JP2024067274A - 乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した乳化状態を維持できる乳化組成物を提供すること。安定した乳化状態を維持できる乳化組成物の製造方法を提供すること。並びに膜及び滑液表面膜の製造方法を提供すること。【解決手段】下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を含有する乳化組成物;(A)アニオン変性セルロース繊維、(B)水溶性カチオン性化合物、(C)カチオン性基を有するシリコーン、(D)25℃1気圧で液体の有機化合物(ただし、前記成分(B)及び成分(C)を除く。)、並びに(E)水。【選択図】なし

Description

本発明は乳化組成物に関する。さらに本発明は乳化組成物の製造方法に関する。
従来より、汚れ、海洋生物等の固着を防止するする表面膜が開発されてきた。そのような表面膜として、最近では、疎水変性セルロース繊維及び油を含有する滑液性を有する膜が知られている。特許文献1では、アニオン変性セルロース繊維、アミノ変性シリコーン及び25℃1気圧で液体の有機化合物を含有する乳化組成物を固体表面に塗布することにより、滑液性を有する膜が得られることが開示されている。
特開2021-95557号公報
上述した乳化組成物の原料として供されるアニオン変性セルロース繊維は、セルロース繊維にアニオン性基を導入する反応後に、反応生成物を酸性溶液中に分散させ、液相を分離することにより得られる。反応生成物を酸性溶液中に分散させると、反応生成物に含まれるアニオン変性セルロース繊維のアニオン性基は酸型化される。アニオン性基とイオン結合した、アニオン性基を導入する際の副生物は、酸型化されることにより、アニオン変性セルロース繊維から脱離し、酸性溶液中に溶出すると考えられる。他方、アニオン性基の酸型化に伴い、アニオン性基間の静電反発力が失われるため、酸型化されたアニオン変性セルロース繊維の乳化組成物中の分散性は大幅に低下し、乳化組成物に配合しても、安定した乳化状態を維持できない傾向が見られた。
そこで、本発明は、安定した乳化状態を維持できる乳化組成物に関する。さらに、本発明は、安定した乳化状態を維持できる乳化組成物の製造方法に関する。さらに、本発明は、膜の製造方法に関する。さらに、本発明は、滑液表面膜の製造方法に関する。
本発明は、下記〔1〕~〔7〕に関する。
〔1〕 下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を含有する乳化組成物。
(A) アニオン変性セルロース繊維
(B) 水溶性カチオン性化合物
(C) カチオン性基を有するシリコーン
(D) 25℃1気圧で液体の有機化合物(ただし、前記成分(B)及び成分(C)を除く。)
(E) 水
〔2〕 前記〔1〕に記載の乳化組成物を乾燥させる工程を含む、膜の製造方法。
〔3〕 前記〔1〕に記載の乳化組成物を乾燥させる工程を含む、滑液表面膜の製造方法。
〔4〕 前記〔1〕に記載の乳化組成物を乾燥して得られる膜。
〔5〕 前記〔1〕に記載の乳化組成物を乾燥して得られる滑液表面膜。
〔6〕 前記〔1〕に記載の乳化組成物を含有する、生物付着抑制剤、防汚剤、塗料、抗菌剤又は離型剤。
〔7〕 下記の工程(I)及び(II)を含む乳化組成物の製造方法。
(I) 上記の成分(A)、成分(B)及び成分(E)を混合する工程
(II) 前記工程(I)で得られた組成物と、上記の成分(C)及び成分(D)とを混合する工程
本発明によれば、安定した乳化状態を維持できる乳化組成物を提供することができる。さらに本発明によれば、安定した乳化状態を維持できる乳化組成物の製造方法を提供することができる。さらに本発明によれば、膜の製造方法を提供することができる。さらに本発明によれば、滑液表面膜の製造方法を提供することができる。
本発明者らが検討した結果、アニオン変性セルロース繊維に水溶性カチオン性化合物を添加することで、安定した乳化状態を維持できる乳化組成物が得られることを見出して、本発明を完成させた。
本発明の効果が達成される推定メカニズムとしては、アニオン変性セルロース繊維に水溶性カチオン性化合物を添加することで、アニオン変性セルロース繊維の間に水溶性カチオン性化合物が浸透し、その結果、アニオン性基がイオン化し、アニオン変性セルロース繊維間の静電反発力が生じて、アニオン変性セルロース繊維間の間隔が広まったことによるものと考えられる。
さらに、揮発性の強い水溶性カチオン性化合物を使用した場合、得られる乳化組成物が乾燥する際に、揮発性の強い水溶性カチオン性化合物が揮発して乳化組成物又は膜から追い出され、アニオン変性セルロース繊維とイオン結合した「カチオン性基を有するシリコーン」が膜に残存することになるので、かかるシリコーンによる耐水性や滑液性の向上効果がさらに発揮されるものと考えられる。
1.乳化組成物
本発明の乳化組成物は、以下の成分(A)~(E)を含有する。
<成分(A)>
成分(A)はアニオン変性セルロース繊維である。
アニオン変性セルロース繊維とは、セルロース繊維中にアニオン性基を含むようにアニオン変性されたセルロース繊維である。成分(A)は単独で又は他の成分と共に、成分(D)と成分(E)とを乳化させる乳化剤として機能する。
アニオン変性セルロース繊維は、原料のセルロース繊維に由来するセルロースI型結晶構造を有するものである。アニオン変性セルロース繊維の結晶化度は、乳化組成物の安定性の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上である。また、原料入手性の観点から、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下、更に好ましくは75%以下である。
本明細書において、各種セルロース繊維の結晶化度は、X線回折法による回折強度値から算出したセルロースI型結晶化度であり、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース繊維全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。セルロースI型結晶構造の有無は、X線回折測定において、2θ=22.6°にピークがあることで判定することができる。
アニオン変性セルロース繊維中に含まれるアニオン性基としては、例えばカルボキシ基、スルホン酸基及びリン酸基等が挙げられる。前記アニオン性基は、成分(C)との結合性の観点から、カルボキシ基であることが好ましい。
アニオン変性セルロース繊維としては、調製が容易である観点及び反応条件が穏やかである観点から、アニオン性基がカルボキシ基であるカルボキシ基含有セルロース繊維がより好ましい。
アニオン変性セルロース繊維におけるアニオン性基の対となるイオン(カウンターイオン)としては、例えば、製造時のアルカリ存在下で生じるナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン及びアルミニウムイオン等の金属イオンや、これらの金属イオンを酸で置換して生じるプロトン等が挙げられる。
