JP2024074755A - コンクリート型枠装置の構成部材ユニット、コンクリート型枠装置の搬送方法、コンクリート型枠装置の構築方法及びコンクリート型枠装置の解体方法 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
まず、第1実施形態を図1~図27の図面に基づいて説明する。第1実施形態は、大断面のトンネルにおいて実施する場合に適するものである。
図1~図11を中心に、前記コンクリート型枠装置(以下、型枠装置という)11の構成及び覆工コンクリートCの打設方法を説明する。
図1及び図2に示すように、メインビーム27及び柱材32の上端には天フォーム33が支持されている。この天フォーム33は前後方向に合計7枚並べられる。各天フォーム33の両端には側フォーム34が連結されるとともに、各側フォーム34の下端には下部フォーム35が連結されている。天フォーム33,側フォーム34及び下部フォーム35によってアーチ状の全体フォーム(以下、フォームという)36が形成されている。
型枠装置11は、以下の手順で構築される。
図3,図4及び図9に示すように、左右の側壁15は、前後各一対の壁部材151が相互に連結された状態でトンネルTNの幅方向の両側位置に起立状態で設置される。この場合、本実施形態においては、壁部材151は、トンネルTNの奥側から、図9に示す第1~第4位置P1~P4の順序に従って設置される。このとき、側壁15のトンネル中央側の前後両端に位置するように、壁部材151の端部にはそれぞれアウトリガージャッキ(以下、ジャッキという)37が取付けられている。このジャッキ37は地面S上に位置して、側壁15の起立を補助する。また、図3に示すように、壁部材151の下端部の両側には、前記ジャッキ37とともに壁部材151の起立を補助する補助脚38が取付けられる。
次いで、図7及び図11に示すように、サブビーム31上に柱材32が立てられる。そして、柱材32の上端及びメインビーム27の上面に合計7枚の天フォーム33が支持される。その後、図8に示すように、ジャッキ37が伸長される。このため、型枠装置11全体が上昇される。そして、装置脚13の下端に脚足16が連結されるとともに、その脚足16の車輪17がレールR上に位置する。この状態で、天フォーム33に側フォーム34及び下部フォーム35が連結される。従って、覆工コンクリートCを成形するためのフォーム36が構成される。脚足16が取付けられた後は、ジャッキ37は不要になるため、ジャッキ37は収縮されて、側壁15から分離され、次いで撤去される。これとともに、折りたたまれていた内部ステー18が荷重を受承する突出位置に配置される。なお、補助脚38は、桁材14が架設された後において、適当時期に側壁15から分離されて撤去される。
〈型枠装置11の構成部材のトラックへの積載方法及び搬送方法〉
次に、型枠装置11の主要な構成部材よりなる構成部材ユニットのトラックに対する積載方法及びトラックによる搬送方法について説明する。
台梁29は、中央足場22の左右両側の上面において長さ方向を前後方向に沿わせた横倒し状態で載置されている。
すなわち、第1~第6トラックTR1~TR6はトンネル建設現場における型枠装置11の構築位置の近傍である荷降ろし位置に進入される。そして、第1~第6トラックTR1~TR6の荷台TCに積載された型枠装置11の構成部材がクレーンによって吊られることによって、型枠装置11における組立順序に従って他の構成部材から分離される。そして、その構成部材はクレーンによって型枠装置11の構築位置に移載されて、型枠装置11の構築に供される。
次いで、構成部材ユニットを積載した第5トラックTR5を荷降ろし位置に進入させる。そして、第5トラックTR5の中央足場22を図27(a)に示すように、トンネル奥側の桁材14間における壁部材151間に架設する。中央足場22には、台梁29が載せられている。次いで、第5トラックTR5を待機位置に後退させて第6トラックTR6を荷降ろし位置に進入させる。そして、図27(b)に示すように、第6トラックTR6の台梁29が載せられた2基の中央足場22を桁材14間におけるトンネル入口側の2箇所の壁部材151間に並設状態で架設する。
次に、図27(c)に示すように、第6トラックTR6の両メインビーム27をトンネル奥側において前後の桁材14間に前後方向に延びるように架設する。さらに、サブビーム31をトンネル奥側におけるメインビーム27間であって、前後の桁材14間に架設する。
型枠装置11の解体は、構築時とは逆の手順で実行される。すなわち、サブビーム31,メインビーム27,中央足場22,桁材14,壁部材151等の構成部材を分解するとともに、その分解された構成部材を分解順に従って並設して構成部材ユニットを構成する。そして、その構成部材ユニットを前記のように第1~第6トラックTR1~TR6に積載してトンネルTN内から搬出する。
本実施形態においては、以下の効果がある。
(1)型枠装置11を構成する壁部材151,桁材14,メインビーム27,台梁29,サブビーム31等の構成部材が、第1~第6トラックTR1~TR6の荷台TCに対して、その荷台TCの前後方向に沿う姿勢で積載される。つまり、壁部材151,桁材14,メインビーム27,台梁29,サブビーム31等の構成部材は、その長さ方向が第1~第6トラックTR1~TR6の前後方向に延びた状態で並設される。従って、それらの構成部材を、荷台TCのスペースを有効利用して荷台TCからはみ出ることなく積載できるため、構成部材を容易にトラック搬送することができる。
次に、本発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心にして図28以下の図面に基づいて説明する。
第2実施形態は、小断面のトンネルTNにおいて実施する場合に適する。本実施形態の型枠装置11においては、図28及び図29に示すように、メインビーム27,サブビーム31及び台梁29が設けられていない。そして、天フォーム33を支持する柱材32は桁材14の上面に立てられる。また、台梁29に代えて、天フォーム33の下部側を支持する保持部材71が桁材14の両端面に設けられている。
