JP2024062788A - 記録装置、記録装置の制御方法及び搬送装置 - Google Patents

記録装置、記録装置の制御方法及び搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モータを停止位置で保持する保持制御におけるモータの出力を従来よりも適切に制御すること【解決手段】記録装置は、シートに記録を行う記録手段と、記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、搬送手段を駆動するモータと、モータの回転を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能である。制御手段は、保持制御におけるモータの出力値である第1の出力値を、停止位置で停止する前のモータの出力値である第2の出力値に応じて決定する。【選択図】図13

Description

本発明は、記録装置、記録装置の制御方法及び搬送装置に関する。
記録装置の一例であるインクジェットプリンタでは、シートの所定距離の搬送と、プリントヘッドによるシートへのインクの吐出とを繰り返すことで記録を行う。このような記録装置においては、搬送しているシートを停止させる際、搬送機構の部材の捻れや抵抗等により搬送方向とは逆方向の外力が搬送ローラ等の搬送用部材に加わることがある。そして、この力によって、一旦停止したシートが搬送方向とは逆方向に戻されてしまう場合がある。このような現象を軽減するために、特許文献1では、搬送機構を駆動するモータが目標の停止位置で停止するようにモータに流す電流値を制御することが開示されている。
特開2006-273559号公報
モータを停止位置で留めておくために必要なモータの出力は、前述した外力の大きさによって変わり得る。そのため、外力の大きさによってはモータの出力が不十分となり、モータを停止位置で留めておくことができずにモータが逆回転してしまう恐れがある。また、外力の大きさによってはモータの出力が過剰となり、モータが停止位置からさらに正回転してしまう恐れが有る。
本発明は、モータを停止位置で保持する保持制御におけるモータの出力を従来よりも適切に制御する技術を提供する。
本発明の一側面によれば、
シートに記録を行う記録手段と、
前記記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動するモータと、
前記モータの回転を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能であり、
前記制御手段は、前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定する、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
本発明によれば、モータを停止位置で保持する保持制御におけるモータの出力を従来よりも適切に制御する技術を提供することができる。
一実施形態に係る記録装置の内部構造を示す斜視図である。 図1の記録装置の給送部及び搬送部の断面図である。 給送部の斜視図である。 (a)及び(b)は、分離部の構造を説明するための図である。 (a)~(c)は分離部の構造を説明するための図である。 搬送部の斜視図である。 搬送部及び搬送経路の概略図である。 記録装置の制御構成を示すブロック図である。 搬送用モータの制御構成を示す図である。 記録動作の概要を示すフローチャートである。 記録動作における1パス毎の搬送動作を説明するための図である。 制御部の処理例を示すフローチャートである。 (a)は送り制御から保持制御への切り替えについて、速度の変化の一例を表した図である。(b)は、送り制御から保持制御への切り替えについて、PWM値の変化の一例を表した図である。 制御部の処理例を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、本実施形態の保持制御を実行した場合と実行しなかった場合の比較を示す図である。 (a)及び(b)本実施形態の保持制御を実行した場合と実行しなかった場合のさらなる比較を示す図である。 記録装置における連続給送動作を示すフローチャートである。 搬送モータの速度とPWM値の変化を表したグラフである。 制御部の処理例を示すフローチャートである。 記録装置の制御構成を示すブロック図である。 制御部の処理例を示すフローチャートである。 一実施形態に係る記録装置の概要を示す斜視図である。 給送部の斜視図である。 給送部の幅方向断面図である。 圧板のシート積載面と平行な方向の断面図である。 分離ローラユニットの分解図である。 給送部に設けられた駆動部の斜視図である。 駆動モータの給送駆動テーブルの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<1.第1の実施形態>
<1.1.記録装置の構成>
<1.1.1.概略>
図1は一実施形態に係る記録装置1の内部構造を示す斜視図である。図2は図1の記録装置1の給送部2及び搬送部5の断面図である。
記録装置1は、シートに記録を行う。本実施形態では、記録装置1は、シートにインクを吐出して記録を行うシリアル方式のインクジェット記録装置である。記録装置1は、給送部2と、搬送部5と、搬送モータ6(図6参照)と、記録部7と、排出部8とを含む。
給送部2及び搬送部5は、シート(記録媒体)を搬送する。給送部2は、ピックアップローラ111を含む。また、搬送部5は、搬送ローラ51と、排出ローラ53と、中間ローラ対3(図7参照)とを含む。なお、給送部2及び搬送部5の詳細については後述する。
記録部7は、搬送されてきたシートに対して記録を行う。例えば、記録部7は、インクを吐出可能な記録ヘッド71(図8参照)と、記録ヘッド71を搭載して走査方向(搬送方向に交差するシートの幅方向)に往復移動可能なキャリッジ72(図8参照)とを含む。例えば、記録ヘッド71がキャリッジ72により走査方向に移動することで、シートの幅方向の任意の位置に記録を行うことが可能である。
記録部7において記録が行われたシートは、排出部8からへ排出される。排出部8は、排出トレイ81を含む。記録部7において記録が行われたシートは、後述する搬送部5の排出ローラ53により排出トレイ81へと排出される。
搬送モータ6は、ギア列37(図6参照)により搬送ローラ51、排出ローラ53、中間ローラ3a、給送部2のローラへとその駆動力を伝達する。すなわち、搬送モータ6は、シートを搬送する複数のローラをそれぞれ駆動する。例えば、搬送ローラ51及びピックアップローラ111が同じ搬送モータ6により駆動する。
また、本実施形態では、記録装置1にシートの搬送経路CPが形成されている。搬送経路CPは、給送部2から搬送部5を通り排出部8へ至る経路である。詳しくは後述する。なお、以下では、搬送経路CPにおいて、給送部2側を搬送方向上流側、排出部8側を搬送方向下流側と称する。また、搬送ローラ51がシートを搬送方向下流側に搬送するように回転する際の搬送モータ6の駆動方向を正方向、搬送ローラ51がシートを搬送方向上流側に搬送するように回転する際の搬送モータ6の駆動方向を逆方向と呼ぶことがある。
<1.1.2.給送部の構成>
図3を併せて参照する。図3は、給送部2の斜視図である。給送部2は、シートを搬送部5へと給送(搬送)する。給送部2は、カセット100と、ピックアップローラユニット110と、分離部120と、を含む。
カセット100は、積層された複数枚のシートを収納可能である。本実施形態では、カセット100は、記録装置1の筐体の下部に設けられる。さらにいえば、カセット100は、記録部7の下方に設けられる。カセット100は、シートを積載する積載部101と、シートの幅方向の側部をガイドする左右のサイドガイド102a、102bとを含む。サイドガイド102a、102bによってシートの左右の側面が揃えられる。サイドガイド102a、102bはシートの幅に応じて位置調整可能であり、シートの両側部と対向して、互いに近接する矢印A1、B1方向に連動して移動、及び互いに離間する矢印A2、B2方向に連動して移動するように構成されている。これにより、シートは、その幅方向(図中X方向)の中心が常に一定の位置になるように揃えられる。また、積載部101は矢印Y1、Y2方向に移動可能であり、ユーザーにより、移動操作される。例えば積載部101がY2方向に最も引き出された状態においてシートが積載(セット)される。
ピックアップローラユニット110は、シートを給送(搬送)するためのユニットである。カセット100に積載されたシートは、ピックアップローラユニット110に含まれるピックアップローラ111により搬送部5へと給送される。ピックアップローラユニット110は、積載部101の上方に配置される。ピックアップローラユニット110は、ピックアップローラ111と、ピックアップアーム112と、駆動シャフト113とを含む。
ピックアップローラ111は、搬送経路CPにおいて搬送ローラ51よりも搬送方向上流側に設けられ、搬送経路CPに沿ってシートを搬送する。また、ピックアップローラ111は、積載部101に積載されたシートを搬送経路CPへと搬送する。
ピックアップアーム112は、積載部101に積載されたシートの積載高さに応じて、駆動シャフト113を中心として、矢印C1、C2方向に回転可能である。ピックアップアーム112の先端には、最上位のシートを給送するピックアップローラ111が設けられている。このピックアップローラ111に対しては、搬送モータ6からの駆動力が駆動シャフト113及び不図示のアイドラギアを介して伝達される。また、ピックアップローラユニット110にはピックアップアーム112を矢印C1方向に付勢する付勢部材(不図示)が設けられている。この付勢部材により、ピックアップローラユニット110の待機状態において、ピックアップローラ111が所定の付勢力によってシートに押し付けられている。ピックアップローラ111は、シートの幅方向中央においてシートに当接するように位置している。
分離部120は、積載部101に積載されたシートのうち最上面のシートを他のシートと分離する。図4(a)~図5(c)は、分離部120の構造を説明するための図である。分離部120は、積載部101において、シートの給送方向下流側(矢印Y1側)に配置されている。分離部120には、傾斜面部材121、分離片122が設けられている。傾斜面部材121には、シートに所定の分離抵抗力を付与するように、シートの給送方向(矢印Y1方向)に対して鈍角をなす傾斜面が形成されている。分離片122の上面には、複数の円弧状の突起部122aが上下方向に所定ピッチで連続的に形成されている(図4(b))。それらの突起部122aの間には谷部122bが形成されている。分離片122は、傾斜面部材121に設けられたガイド部123に沿って矢印Y1、Y2方向に移動可能である(図5(a)、図5(b))。分離片122は、待機状態においては、図5(a)に示すように、付勢部材124の矢印Y2方向の付勢力によって傾斜面部材121のY方向突き当て面125a、125bに突き当たり、傾斜面部材121から矢印Y2方向に突出する。また、分離片122は、シート給送時には、積載部101上のシートに押されて、分離片122が矢印Y1方向に移動する。一方、分離片122は、ガイド部123と分離片の摩擦抵抗及び付勢部材124とシートにより押圧される位置により、シートに押圧される位置が低い場合は図5(b)のようにガイド部123を回転中心とする回転運動をする。また、分離片122は、押圧される位置が高い場合には図5(c)のようにY1方向への平行移動をする。
<1.1.3.搬送部の構成>
図1及び図2に加えて図6及び図7を参照する。図6は搬送部5の斜視図である。また、図7は搬送部5及び搬送経路CPの概略図である。
搬送部5は、搬送ローラ51と、ピンチローラ52と、排出ローラ53と、拍車54よ、中間ローラ対3と、を含む。
搬送ローラ51は、搬送経路CPに沿ってシートを搬送する。また、搬送ローラ51は、記録部7による記録位置にシートを搬送する。ピンチローラ52は、搬送ローラ51に対向して設けられる。互いに対向する排出ローラ53及び拍車54は、シートを排出トレイ81へと排出する。中間ローラ対3は、互いに対向する中間ローラ3a、3bで構成される。中間ローラ3aは、搬送経路CPにおいて搬送ローラ51とピックアップローラ111の間に設けられる。
前述したように、本実施形態では、搬送モータ6により、給送部2及び搬送部5を構成する各種ローラを駆動する。すなわち、一つの駆動源によって、記録装置1におけるシートの搬送が行われる。さらにいえば、ピックアップローラ111、中間ローラ3a、搬送ローラ51及び排出ローラ53は、すべて搬送モータ6を駆動源として連結された駆動列により回転する。以下、具体的に説明する。
搬送ローラ51及び排出ローラ53は搬送モータ6からギア列37により連結され、搬送モータ6が搬送ローラ51を図中矢印A方向に駆動するとき、搬送ローラ51及び排出ローラ53はそれぞれシートを搬送方向下流側に搬送する方向へ回転する。搬送モータ6が搬送ローラ51を図中矢印方向Bに駆動するとき、搬送ローラ51及び排出ローラ53はそれぞれシートを搬送方向上流側に搬送する方向へ回転する。
搬送ローラ51から給送部2の入力ギア33までは不図示のギア列により連結され、搬送ローラ51が矢印方向Aに回転するときは、前述の給送部2の入力ギア33が図6のAの方向、すなわち給送動作を行う方向に回転する。搬送ローラ51が矢印方向Bに回転するときは、前述の給送部2の入力ギアが図6のBの方向、すなわち給送準備動作を行う方向に回転する。搬送モータ6の駆動量は搬送エンコーダ813(図8参照)により検知し、PID制御などの各種制御を行うことで搬送モータ6の速度や駆動量の制御を行っている。
次に、記録装置1のシートの搬送経路CPについて説明する。給送部2のピックアップローラ111により給送されたシートは、図7中の点線矢印で示した搬送経路CPを通過し、まずは傾斜面部材121、Uターン部材131に案内され、中間ローラ対3まで搬送される。中間ローラ対3によってさらに搬送されたシートは、ピンチローラホルダ55とガイド部56により案内され、搬送ローラ51まで給送される。