アニオン変性セルロース繊維におけるアニオン性基含有量は、成分(C)との結合性の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上であり、より好ましくは0.4mmol/g以上であり、更に好ましくは0.6mmol/g以上であり、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下であり、より好ましくは2mmol/g以下であり、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。なお、「アニオン性基含有量」とは、セルロース繊維を構成するセルロース中のアニオン性基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
アニオン変性セルロース繊維の平均繊維径としては、取扱い性の観点から、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは1.0nm以上、更に好ましくは2.0nm以上であり、成膜した時の強度の観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。アニオン変性セルロース繊維の平均繊維径は、後述の実施例に記載の方法によって測定される。
〔アニオン変性セルロース繊維の製造方法〕
本発明で用いられるアニオン変性セルロース繊維は、原料のセルロース繊維に酸化処理又はアニオン性基の付加処理を施して、グルコース残基一つあたり1つ又は2つ以上のアニオン性基を導入してアニオン変性させることによって得ることができる。
アニオン変性の対象となるセルロース繊維、即ち、アニオン変性セルロース繊維の原料のセルロース繊維としては、環境面から好ましくは天然セルロース繊維であり、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
原料のセルロース繊維の平均繊維径は、取扱い性及びコストの観点から、好ましくは1μm以上であり、一方、好ましくは300μm以下である。
また、原料のセルロース繊維の平均繊維長は、入手性及びコストの観点から、好ましくは100μm以上であり、好ましくは5,000μm以下である。
原料のセルロース繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。分散性の観点から、原料のセルロース繊維を、アルカリ加水分解処理や酸加水分解処理等で短繊維化処理した平均繊維長が1μm以上であり、1,000μm以下であるセルロース繊維を用いることが好ましい。
導入されるアニオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基又はリン酸基が挙げられる。
(i)セルロース繊維にアニオン性基としてカルボキシ基を導入する場合
セルロース繊維にカルボキシ基を導入する方法としては、例えばセルロースのヒドロキシ基を酸化してカルボキシ基に変換する方法や、セルロースのヒドロキシ基にカルボキシ基を有する化合物、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる1種又は2種以上を反応させる方法が挙げられる。
前記セルロースのヒドロキシ基を酸化処理する方法としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシル(TEMPO)を触媒として、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤及び臭化ナトリウム等の臭化物を反応させて酸化処理する方法が適用できる。より詳細には、公知の方法、例えば特開2011-140632号公報に記載の方法を参照することができる。
TEMPOを触媒としてセルロース繊維の酸化処理を行うことによって、セルロース構成単位のC6位のヒドロキシメチル基(-CHOH)が選択的にカルボキシ基に変換される。特にこの方法は、原料のセルロース繊維表面の酸化対象となるC6位のヒドロキシ基の選択性に優れており、且つ反応条件も穏やかである点で有利である。従って、本発明におけるアニオン変性セルロース繊維の好ましい態様として、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維が挙げられる。
本明細書において、セルロース構成単位中のヒドロキシ基の酸化により得られるセルロース繊維を「酸化セルロース繊維」と、TEMPOを触媒としてセルロース繊維を酸化することで得られた、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維を「TEMPO酸化セルロース繊維」という場合がある。酸化セルロース繊維、特にTEMPO酸化セルロース繊維は、それ以外のアニオン変性セルロース繊維と比べて調製が容易であることから好ましい。
酸化セルロース繊維に更に追酸化処理又は還元処理を行うことで、残存するアルデヒド基を除去した酸化セルロース繊維を調製することができる。
(ii)セルロース繊維にアニオン性基としてスルホン酸基又はリン酸基を導入する場合
セルロース繊維にアニオン性基としてスルホン酸基を導入する方法としては、セルロース繊維に硫酸を添加し加熱する方法等が挙げられる。
セルロース繊維にアニオン性基としてリン酸基を導入する方法としては、乾燥状態又は湿潤状態のセルロース繊維に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法や、セルロース繊維の分散液にリン酸又はリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。これらの方法を採用した場合、一般的に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合または添加した後に、脱水処理及び加熱処理等を行う。
<成分(B)>
成分(B)は水溶性カチオン性化合物である。
本明細書において、水溶性とは、25℃の水100gに1g以上溶解することを意味する。
水溶性カチオン性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アンモニア、アミン化合物(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン等の炭素数が1以上8以下の1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン等の炭素数が1以上12以下のジアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン等の3級アミン)、及びアンモニウム化合物(前記アミン化合物の塩、テトラブチルアンモニウム)等が挙げられる。これらの中で、乳化組成物の安定性を確保する観点から、アンモニア、アミン化合物及びアンモニウム化合物からなる1種又は2種以上が好ましく、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
