JP2024071003A - 防曇剤、車両用ランプ構造体の防曇方法、及び車両用ランプ構造体 - Google Patents

防曇剤、車両用ランプ構造体の防曇方法、及び車両用ランプ構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】フォギングが生じにくい(優れた耐フォギング性を有する)防曇膜を形成することができる防曇剤、当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体の防曇方法、及び当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体を提供すること。【解決手段】シリカ粒子、及び、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aを含有する、防曇剤。シリカ粒子、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤、及びヒドロキシ基を有するソルビタン化合物を含有する、防曇剤。車両用ランプ構造体が備えるレンズ内表面に、当該防曇剤を塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥させる工程と、を備える車両用ランプ構造体の防曇方法。レンズ内表面に、当該防曇剤から形成される防曇膜を備える、車両用ランプ構造体。【選択図】なし

Description

本発明は、防曇剤、車両用ランプ構造体の防曇方法、及び車両用ランプ構造体に関する。
結露による曇りが発生する虞のある、自動車等の車両用ランプ構造体の灯室内に、界面活性剤を含む防曇剤組成物を塗布する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。界面活性剤を含む防曇剤により形成された防曇膜に水分が付着すると、界面活性剤の効果により水分が瞬時に水膜となり、曇りの発生が抑制される。
特開2016-027134号公報
ところで、車両用ランプ構造体は、レンズ、ランプハウジング、リフレクタ、カバー、パッキン等の密閉系のランプ部品を有している。ランプ部品を構成する材料、構造体の作製に使用される接着剤等が揮発性成分を含む場合、レンズ等に揮発性成分が付着して、白く曇る(フォギング)という問題が生じることがある。そして、フォギングが生じると、レンズ等に付着した揮発性成分によって塗膜の防曇性が低下する場合があることが判明した。
本発明の一側面は、フォギングが生じにくい(優れた耐フォギング性を有する)防曇膜を形成することができる防曇剤、当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体の防曇方法、及び当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、以下の[1]~[9]を含む。
[1]シリカ粒子、及び、
酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aを含有する、防曇剤。
[2]シリカ粒子、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤、及びヒドロキシ基を有するソルビタン化合物を含有する、防曇剤。
[3]前記シランカップリング剤が、下記一般式(1)~(3)のいずれかの式で表される化合物を含む、[1]又は[2]に記載の防曇剤。
Figure 2024071003000001

[式(1)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示す。]
Figure 2024071003000002

[式(2)中、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、bは、1~10の整数を示す。]
Figure 2024071003000003

