JP2024065315A - 光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置、光学機器 - Google Patents

光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置、光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズ面内全域で十分な反射率低減が可能な光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子(300,301,302)は、基材(200,201,202)と反射防止膜(00,101,102)とを有する。反射防止膜は、基材の上に形成された第1の層(01,11,21)と、該第1の層の上に形成された第2の層(02,12,22)とからなる。記第1の層および第2の層は、それぞれ有機化合物を含む。波長550nmにおける基材の屈折率n、波長550nmにおける第1の層の屈折率n、波長550nmにおける第2の層の屈折率n、第1の層の物理膜厚d(nm)、第2の層の物理膜厚d(nm)は所定の条件式を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置、光学機器に関するものである。
光学系に含まれるレンズやフィルターなどの光学素子の表面には、不要な反射によるフレアやゴーストを防止するため、反射防止機能を有する誘電体多層膜(反射防止膜)が形成されることが多い。
反射防止膜は、最表層に屈折率の低い材料を使用すれば、高性能な反射防止性能を得ることができる。屈折率の低い材料としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。これらの材料は、層内に空隙を形成することにより屈折率を下げることができる。
特許文献1には、屈折率が1.70から1.95の基材の上に形成された、アルミナを主成分とした第1層、屈折率1.27のシリカエアロゲルである第2層からなる2層構成の反射防止膜が開示されている。
特開2009-162989号公報
しかしながら、特許文献1に開示の反射防止膜は、アルミナを主成分とした第1層を蒸着により成膜している。このため、大開角レンズにおいては、レンズ面内に膜ムラが生じ、レンズ面内全域での反射防止性能が十分でないという問題があった。さらに、最上層の屈折率が1.27程度であるため、基材の屈折率が1.70以下の場合は、反射防止性能が十分でないという問題があった。
本発明は、レンズ面内全域で十分な反射率低減が可能な光学素子を提供する。
本発明の一側面としての光学素子は、基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層とからなり、前記第1の層および前記第2の層は、それぞれ有機化合物を含み、波長550nmにおける前記基材の屈折率をn、波長550nmにおける前記第1の層の屈折率をn、波長550nmにおける前記第2の層の屈折率をn、前記第1の層の物理膜厚をd(nm)、前記第2の層の物理膜厚をd(nm)とするとき、
1.30≦n≦1.70
1.10≦n≦1.26
-0.2≦(n-1)-2(n-n)≦0.2
100≦n≦155
100≦n≦155
なる条件式を満足することを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、レンズ面内全域で十分な反射率低減が可能な光学素子を提供することができる。
光学素子の一実施形態を示す概略図である。 実施例1、4、5、7、9、10、比較例1、2の光学素子の概略断面図である。 実施例2、3、6、8の光学素子の概略断面図である。 実施例1の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例1の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例2の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例2の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例3の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例3の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例4の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例4の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例5の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例5の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例6の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例6の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例7の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例7の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例8の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例8の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例9の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例9の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例10の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 実施例10の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 実施例11における光学系の断面図である。 実施例12における撮像装置の外観斜視図である。 比較例1の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。 比較例1の位置CおよびQにおける入射角0度の反射率特性を示す図である。 比較例2の位置Cにおける入射角0、15、30、45、60度の反射率特性を示す図である。
以下、本発明の各実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の光学素子300の一実施形態を示す概略図である。光学素子300は、透明基板(基材)200、および2層膜である反射防止膜100を有する。反射防止膜100は、透明基板200から空気側に向かって順に形成された、第1の薄膜層(第1の層)01、および第2の薄膜層(第2の層)02からなる。つまり、第1の薄膜層01は透明基板200の上に形成され、第2の薄膜層02は第1の薄膜層01の上に形成されている。
第1の薄膜層01および第2の薄膜層02は、それぞれ有機化合物を含む材料からなる。「有機化合物」とは、炭素を含む化合物のことであり、一酸化炭素や二酸化炭素といった簡単な構造の化合物を除く。