水溶性カチオン性化合物の沸点は、乳化組成物を塗布して得られる膜の耐水性の向上及び滑液性発現の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは100℃以下である。従って、上記の具体的な化合物の中では、アンモニア(沸点:-33℃)、トリエチルアミン(沸点:89℃)及びジメチルアミノエタノール(沸点:133℃)がより好ましいものである。
水溶性カチオン性化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
<成分(C)>
成分(C)はカチオン性基を有するシリコーンである。成分(C)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分(C)の重量平均分子量は、成膜時の強度の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは8,000以上であり、同様の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
成分(C)におけるカチオン性基としては、アミノ基、アンモニウム基、イミダゾリウム基等が挙げられ、入手容易性の観点から、好ましくはアミノ基である。なお、本明細書においては、アミノ基とは、アンモニア、第1級アミン又は第2級アミンから水素原子を一つ除去した1価の官能基を意味する。
シリコーンは、シロキサン結合を主鎖とするポリシロキサン構造を有し、更にアルキレン基が伴っていてもよい。ポリシロキサン構造は、後述する置換基を有していてもよい。
〔置換基〕
置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1~6のアルコキシ-カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1~6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1~6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1~6のジアルキルアミノ基が挙げられる。
〔アミノ変性シリコーン〕
成分(C)としては、乳化組成物の安定性の観点から、好ましくはアミノ基を有するシリコーン(本明細書において「アミノ変性シリコーン」と称する。)である。
アミノ変性シリコーンとしては、25℃での動粘度が10mm/s以上20,000mm/s以下のものが好ましい。さらに、アミノ当量が400g/mol以上16,000g/mol以下のアミノ変性シリコーンが好ましいものとして挙げられる。
25℃での動粘度はオストワルト型粘度計で求めることができ、成膜時の強度の観点から、より好ましくは20mm/s以上、更に好ましくは50mm/s以上であり、ハンドリング性の観点からより好ましくは10,000mm/s以下、更に好ましくは5,000mm/s以下である。
また、アミノ当量は、成膜時の強度の観点から、好ましくは400g/mol以上、より好ましくは600g/mol以上、更に好ましくは800g/mol以上であり、アニオン変性セルロース繊維への結合のさせやすさの観点から、好ましくは16,000g/mol以下、より好ましくは14,000g/mol以下、更に好ましくは12,000g/mol以下である。なお、アミノ当量は、窒素原子1個当りの分子量であり、元素分析法によりサンプル中の窒素原子量を定量し、窒素原子1molを含むサンプルの質量を計算することで求められる。
アミノ変性シリコーンの具体例として、一般式(a1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024067274000001
〔式中、R1aは炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~3のアルコキシ基又は水素原子から選ばれる基を示し、滑液性の観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。R2aは炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基又は水素原子から選ばれる基であり、同様の観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。Bは少なくとも一つのアミノ基を有する側鎖を示し、R3aは炭素数1~3のアルキル基又は水素原子を示す。x及びyはそれぞれ平均重合度を示し、該化合物の25℃の動粘度及びアミノ当量が上記範囲になるように選ばれる。尚、R1a、R2a、R3aはそれぞれ同一でも異なっていても良く、また複数個のR2aは同一でも異なっていても良い。〕
一般式(a1)の化合物において、滑液性の観点から、xは好ましくは10以上10,000以下の数、より好ましくは20以上5,000以下の数、更に好ましくは30以上3,000以下の数である。yは好ましくは1以上1,000以下の数、より好ましくは1以上500以下の数、更に好ましくは1以上200以下の数である。一般式(a1)の化合物の重量平均分子量は、成膜時の強度の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは8,000以上であり、同様の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
一般式(a1)において、アミノ基を有する側鎖Bとしては、下記のものを挙げることができる。
-C-NH
-C-NH-C-NH
-C-NH-[C-NH]-C-NH
-C-NH(CH
-C-NH-C-NH(CH
-C-NH-[C-NH]-C-NH(CH
-C-N(CH
-C-N(CH)-C-N(CH
-C-N(CH)-[C-N(CH)]-C-N(CH
-C-NH-cyclo-C11
(ここで、e、f、gは、それぞれ1~30の数である。)
本発明で用いるアミノ変性シリコーンは、例えば、一般式(a2)で表されるオルガノアルコキシシランを過剰の水で加水分解して得られた加水分解物と、ジメチルシクロポリシロキサンとを水酸化ナトリウムのような塩基性触媒を用いて、80~110℃に加熱して平衡反応させ、反応混合物が所望の粘度に達した時点で酸を用いて塩基性触媒を中和することにより製造することができる(特開昭53-98499号参照)。
N(CHNH(CHSi(CH)(OCH (a2)
また、アミノ変性シリコーンとしては、成膜時の強度の観点から、好ましくは側鎖Bの1個の中にアミノ基が1個有するモノアミノ変性シリコーン及び側鎖Bの1個の中にアミノ基が2個有するジアミノ変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアミノ基を有する側鎖Bが-C-NHで表される化合物〔以下、(a1-1)成分という〕及びアミノ基を有する側鎖Bが-C-NH-C-NHで表される化合物〔以下、(a1-2)成分という〕からなる群から選ばれる1種以上である。