[式(3)中、R31、R32、及びR33は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、cは、1~10の整数を示し、dは、1~10の整数を示す。]
[4]前記ソルビタン化合物が、ポリオキシエチレン基を有する、[1]~[3]のいずれか一つに記載の防曇剤。
[5]前記ソルビタン化合物が、ソルビタン脂肪酸エステル化合物である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の防曇剤。
[6]前記合成物Aの含有量が、前記シリカ粒子100質量部に対して、5~60質量部である、[1]及び[3]~[5]のいずれか一つに記載の防曇剤。
[7]ポリエーテル基を有するシランカップリング剤を更に含有する、[1]~[6]のいずれか一つに記載の防曇剤。
[8]車両用ランプ構造体が備えるレンズ内表面に、[1]~[7]のいずれか一つに記載の防曇剤を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を乾燥させる工程と、を備える車両用ランプ構造体の防曇方法。
[9]レンズ内表面に、[1]~[7]のいずれか一つに記載の防曇剤から形成される防曇膜を備える、車両用ランプ構造体。
上記の車両用ランプ構造体は、レンズ内表面に、耐水性及び耐湿性に優れる防曇膜を有することができる。
本発明の一側面によれば、フォギングが生じにくい(優れた耐フォギング性を有する)防曇膜を形成することができる防曇剤、当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体の防曇方法、及び当該防曇剤を用いた車両用ランプ構造体を提供することができる。
図1は、車両用ランプ構造体を模式的に表す図である。 図2は、合成物1の合成前後のIRチャートを示す図である。 図3は、合成物1の合成前後のIRチャートを示す図である。 図4は、防曇剤の評価方法を説明するための模式図である。 図5は、防曇剤の評価方法を説明するための模式図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下で例示する材料は、特に断らない限り、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<防曇剤>
<第一実施形態>
本発明の一実施形態に係る防曇剤は、シリカ粒子、及び、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aを含有する。本発明の一実施形態に係る防曇剤によれば、フォギングが生じにくい防曇膜を形成することができる。
このような効果が奏される理由について本発明者らは以下のとおり推察する。すなわち、まず、フォギングにより防曇膜の防曇性が低下するメカニズムとして、疎水性の揮発性成分によって防曇膜の表面に疎水性の膜が形成されることで、防曇膜の内部に水分が浸透しにくくなり、水膜形成が阻害されるためであると推察される。これに対して、上記の防曇剤によれば、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aが、シリカ粒子と共に配合されることによって、充分な親水性を有しつつ疎水性の部位が含まれる防曇膜を形成することができる。このような防曇膜においては、揮発性成分が膜の表面のみに付着せず、膜の内部にまで浸透することができると共に、水分も膜の内部にまで充分浸透することができると考えられる。これにより、フォギングによる防曇膜の防曇性の低下を抑制できると本発明者らは考えている。
(シリカ粒子)
シリカ粒子の形状は特に制限されない。シリカ粒子の形状としては、例えば、数珠状(パールネックレス状)、鎖状、球状、繭型、会合型、金平糖型が挙げられる。シリカ粒子の形状は、優れた耐フォギング性を実現しやすい観点から、数珠状(パールネックレス状)又は鎖状であってもよい。シリカ粒子は、コロイダルシリカであってもよい。
シリカ粒子は二酸化ケイ素以外の金属酸化物を含有していてもよい。金属酸化物としては、例えば、アルミナが挙げられる。このようなシリカ粒子としては、シリカゾルの安定化のためにアルミノシリケイトがコロイダルシリカ表面に強固に形成されたコロイダルシリカが挙げられる。
シリカ粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)は、1~1000nmであってもよい。平均粒子径が1nm以上であることにより、防曇剤中でシリカ粒子が凝集し難くなるため、基材にシリカ粒子が密着し易くなる。一方、平均粒子径が1000nm以下であることにより、シリカ粒子の比表面積が大きくなり、基材にシリカ粒子が密着し易くなる。これらの観点から、シリカ粒子の平均粒子径は、3~700nm、5~500nm、10~300nm、又は20~200nmであってもよい。
シリカ粒子の平均粒子径は、例えば、下記の手順により測定することができる。すなわち、シリカ粒子の分散液を100μL(Lはリットルを表す。以下同じ。)程度量り取り、シリカ粒子の含有量が0.05質量%前後(測定時透過率(H)が60~70%である含有量)になるようにイオン交換水で希釈して希釈液を得る。次いで、希釈液をレーザ回折式粒度分布計(株式会社堀場製作所製、商品名:LA-920、屈折率:1.93、光源:He-Neレーザ、吸収0)の試料槽に投入して、シリカ粒子の平均粒子径を測定することができる。
シリカ粒子は、シリカ粒子の分散液として入手可能である。分散媒としては、水、イソプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル等が挙げられる。分散媒は、上記の分散媒の混合液であってもよい。シリカ粒子の分散媒は、汎用性の観点から水であってもよい。
シリカ粒子の分散液のpHは2~10、4~9、6~8、又は2~5であってもよい。pHが2~10であることにより、シリカ粒子の表面にアルコキシ基が存在する場合、その加水分解反応速度が遅くなるため、アルコキシ基が残存したシリカ粒子を防曇膜にし易くなり、吸湿によるシラノール基の重縮合反応が抑制できることから、膜表面の防曇性(親水性)を維持し易い。
シリカ粒子の分散液のpHは、pHメーター(例えば、電気化学計器株式会社製、型番:PHL-40)で測定することができる。pHの測定値は、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃)、ホウ酸塩pH緩衝液 pH:9.18(25℃))を用いて、3点校正した後、電極を分散液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用する。
分散液中のシリカ粒子のゼータ電位は-50~40mVであってもよく、-50~-11mV、又は11~40mVであってもよい。シリカ粒子のゼータ電位が-50~-11mV、又は11~40mVであることにより、分散液中でシリカ粒子同士が反発し易くなり、シリカ粒子の凝集を抑制し易くなり、防曇剤を基材に塗布した際に、防曇性が向上する。
シリカ粒子のゼータ電位は、ゼータ電位測定器(例えば、ベックマン・コールター社製、型番:Coulter Delsa 440)で測定することができる。ゼータ電位の測定方法としては、シリカ粒子の濃度が試験液の全量基準で5ppmになるようにシリカ粒子の分散液に純水を加え、超音波処理によりシリカ粒子を分散させた試験液を準備する。次いで、両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに試験液を入れ、両電極に10Vの電圧を印加すると、電荷を持ったシリカ粒子は、その電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。電荷を持ったシリカ粒子の移動速度によりゼータ電位を算出することができる。
シリカ粒子の原料としては、水ガラス又はアルコキシシランであってもよい。原料が水ガラスの場合、シリカ粒子の作製工程は、例えば、珪酸ナトリウムを水熱合成法で加熱及び濃縮してシリカ粒子を作製する。具体的には、シリカ粒子は、酸性pHで一次粒子の成長を抑えた状態で三次元網目構造の凝集体を作製し、これを解砕して作製してもよく、アルカリ性pHで一次粒子の成長を速くしてブロック状の凝集体を作製し、これを解砕して作製してもよい。原料がアルコキシシランの場合、シリカ粒子の作製工程は、例えば、アルコキシシランをゾルゲル合成してシリカ粒子を作製する。具体的には、シリカ粒子は、アルコキシシランの加水分解反応を促進させた後に、重縮合反応を促進してゲルを得た後、熱処理により溶媒を取り除いて作製してもよく、ゲルを得た後、所定の溶剤に溶媒置換をして作製してもよい。
シリカ粒子の分散液としては市販品を用いてよく、例えば、日産化学株式会社製のST-PS-SO、ST-PS-MO、ST-PS-M、ST-PS-S、ST-UP、ST-OUP、IPA-ST-UP、MA-ST-UP、PGM-ST-UP、MEK-ST-UP、IPA-ST、IPA-ST-L、IPA-ST-ZL、MA-ST-M、MA-ST-L、MA-ST-ZL、EG-ST、EG-ST-XL-30、NPC-ST-30、PGM-ST、DMAC-ST、DMAC-ST-ZL、NMP-ST、TOL-ST、MEK-ST-40、MEK-ST-L、MEK-ST-ZL、MIBK-ST、MIBK-ST-L、CHO-ST-M、EAC-ST、PMA-ST、MEK-EC-2130Y、MEK-EC-2430Z、MEK-EC-2140Z、MEK-AC-4130Z、MEK-AC-5140Z、PGM-AC-2140Y、PGM-AC-4130Y、MIBK-AC-2140Z、MIBK-SD-L、ST-XS、ST-OXS、ST-NXS、ST-CXS、ST-S、ST-OS、ST-NS、ST-30、ST-O、ST-N、ST-C、ST-AK、ST-50-T、ST-O-40、ST-N-40、ST-CM、ST-30L、ST-OL、ST-AK-L、ST-YL、ST-OYL、ST-AK-YL、ST-ZL、MP-1040、MP-2040、MP-4540M;扶桑化学株式会社製のPL-1-IPA、PL-1-TOL、PL-2L-PGME、PL-2L-MEK、PL-2L、PL-3、PL-4、PL-5、PL-1H、PL-3H、PL-5H、BS-2L、BS-3L、BS-5L、HL-2L、HL-3L、HL-4L、PL-3-C、PL-3-D;多摩化学工業株式会社製のTCSOL800;日揮触媒化成株式会社製のSI-40、SI-50、SI-45P、SI-80P、SIK-23、S-30H、SIK-15、SI-550等が挙げられる。
シリカ粒子の含有量は、防曇剤の固形分の全量を基準として、防曇性が優れる観点から、0.5質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上であってもよい。シリカ粒子の含有量は、防曇剤の固形分の全量を基準として、シリカ粒子同士のシラノール基の重縮合反応が抑制され、防曇性(親水性)が維持し易くなる観点から、20質量%以下、17質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。これらの観点から、シリカ粒子の含有量は、防曇剤の固形分の全量を基準として、0.5~20質量%、1.5~15質量%、又は3~10質量%であってもよい。
(合成物A)
防曇剤は、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤(以下、このシランカップリング剤を「シランカップリング剤A」ともいう)と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物(以下、このソルビタン化合物を「ソルビタン化合物A」ともいう)と、を反応させて得られる合成物Aを含有する。
[シランカップリング剤A]
酸無水物基を有するシランカップリング剤は、例えば、一般式(1)で表されるシランカップリング剤であってもよい。
Figure 2024071003000004

