JP2024067610A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランス、更に加工性、アイスグリップ性にも優れるゴム組成物を提供する。【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部に対して、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂5~40重量部を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを50重量%を越えて含むものであり、該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が、(1)二重結合水素割合が6~13%、オレフィン性二重結合水素/ジシクロペンタジエン残基二重結合水素が30/70~75/25、(2)重量平均分子量が1500~3000、重量平均分子量/数平均分子量が1.5~3.0、(3)臭素価が40~55(g-Br2/100g)、(4)軟化点が80~125℃、(5)ガードナー色相が4~9、を満足するものである、ゴム組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランス、更に加工性、アイスグリップ性にも優れ、特にタイヤ用として適した新規なゴム組成物に関するものである。
近年、自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤ性能への要求が高まっている。例えば、相反関係にあるウェットグリップ性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を向上したタイヤが求められている。また、転がり抵抗性を改善するためゴムにシリカを配合する技術や、シリカの分散性を高めるため末端にシリカと親和性の高い、又は化学結合し得る官能基を導入した末端変性ゴムを使用する技術が利用されている。その一方で、シリカや末端変性ゴムの使用により粘度が上昇するため、加工性の向上が求められている。
タイヤの機械特性の向上や未加硫のゴム組成物に良好な粘着性を付与することを目的に、ゴムに脂肪族/芳香族共重合樹脂(例えば特許文献1参照。)、脂肪族/脂環族共重合樹脂(例えば特許文献2参照。)を配合することが提案されている。
また、乾燥路面、湿潤路面の両方で高い制動性能を有することを目的に、天然ゴムを70質量%以上含むゴム成分に対して、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9樹脂などの熱可塑性樹脂を配合すること(例えば特許文献3参照。)が提案され、新規なC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂、それを含むゴム組成物(例えば特許文献4参照。)が提案されている。
特許第5309529号 特許第5375101号 特許第6346325号 特開2022-55449号公報
しかし、特許文献1~2に提案の方法においては、主な充填剤としてカーボンブラックの配合について提案されたものであり、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性、そのバランスについては検討がされていないものであり、特にタイヤ組成物の性能としては改良の余地を有するものであった。また、特許文献3に提案のゴム組成物は、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂の検討は何らなされておらず、その効果についても何ら提案はされていないものであった。さらに、特許文献4における提案は、新規なC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂を提供するものであり、ゴム組成物としてはウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに一応の効果は見られるものであったが、加工性、アイスグリップ性については何ら検討されていないものであった。
そこで、本願発明は、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランス優れ、更には加工性、アイスグリップ性にも優れる新規なゴム組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定のジエン系ゴムに特定の二重結合量を有するC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂を含むゴム組成物が優れたゴム特性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ジエン系ゴム100重量部に対して、石油類のC5留分とジシクロペンタジエンとの共重合樹脂であるC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂5~40重量部を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを50重量%を越えて含むものであり、該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が下記特性(1)~(5)のいずれをも満足するものであることを特徴とするゴム組成物に関するものである。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル装置にて測定したピーク面積における二重結合水素割合が6~13%、オレフィン性二重結合水素/ジシクロペンタジエン残基二重結合水素が30/70~75/25(ピーク面積比)である。
(2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011)に準拠し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフにより測定した重量平均分子量が1500~3000、重量平均分子量/数平均分子量が1.5~3.0である。
(3)JIS K-2605(1996)に準拠し測定した臭素価が40~55(g-Br/100g)である。
(4)JIS K-2207(1996)(環球法)に準拠し測定した軟化点が80~125℃である。
(5)50重量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに準拠し測定したガードナー色相が4~9である。
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを50重量%を越えて含むジエン系ゴム100重量部に対して、(1)二重結合水素割合が6~13%、オレフィン性二重結合水素/ジシクロペンタジエン残基二重結合水素が30/70~75/25、(2)重量平均分子量が1500~3000、重量平均分子量/数平均分子量が1.5~3.0、(3)臭素価が40~55(g-Br/100g)、軟化点が80~125℃、(5)ガードナー色相が4~9、を満足する石油類のC5留分とジシクロペンタジエンとの共重合樹脂(以下、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂と記すこともある)5~40重量部を含むゴム組成物である。
