JP2004031532A - 固体撮像素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】0.2μm以下のレンズ間ギャップを備えた、感度低下のない、またマイクロレンズ間の非開口部からの反射光を抑制し、ノイズを低減させた固体撮像素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】反射光を抑制する低屈折率樹脂29を形成する際に、マイクロレンズ28の高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして、スピンコートにて低屈折率樹脂を形成すること。低屈折率樹脂がフッ素系アクリル樹脂であること。
【選択図】図1
【解決手段】反射光を抑制する低屈折率樹脂29を形成する際に、マイクロレンズ28の高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして、スピンコートにて低屈折率樹脂を形成すること。低屈折率樹脂がフッ素系アクリル樹脂であること。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、C−MOSやCCD等の受光素子に代表される固体撮像素子に関するものであり、特に、固体撮像素子上に形成されるマイクロレンズの実効的な開口率を上げることによる感度の向上、及びレンズ間の凹部からの反射光を大幅に抑制し、S/N比を向上させた固体撮像素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDなど固体撮像素子上の光電変換素子が光電変換に寄与する領域(開口部)は、固体撮像素子のサイズや画素数に依存するが、固体撮像素子の全面積に対し20〜40%程度に限られてしまう。開口部が小さいことは、そのまま感度低下につながるので、これを補うため光電変換素子上に集光用のマイクロレンズを形成することが一般的である。
しかしながら、近時、200万画素を超える高精細な固体撮像素子がつよく要求されるようになり、この高精細な固体撮像素子に付随するマイクロレンズの開口率低下(すなわち感度低下)、及びスミアなどのノイズ増加が大きな問題となってきている。
【0003】
マイクロレンズの形成技術に関する公知の技術としては、例えば、特開昭60−53073号公報に比較的詳細に示されている。この特開昭60−53073号公報には、レンズを丸く半球状に形成する技術として熱による樹脂の熱流動性(熱フロー)を用いた技術、また、いくつかのエッチング方法によりレンズを加工する技術も詳細に開示されている。
加えて、レンズ表面の光散乱による集光性能のロスの改善策として、レンズ表面にポリグリシジルメタクリレート(PGMA)などの有機膜や、OCD(東京応化工業(株)製のSiO2 系被膜形成用塗布液)の無機膜を形成する技術なども開示されている。
また、マイクロレンズに反射防止膜を形成する技術は、単層もしくは多層の反射防止膜をマイクロレンズ上に形成する技術として、例えば、特開平4−223371に開示されている。
【0004】
一般に、マイクロレンズの形成にあたり、感光性樹脂を用いてのフォトリソグラフィー技術と熱フロー技術を併用しているので、これらの技術からくる制約で、マイクロレンズの隣接する辺方向のレンズ間ギャップは、1μmからせいぜい0.4μmである。ところが高精細な固体撮像素子においては、5μm以下のマイクロレンズの配列ピッチ、及び0.3μm以下のレンズ間ギャップ(以下、挟ギャップ)が必要となる。
【0005】
上記技術を用いてレンズ間ギャップを0.3μm以下に形成しようとすると、隣接するマイクロレンズ同士は各々の辺部でくっつき、ムラ不良となることが多く量産性のある技術とはならない。こうした従来技術からくる制約は、高精細な固体撮像素子におけるマイクロレンズの開口率低下、換言すると固体撮像素子の感度低下につながる問題となっていた。
【0006】
このようなマイクロレンズの辺部でのくっつきを避けるための安定した生産技術として、或いは、高開口率を有するマイクロレンズの形成技術として、上記特開昭60−53073号公報や、特開平6−112459号公報、特開平9−45884号公報などにはエッチングを利用した、所謂“溝方式”と呼ばれる技術が開示されているが、これらの技術はレンズ間の凹部(1μm程度のギャップ部)を活用する対応技術であり、凹部を小さくする技術ではないので、レンズ間ギャップを0.3μm以下にするといった挟ギャップ対応のものではない。
【0007】
すなわち、マイクロレンズを原型として、ドライエッチなどによりマイクロレンズ間の露出した部位をエッチングしていくため、レンズ形状がなだらかで同時に凹部も丸く広がる傾向に加工されてしまう。これは等方性エッチング、異方性エツチングいずれにおいても基本的にはこの傾向であり挟ギャップ対応のものではない。
【0008】
また、前記のように、固体撮像素子の光電変換素子上には感度低下を補うためにマイクロレンズが形成されるが、固体撮像素子がカメラに装着された際に、カメラのレンズ光学系から入射される光の一部は、このマイクロレンズの表面や、マイクロレンズ間の非開口部で反射し、固体撮像素子を封入しているパッケージ表面のカバーガラスやカメラレンズで再反射し、隣接する光電変換素子に入射する。
この隣接する光電変換素子に入射した再反射光は、撮像素子へのノイズとなりS/N比を低下させ、画質を低下させることになる。
【0009】
反射光を防止するために反射防止膜をマイクロレンズ上に形成する技術は、無機の多層膜、もしくは低屈折率樹脂を積層、もしくは塗布する技術が公知である。しかし、無機多層膜は、蒸着機など高価な装置、プロセスをとる必要あり、また、この構成では光電変換素子への電気的接続に新たな工夫が必要となりコスト、プロセス面でそぐわないものがあった。
低屈折率樹脂をスピンコートなどの塗布方法によってマイクロレンズ上に単層を形成する技術は、コストやプロセス面で有利であるが、マイクロレンズ間の凹部に低屈折率樹脂が流れ込み、マイクロレンズの表面上部にはほとんど形成できない。従って、マイクロレンズ上に最適な膜厚で塗布することは困難であり、反射防止の効果がほとんど得られないといった問題があった。
【0010】
低屈折率樹脂塗布液を用いて、スピンコートによってマイクロレンズ上に単層の低屈折率樹脂を形成した際の、従来の問題点を図5を用いて説明する。
例えば、マイクロレンズ(68)のレンズ間ギャップ(66)を0.5μmにて形成した場合、図5に示すように、塗布液によってマイクロレンズ(68)間が凹部(67)になり、十分なゼロギャップ化(ギャップをゼロとするもの)ができない問題がある。