[式(1)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示す。]
式(1)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であってもよい。aは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
酸無水物基を有するシランカップリング剤としては、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学工業株式会社製X-12-967C等)などが挙げられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤は、例えば、一般式(2)又は一般式(3)で表されるシランカップリング剤であってもよい。
Figure 2024071003000005

[式(2)中、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、bは、1~10の整数を示す。]
Figure 2024071003000006

[式(3)中、R31、R32、及びR33は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、cは、1~10の整数を示し、dは、1~10の整数を示す。]
式(2)中、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、又はエチル基であってもよい。bは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
式(3)中、R31、R32、及びR33は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、又はエチル基であってもよい。cは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。dは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-403等)、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-4803等)、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-403等)、KBE-402、X-12-981S、X-12-984S(いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
[ソルビタン化合物A]
ソルビタン化合物Aは、ヒドロキシ基を1つ以上有するソルビタン化合物である。ソルビタン化合物Aが有するヒドロキシ基の数は、2以上又は3以上であってもよく、4以下又は3以下であってもよい。
ソルビタン化合物Aは、ポリオキシエチレン基を有するものであってもよい。ソルビタン化合物Aがポリオキシエチレン基を有する場合、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位(オキシエチレン基)の数は、3以上、5以上、又は6以上であってもよく、30以下、25以下、又は20以下であってもよい。
ソルビタン化合物Aは、ソルビタンと脂肪酸のエステルであるソルビタン脂肪酸エステル化合物であってもよい。脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、及びリノール酸が挙げられる。
ソルビタン化合物Aがソルビタン脂肪酸エステル化合物である場合、ソルビタン化合物Aが有するエステル基の数は、1以上であってもよく、3以下、又は2以下であってもよい。
ソルビタン化合物Aは、ポリオキシエチレン基を有するソルビタン脂肪酸エステル化合物であってもよい。ポリオキシエチレン基を有するソルビタン脂肪酸エステル化合物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(花王株式会社製のTW-L120、TW-L106等)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(花王株式会社製のTW-O120、TW-O106等)が挙げられる。
合成物Aの構造は、シランカップリング剤Aの構造、及び、ソルビタン化合物Aの構造に応じて決定される。合成物Aは、例えば、一般式(4)~(6)のいずれかの式で表される化合物を含んでいてもよい。合成物Aは、一般式(4)~(6)のいずれかの式で表される化合物の縮合物を含んでいてもよく、一般式(4)~(6)のいずれかの式で表される化合物と、シランカップリング剤Aとの縮合物を含んでいてもよい。
Figure 2024071003000007

[式(4)中、R41、R42、及びR43は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、R44、及びR45は、それぞれ独立に水素原子、又は1価の有機基を示し、eは、1~10の整数を示す。]
Figure 2024071003000008

[式(5)中、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、R54は、水素原子、又は1価の有機基を示し、fは、1~10の整数を示す。]
Figure 2024071003000009

[式(6)中、R61、R62、及びR63は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、R64は、水素原子、又は1価の有機基を示し、gは、1~10の整数を示し、hは、1~10の整数を示す。]
式(4)中、R41、R42、及びR43は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、又はエチル基であってもよい。R44及びR45は、それぞれ独立に水素原子、又はソルビタン化合物Aに由来する構造であってもよい。eは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
式(5)中、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、又はエチル基であってもよい。R54は、水素原子、又はソルビタン化合物Aに由来する構造であってもよい。fは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
式(6)中、R61、R62、及びR63は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、又はエチル基であってもよい。R64は、水素原子、又はソルビタン化合物Aに由来する構造であってもよい。gは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。hは、1~8、1~5、又は1~3の整数であってもよい。
合成物Aは、例えば、シランカップリング剤Aと、ソルビタン化合物Aとを40~100℃の環境下で0.5~24時間撹拌することにより作製することができる。シランカップリング剤Aとソルビタン化合物Aとの混合比率は、ソルビタン化合物A100質量部に対して、シランカップリング剤Aが10~200質量部、又は30~100質量部であってもよい。
合成物Aを合成するときの条件は、例えば、IRチャートにおいて確認できるピーク位置の変化により調整することができる。具体的には、シランカップリング剤Aが酸無水物基を有する場合、合成前のIRチャートにおいて、酸無水物基のピークである1780cm-1付近のピーク、及び1850cm-1付近のピークが、合成後のIRチャートにおいて小さくなっていることにより合成反応の進行を確認することができる。また、シランカップリング剤Aがエポキシ基を有する場合、合成前のIRチャートにおいて、エポキシ基のピークである910cm-1のピークが、合成後のIRチャートにおいて小さくなっていることにより合成反応の進行を確認することができる。
合成物Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、1質量部以上、3質量部以上、5質量部以上、12質量部以上、15質量部以上、20質量部以上、又は25質量部以上であってもよく、100質量部以下、80質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、又は40質量部以下であってもよい。合成物Aの含有量は、シリカ粒子100質量部に対して、1~100質量部、5~60質量部、又は15~40質量部であってもよい。
合成物Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、後述のシランカップリング剤B100質量部に対して、10質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、又は100質量部以上であってもよく、500質量部以下、300質量部以下、200質量部以下、又は150質量部以下であってもよい。合成物Aの含有量は、後述のシランカップリング剤B100質量部に対して、10~500質量部、又は50~200質量部であってもよい。
合成物Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、防曇剤の固形分の全量を基準として、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上であってもよく、40質量%以下、30質量%以下、28質量%以下、又は26質量%以下であってもよい。合成物Aの含有量は、防曇剤の固形分の全量を基準として、1~40質量%、又は4~26質量%であってもよい。
防曇剤は、酸無水物基を有するシランカップリング剤、及びエポキシ基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤(すなわち、シランカップリング剤A以外のシランカップリング剤。以下、このシランカップリング剤を「シランカップリング剤B」ともいう)を含有してもよい。シランカップリング剤Bは、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。シランカップリング剤Bは、例えば、一般式(7)で表される化合物であってもよい。
Figure 2024071003000010