図32~図34は、第1,第3桁材14A,14Cの搬送状態を示すものである。この搬送状態では、第3桁材14Cの中央足場22が第3桁材14Cの側面に沿うように起立状態にされるとともに、保持金具60の取付けによってその状態に保持される。また、第3桁材14Cを下にして、その上面に第1桁材14Aが重ねられるとともに、第1桁材14Aが連結金具61の取付けによって第3桁材14Cから落下しないように連結される。保持金具60及び連結金具61は連結部材を構成する。
図31及び図32に示すように、これらの第1桁材14Aと第2桁材14Bとの組合わせを2枚の中央足場22を有する双板桁材ユニット141とする。第1桁材14Aと第3桁材14Cとの組合わせを1枚の中央足場22を有する単板桁材ユニット142とする。そして、双板桁材ユニット141が3基、単板桁材ユニット142が1基形成される。合計4基の桁材ユニット141,142は、それぞれ1基の壁部材151と組合わされて搬送される。
そして、桁材14A~14Cの上面に保持部材71及び柱材32を介して天フォーム33が支持されることに続いて、壁部材151よりなる側壁15がジャッキ37によって上昇される。この状態で側壁15の下側に脚足16が組付けられて、ガントリ12が構成される。さらに、天フォーム33の両側に側フォーム34及び下部フォーム35が組付けられる。以上のようにして、型枠装置11が構築される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
そして、第2実施形態においては、前記第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
本発明は、前記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化することもできる。この場合、両実施形態及び変更例は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で相互に組合わせることができる。
・型枠装置11の前後位置に設置される張出し足場等の型枠装置11の他の構成部材を搬送時に壁部材151と別体にするとともに、連結金具を用いて、第1,第2実施形態の構成部材に対して連結して運搬すること。
前記第2実施形態から把握される技術的思想は以下の通りである。
(A)トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される複数の桁材とを備えたガントリの上部に、トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、
前記桁材には、隣接する桁材間において前記側壁間に架設される足場を起伏可能に支持したコンクリート型枠装置。
隣接する桁材間において前記側壁間に架設される足場を起伏可能に支持した桁材と、前記足場を有しない桁材とを隣接配置したコンクリート型枠装置。
複数の前記桁材を同方向に延びるように重ねた状態で前記側壁間に架設した後に、前記足場を側壁間に架設されるように展開し、次いで上部側の前記桁材を前記側壁間の他の位置に架設するコンクリート型枠装置の構築方法。
12…ガントリ
13…装置脚
15…側壁
22…中央足場
27…メインビーム
29…台梁
33…天フォーム
36…フォーム
151…壁部材
51…連結金具
52…連結バー
53…保持金具
54…連結金具
55…止め金具
56…把持金具
57…連結金具
58…連結金具
59…幅止め金具
60…保持金具
61…連結金具
C…覆工コンクリート
S…地面
TC…荷台
TN…トンネル
TR…トラック
(E)トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、前記コンクリート型枠装置を構成する複数の構成部材は、一方向に揃えたうえ、組立順序に従う組合わせの設置状態で連結部材によって連結され、前記連結部材は、第1連結部材と、第2連結部材と、を備え、前記複数の構成部材は、複数の第1構成部材と、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材とを備え、前記複数の第1構成部材は、前記第1連結部材によって連結されることにより第1構成部材ユニットを構成し、前記複数の第2構成部材は、前記第2連結部材によって連結されることにより第2構成部材ユニットを構成するコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。
(F)前記第1連結部材が前記複数の第1構成部材を起立させるための脚の機能を有する(E)に記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。
(G)前記ガントリは、前記トンネルの幅方向に延びて前記両側壁の上部間に架設される中央足場と、前記橋架部及び前記中央足場の上方においてトンネル延長方向に延びるように設けられるビームとを備え、前記複数の第1構成部材は、前記側壁及び前記橋架部を含み、前記複数の第2構成部材は、前記中央足場及び前記ビームを含む(E)に記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。
(H)前記ガントリは、前記トンネルの幅方向に延びる台梁と、レール上を転動する車輪が下端に設けられた脚部と、を備え、前記側壁は、前記側壁の起立を補助するとともに前記側壁を昇降可能であるジャッキを取り付け可能であり、かつ、前記ジャッキにより上昇した状態で前記脚部を下端に連結可能である(E)~(G)のうち何れか一つに記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。
(I)トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第1構成部材を第1連結部材によって連結することにより第1構成部材ユニットを構成し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材を第2連結部材によって連結することにより第2構成部材ユニットを構成し、前記第1構成部材ユニットを、前記複数の第1構成部材の長さ方向がトラックの荷台の前後方向に沿うように前記荷台に積載した状態で搬送し、前記第2構成部材ユニットを、前記複数の第2構成部材の長さ方向がトラックの荷台の前後方向に沿うように前記荷台に積載した状態で搬送するコンクリート型枠装置の搬送方法。
