JP2024062276A - 樹脂組成物、キャップ及びキャップ付容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明によれば、溶融して成型する際の加工不良又は成形不良を生じにくい樹脂組成物を提供すること。【解決手段】樹脂成分としてポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を含み、示差熱走査熱量測定の一次昇温曲線において、JISK7121:2012で定義される補外融解終了温度Temと補外融解開始温度Timとの差(Tem-Tim)が47.0℃よりも小さい、樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、キャップ、及びキャップ付容器に関する。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を含む成形品が知られている。そのような成形品としては、例えば、調味料などの内容物を収容するプラスチック容器が挙げられ、従来、ボトルと、ボトルの口部に装着されるキャップとを備えるものがある。
例えば下記特許文献1には、容器本体と、容器本体の口部に装着される中栓と、中栓に開閉可能に装着される外キャップとを備え、外キャップが直鎖状低密度ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂からなる容器が開示されている。
特開2021-160729号公報
ここで、熱可塑性樹脂を含む成形品は、例えば、射出成型した時に金型の樹脂注入口において樹脂残り(ゲート残り)を生じるなどの加工不良又は成形不良を生じる場合がある。そのため、溶融して成型する際の加工不良又は成形不良を生じにくい樹脂組成物が依然として求められている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、溶融して成型する際の加工不良又は成形不良を生じにくい樹脂組成物、そのような樹脂組成物を含むキャップ及びキャップ付容器を提供することを目的とする。
本発明は、以下の実施形態を含む。
[1]
樹脂成分としてポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を含み、示差熱走査熱量測定の一次昇温曲線において、JISK7121:2012で定義される、ポリプロピレン樹脂由来の補外融解終了温度Temとポリエチレン樹脂由来の補外融解開始温度Timとの差(Tem-Tim)が47.0℃よりも小さい、樹脂組成物。
[2]
前記補外融解開始温度Timが123.0℃以上である、[1]の樹脂組成物。
[3]
補外融解終了温度Temと補外融解開始温度Timの差(Tem―Tim)が、40℃より大きい、[1]又は[2]の樹脂組成物。
[4]
前記ポリエチレン樹脂は、バイオマス資源に由来するポリエチレン樹脂を含む、[1]~[3]のいずれか一つの樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれか一つの樹脂組成物を含む、キャップ。
[6]
[5]のキャップと、当該キャップが取り付けられた樹脂製の容器と、を含むキャップ付容器。
[7]
前記容器がバイオマス資源に由来するポリエチレンテレフタレート樹脂を含む、[6]のキャップ付容器。
本発明によれば、溶融して成型する際の加工不良又は成形不良を生じにくい樹脂組成物、そのような樹脂組成物を含むキャップ及びキャップ付容器を提供することができる。
図1は、実施例1の試料のDSC曲線を示す図である。 図2は、比較例1の試料のDSC曲線を示す図である。 図3は、比較例2の試料のDSC曲線を示す図である。 図4は、本発明のプラスチック容器(キャップ付容器)の一実施形態を、部分的に切断面の端面で示す概略正面図である。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂成分としてポリプロピレン樹脂(PE)及びポリエチレン樹脂(PP)を含み、示差熱走査熱量測定(DSC)の一次昇温曲線において、JISK7121:2012で定義される、ポリプロピレン樹脂由来の補外融解終了温度Temとポリエチレン樹脂由来の補外融解開始温度Timとの差(Tem-Tim)が47.0℃よりも小さいものである。このような樹脂組成物は、溶融して成型する際の加工不良又は成形不良を生じにくい。
上述の差(Tem-Tim)は、46.8℃以下、46.7℃以下、又は46.6℃以下であってよい。差(Tem-Tim)は、40℃以上、42℃以上、43℃以上又は45℃以上であってよい。