[式(7)中、R71は、1価の有機基を示し、R72は炭素数1~3のアルキル基を示し、iは1~3の整数を示し、jは1~3の整数を示し、且つi+j=4である。]
式(7)中、jが2以上の場合、複数あるR72は同じであってもよく、異なっていてもよい。
71としては、例えば、C1~C30の分岐又は直鎖のアルキル基、アルケニル基、C3~C10のシクロアルキル基、C6~C10のアリール基、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、メルカプト基、及びフルオロ基が挙げられる。
C1~C30の分岐又は直鎖のアルキル基を有するシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-13等)、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-3033等)、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-3063等)、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-3103C等)、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ステアリルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-13等)、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-3033等)、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-3063等)、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-3083等)、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ステアリルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アルケニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-1003等)、ビニルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-1003等)、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシランなどが挙げられる。
C6~C10のアリール基を有するシランカップリング剤としては、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-103,KBM-202SS,KBE-103,KBE-202等)、p―スチリルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-1403等)などが挙げられる。
アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-5103等)、X-12-1048、X-12-1050(いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
メタクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-503等)、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-5803等)、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-503等)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-502等)、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-502等)などが挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-903等)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-903等)、N―2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-603等)、N―2-(アミノエチル)-8-アミノオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-6803等)、N―2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-603等)、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-573等)、N―2-(アミノエチル)―3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-602等)、N―2-(アミノエチル)―3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-602等)、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-575等)、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン(信越化学工業株式会社製KBE-9103P等)、X-12-972F(商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
ウレイド基を有するシランカップリング剤としては、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-585A等)などが挙げられる。
イソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE-9007等)、X-12-1159L(商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
イソシアヌレート基を有するシランカップリング剤としては、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(信越化学工業株式会社製KBM-9659等)などが挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-803等)、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-802等)、X-12-1154、X-12-1156(商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
フルオロ基を有するシランカップリング剤としては、3,3,3―トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM-7103等)などが挙げられる。
シランカップリング剤Bは、ポリエーテル基を有するシランカップリング剤であってもよく、一般式(8)で表される化合物であってもよい。
Figure 2024071003000011

