを生成し、記憶装置3に記憶する。学習モデル生成の詳細については後述する。
(記憶装置3)
記憶装置3は、学習モデル生成装置1が生成した学習モデルを記憶する。なお、記憶装置3は、学習モデル以外のプログラムやデータを記憶してもよい。本実施形態に係る膜洗浄風量制御プログラムは、記憶装置3に記憶されている。なお、本実施形態に係る膜洗浄風量制御プログラムは、記憶装置3に格納されていることには限定されず、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納され頒布されてもよく、あるいはネットワークを介して膜洗浄風量制御システム100にダウンロードされてもよい。
(推測装置2)
推測装置2は、記憶装置3に記憶された学習モデルにアクセスし、学習モデルを用いて、入力データ算出装置5から受信した入力データから、分離膜93の状態を推測する。分離膜93の状態推測の詳細については後述する。
(入力データ判断装置6)
入力データ判断装置6は、入力データ算出装置5から入力データを受信し、受信した入力データを判断する。例えば、入力データ判断装置6が受信する入力データは、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の変動速度を含む。例えば、入力データ判断装置6は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の変動速度が所定速度(すなわち閾値)よりも速いか否かを判断する。入力データ判断装置6による入力データの判断については後述する。
(散気量制御装置8)
散気量制御装置8は、推測装置2による推測結果に応じて散気装置95の散気量のレベル(第1レベル)(以下、単に「散気量レベル」とも表記する)を決定し、決定した散気量レベルで散気するように散気装置95を制御する。この制御は、本発明の「第1制御」の一例である。一例として、散気量制御装置8は、推測装置2による推測結果が「正常」である場合には散気量レベルを現在値より下げ、一方、推測装置2による推測結果が「異常」である場合には散気量レベルを現在値より上げる。
散気量レベルの上げ幅および下げ幅は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。後者の場合、散気量制御装置8は、一例として、直近の散気量レベルの上げ下げ状況に応じて今回の可変値を決定してもよい。
例えば、散気量制御装置8は、推測結果として「正常」を取得した場合、直近に散気量レベルを上げた回数に応じて下げ幅を小さくしたり、直近に散気量レベルを下げた回数に応じて下げ幅を大きくする。逆に、例えば、散気量制御装置8は、推測結果として「異常」を取得した場合、直近に散気量レベルを上げた回数に応じて上げ幅を大きくしたり、直近に散気量レベルを下げた回数に応じて下げ幅を小さくする。
また、散気量制御装置8は、入力データ判断装置6により判断された入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データ判断装置6により判断された入力データに応じて散気装置95の散気量のレベル(第2レベル)を決定し、決定した散気量レベルで散気するように散気装置95を制御する。この制御は、本発明の「第2制御」の一例である。
例えば、散気量制御装置8は、入力データ判断装置6により判断された膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上である場合、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも高い第2レベルに決定する。また、例えば、散気量制御装置8は、入力データ判断装置6により判断された膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下である場合、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも低い第2レベルに決定する。
<膜ろ過運転のサイクル>
図2は、膜分離装置が実行する膜ろ過運転中に計測される膜ろ過圧の経時変化を示すグラフである。
図2を用いて、膜ろ過運転のサイクル(以下では、「単位期間」と表記することがある)について説明する。膜ろ過運転のサイクルは、膜ろ過運転を実行する運転期間(例えば約9分)と、膜ろ過運転を実行しない休止期間(例えば約1分)と、から成る。運転期間と休止期間とは、交互に繰り返される。つまり、休止期間は、運転期間に続いて実施される。膜ろ過運転は、このようなサイクルが繰り返されて成る間欠運転である。
膜洗浄風量制御システム100では、一例として、運転期間が終了して休止期間に入る毎に、運転データ取得装置4が運転期間中に取得した運転データを用いて、入力データ算出装置5が入力データを導出する。そして、これに続けて、推測装置2が分離膜93の状態を推測し、推測結果に応じて散気装置95を制御する。この制御は、本発明の「第1制御」の一例である。これにより、膜洗浄風量制御システム100では、膜ろ過運転の1サイクル毎に、分離膜93の状態を推測したうえで、散気装置95の散気量を適切に制御することができる。
また、膜洗浄風量制御システム100では、一例として、休止期間が終了して運転期間に入ると、運転データ取得装置4が運転期間中に取得した運転データを用いて、入力データ算出装置5が入力データを導出する。そして、これに続けて、入力データ判断装置6が入力データ算出装置5から受信した入力データを判断し、判断結果に応じて散気装置95を制御する。この制御は、本発明の「第2制御」の一例である。これにより、膜洗浄風量制御システム100では、膜ろ過運転の条件が急変した場合であっても、膜ろ過運転の条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。