レンズ厚み(T1)が0.9μm、1.0μmを超えると、低屈折率樹脂塗布液をスピンコートでマイクロレンズ上に塗布乾燥させたときにレンズ間ギャップ(66)に塗布液が流れ込み、マイクロレンズ(68)上に低屈折率樹脂(69)が十分な厚みで形成できない問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光電変換に寄与する領域(開口部)を補う集光用のマイクロレンズのレンズ間ギャップが0.2μm以下のレンズ間ギャップ(挟ギャップ)、実質0μmの挟ギャップを有するマイクロレンズを備えた、すなわち、感度低下のない、またマイクロレンズからの、特にマイクロレンズ間の非開口部からの反射光を抑制し、ノイズを低減させた固体撮像素子の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも光電変換素子、カラーフィルタ、アンダーコート層、マイクロレンズ、低屈折率樹脂を備えた固体撮像素子の製造方法において、該低屈折率樹脂を形成する際に、マイクロレンズの高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、スピンコートにて固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして低屈折率樹脂を形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記低屈折率樹脂塗布液の樹脂が、フッ素系アクリル樹脂であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記マイクロレンズの形成時に、レンズ材料のフロー制御を行うことを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記カラーフィルタが、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする複数の画素で構成され、マイクロレンズを形成する工程が、緑(G)2画素上のマイクロレンズの形成と、赤(R)1画素、青(B)1画素の各1画素上のマイクロレンズの形成との2回の工程により形成する工程であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記低屈折率樹脂の表面をドライエッチング処理することを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による固体撮像素子の製造方法を、その実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明による固体撮像素子の製造方法によって製造した固体撮像素子の一実施例を示す部分断面図である。図1に示すように、この固体撮像素子は、半導体基板(11)に光電変換素子(12)、遮光膜(13)、平坦化層(14)、カラーフィルタ(15)、およびアンダーコート層(16)を形成し、さらにマイクロレンズ(28)、低屈折率樹脂(29)を形成したものである。
【0018】
マイクロレンズ(28)の形成に用いる樹脂は、可視域の透明性が高く、かつ実用的な信頼性があれば良く、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、或いは、これらの共重合物などが使用可能である。なお、これらの樹脂をアンダーコート層(16)の材料として用いても良い。
低屈折率樹脂(29)は、これらの樹脂骨格に低屈折率化のためにF(フッ素)やSi(シリコン)を導入した樹脂が使用可能である。
低屈折率樹脂は、マイクロレンズとの間に高屈折率の材料を挿入してもよいし、必要により複数回の塗布を行ってもよい。
【0019】
マイクロレンズ(28)の屈折率、及びアンダーコート層(16)の屈折率より低い屈折率の樹脂を設けることにより、マイクロレンズからの、特にマイクロレンズ間の凹部からの反射光が抑制される。
また、マイクロレンズ(28)及びアンダーコート層(16)上に形成される低屈折率樹脂は、真空成膜などの高価な方法でなく、安定して再現するのに十分な条件設定をすることを前提としてスピンコートのような低コストで簡便な方法で形成できる。
【0020】
スピンコートは、回転系があれば薄膜を塗布できる極めて簡便で低コストの手法であるが、図5に示すように、一般に、マイクロレンズ(68)のような曲面にスピンコートでは均一な膜厚で塗布することは困難である。
すなわち、マイクロレンズ(68)の表面上部では、低屈折率樹脂(69)が薄くなり、逆にレンズ間ギャップ(66)に低屈折率樹脂が流れ込み厚くなる傾向にある。
【0021】
一般に、レジストなどの樹脂塗布液を用い、スピンコートによって薄膜を形成方法では、樹脂塗布液の粘度とスピンコーターの回転数で膜厚管理を行う。しかし、本発明者らは、マイクロレンズ上にスピンコートによって0.2μm乃至0.1μm以下の樹脂薄膜を均等(等方的)に形成するには、固形分比を可能な範囲で下げた低屈折率樹脂塗布液をマイクロレンズ上の全面に、多めに液盛りして回転塗布する事が重要であることを見いだした。
【0022】
図2(a)〜(e)は、本発明による固体撮像素子の製造方法の説明図であるが、“多めに液盛り”の内容を、図2によって説明する。
半導体基板(21)上にマイクロレンズ(28)を形成した後に、図2(d)に示すように、低屈折率樹脂塗布液(24)をマイクロレンズ全面に液盛りする。低屈折率樹脂塗布液(24)の盛り量(25)は、マイクロレンズの厚みの2倍以上が好ましい。2倍以上に設定することで、マイクロレンズ上の低屈折率樹脂(29)の膜厚を均一にし、マイクロレンズ間に流れ込む低屈折率樹脂の膜厚との差を少なくできる。
【0023】
次に、スピン回転させて、図2(e)に示すように、低屈折率樹脂(29)を均一な膜厚に形成する。低屈折率樹脂(29)を均一な膜厚に形成するには、マイクロレンズの厚み(27)、レンズ間ギャップ(26)を実用的な範囲で小さくし、かつ、低屈折率樹脂(29)が目的の膜厚となる範囲で樹脂の固形分比を下げ、低屈折率樹脂塗布液(24)を多く液盛りすることが重要である。
固形分比の高い低屈折率樹脂塗布液では、スピンコーターの回転数を極端に上げざるを得ないが、この場合、マイクロレンズ間ギャップには低屈折率樹脂が多く流れ込み、レンズ形状を悪化させ、マイクロレンズの表面上部には低屈折率樹脂(29)がほとんど形成されない状態となる。
【0024】
固形分比は、5%以下であることが好ましい。しかしながら、固形分比をさげると塗布液の乾燥時に樹脂分が凝集しランド状になる。或いは、希薄溶液のため不安定になり樹脂が溶剤中で既に凝集してしまうので、均質な膜形成ができなくなる。実務的に塗布での透明樹脂の膜厚の下限は0.03μmとなる。
なお、塗布液に塗布性や分散性を向上させるために、界面活性剤を添加したり、複数の溶剤種を混ぜたり、或いは、樹脂の分子量や他樹脂の添加を行っても良い。また、塗布の前処理として被塗布面に軽くエッチング処理や紫外線洗浄を実施しても良い。
【0025】
また、低屈折率樹脂の塗布膜厚の設定にも係わらず、低屈折率樹脂のドライエッチングによるエッチングレートが、マイクロレンズ樹脂に対して十分に高い(速い)場合に、その形成後にドライエッチングによって膜厚など調整可能である。また、ドライエッチングによって、マイクロレンズアレイ上の低屈折率樹脂の形状を改善して、反射防止効果を向上させることも可能である。
しかし、低屈折率樹脂の膜厚が厚いと、ドライエッチングなどのエッチング処理を施しても狭ギャップは得にくい。また、低屈折率樹脂の塗布やドライエッチングにて、若干ではあるがレンズ形状や厚みに変化があるため、この変化量を見込んでの工程設計をすることになる。
【0026】
