JP2024073185A - 水回収装置及び水回収方法 - Google Patents

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晴義 山川
和也 石渡
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Abstract

Figure 2024073185000001
【課題】閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、高温高圧電解装置の電極の損耗を抑制しつつ、有機物やその他の窒素化合物を十分に分解することができる水回収装置及び水回収方法を提供する。
【解決手段】人体排出水などの被処理水から軟化装置1で硬度成分を除去し、軟化処理水と電解処理水とを熱交換器2で熱交換した後、高温高圧電解装置3,4で、高温高圧下での電気分解により有機物、尿素、アンモニアなどを分解除去する。電解処理水を脱気膜装置8で脱気処理した後、アニオン交換カラム10に通し、次いで拡散透析装置11に通した後、脱気膜装置12で脱気処理する。次いで2段に直列に設けた酸・アルカリ製造用電気透析装置21,22で脱塩処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スケール成分、有機物、無機イオン等を含む排水、特に、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を処理して水を回収する水回収装置及び水回収方法に関するものである。詳しくは、本発明は、核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などの閉鎖系空間で生じる排水を、この閉鎖系空間内において、簡易な構成の装置で効率的に処理する水回収装置及び水回収方法に関する。
核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などの閉鎖系空間で発生した尿などの人体排出水や生活排水をこの閉鎖系空間内で処理して水回収を図る場合、
(1) 宇宙空間などでは重力が微少であるため、重力による気液分離、固液分離は困難である。
(2) 閉鎖系空間であるため、放出ガス種や放出量に制限がある。
(3) 高い水回収率が要求され、また消費電力や設置スペースを小さくする必要がある。
といった制約がある。
このような制約を克服する水回収装置として、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、軟化装置で処理して硬度成分を十分除去した後、高温高圧下での電気分解で有機物やアンモニアなどの被酸化性物質を分解し、その後電気透析装置でイオン類を除去して生産水を得る水回収装置がある(特許文献1、2)。
高温高圧下での電気分解であれば、排水中の被酸化性物質を、後段の電気透析装置で直接除去することができる炭酸や有機酸、硝酸等のイオンに変換することができる。
この高温高圧下での電気分解で、排水中の有機物の一部は炭酸ガスに分解され、アンモニアや硝酸の一部は分解されて窒素ガスとなる。また、高圧下では、その圧力によって、電気分解で発生するガスが水に溶解し、気泡による電極面への被分解物接触妨害を抑制することができる。また、高温で処理することによって熱分解の効果を利用するとともに物質移動速度を高めることで、電気分解効率を高めることもできる。更には、水の電気分解で生じた水素と酸素のガスを、再度水に戻す反応を引き起こすことができるため、爆発性の高い水素/酸素の混合ガスから、酸素濃度を低減させることができ、副生ガスを、爆発限界値を下回る安全性の高いものとすることができる上に、水回収率を高いものとすることができる。また、電気分解での酸化物の生成が抑制されることから、電解装置の後段にある電気透析装置への負荷を低減することもできる。
特開2015-80778号公報 特開2016-87573号公報
特許文献1、2の水回収装置で用いられている高温高圧電解装置では、陽極材として、導電性ダイヤモンドのほか、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫、これらの合金やこれらの酸化物が用いられる。
本発明者が研究を重ねた結果、陰極材料として特許文献1,2に記載された材料を用いると、いずれも水素脆化により長期間の耐久性が十分でないことがわかった。また、ダイヤモンドについては施工が困難であるという課題もある。さらに、ダイヤモンド電極による陽極を備えた高温高圧電解装置単独での処理で有機物やその他の窒素化合物を十分に低い濃度にまで分解するには、電流密度を大きくする必要があり、この結果、特に有機物その他の窒素化合物の濃度が低い領域では、ClO やClO の濃度が上昇し易いことが認められた。一方、イリジウムや白金等の金属製の陽極では、特に有機物やその他の窒素化合物濃度が高い領域では溶出量が多く、この溶出した金属が電解セル内で再析出する際に電極間のショートを引き起こすおそれがあるなどの問題があった。
本発明は、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、高温高圧電解装置の電極の損耗を抑制しつつ、有機物やその他の窒素化合物を十分に分解することができる水回収装置及び水回収方法を提供することを課題とする。
本発明の水回収装置は、次を要旨とする。
[1] 排水を処理して処理水を生産水として回収する装置において、
該排水中の硬度成分を除去する軟化装置と、