搬送ローラ51まで給送されたシートは、斜行補正動作などを実施した後に記録部7による記録位置まで搬送される。記録部7は、記録位置に搬送されてきたシートに記録を行う。搬送ローラ51から搬送されたシートはプラテン58、拍車ベース59に案内されたのちに排出ローラ53へと達する。記録動作中は搬送ローラ51、若しくは排出ローラ53、又はその両方により搬送動作が行われ、記録動作が完了した後に排出ローラ53により排出トレイ81へと排出される。また、プラテン58は、記録部7に搬送されたシートとノズルとの距離を一定の間に保つように、シートを案内する。
本実施形態では、傾斜面部材121及びUターン部材131によって、搬送経路CPの曲線状の区間CP1が形成されている。すなわち、傾斜面部材121及びUターン部材131は、搬送経路CPの曲線状の区間CP1を形成する経路形成部材の一例である。本実施形態では、区間CP1は、シートの進行方向を反転させる反転経路を形成する。
また、ピンチローラホルダ55には端部検知レバー57が設置される。シートが搬送経路CPを通過する際に端部検知レバー57を回動させることにより、シートの先端及び後端位置が検知される。すなわち、搬送経路上の検知位置においてシートが検知される。端部検知レバー57は、例えば、給送動作の際にシートの先端位置を検知し、記録動作、あるいは排出動作の際に後端位置を検知すれば、先端位置と後端位置の検知までに要した搬送モータ6の駆動量を元にシートの実際の長さを測定することができる。なお、ここでは端部検知レバー57によりシートの端部をメカニカルに検知する例が示されているが、シートの端部がフォトセンサ等によって光学的に検知されてもよい。
なお、後述する連続給送動作を行う際には、先行するシートの後端がピックアップローラ111を通過した後、ギア列のディレイなどにより所定の間隔をあけて後続するシートがピックアップローラ111により給紙されることで連続して給送動作が行われる。
<1.1.4.制御構成>
図8は、記録装置1の制御構成を示すブロック図である。制御部802は、記録装置1を統括的に制御する。制御部802は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。記憶部803は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。ROMは、各種プログラムを記憶している。RAMは、制御部802としてのCPUが動作するためのシステムワークメモリを提供し、また各種データを一時記憶するのに使用される。例えば、制御部802としてのCPUが、記憶部803に含まれるROMに記憶されたプログラムを記憶部803に含まれるRAM読み出して実行することにより、記録装置1の各種の機能が実現される。不揮発記憶部804は、例えばHDD(Hard Disk Drive)であり、各種プログラムやデータなどを記憶する。
操作部805は、ユーザーによる操作入力を受け付ける。操作部805は、例えばタッチパネルやハードキーを含み得る。例えば制御部802は、ユーザーによる操作部805の操作内容、すなわち指示内容に応じて記録装置1の動作を制御する。なお、制御部802は、PCやスマートフォン等の入力装置801からも、記録装置1の動作に関する指示を受付可能である。また、表示部806は、各種の情報を表示する。
また、制御部802は、端部検知レバー57、積載検知センサ808、搬送エンコーダ813の検知結果を取得し、これらの検知結果等に基づいて、搬送モータ6及び記録部7を制御する。また、搬送モータ6の動作が制御部802によって制御されることによって、給送部2及び搬送部5に含まれる各種のローラ等が駆動する。ここで、積載検知センサ808は、積載部101のシートの積載状態を検知する。また、搬送エンコーダ813は、搬送モータ6の駆動量を検知する。
搬送モータ6の制御について概要を述べる。本実施形態では、搬送モータ6はDCモータであり、制御部802はPWM値によりDCモータを制御する。例えば、制御部802は、搬送モータ6が目標の回転速度で回転するように、負荷変動に応じて搬送モータ6へ供給する電力(PWM値)を制御する。このとき、制御部802は、搬送エンコーダ813の検知結果に基づく搬送モータ6の実回転速度と、搬送モータ6の目標の回転速度との差に基づいて、PWM値を調整する。また、制御部802は、後述の連続給送動作においては、搬送動作を開始する際のシートS2の位置に応じて搬送モータ6の駆動制御を切り替える。
図9は、搬送モータ6の制御構成を示す図である。本実施形態では、制御部802は、サーボ制御によって搬送モータ6を制御する。例えば制御部802は、記憶部803に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、目標位置生成部301、PID(Proportional-Integral-Differential)演算部302、PWM(Pulse Width Modulation)生成部303、速度情報算出部304及び位置情報算出部305としての機能を実現する。或いは、各部として機能する専用の回路が設けられてもよい。また、図3で示すサーボ制御は、あくまでも一例であり、他の制御形態でも構わない。
目標位置生成部301は、搬送モータ6の目標停止位置まで時刻の進行とともに漸進的に増加する目標位置を、サーボ制御の毎に生成する。目標位置は、例えばシート201に対して記録ヘッド71での記録を開始する位置である。
PID演算部302は、目標位置生成部301で生成された目標位置と、速度情報算出部304から得られるモータの速度と、位置情報算出部305から得られるモータの位置から、モータに与えるべきエネルギーをPID演算により算出する。サーボ制御においては、比例項P、積分項I、微分項Dに対する演算を行うPID演算を用いる方法が一般的である。
PWM生成部303では、PID演算部302の演算結果から、モータドライバ104に設定するPWM値を算出する。PWM値は、所定時間内のパルス幅のオンとオフの時間的比率であり0%から100%の範囲である。また、PWM値が大きい程、モータに供給される電力は大きくなる。
速度情報算出部304は、搬送エンコーダ813の検知結果に基づく搬送モータ6の回転角度と、記録装置1に内蔵されたタイマ等の時間計測の値から、搬送モータ6の回転速度を算出する。
位置情報算出部305は、搬送エンコーダ813の検知結果に基づく搬送モータ6の回転角度を累積し、搬送モータ6の位置情報を算出する。
このように、搬送エンコーダ813の検知結果を用いて、前述した速度情報算出部304で搬送モータ6の速度を、位置情報算出部305で搬送モータ6の位置情報をそれぞれ算出する。なお、搬送エンコーダ813は、光を出射する発光部と光を受光する受光部を有する光学センサと、光を透過する孔を有するコードホイールで構成される。コードホイールは搬送モータ6の回転軸と同軸につけられている。なお、エンコーダは、搬送ローラ51の物理的な回転を検知する構成であってもよい。
<1.2.記録動作の概要>
図10は、記録装置1における記録動作の概要を示すフローチャートである。
S101において、制御部802は、記録指示を受け付ける。制御部802は、操作部805又は入力装置801を介してユーザーからの記録指示を受け付ける。
S102において、制御部802は、給送動作を行う。制御部802は、搬送モータ6により給送部2を駆動して、積載部101に積載されたシートのうち最上面にあるシートを搬送部5へと給送する。S103において、制御部802は、搬送部5まで搬送されたシートに対して記録部7による記録動作を行う。ここでは、記録ヘッド71がシートの幅方向に移動しながら1パス分の記録動作が行われる。
S104において、制御部802は、次の記録部7による次の記録を行うかどうかを判断する。ここでの次の記録は、S103において1パス分の記録を行ったシートを所定量送った後にさらに行う1パス分の記録を指す。制御部802は、次のシートに対して記録を行う場合はS105に進み、そうでない場合はS107に進む。例えば制御部802は、シートの記録領域の全体にわたって記録が行われた場合にS107に進む。
S105において、制御部802は、連続給送判断・動作を実行する。詳しくは後述するが、制御部802は、連続給送動作を行うと判断した場合には、記録中のシートの搬送と、その後続するシートの給送を共通の駆動源である搬送モータ6により行う。一方、制御部802は、連続給送動作を行わないと判断した場合には、記録中のシートのみを搬送する。
S106において、制御部802は、シートに対する記録動作を実行する。ここでもS103と同様、記録ヘッド71がシートの幅方向に移動しながら1パス分の記録動作が行われる。
S106の記録動作の後、制御部802はS104に戻る。すなわち、制御部802は、S104~S106を繰り返すことによって、シートの記録領域の全体にわたって記録を行う。
S107において、制御部802は、排出動作を行う。制御部802は、搬送モータ6により排出ローラ53を駆動して記録後のシートを排出トレイ81へと排出する。その後、制御部802は、記録動作を終了する。なお、図9では1枚のシートに対する記録動作が示されているが、制御部802は記録ジョブに含まれる全ページの記録が完了するまで本フローチャートを繰り返す。
なお、制御部802は、上記のフローの実行中に端部検知レバー57、積載検知センサ808、搬送エンコーダ813等により異常を検知した場合は、表示部806にエラー表示やユーザーへの指示を表示する。エラーの内容としては、紙ジャムエラー、紙無しエラー、インク切れエラー等が例として挙げられる。
図11は、記録動作における1パス毎の搬送動作を説明するための図である。制御部802は、図10のフローチャートの処理を繰り返すことによって、シートとしてのシート201の搬送と記録ヘッド71の幅分の記録を繰り返し行い、シート201の記録領域全体に記録を実行する。まず、タイミングt_1で、搬送部5は、シート201の搬送方向の前端部が記録ヘッド71の記録幅に収まるようにシート201を搬送する。そして、記録ヘッド71は、記録範囲701に対して記録を行う(S103)。その後、タイミングt_2で、搬送部5は、タイミングt_1における記録範囲701の搬送方向上流側の端部が記録ヘッド71の記録幅の下流側の端部に位置するようにシート201を搬送する(S105)。そして記録ヘッド71は、記録範囲702に対して記録を行う(S106)。さらに、タイミングt_3で、搬送部5は、タイミングt_2における記録範囲702の搬送方向上流側の端部が記録ヘッド71の記録幅の下流側の端部に位置するようにシート201を搬送する(S105)。そして記録ヘッド71は、記録範囲703に対して記録を行う(S106)。このような動作を繰り返し行うことにより、シート201の記録領域全体に対して記録を行うことができる。
<1.3.搬送制御(送り制御及び保持制御)>
<1.3.1.搬送停止時のシートの戻り>
さて、上記のように記録動作において記録幅毎にシート201の搬送及び停止を繰り返し行う場合、搬送方向とは逆方向の力(反力)がシートに加わることがある。この反力は、例えば搬送部5の駆動を伝達する駆動伝達部材の捻じれ等により、搬送方向とは逆方向の力が搬送部5のローラに加わることで生じたり、シート201の停止時に搬送部5の部材の抵抗等により生じたりすることがある。そして、この反力により、一旦停止したシート201が搬送方向とは逆方向に戻されてしまう場合がある。シート201が戻されてしまうと、シート201上の記録を行いたい範囲と実際に記録が行われる範囲に搬送方向のずれが生じてしまう恐れがある。これは、記録品質の低下を引き起こす恐れがある。そこで、本実施形態では、搬送制御を以下の処理により行うことで、停止したシート201が搬送方向と逆方向に戻されてしまうことを抑制している。
<1.3.2.搬送制御の処理例>
図12は、搬送制御における制御部802の処理例を示すフローチャートである。本実施形態では、図10のサーボ制御によって一定の周期毎に搬送モータ6を制御することで、シート201の搬送制御を行う。また、本実施形態では、搬送制御は、シート201を所定距離搬送する送り制御と、シートを目標位置で停止させてその位置で保持する保持制御とを含むものとする。すなわち、制御部802は、送り制御及び保持制御を実行可能である。また、本フローチャートは、一枚のシート201に対して記録ヘッド71による記録が終了するまでの流れを示している。
S401において、制御部802は、シート201の送り制御を実行する。例えば制御部802は、図10のサーボ制御を、搬送モータ6の制御周期毎に実行して搬送モータ6を動作させることで、用紙等のシート201を記録する位置まで搬送する。例えば、送り制御は、シート201をカセット100から記録部の下の記録開始位置まで搬送する場合に実行され得る。また例えば、送り制御は、記録処理中に記録ヘッド71の1パス分の距離だけシート201を搬送する場合等に実行され得る。
S402において、制御部802は、PWM値Ptを取得する。制御部802は、PWM値Ptとして搬送モータ6の現在のPWM値を取得する。制御部802は、取得したPWM値Ptを、記憶部803の記憶領域に記憶する。なお、記憶部803に既にPWM値Ptが記憶されていた場合、制御部802は、記憶部803に記憶する値を今回取得した値に更新する。
S403において、制御部802は、シート201が送り制御の終了位置に到達したか否かを判定する。制御部802は、終了位置に到達している場合はS404に進み、そうでない場合はS401に戻る。なお、送り制御の終了位置は、後述する目標停止位置とは異なる位置であり、具体的には目標停止位置よりも所定量だけ手前の位置である。ただし、送り制御の終了位置と、後述する目標停止位置(更新前)とを同じ位置に設定する構成も採用可能である。
