JP6916031B2 - セルロース繊維複合体 - Google Patents
セルロース繊維複合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6916031B2 JP6916031B2 JP2017079751A JP2017079751A JP6916031B2 JP 6916031 B2 JP6916031 B2 JP 6916031B2 JP 2017079751 A JP2017079751 A JP 2017079751A JP 2017079751 A JP2017079751 A JP 2017079751A JP 6916031 B2 JP6916031 B2 JP 6916031B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose fiber
- group
- less
- cellulose
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
〔1〕 カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体。
本発明のセルロース繊維複合体は、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるものである。
原料のセルロース繊維としては、環境面から天然セルロース繊維が好ましく、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明に用いるセルロース繊維は、所定量のカルボキシ基を有するセルロース繊維(以下、酸化セルロース繊維ともいう。)であり、セルロース繊維を酸化することにより得ることができる。
酸化セルロース繊維は、例えば、触媒として2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)を使用し、更に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を併用して酸化する方法が適用できる。より詳細には、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することができ、更に、追酸化処理又は還元処理を行うことで、アルデヒドを除去した酸化セルロース繊維として調製することができる。
本発明のセルロース繊維複合体を構成するセルロース繊維は、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるが、安定な微細化及び修飾基導入の観点から、好ましくは0.4mmol/g以上、より好ましくは0.6mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。なお、「カルボキシ基含有量」とは、セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明のセルロース繊維複合体は、例えば、上記した酸化セルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基からなる群から選ばれる1種以上に、好ましくはカルボキシ基に、シリコーン化合物を修飾基としてイオン結合及び/又は共有結合させることにより得られる。カルボキシ基への結合様式としては、イオン結合、共有結合が挙げられる。ここでの共有結合としては、例えば、アミド結合、エステル結合、ウレタン結合が挙げられ、なかでも、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはアミド結合である。また、水酸基への結合様式としては、共有結合が挙げられ、具体的には、エステル結合;カルボキシメチル化、カルボキシエチル化などのエーテル結合;ウレタン結合が挙げられる。本発明のセルロース繊維複合体としては、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基に、シリコーン化合物をイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られるものが好ましい。
シリコーン化合物は、市販品を用いるか、公知の方法に従って調製することができる。
アミノ変性シリコーン化合物としては、25℃での動粘度が10〜20,000mm2/s、アミノ当量400〜8,000g/molのアミノ変性シリコーン化合物が好ましいものとして挙げられる。
−C3H6−NH2
−C3H6−NH−C2H4−NH2
−C3H6−NH−[C2H4−NH]e−C2H4−NH2
−C3H6−NH(CH3)
−C3H6−NH−C2H4−NH(CH3)
−C3H6−NH−[C2H4−NH]f−C2H4−NH(CH3)
−C3H6−N(CH3)2
−C3H6−N(CH3)−C2H4−N(CH3)2
−C3H6−N(CH3)−[C2H4−N(CH3)]g−C2H4−N(CH3)2
−C3H6−NH−cyclo-C5H11
(ここで、e、f、gは、それぞれ1〜30の数である。)
H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2 (a2)
(a1−2)成分としては、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)がより好ましい。
本発明のセルロース繊維複合体は、前記した酸化セルロース繊維に修飾基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。なお、ここでいう酸化セルロース繊維については、公知の方法、例えば、特開2011−140632号公報に記載の方法を参照することによって、カルボキシ基が0.1mmol/g以上、好ましくは0.2mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上含有する酸化セルロース繊維を調製することができる。なお、酸化セルロース繊維のカルボキシ基含有量は、後述のセルロース繊維複合体と同様の測定方法により求めることができる。
