JP2005332867A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
小型、高画素で感度が高く、画素間の感度むらなどの画質不良がないイメージセンサー用に好適な半導体装置を低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】
半導体装置の内部レンズの凸レンズ層が感光性高分子材料をパターニング後加熱硬化したガラス転移点250℃以上の樹脂からなり、ガラス転移点が250℃以上の高分子材料からなる下地層、またはガラス転移点が200℃以上の高分子材料からなる上地層のいずれか一方または両方を有する構造であり、かつ内部レンズ各層の屈折率が下地層<凸レンズ層、または上地層<凸レンズ層の範囲を満たす。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、イメージセンサーなどに好適に用いられる光電変換素子を有する半導体装置に関するものである。
半導体を用いたイメージセンサーは、デジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラおよびスキャナー等さまざまな分野で適用されているが、これらの装置については、高画素化および小型化等の高性能化や低価格化の要求が急速に強くなってきている。このような状況下で高画素化や小型化が進むと、イメージセンサーの画素毎に配置される光電変換素子は微細化が進み、必然的に光電変換素子1個あたりの受光面積が減少するため、感度不足による画質低下等の問題が発生する。
従来、このような問題を解決するために、半導体装置の最上部に単位画素毎または複数画素毎に対となったオンチップマイクロレンズを形成する方法が知られている(特許文献1参照)。このオンチップマイクロレンズは、受光部である光電変換素子以外への入射光を受光部へ集光させ、感度不足を補う効果を有する。しかしながら、この方法では光電変換素子の微細化が極端に進むと、受光部とマイクロレンズ間のギャップが大きいか、またはこのギャップ部分に種々の中間層が介在するため、単一受光部とオンチップマイクロレンズの光軸を精密に一致させて加工することが困難となり、その結果、光電変換素子間に感度むらが発生する等の問題がある。
以上の問題を解決するために、層内レンズ構造が提案された(特許文献2および特許文献3参照)。この層内レンズ構造では、シリコン基板表層に形成されている光電変換素子表層に絶縁層等を形成した後、BPSG(ホウリンケイ酸ガラス、屈折率1.45)等からなる第一の層間膜が形成される。この層間膜は、光電子変換素子周辺部にある凸形状の電極等の側壁にも形成されるため、この形状を反映して電極上部が凸形状になり、光電変換素子上部が凹形状となる。この第一の層間膜をリフロー処理をすることにより、所定の曲率に調整された上に凹の層が光電子変換素子直上部に形成される。次に、この凹部を埋めるように、バイアス高密度プラズマCVD法によって窒化珪素(屈折率2.0)層等、高屈折率を有する第二の層を形成した後、公知のレジストエッチバック法、あるいはCMP法(化学機械研魔法)によって、平坦化または上に凸の球形レンズ上部となる形状を形成する。
この第二の層が加工されて得られたレンズを層内レンズとよび、このレンズはオンチップレンズと比較して、光電変換素子毎に対となって形成でき、さらに半導体装置内部の光電変換素子近傍にレンズを設けることができることから、レンズと光電変換素子の光軸をあわすことが容易でかつ集光能力が優れるため高感度が可能である。このような特徴により、光電変換素子間の感度むらが発生しにくい小型化や薄型化が可能なイメージセンサーを得ることができる。
ところで、層内レンズの材料としては、高屈折率であることが求められるため、一般的に窒化珪素等の無機膜をCVDあるいはスパッタ法等真空装置を用いて製造する必要があった。また、層内レンズの上部形状を調製するために、レジストエッチバックあるいはCMP等の工程を設ける必要があるため、コスト上昇を招くという問題があった。
低コストでレンズを加工する方法としては、レンズ材に高分子樹脂を用いる方法が広く知られているが、層内レンズで適用されるためにはμmオーダーの微細加工が可能でかつ高屈折率であることが必須であるため、実現が困難であった。このような問題を解決するために、アルカリ可溶で大きさがnmオーダーの金属化合物を配合した感光性樹脂組成物を、パターンニングして光学素子を得る方法が提案された(特許文献4参照)。この文献によると、特定の粒子サイズを有する無機粒子をアルカリ可溶性ポリマーとフェノール性水酸基を有する化合物とナフトキノンジアジド化合物を添加した組成物を用いることにより、膜の透明性と屈折率の良好な光学素子用の高屈折層間膜が得られる。また、このような高屈折率および感光性を有する材料膜をイメージセンサーの一種であるCCDに適用した例が報告されており、広い入射角の光を光電変換素子に集光可能であることが確かめられている(特許文献5参照)。
