JP6916031B2 - セルロース繊維複合体 - Google Patents

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Description

本発明はセルロース繊維複合体に関する。
従来より、TEMPO触媒を用いて、カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーが開発されているが、種々の用途への応用展開を可能にすべく、例えば、そのカルボキシル基に、アミノ基を介して直鎖状あるいは分岐状分子が結合されているセルロースナノファイバー修飾体が提案されている(特許文献1)。
国際公開第2013/077354号公報
かかる修飾体の用途として、膜の材料としての使用が考えられる。しかしながら、特許文献1の技術を単に適用しただけでは、形成された膜の感触の点やべたつきの点で、必ずしも使用者を満足させることができないことが見出された。
本発明は、膜を形成した場合の感触に優れ、べたつきが生じないセルロース繊維複合体に関する。
本発明は、下記〔1〕に関する。
〔1〕 カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体。
本発明のセルロース繊維複合体は、膜を形成した場合の感触に優れ、べたつきが生じないという効果を発揮することができる。
[セルロース繊維複合体]
本発明のセルロース繊維複合体は、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるものである。
本発明のセルロース繊維複合体は、有機媒体で膨潤させたゲル膜(単に「膜」ともいう)の形態とした場合、膜の感触が良好でべたつきがない。かかる効果を発揮するメカニズムは定かではないが、セルロース繊維が均一なネットワークを形成した結果、強固に有機媒体を保持したためであると推定できる。
(セルロース繊維)
原料のセルロース繊維としては、環境面から天然セルロース繊維が好ましく、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明に用いるセルロース繊維は、所定量のカルボキシ基を有するセルロース繊維(以下、酸化セルロース繊維ともいう。)であり、セルロース繊維を酸化することにより得ることができる。
(酸化セルロース繊維)
酸化セルロース繊維は、例えば、触媒として2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)を使用し、更に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を併用して酸化する方法が適用できる。より詳細には、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することができ、更に、追酸化処理又は還元処理を行うことで、アルデヒドを除去した酸化セルロース繊維として調製することができる。
TEMPOを触媒としてセルロース繊維の酸化を行うことにより、セルロース構成単位のC6位の基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基に変換される。従って、本発明における、カルボキシ基が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維の好ましい態様として、セルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維が挙げられる。
(カルボキシ基含有量)
本発明のセルロース繊維複合体を構成するセルロース繊維は、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるが、安定な微細化及び修飾基導入の観点から、好ましくは0.4mmol/g以上、より好ましくは0.6mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。なお、「カルボキシ基含有量」とは、セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
また、セルロース繊維や酸化セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比の好適な範囲は、後述のセルロース繊維複合体と同様であり、また、後述のセルロース繊維複合体と同様の測定方法により求めることができる。
<修飾基>
本発明のセルロース繊維複合体は、例えば、上記した酸化セルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基からなる群から選ばれる1種以上に、好ましくはカルボキシ基に、シリコーン化合物を修飾基としてイオン結合及び/又は共有結合させることにより得られる。カルボキシ基への結合様式としては、イオン結合、共有結合が挙げられる。ここでの共有結合としては、例えば、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合が挙げられ、なかでも、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはアミド結合である。また、水酸基への結合様式としては、共有結合が挙げられ、具体的には、エステル結合;カルボキシメチル化、カルボキシエチル化などのエーテル結合;ウレタン結合が挙げられる。本発明のセルロース繊維複合体としては、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基に、シリコーン化合物をイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られるものが好ましい。
(シリコーン化合物)
シリコーン化合物は、市販品を用いるか、公知の方法に従って調製することができる。
本発明に用いるシリコーン化合物としては、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンなどが挙げられ、反応基の位置はシリコーン化合物の側鎖でも末端でもよい。これらの中では、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはアミノ変性シリコーンである。
(アミノ変性シリコーン化合物)
アミノ変性シリコーン化合物としては、25℃での動粘度が10〜20,000mm/s、アミノ当量400〜8,000g/molのアミノ変性シリコーン化合物が好ましいものとして挙げられる。
25℃での動粘度はオストワルト型粘度計で求めることができ、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、より好ましくは200〜10,000mm/s、更に好ましくは500〜5,000mm/sである。