ここで、補外融解終了温度Tem及び補外融解開始温度Timは、JISK7121:2012で定義されるものである。すなわち、補外融解開始温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度とし、補外融解終了温度は、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、融解ピークの高温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度とする。
DSC曲線において複数のポリプロピレン樹脂の融解ピークが観測される場合、上記差の計算には、0.6W/g以上のピーク高さを有するポリプロピレン樹脂のピークのうち補外融解終了温度が最も高いものを使用する。また、DSC曲線において複数のポリエチレン樹脂の融解ピークが観測される場合、上記差の計算には、0.6W/g以上のピーク高さを有するポリエチレン樹脂のピークのうち補外融解終了温度が最も小さいものを使用する。なお、本明細書において、融解ピークのピーク面積及びピーク高さは、樹脂組成物(単一の樹脂である場合はその樹脂)の質量当たりの値である。
補外融解開始温度は、123.0℃以上であってよく、123.0~140℃であってよく、123.3~135℃であってよく、123.5~130℃であってよく、123.5~125℃であってよい。
補外融解終了温度は、180℃以下であってよく、165~175℃であってよく、168~173℃であってよい。
ポリエチレン樹脂の融解ピークのピーク位置は、129.5℃以上であってよい。ポリエチレン樹脂の融解ピークのピーク位置は、140℃以下であってよく、135℃以下であってよく、132℃以下であってよい。
ポリプロピレン樹脂の融解ピークのピーク位置は、160~175℃であってよく、163~173℃であってよく、165~170℃であってよく、166~168℃であってよい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれるポリエチレン樹脂の構造は特に限定なく、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖上低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)等のいずれであってもよく、それらの混合物でも良い。平均分子量やその指標となるMFR(メルトフロレート)、固有粘度、そして分子量分布などのポリマー性状も特に限定は無いが、実用上、適したものが良い。
樹脂組成物は、HDPE樹脂を含んでいてもよい。本明細書において、HDPE樹脂とは、JIS K6748:1995において定義される密度が0.942g/cm以上のポリエチレン樹脂を意味する。HDPE樹脂は、エチレンの単独重合体及びエチレンとオレフィン化合物との共重合体のいずれであってもよい。HDPE樹脂の密度は、0.948~0.970g/cmであってよく、0.952~0.965g/cmであってよい。HDPE樹脂の密度は、ASTM D 792若しくはJIS K6922-1若しくは2の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
190℃、2.16kgにおけるPE樹脂のメルトフローレート(MRF)は、25g/10min以下であってよく、15g/10min以下であってよく、10g/10min以下であってよい。また、190℃、2.16kgにおけるPE樹脂のメルトフローレート(MRF)は、1~15g/10minであってよく、2~10g/10minであってよく、3~10g/10minであってよい。PE樹脂のMRFは、ASTM D1238若しくはJIS K6922-2の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂の曲げ弾性率は1000Mpa以上であってよく、1100Mpa以上であってよく、1200MPa以上であってよい。PE樹脂の曲げ弾性率は1000~1800Mpaであってよく、1200~1500Mpaであってよく、1300~1500MPaであってよい。PE樹脂の曲げ弾性率は、ASTM D2240若しくはJIS K6922-2の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂の降伏点伸びは、20%以下であってよく、3~15%であってよく、5~10%であってよい。PE樹脂の降伏点強度は、5~50MPaであってよく、15~35MPaであってよい。PE樹脂の降伏点伸び及び降伏点強度は、ASTM D638の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂のショアD硬度は、50以上であってよく、55~80であってよく、58~75であってよい。PE樹脂のショアD硬度は、ASTM D2240若しくはJIS K 7215の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂のアイゾッド衝撃強さは、10J/m以上であってよく、10~60J/mであってよく、15~50J/mであってよく、25~40J/mであってよい。PE樹脂のアイゾッド衝撃強さは、ASTM D256の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂の0.455MPaでの荷重たわみ温度は、55℃以上、60~80℃、又は65~75℃であってよい。PE樹脂の0.455MPaでの荷重たわみ温度は、ASTM D648の試験法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
PE樹脂のビカット軟化温度は、110℃以上、115~130℃、又は120~128℃であってよい。PE樹脂のビカット軟化温度は、ASTM D1525若しくはJIS K7206の方法又はそれに準拠した方法により測定することができる。
樹脂組成物に含まれるPE樹脂は、バイオマス資源に由来するPE樹脂(バイオマスポリエチレン樹脂)を含んでいてもよい。バイオマス由来のPE樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂のいずれであってもよく、高密度ポリエチレン樹脂であってよい。PE樹脂がバイオマス由来のPE樹脂を含む場合、化石燃料由来のPE樹脂の使用量が減少するため、環境負荷を低減することができる。
バイオマスポリエチレン樹脂としては、植物由来のバイオマスポリエチレン樹脂が挙げられる。植物由来とは、植物を発酵させて得られたアルコールを原料として合成されたエチレンを重合して得られたポリエチレン樹脂を意味する。すなわち、植物由来のバイオマスポリエチレン樹脂は、植物由来の炭素を含むことを意味する。原材料の植物としては、特に限定するものではないがトウモロコシ、サトウキビ、ビート、マニオク、キャッサバなどが例示できる。
バイオマスポリエチレン樹脂である高密度ポリエチレン樹脂としては、SHA7260(Braskem社製、バイオマス度:94.5%、密度:0.955g/cm、MFR:20g/10分、曲げ弾性率:1250MPa、アイゾッド衝撃強さ:20J/m)、SHC7260(Braskem社製、バイオマス度:94%、密度:0.959g/cm、MFR:7.2g/10分、曲げ弾性率:1365MPa、アイゾッド衝撃強さ:35J/m)等が挙げられる。バイオマスポリエチレン樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、SLL318(Braskem社製、バイオマス度:87%、密度:0.918g/cm、MFR:2.7g/10分)等が挙げられる。バイオマスポリエチレン樹脂である低密度ポリエチレン樹脂としては、SBC818(Braskem社製、バイオマス度:95%、密度:0.918g/cm、MFR:8.3g/10分)等が挙げられる。なお、樹脂のバイオマス度は、ASTM D6866の方法により測定することができる。
樹脂組成物におけるPE樹脂の含有量は、樹脂組成物の総量に対して5~40質量%であってよく、10~30質量%であってよく、15~25質量%であってよい。
樹脂組成物におけるバイオマスポリエチレン樹脂の含有量は、樹脂組成物の総量に対して5~40質量%であってよく、10~30質量%であってよく、15~25質量%であってよい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれるPP樹脂としては、特に限定なく、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等のいずれであってもよく、それらの混合物でも構わない。立体規則構造もアイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックであり、それらの混合物でも良い。平均分子量やその指標となるMFR(メルトフロレート)、固有粘度、そして分子量分布などのポリマー性状も特に限定は無いが、実用上、適したものが良い。本実施形態のポリプロピレン樹脂は、2種以上のポリプロピレン樹脂を含んでいてよく、ブロックポリプロピレン及びホモポリプロピレンを含んでいてもよい。
(ブロックポリプロピレン)
ブロックポリプロピレンは、ホモポリプロピレン中にゴム成分であるエチレンプロピレンゴム(EPR)を分散させてなるものが好ましく用いられる。この場合、樹脂組成物から形成される樹脂製品の耐衝撃性を向上させることができる。
ブロックポリプロピレンは化石燃料由来のブロックポリプロピレン、植物由来のブロックポリプロピレン、又はこれらの混合物であってもよい。
樹脂組成物に含まれる樹脂中のブロックポリプロピレンの含有率は45質量%より大きければ特に制限されるものではないが、48質量%以上であることがより好ましい。この場合、樹脂組成物に含まれる樹脂中のブロックポリプロピレンの含有率が45質量%以下である場合に比べて、低温での落下による外キャップの割れをより抑制できる。
樹脂組成物に含まれる樹脂中のブロックポリプロピレンの含有率は70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。この場合、樹脂組成物に含まれる樹脂中のブロックポリプロピレンの含有率が70質量%を超える場合に比べて、樹脂組成物から形成される樹脂製品の保管時の変形をより抑制することができる傾向がある。
(ホモポリプロピレン)
上記樹脂は、さらにホモポリプロピレンを含んでもよい。ホモポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体である。ホモポリプロピレンは化石燃料由来のホモポリプロピレン、植物由来のホモポリプロピレン、又はこれらの混合物であってもよい。
樹脂組成物に含まれる樹脂中のホモポリプロピレンの含有率は特に制限されるものではないが、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。この場合、樹脂組成物に含まれる樹脂中のホモポリプロピレンの含有率が25質量%未満である場合に比べて、当該樹脂組成物から形成された樹脂製品の保管時の変形をより抑制することができる傾向がある。
樹脂組成物におけるポリプロピレン樹脂の含有量は、樹脂組成物の総量に対して60~95質量%であってよく、65~90質量%であってよく、70~85質量%であってよく、75~80質量%であってよい。
また、樹脂組成物におけるポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂の含有量の合計は、樹脂組成物の総量に対して80質量%以上であってよく、85質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、95質量%以上であってよい。
樹脂組成物は、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
樹脂組成物の用途としては特に限定されないが、キャップ等のプラスチック製品を形成するために使用することができる。キャップは、容器(包装容器等)の口部に取り付け可能なキャップであってよく、打栓式キャップ、及びスクリュー式キャップのいずれであってもよい。また、本実施形態の樹脂組成物から形成されたキャップは、機械的強度に優れるため、外キャップを形成するために使用してもよい。
本実施形態のキャップを装着する容器としては、特に限定されないが、樹脂製、ガラス製等であってよく、樹脂製の容器であってよい。つまり、本実施形態のキャップ付容器は、容器と、当該容器の口部に打栓されたキャップを有していてよい。容器に含まれる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられる。樹脂は、機械強度などの点から、PETを含むことが好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレート樹脂であってよく、バイオマス由来のものと石油由来のものを併用してもよい。
PETとしては、化石燃料由来のPET、及び、植物由来のPETが挙げられる。PETが植物由来のPETを含む場合、ボトルの機械的強度の低下及び外観の劣化を抑制することができる。PETが植物由来のPETを含む場合、化石燃料由来のPETの使用量が減少するため、環境負荷を低減することができる。
図4は、本発明のキャップ付容器の一実施形態を、部分的に切断面の端面で示す概略正面図である。図4においては、内キャップ及び外キャップについてのみ切断面の端面で示されている。
図4に示すように、本開示のプラスチック容器(キャップ付容器)100は、内容物(図示せず)を収容するボトル10と、ボトル10の口部11に装着され、開口20aを有する内キャップ20と、内キャップ20に着脱可能に装着され、内キャップ20の開口20aを塞ぐ外キャップ30とを備える。容器に収容される内容物としては、ドレッシング等の液状の調味料、飲料等が挙げられる。
ボトル10は、例えば筒状の胴部12と、胴部12の一端側に設けられる筒状の口部11と、胴部12の他端に設けられる底部13とを備える。
胴部12の一端と口部11とは肩部14によって連結されている。口部11は、内容物を胴部12に収容し且つ胴部12から内容物を注出する流通経路を形成している。また口部11の外周面には、内キャップ20を受け止める受止めフランジ15が設けられてもよい。
内キャップ20は、ボトル10の口部11に装着されるものである。内キャップ20は、例えばボトル10の口部11に対して打栓式で装着される。
内キャップ20は、例えば、ボトル10の口部11に固定される筒状の基部21と、内容物を注出する開口20aが形成された筒状の注出部22と、基部21と注出部22との間に設けられ、外キャップ30を固定する中間部23とを備える。
中間部23の外周面には、例えば外キャップ30と噛み合うねじ構造(図示せず)が形成されていてもよい。ねじ構造は、例えば筒状の中間部の延び方向に沿って突出部を螺旋状に形成したものである。
そして、外キャップ30は、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を含む樹脂を含有する本実施形態の樹脂組成物形成される。
内キャップは、内キャップ形成用樹脂組成物から形成されてよい。内キャップ形成用樹脂組成物としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を含むものが好ましく、ポリエチレン樹脂を含むものが好ましい。ポリエチレン樹脂としては、上述の樹脂組成物に含まれるポリエチレン樹脂として例示したものが挙げられる。
外キャップ30は、内キャップ20に着脱可能に装着され、内キャップ20の開口20aを塞ぐものである。外キャップ30は、筒状の側壁部31と、側壁部31の一端に設けられるドーム状の天井部32と、天井部32の内壁面から延びる筒状の突出部33と、突出部33の内側で天井部32の内壁面から延びる筒状の封止部34とを有している。
ここで、封止部34は、内キャップ20の注出部22の開口20a内に嵌合している。このため、天井部32の内壁面から延びる封止部34が注出部22の開口20aに収容されることで、内容物が注出部22から漏れ出ることが抑制される。
<キャップの作製>
以下の(A)~(C)の成分を、表1に示す含有率(単位:質量%)となるように混合して混合物を得た後、この混合物を、射出成型機を用いて240℃で20秒間溶融混練し、外キャップ用樹脂組成物を調製した。なお、表1に原料として用いた各樹脂の単独での融解エンタルピー(ΔH)を示す。
(A)ホモポリプロピレン(ホモPP)
ロッテケミカル株式会社製、商品名「J160H」
(B)ブロックポリプロピレン
・ブロックポリプロピレン1(ブロックPP1)
サンアロマー株式会社製、商品名「PM761A」、MI:9.5g/10min、曲げ弾性率:1050MPa
・ブロックポリプロピレン2(ブロックPP2)
サンアロマー株式会社製、商品名「PM970A」、MI:30g/10min、曲げ弾性率:1260MPa
(C)高密度ポリエチレン
・植物由来の高密度ポリエチレン1(バイオPE1)
Braskem社製、商品名「SHA7260」、バイオマス度:94%、MI:20g/10min、密度:0.955g/cm,曲げ弾性率:1.250MPa、アイゾット衝撃強度:29kJ/m
・植物由来の高密度ポリエチレン2(バイオPE2)
Braskem社製、商品名「SHC7260」、バイオマス度:94%、MI:7.2g/10min、密度:0.959g/cm,曲げ弾性率:1.365MPa、アイゾット衝撃強度:35kJ/m
Figure 2024062276000002
<内キャップの作製>
下記の直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して下記クリーム色の着色材マスターバッチ(MB)を4質量部配合して混合物を得た後、この混合物を、射出成形機を用いて200℃で20秒溶融混練し、内キャップ用樹脂組成物を調製した。
・直鎖状低密度ポリエチレン
ロッテケミカル株式会社製、商品名「UL814」
・クリーム色の着色材MB
東洋インキ株式会社製、品番「TET29780」、ベース材(直鎖状低密度ポリエチレン):顔料(酸化チタン他)=95:5
上記のようにして得られた内キャップ用樹脂組成物を、上記と同様の射出成形装置に投入し、内キャップ用の金型を用いて、200℃、20秒の条件で射出成形を行い、内キャップを得た。なお、内キャップは、筒状の基部(内径32mm、外径35mm、長さ9mm)と、筒状の注出部(内径7mm、外径10mm、長さ10mm)と、基部21と注出部22との間に設けられる筒状の中間部(内径24mm、外径27mm、長さ7mm)とを有し、中間部の外周面には、中間部の延び方向に沿って螺旋状に突出部を形成した。こうして内キャップを作製した。
<ボトルの作製>
下記のPET100質量部に対して下記緑色着色材マスターバッチ(MB)を5質量部配合して混合物を得た後、この混合物を、延伸ブロー成形機を用いて270℃で30秒間溶融混練し、ボトル用樹脂組成物を調製した。
・PET
南亜プラスチック社製、商品名「3802」
・緑着色材MB
大日精化工業株式会社製、商品名「PT-RM-SAB 16C2125 TGN」
上記のようにして得られたボトル用樹脂組成物を、延伸ブロー成形装置(日精エーエスビー機械株式会社製、機種名「PF8-4B機」)に投入し、ボトル用の金型を用いて、270℃、30秒の条件で射出成形を行い、図4に示すボトルを得た。なお、ボトルは、筒状の胴部(内径63mm、外径64mm、長さ134mm)と、胴部の一端側に設けられる筒状の口部(内径28mm、外径30mm、長さ18mm)と、胴部の他端に設けられる底部と、胴部の一端と口部とを連結する肩部14が形成されるように成形した。
こうしてボトルを作製した。
<プラスチック容器の作製>
以上のようにして得られた実施例1~3及び比較例1~2の外キャップ、上記内キャップ及び上記ボトルを用いてプラスチック容器を作製した。具体的には、ボトルに対し、口部から内容物としてドレッシングを注入した。次に、ボトルの口部に内キャップを打栓して装着した後、外キャップを内キャップに被せ、ボトルの胴部の延び方向に沿って外キャップを回転させて外キャップを内キャップに装着した。こうして、内容物入りのプラスチック容器を得た。
上記のようにして得られたキャップ用樹脂組成物を、射出成形装置(ファナック株式会社製、製品名「α―S150iA」)に投入し、キャップ用の金型を用いて、240℃、20秒の条件で射出成形を行い、図4に示すドーム状のキャップを得た。なお、キャップは、筒状の側壁部(内径50mm、外径53mm、長さ41mm)と、湾曲形状の天井部とを有し、天井部の内壁面には筒状の突出部(内径28mm、外径29mm、長さ15mm)が形成されるようにした。なお、突出部の内壁面には、突出部の延び方向に沿って螺旋状の溝を形成した。以上のようにしてキャップを作製した。
<低温落下耐性>
<評価>
(1)低温での落下による割れ
上記のようにして得られた内容物入りのプラスチック容器16本用意し、これらを、5℃に設定した冷蔵庫に24時間入れた後に取り出して、コンクリートからなる床材の表面から1mの高さより、外キャップを床材の表面に向けて落下させた。
そして、外キャップにおける割れの有無を目視にて検査した。結果を表1に示す。なお、表1において、結果は、検査を行ったプラスチック容器の全本数を「検査数」とし、外キャップに割れが見られたプラスチック容器の本数を「異常数」とした場合に、「異常数/検査数」で表示した。
<変形強度(横圧縮強度(常温)N>
試験機として島津製作所製オートグラフAGS-X 5KNを用い、キャップを横にした状態で、圧縮スピード10mm/分、歪量1mmの条件で、横圧縮強度の測定を行った。結果を表2に示す。なお、各サンプルN=4評価を行い、表には平均値を記載している。
<ゲート残り評価方法>
キャップ天面中央のゲート部(金型の樹脂注入口)において、樹脂残り(ゲート残り)があるかどうかを目視確認した。結果を表2に示す。
Figure 2024062276000003
<転移温度の評価方法>
外キャップについて、示差走査熱量分析装置(DSC装置)による転移温度の評価を行った。
各外キャップについて、清浄な工業用剃刀を用い、外キャップの頂点ないし側面部分を切り出した。
次に、前記で切り出した各試料について、DSC測定を行った。
DSC測定は試料の熱履歴を反映させるため、一次昇温測定を行った。
以下にDSC装置と測定条件を示す。
<装置>
示差走査熱量分析装置(DSC装置):入力補償型DSC8500(株式会社パーキンエルマージャパン製)
<測定条件>
・試料容器:アルミニウム製開放容器
・試料重量:約10mg
・パージガス:窒素
・パージガス流量:20mL/min
・温度プログラム:表3参照
・リファレンス:空試料容器
Figure 2024062276000004
得られたDSC曲線より、溶融温度範囲を現わす値として、融解温度を求めた。融解温度は、JISK7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法を参考にし、装置付属解析ソフトを用い、下記のように算出した。結果を表4に示す。
すなわち、予め試料を充填する前の空試料容器について、表3の温度プログラムで測定を行い、空試料容器のDSC曲線を得た。
次に、上記試料容器に測定試料を充填し、表3の温度プログラムで測定を行い得られたDSC曲線から、空試料容器のDSC曲線を減算し、試料のDSC曲線を得た。
次に、28℃~180℃の間で直線ベースラインを引き、補外融解開始温度(Tim)、融解ピーク温度(Tpm)、補外融解終了温度(Tem)を求めた。結果を表4に示す。
図1~3にそれぞれ、実施例1、比較例1及び比較例2のDSC曲線を示す。図1~3には、DSC曲線を微分した微分DSC曲線(DDSC曲線)も示している。
Figure 2024062276000005
差(Tem-Tim)について実施例1の外キャップは比較例2のものよりも小さく、成型加工時の不良(ゲート残り)のほか、低温落下耐性及び変形強度を改善することができた。また、ゲート残り、低温落下耐性及び変形強度の結果について、実施例1の外キャップはポリプロピレン樹脂のみを含む比較例1と同等であった。
この理由として、本発明者は以下のように考えている。まず、一般に、融解ピークが複数あるものは単一ピークのものよりゲート残り発生しやすいことが知られている。融解ピークの開始温度未満の温度では材料がほぼ完全に固化していると推定される。融解ピークの終了温度をこえる温度では、材料がほぼ完全に溶融していると推定される。ゲート残りを防ぐには、樹脂組成物全体が完全溶融状態から完全固化するまでの温度範囲が狭いほうが望ましいと考えられる。そのため、完全溶融状態から完全固化するまでの温度範囲を一定以下に保つことで、比較例1と同等の加工適性を付与することができると考えられる(つまり、ゲート残りが発生しにくい。)。また、実施例1の外キャップは、ポリプロピレン樹脂の一部をポリエチレン樹脂に置換しても同等の性能を有する。ポリエチレン樹脂はバイオマス資源由来の樹脂が容易に入手可能なことから、低コストで環境負荷の小さいプラスチック製品を提供することができる。また、加工適正向上により、成型時の樹脂の固化状態をキャップ内で均等にできるため、低温落下耐性、及び変形強度についても差(Tem-Tim)が小さいほうが良好にできると考えられる。
10…ボトル、11…口部、20…内キャップ、20a…開口、30…外キャップ、100…プラスチック容器。

Claims (7)

  1. 樹脂成分としてポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂を含み、
    示差熱走査熱量測定の一次昇温曲線において、JISK7121:2012で定義される、ポリプロピレン樹脂由来の補外融解終了温度Temとポリエチレン樹脂由来の補外融解開始温度Timとの差(Tem-Tim)が47.0℃よりも小さい、樹脂組成物。
  2. 前記補外融解開始温度Timが123.0℃以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 補外融解終了温度Temと補外融解開始温度Timの差(Tem―Tim)が、40℃より大きい、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ポリエチレン樹脂は、バイオマス資源に由来するポリエチレン樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含む、キャップ。
  6. 請求項5に記載のキャップと、当該キャップが取り付けられた樹脂製の容器と、を含むキャップ付容器。
  7. 前記容器がバイオマス資源に由来するポリエチレンテレフタレート樹脂を含む、請求項6に記載のキャップ付容器。

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