(J)トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置の構築方法において、一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第1構成部材を第1連結部材によって連結することにより構成した第1構成部材ユニットを前記トンネルの建設現場に搬送し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材を第2連結部材によって連結することにより構成した第2構成部材ユニットを前記トンネルの建設現場に搬送し、前記トンネルの建設現場において、前記第1構成部材ユニットから前記複数の第1構成部材を分離した後に、前記第2構成部材ユニットから前記複数の第2構成部材を分離して前記コンクリート型枠装置を構築するコンクリート型枠装置の構築方法。
(K)トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第2構成部材を分割した後に、前記複数の第2構成部材を分解順に従って第2連結部材によって連結することにより第2構成部材ユニットを構成し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第2構成部材よりも分解順序が後である複数の第1構成部材を分解した後に、前記複数の第1構成部材を分解順に従って第1連結部材によって連結することにより第1構成部材ユニットを構成するコンクリート型枠装置の解体方法。
Claims (7)
- トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、
前記コンクリート型枠装置を構成する複数の構成部材は、一方向に揃えたうえ、組立順序に従う組合わせの設置状態で連結部材によって連結され、
前記連結部材は、第1連結部材と、第2連結部材と、を備え、
前記複数の構成部材は、複数の第1構成部材と、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材とを備え、
前記複数の第1構成部材は、前記第1連結部材によって連結されることにより第1構成部材ユニットを構成し、
前記複数の第2構成部材は、前記第2連結部材によって連結されることにより第2構成部材ユニットを構成するコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。 - 前記第1連結部材が前記複数の第1構成部材を起立させるための脚の機能を有する請求項1に記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。
- 前記ガントリは、前記トンネルの幅方向に延びて前記両側壁の上部間に架設される中央足場と、前記橋架部及び前記中央足場の上方においてトンネル延長方向に延びるように設けられるビームとを備え、
前記複数の第1構成部材は、前記側壁及び前記橋架部を含み、
前記複数の第2構成部材は、前記中央足場及び前記ビームを含む請求項1に記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。 - 前記ガントリは、前記トンネルの幅方向に延びる台梁と、レール上を転動する車輪が下端に設けられた脚部と、を備え、
前記側壁は、前記側壁の起立を補助するとともに前記側壁を昇降可能であるジャッキを取り付け可能であり、かつ、前記ジャッキにより上昇した状態で前記脚部を下端に連結可能である請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載のコンクリート型枠装置の構成部材ユニット。 - トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、
一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第1構成部材を第1連結部材によって連結することにより第1構成部材ユニットを構成し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材を第2連結部材によって連結することにより第2構成部材ユニットを構成し、前記第1構成部材ユニットを、前記複数の第1構成部材の長さ方向がトラックの荷台の前後方向に沿うように前記荷台に積載した状態で搬送し、前記第2構成部材ユニットを、前記複数の第2構成部材の長さ方向がトラックの荷台の前後方向に沿うように前記荷台に積載した状態で搬送するコンクリート型枠装置の搬送方法。 - トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置の構築方法において、
一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第1構成部材を第1連結部材によって連結することにより構成した第1構成部材ユニットを前記トンネルの建設現場に搬送し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第1構成部材よりも組立順序が後である複数の第2構成部材を第2連結部材によって連結することにより構成した第2構成部材ユニットを前記トンネルの建設現場に搬送し、
前記トンネルの建設現場において、前記第1構成部材ユニットから前記複数の第1構成部材を分離した後に、前記第2構成部材ユニットから前記複数の第2構成部材を分離して前記コンクリート型枠装置を構築するコンクリート型枠装置の構築方法。 - トンネルの幅方向の両側に設置される側壁と、その両側壁の上部間に架設される橋架部とを備えたガントリの上部に、前記トンネルの覆工コンクリートを成形するためのフォームを支持するコンクリート型枠装置において、
一方向に延びる複数の構成部材のうち複数の第2構成部材を分割した後に、前記複数の第2構成部材を分解順に従って第2連結部材によって連結することにより第2構成部材ユニットを構成し、前記複数の構成部材のうち、前記複数の第2構成部材よりも分解順序が後である複数の第1構成部材を分解した後に、前記複数の第1構成部材を分解順に従って第1連結部材によって連結することにより第1構成部材ユニットを構成するコンクリート型枠装置の解体方法。
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