また、アミノ当量は、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは400〜8,000g/mol、より好ましくは600〜5,000g/mol、更に好ましくは800〜3,000g/molである。なお、アミノ当量は、窒素原子1個当りの分子量であり、アミノ当量(g/mol)=質量平均分子量/1分子あたりの窒素原子数で求められる。ここで質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値であり、窒素原子数は元素分析法により求めることができる。
アミノ変性シリコーン化合物の具体例として、一般式(a1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006916031
〔式中、R1aは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は水素原子から選ばれる基を示し、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。R2aは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基又は水素原子から選ばれる基であり、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはメチル基又はヒドロキシ基である。Bは少なくとも一つのアミノ基を有する側鎖を示し、R3aは炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示す。x及びyはそれぞれ平均重合度を示し、該化合物の25℃の動粘度及びアミノ当量が上記範囲になるように選ばれる。尚、R1a、R2a、R3aはそれぞれ同一でも異なっていても良く、また複数個のR2aは同一でも異なっていても良い。〕
一般式(a1)の化合物において、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、xは好ましくは10〜10,000の数、より好ましくは20〜5,000の数、更に好ましくは30〜3,000の数である。yは好ましくは1〜1,000の数、より好ましくは1〜500の数、更に好ましくは1〜200の数である。一般式(a1)の化合物の質量平均分子量は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは8,000〜50,000である。
一般式(a1)において、アミノ基を有する側鎖Bとしては、下記のものを挙げることができる。
−C−NH
−C−NH−C−NH
−C−NH−[C−NH]−C−NH
−C−NH(CH
−C−NH−C−NH(CH
−C−NH−[C−NH]−C−NH(CH
−C−N(CH
−C−N(CH)−C−N(CH
−C−N(CH)−[C−N(CH)]−C−N(CH
−C−NH−cyclo-C11
(ここで、e、f、gは、それぞれ1〜30の数である。)
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、例えば、一般式(a2)で表されるオルガノアルコキシシランを過剰の水で加水分解して得られた加水分解物と、ジメチルシクロポリシロキサンとを水酸化ナトリウムのような塩基性触媒を用いて、80〜110℃に加熱して平衡反応させ、反応混合物が所望の粘度に達した時点で酸を用いて塩基性触媒を中和することにより製造することができる(特開昭53−98499号参照)。
N(CHNH(CHSi(CH)(OCH (a2)
また、アミノ変性シリコーン化合物としては、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは側鎖Bの1個の中にアミノ基が1個有するモノアミノ変性シリコーン及び側鎖Bの1個の中にアミノ基が2個有するジアミノ変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアミノ基を有する側鎖Bが−C−NHで表される化合物〔以下、(a1−1)成分という〕及びアミノ基を有する側鎖Bが−C−NH−C−NHで表される化合物〔以下、(a1−2)成分という〕からなる群から選ばれる1種以上である。
本発明におけるアミノ変性シリコーン化合物としては、性能の点から、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF4703(動粘度:1000、アミノ当量:1600)、TSF4708(動粘度:1000、アミノ当量:2800)、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSS−3551(動粘度:1000、アミノ当量:1600)、SF8457C(動粘度:1200、アミノ当量:1800)、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、BY16−892(動粘度:1500、アミノ当量:2000)、BY16−898(動粘度:2000、アミノ当量:2900)、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)、信越化学工業(株)製のKF8002(動粘度:1100、アミノ当量:1700)、KF867(動粘度:1300、アミノ当量:1700)、KF−864(動粘度:1700、アミノ当量:3800)、BY16−213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、BY16−853U(動粘度:14、アミノ当量:450)が好ましい。( )内において、動粘度は25℃での測定値(単位:mm/s)を示し、アミノ当量の単位はg/molである。
(a1−1)成分としては、BY16−213(動粘度:55、アミノ当量:2700)、BY16−853U(動粘度:14、アミノ当量:450)がより好ましい。
(a1−2)成分としては、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)がより好ましい。
セルロース繊維複合体における修飾基、即ちシリコーン基の平均結合量は、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、更に好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。
また、シリコーン基の導入率は、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。
なお、前記修飾基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。