本発明におけるアミノ変性シリコーンとしては、性能の点から、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF4703(動粘度:1000、アミノ当量:1600)、TSF4708(動粘度:1000、アミノ当量:2800)、ダウ・東レ社製のSS-3551(動粘度:1000、アミノ当量:1700)、SF8457C(動粘度:1200、アミノ当量:1800)、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、SF8452C(動粘度:600、アミノ当量:6400)、BY16-209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、BY16-892(動粘度:1500、アミノ当量:2000)、BY16-898(動粘度:2000、アミノ当量:2900)、FZ-3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)、BY16-213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、信越化学工業社製のKF-8002(動粘度:1100、アミノ当量:1700)、KF-8004(動粘度:800、アミノ当量:1500)、KF-8005(動粘度:1200、アミノ当量:11000)、KF-867(動粘度:1300、アミノ当量:1700)、KF-864(動粘度:1700、アミノ当量:3800)、KF-859(動粘度:60、アミノ当量:6000)、が好ましい。( )内において、動粘度は25℃での測定値(単位:mm/s)を示し、アミノ当量の単位はg/molである。
(a1-1)成分としては、BY16-213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、BY16-853U(動粘度:14、アミノ当量:450)がより好ましい。
(a1-2)成分としては、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16-209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、FZ-3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)、SF8452C(動粘度:600、アミノ当量:6400)、KF-8002(動粘度:1100、アミノ当量:1700)、SS-3551(動粘度:1000、アミノ当量:1700)がより好ましい。
<成分(D)>
本発明における成分(D)は、25℃1気圧で液体の有機化合物である。ただし、前記成分(B)又は成分(C)に該当するものは除かれる。
成分(D)の水への溶解度は、25℃の水100gあたり10g以下が好ましく、1g以下が更に好ましい。
成分(D)の重量平均分子量は、乳化組成物の安定性の観点から、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは10,000以下であり、同上の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは200以上である。
本発明における成分(D)は、具体的には、油剤、有機溶剤、重合性モノマー、プレポリマー等が挙げられる。本発明における成分(D)は、好ましくは油剤であり、油剤としては、乳化組成物の安定性の観点から、例えば、アルコール、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、エーテル油、油脂、フッ素系不活性液体及び脂肪酸からなる群より選択される一種以上が挙げられ、エステル油、シリコーン油、エーテル油、油脂、及びフッ素系不活性液体からなる群より選択される一種以上が好ましく、シリコーン油、エステル油、及びエーテル油からなる群より選択される一種以上がより好ましく、シリコーン油及び/又はエステル油が更に好ましい。
エステル油としては、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油が挙げられ、具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン等の炭素数2~18の脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジカルボン酸エステルが挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
油脂としては、例えば、大豆油、ヤシ油、アマニ油、綿実油、ナタネ油、ヒマシ油などの植物油や動物油等が挙げられる。
成分(D)は、乳化組成物の安定性の観点から、好ましくはSP値が10以下、より好ましくは9.5以下、更に好ましくは9.0以下、より更に好ましくは8.5以下であり、同上の観点から、好ましくは6.0以上、より好ましくは6.5以上である。例えば、後述のSP値が10以下の油剤が好ましいものとして例示できる。
本明細書におけるSP値とは、Fedors法で計算される溶解度パラメーター(単位:(cal/cm3)1/2)を示し、例えば、参考文献「SP値基礎・応用と計算方法」(情報機構社、2005年)、Polymer handbook Third edition (A Wiley-Interscience publication, 1989)等に記載されている。
本発明で好適に使用されるSP値が10以下の油剤としては、例えば、オレイン酸(SP値:9.2)、D-リモネン(SP値:9.4)、PEG400(SP値:9.4)、コハク酸ジメチル(SP値:9.9)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(SP値:8.9)、ラウリン酸ヘキシル(SP値:8.6)、ラウリン酸イソプロピル(SP値8.5)、ミリスチン酸イソプロピル(SP値8.5)、パルミチン酸イソプロピル(SP値8.5)、オレイン酸イソプロピル(SP値:8.6)、ヘキサデカン(SP値:8.0)、オリーブ油(SP値:9.3)、ホホバ油(SP値:8.6)、スクアラン(SP値:7.9)、流動パラフィン(SP値:7.9)、フッ素系不活性液体(例えば、フロリナートFC-40(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC-43(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC-72(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC-770(3M社製、SP値:6.1))、シリコーンオイル(例えば、KF96-1cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF-96-10cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF-96-50cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF-96-100cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF-96-1000cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF-96H-1万cs(信越化学社製、SP値:7.3)等)等が挙げられる。これらの油剤はいずれも25℃1気圧で液体である。