ここで、基準波長λを550nmとし、波長550nmにおける透明基板200の屈折率をnとする。波長550nmにおける、第1の薄膜層01の屈折率をn、第2の薄膜層02の屈折率をnとする。第1の薄膜層01の物理膜厚をd(nm)、第2の薄膜層02の物理膜厚をd(nm)とする。このとき、光学素子300は、以下の条件式(1)から(5)を満足する。
1.30≦n≦1.70 ・・・(1)
1.10≦n≦1.26 ・・・(2)
-0.2≦(n-1)-2(n-n)≦0.2 ・・・(3)
100≦n≦155 ・・・(4)
100≦n≦155 ・・・(5)
条件式(1)は、波長550nmにおける第1の薄膜層01の屈折率nを規定する。条件式(1)の下限値を下回ると、第1の薄膜層01の屈折率nが、その上に形成される第2の薄膜層02の屈折率に対して低くなりすぎ、十分な反射防止性能が得られない。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、有機化合物を含む材料からなる第1の薄膜層01を一般的に使用される材料で作製することが困難となる。
条件式(2)は、波長550nmにおける第2の薄膜層02の屈折率nを規定する。条件式(2)の下限値を下回ると、有機化合物を含む材料からなる第2の薄膜層02を一般的に使用される材料で作製することが困難となる。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、第1の薄膜層01と第2の薄膜層02の2層構成において高性能な反射防止膜100が得られない。
条件式(3)は、光学素子300の反射率を規定する。条件式(3)の下限値を下回る、もしくは条件式(3)の上限値を上回ると、反射率が高くなりすぎ、十分な反射防止性能が得られない。
条件式(4)は、第1の薄膜層01の光学膜厚を規定する。条件式(4)の下限値を下回る、もしくは条件式(4)の上限値を上回ると、第1の薄膜層01の光学膜厚がλ/4程度とならず、十分な反射防止性能が得られない。
条件式(5)は、第2の薄膜層02の光学膜厚を規定する。条件式(5)の下限値を下回る、もしくは条件式(5)の上限値を上回ると、第2の薄膜層02の光学膜厚がλ/4程度とならず、十分な反射防止性能が得られない。
なお、条件式(1)~(5)の数値範囲は、以下の条件式(1a)~(5a)の範囲とすることがより好ましい。
1.40≦n≦1.68 ・・・(1a)
1.11≦n≦1.25 ・・・(2a)
-0.15≦(n-1)-2(n-n)≦0.15 ・・・(3a)
105≦n≦150 ・・・(4a)
105≦n≦150 ・・・(5a)
また、条件式(1)~(5)の数値範囲は、以下の条件式(1b)~(5b)の範囲とすることが更に好ましい。
1.42≦n≦1.65 ・・・(1b)
1.12≦n≦1.24 ・・・(2b)
-0.12≦(n-1)-2(n-n)≦0.12 ・・・(3b)
110≦n≦145 ・・・(4b)
110≦n≦145 ・・・(5b)
なお、条件式(2b)の上限値は1.22とすることが更に好ましい。
また、光学素子300では、透明基板200の屈折率nは、以下の条件式(6)を満たすことが望ましい。
1.50≦n≦2.10 ・・・(6)
条件式(6)は、波長550nmにおける透明基板200の屈折率nを規定している。条件式(6)の下限値を下回ると、透明基板200屈折率が、その上に形成される第1の薄膜層01および第2の薄膜層02の屈折率に対して低くなりすぎ、十分な反射防止性能が得られないため好ましくない。一方、条件式(6)の上限値を上回ると、一般的に使用される材料で透明基板200を作製することが困難となり好ましくない。
なお、条件式(6)の数値範囲は、以下の条件式(6a)の範囲とすることがより好ましい。
1.52≦n≦2.00 ・・・(6a)
また、条件式(6)の数値範囲は、以下の条件式(6b)の範囲とすることが更に好ましい。
1.53≦n≦1.95 ・・・(6b)
図2は、実施例1、4、5、7、9、10、比較例1、2の光学素子301の概略断面図である。図3は、実施例2、3、6、8の光学素子302の概略断面図である。
光学素子301では、透明基板201において、反射防止膜101を形成する面が凹面形状である。光学素子302では、透明基板202において、反射防止膜102を形成する面が凸面形状である。以下、図2で示した凹面形状を用いて説明を行うが、図3で示した凸面形状においても、同様である。
光学素子301では、反射防止膜101を形成する光学面は回転対称軸を有する、すなわち、反射防止膜101を形成する光学面は回転対称形状である。図2において、位置Cは反射防止膜101を付与された透明基板201のレンズ面の回転中心である。つまり、位置Cは、透明基板201のレンズ面の回転対称軸(以下、光軸Lという)と透明基板201のレンズ面とが交わる交点の位置である。一方、位置Qは、透明基板201のレンズ面上の光学有効領域内において、位置Cから最も離れた位置である。光軸Lと透明基板201のレンズ面上の任意の点における法線とのなす角(以下、半開角という)をφとする。光軸Lと位置Qにおける法線とがなす角(位置Qにおける半開角φ)は光学有効領域内における半開角φの最大値である。なお、位置Qにおける半開角φは透明基板201のレンズ面の最大光線有効径での半開角である。透明基板201のレンズ面と光軸Lとの交点の位置Cを光軸中心とするとき、光軸中心を透明基板201のレンズ面の基準となる半開角0度とする。反射防止膜101は、透明基板201から順に形成された、第1の薄膜層11および第2の薄膜層12からなる。
位置Cにおける、第1の薄膜層11の物理膜厚をd1c(nm)、第2の薄膜層22の物理膜厚をd2c(nm)とする。位置Qにおける、第1の薄膜層11の物理膜厚をd1q(nm)、第2の薄膜層12の物理膜厚をd2q(nm)とする。このとき、光学素子301は、以下の条件式(7)および(8)を満足することが望ましい。
1.0<d1q/d1c≦1.3 ・・・(7)
1.0<d2q/d2c≦1.3 ・・・(8)
条件式(7)は、位置Cにおける第1の薄膜層11の物理膜厚d1cと位置Qにおける第1の薄膜層11の物理膜厚d1qとの比を規定し、第1の薄膜層11の中心部と周辺部の膜厚分布を規定する。後述するように、第1の薄膜層11は膜厚にムラができないようスピンコート法により作製されるが、条件式(7)の下限値を下回ることは物理的に不可能である。条件式(7)の上限値を上回ると、第1の薄膜層11の中心部と周辺部とで膜厚分布の差が大きくなり、中心部と周辺部で反射率特性のバラツキが大きくなり好ましくない。
条件式(8)は、位置Cにおける第2の薄膜層12の物理膜厚d2cと位置Qにおける第2の薄膜層12の物理膜厚d2qとの比を規定し、第2の薄膜層12の中心部と周辺部の膜厚分布を規定する。後述するように、第2の薄膜層12は膜厚にムラができないようスピンコート法により作製されるが、条件式(8)の下限値を下回ることは物理的に不可能である。条件式(8)の上限値を上回ると、第2の薄膜層12の中心部と周辺部とで膜厚分布の差が大きくなり、中心部と周辺部で反射率特性のバラツキが大きくなり好ましくない。
なお、条件式(7)~(8)の数値範囲は、以下の条件式(7a)~(8a)の範囲とすることがより好ましい。
1.01≦d1q/d1c≦1.25 ・・・(7a)
1.01≦d2q/d2c≦1.25 ・・・(8a)
また、条件式(7)~(8)の数値範囲は、以下の条件式(7b)~(8b)の範囲とすることが更に好ましい。
1.015≦d1q/d1c≦1.200 ・・・(7b)
1.015≦d2q/d2c≦1.200 ・・・(8b)