低屈折率樹脂の膜厚は、0.1μm以下の薄い膜厚が、レンズ形状を保持しやすく、狭ギャップを達成しやすい。厚い膜ほどレンズ原型を再現しにくくなり、レンズの谷間を埋め平坦になる。
【0027】
低屈折率樹脂塗布液に含まれる低屈折率樹脂は、マイクロレンズの湾曲した面に対して追随性を持たせるため、大きい平均分子量であることが望ましい。1万から50万の範囲のものから選択する事が適当である。
5万〜20万の平均分子量のものが、その合成プロセスから無理なく製造できる範囲である。1万を下回る小さな平均分子量になると、マイクロレンズの表面に乗りにくくなりレンズ間ギャップに流れ込みやすくなりレンズ形状を悪化させやすい。また、50万を超える平均分子量のものでは、樹脂合成が難しくなり均質な低屈折率樹脂塗布液を調整しにくくなる。
【0028】
また、本発明は、低屈折率樹脂塗布液の樹脂が、フッ素系アクリル樹脂であることを特徴とするものである。
本発明に用いる低屈折率樹脂は、期待する反射防止効果を得るために、理想的には下地であるマイクロレンズ材料の屈折率の平方根である屈折率を持つ材料が好ましい。例えば、マイクロレンズの樹脂材料の屈折率が1.68であるとき低屈折率樹脂の屈折率は、およそ1.30となる。
しかしながら、1.30の値をもつ有機樹脂は存在しない。実用的な密着力と信頼性を有し、スピンコートできるフッ素基を樹脂骨格に導入して、屈折率を極力下げたフッ素系アクリル樹脂が好ましい。
【0029】
最終的にマイクロレンズ上に形成される低屈折率樹脂の光学的膜厚(d)は、理想的には、d=λ/4・n、n=(n0 ・n1 )1/2であることが望ましい。(ここで、n0 は空気の屈折率、n1 はレンズ材料の屈折率、λは光の波長)
例えば、波長550nmの光を対象として、低屈折率樹脂に屈折率1.41のフッ素系アクリル樹脂を採用した場合に、その膜厚は、97.5nmとなる。
【0030】
また、本発明は、熱フロー法によるマイクロレンズの形成時に、レンズ材料のフロー制御を行うことを特徴とするものである。
固体撮像素子に用いられるマイクロレンズは、一般に熱フロー性のある感光性樹脂(以下レンズ材料)を用いて形成する。代表的には、アルカリ可溶の感光性フェノール樹脂を露光、現像し、この現像後の樹脂パターンを熱処理しフローさせて丸い半球状のマイクロレンズに加工するものである。
レンズ材料のフロー制御は、例えば、現像後の熱処理前に硬化剤、界面活性剤などを添加した水溶性の樹脂を樹脂パターン上に塗布して行う方法、あるいは、レンズ下地であるアンダーコート層とレンズ材料との濡れを制御する方法などがある。
【0031】
アンダーコート層は、その樹脂材料の分子量、添加剤、硬化剤などの選択や量のコントロールでレンズ材料との濡れ、フロー量の制御を行うこともがきる。
アンダーコート層では、その硬化度合いを硬化温度を変えて調整するによって、レンズ材料のフロー制御を簡便に行うことができる。
すなわち、感光性の熱フロー性樹脂のフロー量を確保するために、未硬化のアンダーコート層上に、感光性の熱フロー性樹脂のパターンを形成し、さらに、低屈折率樹脂を塗布し、これらをともに熱処理し熱フロー性樹脂を熱フローさせる工程によることが簡便である。
アンダーコートの樹脂材料は、レンズ材料と同じ系統の熱フロー性を有する材料でも良いし、一般の、熱あるいは光硬化タイプの樹脂であっても良い。
これらフロー制御の方法で、0.2μm以下の狭いギャップのマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0032】
また、本発明は、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする複数の画素でカラーフィルタが構成され、マイクロレンズを形成する工程が、緑(G)2画素上のマイクロレンズの形成と、赤(R)1画素、青(B)1画素の各1画素上のマイクロレンズの形成との2回の工程により形成する工程であることを特徴とする。
本発明は、図4に示すように、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする、いわゆるベイヤー配列に対応させ、マイクロレンズを2回にわけて形成することによっても0.2μm以下の狭ギャップのマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0033】
請求項4に係わる発明は、視感度の高い緑(G)画素を優先してマイクロレンズを形成し、最適化する事で画質向上に結びつけることができ、かつ、レンズ形成を2回に分けることで、0.2μm〜、0.02μmの狭ギャップのマイクロレンズであってもレンズの融着を完全に防ぐ効果がある。
すなわち、狭ギャップのマイクロレンズを一度に全て形成すると、熱フロー時にレンズ同士が融着、くっついて重欠陥となることを回避することができる。
【0034】
また、本発明は、低屈折率樹脂の表面をライエッチング処理することを特徴とするものである。
一般に、固体撮像素子のほぼ最終工程に、マイクロレンズやカラーフィルタの形成された半導体基板の受光素子との電気的接続をとるために、アルミニウムパッド部(端子部)の肌だし工程が入る。この工程は、酸素プラズマなどでのドライエッチングで行われるが、マイクロレンズやカラーフィルタを保護するために必要部分をフォトレジストでカバーする方式がとられる。
ところが、上記、フッ素系アクリル樹脂がマイクロレンズ上に形成される本発明では、このフッ素系アクリル樹脂とフォトレジストとの密着性がやや不十分である。フッ素系アクリル樹脂である低屈折率樹脂の表面をドライエッチング処理し、フォトレジストとの密着性を確保して最終工程を進めることがより好ましい。
【0035】
尚、本発明において、マイクロレンズの厚みは0.8μm以下と制限されるが、このマイクロレンズの焦点距離は、基本的にレンズ下の半導体受光部までの距離調整で行うことになる。この場合に、集光効果や焦点距離を調整するためマイクロレンズ下に層内レンズの挿入や、あるいはレンズ化したカラーフィルタを挿入しても良い。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図2(a)〜(e)は、実施例1を説明する工程図でもある。図2(a)に示すように、公知の技術にて光電変化素子、平坦化膜、カラーフィルタ、アクリル系樹脂のアンダーコート層(16)が形成された基板(21)に、感光性のフェノール系樹脂であるレンズ材料(17)をスピンコートにて塗布形成した。
なお、アンダーコート層(16)は、アクリル系樹脂をスピンコートで塗布形成し、さらに100℃・90秒間の仮乾燥にてあらかじめ形成した。アンダーコート層(16)は、未硬化の状態であり、このあと図2(c)の工程に示すフロー制御効果となって狭ギャップのマイクロレンズを提供する事になる。
尚、アンダーコート層(16)の完全硬化には180℃以上の熱処理が必要である。
【0037】
図2(b)に示すように、レンズ材料を露光、現像し、現像パターン(18)とした。レンズ材料であるフェノール系樹脂の屈折率は約1.65である。
高精度のフォトマスク(凸版印刷(株)製レチクル)を用いてステッパー露光し、現像し、0.4μmのギャップ部(20)を形成した。なお、高精度のフォトマスクを使用することにより、現像後のギャップ寸法は0.4μmまで十分に可能である。