該軟化装置の軟化処理水を、100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該軟化処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該軟化処理水中の被酸化性物質を分解して第1電解処理水とする第1の高温高圧電解装置と、
該第1電解処理水を100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該第1電解処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該第1電解処理水中の被酸化性物質を分解して第2電解処理水とする第2の高温高圧電解装置と、
該第2電解処理水を脱塩処理して脱塩水を得る電気透析装置とを備える水回収装置であって、
前記第1及び第2の高温高圧電解装置は、陽極以外は少なくとも接液面がAl含有率が1~6%のチタン合金、溶融アルミめっきを施したチタン又は陽極酸化チタンよりなる
ことを特徴とする水回収装置。
[2] 前記第1の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面が導電性ダイヤモンドよりなり、
前記第2の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面がイリジウム又はイリジウム合金よりなる[1]の水回収装置。
[3] 前記イリジウム合金は、白金含有率が80~95%のイリジウム白金合金である[2]の水回収装置。
[4] 前記第2の高温高圧電解槽からの第2電解処理水が導入される滞留槽が設けられており、前記第1及び第2の高温高圧電解装置で発生する水素により第2電解処理水中の塩素酸イオン又は過塩素酸イオンが該滞留槽にて還元される[1]~[3]のいずれかの水回収装置。
[5] 前記滞留槽を通った前記第2電解処理水と前記軟化装置からの軟化処理水とを熱交換させて該軟化処理水を加熱する熱交換器を有する[4]の水回収装置。
[6] 前記電気透析装置の前段に、前記第2電解処理水が通水されるアニオン交換カラムが設置されている[1]~[5]のいずれかの水回収装置。
[7] 前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を有する[1]~[6]のいずれかの水回収装置。
[8] 前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を備えており、
該第1脱気処理水が前記アニオン交換カラムに供給される[6]の水回収装置。
[9] カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
第2の脱気手段とを備えており、
前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水するとともに、前記第2電解処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該第2電解処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される[1]~[5]及び[7]のいずれかの水回収装置。
[10] カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
第2の脱気手段とを備えており、
前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水し、前記アニオン交換カラムからのアニオン交換処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該アニオン交換処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される[6]又は[8]の水回収装置。
本発明の水回収方法は、このような本発明の水回収装置で排水を処理して処理水を生産水として回収することを特徴とする。
本発明によると、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を処理するための、高温高圧電解装置を有する水回収装置において、高温高圧電解装置の電極の損耗を抑制しつつ、有機物やその他の窒素化合物を低濃度にまで分解することができる。
本発明の一態様の水回収装置では、まず、高温高圧での電解処理での安全性を確保するために、陽極以外の接液面の材料をAl含有率が1~6%のチタン合金、溶融アルミめっきを施したチタン又は陽極酸化チタンとし、導電性ダイヤモンド電極を有する第1の高温高圧電解装置によって閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を処理する場合、電流密度を低くすることにより、有機物等がある程度まで分解される。有機物等が低濃度となった水を、イリジウム又はイリジウム合金電極を有した第2の高温高圧電解装置で処理することにより、有機物等をさらに低濃度まで分解することができる。
本発明の一態様では、第2の高温高圧電解装置からの処理水を滞留槽に導入すると、高温高圧電解装置で発生した水素と塩素酸や過塩素酸とが反応して塩素酸や過塩素酸が還元される。これにより、後段に設置されることがある脱気膜やイオン交換膜、イオン交換樹脂などの劣化が防止される。