反射防止膜101を構成する第1の薄膜層11および第2の薄膜層12のそれぞれにおいて、光軸中心である位置Cにおける膜厚が最も小さく、光軸中心から離れるほど、膜厚が大きくなることが望ましい。
さらに、位置Qにおける半開角φ(度)は、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
25≦φ<90 ・・・(9)
条件式(9)は、位置Qにおける半開角φを規定する。条件式(9)の下限値を下回ると、位置Qにおける半開角φが小さすぎ、光学素子301をレンズとして使用した場合、レンズを通過する光線のうち、軸外光束を屈折させる力が弱くなる。これにより、周辺光量の低下してしまい好ましくない。また、条件式(9)の上限値を上回ることは、物理的に不可能である。
なお、条件式(9)の数値範囲は、以下の条件式(9a)の範囲とすることがより好ましい。
27≦φ≦70 ・・・(9a)
また、条件式(9)の数値範囲は、以下の条件式(9b)の範囲とすることが更に好ましい。
29≦φ≦45 ・・・(9b)
第2の薄膜層12は、空隙を含むことが望ましい。空隙つまり屈折率が1.0である空気を第2の薄膜層12に含有させることで、第2の薄膜層12の屈折率を条件式(2)の範囲まで低減することができる。第2の薄膜層12の屈折率が1.10未満の場合は、層内に含まれる空隙の割合が大きいため、膜強度が弱くなる。第2の薄膜層12の屈折率が1.26よりも大きい場合は、反射防止性能が十分に得られなくなる。
第2の薄膜層12の表面には、必要に応じて、フッ素樹脂を含む防汚層を設けてもよい。防汚層の例としては、フッ素ポリマー層、フルオロシラン単分子層、酸化チタン粒子層などが挙げられる。
第2の薄膜層12は、中実粒子、鎖状粒子、および中空粒子のうち少なくとも一つを含むことが望ましく、さらに、内部に空孔を有する中空粒子を含むことがより望ましい。空孔は、単孔、多孔のどちらでもよく適宜選択することができる。中実粒子、鎖状粒子、ないしは中空粒子を構成する材質は、低屈折率のものが望ましく、例としてSiO(シリカ)、MgF,フッ素、シリコンなどからなる有機樹脂が挙げられる。粒子の製造が容易であるという点で、SiOがより望ましい。中空粒子の平均粒子径は15nm以上100nm以下が望ましく、15nm以上80nm以下がより望ましい。中空粒子の平均粒子径が15nm未満の場合、コアとなる粒子を安定的に作ることが難しい。また100nmを超える場合、粒子間の空隙の大きさが大きくなるため、大きなボイドが発生しやすく、また粒子の大きさに伴う散乱が発生するため、望ましくない。
第1の薄膜層11は、「イミド(-CO-NR-CO-)結合を含む高分子化合物」であるポリイミド樹脂を含む材料からなることが望ましい。第1の薄膜層11は、「アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体」であるアクリル樹脂を含む材料からなることが望ましい。第1の薄膜層11は、「3印環のエーテルであるオキサシクロプロパン(オキシラン)を構造式中にもつエポキシ基を架橋させ硬化した樹脂」であるエポキシ樹脂を含む材料からなることが望ましい。もしくは、第1の薄膜層11は、シロキサン結合のようなバインダーで結着した中実粒子、特に、中実シリカ粒子を含む材料からなることが望ましい。
第1の薄膜層11および第2の薄膜層12の形成方法としては、膜材料を含む塗工液を塗布し、乾燥や焼成を行う湿式成膜法が望ましい。湿式成膜法は、安価に大面積を塗工することができる。特に、スピンコート法は、塗工面の回転軸で回転させながら塗工を行うことで、面内の膜厚分布を抑えることができるため望ましい。蒸着法やスパッタ法のような乾式成膜法は、蒸発源とレンズの中心部が対面するような位置関係で成膜を行う。大開角レンズの場合、周辺部では、蒸着材料のレンズ面への入射角が大きくなるため、中心部よりも膜厚が減少する。このため、レンズ面内に膜ムラが生じ、反射防止性能に偏りが生じる。膜ムラが生じないように成膜するには、マスクを設置したり、基板の位置や回転動作を制御したりする必要があるため、大掛かりな設備が必要であり、望ましくない。
塗工液に用いることができる有機溶媒は、塗工性や性能などを損なわない範囲内において特に限定されるものではなく、公知の溶媒を用いることができる。例えば、以下のようなものが挙げられる。メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、シクロペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-エチルブタノール、2,4-ジメチル-3-ペンタノール、3-エチルブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノールなどの1価のアルコール類。エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価以上のアルコール類。メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのエーテルアルコール類、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル類。ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類。n-ヘキサン、n-オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類。クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類。N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶媒。これらの溶媒のうち、2種類以上の溶媒を混ぜて使用することもできる。
また、第2の薄膜層12に中実粒子、鎖状粒子、ないしは中空粒子を使用し、第1の薄膜層11に中実粒子を使用する場合、強度を向上させる目的で、バインダーによって粒子が結着されていることが望ましい。バインダーとしてはシロキサン結合を利用するのが望ましい。表面に水酸基が多く存在するシリカの粒子を用いる場合には、特に好適である。
第1の薄膜層11および第2の薄膜層12は、湿式成膜法により形成できる材料からなることから、材料自体またはバインダーは有機化合物を含んでいる。さらに、反射防止膜101は、塗工後の乾燥の工程において、高温による焼成を行わないため、透明基板201に熱変形が生じやすいプラスチックなどを使用することが可能である。
以下に、具体的な実施例1~10を示す。ただし、これらは例に過ぎず、本発明は実施例1~10の範囲に限定されるものではない。
光学素子300において、波長450~650nmの範囲において、位置Cにおける反射防止膜の反射率は、0度入射のとき0.5%以下であり、30度入射のとき1.0%以下である。
図2は、実施例1における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.57(波長550nm)のS-TIL26(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは40度である。層材料としては、第1の薄膜層11は中実シリカを主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表1は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
(中空粒子塗工液1)
中空シリカ粒子のイソプロピルアルコール分散液(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア4110、平均粒子径約60nm、シェル厚約12nm、固形分濃度20.5質量%)580gに、1-エトキシ-2-プロパノール(以下、1E2P)を加えながらイソプロピルアルコール分散液を加熱留去した。固形分濃度19.5質量%となるまでイソプロピルアルコール分散液を留去して、中空シリカ粒子の1E2P溶媒置換液(以下、溶媒置換液1)610gを調製した。得られた溶媒置換液1に、中空シリカ粒子とフッ素を含む有機酸(東京化成工業株式会社製 トリフルオロ酢酸 フッ素数3)との成分比が100/1となるように、フッ素を含む有機酸を添加し、中空粒子分散液1を得た。
別の容器に、純水で0.1%濃度に希釈したホスフィン酸3.6gと1-プロポキシ-2-プロパノール11.4gとメチルポリシリケート(コルコート株式会社製 メチルシリケート53A)4.5gをゆっくり加え室温で120分間攪拌し、固形分濃度12質量%シリカゾル(以下、シリカゾル1)を調製した。
固形分濃度が4.5質量%になるように、中空粒子分散液1を乳酸エチルで希釈した後、中空シリカ粒子とシリカゾルとの成分比が100/12となるように、シリカゾル1を添加した。さらに、室温で2時間混合攪拌することで中空シリカ粒子を含む中空粒子塗工液1を得た。
(中間層塗工液1)
また、シリカ粒子分散液PL-1(扶桑化学製)25gに1-メトキシ-2-プロパノール300gとシリカゾル1を5g加えて中間層塗工液1を作製した。
中間層塗工液1および中空粒子塗工液1により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液1を透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図4に、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図5は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表1によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの4%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図3は、実施例2における光学素子302の概略断面図である。本実施例の光学素子302は、透明基板202上に反射防止膜102が形成された光学素子である。透明基板202は、屈折率1.68(波長550nm)のS-LAL12(OHARA社製)からなる。反射防止膜102を形成する透明基板202のレンズ面は凸面形状である。透明基板202のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層21は中実シリカを主成分とした材料からなり、第2の薄膜層22は中空シリカを主成分とした材料からなる。表2は、本実施例の光学素子302の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
(中空粒子塗工液2)
中空粒子分散液1とシリカゾル1の作製方法は、中空粒子塗工液1と同様である。固形分濃度が4.5質量%になるように、中空粒子分散液1を乳酸エチルで希釈した後、中空シリカ粒子とシリカゾルとの成分比が100/9となるように、シリカゾル1を添加した。さらに、室温で2時間混合攪拌することで中空シリカ粒子を含む中空粒子塗工液2を得た。
中間層塗工液1および中空粒子塗工液2により、反射防止膜102を形成する。
中間層塗工液1を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液2を連続して、透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図6には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜102の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図7は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表2によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図3は、実施例3における光学素子302の概略断面図である。本実施例の光学素子302は、透明基板202上に反射防止膜102が形成された光学素子である。透明基板202は、屈折率1.68(波長550nm)のS-LAL12(OHARA社製)からなる。反射防止膜102を形成する透明基板202のレンズ面は凸面形状である。透明基板202のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層21はアクリル樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層22は中空シリカを主成分とした材料からなる。表3は、本実施例の光学素子302の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜102の形成方法は、以下のとおりである。
(中間層塗工液2)
6.1gのN-シクロヘキシルマレイミド(以下、CHMI)、4.0gの2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(製品名M-3F:共栄社化学製)、0.45gの3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(製品名LS-3380:信越化学工業製)、および0.08gの2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBN)を24.8gのトルエンに攪拌溶解した。この溶液を氷水冷しながら脱気と窒素置換を繰り返し行った後、窒素フローしながら60~70℃で7時間攪拌した。強攪拌したメタノール中にゆっくりと重合溶液を投入し析出させたポリマーを濾別してから、メタノール中で数回攪拌洗浄した。濾別回収したポリマーを80~90℃で真空乾燥を行った。白色粉末状でマレイミド共重合比が0.57のマレイミド共重合体を8.3g(収率81%)を得た。2.2gのマレイミド共重合体1の粉末を97.8gのシクロペンタノン/シクロヘキサノン混合溶媒に溶解してマレイミド共重合体1の溶液を調製し、中間層塗工液2を作製した。
中間層塗工液2および中空粒子塗工液1により、反射防止膜102を形成する。
中間層塗工液2を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図8には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜102の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図9は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表3によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図2は、実施例4における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.81(波長550nm)のS-LAH53(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは45度である。層材料としては、第1の薄膜層11はアクリル樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表4は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