本発明のゴム組成物を構成するジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを50重量%を越えて含むものであり、該スチレン-ブタジエン共重合体ゴムとしては、例えばスチレン-ブタジエンランダム共重合体ゴム、スチレン-ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体ゴム及びその水添物等を挙げることができる。ここで、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムが50重量%以下である場合、得られる組成物は、相溶性に劣り加工性、アイスグリップ性が劣るものとなる。
該ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム以外の成分として、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー(TPO)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(TPA)、ポリブタジエン系エラストマー(RB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)等を含むものであってもよく、中でも、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性、加工性、アイスグリップ性のバランスに優れるゴム組成物となることから、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、更には、天然ゴム、イソプレンゴムを配合するものであることが好ましい。
該ジエン系ゴムの製造方法は特に制限されず、アニオン重合品であっても、乳化重合品であっても良い。その分子量やミクロ構造は特に制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明のゴム組成物を構成するC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、石油類の熱分解による沸点範囲20~110℃の留分であるC5留分とジシクロペンタジエンを共重合してなる樹脂であり、プロトン核磁気共鳴スペクトル装置にて測定したピーク面積における二重結合水素面積の割合が6~13%、特に好ましくは8~11%を有するものである。ここで、二重結合水素面積が6%未満である場合、得られる樹脂は重量平均分子量の低いものとなり、ゴム組成物はウェットグリップ性能、耐摩耗性の改良効果に劣るものとなる。一方13%を越えるものである場合、得られる樹脂は重量平均分子量が高いものとなり、ゴム特性改良効果に劣るものとなる。この際のプロトン核磁気共鳴スペクトルとしては、例えば400MHzのプロトン核磁気共鳴スペクトル装置にて測定することができる。
該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、プロトン核磁気共鳴スペクトルにおけるオレフィン性二重結合水素/ジシクロペタンジエン残基二重結合水素が30/70~75/25(ピーク面積比)、特に好ましくは40/60~60/40を有するものである。ここで、オレフィン性二重結合水素が75/25を越えるものである場合、得られる樹脂の軟化点が低く、ゴム組成物の改質効果に劣るものとなる。一方、オレフィン性二重結合が30/70より少ないものである場合、色調、熱的安定性に劣るものとなる。
該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011年)に準拠し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィにより測定した重量平均分子量(Mwと記す場合もある。)が1500~3000、好ましく1700~2500の範囲内であり、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mnと記す場合もある。)が1.5~3.0、好ましくは1.7~2.5のものである。これら範囲外のものは、ゴム改質効果に劣るものとなる。
該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、JIS K-2605(1996年)に準拠し測定した臭素価が40~55(g-Br/100g)、好ましくは42~53(g-Br/100g)である。また、ガードナー色相(50重量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに準拠し測定した色相)が4~9、好ましくは5~8である。臭素価が40(g-Br/100g)未満又は55(g-Br/100g)を越えるものである場合、更には、ガードナー色相が4未満又は9を越える場合、ゴム組成物の色調、外観が劣るばかりか、性能にも劣るものとなる。
また、該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、JIS K-2207(1996年)(環球法)に準拠し測定した軟化点が80~125℃、好ましくは85~120℃のものである。軟化点が80℃未満又は125℃を越えるものである場合、ゴム改質効果に劣るものとなる。
該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、石油類の熱分解により得られるC5留分とジシクロペンタジエンとの共重合樹脂である。この際のC5留分としては、沸点範囲20~110℃の留分を挙げることができ、該C5留分の成分としては、例えばブテン、ブタジエン、イソブテン等の炭素数4の脂肪族化合物;2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、ピペリレン等の炭素数5の鎖状脂肪族化合物;1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、3-メチル-2-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、2-エチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン等の炭素数6の鎖状脂肪族化合物;1-へプテン、2-へプテン、3-へプテン、2-メチル-3-ヘキセン、4-メチル-2-ヘキセン、3,4-ジメチル-2-ペンテン等の炭素数7の鎖状脂肪族化合物等を挙げることができる。また、ジシクロペンタジエンとしては、ジシクロペンタジエン単独はもとより、石油類の熱分解留分である(ジ)シクロペンタジエン留分であってもよく、例えばメチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンを含むものであってもよい。