しかしながら、上記の感光性樹脂組成物を層内レンズ材として適用する場合、層内レンズの下方にある層間絶縁膜や保護膜等の中間層あるいは光電変換素子や電極等が形成されている半導体基板等の材料特性や形状により、層内レンズパターン形成後の形状が変化するという問題があり、あるいは、層内レンズ上方の中間層あるいは最上層を形成する際の熱処理等の処理条件が半導体装置ごとに異なる場合、半導体装置ごとに層内レンズ材の材料特性あるいは露光や現像などのパターン形成条件を最適化する必要があり、最悪の場合、適用可能な半導体装置が制限されるという問題があった。これらの問題のために、半導体装置を構成する各層の材質、工程条件を個別に最適化していくための開発時間が増大したり、これらの条件等を個別に管理するためのコストが増大するなどの問題があった。
特開平5−243543号公報(第2頁) 特開平11−103036号公報(第2−第3頁) 特開2000−164837号公報(第1−第4頁) 特開2003−75997号公報(第2−第3頁) 特開2003−86778号公報(第2−第6頁)
本発明の目的は、小型で高画素で感度が高く、画素間の感度むらなどの画質不良がないイメージセンサー用に好適な半導体装置を提供することにある。
すなわち、本発明の半導体装置は、1つ以上の光電変換素子の上部に各光電変換素子毎に対となった内部レンズを有する構造を持つ半導体装置であって、該内部レンズが凸レンズ層を必須とし、該凸レンズ層が感光性高分子材料をパターニング後、加熱硬化されたガラス転移点が250℃以上の樹脂からなり、該凸レンズ層の下方に形成されたガラス転移点が250℃以上の高分子材料からなる下地層、または該凸レンズ層の上方に形成されたガラス転移点が200℃以上の高分子材料からなる上地層のいずれか一方または両方の層を有する構造であり、かつ該内部レンズ各層の屈折率が下記の範囲を満たすことを特徴とする半導体装置である。
内部レンズ各層の屈折率が下地層<凸レンズ層、または上地層<凸レンズ層
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の下地層および上地層の少なくとも一方は、樹脂組成物溶液を半導体基板に塗布後、加熱処理により反応、硬化して形成された層である。
本発明により、光電変換素子への集光能力を素子毎に向上することが可能になることから、高感度で画質が優れたイメージセンサー用として有用な半導体装置を得ることができる。また、半導体装置の種類より異なる基板や中間層等の影響を受けずに優れた集光能力を得られることから、半導体装置の種類ごとに製造条件を設定し、変更する必要がなくなるため、低コストの半導体装置を得ることができる。
本発明の半導体装置は、1つ以上の光電変換素子が形成され、その上部に各光電変換素子毎に対となった内部レンズを有する構造を持つ半導体装置であって、該内部レンズが凸レンズ層を必須とし、該凸レンズ層が感光性高分子材料をパターニング後、加熱硬化されたガラス転移点が250℃以上の樹脂からなり、該凸レンズ層の下方に形成されたガラス転移点が250℃以上の高分子材料からなる下地層、または該凸レンズ層の上方に形成されたガラス転移点が200℃以上の高分子材料からなる上地層のいずれか一方または両方の層を有する構造であり、かつ該内部レンズ各層の屈折率が下記の範囲を満たすことを特徴とする半導体装置である。
内部レンズ各層の屈折率が下地層<凸レンズ層、または上地層<凸レンズ層
本発明では、層内レンズ界面に反射防止膜等の薄膜層があっても、この薄膜層の厚さが層内レンズの厚さと比較して十分薄く層内レンズにコーティングされていて、層内レンズとこの薄膜層を含めた層の形状が層内レンズと相似な凸レンズ形状をしていれば、薄膜層がない場合と同様に本発明の効果が得られることから、層内レンズまたは層内レンズと上述の薄膜層を含んだ層を、本発明では特に凸レンズ層とよぶことにした。
また、本発明では、上記の凸レンズ層に接する中間層のうち、凸レンズ層上方にある中間層を上地層とよび、下方にある中間層を下地層とよぶことにした。本発明でいう内部レンズとは、凸レンズ層を必須とし、上記の上地層または下地層の一方または両方を有する中間層をさす。