中間層塗工液2および中空粒子塗工液2により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液2を透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液2を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図10には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図11は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表4によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの5%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図2は、実施例5における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.81(波長550nm)のS-LAH53(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは45度である。層材料としては、第1の薄膜層11はエポキシ樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表5は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
(中間層塗工液3)
エポキシ樹脂jER828に(三菱ケミカル製)25gに1-メトキシ-2-プロパノール500gを加えて中間層塗工液3を作製した。
中間層塗工液3および中空粒子塗工液1により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液3を透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図12には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図13は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表3によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの5%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図3は、実施例6における光学素子302の概略断面図である。本実施例の光学素子302は、透明基板202上に反射防止膜102が形成された光学素子である。透明基板202は、屈折率1.92(波長550nm)のS-NPH2(OHARA社製)からなる。反射防止膜102を形成する透明基板202のレンズ面は凸面形状である。透明基板202のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層21はポリイミド樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層22は中空シリカを主成分とした材料からなる。表6は、本実施例の光学素子302の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜102の形成方法は、以下のとおりである。
(中間層塗工液4)
4,4’-メチレンビス(アミノシクロヘキサン)(以下、DADCM。東京化成製)200gに還流させながらヘキサンを徐々に加えて完全に溶解させた。加熱を止め数日間室温に放置した後、析出物を濾別し、減圧乾燥した。58gの白色固体状の精製DADCMを得た。
合計で12mmolになるように、脂環式ジアミンDADCM、芳香族ジアミン4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(製品名BODA:和歌山精化工業製)およびシロキサン含有ジアミン1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(製品名PAM-E:信越化学工業製)の3種類のジアミンをN,N-ジメチルアセトアミド(以下、DMAc)に溶解した。
このジアミン溶液を水冷しながら約12mmolの酸二無水物を加えた。酸二無水物は4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物(製品名TDA-100:新日本理化製)または5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物(製品名B-4400:DIC製)のいずれか一方を用いた。DMAcの量はジアミンと酸二無水物の質量の合計が20重量%になるように調整した。
この溶液を15時間室温で攪拌し、重合反応を行った。さらに、DMAcで希釈して8重量%になるように調整した後、7.4mlのピリジンと3.8mlの無水酢酸を加え、室温で1時間攪拌した。さらに、オイルバスで60から70℃に加熱しながら4時間攪拌した。重合溶液をメタノールまたはメタノールに再沈殿しポリマーを取り出した後、メタノール中で数回洗浄した。60℃で24時間乾燥後、白色から淡黄色粉末状のポリイミドを得た。
得られたポリイミドを固形分濃度が2.5質量%になるようにシクロヘキサノンに溶解させ、中間層塗工液4を作成した。
中間層塗工液4および中空粒子塗工液1により、反射防止膜102を形成する。
中間層塗工液4を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図14には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜102の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図15は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表6によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図2は、実施例7における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.54(波長550nm)のZEONEX K22R(日本ゼオン社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層11は中実シリカを主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表7は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