[式(8)中、R81、R82、R83及びR84は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、L81及びL82は、それぞれ独立に炭素数1~6のアルキレン基を示し、kは、3~25の整数を示す。]
81、R82、R83及びR84は、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であってもよい。L81及びL82は、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基であってもよい。kは、10~20であってもよく、11~15であってもよい。
一般式(8)で表されるシランカップリング剤としては、A1230(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同株式会社製)、X-12-641(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤Bの含有量は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、1質量部以上、5質量部以上、8質量部以上、又は10質量部以上であってもよく、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、又は20質量部以下であってもよい。シランカップリング剤Bの含有量は、シリカ粒子100質量部に対して、1~50質量部、又は8~30質量部であってもよい。
シランカップリング剤Bの含有量は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、合成物A100質量部に対して、10質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、又は80質量部以上であってもよく、500質量部以下、400質量部以下、300質量部以下、又は200質量部以下であってもよい。シランカップリング剤Bの含有量は、バインダー化合物100質量部に対して、10~500質量部、又は50~300質量部であってもよい。
シランカップリング剤Bの含有量は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、防曇剤の固形分の全量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、又は7質量%以上であってもよく、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、又は13質量%以下であってもよい。シランカップリング剤Bの含有量は、防曇剤の固形分の全量を基準として、1~30質量%、又は5~15質量%であってもよい。
(バインダー化合物)
防曇剤は、バインダー化合物を含有してもよい。バインダー化合物とは、シリカ粒子と結合し、架橋することで防曇膜の強度を向上させる化合物を指す。バインダー化合物としては、エポキシ化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルピロリドン共重合体)、ポリアミン系樹脂、セルロース、デキストリン、セルロースナノファイバー、シリケートオリゴマー、シリケートポリマー等が挙げられる。バインダー化合物は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダー化合物は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、エポキシ化合物であってもよい。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。
シランオリゴマーとしては、エチルシリケート40、エチルシリケート48、EMS-485、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、コルコートPX、コルコートN-103X(以上、コルコート株式会社製。)等が挙げられる。
バインダー化合物の含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、0.1~1000質量部、0.5~500質量部、又は1~100質量部であってもよい。
バインダー化合物の含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、防曇剤の固形分の全量を基準として、0.1~30質量%、0.3~20質量%、又は0.5~10質量%であってもよい。
(金属触媒)
防曇剤は、金属触媒を更に含有してよい。金属触媒は、結合促進材料として機能し、防曇剤が金属触媒を含有することにより、耐湿性及び耐水性に優れた防曇膜をより形成し易くなる。
金属触媒としては特に制限されず、公知の金属触媒から選択することができる。金属触媒としては、例えば、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、スズ化合物等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、例えば、CR12(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)、Ni(AcAc)等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等が挙げられる。
スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート等が挙げられる。
金属触媒は、防曇膜の耐湿性及び耐水性がより優れる観点から、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、ニッケル化合物であってもよい。防曇剤が金属触媒としてジルコニウム化合物、及びアルミニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することにより、シリカ粒子(例えば、コロイダルシリカ)との結合点が多くなるため、より強固な結合を形成し易くなる。
金属触媒は、市販品であってもよい。例えば、ジルコニウム化合物としてはZC-150(マツモトファインケミカル株式会社製)、チタン化合物としてはTC-310(マツモトファインケミカル株式会社製)、アルミニウム化合物としてはAl-M(川研ファインケミカル株式会社製)、ニッケル化合物としてはアセチルアセトンニッケル(II)水和物(東京化成工業株式会社製)などが挙げられる。
金属触媒の含有量は、防曇膜の耐湿性及び耐水性がより優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、0.01~5.0質量部であってもよく、0.05~2.0質量部であってもよく、0.1~1.5質量部であってもよい。
金属触媒の含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、バインダー化合物100質量部に対して、1質量部以上、5質量部以上、又は8質量部以上であってもよく、30質量部以下、20質量部以下、又は15質量部以下であってもよい。金属触媒の含有量は、バインダー化合物100質量部に対して、1~30質量部、又は8~15質量部であってもよい。
金属触媒の含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、合成物A100質量部に対して、0.1質量部以上、0.5質量部以上、又は1質量部以上であってもよく、30質量部以下、25質量部以下、20質量部以下、15質量部以下、又は10質量部以下であってもよい。金属触媒の含有量は、合成物A100質量部に対して、0.1~30質量部、又は1~20質量部であってもよい。
(その他の添加剤)
本実施形態の防曇剤は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、分岐構造を有する有機リン酸エステル及び分岐構造を有する有機スルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも一種の添加剤を更に含んでいてもよい。有機リン酸エステルは、エステル部に分岐構造を有してもよい。分岐構造としては、分岐状のアルキル基であってもよい。
分岐構造を有する有機リン酸エステルとしては、例えば、下記一般式(AD-1)で表される化合物が挙げられる。
P(=O)(OR …(AD-1)
式(AD-1)中、Rは、分岐構造を有する有機基を示す。Rとしては、炭素数1~15の分岐状のアルキル基であってもよい。一般式(AD-1)で表される化合物としては、リン酸トリスエチルヘキシルが挙げられる。
分岐構造を有する有機スルホン酸塩としては、例えば、下記一般式(AD-2)で表される化合物が挙げられる。
-S(=O)・M …(AD-2)
式(AD-1)中、Rは、分岐構造を有する有機基を示し、Mは、Na等の金属原子を示す。一般式(AD-2)で表される化合物としては、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸ジエステル塩、アルキル(C12-14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
添加剤の含有量は、防曇膜の耐フォギング性が優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、0.1~10質量部であってもよい。
本実施形態の防曇剤は、酢酸又はその塩を更に含有してもよい。酢酸及びその塩の合計の含有量は、溶液のpH調整及び防曇膜の耐水性等の特性の観点から、シリカ粒子100質量部に対して、1~50質量部であってもよく、3~30質量部であってもよく、5~20質量部であってもよい。
本実施形態に係る防曇剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含んでよい。防曇剤は、原料を調製する際に用いられる消泡剤、触媒等として、酢酸の他に、硝酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、りんご酸、酢酸、乳酸、コハク酸、安息香酸、アンモニア、尿素、イミダゾール、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酢酸ナトリウム等を含んでもよい。防曇剤の粘度を調整する観点から、防曇剤は増粘剤を含有してもよい。
防曇剤(及び後述の親水化剤)は、非界面活性剤系としてもよい。非界面活性剤系とは、防曇剤の成分として知られている界面活性剤の含有量が、防曇剤の固形分の全量を基準として、1質量%以下であることを意味する。防曇剤は、界面活性剤を含有しなくてもよい(界面活性剤の含有量が、防曇剤の固形分の全量を基準として、実質的に0質量部であってもよい)。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。
(液状媒体)
防曇剤は、液状媒体を含有してよい。液状媒体は、防曇剤中にてシリカ粒子の分散、合成物Aの溶解等を担う媒体であってもよい。液状媒体の沸点は、液状媒体が防曇膜形成時の加熱により揮発し、シリカ粒子同士が接近し、シリカ粒子同士の結合が形成され易くなる観点から、185℃以下であってもよい。液状媒体としては、シリカ粒子の分散液に含まれる分散媒と同じものでよく、異なるものであってもよい。
液状媒体としては、例えば、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブチルアルコール、2-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等のアルコール類;ポリエチレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;シクロヘキサン等の環状炭化水素類;アセトニトリルなどが挙げられる。
液状媒体は、シリカ粒子の分散液に均一分散できるものであってもよい。例えば、シリカ粒子の分散液の分散媒が水である場合、液状媒体はエチレングリコールモノブチルエーテル等であってもよい。
<第二実施形態>
本発明の一実施形態において、防曇剤は、シリカ粒子及び合成物Aを含有するが、合成物Aに代えて、シランカップリング剤A、及びソルビタン化合物Aを含有してもよい。すなわち、本発明の他の一実施形態は、シリカ粒子、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤、及びヒドロキシ基を有するシランカップリング剤を含有する防曇剤である。第二実施形態に係る防曇剤の具体的態様については、以下の記載に加えて、第一実施形態に係る防曇剤に関する記載を参照することができる。
シランカップリング剤Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、ソルビタン化合物A100質量部に対して、1質量部以上、5質量部以上、又は10質量部以上であってもよく、200質量部以下、100質量部以下、50質量部以下、30質量部以下、又は15質量部以下であってもよい。
シランカップリング剤Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、0.5質量部以上、又は1質量部以上であってもよく、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、3質量部以下、又は1.5質量部以下であってもよい。
シランカップリング剤Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、防曇剤の固形分の全量を基準として、0.1質量%以上、0.5質量%以上、0.8質量%以上、又は1質量%以上であってもよく、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、又は1.2質量%以下であってもよい。
シランカップリング剤Aとして、酸無水物基を有するシランカップリング剤、及びエポキシ基を有するシランカップリング剤のうちの複数のシランカップリング剤を用いる場合、これらの合計の含有量が、上述した条件を満たしていてもよい。
ソルビタン化合物Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、シリカ粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、0.5質量部以上、又は1質量部以上であってもよく、1000質量部以下、500質量部以下、又は100質量部以下であってもよい。
ソルビタン化合物Aの含有量は、防曇膜の耐水性及び耐湿性がより優れる観点から、防曇剤の固形分の全量を基準として、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上であってもよく、30質量%以下、20質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。
<車両用ランプ構造体の防曇方法>
本実施形態に係る防曇剤は、車両用ランプ構造体の防曇に用いることができる。車両用ランプ構造体の防曇方法としては、例えば、車両用ランプ構造体が備えるレンズ内表面に防曇剤を塗布し、塗膜を形成する工程(塗布工程)と、塗膜を乾燥させる工程(乾燥工程)と、を備えてよい。塗布工程に先立ち、レンズの表面に付着している離型剤を除去する目的で洗浄工程を更に備えてもよい。
(洗浄工程)
洗浄工程にて使用する洗浄液は特に限定されない。車両用ランプ構造体が備えるレンズ内の表面基材がポリカーボネートである場合、ポリカーボネート基材を溶かさない液体であればよく、例えば、水、アルコール類等であってもよい。より具体的には、水、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等であってもよい。洗浄工程は、洗浄液を染み込ませた布等を用いて基材を拭く工程を備えてよい。
(塗布工程)
塗布工程は、例えば、車両用ランプ構造体が備えるレンズ内表面に防曇剤を塗布する工程であり、防曇剤は、レンズ内表面全体に塗布してもよく、選択的に一部に塗布してもよい。
防曇剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、グラビアコート法等であってもよい。防曇剤を布等に染み込ませて塗布してもよい。防曇剤の塗布方法は、凹凸のある被処理面にも均一な厚さの塗膜を形成し易い観点、生産性が高く、防曇剤の使用効率が高い観点から、スプレーコート法であってもよい。これらの方法は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
塗布量は防曇剤の成分、その含有量等に依るため限定されるものではないが、例えば、10-9~10g/mであってもよい。
塗布工程で用いる防曇剤の温度は、例えば、1~50℃、又は10~30℃であってもよい。防曇剤の温度が1℃以上であることにより、防曇性と密着性とを更に向上し易く、50℃以下であることにより、防曇膜の透明性が向上し易い。防曇剤による処理時間は、例えば、1秒間~1時間、又は5~30分間であってもよい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、防曇剤を塗布した後、防曇剤から液状媒体を揮発させる工程であってもよい。液状媒体は、常温(例えば20℃)で放置することで揮発させることができる。乾燥工程は、より高温で実施することにより、レンズ内表面と防曇膜の密着性を更に向上させることができる。乾燥工程の温度は、レンズの耐熱温度に応じて調整することができ、例えば、5~300℃、又は10~200℃であってもよい。温度が5℃以上であることにより、密着性をより向上させることができ、300℃以下であることにより、熱による劣化をより抑制することができる。乾燥時間は30秒間~150時間とすることができる。本工程により、レンズ内表面に、合成物A及びシリカ粒子を含む防曇膜が形成される。すなわち、本発明の他の一実施形態は、上述した防曇剤から形成される防曇剤である。防曇膜は、シリカ粒子、及び、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aを少なくとも含有する。
防曇膜の厚さは、特に限定されるものではないが、透明性、防曇性等の観点から、1nm~1000μm、5nm~10μm、又は10nm~1μmであってもよい。防曇膜の膜厚は、例えば、非接触式膜厚計Optical NanoGauge C13027(浜松ホトニクス株式会社製)により測定することができる。
防曇膜の水接触角は、超純水の液滴1μLに対し40°以下とすることができ、防曇性が優れる観点から、20°以下、又は10°以下であってもよい。水接触角は、接触角計を用いた10回の測定の平均値により算出することができる。
防曇膜の可視光透過率は、85%以上、90%以上、又は95%以上であってもよい。防曇膜の可視光透過率が85%以上であることにより、車両用ランプの輝度を充分に高く維持することができる。防曇膜の可視光透過率は、例えば、U-3500型自記分光光度計(株式会社日立製作所製)により測定することができる。
防曇膜のヘイズは、6.0以下、3.0以下、又は1.0以下であってもよい。防曇膜のヘイズが6.0以下であることにより、車両用ランプの輝度を充分に高く維持することができる。防曇膜のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(NDH2000 日本電色工業株式会社製)により測定することができる。
防曇膜のYIは、4.0以下、3.0以下、又は1.5以下であってもよい。防曇膜のYIが4.0以下であることにより、車両用ランプの輝度を充分に高く維持することができる。防曇膜のYIは、例えば、色度計測器(300A、日本電色工業株式会社製)により測定することができる。
図1は、車両用ランプ構造体を模式的に表す図である。当該車両用ランプ構造体のレンズ内表面には、本実施形態に係る防曇剤を用いて防曇処理が施されている。すなわち、車両用ランプ構造体は、レンズ内表面に、防曇剤から形成される防曇膜を備える。図1に示すランプ構造体10は、一方が開放された凹部状に構成されたランプハウジング3と、ランプハウジング3の開放側を塞ぐレンズ1と、を備える。レンズ1の材質は、例えばポリカーボネートである。ランプハウジング3とレンズ1とにより、灯室Sが形成される。ランプハウジング3には、灯室S内に配置される光源4が取り付けられている。光源4としては、白熱バルブ、LEDバルブ、ハロゲンバルブ等が適宜採用される。灯室S内には、図に示すように、光源4の光に対する反射板として機能するリフレクタ5が、光源4を後側から包囲するように設けられていてよい。レンズ1の内表面、すなわち灯室Sと対向する面には、上記防曇剤により形成された防曇膜2が設けられている。防曇膜2は、レンズ1内表面全体に設けられていてもよく、図1に示すように一部に選択的に設けられていてもよい。ランプ構造体10によれば、例えば、光源4の周囲及び/又は後側にゴム材のカバー等が設けられている場合であっても、防曇膜2は長期にわたって充分な防曇性を有することができる。
<親水化剤>
本実施形態に係る防曇剤は対象表面を親水化することができるため、親水化剤として用いることもできる。親水化剤は、シリカ粒子、及び合成物Aを含有する処理剤であってもよく、シリカ粒子、シランカップリング剤A、及びソルビタン化合物Aを含有する処理剤であってもよい。親水化剤の具体的態様については、上述した防曇剤に関する記載を参照することができる。本実施形態に係る防曇剤は、結露防止剤、着雪防止剤、防汚剤等としても用いることができる。
親水化剤を用いることで、基材表面を親水化することができる。親水化された表面は、フォギング試験後も親水性が低下しにくく、水分が付着したときには良好な水膜を形成することができる。これにより、揮発性成分に晒されるような環境下であっても、基材に曇りが発生することを抑制することができる。基材に対する処理は上述した防曇方法と同様に行うことができる。
基材を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、アクリルポリマー、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリイミド、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料;アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル等の金属材料;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル等の無機材料;ガラス等が挙げられる。そのような基材を備える物品としては、上記車両用ランプ構造体(自動車用ヘッドライト等)の他、車両のフロントガラス、眼鏡、ゴーグル、鏡、収納容器、窓、カメラレンズなどが挙げられる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
<合成物の作製>
(合成物1)
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製、商品名:TW-L120)4.00gと、酸無水物基を有するシランカップリング剤(信越化学株式会社製、商品名:X-12-967C)1.28gと、を含む反応溶液を得た後、反応溶液を反応器に投入し、80℃にて1時間攪拌した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、合成物1を得た。合成物1の合成前後のIRチャートを図2、3に示す。図2、3から、合成前のIRチャートにおける酸無水物基のピークである1780cm-1付近のピークと1850cm-1付近のピークとが消失したことにより合成反応が進行していることを確認できた。また、合成前後のIRチャートにおいて、1735cm-1付近のピーク強度が合成前よりも合成後において大きくなったことを確認した。
(合成物2)
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートTW-L120に代えてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製、商品名:TW-L106)3.00gを用いたこと、及びシランカップリング剤X-12-967Cの添加量を1.93gに変更したこと以外は、合成物1と同様にして、合成物2を得た。
(合成物3)
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートTW-L120に代えてポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王株式会社製、商品名:TW-O120)4.00gを用いたこと、及びシランカップリング剤X-12-967Cの添加量を1.20gに変更したこと以外は、合成物1と同様にして、合成物3を得た。
(合成物4)
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートTW-L120に代えてポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王株式会社製、商品名:TW-O106)3.00gを用いたこと、及びシランカップリング剤X-12-967Cの添加量を1.70gに変更したこと以外は、合成物1と同様にして、合成物4を得た。
(合成物5)
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートTW-L120を3.00gと、酸無水物基を有するシランカップリング剤X-12-967Cを0.96gと、純水1.32gとを含む反応溶液を得た後、反応溶液を反応器に投入し、60℃にて2時間攪拌した。
(合成物6)
スクロース(和光純薬株式会社製)を2.00gと、酸無水物基を有するシランカップリング剤X-12-967Cを1.53gと、純水1.18gとを含む反応溶液を得た後、反応溶液を反応器に投入し、60℃にて2時間攪拌した。
<防曇剤の作製>
(実施例1)
水分散シリカゾルであるST-OUP(日産化学株式会社製、15質量%)6.67gと、合成物1の10質量%水溶液3.75gと、酢酸0.10gと、水0.22gと、IPA9.26gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水5.30gと、IPA19.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル4.85gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例2)