また、本実施形態では、シート201が送り制御の終了位置に到達するまでS401~S403のステップが繰り返される。よって、送り制御の終了位置に到達した時点での搬送モータ6のPWM値Ptとして記憶部803に記憶された状態で、制御部802がS404に進む。なお、制御部802は、シート201が送り制御の終了位置に到達するまでS401及びS403を繰り返し、到達した時点でS402を実行してもよい。つまり、S402とS403の順序は逆でもよい。
S404において、制御部802は、シート201の保持制御を実行する。保持制御は、回転している搬送モータ6を目標位置で停止させ、搬送モータ6を停止位置で保持する制御である。シート201を搬送する際には、搬送機構の部材の抵抗等の外力により搬送方向とは逆方向の力が搬送ローラ51に加わることがある。そのため、シート201が停止位置に到達した後にサーボ制御を終了すると、搬送モータ6が停止位置から逆転方向(シート201を搬送方向に搬送する際と逆の回転方向)に戻される場合がある。そのため、本実施形態では、停止位置到達後でも保持制御を実行して搬送モータ6を制御することで、外力によって搬送モータ6の位置が戻されることを抑制している。詳しくは後述するが、制御部802は、この保持制御において、S402で取得したPWM値Ptに応じて搬送モータ6のPWM値を決定することによって、搬送ローラ51に働く外力を考慮した適切な出力値で搬送モータ6を制御することができる。
S405において、制御部802は、シート201の記録範囲の全体に対して記録が終了したかどうかを確認し、終了していればS406に進みそうでなければS401に戻る。すなわち、制御部802は、シート201の記録範囲の全体に対して記録が終了するまで、送り制御と保持制御を交互に実行する。換言すれば、送り制御の終了後、次回の送り制御の開始までの期間、保持制御が実行される。
S406において、制御部802は、記録が終了したシート201を記録装置1から排出する。
以上説明した処理によれば、保持制御が実行されることで、搬送モータ6の停止時の逆回転によるシート201の戻りを抑制しつつ、シート201を所定距離ずつ間欠的に搬送することができる。
<1.3.3.保持制御におけるモータの出力値の決定>
次に、本実施形態の特徴である、保持制御における搬送モータ6の出力値の決定について説明する。図13(a)及び図13(b)はそれぞれ、送り制御から保持制御への切り替えについて、速度及びPWM値の変化の一例を表した図である。
送り制御における搬送動作は、搬送モータ6が搬送部5の各搬送ローラを加速させる加速区間、搬送モータ6を一定速度で回転させる定速区間、搬送モータ6を減速させる減速区間に分けられる。なお、図13(a)及び図13(b)には、送り制御の減速区間及び保持制御について示されている。また、送り制御時の搬送モータ6のPWM値は、搬送モータ6の実際の回転位置又は回転速度が指令の回転位置又は回転速度に添うように、図10のPID演算部302で演算され、PWM生成部303にて生成される。
このとき、PID演算部302は、搬送機構そのものの駆動負荷や搬送されているシートの搬送負荷を受けながら搬送モータ6が指令の回転速度になるように演算する。その結果を示したものが図13(a)及び図13(b)である。搬送されているシートの搬送負荷は、搬送経路内における搬送ガイドとシートの接触状態において、変動する特性をもっている。すなわち、減速区間の終端の部分でモータが必要とする駆動負荷は、搬送シートの位置によって異なるため、1パス毎に変動する。そのため、送り制御の終端部で必要とする搬送モータ6のPWM値も変動する。
一方、前述したように、送り動作終了時には、搬送モータ6が外力によって、逆回転させられることがある。より詳細には、この外力は、駆動負荷を引きずりながら駆動した不図示の駆動伝達部材の捻じれが、停止時に搬送モータ6側へ解放されることによるものである。特に、搬送モータ6に連結された搬送ローラ51に対して、さらに、中間ローラ3a、あるいはピックアップローラ111といった、搬送上流側の搬送部材を接続する構成の場合には、その変動も大きくなる。この変動に起因して、送り制御から保持制御へと移行した際のPWM値が搬送モータ6を保持するために必要とするPWM値から離れてしまうことがある。例えば、保持制御における搬送モータ6のPWM値を一定値とした場合、外力の大きさによっては、モータトルクが不足してモータが逆回転させられてしまったり、モータトルクが過剰で正回転してしまったりすることが発生する。
そこで、本実施形態では、送り制御の終端部において搬送モータ6を指令速度で回転回させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
具体的には、送り制御の終了位置におけるPWM値Ptに対して、一定値Pdを減算した値を保持制御開始時のPWM値Piとする。すなわち、保持制御の初期PWM値Piを、
Pi=Pt-Pd (式1)
ただし、Pd>0
とする。PWM値Ptは送り制御の終端部において搬送モータ6に加わる外力が大きいほど大きくなるので、初期PWM値Piも送り制御の終端部において搬送モータ6に加わる外力が大きいほど大きくなる。よって、最終PWM値Ptに応じて保持制御の初期PWM値Piを決定することにより、保持制御における搬送モータ6の出力値をより適切に決定することができる。これにより、保持制御において、モータトルクが不足してモータが逆回転させられてしまったり、モータトルクが過剰で正回転してしまったりすることを抑制することができる。すなわち、モータを停止位置で保持する保持制御におけるモータの出力を従来よりも適切に制御することができる。
なお、本実施形態では、送り制御の終了位置に到達した際のPWM値Ptから一定値Pdを引くことで初期PWM値Piを決定する例を示した。しかし、PWM値Ptを一定値Pd2で割った値を初期PWM値Piとしてもよい。すなわち、
Pi=Pt/Pd2 (式2)
ただし、Pd2>1
としてもよい。つまり、PWM値Ptに対して所定の演算を行うことによって、PWM値Ptよりも小さい初期PWM値Piを決定してもよい。例えば、本実施形態ではPWM値Ptから一定値Pdを引くことで初期PWM値Piを算出するが、PWM値Ptから引く値が、シートの種類、サイズ、厚さ、坪量等によって変化してもよい。
また、本実施形態では、制御部802は、送り制御の終端部におけるPWM値Ptとして、送り制御の終了位置に到達した際の搬送モータ6のPWM値を取得している。しかしながら、PWM値Ptの取得方法としては他の方法も採用可能である。例えば、制御部802は、送り制御の終了位置に到達するまでの所定回数の制御周期においてPWM生成部303で生成されたPWM値の平均値を、PWM値Ptとして取得してもよい。つまり、送り制御の終端部におけるPWM値Ptは、送り制御の終了時を含む所定期間のPWM値に基づくものであってもよい。さらにいえば、送り制御の終端部におけるPWM値Ptは、送り制御において搬送モータ6に生じる搬送負荷に基づき保持制御において搬送モータ6に生じる負荷を把握できるように取得されればよい。
<1.3.4.保持制御の具体例>
次に、保持制御についてさらに説明する。図14は、制御部802の処理例を示すフローチャートであって、図12のS404(保持制御)の具体例を示している。
S501において、制御部802は、保持制御で用いるパラメータを初期化する。このように、制御部802は、保持制御を実行する度に目標位置を初期化する。本実施形態では、初期化されるパラメータは、目標停止位置pos_t、連続停止回数cnt_c及び保持制御継続回数cnt_kである。
目標停止位置pos_tは、保持制御における目標停止位置であり、図12のS403で用いた送り制御の終了位置に所定値を加算した値に初期化される。目標停止位置pos_tは、後述するS508での保持サーボ制御で用いられる。連続停止回数cnt_cは、モータが閾値以下の回転速度である状態が連続する回数であり、0に初期化される。連続停止回数cnt_cは、後述するS505、S506で用いられる。保持制御継続回数cnt_kは、保持状態が継続されている回数であり、0に初期化される。保持制御継続回数cnt_kは、後述するS503で用いられる。
S502において、制御部802は、S501で算出した目標停止位置pos_tに基づいて保持サーボ制御を行う。ここでは、搬送モータ6を目標の位置に位置させるための1制御周期分の制御が行われる。
S503で、制御部802は、保持サーボ制御の終了条件を満たしたか否かを判定し、満たした場合はS509に進み、そうでない場合はS504に進む。本実施形態では、下記の条件A、条件B、条件Cの3つの条件のうち、いずれかの条件が満たされた場合に、保持制御の終了条件が満たされたと判定される。
次の送り制御の指示を受けた場合 (条件A)
現在のモータの位置と目標停止位置との差が閾値th_p以上の場合 (条件B)
保持制御の連続動作時間が閾値th_k以上の場合 (条件C)
以下、各条件について説明する。
条件Aは、次の送り制御を行うための条件である。次の送り制御の指示を受けた場合、保持制御を終了し、次の搬送を行うための送り制御を開始する。
条件Bは、シート201を取り出す等の動作が発生した場合に、保持制御によって動作の妨げになることを防ぐための条件である。保持制御はモータの回転位置を保持する制御のため、保持制御が動作した状態であると、シート201を取り出しにくくなる場合がある。本実施形態では、現在位置pos_n、目標位置p_t、閾値th_pが下記式3を満たす場合、停止位置が戻される原因と考えられる外力よりも大きい外力(例えばシート201を引き抜こうとする力)を受けたと判断し、保持制御を終了する。また、閾値th_pは、搬送時に想定される外力から設定する値であり、通常に保持制御を動作させる場合には、下記式3は満たされない。
pos_t>pos_n + th_p (式3)
このように、制御部802は、停止していた搬送モータ6が閾値th_p以上回転した場合には、次回の送り制御の開始前であっても保持制御を終了することになる。
条件Cは、装置の異常等が発生した場合であっても、保持制御が継続した状態のままになることを防ぐための条件である。本実施形態の保持制御は、モータに対して電力を印加する処理である。そのため、条件Cがない場合、装置の異常等が発生しても、前述の条件A、条件Bを満たさない状況が継続すると電力がモータに印加された状態も継続することになり、モータへの負荷が高くなる。本実施形態では、保持制御継続回数cnt_k、閾値th_kが下記式4を満たす場合、通常の保持制御を実施できていないと判断し、保持制御を終了する。また、閾値th_kは、通常に保持制御が動作する場合には、下記式4を満たさない値である。したがって、例えば閾値th_kは、キャリッジ72及び記録ヘッド71が1パス分の記録動作を行う期間よりも長くなるように設定される。
cnt_k>th_k (式4)
このように、制御部802は、搬送モータ6の停止状態が所定の時間以上継続した場合には、次回の送り制御の開始前であっても保持制御を終了する。
以上のように、制御部802は、正常な状態においては、次回の送り制御の開始指示に基づいて保持制御を終了する。一方で、制御部802は、所定の条件が満たされた場合には、次回の送り制御の開始前であっても保持制御を終了する。
S504において、制御部802は、搬送モータ6の回転速度が閾値th_s以下か否かを判定し、閾値th_s以下の場合はS505に進み、そうでない場合はS510に進む。すなわち、制御部802は、搬送モータ6の回転速度spd_n及び閾値th_sが下記式5を満たす場合はS505に進み、そうでない場合はS510に進む。
spd_n≦th_s (式5)
ここでは、制御部802は、搬送モータ6が(実質的に)停止した状態であるかどうかを判断するために当該判定を行う。したがって、閾値th_sは、搬送モータ6が停止していると判断できるように0に近い値、或いは0に設定される。
S505において、制御部802は、連続停止回数cnt_cを下記式6で更新する。
cnt_c=cnt_c+1 (式6)
S506において、制御部802は、連続停止回数cnt_cが閾値th_c以上か否かを判定し、閾値th_c以上の場合はS507に進み、そうでない場合はS502に進む。また、閾値th_cは搬送モータ6が停止したと判断できる値である。すなわち、制御部802は、回転速度が閾値th_s以下の状態が所定の期間継続した場合に、搬送モータ6が停止したと判断することができる。また、連続停止回数cnt_cが閾値th_c未満の場合には、搬送モータ6が停止したと判断できるほどは搬送モータ6の回転速度が閾値th_s以下の状態が継続していないので、引き続きサーボ制御が行われる。
S507において、制御部802は、目標停止位置pos_tを更新する。すなわち、制御部802は、目標停止位置pos_tを、搬送モータ6の停止状態(回転速度が閾値th_s以下の状態)が所定期間継続している現在の位置に更新する。搬送モータ6の停止状態が継続している位置は、搬送モータ6の駆動力が搬送時の外力に対して釣り合っている位置と考えられる。そのため、S506において連続停止回数cnt_cが閾値th_c以上と判定された場合は、搬送モータ6の駆動力と外力とが釣り合って停止していると考えることができる。このように、制御部802は、保持制御の実行中に、搬送モータ6の回転速度に基づいて目標位置を現在の位置に更新する。
なお、本ステップにより目標停止位置pos_tを更新することで、更新前の目標停止位置pos_tと実際の停止位置に差が生じる場合がある。しかし、S401の送り制御において、送り制御終了位置に到達する際に、緩やかな速度で停止するようサーボ制御のパラメータを設定することで、実際の停止位置と目標停止位置pos_tの差は十分小さい値となり、記録結果に影響を与えない差に収まる。すなわち、制御部802は、送り制御において搬送モータ6の回転速度を閾値以下に減速させてから保持制御に移行してもよい。