<学習モデル生成装置1の要部構成>
図3は、学習モデル生成装置および推測装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
学習モデル生成装置1は、制御部10を備えている。制御部10は、学習モデル生成装置1の各部を統括して制御するものであり、一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、ストレージ(不図示)にアクセスし、ストレージに格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10の各部が構成される。
制御部10の各部として、制御部10は、入力データ取得部11と、教師データ生成部12と、学習部13と、を含んでいる。入力データ取得部11、教師データ生成部12および学習部13は、ストレージに格納されているプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。ここでいう「コンピュータ」とは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。なお、入力データ取得部11、教師データ生成部12および学習部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
(入力データ取得部11)
入力データ取得部11は、入力データ算出装置5から直接に入力データを取得するか、または、入力データ算出装置5が算出した入力データを格納している記憶装置7から入力データを取得する。そして、入力データ取得部11は、取得した入力データを教師データ生成部12へ出力する。
(入力データの具体例)
図4は、運転データから導出される入力データの一具体例を示す図である。
入力データ算出装置5は、運転データである膜ろ過圧から、一例として、膜ろ過圧の最大値、膜ろ過圧の最小値、膜ろ過圧の標準偏差値、膜ろ過圧の平均値、膜間差圧、膜間差圧の変動速度、膜間差圧の変動量、および膜間差圧の変動率を算出する。
膜ろ過圧の最大値(以下、「最大膜ろ過圧」と表記する)は、膜ろ過運転の或るサイクル(以下、「注目サイクル」と表記する)における膜ろ過圧の最大値である。膜ろ過圧の最小値(以下、「最小膜ろ過圧」と表記する)は、注目サイクルにおける膜ろ過圧の最小値である。膜ろ過圧の標準偏差値は、注目サイクルにおける膜ろ過圧の標準偏差値である。膜ろ過圧の平均値(以下、「平均膜ろ過圧」と表記する)は、注目サイクルにおける膜ろ過圧の平均値である。
膜間差圧(TMP:Trans Membrane Pressure)は、分離膜93における、被処理水92側にかかる圧力と、処理水側にかかる圧力と、の差分である。膜間差圧の変動速度は、注目サイクルにおける所定時点からの所定期間(以下、「P」と表記する)における膜間差圧の傾き(ΔTMP/ΔT)として算出される。なお、Pは数時間から数日の間で適宜選択される。一例として、膜間差圧の変動速度は、Pにおける膜間差圧の経時変化における回帰モデル(直線回帰)の傾きとして算出されてもよい。このとき、膜間差圧の変動速度は、負の値をとらないものとしてもよい。膜間差圧の変動量は、Pにおける膜間差圧の変動量を指す。一例として、膜間差圧の変動量は、所定時点におけるTMPの値と、Pが経過した時点におけるTMPの値と、の差分として算出される。膜間差圧の変動率は、Pにおける変動率を指す。一例として、膜間差圧の変動率は、膜間差圧の変動速度を膜間差圧で除算することにより算出される(ΔTMP/(TMP×ΔT))。
また、入力データ算出装置5は、運転データである散気量から、一例として、散気量の平均値および散気量の積算値を算出する。散気量の平均値(以下、「平均散気量」と表記する)は、注目サイクルにおける散気量の平均値である。散気量の積算値(以下、「積算散気量」と表記する)は、Pにおける散気量の積算値であり、一例として、Pにおける平均散気量の積分値として算出される。
また、入力データ算出装置5は、運転データである膜ろ過流量から、一例として、膜ろ過流量の平均値、膜ろ過流量の積算値、膜ろ過流量の変動速度、および膜ろ過流量の変動量を算出する。膜ろ過流量の平均値(以下、「平均膜ろ過流量」と表記する)は、注目サイクルにおける膜ろ過流量の平均値である。膜ろ過流量の積算値(以下、「積算膜ろ過流量」と表記する)は、Pにおける膜ろ過流量の積算値であり、一例として、Pにおける平均膜ろ過流量の積分値として算出される。膜ろ過流量の変動速度は、Pにおける膜ろ過流量の傾き(またはΔFlux/ΔT)として算出される。この場合におけるPは、数秒から数分の間で適宜選択される。膜ろ過流量の変動量は、Pにおける膜ろ過流量の変動量を指す。一例として、膜ろ過流量の変動量は、所定時点における膜ろ過流量の値と、Pが経過した時点における膜ろ過流量の値と、の差分として算出される。この場合におけるPは、膜ろ過流量の変動速度の場合と同様に、数秒から数分の間で適宜選択される。
なお、図示していないが、入力データには、入力データの導出元である運転データが取得された時刻を示す時刻情報が対応付けられているものとする。
(教師データ生成部12)
教師データ生成部12は、入力データと、入力データに対する分離膜93の状態を示すラベルと、が対応付けられた教師データを生成する。そして、教師データ生成部12は、生成した教師データを学習部13へ出力する。
ラベルは、例えば、将来の分離膜93の状態が正常となる入力データに対応付ける「正常ラベル」、および、将来の分離膜93の状態が異常となる入力データに対応付ける「異常ラベル」を含む。ラベルの種類は2種類に限られるものではなく、3種類以上であってもよい。