<成分(E)>
本発明における成分(E)は水である。成分(E)は、成分(E)の調製の際の溶媒として、及び本発明の乳化組成物の構成成分の一つとしての役割を有する。
<その他の成分>
本発明の乳化組成物は、前記成分以外に、抗菌性を有する化合物(例えば、有機合成系抗菌剤、天然物系抗菌剤、及び無機物系抗菌剤等)、可塑剤、結晶核剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、加水分解抑制剤、難燃剤、酸化防止剤、炭化水素系ワックス類やアニオン型界面活性剤である滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、顔料、発泡剤、界面活性剤;でんぷん類、アルギン酸等の多糖類;ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然たんぱく質;タンニン、ゼオライト、セラミックス、金属粉末等の無機化合物;香料;流動調整剤;レべリング剤;導電剤;紫外線分散剤;消臭剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また同様に、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料や他の組成物を添加することも可能である。
<乳化組成物の性質>
本発明の乳化組成物は、前記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を必須成分として含む、乳化状態の組成物である。乳化状態の判断は、乳化組成物を目視で観察し、白濁状態であれば乳化状態であるとする。
本発明の乳化組成物は、o/w型エマルション、w/o型エマルションのどちらでもよいが、好ましくはo/w型エマルションである。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(A)の含有量としては、乳化力の観点から、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、一方、ハンドリング性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(B)の含有量としては、乳化組成物の安定性並びに乳化組成物を乾燥して得られる膜の耐水性及び滑液性の観点から、成分(A)のアニオン性基、好ましくはカルボキシ基に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは100モル%以上であり、同様の観点から、好ましくは300モル%以下、より好ましくは200モル%以下、更に好ましくは180モル%以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(C)の含有量としては、乳化組成物の安定性並びに乳化組成物を乾燥して得られる膜の耐水性及び滑液性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(D)の含有量としては、乳化状態を維持する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、一方、粘度やハンドリング性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(E)の含有量としては、乳化状態を維持する観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、有効分量の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(C)と成分(A)の質量比(成分(C)/成分(A))は、乳化組成物の安定性並びに乳化組成物を乾燥して得られる膜の耐水性及び滑液性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、同様の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは7以下である。
乳化組成物中又は乳化組成物の調製の際の成分(D)と成分(A)の質量比(成分(D)/成分(A))は、乳化組成物の安定性並びに乳化組成物を乾燥して得られる膜の耐水性及び滑液性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上であり、同様の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
かかる本発明の乳化組成物の用途としては、例えば、生物付着抑制剤、防汚剤、抗菌剤、離型剤などが挙げられる。
2.乳化組成物の製造方法
本発明の乳化組成物の製造方法は、前述の成分(A)、成分(B)及び成分(E)を混合する工程(工程(I))、並びに、前記工程(I)で得られた組成物と、前述の成分成分(C)及び成分(D)とを混合する工程(工程(II))を含む方法である。
成分(E)の水は、その全量を工程(I)で配合する必要はなく、成分(E)の一部を工程(II)で配合してもよい。
各成分を混合することで乳化が生じ、乳化組成物が得られる。工程(I)又は工程(II)における混合処理には、マグネチックスターラー、メカニカルスターラー、ホモミキサー、真空乳化装置、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いることができる。混合処理は、2種類以上の操作を組み合わせて実施してもよい。
工程(I)又は工程(II)における各成分の混合時の温度や時間としては、特に限定されるものではなく、例えば、好ましくは5~50℃の温度範囲とし、好ましくは1分間~3時間の範囲とする。
各工程におけるそれぞれの成分の含有量や成分間の比率等の好ましい範囲は、前述の本発明の乳化組成物におけるそれらの好ましい範囲と同じである。
乳化組成物の製造過程のいずれかの段階、例えば、工程(I)の前、工程(I)と同時、工程(I)の後、工程(II)と同時、及び/又は工程(II)の後において、アニオン変性セルロース繊維を含む成分や組成物を微細化処理に供することにより、マイクロメータースケールのセルロース繊維をナノメータースケールに微細化することができる。アニオン変性セルロース繊維の平均繊維径をナノメータースケールにまで小さくすることによって、乳化組成物の安定性及び成膜時の強度が向上するため、かかる微細化処理工程を実施することが好ましい。