本発明における光電変換素子とは、半導体基板上に形成された光電変換を行う受光部のことをいい、特に制限はないが、フォトダイオード構造またはトランジスタ構造を有することが望ましい。本発明では、内部レンズを1つ以上の光電変換素子の上部に形成するが、内部レンズは光電変換素子毎に対となって配置される。複数の受光部がある場合、本発明の効果が必要な光電変換素子に対して対となるように内部レンズを形成する。特に、本発明で最大の効果を得るためには、光電変換素子毎の光軸と凸レンズ層の光軸を一致させることが望ましい。1つの半導体基板上に形成される光電変換素子の数は1つ以上あれば、本発明の効果が発現するため特に限定されないが、解像度と感度むらの両立が問題になる数十万個以上光電変換素子が搭載される半導体装置において最も効果的である。
凸レンズ層は、感光性高分子材料をパターニングして形成される。感光性高分子材料としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミック樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂等が挙げられるが、パターニングの解像度、感度および凸レンズ層形成後の機械・光学特性の観点から、感光剤、増感剤、界面活性剤、無機酸化物フィラーおよび溶媒等各種を混合した樹脂組成物溶液であることが特に望ましい。また、この樹脂組成物溶液は、良好な解像度の点から、ポジ型であり、かつテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液等のアルカリ水溶液タイプの現像液であることが望ましく、上記特性をバランスよく得ることができること、耐熱性を得やすいことから、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂組成物溶液であることが最も好ましい。これらの樹脂のパターニング直後の形状は、凸レンズ層の形状と必ずしも一致させる必要はなく、パターニング後の熱処理、加熱硬化処理等で溶融して所望の凸レンズ層の形状を得ることができれば、どのような形状でも良い。
感光性高分子材料のパターニング後、加熱硬化を行い、レンズ層の物性と形状を最適の状態にする。加熱硬化とはパターニング後に熱処理を行って感光性高分子材料の架橋反応等の化学反応、あるいは感光剤成分の分解除去、感光性高分子材料の応力緩和等を進行させることをいう。凸レンズ層の加熱硬化処理はパターニング後ならばどの段階で行っても良いが、内部レンズ形成の工程で行うことが好ましく、具体的には凸レンズ層のパターニングを行った直後、または凸レンズ層を形成した後に形成される上地層を形成した直後に行うことが好ましく、所望の凸レンズ形状を得やすい。パターニング後に加熱硬化処理を行わない場合、内部レンズ形成後の半導体製造工程の影響、および半導体装置の使用環境下での変形、着色およびイオン性不純物等の影響により、内部レンズの光学特性低下、半導体素子不良発生により半導体装置の感度不良、ばらつきおよび製品寿命の低下等の問題を引き起こす。
上記方法で形成される凸レンズ層のガラス転移点は250℃以上であり、そして、下地層のガラス転移点が250℃以上の高分子材料、または上地層のガラス転移点が200℃以上の高分子材料のいずれか一方または両方を満たすことが重要である。
具体的には、凸レンズ層のガラス転移点が250℃未満の場合、半導体製造工程の中での凸レンズ層の形状が大きく変化し、所望の形状を得ることが困難となる。
また、凸レンズ層のガラス転移点は250℃以上であれば特に問題は無いが、280℃以上であることが耐熱性の点からより好ましく、加熱硬化処理等が容易になることから320℃以下であることがより好ましい。また、下地層のガラス転移点が250℃未満で、かつ上地層のガラス転移点が200℃未満の場合、内部レンズ以外の中間層、半導体基板の線膨張係数、反射率等の材料特性および処理条件の影響を受け、凸レンズ層の光学特性、形状が悪化することがある。また、凸レンズ層には、反射防止等のために酸化アルミニウムや酸化ジルコニア等の薄膜コーティングが施されていてもよい。高分子材料からなる上地層または下地層は、本発明のガラス転移点の範囲内であれば特に制限はないが、下地層が高分子材料からなり、かつガラス転移点が250℃以上であること、または上地層および下地層とも高分子材料からなり、上地層のガラス転移点が200℃以上、下地層のガラス転移点が250℃以上であることが最も好ましく、所望の形状の凸レンズ層を得ることができる。