なお、該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂は、本発明の目的を達成する範囲において共重合成分として影響のない範囲のC9成分を含むことを排除するものではないが、特に色調に優れ、ゴムの改質効果を発現するものとする際には、石油類の分解留分における沸点範囲が140~280℃の留分(通常C9留分、芳香族成分留分と称する場合もある。)を成分として含まないものであることが好ましい。
該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂の製造方法としては、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂の製造が可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えば、C5留分、ジシクロペンタジエン、溶媒として、n-ペンタン等のC5留分の飽和炭化水素を用い、重合触媒により重合反応を行う方法を挙げることができる。この際の重合触媒としては、特に限定はなく、例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素あるいはその錯体等、中でも触媒活性に優れることから、三フッ化ホウ素のメタノール,プロパノール,ブタノール,イソブタノール、イソペンタノール、フェノール等のアルコール,フェノール錯体が選択される。中でも、ブタノール錯体、イソブタノール錯体、イソペンタノール錯体がより好ましく、特に三フッ化ホウ素イソブタノール錯体であることが好ましい。また、錯体はそのまま又は三フッ化ホウ素とアルコール類,フェノール類より使用直前にin-suitで調製したものであってもよい。さらに、原料油としては、特に軟化点、色相に優れるC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が得られることから、C5留分25~70重量%、ジシクロペンタジエン留分75~30重量%を混合配合してなる原料油であることが好ましい。更に、重合温度としては、特に制限はなく、重合活性が高く生産性に優れるものとなることから、20~80℃が好ましく、特に30~60℃であることが好ましい。また、重合触媒量、重合時間等は、温度や原料油中の水分濃度により適宜選択可能であり、通常、例えば、原料油に対して重合触媒0.1~2.0重量%、重合時間0.1~10時間が好ましい。反応圧力も特に制限はなく、大気圧~1MPaが好ましい。雰囲気も特に制限はなく、中でも窒素雰囲気が好ましい。
本発明のゴム組成物は、該ジエン系ゴム100重量部に対して該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂5~40重量部、好ましくは8~30重量部を含むものである。ここで、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が5重量部未満のものである場合、得られる組成物は、加工性、ウェットグリップ性、耐摩耗性に劣るものとなる。一方、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が40重量部を越えるものである場合、得られる組成物は、転がり抵抗性、アイスグリップ性に劣るものとなる。
また、本発明のゴム組成物は、転がり抵抗性の改良のためジエン系ゴム100重量部に対してシリカ5~200重量部を含むことが好ましく、特に10~150重量部が好ましく、更に20~120重量部を含むことが好ましい。その際のシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカであることが好ましい。特に、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂を含むゴム組成物は、粘度の低減化が可能となることから、シリカを70重量部以上含むような高含有率であっても加工性に優れると共に、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに優れるタイヤを提供することが可能なゴム組成物となる。
シリカを使用する際にはシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤を併用することにより、シランカップリング剤を介してゴム成分とシリカとの結合が強化され、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスを高度に向上することが出来る。シランカップリング剤としては、例えばスルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系等のシランカップリング剤、等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独、または2種以上用いることが出来る。
本発明のゴム組成物においては、上記シリカ以外にも補強性充填剤として、例えばカーボンブラックなどを併用することができ、該カーボンブラックとしては、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。また、該カーボンブラックの含有量としては、転がり抵抗性に優れるものとなることから、ジエン系ゴム100重量部に対し、10~60重量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、さらに通常樹脂組成物やゴム組成物に配合される添加剤を使用してもよい。例えば、硫黄を始めとする架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、可塑剤、オイル、老化防止剤などの配合剤を加えても良い。これらの配合剤としては市販品を好適に使用することができる。
本発明のゴム組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常樹脂組成物、ゴム組成物に配合される添加剤、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを配合しても良い。
本発明のゴム組成物は、特に加工性に優れるものとなることから、JIS K-6300(2001)に準拠した100℃におけるムーニー粘度が70以下のものであることが好ましい。また、特にアイスグリップ性に優れるものとなることから、測定条件として温度-20℃、歪み5%、周波数15Hzでの粘弾性測定による貯蔵弾性率が55MPa以下のものであることが好ましい。更に、特に耐摩耗性に優れるものとなることから、JIS K-6264に準拠した23℃における摩耗量が25mm/min以下のものであることが好ましい。