図2(c)に示すように、180℃で熱処理、熱フローさせてマイクロレンズ間ギャップが0.1μmであるマイクロレンズとした。このマイクロレンズ間ギャップは、アンダーコート層の硬化状態(熱処理温度や硬化剤量)によって、また、レンズ材料の熱フロー温度などの条件で制御可能である。
【0038】
次に、図2(d)に示すように、フッ素系アクリル樹脂(日本化薬(株)製)を固形分比2.5%で調整した低屈折率樹脂塗布液を用いて3000回転でスピンコートし、図2(e)に示すように、硬膜後の膜厚で約0.1μmの低屈折率樹脂(29)の層を形成した。マイクロレンズ(28)の高さは、0.8μm、低屈折率樹脂(29)形成後のマイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmであった。実施例1で用いた低屈折率樹脂塗布液の樹脂の平均分子量は、約15万であった。
【0039】
低屈折率樹脂(29)の層の屈折率は、1.45であった。低屈折率樹脂(29)の層の形成後、ドライエッチング装置にて、O2 ガスを導入し、圧力13Pa、RFパワー200W、バイアス100W、基板温度は常温、エッチング処理時間10秒にて、表面処理を行なった。
このあと、保護のためのフォトレジストにてアルミニウムパッド部以外をカバーして、最終工程のアルミニウムパッド部の肌だし処理/ドライエッチングを実施して撮像素子とした。マイクロレンズ間ギャップ(10)は、ほぼ0μmと狭ギャップであった。
【0040】
また、村上色彩(株)の積分球を用いて拡散光による全反射率を、低屈折率樹脂の形成していないマイクロレンズ基板と、本発明による低屈折率樹脂を積層した基板につき それぞれ測定した。前者が、反射率6%であるのに対し、後者の本発明による基板の反射率は、3%と低くなり良好であった。
実施例1の固体撮像素子を用いたデジタルカメラは、きわめて高画質であることを確認できた。
【0041】
<実施例2>
図3(a)〜(e)は、実施例2を説明する工程図である。図3(a)に示すように、公知の技術にて光電変化素子、平坦化膜、カラーフィルタ、アクリル系樹脂のアンダーコート層(30)が形成された基板(31)に、感光性のフェノール系樹脂であるレンズ材料(32)をスピンコートにて塗布形成した。
なお、アンダーコート層(30)は、アクリル系樹脂をスピンコートで塗布形成し、あらかじめ200℃90秒間熱処理・硬膜させたものである。
【0042】
図3(b)に示すように、レンズ材料を露光、現像し、第1の現像パターン(33)とした。レンズ材料の屈折率は約1.65である。高精度のフォトマスク(凸版印刷(株)製レチクル)を用いてステッパー露光し、現像し、熱フローさせ、図3(c)に示すように、第1のマイクロレンズ(34)を形成した。第1のマイクロレンズ(34)は、ベイヤー配列の緑(G)画素位置に形成した。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、第1の現像パターンと同様に、第2のマイクロレンズの現像パターン(35)を、第1のマイクロレンズ間に形成した。これを図3(e)に示すように、180℃で熱処理、熱フローさせてマイクロレンズ間ギャップが0.05μmであるマイクロレンズとした。
このマイクロレンズ間ギャップは、露光機であるステッパーのアライメント精度にあわせて、最小限の隙間になるよう設定することが望ましい。第1のマイクロレンズと、第2のマイクロレンズを隙間がないようにくっつけたり重ねても良いが、レンズ形状を損なうので大きなメリットはない。
【0044】
次に、図3(f)に示すように、フッ素系アクリル樹脂(日本化薬(株)製)を固形分比2.5%で調整した低屈折率樹脂塗布液を用いて3000回転でスピンコートし、硬膜後の膜厚で約0.1μmの低屈折率樹脂(39)の層を形成した。マイクロレンズ(36)の高さは、0.8μm、低屈折率樹脂(39)形成後のマイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmであった。
【0045】
低屈折率樹脂(39)の層の屈折率は、1.45であった。低屈折率樹脂(39)の層の形成後、ドライエッチング装置にて、O2 ガスを導入し、圧力13Pa、RFパワー200W、バイアス100W、基板温度は常温、エッチング処理時間10秒にて、表面処理を行なった。
このあと、保護のためのフォトレジストにてアルミニウムパッド部以外をカバーして、最終工程のアルミニウムパッド部の肌だし処理/ドライエッチングを実施して撮像素子とした。マイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmと狭ギャップであった。
【0046】
また、村上色彩(株)の積分球を用いて拡散光による全反射率を、低屈折率樹脂の形成していないマイクロレンズ基板と、本発明による低屈折率樹脂を積層した基板につき それぞれ測定した。前者が、反射率6%であるのに対し、後者の本発明による基板の反射率は、3%と低くなり良好であった。
実施例2の固体撮像素子を用いたデジタルカメラは、きわめて高画質であることを確認できた。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、反射光を抑制する低屈折率樹脂を形成する際に、マイクロレンズの高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして、スピンコートにて低屈折率樹脂を形成する固体撮像素子の製造方法であるので、特にマイクロレンズ間の非開口部からの反射光を抑制し、ノイズを低減させた固体撮像素子を廉価に提供することのできる固体撮像素子の製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体撮像素子の製造方法によって製造した固体撮像素子の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明による固体撮像素子の製造方法、及び実施例1の説明図である
【図3】(a)〜(e)は、実施例2の説明図である
【図4】ベイヤー配列の説明図である。
【図5】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
10…マイクロレンズ間ギャップ
11、21…半導体基板
12…光電変換素子
13…遮光膜
14…平坦化層
15…カラーフィルタ
16、30、61…アンダーコート層
17、32…レンズ材料
18、33、35…現像パターン
20…ギャップ部
21、31…基板
24…低屈折率樹脂塗布液
25…低屈折率樹脂塗布液の盛り量
26…レンズ間ギャップ
27…マイクロレンズの厚み
28、36、68…マイクロレンズ
29、39、69…低屈折率樹脂
34…第1のマイクロレンズ
66…レンズ間ギャップ