本発明の水回収装置の実施の形態の一例を示す系統図である。 酸・アルカリ製造用電気透析装置の構成とイオン移動を説明する模式的な断面図である。 本発明の水回収装置の実施の形態の別例を示す系統図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、以下においては、本発明を、主として、閉鎖系空間で発生した排水を処理して再利用するための水回収装置に適用した場合を例示して説明するが、本発明は、閉鎖系空間内で生じた排水の処理、回収に限らず、スケール成分、有機物、無機イオン等を含む様々な排水の処理、回収に適用することができる。
図1は本発明の水回収装置の実施の形態の一例を示す系統図である。
<水回収装置の概要>
この水回収装置では、図1に示されるように、被処理水であるスケール成分、有機物、無機イオン等を含む排水、例えば閉鎖系空間内で生じた排水を、まず軟化装置1に導入して該排水中の硬度成分を除去し、軟化処理水を、熱交換器2で第2電解処理水と熱交換して予備加熱した後、第1の高温高圧電解装置3に通水して第1電解処理水とし、この第1電解処理水を第2の高温高圧電解装置4に通水し、各高温高圧電解装置3,4にて高温高圧下で電気分解処理することにより、該軟化処理水中の被酸化性物質を分解除去する。
第2の高温高圧電解装置4からの第2電解処理水は、滞留槽5を備えた配管6を介して熱交換器2の熱源流体流路に供給され、軟化処理水と熱交換した後、配管7を介して第1の脱気膜装置8に送給される。
第1の脱気膜装置8で脱気処理された第1脱気処理水は、中間タンク9を経てアニオン交換カラム10に通水される。
アニオン交換カラム10でアニオン交換処理された水は、次いで拡散透析装置11に通水されることにより、pHが3~5程度に低下する。拡散透析装置11は、カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを備えている。アニオン交換処理水は、該主室に通水される。副室には酸タンク31からの酸性水が通水される。
拡散透析装置11にてpHが低下した拡散透析処理水は、第2の脱気膜装置12に通水され、炭酸ガスが除去されて第2脱気処理水となる。この第2脱気処理水は、2段に直列に設けた第1及び第2の酸・アルカリ製造用電気透析装置21,22で構成される電気透析装置20で脱塩処理され、脱塩水が処理水タンク23に回収される。
処理水タンク23内の処理水の一部は、配管24を介して軟化装置1に送水可能とされている。
第2の電気透析装置22の酸室及びアルカリ室に、バルブ及び配管(図示略)によって第2の脱気膜装置12からの第2脱気処理水の一部を通水し、第2の電気透析装置22の酸室及びアルカリ室から流出する酸溶液及びアルカリ溶液を、それぞれ配管26,28によって酸タンク31及びアルカリタンク32に導入する。
酸タンク31内の酸溶液の一部は、配管33を介して拡散透析装置11の副室に通水された後、配管34を介して酸タンク31に戻る。
第1の酸・アルカリ製造用電気透析装置21の酸室には、酸タンク31内の酸溶液が配管25a,25bによって循環通水され、アルカリ室にはアルカリタンク32内のアルカリ溶液が配管27a,27bによって循環通水される。
<被処理水>
本発明において処理対象となる被処理水は、スケール成分、有機物、無機イオン等を含む排水であって、例えば、核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などの閉鎖系空間で発生した人体排出水(尿、汗など)や生活排水(空調関係の凝縮水、厨房排水、洗濯排水、風呂・シャワー排水、清掃排水、動植物などの飼育栽培により発生する排水など)などの排水が挙げられる。ここで、閉鎖系空間とは、内外での物質やエネルギーのやりとりが制限された空間をさし、特に、本発明が好適に適用される閉鎖系空間としては、シェルター、宇宙ステーションや宇宙船等の宇宙空間が挙げられる。特に宇宙空間の有人環境において本発明を有効に適用することができる。
これらの閉鎖系空間から排出される排水は、主として空調関係の凝縮水や人体から排出される汗や尿などであり、Mg、Ca等のスケール成分、たんぱく質や尿素等の有機物、Na、K、Cl、SO、PO、NH、NO等の無機イオンが含まれている。
本発明において処理対象となる被処理水の水質としては、例えば次のようなものが挙げられるが、以下の排水の混合排水であってもよい。
<人体から排出される汗や尿を主体とする排水>
pH:6~8
TOC:2000~15000mg/L
無機イオン:5000~20000mg/L
Na:1000~5000mg/L
NH:100~1500mg/L
K:500~2500mg/L
Cl:2000~10000mg/L
PO:500~2500mg/L
<生活排水>
pH:5~13
TOC:1~200mg/L
無機イオン:0.01~200mg/L
Na:0.01~10mg/L
NH:0.01~100mg/L
K:0.01~10mg/L
Cl:0.01~10mg/L
PO:0.01~10mg/L
なお、閉鎖系空間において発生する尿や各種の生活排水はそれぞれ水質が異なるため、本発明により水回収するに当たり、必要に応じてそれぞれの水種を単独で処理しても良いし、それらを予め混合して処理しても良い。また、処理工程の途中から特定の水種の被処理水を合流させることも可能である。これらの処理方法は処理効率を考慮して決めることが望ましい。
一般的に前記被処理水のうち、スケール成分は尿に最も多く含まれるため、軟化装置1による硬度成分の除去は尿のみを処理対象とし、次工程の高温高圧電解装置3において、他の被処理水を合流させて処理してもよく、このようにすることにより、各工程における被処理水量を無駄に増やすことなく、効率的に処理することができる。