入力データとラベルとの対応付けは、熟練作業者等の判断による手作業で行ってもよいし、自動で行ってもよい。手作業で行う場合、教師データ生成部12は、対応付けを行うための入出力インタフェースを提供すればよい。以下では、自動で対応付ける方法の一例について説明する。
教師データ生成部12は、まず、注目する入力データの導出元である運転データが取得された時刻(以下、「現時刻」と表記する)における運転状況を特定する。特定条件の一例として、例えば、次の2つの条件が好ましい。(第1条件)膜間差圧の変動速度が第1所定値未満であること。(第2条件)膜間差圧が第2所定値未満であること。これらの条件は、分離膜93の状態が正常であることの典型条件である。これらの条件を充足すれば、分離膜93の状態は正常とみなすことができる。なお、第1所定値および第2所定値はそれぞれ、例えば、0.08kPa/h、および、10kPaである。但し、第1所定値および第2所定値のそれぞれは、これらに限定されるものではない。
次に、教師データ生成部12は、現時刻から第1所定時間前の時刻を示す時刻情報が対応付けられている入力データ(以下、「第1入力データ」と表記する)を特定するとともに、現時刻から第2所定時間前の時刻を示す時刻情報が対応付けられている入力データ(以下、「第2入力データ」と表記する)を特定する。第1所定時間および第2所定時間はそれぞれ、例えば、3時間および24時間である。但し、第1所定時間および第2所定時間のそれぞれは、これらに限定されるものではない。
そして、教師データ生成部12は、現時刻における第1条件の充足性を第1入力データに対応付ける。つまり、第1入力データには、例えば、「3時間後の膜間差圧の変動速度が第1所定値未満であるか否か」が対応付けられる。
また、教師データ生成部12は、現時刻における第2条件の充足性を第2入力データに対応付ける。つまり、第2入力データには、例えば、「24時間後の膜間差圧が第2所定値未満であるか否か」が対応付けられる。
そして、教師データ生成部12は、注目する入力データを入れ替えて以上の処理を実行することを、処理対象となる全ての入力データについて繰り返す。その結果、入力データの各々に対して、将来の運転状況として、(1)第1所定時間後の第1条件の充足性、および、(2)第2所定時間後の第2条件の充足性、が特定される。
そして、教師データ生成部12は、上記(1)および(2)の両方を充足する入力データについては、将来的に分離膜93の状態を正常にするものと判断し、「正常ラベル」を対応付ける。一方、教師データ生成部12は、上記(1)および(2)の一方でも充足しない入力データについては、将来的に分離膜93の状態を正常にしないものと判断し、「異常ラベル」を対応付ける。以上により、教師データ生成部12は、入力データとラベルとの対応付けを自動で行う。
なお、特定条件は、上記第1条件および上記第2条件に限られるものではない。また、特定条件の数は2つに限られるものではなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。特定条件が多いほど、複数の尺度に基づく正確なラベル付けが可能となるため、推測装置2の推測精度が向上することが期待される。
(学習部13)
図3に戻り、学習部13について説明する。学習部13は、教師データ生成部12が生成した教師データを入力とした機械学習により、分離膜93の状態を推測するための学習モデル31を生成する。学習部13は、生成した学習モデル31を記憶装置3に格納する。学習部13は、教師データ生成部12から取得した複数の教師データを用い、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)などの既知のアルゴリズムにより学習モデル31を生成する。これにより、入力データを入力すると、将来の分離膜93の状態が正常となる確率(または、異常となる確率)を出力する学習モデル31が生成される。
<推測装置2の要部構成>
推測装置2は、制御部20を備えている。制御部20は、推測装置2の各部を統括して制御するものであり、一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、ストレージ(不図示)にアクセスし、ストレージに格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部20の各部が構成される。
制御部20の各部として、制御部20は、入力データ取得部21と、アクセス部22と、を含んでいる。入力データ取得部21およびアクセス部22は、ストレージに格納されているプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。ここでいう「コンピュータ」とは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。なお、入力データ取得部21およびアクセス部22は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
(入力データ取得部21)
入力データ取得部21は、入力データ算出装置5から入力データを取得し、アクセス部22へ出力する。アクセス部22へ出力される入力データは、直近の膜ろ過運転において計測された運転データから導出されたものであることが好ましい。
(アクセス部22)
アクセス部22は、記憶装置3に記憶された学習モデル31にアクセスする。アクセス部22は、推測部23を含む。