67…マイクロレンズ間の凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、C−MOSやCCD等の受光素子に代表される固体撮像素子に関するものであり、特に、固体撮像素子上に形成されるマイクロレンズの実効的な開口率を上げることによる感度の向上、及びレンズ間の凹部からの反射光を大幅に抑制し、S/N比を向上させた固体撮像素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDなど固体撮像素子上の光電変換素子が光電変換に寄与する領域(開口部)は、固体撮像素子のサイズや画素数に依存するが、固体撮像素子の全面積に対し20〜40%程度に限られてしまう。開口部が小さいことは、そのまま感度低下につながるので、これを補うため光電変換素子上に集光用のマイクロレンズを形成することが一般的である。
しかしながら、近時、200万画素を超える高精細な固体撮像素子がつよく要求されるようになり、この高精細な固体撮像素子に付随するマイクロレンズの開口率低下(すなわち感度低下)、及びスミアなどのノイズ増加が大きな問題となってきている。
【0003】
マイクロレンズの形成技術に関する公知の技術としては、例えば、特開昭60−53073号公報に比較的詳細に示されている。この特開昭60−53073号公報には、レンズを丸く半球状に形成する技術として熱による樹脂の熱流動性(熱フロー)を用いた技術、また、いくつかのエッチング方法によりレンズを加工する技術も詳細に開示されている。
加えて、レンズ表面の光散乱による集光性能のロスの改善策として、レンズ表面にポリグリシジルメタクリレート(PGMA)などの有機膜や、OCD(東京応化工業(株)製のSiO2 系被膜形成用塗布液)の無機膜を形成する技術なども開示されている。
また、マイクロレンズに反射防止膜を形成する技術は、単層もしくは多層の反射防止膜をマイクロレンズ上に形成する技術として、例えば、特開平4−223371に開示されている。
【0004】
一般に、マイクロレンズの形成にあたり、感光性樹脂を用いてのフォトリソグラフィー技術と熱フロー技術を併用しているので、これらの技術からくる制約で、マイクロレンズの隣接する辺方向のレンズ間ギャップは、1μmからせいぜい0.4μmである。ところが高精細な固体撮像素子においては、5μm以下のマイクロレンズの配列ピッチ、及び0.3μm以下のレンズ間ギャップ(以下、挟ギャップ)が必要となる。
【0005】
上記技術を用いてレンズ間ギャップを0.3μm以下に形成しようとすると、隣接するマイクロレンズ同士は各々の辺部でくっつき、ムラ不良となることが多く量産性のある技術とはならない。こうした従来技術からくる制約は、高精細な固体撮像素子におけるマイクロレンズの開口率低下、換言すると固体撮像素子の感度低下につながる問題となっていた。
【0006】
このようなマイクロレンズの辺部でのくっつきを避けるための安定した生産技術として、或いは、高開口率を有するマイクロレンズの形成技術として、上記特開昭60−53073号公報や、特開平6−112459号公報、特開平9−45884号公報などにはエッチングを利用した、所謂“溝方式”と呼ばれる技術が開示されているが、これらの技術はレンズ間の凹部(1μm程度のギャップ部)を活用する対応技術であり、凹部を小さくする技術ではないので、レンズ間ギャップを0.3μm以下にするといった挟ギャップ対応のものではない。
【0007】
すなわち、マイクロレンズを原型として、ドライエッチなどによりマイクロレンズ間の露出した部位をエッチングしていくため、レンズ形状がなだらかで同時に凹部も丸く広がる傾向に加工されてしまう。これは等方性エッチング、異方性エツチングいずれにおいても基本的にはこの傾向であり挟ギャップ対応のものではない。
【0008】
また、前記のように、固体撮像素子の光電変換素子上には感度低下を補うためにマイクロレンズが形成されるが、固体撮像素子がカメラに装着された際に、カメラのレンズ光学系から入射される光の一部は、このマイクロレンズの表面や、マイクロレンズ間の非開口部で反射し、固体撮像素子を封入しているパッケージ表面のカバーガラスやカメラレンズで再反射し、隣接する光電変換素子に入射する。
この隣接する光電変換素子に入射した再反射光は、撮像素子へのノイズとなりS/N比を低下させ、画質を低下させることになる。
【0009】
反射光を防止するために反射防止膜をマイクロレンズ上に形成する技術は、無機の多層膜、もしくは低屈折率樹脂を積層、もしくは塗布する技術が公知である。しかし、無機多層膜は、蒸着機など高価な装置、プロセスをとる必要あり、また、この構成では光電変換素子への電気的接続に新たな工夫が必要となりコスト、プロセス面でそぐわないものがあった。
低屈折率樹脂をスピンコートなどの塗布方法によってマイクロレンズ上に単層を形成する技術は、コストやプロセス面で有利であるが、マイクロレンズ間の凹部に低屈折率樹脂が流れ込み、マイクロレンズの表面上部にはほとんど形成できない。従って、マイクロレンズ上に最適な膜厚で塗布することは困難であり、反射防止の効果がほとんど得られないといった問題があった。
【0010】
低屈折率樹脂塗布液を用いて、スピンコートによってマイクロレンズ上に単層の低屈折率樹脂を形成した際の、従来の問題点を図5を用いて説明する。
例えば、マイクロレンズ(68)のレンズ間ギャップ(66)を0.5μmにて形成した場合、図5に示すように、塗布液によってマイクロレンズ(68)間が凹部(67)になり、十分なゼロギャップ化(ギャップをゼロとするもの)ができない問題がある。
レンズ厚み(T1)が0.9μm、1.0μmを超えると、低屈折率樹脂塗布液をスピンコートでマイクロレンズ上に塗布乾燥させたときにレンズ間ギャップ(66)に塗布液が流れ込み、マイクロレンズ(68)上に低屈折率樹脂(69)が十分な厚みで形成できない問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光電変換に寄与する領域(開口部)を補う集光用のマイクロレンズのレンズ間ギャップが0.2μm以下のレンズ間ギャップ(挟ギャップ)、実質0μmの挟ギャップを有するマイクロレンズを備えた、すなわち、感度低下のない、またマイクロレンズからの、特にマイクロレンズ間の非開口部からの反射光を抑制し、ノイズを低減させた固体撮像素子の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも光電変換素子、カラーフィルタ、アンダーコート層、マイクロレンズ、低屈折率樹脂を備えた固体撮像素子の製造方法において、該低屈折率樹脂を形成する際に、マイクロレンズの高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、スピンコートにて固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして低屈折率樹脂を形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記低屈折率樹脂塗布液の樹脂が、フッ素系アクリル樹脂であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記マイクロレンズの形成時に、レンズ材料のフロー制御を行うことを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記カラーフィルタが、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする複数の画素で構成され、マイクロレンズを形成する工程が、緑(G)2画素上のマイクロレンズの形成と、赤(R)1画素、青(B)1画素の各1画素上のマイクロレンズの形成との2回の工程により形成する工程であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、上記発明による固体撮像素子の製造方法において、前記低屈折率樹脂の表面をドライエッチング処理することを特徴とする固体撮像素子の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による固体撮像素子の製造方法を、その実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明による固体撮像素子の製造方法によって製造した固体撮像素子の一実施例を示す部分断面図である。