<軟化装置1>
本発明においては、上記のような排水をまず軟化装置1で処理して、排水から硬度成分を除去する。この軟化処理には、Na型の強酸性カチオン交換樹脂もしくは弱酸性カチオン交換樹脂を用いることができ、以下のイオン交換反応で硬度成分が除去される。
CaX、MgX + R-Na → R=Ca、R=Mg + NaX
ここで、Xは陰イオンを、Rはイオン交換樹脂交換基を示す。
通常、軟化装置1としては、Na型強酸性カチオン交換樹脂もしくは弱酸性カチオン交換樹脂を充填したイオン交換樹脂塔が用いられる。その処理条件には特に制限はないが、通常、処理温度は20~40℃、通液SV(空間速度)は0.1~100hr-1、好ましくは5~20hr-1である。
この軟化装置1により、被処理水中の2価のMg、Ca等のスケール成分が除去されるため、後段の高温高圧電解装置3,4において、スケールの発生が抑制され、電流が効率良く流れるようになる。
軟化装置1は、後段の電気透析装置20の酸・アルカリ製造用電気透析装置21,22で得られた酸溶液、アルカリ溶液により再生することができる。即ち、酸タンク31内の酸溶液は、軟化装置1のNa型強酸性カチオン交換樹脂もしくは弱酸性カチオン交換樹脂の再生剤として利用することができ、アルカリタンク32内のアルカリ溶液は強酸性カチオン交換樹脂もしくは弱酸性カチオン交換樹脂のNa形化剤として利用することができる。再生時の通水SVは特に制限はないが通常0.1~50hr-1、例えば4.5hr-1である。
<熱交換器2>
軟化装置1からの軟化処理水は、熱交換器2にて、第2の高温高圧電解装置4からの第2電解処理水と熱交換することにより予備加熱した後、第1の高温高圧電解装置3に導入される。
第2の高温高圧電解装置4からの第2電解処理水は、通常100~374℃、好ましくは200~250℃程度の高温であるため、このような高温の電解処理水をその高圧条件を維持して軟化処理水と熱交換して予備加熱することにより、電解処理水の熱エネルギーを回収し、加熱エネルギーを削減することができるため、高温高圧電解装置3での消費電力を軽減することができる。
熱交換器2で熱交換することにより、通常20~30℃程度の軟化処理水を180~220℃程度に加熱することができる。
<高温高圧電解装置3,4>
熱交換器2で予備加熱された軟化処理水は、次いで第1の高温高圧電解装置3及び第2の高温高圧電解装置4で電気分解処理されることにより、排水中に含まれている有機物、尿素、アンモニアなどの被酸化性物質が分解される。
高温高圧電解装置3,4に適用される反応容器としては、次のようなものが好ましい。
一端側に被処理水の入口、他端側に電解処理水の出口を設けた配管などの円筒形の容器(円筒状配管型容器)の内部に、陽極を、被処理水(軟化処理水)の流れと平行方向に、かつ容器と絶縁するように離隔して設置し、配管自体を陰極として、陽極、陰極間に直流電源を接続する。円筒形の容器は、角筒形等の他の形状の容器に比べて内圧に対して強度を保持しやすく、反応容器の肉厚を薄くすることができ、装置の小型化が可能となる。また、電極を被処理水の流れに対して平行に設置することで、発生した気泡を処理水とともに容器外へ押し出すことが可能となり、電極への気泡付着を抑制し、反応効率を高めることができる。
高温高圧電解装置の陰極、連絡配管、接手など陽極以外の部材をTi60種(64Ti)、Ti50種、溶融アルミめっき処理を施したTi、陽極酸化Tiのいずれかまたは組み合わせで構成することにより、これらの部材の水素脆化を防止することができる。
陽極は、陽極と陰極となる反応容器内壁との距離が均等となるように設けられることが好ましい。この距離にばらつきがある場合には、距離が短い部分に局部的に過大な電流が流れ、その部分の陽極の劣化が促進されることとなり好ましくない。本発明では、円筒状配管型容器内に、平板状、円柱形状又は円筒形状の陽極を、その中心軸が反応容器の内壁の中心軸と実質的に一致するように設けることが好ましい。
陽極は、1枚又は複数枚の平板状のものをそのまま設置してもよいし、メッシュ又は網を円筒形状に形成したものでもよいし、板を円筒形状に形成したものでもよいが、棒状体が施工上最適である。
≪第1の高温高圧電解装置3の陽極材料≫
第1の高温高圧電解装置3の陽極は、少なくとも表面が導電性ダイヤモンドからなるものが用いられる。この場合、陽極全体が導電性ダイヤモンドから構成されるものであってもよく、シリコン、ニオブ、タングステン、ステンレス、モリブデン、白金、イリジウム等の金属、或いは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化モリブデン、炭化タングステン等の非金属等からなる基材に導電性ダイヤモンドの被覆層を形成したものであってもよい。TOCの分解は特に陽極で起こるため、陽極に導電性ダイヤモンド電極を用いることにより、TOCを効率的に分解することができる。
≪第2の高温高圧電解装置4の陽極材料≫
第2の高温高圧電解装置4の陽極は、その表面がイリジウム又はイリジウム合金よりなる。イリジウム合金としては、イリジウムと白金との合金が好ましい。陽極そのものがイリジウム又はイリジウム合金で構成されていてもよいし、陽極の基材の表面がこれらの物質で被覆されていてもよい。