中間層塗工液1および中空粒子塗工液1により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液1を透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図16には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図17は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表7によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図3は、実施例8における光学素子302の概略断面図である。本実施例の光学素子302は、透明基板202上に反射防止膜102が形成された光学素子である。透明基板202は、屈折率1.65(波長550nm)のOKP-1(大阪ガスケミカル社製)からなる。反射防止膜102を形成する透明基板202のレンズ面は凸面形状である。透明基板202のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは35度である。層材料としては、第1の薄膜層21はアクリル樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層22は中空シリカを主成分とした材料からなる。表8は、本実施例の光学素子302の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
中間層塗工液2および中空粒子塗工液1により、反射防止膜102を形成する。
中間層塗工液2を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図18には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜102の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図19は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表8によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの3%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図2は、実施例9における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。母材となるガラス基材(図に記載なし)の表面に透明基板201を形成したレプリカ素子と呼ばれる光学素子を用いている。透明基板201は、屈折率1.59(波長550nm)のLPQ-1500(三菱ガス化学社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層11は中実シリカを主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表9は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
中間層塗工液1および中空粒子塗工液1により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液1を透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図20には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図21は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表9によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図2は、実施例10における光学素子301の概略断面図である。本実施例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.81(波長550nm)のS-LAH53(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層11はポリイミド樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は鎖状シリカを主成分とした材料からなる。表10は、本実施例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(9)を満たす。
本実施例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
(鎖状粒子塗工液3)
鎖状シリカ粒子の2-プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製 IPA-ST-UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%)をエバポレーターで、溶媒の2-プロパノールを1-プロポキシ-2-プロパノール(シグマ製)に置換し、1-プロポキシ-2-プロパノール分散液(固形分濃度17wt%)を作製した。これを分散液2とした。次に、テトラエトキシシラン(TEOS、東京化成工業株式会社製)18.5gと、触媒水として、TEOSに対して10当量の0.1wt%ホスフィン酸16.0gとを添加し、20℃の水浴中で60分混合攪拌し、バインダー溶液2を得た。
分散液2を251.3gに、バインダー溶液2を33.4g添加した。その後、1-プロポキシ-2-プロパノールを174.5g、乳酸エチル546.5gを添加し、60分攪拌し、鎖状粒子塗工液3を得た。
中間層塗工液4および鎖状粒子塗工液3により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液4を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、中空粒子塗工液1を連続して、透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図22には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。図23は、位置Cおよび位置Qの入射角0度の反射率特性を示す。表10によると、位置Qでは各薄膜層の膜厚が位置Cの2%増となっているが、反射率特性は、位置Cおよび位置Qでほとんど変わらず、良好であることが確認できる。
図24を参照して、実施例11における光学系401について説明する。図24は、本実施における光学系401の断面図である。光学系401は、複数の光学素子G401~G416を有する。402は絞り、403は結像面である。光学素子G401~G411は、それぞれレンズである。これらのレンズのうち、G403、G412、およびG413は、低分散性をもつ硝材からなり、G403、G412、およびG413それぞれの入射面および射出面の少なくとも一方に、実施例1~10のいずれかの反射防止膜が付与されている。すなわち光学系401は、複数の光学素子G401~G416を有し、複数の光学素子G403、G412、およびG413は、実施例1~10のいずれかの反射防止膜が形成された光学素子である。
なお、本実施例の光学系400は、後述する撮像装置に用いられる撮像光学系に限定されるものではなく、双眼鏡、プロジェクタ、望遠鏡等の光学機器の様々な用途の光学系に適用可能である。
次に、図25を参照して、実施例12における撮像装置500について説明する。図25は、本実施例の撮像装置(デジタルカメラ)500の外観斜視図である。