図1に示すように、この固体撮像素子は、半導体基板(11)に光電変換素子(12)、遮光膜(13)、平坦化層(14)、カラーフィルタ(15)、およびアンダーコート層(16)を形成し、さらにマイクロレンズ(28)、低屈折率樹脂(29)を形成したものである。
【0018】
マイクロレンズ(28)の形成に用いる樹脂は、可視域の透明性が高く、かつ実用的な信頼性があれば良く、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、或いは、これらの共重合物などが使用可能である。なお、これらの樹脂をアンダーコート層(16)の材料として用いても良い。
低屈折率樹脂(29)は、これらの樹脂骨格に低屈折率化のためにF(フッ素)やSi(シリコン)を導入した樹脂が使用可能である。
低屈折率樹脂は、マイクロレンズとの間に高屈折率の材料を挿入してもよいし、必要により複数回の塗布を行ってもよい。
【0019】
マイクロレンズ(28)の屈折率、及びアンダーコート層(16)の屈折率より低い屈折率の樹脂を設けることにより、マイクロレンズからの、特にマイクロレンズ間の凹部からの反射光が抑制される。
また、マイクロレンズ(28)及びアンダーコート層(16)上に形成される低屈折率樹脂は、真空成膜などの高価な方法でなく、安定して再現するのに十分な条件設定をすることを前提としてスピンコートのような低コストで簡便な方法で形成できる。
【0020】
スピンコートは、回転系があれば薄膜を塗布できる極めて簡便で低コストの手法であるが、図5に示すように、一般に、マイクロレンズ(68)のような曲面にスピンコートでは均一な膜厚で塗布することは困難である。
すなわち、マイクロレンズ(68)の表面上部では、低屈折率樹脂(69)が薄くなり、逆にレンズ間ギャップ(66)に低屈折率樹脂が流れ込み厚くなる傾向にある。
【0021】
一般に、レジストなどの樹脂塗布液を用い、スピンコートによって薄膜を形成方法では、樹脂塗布液の粘度とスピンコーターの回転数で膜厚管理を行う。しかし、本発明者らは、マイクロレンズ上にスピンコートによって0.2μm乃至0.1μm以下の樹脂薄膜を均等(等方的)に形成するには、固形分比を可能な範囲で下げた低屈折率樹脂塗布液をマイクロレンズ上の全面に、多めに液盛りして回転塗布する事が重要であることを見いだした。
【0022】
図2(a)〜(e)は、本発明による固体撮像素子の製造方法の説明図であるが、“多めに液盛り”の内容を、図2によって説明する。
半導体基板(21)上にマイクロレンズ(28)を形成した後に、図2(d)に示すように、低屈折率樹脂塗布液(24)をマイクロレンズ全面に液盛りする。低屈折率樹脂塗布液(24)の盛り量(25)は、マイクロレンズの厚みの2倍以上が好ましい。2倍以上に設定することで、マイクロレンズ上の低屈折率樹脂(29)の膜厚を均一にし、マイクロレンズ間に流れ込む低屈折率樹脂の膜厚との差を少なくできる。
【0023】
次に、スピン回転させて、図2(e)に示すように、低屈折率樹脂(29)を均一な膜厚に形成する。低屈折率樹脂(29)を均一な膜厚に形成するには、マイクロレンズの厚み(27)、レンズ間ギャップ(26)を実用的な範囲で小さくし、かつ、低屈折率樹脂(29)が目的の膜厚となる範囲で樹脂の固形分比を下げ、低屈折率樹脂塗布液(24)を多く液盛りすることが重要である。
固形分比の高い低屈折率樹脂塗布液では、スピンコーターの回転数を極端に上げざるを得ないが、この場合、マイクロレンズ間ギャップには低屈折率樹脂が多く流れ込み、レンズ形状を悪化させ、マイクロレンズの表面上部には低屈折率樹脂(29)がほとんど形成されない状態となる。
【0024】
固形分比は、5%以下であることが好ましい。しかしながら、固形分比をさげると塗布液の乾燥時に樹脂分が凝集しランド状になる。或いは、希薄溶液のため不安定になり樹脂が溶剤中で既に凝集してしまうので、均質な膜形成ができなくなる。実務的に塗布での透明樹脂の膜厚の下限は0.03μmとなる。
なお、塗布液に塗布性や分散性を向上させるために、界面活性剤を添加したり、複数の溶剤種を混ぜたり、或いは、樹脂の分子量や他樹脂の添加を行っても良い。また、塗布の前処理として被塗布面に軽くエッチング処理や紫外線洗浄を実施しても良い。
【0025】
また、低屈折率樹脂の塗布膜厚の設定にも係わらず、低屈折率樹脂のドライエッチングによるエッチングレートが、マイクロレンズ樹脂に対して十分に高い(速い)場合に、その形成後にドライエッチングによって膜厚など調整可能である。また、ドライエッチングによって、マイクロレンズアレイ上の低屈折率樹脂の形状を改善して、反射防止効果を向上させることも可能である。
しかし、低屈折率樹脂の膜厚が厚いと、ドライエッチングなどのエッチング処理を施しても狭ギャップは得にくい。また、低屈折率樹脂の塗布やドライエッチングにて、若干ではあるがレンズ形状や厚みに変化があるため、この変化量を見込んでの工程設計をすることになる。
【0026】
低屈折率樹脂の膜厚は、0.1μm以下の薄い膜厚が、レンズ形状を保持しやすく、狭ギャップを達成しやすい。厚い膜ほどレンズ原型を再現しにくくなり、レンズの谷間を埋め平坦になる。
【0027】
低屈折率樹脂塗布液に含まれる低屈折率樹脂は、マイクロレンズの湾曲した面に対して追随性を持たせるため、大きい平均分子量であることが望ましい。1万から50万の範囲のものから選択する事が適当である。
5万〜20万の平均分子量のものが、その合成プロセスから無理なく製造できる範囲である。1万を下回る小さな平均分子量になると、マイクロレンズの表面に乗りにくくなりレンズ間ギャップに流れ込みやすくなりレンズ形状を悪化させやすい。また、50万を超える平均分子量のものでは、樹脂合成が難しくなり均質な低屈折率樹脂塗布液を調整しにくくなる。
【0028】
また、本発明は、低屈折率樹脂塗布液の樹脂が、フッ素系アクリル樹脂であることを特徴とするものである。
本発明に用いる低屈折率樹脂は、期待する反射防止効果を得るために、理想的には下地であるマイクロレンズ材料の屈折率の平方根である屈折率を持つ材料が好ましい。例えば、マイクロレンズの樹脂材料の屈折率が1.68であるとき低屈折率樹脂の屈折率は、およそ1.30となる。