イリジウム又はイリジウム合金(特にイリジウムと白金の合金)は、耐食性に優れており、陽極として用いる場合に優れた不溶性を示す。イリジウム白金合金中の白金含有率は80~95wt%程度が好ましい。純イリジウムは排水中のC,N成分濃度が高いと激しく溶出するが、高温高圧の電解処理条件下による影響はあまりない。一方、純白金は排水中のC,N成分濃度が高くても純イリジウムほど溶出しないが、高温高圧の電解処理条件下においては、排水中の成分濃度によらず局部的に激しく損耗する。そこで、イリジウムと白金の合金とすることで、これらそれぞれの純金属の問題点を補完することができる。なお、C,N成分濃度が低い排水においては、純イリジウムを用いても、イリジウム白金を用いてもよい。
≪電解条件≫
本発明において、高温高圧下とは、100℃以上であって、被処理水の臨界温度以下の温度において、該被処理水が液相を維持する圧力であり、通常100~374℃、好ましくは200~250℃で、通常2~20MPa、好ましくは5~10MPaである。特に、電気分解時の温度が200℃以上であると、たんぱく質や尿素の分解効率が向上する。
なお、高温高圧電解装置4の電解処理水出口に背圧弁を設け、高温高圧電解装置3,4の電解処理水の圧力を上記範囲に調整する。
高温高圧下での電解時の電流条件は、被処理水の水質や用いる電極の種類、反応容器の構成等によっても異なるが、通常供給する直流電流の電流密度は、第1の高温高圧電解装置3の場合、1~4A/dm特に2~3A/dmが好適であり、第2の高温高圧電解装置4の場合、0.1~500A/dm、好ましくは1~50A/dmである。
電解時間は通常0.5~30hr、好ましくは0.5~2hrである。従って、被処理水を円筒状配管型容器の一端側から他端側へ通液して電気分解を行う一過式通液型の反応容器にあっては、被処理水の反応容器内の滞在時間が上記の好適な電解時間となるように流速を調節することが好ましい。
なお、高温高圧電解装置における具体的な線速は0.1~50m/hr、好ましくは1~20m/hrである。低温低圧での電気分解の場合には、電極に気泡が溜まるため、この気泡を取り除くために線速を大きくする必要があったが、高温高圧下での電気分解では、このような気泡の発生が抑制されるため、線速を大きくする必要はなく、装置の小型化を図ることができる。
このような高温高圧条件下での電気分解により、以下の反応で有機物や尿素、アンモニア等を分解するが、その際、本発明では上記の高温高圧条件で電気分解を行うために、電気分解時における酸素ガスや水素ガスの発生を抑制するとともに、過塩素酸等の酸化物質の生成を抑制することができる。また、酸素と水素から水を生成する条件に設定することで、水回収率を向上させることができる。
有機物→(酸化)→有機酸、CO
尿素→NH +CO 2-
2NH+3HClO→N+3HO+3HCl
なお、上記反応式中、HClOは被処理水(排水)に含まれる塩素イオンの電解反応(2Cl+HO→HClO+HCl+2e)により発生したものである。
上記の反応で生じた次亜塩素酸を利用して、たんぱく質等の有機物や尿素を分解し、後段の電気透析装置20で除去可能な有機酸、アンモニア等のイオンに変換することができる。このように、本発明によれば、高温高圧電解装置3,4において、後段の電気透析装置20では除去し得ない尿素を、高温高圧下の電気分解でアンモニアと炭酸に分解除去することができる。例えば、第1の高温高圧電解装置3で尿中のT-N濃度を1000mg/L以下にまで低減し、第2の高温高圧電解装置4でさらにTOCやT-Nを酸化分解することができる。
通常の電気分解では、無機イオンが酸化され、ClOやClO等の塩素酸化物が生成するが、本発明では、高温高圧条件で処理することにより、これらの酸化物質の生成が抑えられ、更に後段の電気透析装置6の負荷となるClOやClO等の塩素酸化物の生成を抑制することができる。
なお、この実施の形態では、第2の高温高圧電解装置4の後段に塩素酸や過塩素酸等を還元するための滞留槽5を設けているので、第2電解処理水中の塩素酸等の濃度がさらに低いものとなる。
高温高圧電解装置3,4の被処理水の昇圧においては、ガスを用いた昇圧などが考えられるが、閉鎖系空間内では設備、スペースなどが限られているため、ポンプを用いて昇圧することで目的の圧力を設定することによって装置の小型化、省スペース化が達成される。この場合、電気分解時の圧力は、被処理水を昇圧して第1の高温高圧電解装置3に送液する高圧ポンプと第2の高温高圧電解装置4の処理水出口に設けた背圧バルブの調整により制御することができる。
本発明において、高温高圧電解装置3,4は、被処理水を一過式で通液して処理するものであることが、循環式の場合に比べて設備コストや消費電力を抑えることができ、好ましい。即ち、循環式では、高圧を維持して循環する場合には、タンクを高圧仕様にする必要があり、また、圧を開放して循環する場合には、昇圧を繰り返す必要があり、通液ポンプの消費電力が過大となるが、一過式であればこのような問題が解消される。また、一過式であれば、循環式に比べ、液流速を遅くすることができる。そのため、脱気膜装置8内の滞留時間を確保しやすいため、脱気膜装置8を小型化することができる。
なお、循環式の装置とは、当該装置の流出水を当該装置の入口側へ返送して再度当該装置で処理する方式の装置を表し、一過式の装置とは、当該装置の流出水を当該装置及びその上流側へ返送することなく、後段の装置へ送給する装置を表す。いずれの方式の装置にあっても、装置間にタンクを設けてもよく、配管により送液するようにしてもよい。