ST-OUP6.67gと、合成物1の10質量%水溶液0.50gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.10gと、酢酸0.10gと、水1.79gと、IPA10.84gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水3.88gと、IPA12.24gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.88gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例3)
ST-OUP6.67gと、合成物1の10質量%水溶液1.25gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.10gと、酢酸0.10gと、水2.54gと、IPA9.34gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.26gと、IPA13.87gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.87gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例4)
ST-OUP6.67gと、合成物1の10質量%水溶液2.50gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.20gと、酢酸0.10gと、水1.31gと、IPA9.22gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.31gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.84gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例5)
ST-OUP6.67gと、合成物2の10質量%水溶液2.50gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.20gと、酢酸0.10gと、水1.31gと、IPA9.22gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.31gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.84gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例6)
ST-OUP6.67gと、合成物2の10質量%水溶液2.50gと、酢酸0.10gと、水1.31gと、IPA9.22gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.31gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.84gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例7)
ST-OUP6.67gと、合成物3の10質量%水溶液3.75gと、酢酸0.10gと、水0.22gと、IPA9.26gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.29gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.85gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例8)
ST-OUP6.67gと、合成物3の10質量%水溶液2.50gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.20gと、酢酸0.10gと、水1.31gと、IPA9.22gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.31gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.84gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例9)
ST-OUP6.67gと、合成物4の10質量%水溶液2.50gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.20gと、酢酸0.10gと、水1.31gと、IPA9.22gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.31gと、IPA13.85gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.84gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例10)
ST-OUP6.67gと、合成物5の10質量%水溶液1.00gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.10gと、酢酸0.10gと、水4.66gと、IPA7.47gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水0.38gと、IPA15.75gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.87gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(実施例11)
ST-OUP6.67gと、酢酸0.10gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.10gと、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製、商品名:TW-L120)0.08gと酸無水物基を有するシランカップリング剤(信越化学株式会社製、商品名:X-12-967C)0.02gと、水3.68gと、IPA9.35gを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.26gと、IPA13.87gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.87gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
(参考例1)
ST-OUP6.67gと、合成物6の10質量%水溶液1.00gと、シランカップリング剤(モメンティブ社製、商品名:A1230)0.10gと、酢酸0.10gと、水2.78gと、IPA9.35gとを混合し、2時間攪拌し、母液を得た。
水2.26gと、IPA13.87gと、エチレングリコールモノブチルエーテル3.87gとを混合して、希釈液を調製した。この希釈液と母液とを混合して塗布液を得た。
<ポリカーボネート基材への防曇膜の形成>
ポリカーボネート製の10cm角×2mm厚の基板をイソプロピルアルコールで洗浄した。アプリケータを用いて、各例で得られた塗布液を基板に塗布し、110℃で30分加熱することで、厚さ100~1000nmの防曇膜付きポリカーボネート基板を供試材として得た。
<評価>
供試材について、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
(防曇指数)
図4に示す装置を用い、下記の撮影条件で防曇性評価用画像及び基準画像を得た。得られた評価用画像及び基準画像を用いて下記に示す算出方法で防曇指数AFIを算出した。
[撮像条件]
サンプル画像:黒色の正方形と白色の正方形との市松模様、正方形の辺の長さ0.5mm
水の温度:40℃
距離D1:1.5cm
深さD2:1cm
距離D3:17cm(サンプル画像から最前のレンズの中央表面までの距離)
デジタルカメラ:Canon PowerShot SX70 HS(35mmフィルム換算での焦点距離:15mm、保存画像:大きさ1824×1824ピクセル、保存形式jpg)、1824×1824ピクセルの画像中に正方形が4900個含まれるように撮像。
防曇性評価用画像:供試材を配置して10秒経過後に撮影。
基準画像:防曇剤で処理していないポリカーボネート基板を配置した直後(配置して0秒後)(画像O)と、10秒経過後(画像N)に撮影。
圧縮方法:820×820ピクセルにリサイズし、圧縮率20%で出力。
[防曇指数AFIの算出]
防曇性評価用画像を上記の圧縮方法で圧縮したときのファイル容量S1、画像Nを上記の圧縮方法で圧縮したときのファイル容量S2、画像Oを上記の圧縮方法で圧縮したときのファイル容量S0から、下記式によって防曇指数AFIを算出した。
AFI=(S1-S2)×10/(S0-S2)
(水膜均一性指数)
図4に示す装置を用い、下記の撮影条件で評価用画像及び基準画像を得た。得られた評価用画像及び基準画像を用いて下記に示す画像処理を行い、水膜均一性指数WEを算出した。
[撮像条件]
サンプル画像:黒色の正方形と白色の正方形との市松模様、正方形の辺の長さ0.5mm
水の温度:40℃
距離D1:1.5cm
深さD2:1cm
距離D3:17cm(サンプル画像から最前のレンズの中央表面までの距離)
デジタルカメラ:Canon PowerShot SX70 HS(35mmフィルム換算での焦点距離:15mm、保存画像:大きさ1824×1824ピクセル、保存形式jpg)、1824×1824ピクセルの画像中に正方形が4900個含まれるように撮像。
評価用画像:供試材を配置して40秒経過後に撮影。
基準画像:防曇剤で処理していないポリカーボネート基板を配置した直後(配置して0秒後)に撮影。
[画像処理]
(1)画像処理ソフトウェア(ImageJ)を用いて、評価用画像及び基準画像を読み込み、8bitに変換する(Image→type→8bit)。
(2)境界の閾値を「90~255」に設定する(Image→Adjust→Threshold→「90~255」に設定→apply)。
(3)2値化する(Process→Binary→Make Binary)。
(4)測定条件として「Area」を設定する(Analyze→Set Measurements→Areaにチェックを入れる)。
(5)粒子解析を用いて、1ピクセル角以上の面積を算出する(Analyze→Analyze Particles→「Size」を「1-Infinity」に、「Show」を「Outlines」に設定し、「Display results」、「Clear Results」にチェックを入れ、OKをクリック)。
(6)基準画像の(5)の情報から、面積分布として、0~1000ピクセルの範囲で、20ピクセル刻みの度数分布を作成し、頻度が全頻度の5%以上となる面積範囲RAを得る。
(7)評価用画像の(5)の情報から、面積分布として、0~1000ピクセルの範囲で、20ピクセル刻みの度数分布を作成し、全粒子数(頻度の合計)に対する、(6)の面積範囲に含まれる粒子数(頻度)の割合(%)を算出し、これを水膜均一性指数WEとする。
(耐水性)
供試材を純水に浸漬して40℃の恒温槽に入れ、120h保持した。その後、室温で1日静置し、40℃としたウォーターバスから生じる蒸気を水面から供試材までの距離を1.5cmとして供試材の防曇膜に10秒間あてた。10秒後の曇りの有無を目視で確認し、以下の基準に従って評価した。
評価S:全面曇らない(供試材の全面積に対する曇った面積が5%未満)
評価A:わずかに曇る(供試材の全面積に対する曇った面積が5%以上20%未満)
評価B:部分的に曇る(供試材の全面積に対する曇った面積が20%以上50%未満)
評価C:全面曇る(供試材の全面積に対する曇った面積が50%以上)
(耐湿性)
供試材を50℃の恒温槽に入れ、湿度95%の条件下で120h保持した。その後、室温で1日静置し、40℃としたウォーターバスから生じる蒸気を水面から供試材までの距離を1.5cmとして供試材の防曇膜に10秒間あてた。10秒後の曇りの有無を目視で確認し、耐水性の試験と同様にして評価した。
(フォギング性)
ISO 6452:2007の規定に準拠して、図5に示される試験装置20を組み、以下の手順で試験を行った。
(i)試験管11の底部に、裁断したゴムカバー12(サイズ:1cm×1cm×2mmの欠片を一つ)を載置し、試験管11の開口部を供試材13で覆い(防曇膜を設けた面が開口部側に向くように配置)、供試材13が外れないようにテープ14で固定する。
(ii)試験管11を熱媒体であるオイルバス15にゴムカバー12が油面より下になるように配置して、180℃で2時間加熱する。
(iii)加熱後、オイルバスが常温になるまで放置し、供試材13を取り外す。
その後、室温で1日静置し、40℃としたウォーターバスから生じる蒸気を水面から供試材までの距離を1.5cmとして供試材の防曇膜に20秒間あてた。20秒後の曇りの有無を目視で確認し、耐水性の試験と同様にして評価した。
Figure 2024071003000012
1…レンズ、2…防曇膜、3…ランプハウジング、4…光源、5…リフレクタ、S…灯室、10…ランプ構造体、11…試験管、12…ゴムカバー、13…供試材、14…テープ、15…オイルバス、20…試験装置、30…サンプル画像、40…デジタルカメラ、50…供試材、60…水。