しかしながら、1.30の値をもつ有機樹脂は存在しない。実用的な密着力と信頼性を有し、スピンコートできるフッ素基を樹脂骨格に導入して、屈折率を極力下げたフッ素系アクリル樹脂が好ましい。
【0029】
最終的にマイクロレンズ上に形成される低屈折率樹脂の光学的膜厚(d)は、理想的には、d=λ/4・n、n=(n0 ・n1 )1/2であることが望ましい。(ここで、n0 は空気の屈折率、n1 はレンズ材料の屈折率、λは光の波長)
例えば、波長550nmの光を対象として、低屈折率樹脂に屈折率1.41のフッ素系アクリル樹脂を採用した場合に、その膜厚は、97.5nmとなる。
【0030】
また、本発明は、熱フロー法によるマイクロレンズの形成時に、レンズ材料のフロー制御を行うことを特徴とするものである。
固体撮像素子に用いられるマイクロレンズは、一般に熱フロー性のある感光性樹脂(以下レンズ材料)を用いて形成する。代表的には、アルカリ可溶の感光性フェノール樹脂を露光、現像し、この現像後の樹脂パターンを熱処理しフローさせて丸い半球状のマイクロレンズに加工するものである。
レンズ材料のフロー制御は、例えば、現像後の熱処理前に硬化剤、界面活性剤などを添加した水溶性の樹脂を樹脂パターン上に塗布して行う方法、あるいは、レンズ下地であるアンダーコート層とレンズ材料との濡れを制御する方法などがある。
【0031】
アンダーコート層は、その樹脂材料の分子量、添加剤、硬化剤などの選択や量のコントロールでレンズ材料との濡れ、フロー量の制御を行うこともがきる。
アンダーコート層では、その硬化度合いを硬化温度を変えて調整するによって、レンズ材料のフロー制御を簡便に行うことができる。
すなわち、感光性の熱フロー性樹脂のフロー量を確保するために、未硬化のアンダーコート層上に、感光性の熱フロー性樹脂のパターンを形成し、さらに、低屈折率樹脂を塗布し、これらをともに熱処理し熱フロー性樹脂を熱フローさせる工程によることが簡便である。
アンダーコートの樹脂材料は、レンズ材料と同じ系統の熱フロー性を有する材料でも良いし、一般の、熱あるいは光硬化タイプの樹脂であっても良い。
これらフロー制御の方法で、0.2μm以下の狭いギャップのマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0032】
また、本発明は、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする複数の画素でカラーフィルタが構成され、マイクロレンズを形成する工程が、緑(G)2画素上のマイクロレンズの形成と、赤(R)1画素、青(B)1画素の各1画素上のマイクロレンズの形成との2回の工程により形成する工程であることを特徴とする。
本発明は、図4に示すように、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする、いわゆるベイヤー配列に対応させ、マイクロレンズを2回にわけて形成することによっても0.2μm以下の狭ギャップのマイクロレンズアレイを形成することができる。
【0033】
請求項4に係わる発明は、視感度の高い緑(G)画素を優先してマイクロレンズを形成し、最適化する事で画質向上に結びつけることができ、かつ、レンズ形成を2回に分けることで、0.2μm〜、0.02μmの狭ギャップのマイクロレンズであってもレンズの融着を完全に防ぐ効果がある。
すなわち、狭ギャップのマイクロレンズを一度に全て形成すると、熱フロー時にレンズ同士が融着、くっついて重欠陥となることを回避することができる。
【0034】
また、本発明は、低屈折率樹脂の表面をライエッチング処理することを特徴とするものである。
一般に、固体撮像素子のほぼ最終工程に、マイクロレンズやカラーフィルタの形成された半導体基板の受光素子との電気的接続をとるために、アルミニウムパッド部(端子部)の肌だし工程が入る。この工程は、酸素プラズマなどでのドライエッチングで行われるが、マイクロレンズやカラーフィルタを保護するために必要部分をフォトレジストでカバーする方式がとられる。
ところが、上記、フッ素系アクリル樹脂がマイクロレンズ上に形成される本発明では、このフッ素系アクリル樹脂とフォトレジストとの密着性がやや不十分である。フッ素系アクリル樹脂である低屈折率樹脂の表面をドライエッチング処理し、フォトレジストとの密着性を確保して最終工程を進めることがより好ましい。
【0035】
尚、本発明において、マイクロレンズの厚みは0.8μm以下と制限されるが、このマイクロレンズの焦点距離は、基本的にレンズ下の半導体受光部までの距離調整で行うことになる。この場合に、集光効果や焦点距離を調整するためマイクロレンズ下に層内レンズの挿入や、あるいはレンズ化したカラーフィルタを挿入しても良い。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図2(a)〜(e)は、実施例1を説明する工程図でもある。図2(a)に示すように、公知の技術にて光電変化素子、平坦化膜、カラーフィルタ、アクリル系樹脂のアンダーコート層(16)が形成された基板(21)に、感光性のフェノール系樹脂であるレンズ材料(17)をスピンコートにて塗布形成した。
なお、アンダーコート層(16)は、アクリル系樹脂をスピンコートで塗布形成し、さらに100℃・90秒間の仮乾燥にてあらかじめ形成した。アンダーコート層(16)は、未硬化の状態であり、このあと図2(c)の工程に示すフロー制御効果となって狭ギャップのマイクロレンズを提供する事になる。
尚、アンダーコート層(16)の完全硬化には180℃以上の熱処理が必要である。
【0037】
図2(b)に示すように、レンズ材料を露光、現像し、現像パターン(18)とした。レンズ材料であるフェノール系樹脂の屈折率は約1.65である。
高精度のフォトマスク(凸版印刷(株)製レチクル)を用いてステッパー露光し、現像し、0.4μmのギャップ部(20)を形成した。なお、高精度のフォトマスクを使用することにより、現像後のギャップ寸法は0.4μmまで十分に可能である。
図2(c)に示すように、180℃で熱処理、熱フローさせてマイクロレンズ間ギャップが0.1μmであるマイクロレンズとした。このマイクロレンズ間ギャップは、アンダーコート層の硬化状態(熱処理温度や硬化剤量)によって、また、レンズ材料の熱フロー温度などの条件で制御可能である。
【0038】
次に、図2(d)に示すように、フッ素系アクリル樹脂(日本化薬(株)製)を固形分比2.5%で調整した低屈折率樹脂塗布液を用いて3000回転でスピンコートし、図2(e)に示すように、硬膜後の膜厚で約0.1μmの低屈折率樹脂(29)の層を形成した。マイクロレンズ(28)の高さは、0.8μm、低屈折率樹脂(29)形成後のマイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmであった。実施例1で用いた低屈折率樹脂塗布液の樹脂の平均分子量は、約15万であった。
【0039】
低屈折率樹脂(29)の層の屈折率は、1.45であった。低屈折率樹脂(29)の層の形成後、ドライエッチング装置にて、O2 ガスを導入し、圧力13Pa、RFパワー200W、バイアス100W、基板温度は常温、エッチング処理時間10秒にて、表面処理を行なった。