微細化処理で使用する装置としては公知の分散機が好適に使用される。例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いることができる。また、微細化処理における対象物中の固形分含有量は50質量%以下が好ましい。微細化処理の際の装置の運転条件としては、公知の運転条件や各装置の取扱い説明書に記載された運転条件に基づいて、当業者が適宜設定すればよい。
3.膜
上記の本発明の乳化組成物を乾燥させることにより、本発明の膜を製造することができる。例えば、本発明の乳化組成物を硬質表面(例えば、金属表面、樹脂表面、ガラス表面、陶磁器表面、セラミック表面)等に塗布し、常温常圧下、又は必要に応じて加温又は減圧して乳化組成物を乾燥させることにより、膜を形成させることができる。
膜においては、成分(A)のアニオン変性セルロース繊維と成分(C)のカチオン性基を有するシリコーンとが塩を形成する。
膜は、文献(超撥水・超撥油・滑液性表面の技術/発行者:元木浩/発行所:サイエンス&テクノロジー株式会社/2016年1月28日発行)に示される滑液表面性を示す。本明細書において、かかる滑液表面性(あるいは、単に「滑液性」とも言う。)を発揮する膜を「滑液表面膜」とも称する。
本発明の膜は滑液性を有し、しかも、成分(B)として、沸点が200℃以下の水溶性カチオン性化合物を用いた場合、耐水性が更に向上した膜を得られることから、水中や海水中で滑液性を望まれる用途、例えば船舶の船体およびプロペラ、橋梁の骨格、配管、岸壁、冷却塔、タンク内面、洋上設備、観測機、漁網用の塗料として使用することができる。
本発明の膜は優れた滑液性を有するので、かかる膜を含む生物付着抑制剤を提供することができる。
本発明の膜は溶融樹脂等の付着も抑制することができるので、上記の本発明の乳化組成物を、樹脂成型時に金型への樹脂の付着を防止する離型剤として用いることもできる。
以下、実施例等を示して本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。なお、「常圧」とは101.3kPaを、「常温」とは25℃を示す。
〔アニオン変性セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長、平均アスペクト比〕
測定対象のセルロース繊維に水を加えて、その含有量が0.0001質量%の分散液を調製する。該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM)(Digital instrument社製、Nanoscope II Tappingmode AFM;プローブはナノセンサーズ社製、Point Probe(NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さ(繊維のあるところとないところの高さの差)を測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を100本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。繊維方向の距離より、平均繊維長を算出する。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出する。AFMによる画像で分析される高さを繊維径とみなすことができる。
〔原料のセルロース繊維の平均繊維径及び平均繊維長〕
測定対象のセルロース繊維に脱イオン水を加えて、その含有量が0.01質量%の分散液を調製する。該分散液を湿式分散タイプ画像解析粒度分布計(ジャスコインターナショナル社製、IF-3200)を用いて、フロントレンズ:2倍、テレセントリックズームレンズ:1倍、画像分解能:0.835μm/ピクセル、シリンジ内径:6515μm、スペーサー厚み:500μm、画像認識モード:ゴースト、閾値:8、分析サンプル量:1mL、サンプリング:15%の条件で測定する。セルロース繊維を100本以上測定し、それらの平均ISO繊維径を平均繊維径をとして、平均ISO繊維長を平均繊維長として算出する。
〔アニオン変性セルロース繊維のアニオン性基含有量〕
乾燥質量0.5gの測定対象のセルロース繊維を100mLビーカーにとり、脱イオン水又はメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、ここに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製する。測定対象のセルロース繊維が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5~3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、AUT-701)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を、待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定する。pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、測定対象のセルロース繊維のアニオン性基含有量を算出する。
アニオン性基含有量(mmol/g)=[水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)]/[測定対象のセルロース繊維の質量(0.5g)]
〔酸化セルロース繊維のアルデヒド基含有量〕
測定対象の酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量を、上記アニオン性基含有量の測定方法によって測定する。
一方、これとは別に、ビーカーに、測定対象の酸化セルロース繊維の水分散液100g(固形分含有量1.0質量%)、酢酸緩衝液(pH4.8)100g、2-メチル-2-ブテン0.33g、亜塩素酸ナトリウム0.45gを加え25℃で16時間撹拌して、酸化セルロース繊維に残存するアルデヒド基の酸化処理を行う。反応終了後、脱イオン水にて洗浄を行い、アルデヒド基を酸化処理したセルロース繊維を得る。反応液を凍結乾燥処理し、得られた乾燥品のカルボキシ基含有量を上記アニオン性基含有量の測定方法で測定し、「酸化処理した酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量」を算出する。続いて、式1にて測定対象の酸化セルロース繊維のアルデヒド基含有量を算出する。
アルデヒド基含有量(mmol/g)=(酸化処理した酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量)-(測定対象の酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量)・・・式1
〔各種の溶液や分散液中の固形分含有量〕