デジタルカメラ500は、カメラ本体502と、カメラ本体502と一体的に構成されたレンズ装置501とを有する。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、レンズ装置501は、一眼レフカメラ用やミラーレスカメラ用等の、カメラ本体502に対して着脱可能な交換レンズであってもよい。レンズ装置501は、実施例11の光学系401を有する。カメラ本体502は、CMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子503を有する。撮像素子503は、光学系401の結像面403に配置される。
以下、本発明の比較例1、2について説明する。
[比較例1]
図2は、比較例1における光学素子301の概略断面図である。本比較例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.57(波長550nm)のS-TIL26(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは40度である。層材料としては、第1の薄膜層11は蒸着により形成したSiO2からなり、第2の薄膜層12は中空シリカを主成分とした材料からなる。表5は、本比較例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。各材料の屈折率および膜厚は、条件式(1)~(6)は満たすが、条件式(7)および条件式(8)は満たさない。
本比較例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
薄膜層11を蒸着法により成膜した。蒸着装置の真空チャンバ内は、2×10-3(Pa)近傍の高真空領域まで排気を行った。真空チャンバ内が高真空状態になったのを確認してから、真空チャンバ内に酸素を導入し、真空圧が1×10-2(Pa)程度にして、SiO2の蒸着を行った。
薄膜層11の成膜完了後に、薄膜層11上に、中空粒子塗工液1を0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図26には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以下であり、非常に良好な反射率特性であることがわかる。しかし、図27において、位置Cと位置Qとで入射角0度の反射率特性を比較してみると、位置Qの反射率特性が、位置Cよりも悪化していることが確認できる。表11によると、第2の薄膜層12の位置Qにおける膜厚は、位置Cの4%増となっているが、第1の薄膜層11の位置Qにおける膜厚は、位置Cの13%減となっている。このため、位置Qでの反射率特性が悪化したといえる。
[比較例2]
図2は、比較例2における光学素子301の概略断面図である。本比較例の光学素子301は、透明基板201上に反射防止膜101が形成された光学素子である。透明基板201は、屈折率1.81(波長550nm)のS-LAH53(OHARA社製)からなる。反射防止膜101を形成する透明基板201のレンズ面は凹面形状である。透明基板201のレンズ面の最大光線有効径上の位置Qにおける半開角φは30度である。層材料としては、第1の薄膜層11はポリイミド樹脂を主成分とした材料からなり、第2の薄膜層12は鎖状シリカを主成分とした材料からなる。表12は、本比較例の光学素子301の膜構成の詳細を示す。第2の薄膜層12の屈折率は、条件式(2)を満たさない。
本比較例の反射防止膜101の形成方法は、以下のとおりである。
(鎖状粒子塗工液4)
鎖状粒子分散液2とバインダー溶液2の作製方法は、中空粒子塗工液1と同様である。
251.3gの鎖状粒子分散液2に、78.0gのバインダー溶液2を添加した。その後、1-プロポキシ-2-プロパノール174.5g、乳酸エチル510.8gを添加し、60分攪拌し、鎖状粒子塗工液4を得た。
中間層塗工液4および鎖状粒子塗工液4により、反射防止膜101を形成する。
中間層塗工液4を透明基板202のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。次に、鎖状粒子塗工液4を連続して、透明基板201のレンズ面上に0.2ml滴下し、4000rpmで20秒間スピンコートした。その後、室温23℃のクリーンルームで24時間以上乾燥を行った。
図28には、位置Cにおける入射角0度,15度,30度,45度,および60度の反射防止膜101の反射率特性を示す。反射率は、0度入射および波長420nmから680nmにおいて、0.2%以上であり、十分な反射防止特性が得られていないといえる。
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層とからなり、
前記第1の層および前記第2の層は、それぞれ有機化合物を含み、
波長550nmにおける前記基材の屈折率をn、波長550nmにおける前記第1の層の屈折率をn、波長550nmにおける前記第2の層の屈折率をn、前記第1の層の物理膜厚をd(nm)、前記第2の層の物理膜厚をd(nm)とするとき、
1.30≦n≦1.70
1.10≦n≦1.26
-0.2≦(n-1)-2(n-n)≦0.2
100≦n≦155
100≦n≦155
なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
(構成2)
1.12≦n≦1.22
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載の光学素子。
(構成3)
前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
前記光学面と前記回転対称軸との交点における前記第1の層の物理膜厚および前記第2の層の物理膜厚をそれぞれd1c(nm)およびd2c(nm)とし、
前記光学面において、光学有効領域内で前記交点と最も離れた位置での前記第1の層の物理膜厚および前記第2の層の物理膜厚をそれぞれd1q(nm)およびd2q(nm)とするとき、
1.0<d1q/d1c≦1.3
1.0<d2q/d2c≦1.3
なる条件式を満足することを特徴とする構成1または2に記載の光学素子。
(構成4)
前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
前記光学面と前記回転対称軸との交点を光軸中心とし、
前記光軸中心を前記光学面の基準となる半開角0度とするとき、
前記光学面の最大光線有効径での半開角φ(度)は、
25≦φ<90
なる条件を満足することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の光学素子。
(構成5)
前記第1の層および前記第2の層のそれぞれにおいて、前記光軸中心における膜厚が最も小さく、前記光軸中心から離れるほど膜厚が大きくなることを特徴とする構成4に記載の光学素子。
(構成6)
前記第2の層は、空隙を含むことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の光学素子。
(構成7)
前記第2の層は、中実粒子、鎖状粒子、および中空粒子のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする構成1から6のいずれかに記載の光学素子。
(構成8)
前記第2の層は、シリカからなる中実粒子、鎖状粒子、および中空粒子のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする構成7に記載の光学素子。