さらに本発明のゴム組成物とは、その形態、形状物をも含むものであり、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等を含み架橋(加硫)を行った架橋物(加硫物)であってもよい。
そして、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム、C5-DCPD共重合樹脂、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、バンバリー型ミキサー、加圧ニーダー、オープンロールなどの混合方法を用いて混合し得ることができる。さらに、得られた未加硫ゴム組成物は、例えば、カレンダー、ロール、押し出し機、プレス等を利用して、架橋することにより加硫ゴム組成物として製造することができる。
本発明によれば、ウェットグリップ性、転がり抵抗、耐摩耗性に優れ、更に加工性、アイスグリップ性に優れるゴム組成物を提供することができ、ロール、敷物、チューブ、グリップ、ハンドル等の各種ゴム用途に適用することができ、中でも優れたタイヤ構成材、特にトレッド、それを有するタイヤ、更にはオールシーズンタイヤを提供とすることができる。
本発明により、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性に優れ、更に加工性、アイスグリップ性に優れるゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することができ、工業的にも非常に有用である。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。なお、実施例、比較例において用いた分析、試験法は下記の通りである。
C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂の分析方法を下記に示す。
~プロトンNMR(核磁気共鳴スペクトル)測定~
C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂をクロロホルム-d(和光純薬工業(株)製)に溶解し、核磁気共鳴測定装置(日本電子製、(商品名)GSX400、周波数400MHz)によりH-NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルについて、下記の計算式に基づき二重結合水素割合及びオレフィン性二重結合水素/ジシクロペンタジエン残基二重結合水素をピーク面積比として求めた。
二重結合水素割合(%)=(二重結合水素ピーク面積)/(全水素ピーク面積)×100
なお、二重結合水素ピークは、4.4~6.3ppm、オレフィン性二重結合水素ピークは、4.4~5.2ppm、ジシクロペンタジエン残基二重結合水素ピークは5.3~5.5ppmに観測される。
~重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mw)の測定~
ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011)に準拠してゲル・パーミエイション・クロマトグラフにて測定した。
~臭素価~
JIS K-2605(1996)に準拠した方法で測定した
~軟化点~
JIS K-2207(1996)(環球法)に準拠した方法で測定した。
~色相~
50重量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに従って測定した。
また、ゴム組成物の物性の評価方法、評価基準を下記に示す。
~ムーニー粘度測定~
JIS K-6300(2001)に準拠し、ムーニー粘度計(島津製作所製 (商品名)SMV-200型)を用い100℃、L型ロータにて測定した。100℃におけるムーニー粘度が70以下となった場合、加工性が良好であると判断した。
~ウェットグリップ性~
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度0℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、0℃の値をウェットグリップ性として評価した。
0℃のtanδが0.24以上となった場合、ウェットグリップ性が良好であると判断した。
~アイスグリップ性~
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度-20℃、歪み5%、周波数15Hzで貯蔵弾性率(以下、E’と記す場合がある)を測定し、-20℃の値をアイスグリップ性として評価した。
-20℃のE’が55MPa以下となった場合、アイスグリップ性が良好であると判断した。
~転がり抵抗性~
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、60℃の値を転がり抵抗性として評価した。
60℃のtanδが0.13以下となった場合、転がり抵抗性が良好であると判断した。
~耐摩耗性~
加硫ゴム試験片を作成し、JIS K-6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して、23℃での摩耗量を測定した。
23℃における摩耗量が25mm/min以下の場合、耐摩耗性が良好であると判断した。
製造例1
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得たC5留分55重量%(シクロペンタジエン濃度1.8重量%)、ジシクロペンタジエン留分45重量%からなる原料油を調製し仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で40℃に調節した後、フリーデルクラフツ型触媒として三フッ化ホウ素イソブタノール錯体を原料油100重量部に対して、1.4重量部加えて2時間重合した。その後、苛性ソーダ水溶液で触媒を失活・除去し、油相を回収し、該油相より未反応原料油を蒸留除去することによりC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂A(樹脂Aと称する場合がある。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例2~5
原料油としてナフサの分解により得たC5留分(シクロペンタジエン濃度1.8重量%)とジシクロペンタジエン留分からなる原料油の配合割合を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂B,C,F,G(樹脂B、C、F、Gと称する場合がある。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例6~9
原料油としてナフサの分解により得たC5留分55重量%、ジシクロペンタジエン留分45重量%からなる原料油として調製し、C5留分中のシクロペンタジエン濃度を表1に示すように調整した以外は、実施例1と同様の方法により、C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂D,E,H,I(樹脂D、E、H、Iと称する場合がある。)を得た。評価結果を表1に示す。