推測部23は、アクセス部22がアクセスした学習モデル31を用いて、入力データ取得部21から取得された入力データから、分離膜93の状態を推測する。具体的には、推測部23は、入力データを学習モデル31へ入力した結果として学習モデル31から出力される、分離膜93の状態が正常となる確率(または、異常となる確率)を取得する。推測部23が取得する確率は、現在の運転条件で膜ろ過運転を継続した場合における、将来の分離膜93の状態が正常となる確率である。
そして、推測部23は、学習モデル31から得られた確率値に基づき、将来の分離膜93の状態が、正常となるか、異常となるかを推測する。具体的には、推測部23は、確率値が閾値以上である場合、将来の分離膜93の状態が正常となると推測する。一方、推測部23は、確率値が閾値未満である場合、将来の分離膜93の状態が異常となると推測する。閾値は、例えば50(%)である。但し閾値は、この例に限定されない。なお、推測すべき分離膜93の状態は、「正常」および「異常」の2状態に限られるものではなく、3状態以上であってもよい。3状態であれば、例えば、「正常」、「正常と異常との中間」および「異常」である。
そして、推測部23は、推測結果を散気量制御装置8へ出力する。なお、推測部23は、学習モデル31から得られた確率値そのものを推測結果として散気量制御装置8へ出力してもよい。
なお、制御部20(入力データ取得部21または推測部23)は、推測に用いた入力データを用いて学習モデル生成装置1に学習モデル31を更新させる(つまり、再学習させる)ために、推測に用いた入力データを記憶装置7に格納してもよい。
<入力データ判断装置6の要部構成>
図5は、入力データ判断装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
入力データ判断装置6は、制御部60を備えている。制御部60は、入力データ判断装置6の各部を統括して制御するものであり、一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、ストレージ(不図示)にアクセスし、ストレージに格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部60の各部が構成される。
制御部60の各部として、制御部60は、入力データ取得部61と、判断部63と、を含んでいる。入力データ取得部61および判断部63は、ストレージに格納されているプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。ここでいう「コンピュータ」とは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。なお、入力データ取得部61および判断部63は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
(入力データ取得部61)
入力データ取得部61は、入力データ算出装置5から入力データを取得し、判断部63へ出力する。判断部63へ出力される入力データは、直近の膜ろ過運転において計測された運転データから導出されたものであることが好ましい。
(判断部63)
判断部63は、入力データ取得部61から取得された入力データを判断する。具体的には、入力データ取得部61から取得された入力データは、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の変動速度である。判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の変動速度が第1閾値以上または第2閾値以下であるか否かを判断する。例えば、判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の変動速度が所定速度(すなわち閾値)よりも速いか否かを判断する。具体的には、判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上であるか否かを判断する。また、判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下であるか否かを判断する。そして、判断部63は、判断結果を散気量制御装置8へ出力する。
<学習モデル生成処理の流れ>
図6は、学習モデル生成装置が実行する学習モデル生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
なお、図6に示す学習モデル生成処理は、新たに学習モデル31を生成する処理であり、学習モデル31を更新する処理ではない。この例では、上述した、(第1条件)膜間差圧の変動速度が第1所定値未満であること、(第2条件)膜間差圧が第2所定値未満であること、の両方を充足するとき、分離膜93の状態が正常であるものとする。また、入力データとラベルとの対応付けを自動で行うものとする。
まず、入力データ取得部11は、入力データ算出装置5または記憶装置7から、複数の入力データを取得する(ステップS1、以下、「ステップ」の記載を省略)。入力データ取得部11は、取得した複数の入力データを教師データ生成部12へ出力する。
教師データ生成部12は、各入力データについて、上述した方法により、将来の運転状況を特定する(S2)。具体的には、教師データ生成部12は、入力データの各々について、(1)第1所定時間後の第1条件の充足性、および、(2)第2所定時間後の第2条件の充足性を特定する。
次に、教師データ生成部12は、入力データの各々に、将来の分離膜93の状態を示すラベルを対応付けて、教師データを生成する(S3)。具体的には、上記(1)および(2)の両方を充足する入力データについては「正常ラベル」を対応付け、一方、上記(1)および(2)の一方でも充足しない入力データについては「異常ラベル」を対応付ける。そして、教師データ生成部12は、生成した教師データを学習部13へ出力する。