ハロゲン水分計(島津製作所社製;MOC-120H)を用いて測定する。サンプル1gに対して150℃恒温で30秒ごとの測定を行い、質量減少がサンプルの初期量の0.1%以下となった値を固形分含有量とする。
〔各種のセルロース繊維における結晶構造の確認〕
各種のセルロース繊維の結晶構造は、X線回折計(リガク社製、MiniFlexII)を用いて以下の条件で測定することにより確認する。
測定条件は、X線源:Cu/Kα-radiation、管電圧:30kv、管電流:15mA、測定範囲:回折角2θ=5~45°、X線のスキャンスピード:10°/minとする。測定用サンプルは面積320mm×厚さ1mmのペレットに圧縮して作製する。また、セルロースI型結晶構造の結晶化度は得られたX線回折強度を、以下の式Aに基づいて算出する。
<式A>
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6-I18.5)/I22.6]×100
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
一方、上記式Aで得られる結晶化度が35%以下の場合には、算出精度の向上の観点から、「木質科学実験マニュアル」(日本木材学会編;2000年4月発行)のP199-200の記載に則り、以下の式Bに基づいて算出することが好ましい。
したがって、上記式Aで得られる結晶化度が35%以下の場合には、以下の式Bに基づいて算出した値を結晶化度として用いることができる。
<式B>
セルロースI型結晶化度(%)=[A/(A+A)]×100
〔式中、Aは、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)、(011面)(回折角2θ=15.1°)および(0-11面)(回折角2θ=16.2°)のピーク面積の総和、Aは,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)のピーク面積を示し、各ピーク面積は得られたX線回折チャートをガウス関数でフィッティングすることで求める〕
〔アニオン変性セルロース繊維〕
アニオン変性セルロース繊維として、表1に記載の物性値を有するものを用いた。
Figure 2024067274000002
かかるアニオン変性セルロース繊維は、例えば下記のTEMPO酸化処理に記載された方法のようにして調製することができる。
[TEMPO酸化処理]
メカニカルスターラー、撹拌翼を備えた2LのPP製ビーカーに、原料の天然セルロース繊維としての針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維10g、脱イオン水990gをはかり取り、25℃、100rpmで30分撹拌する。次いで、該パルプ繊維10gに対し、TEMPOを0.13g、臭化ナトリウム1.3g、10.5質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液35.5gをこの順で添加する。次いで、自動滴定装置を用いてpHスタット滴定を行い、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保持する。撹拌速度100rpmにて反応25℃で120分行う。
次いで、撹拌しながら、それに1Mの塩酸を加えて、懸濁液のpHを2とする。次いで、吸引ろ過で、固形分をろ別する。固形分を脱イオン水中に分散させ、吸引ろ過で固形分をろ別する操作を、ろ液の伝導度が200μs/cm以下になるまで繰り返す。得られる固形分に対して脱水処理を行って、アニオン変性セルロース繊維を得ることができる。
〔アニオン変性セルロース繊維の分散液の作製〕
調製例1
ビーカーに、上記アニオン変性セルロース繊維7.69g(固形分含有量26.0質量%)、成分(B)として1Mアンモニア水4.5mL(アンモニアとして4.5mmol)を測り取り、そこに成分(E)として脱イオン水を加えて合計200gとした。この混合物を高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、ナノヴェイタL-ES)にて150MPaで1パス処理して微細化処理を行った。このようにしてアニオン変性セルロース繊維1の分散液(固形分含有量1.0質量%)を得た。
調製例2~6
1Mアンモニア水の代わりに表2に記載の各種アミン化合物、あるいは水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムとして4.5mmol)を用いたこと以外は調製例1と同様にして、アニオン変性セルロース繊維2~6の分散液(それぞれ固形分含有量1.0質量%)を得た。
調製例7
ビーカーに、表1に記載の物性値を有する上記アニオン変性セルロース繊維7.69g(固形分含有量26.0質量%)を測り取り、そこに脱イオン水を加えて合計200gとした。この溶液を高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、ナノヴェイタL-ES)にて150MPaで1パス処理して微細化処理を行った。このようにしてアニオン変性セルロース繊維7の分散液(固形分含有量1.0質量%)を得た。
〔乳化組成物の作製〕
実施例1
ビーカーに、成分(A)としてアニオン変性セルロース繊維1の分散液30.0g(固形分含有量1.0質量%)、成分(D)としてシリコーンオイル3.0g、成分(C)としてアミノ変性シリコーン1.79g(アニオン変性セルロース繊維のカルボキシ基に対して2.5当量に相当)を混合し、そこに成分(E)として脱イオン水を加えて合計50gとした。この混合物を高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、ナノヴェイタL-ES)にて150MPaで5パス処理して組成物を得た。この組成物を目視で観察したところ一様に白濁していたことから、この組成物を乳化組成物と判断した。
実施例2~6及び比較例1
アニオン変性セルロース繊維1の分散液の代わりに、上記アニオン変性セルロース繊維2~7の分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、組成物を得た。得られた組成物のいずれもが一様に白濁していたことから、これらの組成物を乳化組成物と判断した。
試験例1 乳化組成物の安定性の評価
上記のようにして得られた実施例1~6及び比較例1の乳化組成物を常温で放置して、クリーミングが生じるかどうかを目視で観察した。クリーミングが生じることは、組成物の乳化状態が崩壊したことを意味する。結果を表2に示す。
乳化組成物の安定性の評価基準は次のとおり。
1:調製後3日以内にクリーミングが観察された。
2:調製後1週間以内にクリーミングが観察された。
3:調製後1週間以上たってもクリーミングが観測されなかった。
試験例2 膜の滑液性の評価
上記のようにして得られた実施例1~6及び比較例1の乳化組成物のそれぞれを用いて膜を作製して、水に浸漬する前の膜の滑液性を評価した。結果を表2に示す。
[滑落角測定試験]
(膜の作製)