実施例1
バンバリーミキサー(容量1.7リットル)にて、溶液重合品の末端変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(変性S-SBR)((株)ENEOSマテリアル製、(商品名)HPR-340:スチレン含有量10%)55重量部、ポリイソプレンゴム(IR)((株)ENEOSマテリアル製、(商品名)IR2200)45重量部を配合し30秒間素練り後の合計ジエン系ゴム成分100重量部に対し、ステアリン酸(新日本理化製)2重量部、シリカ(東ソー・シリカ製、(商品名)Nipsil AQ)70重量部、シランカップリング剤(信越シリコーン製、(商品名)KBE46)5.6重量部及び実施例1で得られた樹脂A20重量部を投入し、全練り時間5分後取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140~150℃となるようにラム圧や回転数で調整した。得られたコンパウンドを室温にて冷却した後、更に老化防止剤(大内新興製、(商品名)810NA)1重量部、亜鉛華(井上石灰工業製)3重量部、加硫促進剤(1)(大内新興製、(商品名)ノクセラーCZ)1.2重量部、加硫促進剤(2)(大内新興製、(商品名)ノクセラーD)1.5重量部、加硫剤として硫黄(鶴見化学工業製)1.5重量部のそれぞれを添加して、取り出し時の温度を110℃以下となるように調整し約1分間混練りした後、8インチロールを用いてシーティングしたゴム組成物(未加硫物)を得、その物性(ムーニー粘度)を測定した。結果を表2に示す。
更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫し加硫ゴム組成物を得た。得られた加硫ゴム組成物の特性(ウェットグリップ性、アイスグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性)を測定した。その結果を表2に示す。
実施例2~5
樹脂Aの代わりに、樹脂B、C、D、Eを用い、変性S-SBRとIRとの割合を変更した以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例6~7
樹脂A20重量部の代わりに、表2に示す量を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例1~7により得られるゴム組成物は、ウェットグリップ性、転がり抵抗性と耐摩耗性のバランスに優れ、さらに加工性、アイスグリップ性にも優れるものであった。
比較例1
樹脂Aを用いないこと以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その評価結果を表3に示す。
比較例2~5
樹脂Aの代わりに、樹脂F、G、H、Iを用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例6
樹脂Aの代わりに、石油樹脂((商品名)T-REZ RA100、ENEOS社製;樹脂Jと記す場合もある。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例7~8
樹脂A20重量部の代わりに、表3に示す量を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例9
変性S-SBR/IR=45/55と変更した以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
本発明によれば、特定のジエン系ゴムに特定の二重結合量を有するC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂を配合することにより、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに優れ、さらに加工性、アイスグリップ性に優れるゴム組成物を提供することができ、該ゴム組成物はタイヤのトレッド用ゴムとして使用したタイヤ、オールシーズンタイヤを提供可能であり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、石油類のC5留分とジシクロペンタジエンとの共重合樹脂であるC5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂5~40重量部を含むゴム組成物であって、該ジエン系ゴムがスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを50重量%を越えて含むものであり、該C5-ジシクロペンタジエン共重合樹脂が下記特性(1)~(5)のいずれをも満足するものである、ことを特徴とするゴム組成物。
    (1)プロトン核磁気共鳴スペクトル装置にて測定したピーク面積における二重結合水素割合が6~13%、オレフィン性二重結合水素/ジシクロペンタジエン残基二重結合水素が30/70~75/25(ピーク面積比)である。
    (2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(2011)に準拠し、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフにより測定した重量平均分子量が1500~3000、重量平均分子量/数平均分子量が1.5~3.0である。
    (3)JIS K-2605(1996)に準拠し測定した臭素価が40~55(g-Br/100g)である。
    (4)JIS K-2207(1996)(環球法)に準拠し測定した軟化点が80~125℃である。
    (5)50重量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに準拠し測定したガードナー色相が4~9である。
  2. スチレン-ブタジエン共重合体ゴムが、スチレン含有量が25%以下のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ジエン系ゴムが、スチレン-ブタジエンゴム共重合体ゴムとイソプレンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴムのうち少なくとも1種以上のゴムとの混合ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. タイヤ構成用の加硫ゴム組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  5. 請求項4に記載のゴム組成物製のトレッドを有することを特徴とするタイヤ。
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