また、これら高分子材料からなる上地層または下地層のガラス転移点は、加熱硬化処理等が容易になることから320℃以下であることが好ましく、さらには凸レンズ層のガラス点以下であることがより好ましい。
上地層と下地層を構成する高分子材料としては、上地層あるいは下地層ともに、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素含有オレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PPS樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂等が挙げられる。特に、ポリイミド樹脂とポリベンゾオキサゾール樹脂は、これらの前駆体を加熱硬化を行うことにより容易に高いガラス転移点を得られる点から、特に望ましく用いられる。また、これらの樹脂組成物溶液を用いると、上地層または下地層形成時の塗布時に、スピナー、ロールコーターおよびスリット&スピン方式等を用いることが可能であり、膜厚均一性および再現性に優れる塗布方式を低コストで得ることができる。凸レンズ層と同様、これらの樹脂組成物を加熱硬化すると、層の強度等の機械特性が向上する。高分子材料を用いない上地層または下地層としては、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、ケイ酸ガラス、BPSGおよびホウ酸ガラス等が例示される。
本発明で用いられる内部レンズは、各層の屈折率が下記の範囲を満たすことが必須である。
下地層の屈折率<凸レンズ層の屈折率、または上地層の屈折率<凸レンズ層の屈折率
各層の屈折率は、上記範囲を満たせば、特に問題は無いが、凸レンズ層の屈折率は好ましくは1.5以上であり、特に好ましくは1.7以上あり、そして感度向上の点から下地層または上地層の屈折率が1.5以下であることが好ましい。
内部レンズは、上記の屈折率の範囲を満たせば特に制限はないが、凸レンズ層の材料としては、既述のアクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂等が例示される。特に上記樹脂のうち、高屈折率化が容易な酸化チタンやシリカ等の無機物を添加した樹脂組成物、あるいは上記樹脂で硫黄元素、鉛元素またはこれらの元素への置換樹脂またはこれら元素を含む化合物の変性樹脂またはそれらの前駆体に、ナフトキノンジアジドやビスアジド等の感光剤等を含有し、さらに溶媒で溶解した樹脂組成物溶液を用い、上地層または下地層に凸レンズ層と同一で、上記高屈折率化のための置換または変性前の樹脂またはその前駆体を用いた樹脂組成物溶液を用いることが特に好ましい態様である。
上地層の屈折率および下地層の屈折率が、ともに凸レンズ層の屈折率以上の場合、光電変換素子以外への入射光を受光部へ集光する効果が得られなくなり、さらには下地層と凸レンズ層の界面での反射光、あるいはハレーションが強くなるため凸レンズ層のパターン形成の際、形状が中間層、基板層の形状の影響を受けやすくなるという問題が生じる。このため半導体装置毎にパターン形成条件あるいはレンズ層の構成材料を個別に変更する必要が生じるためコストの点から好ましくない。
本発明の基板とは上記内部レンズを形成する際の最下層を構成する固体を指し、一般的にはシリコンウェハーが用いられるが、高分子材料を塗布する際の支持体となりうるならば特に制限は無い。
本発明の光電変換素子を有する半導体装置は、デジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラおよびスキャナー、監視カメラ、形状認識用センサー等さまざまな分野で適用されているイメージセンサーで、特に高い解像度や感度などが必要な用途に好適に用いられる。
以下、本発明の効果を証明するための実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.基板の調製
市販のクロム膜付石英基板およびそのクロム膜上にクロム酸化膜を積層した石英基板を、常法に従いポジ型フォトレジストを塗膜し、露光をおこなってパターニングした。引き続いてクロムエッチングを行った後、フォトレジストを除去することにより6μmの間隔で格子状に配置した1辺2μmの透明矩形パターンを形成した基板を作成した。
パターン加工されたクロム膜付石英基板に対し、再びポジ型フォトレジストを塗膜後、露光とパターニングを行うことにより、上記透明矩形パターンをレジストでマスキングをおこなった。