次に、学習部13は、教師データ生成部12が生成した教師データから、分離膜93の状態が正常となる確率(または、異常となる確率)を出力する学習モデル31を生成する(S4)。最後に、学習部13は、生成した学習モデル31を記憶装置3に格納する(S5)。以上で、学習モデル生成処理は終了する。
<学習モデル更新処理の流れ>
図7は、学習モデル生成装置が実行する学習モデル更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示す学習モデル更新処理は、図6に示す学習モデル生成処理により学習モデル31が生成された後、膜ろ過運転の実行により新たに取得した入力データに基づき、学習モデル31を更新する処理である。なお、この例においても、上述した、(第1条件)膜間差圧の変動速度が第1所定値未満であること、(第2条件)膜間差圧が第2所定値未満であること、の両方を充足するとき、分離膜93の状態が正常であるものとする。また、入力データとラベルとの対応付けを自動で行うものとする。
入力データ取得部11は、入力データ算出装置5または記憶装置7から、推測装置2が推測に用いた入力データを取得するまで待機している(S11)。入力データを取得すると(S11:YES)、入力データ取得部11は、取得した入力データを教師データ生成部12へ出力する。
教師データ生成部12は、取得した入力データの導出元である運転データが取得された時刻における運転状況を特定する(S12)。すなわち、教師データ生成部12は、運転データが取得された時刻における第1条件および第2条件の充足性を特定する。
続いて、教師データ生成部12は、運転データが取得された時刻から第1所定時間前の時刻を示す時刻情報が対応付けられた入力データに第1条件の充足性を対応付け、また、運転データが取得された時刻から第2所定時間前の時刻を示す時刻情報が対応付けられた入力データに第2条件の充足性を対応付ける。なお、これらの入力データは、過去に取得されたものであり、記憶装置7に格納されている。
教師データ生成部12は、(1)第1所定時間後の第1条件の充足性、および、(2)第2所定時間後の第2条件の充足性の両方が対応付けられた入力データについて、上記(1)および(2)の充足性に応じてラベル付けを行い、教師データとして生成する(S13)。そして、教師データ生成部12は、生成した教師データを学習部13へ出力する。
学習部13は、教師データ生成部12が今回生成した教師データに基づき再学習を行い、学習モデル31を更新する(S14)。そして、学習モデル更新処理はS11へ戻る。
このように学習モデル31を更新することにより、推測装置2による推測処理を、最新の運転状態に即したものとすることができる。
<推測処理および散気量制御処理の流れ>
図8は、推測装置が実行する推測処理および散気量制御装置が実行する散気量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8に表した処理は、本発明の「第1制御」の一例である。
入力データ取得部21は、入力データ算出装置5から入力データを取得するまで待機している(S21)。入力データを取得すると(S21:YES)、入力データ取得部21は、取得した入力データをアクセス部22へ出力する。
アクセス部22は、入力データを取得すると、記憶装置3に記憶されている学習モデル31へアクセスする(S22)。アクセス部22に含まれる推測部23は、入力データを学習モデル31へ入力し(S23)、学習モデル31から、例えば、分離膜93の状態が正常となる確率を取得する(S24)。
そして、推測部23は、一例として、取得した確率値が閾値以上であるか否かを判定する(S25)。閾値以上であると判定した場合(S25:YES)、推測部23は、分離膜93の状態が正常となると推測する(S26)。一方、取得した確率の値が閾値未満であると判定した場合(S25:NO)、推測部23は、分離膜93の状態が異常となると推測する(S27)。推測部23は、推測結果を散気量制御装置8へ出力する。
散気量制御装置8は、取得した推測結果と、直近の散気量レベルと、に基づき、次の散気量の第1レベルを決定する(S28)。そして、散気量制御装置8は、決定した散気量の第1レベルで散気するように散気装置95を制御する(S29)。そして、処理はS21へ戻る。
ここで、膜分離装置90では、例えば、膜分離槽91に流入する被処理水92の量が増加したり、膜分離槽91における被処理水92の容量が増加した場合に、膜ろ過流量またはFluxを増加させる必要性が生ずる場合がある。図8に関して説明した第1制御では、間欠運転としての膜ろ過運転の1サイクル毎に機械学習モデルによる推定(推測)を行い散気量レベルを制御しているため、膜間差圧などの入力データに応じた緻密な散気量レベルを制御できる一方で、膜ろ過流量が急増した場合や膜ろ過流量が急減した場合など、膜ろ過運転の条件が急変した場合には、運転条件の急変に即時に対応できず、散気量の制御に遅延が生ずる場合がある。以下、これについて、図面を参照してさらに説明する。
<入力データ判断処理および散気量制御処理の流れ>
図9は、入力データ判断装置が実行する入力データ判断処理および散気量制御装置が実行する散気量制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10は、膜ろ過流量および膜間差圧と時間との関係の一例を表すグラフである。
図11は、散気量と時間との関係の一例を表すグラフである。
図12は、膜ろ過流量および散気量と時間との関係の一例を表すグラフである。
図9に表した処理は、本発明の「第2制御」の一例である。なお、図6~図9に関して説明する処理は、本実施形態に係る膜洗浄風量制御方法の一例である。