〔態様A〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程
工程(2A):工程(1)で得られた酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを混合する工程
〔態様B〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程
工程(2B):工程(1)で得られた酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とをアミド化反応させる工程
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化して、酸化セルロース繊維を得る工程である。具体的には、天然セルロース繊維に対して、特開2015−143336号又は特開2015−143337号に記載の、酸化処理工程(例えば、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を用いた酸化処理)及び精製工程(必要により)を行うことで、カルボキシ基含有量が好ましくは0.1mmol/g以上の酸化セルロース繊維が得られる。なお、ここで言う共酸化剤としては、臭化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
次に、第1の製造形態では、(必要により行われる精製工程後に)工程(1)で得られた酸化セルロース繊維を微細化する工程を行って、微細酸化セルロース繊維を得る。微細化工程では、精製工程を経た酸化セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。
第1の製造形態において、工程(2A)は、前記微細化工程を経て得られた微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを混合して、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。具体的には、微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とを溶媒中で混合すればよく、例えば、特開2015−143336号に記載の方法に従って製造することができる。
第1の製造形態において、工程(2B)は、前記微細化工程を経て得られた微細酸化セルロース繊維とシリコーン化合物とをアミド化反応させて、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。前記混合方法としては、原料が反応する程度のものであれば特に問題なく、具体的には、前記原料を縮合剤の存在下で混合し、微細酸化セルロース繊維に含有されるカルボキシ基とシリコーン化合物のアミノ基とを縮合反応させてアミド結合を形成する。
本発明のセルロース繊維複合体を有機媒体で膨潤させることによって、膜を作製することができる。即ち、かかる膜は、本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを有する。このような膜は食品分野や化粧料分野の容器の素材等として使用することができる。
本発明で用いる有機媒体は、親水性でも疎水性でも良いが、感触がよく、べたつきが生じない膜を得る観点から、好ましくはSP値が5以上、25以下の有機媒体である。
膜の作製方法としては、例えば、本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを含有する分散体を調製する工程1、及び工程1で調製された分散体を成形体に塗布する工程2を有する方法が挙げられる。
本発明のセルロース繊維複合体と有機媒体とを含有する分散体は、これらの成分と溶媒とを混合することにより調製することができる。
工程1で得られた分散体を、ガラス、樹脂等の固体表面を有する成形体に塗布する。塗布の方法としては、例えば、アプリケーター、バーコーター、スピンコーター等を使用して塗布する方法が挙げられる。塗膜の厚みとしては、滑液速度、耐久性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μmであり、塗布性の観点から、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1500μm以下、更に好ましくは1200μm以下である。
膜を有する成形体は前述のようにして製造することができ、前述の膜を有する成形体は、本発明に包含される。
本発明の一態様として、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体と有機媒体とを有する膜用分散体が提供される。かかる膜用分散体は、膜を形成させるための塗工液として提供され得る。かかる膜用分散体は、必要に応じて、前記[膜の作製方法]に列挙された溶媒やその他の成分を含有していてもよい。
セルロース繊維又はセルロース繊維複合体に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe(NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維又はセルロース繊維複合体の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を100本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。繊維方向の距離より、平均繊維長を算出する。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出し、標準偏差も算出する。
乾燥質量0.5gのセルロース繊維又はセルロース繊維複合体を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、セルロース繊維又はセルロース繊維複合体が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−710」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維又はセルロース繊維複合体の質量(0.5g)