各例の乳化組成物を、それぞれ別々のガラス基板(MATSUNAMI社製:Micro Slide Glass S2112、サイズは26mm×76mm)上に0.5mL塗布し、スライドガラス全域に塗り広げた。次いで、1気圧、25℃、湿度約40%RHで24時間乾燥させて膜を作製した。
次いで、次のようにして、水に浸漬する前の膜の滑落角測定試験に供した。
(測定方法)
膜を水平の状態に設置し、各膜に対して、全自動接触角計(協和界面科学社製、FAMAS)を用い、23℃にて、8μLの水滴(23℃)を滴下し、1秒静置した。次いで、1°/sの速さで膜表面を85°まで傾け、水滴が滑り始める角度を測定した。水滴滑落角の値が小さいほど、その膜の滑液性が高いことを示す。評価結果を表2に示す。ただし、85°まで傾けても水滴が滑り落ちなかった場合には、水滴滑落角は、「滑落せず」と記した。
Figure 2024067274000003
表2から、比較例1(調製例7)では、成分(B)と成分(A)とを混合しなかったため、得られた乳化組成物の安定性が悪く、膜の滑液性も満足できる結果ではなかった。
これに対して、実施例1~3(調製例1~3)では、沸点が200℃以下の成分(B)と成分(A)とを混合した。さらに、実施例4~6(調製例4~6)では、沸点が200℃を超える成分(B)又は不揮発性の成分(B)と成分(A)とを混合した。その結果、いずれの実施例においても、乳化組成物の安定性が大きく改善したこと、及び膜の滑液性が大きく改善したことが分かった。
試験例3 膜の耐水性の評価
上記のようにして得られた実施例1~6の乳化組成物のそれぞれを用いて、試験例2と同じ方法で膜を作製して、膜の耐水性を評価した。
[膜の耐水性の測定]
上記のようにして作製された各例の膜を準備した。
水(約23℃)で満たした300mLビーカーに、膜が形成されたガラス基板ごと浸漬し、24時間後に取り出した。24時間後の膜の膨潤率を以下の式Aによって算出した。膜の膨潤率の値が大きいほど、膜の耐水性が低いことを意味する。結果を表3に示す。
<式A>
膨潤率[%]=〔{〔浸漬後の質量〕-〔塗布前のガラス基板の質量〕}÷{〔浸漬前の質量〕-〔塗布前のガラス基板の質量〕}-1〕×100
[水への浸漬後の膜の滑液性の評価]
上記のようにして得られた実施例1~6の乳化組成物のそれぞれを用いて、水への浸漬後の膜の滑液性を評価した。
上記試験例2と同じ方法で、各例の乳化組成物の膜を作製した。
次いで、それぞれの膜を水(約23℃)で満たした300mLビーカーにガラス基板ごと浸漬し、24時間後に取り出した。これらの膜を1気圧、23℃、湿度約40%RHの条件で5分間静置した。
次いで、試験例2の滑落角測定試験と同じ測定方法で水滴滑落角を測定した。ただし、85°まで傾けても水滴が滑り落ちなかった場合には、水滴滑落角は、「滑落せず」と記した。結果を表3に示す。
Figure 2024067274000004
表3から、実施例4~6と比べて、沸点が200℃以下の成分(B)と成分(A)とを混合した実施例1~3の方が、膨潤率が非常に小さいことから、膜の耐水性が大きく改善したことが分かった。さらに、実施例4~6と比べて実施例1~3の方が、水浸漬後の滑落角が小さいこと、即ち、水に浸漬した後でも滑液性を維持していることが分かった。このように、実施例1~3の膜の耐水性が大きく改善した理由としては、沸点が200℃以下の成分(B)が、膜の形成時、即ち乾燥時に揮発して膜から追い出されることが一因であると推定される。
実施例等で使用した代表的な成分の詳細を以下にまとめた。
〔成分(B):水溶性かつ沸点が200℃以下のカチオン性化合物〕
アンモニア:関東化学社製 1mol/Lアンモニア水(1N)
トリエチルアミン:富士フイルム和光純薬工業社製
ジメチルアミノエタノール(DMAE):東京化成工業社製
〔成分(B):水溶性のカチオン性化合物〕
トリエタノールアミン(TEA):東京化成工業社製
40%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(TBA):東京化成工業社製
1M水酸化ナトリウム水溶液:富士フイルム和光純薬工業社製
〔成分(C):カチオン性基を有するシリコーン〕
アミノ変性シリコーン:ダウ・東レ社製、SS-3551、(25℃での動粘度:1,000mm/s、アミノ当量:1,700g/mol)
〔成分(D)〕
シリコーンオイル:信越化学工業社製、KF-96-100cs(SP値:7.3、シリコーンオイルは25℃1気圧で液体である。)
本発明の乳化組成物は、耐水性に優れかつ滑液性の持続性に優れた膜を形成することができるため、水中や海水中で滑液性を望まれる用途、例えば船舶の船体およびプロペラ、橋梁の骨格、配管、岸壁、冷却塔、タンク内面、洋上設備、観測機、漁網用の塗料として使用することができる。

Claims (9)

  1. 下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を含有する乳化組成物。
    (A) アニオン変性セルロース繊維
    (B) 水溶性カチオン性化合物
    (C) カチオン性基を有するシリコーン
    (D) 25℃1気圧で液体の有機化合物(ただし、前記成分(B)及び成分(C)を除く。)
    (E) 水
  2. 前記成分(B)が、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 前記成分(B)の沸点が200℃以下である、請求項1又は2に記載の乳化組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化組成物を乾燥させる工程を含む、膜の製造方法。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化組成物を乾燥させる工程を含む、滑液表面膜の製造方法。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化組成物を乾燥して得られる膜。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化組成物を乾燥して得られる滑液表面膜。
  8. 請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化組成物を含有する、生物付着抑制剤、防汚剤、塗料、抗菌剤又は離型剤。
  9. 下記の工程(I)及び(II)を含む乳化組成物の製造方法。
    (I) 下記の成分(A)、成分(B)及び成分(E)を混合する工程
    (II) 前記工程(I)で得られた組成物と、下記の成分(C)及び成分(D)とを混合する工程
    (A) アニオン変性セルロース繊維
    (B) 水溶性カチオン性化合物
    (C) カチオン性基を有するシリコーン
    (D) 25℃1気圧で液体の有機化合物(ただし、前記成分(B)及び成分(C)を除く。)
    (E) 水
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