図10に表したグラフの横軸は、時間を示している。図10に表したグラフの縦軸は、膜ろ過流量および膜間差圧を示している。
図11に表したグラフの横軸は、時間を示している。図11に表したグラフの縦軸は、散気量を表している。
図12に表したグラフの横軸は、時間を示している。図12に表したグラフの縦軸は、膜ろ過流量および散気量を示している。
なお、図11に表した「散気量」は、散気量制御装置8が決定した散気量すなわち制御量である。図12に表した「膜ろ過流量」および「散気量」は、実測値である。
図9に表したように、入力データ取得部61は、入力データ算出装置5から入力データを取得するまで待機している(S31)。入力データを取得すると(S31:YES)、入力データ取得部61は、取得した入力データを判断部63へ出力する。
判断部63は、入力データを取得すると、入力データ取得部61から取得された入力データが第1閾値以上または第2閾値以下であるか否かを判断する(S32)。具体的には、判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上であるか否かを判断する。あるいは、判断部63は、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下であるか否かを判断する。
入力データ取得部61から取得された入力データが第1閾値以上ではなく且つ第2閾値以下ではない場合(S32:NO)、処理はS31へ戻る。
一方で、入力データ取得部61から取得された入力データが第1閾値以上または第2閾値以下である場合(S32:YES)、散気量制御装置8は、膜ろ過流量の変動速度に応じて散気量の第2レベルを決定する(S33)。ここで、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上になる例、および膜ろ過運転中における膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下になる例を、図10~図12を参照して説明する。
図10~図12に表した時間T1は、膜ろ過流量(Flux)が急増したタイミングを表している。つまり、膜ろ過流量(Flux)の正の変動速度が、時間T1において第1閾値以上になっている。図10~図11に表した時間T2は、膜ろ過流量(Flux)が急減したタイミングを表している。つまり、膜ろ過流量(Flux)の負の変動速度が、時間T2において第2閾値以下になっている。
ここで、図8に関して説明した第1制御では、間欠運転としての膜ろ過運転の1サイクル毎に機械学習モデルによる推定(推測)を行い散気量レベルを制御しているため、図11に表したように、第1制御の場合の散気量は、時間T1のタイミングで即時に増加するわけではない。図11に表したグラフにおいて、第1制御の場合の散気量は、時間T1のタイミングから約16分後に増加している。なお、図11に表したグラフの例では、膜ろ過運転のサイクルは、膜ろ過運転を実行する運転期間(例えば約9分)と、膜ろ過運転を実行しない休止期間(例えば約1分)と、から成る。
第1制御の場合の散気量が時間T1のタイミングで即時に増加せず時間T1のタイミングから約16分後に増加しているため、図10に表したように、第1制御の場合の膜間差圧(TMP)は、徐々に増加し、時間T1から膜ろ過運転の6サイクルにわたって増加し続けている。そして、膜ろ過流量が低下した時間T2において、第1制御の場合の膜間差圧が低下している。なお、図11に表したように、膜ろ過流量が急減した時間T2においても、第1制御の場合の散気量は、時間T2のタイミングで即時に減少していない。このように、散気量の制御に遅延が生ずると、膜ろ過流量が急増した場合には散気量が不足する時間帯が生ずることにより膜間閉塞が進行することがあり、一方で、膜ろ過流量が急減した場合には散気量が過剰になる時間帯が生ずることにより省エネルギー化の実現が困難となることがある。
これに対して、本実施形態に係る膜洗浄風量制御システム100では、図9に表したS31に続くS32において、膜ろ過運転中における膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上または負の変動速度が第2閾値以下である場合(S32:YES)、散気量制御装置8は、膜ろ過流量の変動速度に応じて散気量の第2レベルを決定する(S33)。例えば、散気量制御装置8は、入力データ判断装置6により判断された膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上である場合、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも高い第2レベルに決定する。また、例えば、散気量制御装置8は、入力データ判断装置6により判断された膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下である場合、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも低い第2レベルに決定する。そして、散気量制御装置8は、決定した散気量の第2レベルで散気するように散気装置95を制御する(S34)。そして、処理はS31へ戻る。
図9に関して説明した第2制御では、入力データ判断装置6により判断された入力データ(具体的には膜ろ過流量の正の変動速度)が第1閾値以上になると、散気量制御装置8が機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行するため、図11に表したように、第2制御の場合の散気量は、時間T1のタイミングで即時に増加している。また、入力データ判断装置6により判断された入力データ(具体的には膜ろ過流量の負の変動速度)が第2閾値以下になると、散気量制御装置8が機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行するため、図11に表したように、第2制御の場合の散気量は、時間T2のタイミングで即時に減少している。そのため、図10に表したように、第2制御の場合の膜間差圧は、第1制御の場合の膜間差圧と比較して低い差圧に抑えられている。