高温高圧電解装置3,4は、前述の円筒状配管型の反応容器を複数個直列に連結して設置したものであってもよく、また、反応容器を複数個直列に連結した反応容器群を複数列並列に設置したものであってもよく、このようにして反応容器を複数個設けることにより、高温高圧電解装置3,4の処理水量、有機物等の分解量を高めることができる。また、各反応容器の入り口の有機物濃度に合わせ、各反応容器の電流条件を最適化することで、電流効率の向上、印加電圧の低減を図ることができ、消費電力を抑えることができる。
<滞留槽5>
この実施の形態では、高温高圧電解装置4からの第2電解処理水は滞留槽5を経て熱交換器2に導入される。
この滞留槽5では、電解処理水中の水素と塩素酸イオンや過塩素酸イオンとが反応し、塩素酸イオン及び過塩素酸イオンが還元される。これにより、後段に設置されることがある脱気膜やイオン交換膜、イオン交換樹脂などの劣化が防止される。滞留槽5の容積は、第2電解処理水の滞留時間0.05~2Hr特に0.1~1Hrとなる程度が好ましい。
なお、この実施の形態では、滞留槽5が配管6に設けられているが、配管7に設けられてもよい。
<第1の脱気膜装置8>
前述の通り、高温高圧電解装置3,4では、水の電気分解に由来して水素ガスが、また、有機物の電気分解に由来して二酸化炭素等のガスが発生する。
図1の水回収装置では、滞留槽5及び熱交換器2を通った第2電解処理水を第1の脱気膜装置8で脱気処理することにより、電解処理水中のガスを除去できる。
電解処理水の脱気手段としては、脱気膜装置の他、遠心分離装置などを用いることもできるが、コンパクトで脱気効率に優れることから、脱気膜装置が好ましい。脱気膜装置のガス透過側の室は真空ポンプで真空引きされる。
<中間タンク9>
第1の脱気膜装置8からの第1脱気処理水は、中間タンク9に貯留される。中間タンク9を設けることにより、高温高圧電解装置3,4と後段の電気透析装置20を同時に運転する必要がなくなり、最大消費電力を抑えたり、異なる処理流速に対応したりすることができるようになる。
<アニオン交換カラム10>
第1脱気処理水は、中間タンク9からアニオン交換カラム(アニオン交換樹脂が充填されたカラム)10に通水され、微量の塩素酸イオンや過塩素酸イオン等のアニオンをアニオン交換樹脂に吸着させて除去するアニオン交換処理が行われる。なお、アニオン交換樹脂をあらかじめOHではなくCl型またはSO型とすることで、このアニオン交換処理によりアニオン交換カラム10から流出するアニオン交換処理水のpHを大幅に変動させることなく塩素酸イオンや過塩素酸イオンなどを除去することができる。アニオン交換樹脂としては過塩素酸イオンの選択性が高いものを用いることが好ましい。
<拡散透析装置11>
アニオン交換カラム10からのアニオン交換処理水は、次いで拡散透析装置11に通水される。
この拡散透析装置11は、ケーシングと、該ケーシング内を主室と副室とに隔てるカチオン交換膜とを備えている。主室にアニオン交換カラム10からのアニオン交換処理水を通水し、副室に酸タンク31からの酸溶液を配管33,34によって循環通水する。これにより、酸溶液中のH(プロトン)がカチオン交換膜を透過して主室に拡散する一方、NaやKが酸溶液側に拡散することで、該主室内を流れる水のpHが低下する。この結果、アニオン交換カラム10からのアニオン交換処理水中に含まれていた炭酸イオンや重炭酸イオンが炭酸(CO)となる。
<第2の脱気膜装置12>
拡散透析装置11の主室から流出した拡散透析処理水は、次いで第2の脱気膜装置12に通水され、脱気処理され、炭酸(CO)が除去され、第2脱気処理水となる。第2の脱気膜装置12としては、第1の脱気膜装置8と同様のものが用いられる。
<電気透析装置20>
この実施の形態では、電気透析装置20は、直列に設置された第1の酸・アルカリ製造用の電気透析装置21及び第2の酸・アルカリ製造用の電気透析装置22を備えている。
以下、第1の酸・アルカリ製造用電気透析装置21を「第1電気透析装置21」と称し、第2の酸・アルカリ製造用電気透析装置22を「第2電気透析装置22」と称すことがある。
第2脱気処理水は、第1電気透析装置21の脱塩室に導入されて脱塩処理され、脱塩処理水は、第2電気透析装置22の脱塩室に導入されて更に脱塩処理され、脱塩処理水は処理水タンク23に送給される。
このように、酸・アルカリ製造用電気透析装置を2段以上直列に連結し、上流側の酸・アルカリ製造用電気透析装置21からの脱塩処理水を更に下流側の酸・アルカリ製造用電気透析装置22で脱塩処理するように、それぞれ一過式で通水処理することにより、下流側の酸・アルカリ製造用電気透析装置から、高水質の処理水を得ることができるようになる。
≪電気透析装置21,22の構成≫
第1電気透析装置21及び第2電気透析装置22は、図2に示すように、陽極と陰極の間に、それぞれ電極室及びバイポーラ膜BPMを介して、酸室、アニオン交換膜AM、脱塩室、カチオン交換膜CM、アルカリ室、バイポーラ膜(BPM)の繰り返し単位が、陽極側が酸室、陰極側がアルカリ室となるように設けられたものである。図2の通り、被処理水中の陰イオンXがアニオン交換膜AMを透過して酸室に移動し、陽イオンYがカチオン膜CMを透過してアルカリ室に移動し、脱塩室から脱塩水が得られると共に、酸室から酸溶液が、アルカリ室からアルカリ溶液が得られる。
なお、下流側の第2電気透析装置22の酸室及びアルカリ室にバルブ及び配管(図示略)によりそれぞれ第2電気透析装置22の処理水の一部を通水し、第2電気透析装置22の酸室から流出する酸溶液及びアルカリ室から流出するアルカリ溶液を、それぞれ配管26,28によって酸タンク31及びアルカリタンク32に導入する。