なお、本明細書において、修飾基の平均結合量は、シリコーン化合物の添加量、シリコーン化合物の種類、反応温度、反応時間、溶媒などによって調整することができる。また、セルロース繊維複合体における修飾基の平均結合量(mmol/g)及び導入率(%)とは、セルロース繊維表面のカルボキシ基又は水酸基に修飾基が導入された量及び割合のことであり、セルロース繊維のカルボキシ基含有量と水酸基含有量を公知の方法(例えば、滴定、IR測定等)に従って測定することで算出することができる。
<セルロース繊維複合体の製造方法>
本発明のセルロース繊維複合体は、前記した酸化セルロース繊維に修飾基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。なお、ここでいう酸化セルロース繊維については、公知の方法、例えば、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することによって、カルボキシ基が0.1mmol/g以上、好ましくは0.2mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上含有する酸化セルロース繊維を調製することができる。なお、酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量は、後述のセルロース繊維複合体と同様の測定方法により求めることができる。
具体的な製造方法としては、修飾基の酸化セルロース繊維への導入態様によって、以下の2態様が挙げられる。即ち、修飾基をイオン結合によって酸化セルロース繊維に結合させる態様(態様A)、修飾基を共有結合によって酸化セルロース繊維に結合させる態様(態様B)が挙げられる。なお、共有結合として、アミド結合の場合を以下に示す。
〔態様A〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程
工程(2A):工程(1)で得られた酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを混合する工程
〔態様B〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程
工程(2B):工程(1)で得られた酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とをアミド化反応させる工程
修飾基の導入方法は、例えば、態様Aは特開2015−143336号公報に記載の方法を、態様Bは特開2015−143337号公報に記載の方法を参照にして行うことができる。また、本発明においては、工程(1)の後に後述する微細化工程を行い、微細な酸化セルロース繊維とした後に工程(2A又は2B)を行う方法(第1の製造形態)、及び、工程(1)の後に工程(2A又は2B)を行い、その後に微細化工程を行って微細なセルロース繊維複合体を得る方法(第2の製造形態)が挙げられる。なお、微細化処理後のセルロース繊維を「微細セルロース繊維」という場合があり、微細化処理後の酸化セルロース繊維を、特に、「微細酸化セルロース繊維」という場合がある。
以下、態様Aの第1の製造形態に基づいて、セルロース繊維複合体の製造方法を説明する。
〔工程(1)〕
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程である。具体的には、天然セルロース繊維に対して、特開2015−143336号又は特開2015−143337号に記載の、酸化処理工程(例えば、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を用いた酸化処理)及び精製工程(必要により)を行うことで、カルボキシ基含有量が好ましくは0.1mmol/g以上の酸化セルロース繊維が得られる。なお、ここで言う共酸化剤としては、臭化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
(微細化工程)
次に、第1の製造形態では、(必要により行われる精製工程後に)工程(1)で得られた酸化セルロース繊維を微細化する工程を行って、微細酸化セルロース繊維を得る。微細化工程では、精製工程を経た酸化セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。
分散媒としての溶媒は、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数3〜6のケトン;直鎖又は分岐状の炭素数1〜6の飽和炭化水素又は不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;炭素数2〜5の低級アルキルエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル等の極性溶媒等が例示される。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、微細化処理の操作性の観点から、水、炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜6のケトン、炭素数2〜5の低級アルキルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、コハク酸メチルトリグリコールジエステル等の極性溶媒が好ましく、環境負荷低減の観点から、水がより好ましい。溶媒の使用量は、酸化セルロース繊維を分散できる有効量であればよく、特に制限はないが、酸化セルロース繊維に対して、好ましくは1〜500質量倍、より好ましくは2〜200質量倍使用することがより好ましい。
微細化処理で使用する装置としては公知の分散機が好適に使用される。例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いることができる。また、微細化処理における反応物繊維の固形分濃度は50質量%以下が好ましい。
かくして、セルロース構成単位のC6位の水酸基がアルデヒド基を経由してカルボキシ基へと選択的に酸化され、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上のセルロースからなる、好ましくは平均繊維径0.1〜200nmの微細化された微細酸化セルロース繊維を得ることができる。
〔工程(2A)〕
第1の製造形態において、工程(2A)は、前記微細化工程を経て得られた微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを混合して、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。具体的には、微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを溶媒中で混合すればよく、例えば、特開2015−143336号に記載の方法に従って製造することができる。
工程(2A)で用いられるシリコーン化合物としては前記のものが挙げられる。
シリコーン化合物の使用量は、セルロース繊維複合体における修飾基の所望結合量により決めることができるが、反応性の観点から、酸化セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミン基が、好ましくは0.01mol以上、より好ましくは0.1mol以上、更に好ましくは0.5mol以上、更に好ましくは0.7mol以上、更に好ましくは1mol以上であり、製品純度の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量の化合物を一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。化合物が、モノアミンの場合は、上記のアミン基とアミンとは同じである。
溶媒としては、用いる化合物が溶解する溶媒を選択することが好ましく、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン(THF)、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸、水等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの極性溶媒の中でも、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、エタノール、IPA、DMF、水が好ましい。
混合時の温度は、化合物の反応性の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、着色等の製品品質の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。混合時間は、用いる化合物及び溶媒の種類に応じて適宜設定することができるが、化合物の反応性の観点から、好ましくは0.01時間以上、より好ましくは0.1時間以上、更に好ましくは1時間以上であり、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下である。
反応終了後、未反応の化合物等を除去するために、適宜後処理を行ってもよい。該後処理の方法としては、例えば、ろ過、遠心分離、透析等を用いることができる。
また、態様Bの製造方法については、工程(1)は態様Aと同様に行うことができるので、以下に第1の製造形態における工程(2B)について記載する。また、例えば、特開2013−151661号公報に記載の方法により製造することができる。
〔工程(2B)〕
第1の製造形態において、工程(2B)は、前記微細化工程を経て得られた微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とをアミド化反応させて、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。前記混合方法としては、原料が反応する程度のものであれば特に問題なく、具体的には、前記原料を縮合剤の存在下で混合し、微細酸化セルロース繊維に含有されるカルボキシ基とシリコーン化合物のアミノ基とを縮合反応させてアミド結合を形成する。
工程(2B)で用いられるシリコーン化合物としては、前記のものが挙げられる。
工程(2B)では、微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを縮合剤の存在下でアミド化させる。
シリコーン化合物の使用量は、反応性の観点から、微細酸化セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミン基が、好ましくは0.1mol以上、より好ましくは0.5mol以上であり、製品純度の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量の化合物を一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。
縮合剤としては、特には限定されないが、合成化学シリーズ ペプチド合成(丸善社)P116記載、又はTetrahedron,57,1551(2001)記載の縮合剤などが挙げられ、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(以下、「DMT−MM」と称する場合がある。)等が挙げられる。
上記アミド化反応においては、前記微細化工程における溶媒が挙げられ、用いる化合物が溶解する溶媒を選択することが好ましい。
前記アミド化反応における反応時間及び反応温度は、用いる化合物及び溶媒の種類等に応じて適宜選択することができるが、反応率の観点から、好ましくは1〜24時間、より好ましくは10〜20時間である。また、反応温度は、反応性の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、着色等の製品品質の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
前記反応後、未反応の化合物や縮合剤等を除去するために、適宜後処理を行ってもよい。該後処理の方法としては、例えば、ろ過、遠心分離、透析等を用いることができる。
なお、態様A及び態様Bのいずれにおいても、第2の製造形態では、前記した各工程を、工程(1)、工程(2A)又は工程(2B)、微細化工程の順で行うこと以外は、第1の製造形態と同様の方法で行うことができる。
また、態様A及び態様Bを組み合せて得られる微細セルロース繊維複合体であってもよく、即ち、イオン結合を介して連結した修飾基とアミド結合を介して連結した修飾基を有する微細セルロース繊維複合体であってもよい。この場合、工程(2A)と工程(2B)のいずれを先に行ってもよい。
かくして、酸化セルロース繊維に修飾基としてのシリコーン化合物(シリコーン基)がイオン結合及び/又は共有結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得ることができる。
得られた微細セルロース繊維複合体の平均繊維径は、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは0.5nm以上、更に好ましくは1nm以上、更に好ましくは2nm以上、更に好ましくは3nm以上である。また、同様の観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下、更に好ましくは6nm以下、更に好ましくは5nm以下である。
得られた微細セルロース繊維複合体の長さ(平均繊維長)としては、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは150nm以上、より好ましくは200nm以上である。また、同様の観点から、好ましくは1000nm以下、より好ましくは750nm以下、更に好ましくは500nm以下、更に好ましくは400nm以下である。
なお、本発明において、微細セルロース繊維複合体の平均繊維径及び平均繊維長は、前記の範囲に限定されるものではなく、例えばマイクロメーターのオーダーのものであっても使用することができる。
また、得られた微細セルロース繊維複合体の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは1以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、更に好ましくは40以上、更に好ましくは50以上であり、同様の観点から、好ましくは150以下、より好ましくは140以下、更に好ましくは130以下、更に好ましくは100以下、更に好ましくは95以下、更に好ましくは90以下である。また、平均アスペクト比が上記範囲内にある場合、アスペクト比の標準偏差としては、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは60以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは45以下であり、下限は特に設定されないが、経済性の観点から、好ましくは4以上である。
得られたセルロース繊維複合体は、上記後処理を行った後の分散液の状態で使用することもできるし、あるいは乾燥処理等により該分散液から溶媒を除去して、乾燥した粉末状のセルロース繊維複合体を得て、これを使用することもできる。ここで「粉末状」とは、セルロース繊維複合体が凝集した粉末状であり、セルロース粒子を意味するものではない。
粉末状のセルロース繊維複合体としては、例えば、前記セルロース繊維複合体の分散液をそのまま乾燥させた乾燥物;該乾燥物を機械処理で粉末化したもの;前記セルロース繊維複合体の分散液を公知のスプレードライ法により粉末化したもの;前記セルロース繊維複合体の分散液を公知のフリーズドライ法により粉末化したもの等が挙げられる。前記スプレードライ法は、前記セルロース繊維複合体の分散液を大気中で噴霧し、乾燥させる方法である。
[膜]
本発明のセルロース繊維複合体を有機媒体で膨潤させることによって、膜を作製することができる。即ち、かかる膜は、本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを有する。このような膜は食品分野や化粧料分野の容器の素材等として使用することができる。
膜における本発明のセルロース繊維複合体の含有量は、膜の感触及びべたつきの観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは17質量%以下である。
<有機媒体>
本発明で用いる有機媒体は、親水性でも疎水性でも良いが、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはSP値が5以上、25以下の有機媒体である。
本明細書におけるSP値とは、Fedors法で計算される溶解度パラメーター(単位:(cal/cm1/2)を示し、例えば、参考文献「SP値基礎・応用と計算方法」(情報機構社、2005年)、Polymer handbook Third edition(A Wiley-Interscience publication, 1989)等に記載されている。
本発明で使用されるSP値が5以上、25以下の有機媒体の質量平均分子量には特に制限はないが、好ましくは50以上、より好ましくは100以上であり、また、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは20,000以下である。
本発明で使用される疎水性の有機媒体としては、SP値が5以上、10未満の有機媒体が挙げられ、例えば、オレイン酸(SP値:9.2)、D−リモネン(SP値:9.4)、ポリエチレングリコール類(PEG400(SP値:9.4)等)、コハク酸ジメチル(SP値:9.9)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(SP値:8.9)、ラウリン酸ヘキシル(SP値:8.6)、ラウリン酸イソプロピル(SP値8.5)、ミリスチン酸イソプロピル(SP値8.5)、パルミチン酸イソプロピル(SP値8.5)、オレイン酸イソプロピル(SP値:8.6)、ヘキサデカン(SP値:8.0)、オリーブ油(SP値:9.3)、ホホバ油(SP値:8.6)、スクアラン(SP値:7.9)、流動パラフィン(SP値:7.9)、フルオロカーボン類(フロリナートFC−40(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC−43(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC−72(3M社製、SP値:6.1)、フロリナートFC−770(3M社製、SP値:6.1)等)、シリコーンオイル類(KF−96−1cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF−96−10cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF−96−50cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF−96−100cs(信越化学社製、SP値:7.3)、KF−96−1000cs(信越化学社製、SP値:7.3)等)等が挙げられる。これらの中では、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、有機媒体のSP値は、好ましくは9.5以下であり、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であり、例えば、スクアラン、前記のポリエチレングリコール類、前記のシリコーンオイル類が挙げられる。
また、本発明で使用される親水性の有機媒体としては、SP値が10以上、25以下の有機媒体が挙げられ、例えば、エチレングリコール(SP値:14.6)、プロピレングリコール(SP値:12.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値:10.1)、ジエチレングリコール(SP値:12.1)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値:10.2)、ジメチルスルホキシド(SP値:14.5)、ジメチルホルムアミド(SP値:12.1)、ジメチルアセトアミド(SP値:10.8)、エチレンカーボネート(SP値:14.7)、プロピレン−1,2−カーボネート(SP値:13.3)、ヘプタノール(SP値:10.6)、2−ブタノール(SP値:10.8)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.1)、アセトニトリル(SP値:11.9)、ブタン酸(SP値:10.5)、クレゾール(SP値:10.2)、アセトフェノン(SP値:10.6)、ベンジルアルコール(SP値:12.1)、グリセリン(SP値:16.5)等が挙げられる。これらの中では、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、有機媒体のSP値は、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは17以下であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンが挙げられる。
膜における有機媒体の含有量は、膜の感触及びべたつきの観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは82質量%以上、更に好ましくは83質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは96質量%以下である。
[膜の作製方法]
膜の作製方法としては、例えば、本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを含有する分散体を調製する工程1、及び工程1で調製された分散体を成形体に塗布する工程2を有する方法が挙げられる。
<工程1>
本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを含有する分散体は、これらの成分と溶媒とを混合することにより調製することができる。
溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン等が挙げられる。
これらの成分の混合条件としては、例えば、15〜35℃が好ましい。更に、混合時間としては、10〜60分間が好ましい。
本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体との混合比率としては、例えば、セルロース繊維複合体中のセルロース繊維:有機媒体の質量比として、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくは1:1以上、より好ましくは1:2以上、更に好ましくは1:3以上であり、膜の耐久性の観点から、好ましくは1:50以下、より好ましくは1:30以下、更に好ましくは1:20以下である。
本発明のセルロース繊維複合体及び有機媒体と、溶媒との混合比率としては、例えば、溶媒が分散体全体の60%以上、95%以下となる比率が好ましい。
<工程2>
工程1で得られた分散体を、ガラス、樹脂等の固体表面を有する成形体に塗布する。塗布の方法としては、例えば、アプリケーター、バーコーター、スピンコーター等を使用して塗布する方法が挙げられる。塗膜の厚みとしては、滑液速度、耐久性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μmであり、塗布性の観点から、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1500μm以下、更に好ましくは1200μm以下である。
次いで、塗膜を乾燥させる。乾燥条件としては、減圧下でも常圧下でもよく、温度範囲としては15〜75℃が好ましい。また、乾燥のための時間としては、1時間以上、50時間以下が好ましい。
このようにして、膜が形成され、膜を有する成形体が得られる。
[成形体]
膜を有する成形体は前述のようにして製造することができ、前述の膜を有する成形体は、本発明に包含される。
本発明の膜を前述のように固体表面に適用することにより、固体表面を滑液表面に改質することができる。従って本発明は、固体表面を滑液表面に改質するための前述の膜を包含するものである。本発明の膜は感触に優れ、べたつきが生じないことから、各種用途、例えば、日用品、化粧品、家電製品などの包装材として、ブリスターパックやトレイ、お弁当の蓋等の包装容器、食品容器、工業部品の輸送や保護に用いる工業用トレイ等に好適に用いることができる。
[膜用分散体]
本発明の一態様として、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体と有機媒体とを有する膜用分散体が提供される。かかる膜用分散体は、膜を形成させるための塗工液として提供され得る。かかる膜用分散体は、必要に応じて、前記[膜の作製方法]に列挙された溶媒やその他の成分を含有していてもよい。
前記膜用分散体における本発明のセルロース繊維複合体の含有量は、膜の感触及びべたつきの観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、更に好ましくは1.7質量%以下である。
前記膜用分散体における有機媒体の含有量は、膜の感触及びべたつきの観点から、好ましくは8.0質量%以上、より好ましくは8.2質量%以上、更に好ましくは8.3質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは9.8質量%以下、より好ましくは9.7質量%以下、更に好ましくは9.6質量%以下である。
前記膜用分散体における溶媒の含有量は、本発明のセルロース繊維複合体等を十分に分散させる観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは88質量%以上である。また、膜形成時間の短縮化の観点から、好ましくは96質量%以下、より好ましくは94質量%以下、更に好ましくは92質量%以下である。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。なお、この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。例中の部は、特記しない限り質量部である。なお、「常圧」とは101.3kPaを、「室温」とは25℃を示す。
〔セルロース繊維及びセルロース繊維複合体の平均繊維径、平均繊維長、平均アスペクト比〕
セルロース繊維又はセルロース繊維複合体に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe(NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維又はセルロース繊維複合体の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を100本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。繊維方向の距離より、平均繊維長を算出する。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出し、標準偏差も算出する。
〔セルロース繊維及びセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量〕
乾燥質量0.5gのセルロース繊維又はセルロース繊維複合体を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、セルロース繊維又はセルロース繊維複合体が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−710」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維又はセルロース繊維複合体の質量(0.5g)
〔酸化セルロース繊維及びセルロース繊維複合体のアルデヒド基含有量〕
ビーカーに、酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体100.0g(固形分濃度1.0質量%)、酢酸緩衝液(pH4.8)、2−メチル−2−ブテン0.33g、亜塩素酸ナトリウム0.45gを加え室温で16時間撹拌して、アルデヒド基の酸化処理を行う。反応終了後、イオン交換水にて洗浄を行い、アルデヒド基を酸化処理した酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体を得る。反応液を凍結乾燥処理し、得られた乾燥品を酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を上記に記載の方法で測定し、アルデヒド基を酸化処理した酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。続いて、式1にて酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のアルデヒド基含有量を算出する。
アルデヒド基含有量(mmol/g)=(アルデヒド基を酸化処理した酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量)−(酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量)・・・式1
〔分散液中の固形分濃度〕
ハロゲン水分計MOC−120H(島津製作所社製)を用いて行う。サンプル1gに対して150℃恒温で30秒ごとの測定を行い、質量減少が0.1%以下となった値を固形分濃度とする。
〔セルロース繊維複合体の修飾基の平均結合量及び導入率(イオン結合)〕
修飾基の結合量を次のIR測定方法により求め、下記式によりその平均結合量及び導入率を算出する。IR測定は、具体的には、乾燥させたセルロース繊維又はセルロース繊維複合体を赤外吸収分光装置(IR)Nicolet 6700(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いATR法にて測定し、次式により、修飾基の平均結合量及び導入率を算出する。
修飾基の結合量(mmol/g)=[セルロース繊維のカルボキシ基含有量(mmol/g)]×[(セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度 − 修飾基導入後のセルロース繊維複合体の1720cm−1のピーク強度)÷セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度]
1720cm−1のピーク強度:カルボン酸のカルボニル基に由来するピーク強度
修飾基の導入率(%)={修飾基の結合量(mmol/g)/導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)}×100
〔セルロース繊維複合体の修飾基の平均結合量及び導入率(アミド結合)〕
修飾基の平均結合量を下記式により算出する。
修飾基の結合量(mmol/g)=修飾基導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)−修飾基導入後のセルロース繊維複合体中のカルボキシ基含有量(mmol/g)
修飾基の導入率(%)={修飾基の結合量(mmol/g)/導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)}×100
〔セルロース繊維分散液の作製〕
調製例1(天然セルロース繊維にN−オキシル化合物を作用させて得られる酸化セルロース繊維の分散液)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
まず、針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維100gを9900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%をこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を120分(20℃)行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、酸化パルプを得た。得られた酸化パルプをイオン交換水で十分に洗浄し、次いで脱水処理を行った。その後、酸化パルプ3.9gとイオン交換水296.1gを高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)を用いて245MPaで微細化処理を2回行い、酸化セルロース繊維分散液(固形分濃度1.3質量%)を得た。このセルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.62mmol/gであった。
調製例2(アルデヒド基を還元処理した酸化セルロース繊維の分散液)
調製例1で得られた酸化セルロース繊維分散液3846.15g(固形分濃度1.3質量%)をビーカーに投入し、ここに1M水酸化ナトリウム水溶液を加えpH10程度にした後、水素化ホウ素ナトリウムを2.63g仕込み、室温下3時間反応させアルデヒド還元処理を行った。反応終了後、1M塩酸水溶液を405g、イオン交換水を4286g加え0.7質量%の水溶液とし、室温下1時間反応させプロトン化を行い、反応終了後イオン交換水にて洗浄し塩酸及び塩を除去した。最後にイソプロピルアルコールで溶媒置換し、アルデヒド基を還元処理した酸化セルロース繊維分散液を得た。得られたアルデヒド基を還元処理した酸化セルロース繊維分散液(固形分濃度2.0質量%)の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.62mmol/gであった。
〔セルロース繊維複合体の作製〕
製造例1
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例2で得られた酸化セルロース繊維分散液300g(固形分濃度2.0質量%)を仕込んだ。続いて、アミノ変性シリコーン(BY16−209、東レ・ダウコーニング株式会社製、「シリコーン1」と略記する。)を、酸化セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミノ基0.5molに相当する量を仕込み、イソプロピルアルコール100gを添加し、これらの混合物を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イソプロピルアルコールにて洗浄後、超音波ホモジナイザー(US−300E、日本精機製作所社製)にて2分間攪拌し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)にて100MPaで1パス、150MPaで9パス微細処理させることで、酸化セルロース繊維に、アミノ変性シリコーンがイオン結合を介して連結したセルロース繊維複合体を得た。得られたセルロース繊維複合体は、イソプロピルアルコール分散液の状態であった。修飾基の導入率はセルロース繊維のカルボキシ基の40%であった。得られたセルロース繊維複合体の平均繊維径は3.3nmであった。
製造例2〜5及び7
シリコーン化合物等及び仕込み量を表1に示す通りに変更した点以外は製造例1と同様の方法で、セルロース繊維複合体を得た。なお、各製造例で用いたシリコーン化合物等の詳細は次の通りである。
シリコーン1:東レ・ダウコーニング株式会社製、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)
シリコーン2:東レ・ダウコーニング株式会社製、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)
シリコーン3:東レ・ダウコーニング株式会社製、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)
ドデシルアミン:和光純薬製
ポリオキシアルキレングリコールアミン:HUNTSMAN製、JEFFAMINE(登録商標) M2070
製造例6
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、製造例1で得られたセルロース繊維複合体の分散液300g(固形分濃度1.2質量%)を仕込んだ。続いて、ドデシルアミンを、セルロース繊維複合体のカルボキシ基1molに対してアミノ基0.5molに相当する量を仕込み、イソプロピルアルコール100gを添加し、これらの混合物を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後は、製造例1と同様にしてアミノ変性シリコーンおよびドデシルアミンがイオン結合を介して連結したセルロース繊維複合体を得た。
表1に、各製造例における原料等をまとめた。
Figure 0006916031
表1中の仕込み量とはカルボキシ基1molに対するアミノ基の量(mol)である。
〔膜の作製〕
実施例1
製造例1で得られたセルロース繊維複合体を用いて、次のようにして膜を作製した。セルロース繊維複合体中のセルロース繊維:スクアラン(有機媒体)が1:20の質量比になるように、また、溶媒が分散体全体の90質量%になるように、セルロース繊維複合体、スクアラン及び溶媒(イソプロピルアルコール)を配合し、スクリュー管中、室温で30分撹拌した。その後、自動公転式攪拌機あわとり練太郎(シンキー社製)を用いて2200rpmで2分撹拌して脱泡し、塗膜用の分散体を得た。得られた塗膜用分散体をガラスシャーレ上に厚みが10mmになるように塗膜し、室温で48時間乾燥することによりイソプロピルアルコールを揮発させ、膜厚が1000μmの膜を得た。
実施例2〜8及び比較例1
セルロース繊維複合体の種類、セルロース繊維と有機媒体との質量比を表2に示す通りに変更した点以外は実施例1と同様の方法で膜を得た。結果を表2に示す。
〔膜の評価〕
試験例1(感触評価)
前記の各実施例及び比較例で作製された膜(対象品)について、3人の専門スコアラーにより下記の評価基準による評価を行い、その平均値を四捨五入した値を感触評価とした。結果を表2に示す。なお、比較品としては、比較例1で作製された膜を使用した。
5:対象品の方が非常に滑らか。
4:対象品の方が滑らか。
3:対象品と比較品とが同等である。
2:比較品の方が滑らか。
1:比較品の方が非常に滑らか。
試験例2(べたつき評価)
前記の各実施例及び比較例で作製された膜(対象品)について、3人の専門スコアラーにより下記の評価基準による評価を行い、その平均値を四捨五入した値を感触評価とした。結果を表2に示す。なお、比較品としては、比較例1で作製された膜を使用した。
5:対象品の方が非常にべたつかない。
4:対象品の方がべたつかない。
3:対象品と比較品とが同等である。
2:比較品の方がべたつかない。
1:比較品の方が非常にべたつかない。
なお、表2中、質量比とは、セルロース繊維複合体中のセルロース繊維と有機媒体との質量比(セルロース繊維:有機媒体)のことである。
Figure 0006916031
上記の表から以下のことが分かった。
修飾基としてシリコーン化合物を用いた実施例では、いずれも感触が良く、べたつきもないものであった。一方、修飾基としてシリコーン化合物を用いなかった比較例1では、感触及びべたつきの点で、実施例よりも劣っていた。
本発明のセルロース繊維複合体は、化粧料や食品の包装容器の素材分野に利用することができる。

Claims (4)

  1. カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体。
  2. セルロース繊維複合体が、セルロース繊維のカルボキシ基に修飾基が結合されたものである、請求項1に記載のセルロース繊維複合体。
  3. シリコーン化合物がアミノ変性シリコーン化合物である、請求項1又は2に記載のセルロース繊維複合体。
  4. セルロース繊維複合体の平均繊維径が0.1〜200nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロース繊維複合体。
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