このあと、保護のためのフォトレジストにてアルミニウムパッド部以外をカバーして、最終工程のアルミニウムパッド部の肌だし処理/ドライエッチングを実施して撮像素子とした。マイクロレンズ間ギャップ(10)は、ほぼ0μmと狭ギャップであった。
【0040】
また、村上色彩(株)の積分球を用いて拡散光による全反射率を、低屈折率樹脂の形成していないマイクロレンズ基板と、本発明による低屈折率樹脂を積層した基板につき それぞれ測定した。前者が、反射率6%であるのに対し、後者の本発明による基板の反射率は、3%と低くなり良好であった。
実施例1の固体撮像素子を用いたデジタルカメラは、きわめて高画質であることを確認できた。
【0041】
<実施例2>
図3(a)〜(e)は、実施例2を説明する工程図である。図3(a)に示すように、公知の技術にて光電変化素子、平坦化膜、カラーフィルタ、アクリル系樹脂のアンダーコート層(30)が形成された基板(31)に、感光性のフェノール系樹脂であるレンズ材料(32)をスピンコートにて塗布形成した。
なお、アンダーコート層(30)は、アクリル系樹脂をスピンコートで塗布形成し、あらかじめ200℃90秒間熱処理・硬膜させたものである。
【0042】
図3(b)に示すように、レンズ材料を露光、現像し、第1の現像パターン(33)とした。レンズ材料の屈折率は約1.65である。高精度のフォトマスク(凸版印刷(株)製レチクル)を用いてステッパー露光し、現像し、熱フローさせ、図3(c)に示すように、第1のマイクロレンズ(34)を形成した。第1のマイクロレンズ(34)は、ベイヤー配列の緑(G)画素位置に形成した。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、第1の現像パターンと同様に、第2のマイクロレンズの現像パターン(35)を、第1のマイクロレンズ間に形成した。これを図3(e)に示すように、180℃で熱処理、熱フローさせてマイクロレンズ間ギャップが0.05μmであるマイクロレンズとした。
このマイクロレンズ間ギャップは、露光機であるステッパーのアライメント精度にあわせて、最小限の隙間になるよう設定することが望ましい。第1のマイクロレンズと、第2のマイクロレンズを隙間がないようにくっつけたり重ねても良いが、レンズ形状を損なうので大きなメリットはない。
【0044】
次に、図3(f)に示すように、フッ素系アクリル樹脂(日本化薬(株)製)を固形分比2.5%で調整した低屈折率樹脂塗布液を用いて3000回転でスピンコートし、硬膜後の膜厚で約0.1μmの低屈折率樹脂(39)の層を形成した。マイクロレンズ(36)の高さは、0.8μm、低屈折率樹脂(39)形成後のマイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmであった。
【0045】
低屈折率樹脂(39)の層の屈折率は、1.45であった。低屈折率樹脂(39)の層の形成後、ドライエッチング装置にて、O2 ガスを導入し、圧力13Pa、RFパワー200W、バイアス100W、基板温度は常温、エッチング処理時間10秒にて、表面処理を行なった。
このあと、保護のためのフォトレジストにてアルミニウムパッド部以外をカバーして、最終工程のアルミニウムパッド部の肌だし処理/ドライエッチングを実施して撮像素子とした。マイクロレンズ間ギャップは、ほぼ0μmと狭ギャップであった。
【0046】
また、村上色彩(株)の積分球を用いて拡散光による全反射率を、低屈折率樹脂の形成していないマイクロレンズ基板と、本発明による低屈折率樹脂を積層した基板につき それぞれ測定した。前者が、反射率6%であるのに対し、後者の本発明による基板の反射率は、3%と低くなり良好であった。
実施例2の固体撮像素子を用いたデジタルカメラは、きわめて高画質であることを確認できた。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、反射光を抑制する低屈折率樹脂を形成する際に、マイクロレンズの高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして、スピンコートにて低屈折率樹脂を形成する固体撮像素子の製造方法であるので、特にマイクロレンズ間の非開口部からの反射光を抑制し、ノイズを低減させた固体撮像素子を廉価に提供することのできる固体撮像素子の製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体撮像素子の製造方法によって製造した固体撮像素子の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明による固体撮像素子の製造方法、及び実施例1の説明図である
【図3】(a)〜(e)は、実施例2の説明図である
【図4】ベイヤー配列の説明図である。
【図5】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
10…マイクロレンズ間ギャップ
11、21…半導体基板
12…光電変換素子
13…遮光膜
14…平坦化層
15…カラーフィルタ
16、30、61…アンダーコート層
17、32…レンズ材料
18、33、35…現像パターン
20…ギャップ部
21、31…基板
24…低屈折率樹脂塗布液
25…低屈折率樹脂塗布液の盛り量
26…レンズ間ギャップ
27…マイクロレンズの厚み
28、36、68…マイクロレンズ
29、39、69…低屈折率樹脂
34…第1のマイクロレンズ
66…レンズ間ギャップ
67…マイクロレンズ間の凹部
Claims (5)
- 少なくとも光電変換素子、カラーフィルタ、アンダーコート層、マイクロレンズ、低屈折率樹脂を備えた固体撮像素子の製造方法において、該低屈折率樹脂を形成する際に、マイクロレンズの高さが0.8μm以下で、マイクロレンズ間のギャップが0.2μm以下であるマイクロレンズ上に、スピンコートにて固形分比5%以下の低屈折率樹脂塗布液を多めに液盛りして低屈折率樹脂を形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
- 前記低屈折率樹脂塗布液の樹脂が、フッ素系アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記マイクロレンズの形成時に、レンズ材料のフロー制御を行うことを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記カラーフィルタが、緑(G)2画素、赤(R)1画素、青(B)1画素を基本単位とする複数の画素で構成され、マイクロレンズを形成する工程が、緑(G)2画素上のマイクロレンズの形成と、赤(R)1画素、青(B)1画素の各1画素上のマイクロレンズの形成との2回の工程により形成する工程であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記低屈折率樹脂の表面をドライエッチング処理することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の固体撮像素子の製造方法。
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