さらに、実測値で表した図12のグラフにおいても、第2制御の場合の散気量は、時間T1のタイミングで即時に増加している。一方で、比較例(第1制御の場合)の散気量は、時間T1のタイミングで即時に増加せず、膜ろ過運転を実行しない休止期間における機械学習による散気量の制御により増加している。
以上説明したように、本実施形態に係る膜洗浄風量制御システム100によれば、学習モデル生成装置1は、膜分離装置90で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データに基づき分離膜93の状態を推測する学習モデル31を生成する。推測装置2が分離膜93の状態を推測できれば、散気量制御装置8は、分離膜93の状態に応じて決定された散気量の第1レベルで散気するように散気装置95の第1制御を実行できるため、分離膜93が正常な状態(例えば、膜間差圧の急上昇が起こる可能性を低減した状態)を維持しながら安定した膜ろ過運転を行うことができる。また、散気量制御装置8は、入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると、入力データに応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置95の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過運転の条件が急変した場合であっても、散気量制御装置8は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過運転の条件の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。そのため、膜ろ過運転中において、散気量が不足する時間帯が生じたり、散気量が過剰になる時間帯が生じたりすることを抑えることができる。これにより、本実施形態に係る膜洗浄風量制御システム100は、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上を図ることができる。
また、散気量制御装置8は、膜ろ過流量の変動速度が第1閾値以上または第2閾値以下になると、膜ろ過流量の変動速度に応じて決定された散気量の第2レベルで散気するように散気装置の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過流量が急増したり急減した場合であっても、散気量制御装置8は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、膜ろ過流量の急変に即時に対応し、散気量の制御に遅延が生ずることを抑えることができる。
また、散気量制御装置8は、膜ろ過流量の正の変動速度が第1閾値以上になると、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも高い第2レベルに決定する。また、散気量制御装置8は、膜ろ過流量の負の変動速度が第2閾値以下になると、散気装置95の散気量のレベルを第1レベルよりも低い第2レベルに決定する。そして、散気量制御装置8は、散気量の第2レベルで散気するように散気装置95の第2制御を実行する。そのため、膜ろ過流量が急増した場合であっても、散気量制御装置8は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、散気量が不足する時間帯が生ずることを抑え膜間閉塞が進行することを抑えることができる。また、膜ろ過流量が急減した場合であっても、散気量制御装置8は、機械学習の処理とは別の割り込み処理を実行することにより、散気量が過剰になる時間帯が生ずることを抑えることができる。これにより、本実施形態に係る膜洗浄風量制御システム100は、膜ろ過運転の安定化および省エネルギー化の向上をより一層確実に図ることができる。
さらに、学習モデル生成装置1は、推測装置2が分離膜93の状態を推測したときに学習モデル31に入力されたデータを用いた機械学習により学習モデル31を更新するため、推測装置2が推測を行うたびに学習モデル31の推測精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
1:学習モデル生成装置、 2:推測装置、 3:記憶装置、 4:運転データ取得装置、 5:入力データ算出装置、 6:入力データ判断装置、 7:記憶装置、 8:散気量制御装置、 10:制御部、 11:入力データ取得部、 12:教師データ生成部、 13:学習部、 20:制御部、 21:入力データ取得部、 22:アクセス部、 23:推測部、 31:学習モデル、 60:制御部、 61:入力データ取得部、 63:判断部、 90:膜分離装置、 91:膜分離槽、 92:被処理水、 93:分離膜、 94:散気管、 95:散気装置、 96:ろ過水配管、 97:ろ過ポンプ、 100:膜洗浄風量制御システム

Claims (7)

  1. 膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御システムであって、
    前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する運転データ取得装置と、