Claims (9)

  1. シリカ粒子、及び、
    酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤と、ヒドロキシ基を有するソルビタン化合物と、を反応させて得られる合成物Aを含有する、防曇剤。
  2. シリカ粒子、酸無水物基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤、及びヒドロキシ基を有するソルビタン化合物を含有する、防曇剤。
  3. 前記シランカップリング剤が、下記一般式(1)~(3)のいずれかの式で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の防曇剤。
    Figure 2024071003000013

    [式(1)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示す。]
    Figure 2024071003000014

    [式(2)中、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、bは、1~10の整数を示す。]
    Figure 2024071003000015

    [式(3)中、R31、R32、及びR33は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示し、cは、1~10の整数を示し、dは、1~10の整数を示す。]
  4. 前記ソルビタン化合物が、ポリオキシエチレン基を有する、請求項1又は2に記載の防曇剤。
  5. 前記ソルビタン化合物が、ソルビタン脂肪酸エステル化合物である、請求項1又は2に記載の防曇剤。
  6. 前記合成物Aの含有量が、前記シリカ粒子100質量部に対して、5~60質量部である、請求項1に記載の防曇剤。
  7. ポリエーテル基を有するシランカップリング剤を更に含有する、請求項1又は2に記載の防曇剤。
  8. 車両用ランプ構造体が備えるレンズ内表面に、請求項1又は2に記載の防曇剤を塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を乾燥させる工程と、を備える車両用ランプ構造体の防曇方法。
  9. レンズ内表面に、請求項1又は2に記載の防曇剤から形成される防曇膜を備える、車両用ランプ構造体。

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