マスキングされた基板上部に、蒸着法によりアルミニウム、窒化珪素、および化ケイ素材料(オルソケイ酸メチル)薄膜をそれぞれ形成した後、レジストを除去した。この結果、最表層に下記材料膜を有し、6μmの間隔で格子状に配置された1辺2μmの透明矩形パターンを有する基板1〜基板5を得た。
基板1 : クロム膜
基板2 : 酸化クロム膜
基板3 : アルミニウム膜
基板4 : 窒化珪素膜
基板5 : 酸化ケイ素膜
2. 高分子材料の調製
内部レンズ用高分子材料として下記試料を調製した後、孔径1μmメンブレンフィルターでろ過して高分子溶液(樹脂1〜樹脂5)を得た。
樹脂1:ポリメチルメタクリレート(GPC−RI法による重量平均分子量50,000)をメチルセルソルブ溶媒中に溶解し7%溶液とした。
樹脂2:無水ピロメリット酸10部、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物90部に対し、ジアミノジフェニルスルホン100部をNMP溶媒中で加熱反応しポリアミック酸5%溶液を得た。
樹脂3:下記した化学構造の酸二無水物70部とジアミノジフェニルエーテル20部をNMP溶媒中で加熱反応した後、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール20部を添加して部分エステル化した溶液を、水で再沈殿、洗浄した後乾燥してポリマー粉末を得た。このポリマー20部をガンマブチロラクトン40部および乳酸エチル40部で溶解した。
Figure 2005332867
樹脂4:樹脂3調製において得られたポリマー粉末10部、およびα, α, α'−(トリスヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン(商品名、TrisP−PA、 本州化学(株)製)と、ナフトキノンジアジドスルホニルエステル(商品名、NUC5、東洋合成(株)製)をモル比率1対2.5でエステル化した感光剤3部をガンマブチロラクトン40部および乳酸エチル40部に溶解して感光性樹脂組成物溶液を得た。
樹脂5:樹脂4を100部に対し酸化スズ−酸化チタン複合粒子(商品名、オプトレイクTR−502 触媒化成工業(株)製)40部を添加した。
3.屈折率、ガラス転移点の測定
上記の樹脂1〜5をそれぞれ直径10.2mmのシリコンウェハ上にスピンコートした後、それぞれ下記する方法で熱処理をおこなって、膜厚2μmの高分子膜を調製した。これらの試料についてプリズムカプラー(Metoricon(株)製)を用いて、室温下で633nmにおける膜面に対して垂直方向の屈折率を測定した。
次に、この高分子膜をピンセットとスパチュラを用いてシリコンウェハから採取し、昇温速度10℃/分にてDSC(TA Instrument(株)製)測定をおこない、ガラス転移点を求めた。
樹脂1:循環式オーブンを用い200℃の温度で2時間処理した。
樹脂2:循環式オーブンを用いて窒素気流下で180℃×30分処理した後、引き続いて300℃の温度に昇温して 30分間熱処理した。
樹脂3、4、5:循環式オーブンを用いて窒素気流下で150℃×15分処理した後、引き続いて250℃の温度に昇温して 30分間処理した。
上述の方法により得られた屈折率とガラス転移点は、表1のとおりとなった。
Figure 2005332867
4.中間層の形成
基板上に必要に応じて蒸着法により0.5μm厚のBPSGを製膜した後、a)下地層形成、b)凸レンズ層塗膜処理、c)凸レンズ形状パターニング処理、d)上地層形成の順に各層を形成した。必要に応じて上地層上部にオーバーコート用ポリシロキサン溶液(商品名PSB−K31、東レ(株)製)をスピンコート法により塗膜後、循環式オーブン中で250℃×30分熱処理し8μm厚の酸化ケイ素膜を形成した。
5. 集光能力評価
上述の実施例、比較例で示した試料について積分球搭載の可視UV分光光度計(日立製作所(株)製)を用いて下記評価を行った。
a)垂直光集光能力
実施例に示された各試料のブランクとして、それぞれの試料で用いた基板を用い、基板に垂直に入射された633nm平行光の透過率を測定しブランク値とした。次に各試料を同様の方法で透過率を測定し、ブランク値との比を求めた。
b)斜光集光能力
実施例に示された各試料のブランクとして、それぞれの試料で用いた基板を用い、基板垂線に対し35℃傾斜して入射された633nm平行光の透過率を測定しブランク値とした。次に、各試料を同様の方法で透過率を測定し、ブランク値との比を求めた。
(実施例1)