    前記運転データ取得装置から受信した前記運転データから入力データを導出する入力データ算出装置と、
    前記入力データ算出装置から受信した前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する学習モデル生成装置と、
    前記学習モデル生成装置により生成された前記学習モデルを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置に記憶された前記学習モデルを用い前記入力データ算出装置から受信した前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する推測装置と、
    前記入力データ算出装置から受信した前記入力データを判断する入力データ判断装置と、
    前記推測装置が推測した前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記入力データ判断装置により判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する散気量制御装置と、
    を備えたことを特徴とする膜洗浄風量制御システム。
  2. 前記膜ろ過運転は、前記膜ろ過運転を実行する運転期間と、前記運転期間に続く休止期間と、を含むサイクルが繰り返されてなる間欠運転であり、
    前記第1制御は、前記休止期間の毎に実行され、
    前記第2制御は、前記運転期間に実行されることを特徴とする請求項1に記載の膜洗浄風量制御システム。
  3. 前記運転データは、前記膜ろ過運転中に計測された膜ろ過流量を含み、
    前記入力データ算出装置により前記膜ろ過流量から導出される前記入力データは、前記膜ろ過運転中における前記膜ろ過流量の変動速度を含み、
    前記入力データ判断装置は、前記変動速度を判断することを特徴とする請求項1に記載の膜洗浄風量制御システム。
  4. 前記散気量制御装置は、正の前記変動速度が前記第1閾値以上になると前記第1レベルよりも高いレベルの前記第2レベルを決定し、負の前記変動速度が前記第2閾値以下になると前記第1レベルよりも低いレベルの前記第2レベルを決定することを特徴とする請求項3に記載の膜洗浄風量制御システム。
  5. 前記学習モデル生成装置は、前記推測装置が前記分離膜の状態を推測したときに前記学習モデルに入力されたデータを取得し、取得した前記データを入力とした機械学習により前記学習モデルを更新することを特徴とする請求項1に記載の膜洗浄風量制御システム。
  6. 膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御方法であって、
    前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて取得された前記運転データから入力データを導出する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて生成された前記学習モデルを記憶する第4ステップと、
    前記第4ステップにおいて記憶された前記学習モデルを用い前記第2ステップにおいて導出された前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する第5ステップと、
    前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを判断する第6ステップと、
    前記第5ステップにおいて推測された前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記第6ステップにおいて判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する第7ステップと、
    を備えたことを特徴とする膜洗浄風量制御方法。
  7. 膜分離装置に設けられた散気装置から分離膜に供給される散気量を制御する膜洗浄風量制御システムのコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記膜分離装置で行われる膜ろ過運転中に計測される運転データを取得する第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて取得された前記運転データから入力データを導出する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを入力とした機械学習により前記分離膜の状態を推測するための学習モデルを生成する第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて生成された前記学習モデルを記憶する第4ステップと、
    前記第4ステップにおいて記憶された前記学習モデルを用い前記第2ステップにおいて導出された前記入力データに基づいて前記分離膜の状態を推測する第5ステップと、
    前記第2ステップにおいて導出された前記入力データを判断する第6ステップと、
    前記第5ステップにおいて推測された前記分離膜の状態に応じて前記散気量の第1レベルを決定し前記第1レベルで散気するように前記散気装置の第1制御を実行しつつ、前記第6ステップにおいて判断された前記入力データが第1閾値以上または第2閾値以下になると前記入力データに応じて前記散気量の第2レベルを決定し前記第2レベルで散気するように前記散気装置の第2制御を実行する第7ステップと、
    を実行させることを特徴とする膜洗浄風量制御プログラム。

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