ビーカーに、酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体100.0g(固形分濃度1.0質量%)、酢酸緩衝液(pH4.8)、2−メチル−2−ブテン0.33g、亜塩素酸ナトリウム0.45gを加え室温で16時間撹拌して、アルデヒド基の酸化処理を行う。反応終了後、イオン交換水にて洗浄を行い、アルデヒド基を酸化処理した酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体を得る。反応液を凍結乾燥処理し、得られた乾燥品を酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を上記に記載の方法で測定し、アルデヒド基を酸化処理した酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。続いて、式1にて酸化セルロース繊維又はセルロース繊維複合体のアルデヒド基含有量を算出する。
ハロゲン水分計MOC−120H(島津製作所社製)を用いて行う。サンプル1gに対して150℃恒温で30秒ごとの測定を行い、質量減少が0.1%以下となった値を固形分濃度とする。
修飾基の結合量を次のIR測定方法により求め、下記式によりその平均結合量及び導入率を算出する。IR測定は、具体的には、乾燥させたセルロース繊維又はセルロース繊維複合体を赤外吸収分光装置(IR)Nicolet 6700(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いATR法にて測定し、次式により、修飾基の平均結合量及び導入率を算出する。
修飾基の結合量(mmol/g)=[セルロース繊維のカルボキシ基含有量(mmol/g)]×[(セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度 − 修飾基導入後のセルロース繊維複合体の1720cm−1のピーク強度)÷セルロース繊維の1720cm−1のピーク強度]
1720cm−1のピーク強度:カルボン酸のカルボニル基に由来するピーク強度
修飾基の導入率(%)={修飾基の結合量(mmol/g)/導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)}×100
修飾基の平均結合量を下記式により算出する。
修飾基の結合量(mmol/g)=修飾基導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)−修飾基導入後のセルロース繊維複合体中のカルボキシ基含有量(mmol/g)
修飾基の導入率(%)={修飾基の結合量(mmol/g)/導入前のセルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)}×100
調製例1(天然セルロース繊維にN−オキシル化合物を作用させて得られる酸化セルロース繊維の分散液)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
調製例1で得られた酸化セルロース繊維分散液3846.15g(固形分濃度1.3質量%)をビーカーに投入し、ここに1M水酸化ナトリウム水溶液を加えpH10程度にした後、水素化ホウ素ナトリウムを2.63g仕込み、室温下3時間反応させアルデヒド還元処理を行った。反応終了後、1M塩酸水溶液を405g、イオン交換水を4286g加え0.7質量%の水溶液とし、室温下1時間反応させプロトン化を行い、反応終了後イオン交換水にて洗浄し塩酸及び塩を除去した。最後にイソプロピルアルコールで溶媒置換し、アルデヒド基を還元処理した酸化セルロース繊維分散液を得た。得られたアルデヒド基を還元処理した酸化セルロース繊維分散液(固形分濃度2.0質量%)の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.62mmol/gであった。
製造例1
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、調製例2で得られた酸化セルロース繊維分散液300g(固形分濃度2.0質量%)を仕込んだ。続いて、アミノ変性シリコーン(BY16−209、東レ・ダウコーニング株式会社製、「シリコーン1」と略記する。)を、酸化セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミノ基0.5molに相当する量を仕込み、イソプロピルアルコール100gを添加し、これらの混合物を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イソプロピルアルコールにて洗浄後、超音波ホモジナイザー(US−300E、日本精機製作所社製)にて2分間攪拌し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)にて100MPaで1パス、150MPaで9パス微細処理させることで、酸化セルロース繊維に、アミノ変性シリコーンがイオン結合を介して連結したセルロース繊維複合体を得た。得られたセルロース繊維複合体は、イソプロピルアルコール分散液の状態であった。修飾基の導入率はセルロース繊維のカルボキシ基の40%であった。得られたセルロース繊維複合体の平均繊維径は3.3nmであった。
シリコーン化合物等及び仕込み量を表1に示す通りに変更した点以外は製造例1と同様の方法で、セルロース繊維複合体を得た。なお、各製造例で用いたシリコーン化合物等の詳細は次の通りである。
シリコーン1:東レ・ダウコーニング株式会社製、BY16−209(動粘度:500、アミノ当量:1800)
シリコーン2:東レ・ダウコーニング株式会社製、SF8417(動粘度:1200、アミノ当量:1700)