上記の基板1上に蒸着法により0.5μm厚のBPSG膜を形成した後、上記の樹脂3をスピンコート後、循環式オーブンを用いて窒素気流下で150℃×15分加熱処理し、膜厚2μmの下地層を形成した。引き続いて上記の樹脂5をスピンコート後窒素気流下で150℃×30分加熱処理を行い、3μmの凸レンズ層材料を塗膜した。次に、基板上において2μmの透明矩形パターンと中心位置が一致し1辺が3μmとなる露光用レティクルを作成して、i線ステッパー(GCA社製)で露光した。テトラメチルアンモニウムハイドライド(以降TMAHと表記する)水溶液で現像した後、循環式オーブンを用いて窒素気流下で150℃×15分加熱して基板上の透明矩形パターン上に凸レンズ層を形成した。この基板上に再び上記の樹脂3をスピンコート後、循環式オーブンを用いて窒素気流下で150℃×30分加熱後、引き続いて250℃に昇温し30分熱処理して、上地層を形成した。この後、上述した方法により8μm厚の酸化ケイ素膜層を形成した。
(実施例2〜6)
上記の基板1〜5のそれぞれについて、上記の樹脂3をスピンコート後、実施例1と同じ方法により下地層、凸レンズ層、上地層および酸化ケイ素膜層を形成した。
(実施例7)
上記の基板1上に、実施例1と同様のBPSG膜を形成した。引き続いて上記の樹脂2をスピンコート後、循環式オーブンを用いて窒素気流下で180℃×30分処理した後、300℃に昇温して 30分間熱処理して、膜厚2μmの下地層を形成した。下地層形成の後、実施例1と同じ方法で凸レンズ層、上地層および酸化ケイ素膜層を形成した。
(実施例8)
上記の基板1上に実施例1と同様のBPSG膜を形成後、実施例1と同じ方法で凸レンズ層、上地層および酸化ケイ素膜を形成した。
(実施例9)
上記の基板1上に実施例1と同様にBPSG膜、下地層、凸レンズ層を形成後、循環式オーブンを用いて窒素気流下で250℃×30分加熱処理した。引き続いて、上記の樹脂1をスピンコート後、循環式オーブンを用いて200℃の温度で2時間熱処理した。この後、実施例1と同じ方法で酸化ケイ素膜層を形成した。
(比較例1〜5)
上記の基板1〜5のそれぞれについて、実施例1と同様のBPSG膜を形成した。引き続いて、実施例1と同様の方法で凸レンズ層を形成し循環式オーブンを用い窒素気流下で250℃×30分間熱処理した。この後、実施例1と同じ方法で酸化ケイ素膜層を形成し、上地層、下地層ともに無機膜で構成された内部レンズを形成した。
(比較例6)
上記の基板1上に実施例1と同様にBPSG膜を形成した。引き続いて、上記の樹脂1をスピンコート後、循環式オーブンを用いて200℃の温度で2時間熱処理し、下地層を形成した。この後、実施例8と同じ方法で凸レンズ層、上地層および酸化ケイ素膜層を形成し、上地層、下地層ともにガラス転移点が120℃となる内部レンズを形成した。
上記の方法によって得られた実施例、比較例の材料構成と上記5.の方法で測定した垂直入射光および斜光集光能力を、表2と表3に示す。
実施例1〜6の結果から、本発明による内部レンズは、基板および中間層であるBPSG膜の影響を受けずにいずれも良好な集光能力を示しているのに対し、比較例1〜6では、基板により集光能力が大きくばらつき、または低下していることがわかる。
Figure 2005332867
Figure 2005332867
本発明の光電変換素子を有する半導体装置は、デジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラおよびスキャナー等さまざまな分野で適用されているイメージセンサーなどに好適に用いられ、有用である。

Claims (2)

  1. 1つ以上の光電変換素子の上部に各光電変換素子毎に対となった内部レンズを有する構造を持つ半導体装置であって、該内部レンズが凸レンズ層を必須とし、該凸レンズ層が感光性高分子材料をパターニング後、加熱硬化されたガラス転移点が250℃以上の樹脂からなり、該凸レンズ層の下方に形成されたガラス転移点が250℃以上の高分子材料からなる下地層、または該凸レンズ層の上方に形成されたガラス転移点が200℃以上の高分子材料からなる上地層のいずれか一方または両方の層を有する構造であり、かつ該内部レンズ各層の屈折率が下記の範囲を満たすことを特徴とする半導体装置。
    内部レンズ各層の屈折率が下地層<凸レンズ層、または上地層<凸レンズ層
  2. 下地層および上地層の少なくとも一方が、樹脂組成物溶液を半導体基板に塗布後、加熱処理により反応、硬化して形成された層であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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