S508において、制御部802は、S507で更新された目標停止位置pos_tに基づいて、保持サーボ制御(保持制御)を行う。ここでは、搬送モータ6が目標位置に位置させるための1制御周期分の制御が行われる。ただし、これまでのステップにより、搬送モータ6は、搬送時の外力に対して釣り合う位置である更新後の目標停止位置pos_tで既に停止している状態にある。よって、制御部802は、搬送モータ6の位置を更新後の目標停止位置pos_tを保持するようにサーボ制御を行う。このとき、制御部802は、上記の式1により決定した初期PWM値Piを用いて搬送モータ6の駆動を制御する。なお、初期PWM値Piは、所定のタイミングで決定されうる。例えば、制御部802は、図12のS402においてPWM値Ptを取得したタイミングで初期PWM値Piを決定(更新)してよい。また例えば、制御部802は、S501のパラメータ初期化のタイミングで、そのときに記憶部803に記憶されているPWM値Ptに基づいて初期PWM値Piを決定(更新)してもよい。
S509において、制御部802は、保持制御の終了条件を満たしたか否かを判定し、終了条件を満たしている場合はS511に進み、そうでない場合はS508に戻る。本ステップでの処理は、S503と同様である。また、S508~S509により、終了条件が満たされるまで搬送モータ6の位置が更新後の目標停止位置pos_tで保持される。
一方、S504からS510に進んだ場合、制御部802は、連続停止回数cnt_sを0に更新する。すなわち、S504で、モータが停止した状態ではないと判断されたため、連続停止回数cnt_sを0として、再度カウントを行う。
図15(a)及び図15(b)は、本実施形態の保持制御を実行した場合と実行しなかった場合の比較を示す図である。
図15(a)は、本実施形態の保持制御を実行しない場合、すなわち外力によって停止位置が戻される場合の、時間とモータの位置の変化を表す図である。送り制御終了位置に到達後にモータ制御が終了すると、搬送モータ6は慣性で所定量回転した後に一旦停止するが、外力によりその停止位置から戻される場合がある。このように、搬送モータ6の回転位置が戻されてしまうと、シート201が搬送方向と逆側に後退することになる。その結果、シート201上の本来記録する位置と異なる位置に記録がなされてしまい、所望の記録結果が得られない場合がある。具体例を挙げると、図11において、タイミングt_1で記録がなされる範囲と、タイミングt_2で記録がなされる範囲が搬送方向に重複してしまうことが起こり得る。そして、この重複箇所においてスジが発生する恐れがある。このように、記録装置1において、搬送モータ6が所望の停止位置で停止していない場合、記録物の画質の劣化等が発生することがある。
図15(b)は、本実施形態における保持制御を実施する場合の、時間とモータの位置の変化を表す図である。モータが停止した状態が閾値th_cだけ継続した位置が搬送時の外力に対して釣り合う位置である。よって、この位置を更新後の目標停止位置pos_tとして、保持サーボ制御を行うことで、搬送モータ6が逆回転することなく搬送モータ6の回転位置を保持することができる。
図16(a)及び図16(b)は、本実施形態の保持制御を実行した場合と実行しなかった場合のさらなる比較を示す図である。
図16(a)は、本実施形態の保持制御を実行しない場合であって、搬送モータ6が目標停止位置で停止するように、搬送モータ6の現在位置と目標停止位置の偏差を搬送モータ6の位置制御にフィードバックする場合を示している。この場合、搬送モータ6が目標停止位置を超えて停止すると、搬送モータ6を目標停止位置に停止させるために搬送モータ6が逆回転するように制御される。そして、搬送モータ6の逆回転により、シート201のたわみが発生する場合がある。或いは、搬送モータ6が正回転と逆回転を繰り返すことによって動力伝達系にバックラッシュが発生する場合がある。
図16(b)は、本実施形態における保持制御を実施する場合の、時間とモータの位置の変化を表す図であって、図15(b)の部分拡大図である。本実施形態では、搬送モータ6が目標停止位置を超えた場合であっても、搬送モータ6が停止して時点に目標位置が更新される。したがって、保持制御において、搬送モータ6が停止している位置である現在位置を保持するように制御が働くことになる。よって、図10(a)で示されるような搬送モータ6の逆回転を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、搬送モータ6の停止時に保持制御を実行することで、外力による搬送モータ6の搬送方向とは逆方向の回転を抑制することができる。そして、保持制御の実行中に、搬送モータ6の回転速度に基づいて目標停止位置pos_tを現在の位置に更新することで、制御に起因する搬送モータ6の搬送方向とは逆方向の回転も抑制することができる。したがって、シート201を搬送するための搬送モータ6の停止動作において、搬送方向とは逆方向の回転を抑制することができる。
そして、本実施形態では、搬送時、より具体的には送り制御の終了時付近、の外力に応じた出力(PWM値)で保持制御を行うことで、搬送モータ6が搬送方向と逆方向に回転することなく、搬送時の停止精度を高めることが可能になる。
なお、本実施形態では保持制御において目標停止位置を更新する方法を例示した。しかしながら、PWM値Ptに基づいて初期PWM値Piが決定されていればよく、その際の保持制御の方法、より具体的には送り制御の終了位置からシートを目標停止位置で停止させるまでの方法については上述した方法に限定されない。
<1.4.連送給送動作における保持制御時の初期PWM値Piの適用>
上述した保持制御における初期PWM値Piは、連続給送動作において適用され得る。本実施形態における連続給送動作は、記録中のシート(以下、シートS1と表記することがある)の搬送動作と、次のシート(以下、シートS2と表記することがある)の搬送(給送)動作を並行して行う動作を指す。この連続給送動作により、シートS1の記録動作の終了後に速やかにシートS2の記録動作に移行することができるので、複数のシートに対しての記録に必要な時間を短縮することができる。
一方で、連続給送動作においては、シートS2の搬送経路CP上の位置に応じて給送時の必要トルクが変動することがある。例えば、図7の方向で見た場合に、シートS2の搬送方向における先端が搬送方向の曲線区間に位置する際には、先端が直線区間に位置する場合よりも相対的に必要トルクが大きくなり得る。必要トルクが大きいと、搬送モータ6がトルク不足となり、搬送制御の精度が低下したり、搬送モータ6の駆動が停止したりする恐れがある。そこで、本実施形態では、以下のフローチャートにより、トルク不足の発生を抑制しつつ連続給送動作を行う。そして、この連続給送動作間の保持制御において初期PWM値Piを適用する。
<1.4.1.連続給送動作における制御部の処理例>
図17は、記録装置1における連続給送動作を示すフローチャートであって、図9のS105の具体的な処理例を示している。
S201において、制御部802は、連続給送動作を行う条件が満たされているかどうかを判断し、行う場合はS203に進み、そうでない場合はS202に進む。例えば、シートの大きさ、厚み、材質、坪量、記録時の搬送速度等によっては、単一のシートの搬送に要するトルクが大きく、連続給送動作を行うことが適切でない場合がある。したがって、制御部802は、記録ジョブ或いは記憶部803等に記憶された記録装置1の設定情報等から取得したシートの大きさ、種類、記録時の搬送速度の設定等の情報に基づいて、連続給送動作を行うかどうかを判断する。
S202において、制御部802は、搬送モータ6からピックアップローラ111への駆動の伝達を切る。その後、制御部802は、S206に進む。すなわち、制御部802は、搬送モータ6からピックアップローラ111へ駆動力が伝達される伝達状態から、搬送モータ6からピックアップローラ111へ駆動力が伝達されない非伝達状態へ切り替える。
S203において、制御部802は、後続するシートS2の先端位置を特定する。本実施形態では、制御部802は、端部検知レバー57の検知結果を用いて、後続するシートS2の先端位置を特定する。具体的には、制御部802は、端部検知レバー57により特定されたシートS1の先端位置と、シートS1の搬送方向の長さと、搬送方向におけるシートS1の後端及びシートS2の先端の間隔と、に基づいて、シートS2の先端位置を特定する。
より具体的には、制御部802は、まず、端部検知レバー57によりシートS1の先端が検知されてからのシートS1の搬送量d1を、搬送エンコーダ813の検知結果から取得する。そして、制御部802は、端部検知レバー57の検知位置からシートS1の後端までの距離L1を、搬送量d1とシートの長さlpから算出する。長さlpは、例えば記録ジョブに含まれる設定値等から取得することができる。
搬送量d1、長さlp及び距離L1の関係は、L1=lp-d1で表される。この関係と、前述したギア列のディレイ量ppを用いて、端部検知レバー57からシートS2の先端までの距離L2は、L2=lp-d1+ppで表すことができる。このような構成により、所定の領域A1にセンサ等を設けることなくシートS2の先端位置Pを特定することができる。
S204において、制御部802は、シートS2の先端の停止位置Pが、所定の領域A1に位置しているかどうかを判断し、位置している場合はS205に進み、そうでない場合はS206に進む。
本実施形態では、所定の領域A1は、シートの搬送負荷に基づく領域である。さらにいえば、所定の領域A1は、シートの給送動作において、搬送負荷が比較的高くなる領域である。具体的には、本実施形態における所定の領域A1は、ピックアップローラ111と中間ローラ対3との間の領域である。本実施形態のようにピックアップローラ111から中間ローラ対3までの搬送経路CPに傾斜面部材121やUターン部材131がある場合、これらによって形成される曲線状の区間においてシートの搬送負荷が高くなるためである。この点、本実施形態では、傾斜面部材121及びUターン部材131等の経路形成部材によって形成される曲線状の区間が所定の領域Aとして設定されているともいえる。
なお、搬送負荷が高くなる領域は、各種のローラ、搬送ガイド部材の配置や数によってはこの限りではない。また、搬送負荷の高い領域が複数存在する場合もある。
シートS2の先端の停止位置Pが所定の領域A1に位置するかどうかは、以下のように判断することができる。すなわち、端部検知レバー57から中間ローラ対3までの距離を距離Ps1、端部検知レバー57からピックアップローラ111までの距離を距離Ps2とする。このとき、端部検知レバー57からシートS2の先端までの距離L2がPs1<L2<Ps2を満たす場合には、停止位置は所定の領域A1にあると判断することができる。
S205において、制御部802は、給送駆動テーブルを変更する。例えば、制御部802は、給送駆動テーブルを、加速度が低いものに変更する。
図29に、給送駆動テーブルの一例を示す。ここで、テーブル1は、連続給送動作を行わない場合や、連続給送動作を行う場合であってシートS2の先端位置が所定の領域A1外の場合に用いるテーブルである。また、テーブル2は、連続給送動作を行う場合であってシートS2の先端位置が所定の領域A1にある場合に用いるテーブルである。制御部802は、給送駆動テーブルを、テーブル1からテーブル2に変更する。テーブル2は、搬送モータ6の定速回転時の回転速度はテーブル1と同じであるが、加速度はテーブル1よりも小さく設定されている。つまり、制御部802は、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合よりも搬送モータ6の加速度が小さくなるように、搬送モータ6の駆動制御を切り替える。
なお、ここでは、制御部802は搬送モータ6の加速度を変更している。しかしながら、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合と比べて搬送モータ6の駆動(出力)が制限されるように制御されればよい。例えば、制御部802は、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合よりも搬送モータ6の回転速度が小さくなるように、搬送モータ6の駆動制御を切り替えてもよい。なお、ここでの回転速度は、加速後の定速回転時の回転速度である。或いは、制御部802は、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合よりも搬送モータ6の加速度及び回転速度の両方が小さくなるように、搬送モータ6の駆動制御を切り替えてもよい。
S206において、制御部802は、給送・搬送動作を行う。ここで、連続給送動作を行う条件が満たされていない場合は(S201:No)、ピックアップローラ111への駆動の伝達が切られているので(S202)、先行するシートS1の搬送動作のみが行われる。また、連続給送動作を行う条件が満たされ(S201:Yes)、かつ、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合には(S204:Yes)、給送駆動テーブルを変更した上で連続給送動作が行われる。つまり、搬送モータ6の駆動が制限された状態で連続給送動作が行われる。また、連続給送動作を行う条件が満たされ(S201:Yes)、かつ、シートS2の先端が所定の領域A1に位置していない場合には(S204:No)、給送駆動テーブルを変更せずに連続給送動作が行われる。つまり、搬送モータ6の駆動が制限されない状態で連続給送動作が行われる。その後、制御部802は、フローチャートを終了する。
以上説明したように、本実施形態では、後続するシートS2の位置に応じて搬送モータ6の駆動制御が切り替えられる。したがって、搬送モータ6のトルク不足の発生を抑制しつつ、連続給送動作を実行することができる。すなわち、複数の搬送手段を駆動する駆動源の駆動制御をより効果的に行うことができる。
<1.4.2.連送駆動時の外力に応じた初期PWM値Piの適用>
上述の連続給送動作を単一の搬送モータ6で行う場合、先行するシートS1の送り制御を行うときに、後続するシートS2を給送する際の負荷を引きずることになる。つまり、先行するシートS1の送り制御後の保持制御において、搬送モータ6に加わる外力の変動が後続するシートS2の搬送経路内の位置にも依存することになる。