シリコーン3:東レ・ダウコーニング株式会社製、FZ−3760(動粘度:220、アミノ当量:1600)
ドデシルアミン:和光純薬製
ポリオキシアルキレングリコールアミン:HUNTSMAN製、JEFFAMINE(登録商標) M2070
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、製造例1で得られたセルロース繊維複合体の分散液300g(固形分濃度1.2質量%)を仕込んだ。続いて、ドデシルアミンを、セルロース繊維複合体のカルボキシ基1molに対してアミノ基0.5molに相当する量を仕込み、イソプロピルアルコール100gを添加し、これらの混合物を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後は、製造例1と同様にしてアミノ変性シリコーンおよびドデシルアミンがイオン結合を介して連結したセルロース繊維複合体を得た。
実施例1
製造例1で得られたセルロース繊維複合体を用いて、次のようにして膜を作製した。セルロース繊維複合体中のセルロース繊維:スクアラン(有機媒体)が1:20の質量比になるように、また、溶媒が分散体全体の90質量%になるように、セルロース繊維複合体、スクアラン及び溶媒(イソプロピルアルコール)を配合し、スクリュー管中、室温で30分撹拌した。その後、自動公転式攪拌機あわとり練太郎(シンキー社製)を用いて2200rpmで2分撹拌して脱泡し、塗膜用の分散体を得た。得られた塗膜用分散体をガラスシャーレ上に厚みが10mmになるように塗膜し、室温で48時間乾燥することによりイソプロピルアルコールを揮発させ、膜厚が1000μmの膜を得た。
セルロース繊維複合体の種類、セルロース繊維と有機媒体との質量比を表2に示す通りに変更した点以外は実施例1と同様の方法で膜を得た。結果を表2に示す。
試験例1(感触評価)
前記の各実施例及び比較例で作製された膜(対象品)について、3人の専門スコアラーにより下記の評価基準による評価を行い、その平均値を四捨五入した値を感触評価とした。結果を表2に示す。なお、比較品としては、比較例1で作製された膜を使用した。
5:対象品の方が非常に滑らか。
4:対象品の方が滑らか。
3:対象品と比較品とが同等である。
2:比較品の方が滑らか。
1:比較品の方が非常に滑らか。
前記の各実施例及び比較例で作製された膜(対象品)について、3人の専門スコアラーにより下記の評価基準による評価を行い、その平均値を四捨五入した値を感触評価とした。結果を表2に示す。なお、比較品としては、比較例1で作製された膜を使用した。
5:対象品の方が非常にべたつかない。
4:対象品の方がべたつかない。
3:対象品と比較品とが同等である。
2:比較品の方がべたつかない。
1:比較品の方が非常にべたつかない。
修飾基としてシリコーン化合物を用いた実施例では、いずれも感触が良く、べたつきもないものであった。一方、修飾基としてシリコーン化合物を用いなかった比較例1では、感触及びべたつきの点で、実施例よりも劣っていた。
Claims (4)
- カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるセルロース繊維のカルボキシ基及び水酸基から選ばれる1種以上にシリコーン化合物が修飾基として結合されてなるセルロース繊維複合体。
- セルロース繊維複合体が、セルロース繊維のカルボキシ基に修飾基が結合されたものである、請求項1に記載のセルロース繊維複合体。
- シリコーン化合物がアミノ変性シリコーン化合物である、請求項1又は2に記載のセルロース繊維複合体。
- セルロース繊維複合体の平均繊維径が0.1〜200nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロース繊維複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017079751A JP6916031B2 (ja) | 2017-04-13 | 2017-04-13 | セルロース繊維複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017079751A JP6916031B2 (ja) | 2017-04-13 | 2017-04-13 | セルロース繊維複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018178309A JP2018178309A (ja) | 2018-11-15 |
JP6916031B2 true JP6916031B2 (ja) | 2021-08-11 |
Family
ID=64281452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017079751A Active JP6916031B2 (ja) | 2017-04-13 | 2017-04-13 | セルロース繊維複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6916031B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020105516A (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-09 | 花王株式会社 | 組成物 |
JP7450419B2 (ja) | 2019-03-19 | 2024-03-15 | 花王株式会社 | 改質セルロース繊維を含有する組成物 |
EP3988319A4 (en) * | 2019-06-20 | 2023-08-09 | Toray Industries, Inc. | PROCESS FOR WATERLESS INKING OF PLANTOGRAPHY PLATES AND DYE FOR PLANOGRAPHING |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4477514A (en) * | 1983-11-14 | 1984-10-16 | Dow Corning Corporation | Method for treating cellulosic textile fabrics with aqueous emulsions of carboxyfunctional silicone fluids |