酸タンク31内の酸溶液は、配管25aを経て第1電気透析装置21の酸室に通水された後、配管25bを経て酸タンク31に循環される。アルカリタンク32内のアルカリ溶液は、配管27aにより第1電気透析装置21のアルカリ室に通水された後、配管27bによりアルカリタンク32に循環される。
このように、下流側の第2電気透析装置22の酸室及びアルカリ室に第2電気透析装置22の処理水の一部を通水し、第2電気透析装置22の酸室及びアルカリ室から流出する酸溶液及びアルカリ溶液を、それぞれ酸タンク31及びアルカリタンク32を経て上流側の第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室に通水するようにすることにより、第2電気透析装置22の脱塩室に隣接する酸室及びアルカリ室に、第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室よりもイオン濃度の低い清澄な水が流れるようになり、第2電気透析装置22の脱塩室において、より高度に脱塩処理することができるようになる。
また、各電気透析装置21,22で、脱塩水と酸、アルカリ溶液との濃度差が小さくなるため、イオンの濃度拡散の影響が小さく、脱塩効率が向上するため、電気消費量が低減され、また、浸透圧も小さくなるため、脱塩室から酸、アルカリ室への水の移動も少なくなり、水回収率も向上する。
第1電気透析装置21の電極水(陽極室の陽極水と陰極室の陰極水)は、第1電気透析装置21の陽極室及び陰極室から、それぞれ、第2電気透析装置22の陽極室、陰極室を循環するように構成されている。
なお、処理水タンク23からの処理水の一部が、バルブ及び配管(いずれも図示略)を経て電極室の補給水として送給される。
第1及び第2電気透析装置21,22における電気透析処理の処理条件は特に制限はないが、電流密度は0.1~10A/dm、特に1~5A/dm、とりわけ2~4A/dmが好ましい。処理温度は20~40℃、圧力は0~0.1MPa(G:ゲージ圧)、流速は10~200m/hr程度、流量は装置のサイズにより異なるが1~100mL/min程度とすることが好ましい。
酸タンク31内の酸溶液及びアルカリタンク32内のアルカリ溶液は、それぞれ、バルブ(図示略)、配管35,36及び配管24を経て、軟化装置1に送給可能とされている。この酸溶液及びアルカリ溶液は、軟化装置1のイオン交換樹脂の再生剤として利用される。
この実施の形態では、第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室と酸タンク31及びアルカリタンク32とで、酸溶液及びアルカリ溶液がそれぞれ循環するように構成している。これにより、高濃度の酸溶液とアルカリ溶液を第1電気透析装置21より得ることができるようになり、この高濃度の酸溶液及びアルカリ溶液を用いて、軟化装置1を効率的に再生処理することが可能となる。なお、同様に第2電気透析装置22の処理水質に影響を与えない流量の範囲で、第2電気透析装置22の酸室及びアルカリ室と酸タンク及びアルカリタンクとの間で、酸溶液及びアルカリ溶液がそれぞれ循環するように構成してもよい。
また、処理水タンク23内の処理水がバルブ(図示略)及び配管24を経て、再生剤のリンス水として軟化装置1に送給可能とされている。酸タンク31の酸溶液及びアルカリタンク32のアルカリ溶液は、処理水タンク23からの処理水との混合水として軟化装置1に送給され、再生剤として使用されてもよい。
[他の形態]
図1の電気透析装置では、第2電気透析装置22からの酸溶液及びアルカリ溶液は、酸タンク31及びアルカリタンク32に送給され、酸タンク31及びアルカリタンク32内の酸溶液及びアルカリ溶液が、それぞれ第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室に送給されるように構成されているが、第2電気透析装置22からの酸溶液及びアルカリ溶液は、酸タンク31及びアルカリタンク32を経由することなく、直接第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室に通水されてもよい。
また、下流側の第2電気透析装置22の酸室及びアルカリ室には、上流側の第1電気透析装置21の酸室及びアルカリ室よりもイオン濃度の低い水が通水されればよく、処理水又は純水で希釈した酸溶液やアルカリ溶液の他、別途系外から純水を導入して通水してもよい。
本発明で用いる電気透析装置20は、酸・アルカリ製造用電気透析装置を3段以上直列に連結したものであってもよい。
本発明では、図3のように、軟化装置1の軟化処理水を低温低圧の電解装置40にて電解処理した後、熱交換器2に供給してもよい。図3のその他の構成は図1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
低温低圧電解装置40の反応温度は20~40℃程度、反応圧力は0~0.1MPa(G)程度が好ましい。
本発明の態様ではないが、金属Pt(白金)板またはPtメッキ板を陽極及び陰極として用い、イオン交換膜を隔膜として用いた常温常圧電解槽を用い、尿中のT-N濃度を1,000mg/L以下にまで低減し、その後金属イリジウムを陽極として用いた高温高圧電解装置でさらにTOCやT-Nを酸化分解することも考えられる。
本発明の態様ではないが、高温高圧電解装置3,4のいずれか一方のみを設置してもよい。また、高温高圧電解装置4のみを用いる場合には、TOCやT-Nの濃度に応じてイリジウム白金電極と純イリジウム電極とを配分してもよい。ただし、純イリジウム電極のみとすることは好ましくない。さらに、高温高圧電解装置の陽極材を上記以外としてもよい。アニオン交換カラム10は、前段の高温高圧電解処理後に残留する微量のClO やClO を除去するものであるが、高温高圧電解処理工程において問題のないレベルにまで低く抑えられている場合には必ずしも必要ない。また、アニオン交換カラム10は、中間タンク9の前に設けても、第2の脱気膜装置12の後に設けてもよい。
1 軟化装置
2 熱交換器
3,4 高温高圧電解装置
5 滞留槽
8,12 脱気膜装置
9 中間タンク
10 アニオン交換カラム
20 電気透析装置
21,22 酸・アルカリ製造用電気透析装置
31 酸タンク
32 アルカリタンク
AM アニオン交換膜
CM カチオン交換膜
BPM バイポーラ膜

Claims (11)

  1. 排水を処理して処理水を生産水として回収する装置において、
    該排水中の硬度成分を除去する軟化装置と、
    該軟化装置の軟化処理水を、100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該軟化処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該軟化処理水中の被酸化性物質を分解して第1電解処理水とする第1の高温高圧電解装置と、
    該第1電解処理水を100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該第1電解処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該第1電解処理水中の被酸化性物質を分解して第2電解処理水とする第2の高温高圧電解装置と、
    該第2電解処理水を脱塩処理して脱塩水を得る電気透析装置とを備える水回収装置であって、
    前記第1及び第2の高温高圧電解装置は、陽極以外は少なくとも接液面がAl含有率が1~6%のチタン合金、溶融アルミめっきを施したチタン又は陽極酸化チタンよりなる
    ことを特徴とする水回収装置。
  2. 前記第1の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面が導電性ダイヤモンドよりなり、
    前記第2の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面がイリジウム又はイリジウム合金よりなる、請求項1の水回収装置。
  3. 前記イリジウム合金は、白金含有率が80~95%のイリジウム白金合金である請求項2の水回収装置。
  4. 前記第2の高温高圧電解槽からの第2電解処理水が導入される滞留槽が設けられており、前記第1及び第2の高温高圧電解装置で発生する水素により第2電解処理水中の塩素酸イオン又は過塩素酸イオンが該滞留槽にて還元される請求項1の水回収装置。
  5. 前記滞留槽を通った前記第2電解処理水と前記軟化装置からの軟化処理水とを熱交換させて該軟化処理水を加熱する熱交換器を有する請求項4の水回収装置。
  6. 前記電気透析装置の前段に、前記第2電解処理水が通水されるアニオン交換カラムが設置されている請求項1の水回収装置。
  7. 前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を有する請求項1の水回収装置。
  8. 前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を備えており、
    該第1脱気処理水が前記アニオン交換カラムに供給される請求項6の水回収装置。
  9. カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
    第2の脱気手段とを備えており、
    前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水するとともに、前記第2電解処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該第2電解処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
    この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される請求項1~5及び7のいずれかの水回収装置。
  10. カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
    第2の脱気手段とを備えており、
    前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水し、前記アニオン交換カラムからのアニオン交換処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該アニオン交換処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
    この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される請求項6又は8の水回収装置。
  11. 請求項1に記載の水回収装置で排水を処理して処理水を生産水として回収する水回収方法。
JP2022184263A 2022-11-17 水回収装置及び水回収方法 Pending JP2024073185A (ja)

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