具体的には、搬送領域A1の領域に後続するシートS2の先端が位置する時の、外力(戻し力)は大きくなる。とりわけ、後続するシートS2の先端が、分離片122の突起部122aの間に引っ掛かった位置で、先行するシートS1の減速領域に差し掛かると、送り制御の終端部付近において、シートの剛性によっては外力(戻し力)が大きくなる。また、後続するシートS2の先端が搬送経路のUターン出口付近にさしかかり後続するシートS2の曲率が大きくなる位置で、先行するシートS1が減速領域に差し掛かると、送り制御の終端部付近において、シートの剛性によっては外力(戻し力)が大きくなる。
そこで、本実施形態では、これらの現象を有する負荷の高い搬送領域Aでの送り制御終端部において搬送モータ6を指令速度で回転回させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
具体的には、上述した式1(或いは式2)に基づいて、保持制御の初期PWM値Piを決定することができる。
なお、後続するシートS2の先端が搬送領域Aに位置していない場合には、送り制御の終端におけるPWM値が相対的に低くなる。そのような場合に式1に基づきPWM値Ptを一定値減算した結果、初期PWM値Piが0を下回った場合は、保持制御における搬送モータ6の出力値をゼロとして処理し、同じ制御を実行してもよい。
また、後続するシートS2の先端が搬送領域Aに位置している場合と位置していない場合とで、式1における一定値Pdを変更してもよい。さらにいえば、後続するシートS2の先端が搬送領域Aに位置している場合の一定値Pdよりも、位置していない場合との一定値Pdを小さくしてもよい。或いは、後続するシートS2の先端が搬送領域Aに位置していない場合には、式1に基づく初期PWM値Piの適用を実行しなくてもよい。
さらに、搬送するシートの種類や搬送時の速度、連続給送動作のON/OFFの設定等によって、外力を受けにくい搬送の場合は保持制御の初期PWM値Piを第二の値Pi2(<Pi1)に変更してもよい。或いは、外力を受けにくい搬送の場合は初期PWM値Piの適用を実施しなくてもよい。
<1.5.負荷変動時のPWM値の調整制御>
続いて、減速中の負荷変動時の調整制御について説明する。連続給送動作では、後続するシートの先端が、分離片122の突起部122aの間に引っ掛かった位置で、先行するシートの減速動作あるいは停止動作が行われることがある。この場合、送り制御の終端部付近において、シートの剛性によっては、後続するシートの先端が突起部122aから抜けることがある。後続するシートの先端が突起部122aから抜けると、搬送モータ6の搬送負荷が急に軽くなることがある。
図18は、先行するシートの減速中のFのタイミングで後続するシートの先端が分離片122から抜けた時の、搬送モータ6の速度とPWM値の変化を表したグラフである。縦軸に搬送モータ6の速度及びPWM値、横軸に時刻を取っている。また、領域Aが加速領域、領域Bが一定速度領域、領域Cが減速領域である。
グラフPは、先行するシートの送り制御時の指令速度である。前述したように、送り制御の途中で、後続するシートの負荷の変動は先行するシートの送り制御に影響を与える常の送り制御のままで(調整制御OFF)であると、負荷が軽くなる直前までのPWM値によって急激に搬送モータ6の速度が上がることとなる。その後、制御部802は搬送モータ6を指令の速度に近づけるべくPWM値をサーボ制御によって減少させているが、目標位置に到達するタイミングまでに速度はさがらず、送り制御終端での速度は大きいままである。
この状況下で、式1に基づいて送り制御終端部のPWM値Ptから初期PWM値Piを計算すると、外力(戻し力)に対抗する力にずれが生じてしまうことになる。また、場合によっては、その機構系の慣性力で、目標位置を大きく超えて、そこに対して目標位置更新をかけてしまうこともある。また、送り制御中の負荷の減少は、突起部122aからのシート先端の抜けに限らず、搬送経路の形状や搬送経路を形成する部材の形状、構造等によっても生じ得る。
そこで、本実施形態では以下のようにPWM値を調整する。すなわち、送り制御の終端領域に関わる減速領域において、目標速度と実際の速度の速度差Vdが所定値より大きくなった場合には、急激な負荷の解消が発生してPWM値が過剰になったと判断し、PWM値を一定値Pc減算させる処理を行う(調整制御ON)。すなわち、速度差Vdが所定値より大きくなった場合には、速度差Vdが所定位置以下の場合よりも搬送モータ6の出力値を小さくする。これにより、減速部で負荷が抜ける変動が発生した時でも、適切に保持制御に移行することが可能となる。以下、具体的な処理例について説明する。
図19は、負荷変動時の調整制御の処理例を示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば図12のS401~S403と並行して実行され得る。
S901において、制御部802は、送り制御が減速領域(領域C)に入ったかどうかを確認し、入っていればS902に進み、入っていなければ(加速領域又は定速領域であれば)S901の確認を繰り返す。
S902において、制御部802は、搬送モータ6の回転位置が送り制御終了位置に到達したかどうかを判断し、到達した場合はフローチャートを終了し、到達していなければS903に進む。
S903において、制御部802は、搬送モータ6の目標速度と実際の速度との速度差Vdを計算し、速度差Vdが閾値ThVdを超えているかどうかを確認する。制御部802は、速度差Vdが閾値ThVdを超えている場合にはS904に進み、そうでない場合はフローチャートを終了する。
S904において、制御部802は、次の制御周期のPWM値を値Pcだけ減算する。
以上の処理によれば、制御部802は、送り制御の減速区間において、搬送モータ6の目標速度と実際の速度の誤差が大きい場合に搬送モータ6のPWM値を下げる。これにより、送り制御の減速区間において負荷変動が生じた場合(特に負荷が軽くなった場合)における搬送モータ6の速度制御を適切に行うことができる(グラフQ2)。また、送り制御の終端部におけるPWM値Ptに基づいて保持制御の初期PWM値Piを決定する上述の処理を実行する場合に、初期PWM値Piが必要以上に大きくなってしまうことを抑制することができる。
<2.第2の実施形態>
以下、第2の実施形態に係る記録装置800について説明する。なお、第1の実施形態と同様の要素については同様の符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態では、記録装置1が反転搬送経路(曲線状の搬送経路)へと給送する給紙口を有している。そして、特に反転搬送経路中を給送されるシートによる負荷変動に対して、送り制御領域の終端におけるPWM値Ptに基づいて保持制御の初期PWM値Piを決定する例が示されている。
これに対し、第2の実施形態の記録装置800は、2つの給紙口を有し、さらには、第1の給紙口、第2の給紙口、回復機構と、に伝達するための駆動を切り替える機構を有する。具体的には、前トレイにセットされたシートを第1の給紙口及び反転搬送経路経由で記録位置へと搬送するための第1の搬送経路と、後トレイにセットされたシートを第2の給紙口及び背面側からの搬送経路経由で記録位置へと搬送するための第2の搬送経路とが設けられる。ここで、第1の搬送経路は第1の実施形態の搬送経路CPに相当する。そして、これらの搬送経路の違いによる負荷変動の違いを加味して保持制御を実行する点が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、多数のシートを積載することが可能となり、また2種類のシートを積載することも可能となり、記録装置のシート対応性の向上を図ることが可能となる。
<2.1.制御構成>
図20は、記録装置800の制御構成のブロック図である。ここでは、第1の実施形態の図8に示される構成と異なる点を中心に説明する。本実施形態では、搬送モータ6に代えて搬送/回復用モータ822が設けられている。搬送/回復用モータ822は、駆動切替部817によって駆動力の伝達先を切り替えることによって、一つのモータで搬送部810及び回復部818を動作させる。
搬送部810は、シートの搬送を行う。搬送部810は、印字搬送部815と、排送部816と、前面給送部830と、後方給送部840とを含む。例えば、印字搬送部815には、搬送ローラ51、中間ローラ3a等が含まれ得る。また、排送部816には、排出ローラ53等が含まれ得る。前面給送部830には、ピックアップローラ111等が含まれ得る。後方給送部840には、後トレイにセットされたシートを第2の搬送経路へ給送するためのローラ等が含まれ得る。搬送部810には、駆動切替機構823が設けられる。駆動切替機構823は、前面給送部830及び後方給送部840への動力接続と、非接続を選択的に切り替えられる構成となっている。回復部818は、記録ヘッド71の回復処理を実行し得る。また、記録装置800は、図10に示すフローチャートに従って、記録動作を実行し得る。
<2.2.搬送制御の処理例>
図21は、搬送制御における制御部802の処理例を示すフローチャートである。
S2101において、制御部802は、搬送/回復用モータ822の駆動力の伝達先が搬送部810であるか否かを判定し、搬送部810であればS2102に進み、そうでなければS2113に進む。
S2104において、制御部802は、給紙方式を確認し、前面給紙が指定されている場合はS2103に進み、後方給紙が指定されている場合はS2109に進む。S2103~S2106は、図12のS401~S404と同様である。また、S2109~S2112も、図12のS401~S404と同様である。ただし、本実施形態では、S2106及びS2112で用いられる保持制御の初期PWM値の算出方法がそれぞれ異なる。具体的には、送り制御終端部で要していたPWM値Ptに対して、S2106では一定値Pvaを、S2112では一定値Pvbを、それぞれ減算した値を保持制御の初期PWM値とする。すなわち、保持制御の初期PWM値を、
Pia=Pt-Pva (式7)
あるいは、
Pib=Pt-Pvb (式8)
とする。
搬送経路が反転搬送経路等の曲線状の経路を含む場合、そのような経路を含まない場合と比較して搬送ローラ等の搬送用部材に生じる外力が大きくなる傾向にある。そのため、前面給紙では、後方給紙よりも後続紙の給紙不可が大きく駆動部の捻れが大きくなるため、初期PWM値が大きくなりやすい。そこで、Pia<Pibとすることで、搬送ローラ等の搬送用部材に生じる外力に応じて初期PWM値を適切に設定することができる。
制御部802は、S2106又はS2112からS2107に進むと、シートの記録範囲の全体に対して記録が終了したかどうかを確認し、終了していればS2108に進みそうでなければS2102に戻る。S2107は、図12のS405に対応する。S2108は、図12のS406と同様の処理である。制御部802は、S2108の後、フローチャートを終了する。
一方、S2101からS2113に進んだ場合、制御部802は、回復制御を実行する。例えば制御部802は、前述した吸引処理を実行する。このとき、搬送/回復用モータ822は、回復部818に含まれる吸引ポンプを駆動する。
S2114において、制御部802は、回復制御が終了したかどうかを判定し、終了した場合はフローチャートを終了し、そうでない場合はS2113に戻る。
本実施形態によれば、制御部802は、駆動切替部817による搬送/回復用モータ822の駆動力の伝達先が搬送部810である場合には保持制御を実行する。一方、制御部802は、当該伝達先が搬送部810とは異なる機構(ここでは回復部818)である場合には保持制御を実行しない。これにより、モータの停止精度がより求められる搬送動作においては保持制御を実行することで停止精度の低下を抑制することができる。一方で、相対的にモータの停止精度が求められない動作においては保持制御を実行しないことによりモータの消費電力を低減することができる。すなわち、モータの停止精度の確保と消費電力の低減を両立することができる。
また、本実施形態では、給紙方式が前面給紙である場合と後方給紙である場合とで、保持制御において異なる初期PWM値を用いている。これにより、搬送経路の違いに起因する搬送負荷に応じて適切に初期PWM値を決定することができる。
<3.第3の実施形態>
図22は第3の実施形態に係る記録装置900の概要を示す斜視図である。以下、なお、第1の実施形態と同様の要素については同様の符号を付して説明を適宜省略する。
記録装置900は、シートを1枚ずつ分離給送する給送部902と、給送部902により給送されたシートを搬送する搬送部5と、記録部7と、搬送モータ6(不図示)と、記録部7により記録が完了したシートを排出積載する排出部8とを含んで構成される。
<3.1.給送部の構成>
図23は、給送部902の斜視図である。図24は、給送部902の幅方向断面図である。給送部902は積載部21、給送・分離部、駆動部から構成されている。
積載部21は、トレイ23、圧板24、サイドガイド25a、25b、積載検知部26を含んで構成されている。圧板24はシートに搬送力を与える加圧板である。不図示の圧板ばねにより給送ローラ22方向へ回転付勢され、駆動部に設けられたカムが圧板24を押すことにより給送ローラ22から離間する方向へ回転移動される。この付勢・離間動作によりシートの給送動作が行われる。
圧板24は給送部902がシートを給送中でない、いわゆる待機状態においては、給送ローラ22から遠ざかる方向の所定位置に固定されている。かかる所定位置において、給送ローラ22と圧板24の間には複数のシートを積載するのに十分な間隙が確保されている。
図25は圧板24のシート積載面と平行な方向の断面図である。サイドガイド25a、25bは、圧板24に摺動可能に取り付けられており、サイドガイド25a、25bに設けられたラック部252とサイドガイドギア253が連結することによりサイドガイド25a、25b同士の動きが連動するようになっている。サイドガイドギア253は不図示のサイドガイドばねにより回転方向と垂直に付勢される。これによりサイドガイド25a、25bが一定以上の操作力を受けた時のみに動作し、その他の圧板24の付勢・離間動作や駆動源による振動やユーザーが記録装置を運搬するときなどには不用意に動かないように固定できる。
給送ローラ22と圧板24の間隙に複数のシートを積載した後、サイドガイド25a、25bを移動させてサイドガイド25a、25bの規制面251a、251bがシートの幅方向側方を規制するようにシートの幅に合わせる。これにより、積載されたシートはシート搬送方向と直行する方向(シート幅方向)への移動が規制され、所定幅範囲の任意のシート幅に適応することができ、幅の異なるシートを安定して給送することができる。
積載検知部26は積載検知レバー261と光学センサ263から構成されている。積載検知レバー261は圧板24の上部に回転可能に配置されていて、積載検知ばね264により圧板24方向に付勢されている。積載検知レバー261は赤外線を透過しない部材により成型されていて、フラグ部262が光学センサ263の発光・受光部の間を通過することにより光学センサ263の出力が変化し、積載検知レバー261の位置を検知可能となっている。積載部21にシートが積載されていない状態ではフラグ部262は光学センサ263の発光・受光部の外側に位置しセンサの検知はOFFとなる。積載部21にシートが積載されている状態では積載検知レバー261の先端と積載されたシートが当接し積載検知レバーは回動することによりフラグ部262は光学センサ263の発光・受光部の間に位置しセンサの検知はONとなる。これにより積載部21にシートが積載されているか否かを判別可能である。
次に、給送・分離部の構成を説明する。前述した圧板24の動作により、積載されたシートは給送ローラ22に押圧される。給送ローラ22はシートが押圧されると同時に回転駆動され、給送ローラ22に接するシートの最上位のシートは給送ローラ22の摩擦力により搬送される。給送ローラ22は摩擦力によりシートを給送するので、材質としてEPDMなど高摩擦係数を持ったゴムや、発泡ウレタンなどで構成してもよい。
ここで、給送ローラ22と最上位のシートの間の摩擦力が、最上位のシートとその直下のシートとの摩擦力より大きい場合が多いので、最上位のシートのみを搬送することが多い。しかし、例えばシートの裁断時にできるシート端部のバリの影響がある場合や、静電気によるシート間貼り付きがある場合や、表面の摩擦係数が非常に大きいシートを使用する場合など、給送ローラ22によって一度に複数枚のシートが引き出される場合がある。
かかる場合には、トルクリミッタを備えた分離ローラ27で最上位のシートのみに分離する。分離ローラ27は、給送ローラ22とシートが最初に接する点より搬送方向下流側で当接するように給送ローラ22に押圧されている。
ここで、分離ローラ27の構成について説明する。図26は分離ローラユニットの分解斜視図である。分離ローラ27はクラッチ筒272に固定して取り付けられており、クラッチ筒272の中にはクラッチ軸273が回転可能に収納されている。また、クラッチ軸273にはクラッチバネ271が巻きつけられており、クラッチバネ271の巻端の一方はクラッチ筒272に係合されている。
このような構成で、クラッチ軸273を固定して分離ローラ27及びクラッチ筒272を図の矢印方向に回転させたとき、クラッチ軸273に巻きつけられたクラッチバネ271はクラッチ軸273から解かれる。所定の角度だけ分離ローラ27及びクラッチ筒272が回転すると、クラッチ軸273とクラッチバネ271が相対的にすべることによって、所定トルクを維持するように構成されている。
また、分離ローラ27の表面は給送ローラ22と同程度の摩擦係数を持つように、ゴムや発泡ウレタンなどで構成されている。分離ローラ27は、クラッチ筒272とクラッチ軸273を介して分離手段保持部材である分離ローラホルダ274に回転可能に支持されており、分離ローラバネ275で給送ローラ22に対して押圧されている。
このような構成により、給送ローラ22と分離ローラ27の間にシートが入っていない時には、給送ローラ22の回転に伴って分離ローラ27は従動的に回転する。
給送ローラ22と分離ローラ27の間に1枚のシートが入った場合には、給送ローラ22とシート間の摩擦力の方が、所定トルクで従動する分離ローラ27とシート間の摩擦力よりも大きいため、分離ローラ27を従動させつつシートが搬送される。しかし、2枚のシートが給送ローラ22と分離ローラ27の間に入った場合には、給送ローラ22と給送ローラ22側にあるシート間の摩擦力が、シート間同士の摩擦力に比べて大きくなる。また分離ローラ27側にあるシートと分離ローラ27間の摩擦力がシート間同士の摩擦力に比べて大きくなるため、シート間で滑りが生じる。その結果、給送ローラ22側にあるシートのみが搬送され、分離ローラ27側にあるシートは分離ローラ27の不回転と共にその場に停止して給送されない。
次に重送防止部の構成を説明する。上述の如く、2枚程度のシートが給送ローラ22と分離ローラ27のニップ間に入ってきても、分離することは可能である。しかし、それ以上の枚数が入ってきたり、あるいは2枚のシートが入って給送ローラ22側のシートのみが給送された後、ニップ付近にシートを残したまま連続して次のシートを給送しようとしたりする場合がある。このような場合には、複数枚のシートが同時に給送される、いわゆる重送が発生する可能性がある。これを防止するために重送防止部を設けている。
重送防止部は戻しレバー28を有し、シートセット時あるいは記録待機時に、戻しレバー28をシートの搬送経路中に侵入させることにより、シート先端が不用意に給送部の奥まで入り込んでしまうことを防止している。戻しレバー28は給送動作開始後に開放し、シートの搬送経路から退避する構成になっており、給送中は戻しレバー28がシートの進行を妨げることはない。
分離動作が終了すると、戻しレバー28は、制御ギア31に設けられたカムの作用により分離ニップにあるシートを戻す動作に入る。そのとき、リリースカム32によって、前段規制部材である前段規制ホルダ29及び分離ローラ27を備えた分離ローラホルダ274も給送ローラ22から離間する方向に移動させられる。前段規制ホルダ29と分離ローラホルダ274の離間動作により、戻しレバー28によるシートの戻し動作を小さな力で行うことが可能になる。
シートの戻し動作を終えた戻しレバー28は、一度はシート搬送経路から退避する位置まで回動し、給送部902から給送が完了された後に、再び待機状態の位置に戻る構成になっている。
次に駆動部の構成について説明する。図27は駆動部の斜視図である。駆動部は入力ギア33、中間ギア34、35、制御ギア31、リリースカム32、ローラギア36を含んで構成される。制御ギア31はリリースカム32と連動して回転し、初期位置である待機位置から矢印の回転方向に回転することにより通紙位置まで回転する。待機位置から通紙位置までの間にリリースカム32が不図示のフォロワを押し下げ、あるいは解放することによって回動させることで、前述の圧板24の上昇・下降動作や戻しレバー28の退避・戻し動作が行われる。そして、制御ギア31からローラギア36へ駆動伝達することにより給送ローラ22の回転動作が行われる。制御ギア31は通紙位置からさらに矢印の回転方向に回転することにより待機位置まで回転する。通紙位置から待機位置までの間は、制御ギア31からローラギア36への駆動は欠歯歯車31aにより連結が解除されている。また前述の戻しレバー28の戻し位置から待機位置への移動が行われる。このように、制御ギア31が図中矢印の方向に1回転することにより給送部902の一連の給送動作が1度行われるようになっている。
給送部902は搬送モータ6から不図示のギア列により連結され、入力ギア33により入力された駆動力により中間ギア34、35を介して制御ギア31を回転させることにより駆動する。中間ギア34,35は2段のギアの内部にラッチ機構を持ち、ある1方向の回転には2段のギアが連結して動作可能であるが、反対方向の回転には連結されず、入力側のギアに対して出力側の段ギアは空転するようになっている。
制御ギア31は複数の段から成る欠歯歯車から構成される。入力ギア33が図中矢印のA方向に駆動する場合、中間ギア34を経由して制御ギア31の欠歯部31bへ駆動を伝達し、制御ギア31は図中の矢印方向に回転する。制御ギア31の欠歯部31bは前述の待機位置から通紙位置までの回転部分に設けられている。これにより入力ギア33からのA方向の駆動に対して制御ギア31は待機位置から通紙位置まで回転し、通紙位置まで達した後は中間ギア34と制御ギア31の間は欠歯歯車31bが外れることにより駆動の連結が切れ、これ以上制御ギア31は回転しない。このとき中間ギア35は前述のラッチ機構により段ギアへの駆動が伝わらないようになっていて、制御ギア31の欠歯歯車31cへは駆動が伝わらない。
入力ギア33が図中矢印のB方向に駆動する場合、中間ギア34及び中間ギア35を経由して制御ギア31の欠歯部31cへ駆動を伝達し、制御ギア31は図中矢印方向に回転する。制御ギア31の欠歯部31cは前述の通紙位置から待機位置までの回転部分に設けられている。これにより入力ギア33からのB方向の駆動に対して制御ギア31は通紙位置から待機位置まで回転し、待機位置まで達した後は中間ギア35と制御ギア31の間は欠歯歯車31cが外れることにより駆動の連結が切れ、これ以上制御ギア31は回転しない。中間ギア34は前述のラッチ機構により段ギアへの駆動が伝わらないようになっていて、制御ギア31の欠歯歯車31bへは駆動が伝わらない。
このようにして、入力ギア33がA方向に回転することにより給送部に設けられた駆動部は待機位置から通紙位置までの一連の給送動作を行い、その後入力ギア33がB方向に回転することによって通紙位置から待機位置までの給送準備動作を行われる。給送準備動作に必要なB方向の回転量を駆動した際に、搬送ローラ51がシートを搬送方向上流側に搬送するときの距離をL1とする。
<3.2.欠歯再接続時の負荷の説明及び初期PWM値Piの適用>
本実施形態において、入力ギアA方向に駆動して、制御ギア31が通紙位置まで回転する際、伝達しない角度(歯がない部分)になっていた欠歯歯車31cはその途中で再度駆動が接続されることになる。これは、シート給送後、搬送ローラ部における斜行矯正動作時に、制御ギア31がB方向に回転する場合があるため、一度接続を切る必要があるからである。再接続されるときに、スムーズに接続されるように、欠歯歯車31cの噛み合い部は半径方向に弾性変形可能なように構成されている。
シートを給送後、送り制御を行っている間に、欠歯歯車31cが再接続することになる。このとき、欠歯歯車31cの弾性部の歯先と、中間ギア35が接触した状態で、送り制御の停止が起こると、駆動伝達系に反力が生まれ、搬送モータ6を戻す力(外力)が働く。この搬送モータ6を戻す力は停止時の歯車同士の接触状態に応じて変わるため、保持制御へと移行した際のPWM値が搬送モータ6を保持するために必要とするPWM値から離れてしまうことがある。すると、モータトルクが不足してモータが逆回転させられてしまったり、モータトルクが過剰で正回転してしまったりすることが発生する。
そこで、本実施形態では、送り制御の終端部において搬送モータ6を指令速度で回転回させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
具体的には、第1の実施形態と同様の制御を適用することができる。すなわち、送り制御の終了位置におけるPWM値Ptに対して、一定値Pdを減算した値を保持制御の初期PWM値Piとする。すなわち、保持制御の初期PWM値Piを、
Pi=Pt-Pd (式1)
ただし、Pd>0
としてもよい。或いは、PWM値Ptを一定値Pd2で割った値を保持制御開始時のPWM値Piとしてもよい。すなわち、
Pi=Pt/Pd2 (式2)
ただし、Pd2>1
としてもよい。
また、この欠歯歯車35cと中間ギア35の接触領域以外において、送り制御終端におけるPWM値が低く、PWM値Ptから一定値を減算した値が0を下回った場合は、保持制御における搬送モータ6の出力値をゼロとして処理し、同じ制御を実行してもよい。
この欠歯歯車35cと中間ギア35の接触領域以外において、減算する一定値Pdは、第一のより低い第二の値Pd2を使用してもよい。
また、この欠歯歯車35cと中間ギア35の接触領域以外(すなわち相対的に搬送モータ6に加わる外力が小さい場合)においては、PWM値Ptに基づく初期PWM値Piの適用を実行しなくてもよい。
さらに、搬送するシートの種類や搬送時の速度、連続給送動作のON/OFFの設定等によって、外力を受けにくい搬送の場合は保持制御の初期PWM値Piを第二の値Pi2(<Pi1)に変更してもよい。或いは、外力を受けにくい搬送の場合は初期PWM値Piの適用を実施しなくてもよい。
<4.他の実施形態>
保持制御の初期PWM値Piの適用の有無は、適宜切り替え可能である。例えば、搬送するシートの種類や搬送時の速度によって、外力を受けにくい搬送の場合は保持制御の初期PWM値Piを適用しなくてもよい。
例えば、シートの種類と保持制御の初期PWM値Piの適用の有無とを関連付けた情報を記憶部803に記憶しておいてもよい。そして、制御部802は、搬送制御の指示を受け付けた際に、シート201の種類に関する情報を取得し、記憶部803に記憶された上記情報と比較することで、保持制御において、PWM値Ptに基づく初期PWM値Piの適用の有無を決定してもよい。記録装置1は、タッチパネルやハードキー等の入力部により、シート201の種類に関する情報を受付可能に構成されてもよい。
また例えば、記録装置1は、シートのサイズや種類、或いはユーザーが入力した情報等に応じて搬送制御時の搬送モータ6の回転速度を設定してもよい。そして、回転速度が閾値以上の場合にのみPWM値Ptに基づく初期PWM値Piの適用を実行してもよい。
また、上記実施形態では、記録装置1としてのシリアル方式のインクジェットプリンタを例示したが、上記実施形態の特徴は、シートを所定量ずつ順次搬送させる他の搬送装置に対して適宜適用することができる。
また、上記実施形態では、制御部802は、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合よりも搬送モータ6の加速度が小さくなるように、搬送モータ6の駆動制御を切り替える。これにより、搬送モータ6の駆動負荷が大きくなりすぎることを抑制している。一方で、搬送モータ6の駆動を必要以上に抑制してしまうと、記録動作の効率低下につながる恐れがある。そこで、制御部802は、搬送モータ6の駆動の制限中のPWM値に応じてその制限を緩和してもよい。
例えば、制御部802は、複数のシートに対して記録を行う際に、図29のテーブル2に従って搬送モータ6の駆動制御を行った際のPWM値を、複数回分(例えば1~3回分)確認する。そして、制御部802は、確認したPWM値の最大値が閾値以下である場合には、シートS2が所定の領域A1にある場合の搬送モータ6の加速度をa3(a2<a3<a1)に変更してもよい。これにより、搬送モータ6の負荷に対する余力に応じて適切に搬送モータ6の駆動制御を切り替えることができる。また、加速度の異なる複数のテーブルをさらに用意しておき、確認したPWM値に応じてテーブルを選択してもよい。
なお、制御部802は、搬送モータ6の駆動が回転速度によって制限されている場合には、回転速度を上げることによってその制限を緩和してもよい。
また、上記実施形態では、記録ジョブに含まれる設定値等から取得したシートS1の長さlpを用いている。他の態様として、最初の複数枚のシートについては記録ジョブに含まれる設定値等から取得した長さlpを用い、その後のシートについては最初の複数枚のシートに対する測定結果としての長さlpを用いてもよい。シートの長さlpの測定は、端部検知レバー57がシートを検知している間の搬送モータ6の回転量を搬送エンコーダ813で取得し、搬送モータ6の回転量を搬送ローラ51の搬送量に換算することによって行うことができる。
また、上記実施形態では、シートS2の先端位置をシートS1の位置に基づいて特定している。しかしながら、シートS2の先端位置の特定方法は適宜変更可能である。例えば、所定の領域A1にシートを検知するセンサを設け、そのセンサの検知結果に基づいてシートS2の先端位置が所定の領域A1にあることを特定してもよい。一例として、所定の領域A1の上流端と下流端にシートを検知するセンサを設けてもよい。そして、制御部802は、上流端のセンサがシートS2を検知してから下流端のセンサがシートS2を検知するまでの間、シートS2の先端が所定の領域A1に位置していると判断してもよい。或いは、ピックアップローラ111の回転角度を検知するエンコーダ等の検知結果に基づいて、シートS2の先端位置が特定されてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
<5.付記>
上記実施形態は、少なくとも以下の記録装置、記録装置の制御方法及び搬送装置を開示する。
(項目1)
シートに記録を行う記録手段と、
前記記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動するモータと、
前記モータの回転を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能であり、
前記制御手段は、前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目2)
項目1に記載の記録装置であって、
前記搬送手段は、前記モータが第1の回転方向に回転することでシートを搬送方向下流側に搬送し、
前記第1の出力値は、前記第2の出力値よりも小さく、かつ、前記モータが前記第1の回転方向に回転する方向の出力値である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目3)
項目1から2のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記第1の出力値は、前記第2の出力値から第1の所定値を引いた値である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目4)
項目1から2のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記第1の出力値は、前記第2の出力値を第2の所定値で割った値である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目5)
項目1から4のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記制御手段は、前記保持制御の実行中に前記モータの回転速度に基づいて、前記モータを停止させる際の目標位置を現在の位置に更新する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目6)
項目1から5のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記制御手段は、前記搬送手段がシートを所定距離搬送するように前記モータの回転を制御する送り制御を実行可能であり、
前記第2の出力値は、前記送り制御が終了する際の前記モータの出力値である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目7)
項目6に記載の記録装置であって、
前記制御手段は、前記送り制御の終了後、次回の前記送り制御の開始までの期間、前記保持制御を実行する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目8)
項目1から7のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記搬送手段は、
搬送経路に設けられ、シートを前記記録手段の記録位置へと搬送する第1のローラと、
前記搬送経路において前記第1のローラよりも上流側に設けられ、シートを搬送する第2のローラと、
を含み、
前記モータは、前記第1のローラ及び前記第2のローラを駆動する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目9)
項目8に記載の記録装置であって、
前記モータから前記第2のローラへ駆動力が伝達される伝達状態及び前記モータから前記第2のローラへ駆動力が伝達されない非伝達状態との間で切り替え可能な切替手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記切替手段が前記伝達状態である場合に、前記第2の出力値に応じて前記第1の出力値を決定する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目10)
項目8から9のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記制御手段は、前記搬送手段がシートを所定距離搬送するように前記モータの回転を制御する送り制御を実行可能であり、
前記制御手段は、前記送り制御として前記第1のローラにより第1のシートを搬送することと並行して、前記第1のシートに後続する第2のシートを前記第2のローラにより搬送する搬送動作を実行可能である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目11)
項目10に記載の記録装置であって、
前記制御手段は、前記搬送動作の実行中であって前記送り制御におけるモータの減速区間において、前記モータの目標の回転速度と実際の回転速度の差が所定値より大きくなった場合には、前記差が所定値以下の場合よりも前記モータの出力値を小さくする、
ことを特徴とする記録装置。
(項目12)
項目10から11のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
前記搬送経路において、前記第2のローラと前記第1のローラとの間に曲線状の区間を形成する経路形成部材をさらに備える、
ことを特徴とする記録装置。
(項目13)
項目12に記載の記録装置であって、
前記曲線状の区間は、シートの進行方向を反転させる反転経路を形成する区間である、
ことを特徴とする記録装置。
(項目14)
項目12から13のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
シートを積載する積載部をさらに備え、
前記第2のローラは、前記積載部に積載されたシートを前記搬送経路へと搬送するピックアップローラであり、
前記経路形成部材は、前記積載部に積載された最上面のシートを他のシートと分離する分離部を含み、
前記分離部は、前記搬送経路に傾斜面を形成する傾斜面部材と、前記傾斜面に沿って搬送されるシートの先端を引っ掛け可能な突起部と、を含む、
ことを特徴とする記録装置。
(項目15)
項目1から14のいずれか1項目に記載の記録装置であって、
シートを積載する第1の積載部と、
シートを積載する第2の積載部と、をさらに備え、
前記制御手段は、シートが前記第1の積載部から搬送経路に搬送される場合と、シートが前記第2の積載部から搬送経路に搬送される場合とで、前記第2の出力値に応じた前記第1の出力値の決定方法を変更する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目16)
項目15に記載の記録装置であって、
前記第1の積載部から前記記録手段による記録位置までの搬送経路、及び前記第2の積載部から前記記録位置までの搬送経路の少なくとも一方が、シートの進行方向を反転させる反転経路を含む、
ことを特徴とする記録装置。
(項目17)
項目1から16のいずれか1項目に記載の記録装置であって、サーボ制御によって前記モータを制御する、
ことを特徴とする記録装置。
(項目18)
シートに記録を行う記録手段と、
前記記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動するモータと、を備えた記録装置の制御方法であって、
前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行することと、
前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定することと、
を含む、
ことを特徴とする制御方法。
(項目19)
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動するモータと、
前記モータの回転を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能であり、
前記制御手段は、前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定する、
ことを特徴とする搬送装置。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:記録装置、5:搬送部、6:搬送モータ、7:記録部、802:制御部
搬送部5は、搬送ローラ51と、ピンチローラ52と、排出ローラ53と、拍車54、中間ローラ対3と、を含む。
次に、記録装置1のシートの搬送経路CPについて説明する。給送部2のピックアップローラ111により給送されたシートは、図7中の点線で示した搬送経路CPを通過し、まずは傾斜面部材121、Uターン部材131に案内され、中間ローラ対3まで搬送される。中間ローラ対3によってさらに搬送されたシートは、ピンチローラホルダ55とガイド部56により案内され、搬送ローラ51まで給送される。
図9は、搬送モータ6の制御構成を示す図である。本実施形態では、制御部802は、サーボ制御によって搬送モータ6を制御する。例えば制御部802は、記憶部803に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、目標位置生成部301、PID(Proportional-Integral-Differential)演算部302、PWM(Pulse Width Modulation)生成部303、速度情報算出部304及び位置情報算出部305としての機能を実現する。或いは、各部として機能する専用の回路が設けられてもよい。また、図で示すサーボ制御は、あくまでも一例であり、他の制御形態でも構わない。
S104において、制御部802は、次の記録部7による次の記録を行うかどうかを判断する。ここでの次の記録は、S103において1パス分の記録を行ったシートを所定量送った後にさらに行う1パス分の記録を指す。制御部802は、次のパスに対して記録を行う場合はS105に進み、そうでない場合はS107に進む。例えば制御部802は、シートの記録領域の全体にわたって記録が行われた場合にS107に進む。
S107において、制御部802は、排出動作を行う。制御部802は、搬送モータ6により排出ローラ53を駆動して記録後のシートを排出トレイ81へと排出する。その後、制御部802は、記録動作を終了する。なお、図10は1枚のシートに対する記録動作が示されているが、制御部802は記録ジョブに含まれる全ページの記録が完了するまで本フローチャートを繰り返す。
<1.3.2.搬送制御の処理例>
図12は、搬送制御における制御部802の処理例を示すフローチャートである。本実施形態では、図のサーボ制御によって一定の周期毎に搬送モータ6を制御することで、シート201の搬送制御を行う。また、本実施形態では、搬送制御は、シート201を所定距離搬送する送り制御と、シートを目標位置で停止させてその位置で保持する保持制御とを含むものとする。すなわち、制御部802は、送り制御及び保持制御を実行可能である。また、本フローチャートは、一枚のシート201に対して記録ヘッド71による記録が終了するまでの流れを示している。
送り制御における搬送動作は、搬送モータ6が搬送部5の各搬送ローラを加速させる加速区間、搬送モータ6を一定速度で回転させる定速区間、搬送モータ6を減速させる減速区間に分けられる。なお、図13(a)及び図13(b)には、送り制御の減速区間及び保持制御について示されている。また、送り制御時の搬送モータ6のPWM値は、搬送モータ6の実際の回転位置又は回転速度が指令の回転位置又は回転速度に添うように、図のPID演算部302で演算され、PWM生成部303にて生成される。
そこで、本実施形態では、送り制御の終端部において搬送モータ6を指令速度で回転させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
S503で、制御部802は、保持サーボ制御の終了条件を満たしたか否かを判定し、満たした場合は処理を終了し、そうでない場合はS504に進む。本実施形態では、下記の条件A、条件B、条件Cの3つの条件のうち、いずれかの条件が満たされた場合に、保持制御の終了条件が満たされたと判定される。
次の送り制御の指示を受けた場合 (条件A)
現在のモータの位置と目標停止位置との差が閾値th_p以上の場合 (条件B)
保持制御の連続動作時間が閾値th_k以上の場合 (条件C)
以下、各条件について説明する。
S509において、制御部802は、保持制御の終了条件を満たしたか否かを判定し、終了条件を満たしている場合は処理を終了し、そうでない場合はS508に戻る。本ステップでの処理は、S503と同様である。また、S508~S509により、終了条件が満たされるまで搬送モータ6の位置が更新後の目標停止位置pos_tで保持される。
<1.4.連続給送動作における保持制御時の初期PWM値Piの適用>
上述した保持制御における初期PWM値Piは、連続給送動作において適用され得る。本実施形態における連続給送動作は、記録中のシート(以下、シートS1と表記することがある)の搬送動作と、次のシート(以下、シートS2と表記することがある)の搬送(給送)動作を並行して行う動作を指す。この連続給送動作により、シートS1の記録動作の終了後に速やかにシートS2の記録動作に移行することができるので、複数のシートに対しての記録に必要な時間を短縮することができる。
<1.4.1.連続給送動作における制御部の処理例>
図17は、記録装置1における連続給送動作を示すフローチャートであって、図10のS105の具体的な処理例を示している。
28に、給送駆動テーブルの一例を示す。ここで、テーブル1は、連続給送動作を行わない場合や、連続給送動作を行う場合であってシートS2の先端位置が所定の領域A1外の場合に用いるテーブルである。また、テーブル2は、連続給送動作を行う場合であってシートS2の先端位置が所定の領域A1にある場合に用いるテーブルである。制御部802は、給送駆動テーブルを、テーブル1からテーブル2に変更する。テーブル2は、搬送モータ6の定速回転時の回転速度はテーブル1と同じであるが、加速度はテーブル1よりも小さく設定されている。つまり、制御部802は、シートS2の先端が所定の領域A1に位置している場合に、そうでない場合よりも搬送モータ6の加速度が小さくなるように、搬送モータ6の駆動制御を切り替える。
そこで、本実施形態では、これらの現象を有する負荷の高い搬送領域Aでの送り制御終端部において搬送モータ6を指令速度で回転させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
そこで、本実施形態では以下のようにPWM値を調整する。すなわち、送り制御の終端領域に関わる減速領域において、目標速度と実際の速度の速度差Vdが所定値より大きくなった場合には、急激な負荷の解消が発生してPWM値が過剰になったと判断し、PWM値を一定値Pc減算させる処理を行う(調整制御ON)。すなわち、速度差Vdが所定値より大きくなった場合には、速度差Vdが所定値以下の場合よりも搬送モータ6の出力値を小さくする。これにより、減速領域で負荷が抜ける変動が発生した時でも、適切に保持制御に移行することが可能となる。以下、具体的な処理例について説明する。
搬送経路が反転搬送経路等の曲線状の経路を含む場合、そのような経路を含まない場合と比較して搬送ローラ等の搬送用部材に生じる外力が大きくなる傾向にある。そのため、前面給紙では、後方給紙よりも後続紙の給紙負荷が大きく駆動部の捻れが大きくなるため、初期PWM値が大きくなりやすい。そこで、Pia<Pibとすることで、搬送ローラ等の搬送用部材に生じる外力に応じて初期PWM値を適切に設定することができる。
一方、S2101からS2113に進んだ場合、制御部802は、回復制御を実行する。例えば制御部802は、吸引処理を実行する。このとき、搬送/回復用モータ822は、回復部818に含まれる吸引ポンプを駆動する。
給送ローラ22と圧板24の間隙に複数のシートを積載した後、サイドガイド25a、25bを移動させてサイドガイド25a、25bの規制面251a、251bがシートの幅方向側方を規制するようにシートの幅に合わせる。これにより、積載されたシートはシート搬送方向と直交する方向(シート幅方向)への移動が規制され、所定幅範囲の任意のシート幅に適応することができ、幅の異なるシートを安定して給送することができる。
そこで、本実施形態では、送り制御の終端部において搬送モータ6を指令速度で回転させるのに必要なPWM値を元に、保持制御の開始時のPWM値を調整する。これにより、搬送モータ6のPWM値を、そのときの外力に応じた適切なPWM値に近づけることで、モータの逆回転や過剰に正回転してしまうことを抑制することができる。
また、この欠歯歯車31cと中間ギア35の接触領域以外において、送り制御終端におけるPWM値が低く、PWM値Ptから一定値を減算した値が0を下回った場合は、保持制御における搬送モータ6の出力値をゼロとして処理し、同じ制御を実行してもよい。この欠歯歯車31cと中間ギア35の接触領域以外において、減算する一定値Pdは、第一のより低い第二の値Pd2を使用してもよい。
また、この欠歯歯車31cと中間ギア35の接触領域以外(すなわち相対的に搬送モータ6に加わる外力が小さい場合)においては、PWM値Ptに基づく初期PWM値Piの適用を実行しなくてもよい。
例えば、制御部802は、複数のシートに対して記録を行う際に、図28のテーブル2に従って搬送モータ6の駆動制御を行った際のPWM値を、複数回分(例えば1~3回分)確認する。そして、制御部802は、確認したPWM値の最大値が閾値以下である場合には、シートS2が所定の領域A1にある場合の搬送モータ6の加速度をa3(a2<a3<a1)に変更してもよい。これにより、搬送モータ6の負荷に対する余力に応じて適切に搬送モータ6の駆動制御を切り替えることができる。また、加速度の異なる複数のテーブルをさらに用意しておき、確認したPWM値に応じてテーブルを選択してもよい。

Claims (19)

  1. シートに記録を行う記録手段と、
    前記記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段を駆動するモータと、
    前記モータの回転を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能であり、
    前記制御手段は、前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定する、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記搬送手段は、前記モータが第1の回転方向に回転することでシートを搬送方向下流側に搬送し、
    前記第1の出力値は、前記第2の出力値よりも小さく、かつ、前記モータが前記第1の回転方向に回転する方向の出力値である、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記第1の出力値は、前記第2の出力値から第1の所定値を引いた値である、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記第1の出力値は、前記第2の出力値を第2の所定値で割った値である、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記保持制御の実行中に前記モータの回転速度に基づいて、前記モータを停止させる際の目標位置を現在の位置に更新する、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記搬送手段がシートを所定距離搬送するように前記モータの回転を制御する送り制御を実行可能であり、
    前記第2の出力値は、前記送り制御が終了する際の前記モータの出力値である、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項6に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記送り制御の終了後、次回の前記送り制御の開始までの期間、前記保持制御を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記搬送手段は、
    搬送経路に設けられ、シートを前記記録手段の記録位置へと搬送する第1のローラと、
    前記搬送経路において前記第1のローラよりも上流側に設けられ、シートを搬送する第2のローラと、
    を含み、
    前記モータは、前記第1のローラ及び前記第2のローラを駆動する、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置であって、
    前記モータから前記第2のローラへ駆動力が伝達される伝達状態及び前記モータから前記第2のローラへ駆動力が伝達されない非伝達状態との間で切り替え可能な切替手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記切替手段が前記伝達状態である場合に、前記第2の出力値に応じて前記第1の出力値を決定する、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項8に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記搬送手段がシートを所定距離搬送するように前記モータの回転を制御する送り制御を実行可能であり、
    前記制御手段は、前記送り制御として前記第1のローラにより第1のシートを搬送することと並行して、前記第1のシートに後続する第2のシートを前記第2のローラにより搬送する搬送動作を実行可能である、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記搬送動作の実行中であって前記送り制御におけるモータの減速区間において、前記モータの目標の回転速度と実際の回転速度の差が所定値より大きくなった場合には、前記差が所定値以下の場合よりも前記モータの出力値を小さくする、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 請求項10に記載の記録装置であって、
    前記搬送経路において、前記第2のローラと前記第1のローラとの間に曲線状の区間を形成する経路形成部材をさらに備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  13. 請求項12に記載の記録装置であって、
    前記曲線状の区間は、シートの進行方向を反転させる反転経路を形成する区間である、
    ことを特徴とする記録装置。
  14. 請求項12に記載の記録装置であって、
    シートを積載する積載部をさらに備え、
    前記第2のローラは、前記積載部に積載されたシートを前記搬送経路へと搬送するピックアップローラであり、
    前記経路形成部材は、前記積載部に積載された最上面のシートを他のシートと分離する分離部を含み、
    前記分離部は、前記搬送経路に傾斜面を形成する傾斜面部材と、前記傾斜面に沿って搬送されるシートの先端を引っ掛け可能な突起部と、を含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  15. 請求項1に記載の記録装置であって、
    シートを積載する第1の積載部と、
    シートを積載する第2の積載部と、をさらに備え、
    前記制御手段は、シートが前記第1の積載部から搬送経路に搬送される場合と、シートが前記第2の積載部から搬送経路に搬送される場合とで、前記第2の出力値に応じた前記第1の出力値の決定方法を変更する、
    ことを特徴とする記録装置。
  16. 請求項15に記載の記録装置であって、
    前記第1の積載部から前記記録手段による記録位置までの搬送経路、及び前記第2の積載部から前記記録位置までの搬送経路の少なくとも一方が、シートの進行方向を反転させる反転経路を含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  17. 請求項1に記載の記録装置であって、サーボ制御によって前記モータを制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  18. シートに記録を行う記録手段と、
    前記記録手段による記録位置にシートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段を駆動するモータと、を備えた記録装置の制御方法であって、
    前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行することと、
    前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定することと、
    を含む、
    ことを特徴とする制御方法。
  19. シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段を駆動するモータと、
    前記モータの回転を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記モータを停止位置で保持する保持制御を実行可能であり、
    前記制御手段は、前記保持制御における前記モータの出力値である第1の出力値を、前記停止位置で停止する前の前記モータの出力値である第2の出力値に応じて決定する、
    ことを特徴とする搬送装置。
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