(構成9)
前記第1の層は、ポリイミド樹脂を含むことを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の光学素子。
(構成10)
前記第1の層は、エポキシ樹脂を含むことを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の光学素子。
(構成11)
前記第1の層は、アクリル樹脂を含むことを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の光学素子。
(構成12)
前記第1の層は、中実粒子を含むことを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の光学素子。
(構成13)
前記第1の層は、中実シリカ粒子を含むことを特徴とする構成12に記載の光学素子。
(構成14)
前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
波長450~650nmの範囲において、前記反射防止膜の前記光学面と前記回転対称軸との交点における反射率は、0度入射のとき0.5%以下であり、30度入射のとき1.0%以下であることを特徴とする構成1から13のいずれかに記載の光学素子。
(構成15)
前記第2の層の表面には、フッ素樹脂を含む防汚層が形成されていることを特徴とする構成1から14のいずれかに記載の光学素子。
(構成16)
1.50≦n≦2.10
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から15のいずれか一項に記載の光学素子。
(構成17)
複数の光学素子を有し、
前記複数の光学素子は、構成1から16のいずれかに記載の光学素子を含むことを特徴とする光学系。
(構成18)
構成1から16のいずれかに記載の光学素子を含む光学系と、
前記光学系を介して被写体を撮像する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
(構成19)
構成1から16のいずれかに記載の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
光学素子 300,301,302
基材(透明基板) 200,201,202
反射防止膜 100,101,102
第1の層 01,11,21
第2の層 02,12,22

Claims (19)

  1. 基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、
    前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層とからなり、
    前記第1の層および前記第2の層は、それぞれ有機化合物を含み、
    波長550nmにおける前記基材の屈折率をn、波長550nmにおける前記第1の層の屈折率をn、波長550nmにおける前記第2の層の屈折率をn、前記第1の層の物理膜厚をd(nm)、前記第2の層の物理膜厚をd(nm)とするとき、
    1.30≦n≦1.70
    1.10≦n≦1.26
    -0.2≦(n-1)-2(n-n)≦0.2
    100≦n≦155
    100≦n≦155
    なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
  2. 1.12≦n≦1.22
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
    前記光学面と前記回転対称軸との交点における前記第1の層の物理膜厚および前記第2の層の物理膜厚をそれぞれd1c(nm)およびd2c(nm)とし、
    前記光学面において、光学有効領域内で前記交点と最も離れた位置での前記第1の層の物理膜厚および前記第2の層の物理膜厚をそれぞれd1q(nm)およびd2q(nm)とするとき、
    1.0<d1q/d1c≦1.3
    1.0<d2q/d2c≦1.3
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
    前記光学面と前記回転対称軸との交点を光軸中心とし、
    前記光軸中心を前記光学面の基準となる半開角0度とするとき、
    前記光学面の最大光線有効径での半開角φ(度)は、
    25≦φ<90
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  5. 前記第1の層および前記第2の層のそれぞれにおいて、前記光軸中心における膜厚が最も小さく、前記光軸中心から離れるほど膜厚が大きくなることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記第2の層は、空隙を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  7. 前記第2の層は、中実粒子、鎖状粒子、および中空粒子のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  8. 前記第2の層は、シリカからなる中実粒子、鎖状粒子、および中空粒子のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記第1の層は、ポリイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  10. 前記第1の層は、エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  11. 前記第1の層は、アクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  12. 前記第1の層は、中実粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  13. 前記第1の層は、中実シリカ粒子を含むことを特徴とする請求項12に記載の光学素子。
  14. 前記反射防止膜を形成する光学面は、回転対称軸を有し、
    波長450~650nmの範囲において、前記反射防止膜の前記光学面と前記回転対称軸との交点における反射率は、0度入射のとき0.5%以下であり、30度入射のとき1.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  15. 前記第2の層の表面には、フッ素樹脂を含む防汚層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  16. 1.50≦n≦2.10
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  17. 複数の光学素子を有し、
    前記複数の光学素子は、請求項1から16のいずれか一項に記載の光学素子を含むことを特徴とする光学系。
  18. 請求項1から16のいずれか一項に記載の光学素子を含む光学系と、
    前記光学系を介して被写体を撮像する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  19. 請求項1から16のいずれか一項に記載の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
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