JP3016543B2 (ja) * | 1995-04-11 | 2000-03-06 | 信越化学工業株式会社 | シロキサン含有セルロース誘導体およびその製造方法 |
JP4253861B2 (ja) * | 1998-04-16 | 2009-04-15 | 凸版印刷株式会社 | セルロース誘導体 |
EP2526922B1 (en) * | 2010-01-22 | 2018-10-03 | Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. | Viscous composition |
JP2013216998A (ja) * | 2012-04-11 | 2013-10-24 | Kao Corp | 表面改質微細セルロース繊維 |
JP5823599B2 (ja) * | 2013-12-26 | 2015-11-25 | 花王株式会社 | 微細セルロース繊維複合体 |
JP5996082B1 (ja) * | 2015-12-25 | 2016-09-21 | 第一工業製薬株式会社 | セルロースナノファイバーおよび樹脂組成物 |
-
2017
- 2017-04-13 JP JP2017079751A patent/JP6916031B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018178309A (ja) | 2018-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3594301B1 (en) | Film comprising hydrophobized cellulose fibers and oil | |
JP6916031B2 (ja) | セルロース繊維複合体 | |
EP0736297B1 (en) | Cystine-silicone polymers and their use for treating keratin substrates | |
KR101689317B1 (ko) | 에폭시 화합물과 아미노 실란의 반응 생성물을 포함하여 구성되는 퍼스널 케어 조성물 | |
JP7203916B2 (ja) | ゲル膜 | |
Cao et al. | Surface chemical bonding with poly (hexamethylene guanidine) for non-leaching antimicrobial poly (ethylene terephthalate) | |
CN110050039B (zh) | 树脂组合物 | |
Stiubianu et al. | Silicone-modified cellulose. Crosslinking of cellulose acetate with poly [dimethyl (methyl-H) siloxane] by Pt-catalyzed dehydrogenative coupling | |
Girardi et al. | Chemical–physical characterization of ancient paper with functionalized polyamidoamines (PAAs) | |
JP6636881B2 (ja) | シロキサン変性キトサンの製造方法、シロキサン変性キトサン、乳化剤、及び乳化組成物 | |
JP7042148B2 (ja) | 疎水変性セルロース繊維及び油を配合してなる膜 | |
CN108505333A (zh) | 纤维素纤维、纤维素纤维的制造方法 | |
JP2019181398A (ja) | マイクロカプセル被膜、マイクロカプセル製剤およびマイクロカプセル製剤の製造方法 | |
JP2022014915A (ja) | 微細セルロース繊維含有組成物、塗料および増粘剤 | |
WO2021230191A1 (ja) | 増粘剤組成物 | |
JP2020158764A (ja) | 改質セルロース繊維を含有する組成物 | |
JP7021944B2 (ja) | 積層体及びその製造方法 | |
Oréfice et al. | AFM study on the interactions across interfaces containing attached polymer chains | |
WO2023132012A1 (ja) | 微細セルロース繊維含有組成物、塗料および増粘剤 | |
WO2017200220A1 (ko) | 회합성 공중합체로 표면 개질된 셀룰로오즈 미세섬유 및 이를 포함하는 점증제 조성물 | |
WO2024014395A1 (ja) | ロタキサン化合物 | |
JP2024067274A (ja) | 乳化組成物 | |
CN114206994A (zh) | 含有疏水改性纤维素纤维的乳化组合物 | |
JP2022103135A (ja) | コーティング剤 | |
JP2022117974A (ja) | 乳化組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210319 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210708 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210715 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6916031 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |