JP2023154927A - キャップ、容器、キャップ付き容器、及び収容物入り容器 - Google Patents

キャップ、容器、キャップ付き容器、及び収容物入り容器 Download PDF

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Abstract

Figure 2023154927000001
【課題】バイオマスプラスチック度を高めつつ、開栓トルクを維持することが可能なキャップを提供すること。
【解決手段】容器の口部に装着され、容器に収容される収容物を吐出する吐出口を有するポリオレフィン製の栓本体10と、吐出口に挿入される挿入部22を有し、挿入部22が吐出口の内周面14Aに密着して吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓20と、内栓20を保持し、内栓20とともに栓本体10に対して着脱可能に構成されるポリオレフィン製の上蓋30と、を備え、内栓20のバイオマスプラスチック度Biが上蓋30のバイオマスプラスチック度Boよりも低いキャップ50を提供する。
【選択図】図6

Description

本開示の一側面は、キャップ、容器、キャップ付き容器、及び収容物入り容器に関する。
樹脂製の容器に取り付ける樹脂製のキャップとしては、開封時までの密閉性を確保するとともに、強度及び取り扱い性を向上するために、中栓と外蓋のように、複数の部材で構成されるキャップが用いられている。例えば、特許文献1では、ポリオレフィン樹脂製の外キャップと、PET系樹脂製の中栓とを備える抜栓キャップが提案されている。
このような樹脂製のキャップ及び容器については、リサイクル又は分別処理によって資源の有効活用が図られている。最近では、環境負荷の低減及び二酸化炭素の排出量削減の観点から、バイオマス由来の原料を用いたポリエチレン等のプラスチックが開発されている。例えば、特許文献2では、植物由来のポリエチレンを含有する樹脂組成物が提案されている。特許文献3では、植物由来のエチレン系樹脂を含有する表面層を備える合成樹脂製ブロー成形多層容器が提案されている。
特開2021-160729号公報 特開2021-31563号公報 特開2015-134632号公報
カーボンニュートラルなキャップとするためには、バイオマス由来のプラスチックを用いて、バイオマスプラスチック度を高くことが望ましい。一方で、バイオマスプラスチック度を高くするためにプラスチック製のキャップの材質を変更すると、寸法精度及び特性等が変化することが懸念される。そこで、本開示は、バイオマスプラスチック度を高めつつ、開栓トルクを維持することが可能なキャップを提供することを目的とする。また、本開示は、そのようなキャップが取り付けられる容器、そのようなキャップを備えるキャップ付き容器及び収容物入り容器を提供することを目的とする。
複数の部材で構成される樹脂製のキャップの開栓トルクは、密着部分の摩擦力に依存する。本発明者が検討したところ、キャップの各部材のバイオマスプラスチック度を一律に高くすると、キャップ開封の際の開栓トルクが低くなることが分かった。この原因としては、バイオマス由来のプラスチックを配合すると、摺動する部材同士の摩擦力が低下することが考えられる。摩擦力が低下する理由としては、バイオマス由来のプラスチックを配合したこと、及び/又は、材料の配合を変えたことによって寸法精度が微妙に変動すること等が考えられる。
そこで、本開示の一側面は、容器の口部に装着され、容器に収容される収容物を吐出する吐出口を有するポリオレフィン製の栓本体と、吐出口に挿入される挿入部を有し、挿入部が吐出口の内周面に密着して吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓と、内栓を保持し、内栓とともに栓本体に対して着脱可能に構成されるポリオレフィン製の上蓋と、を備え、内栓のバイオマスプラスチック度Biが上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い、キャップを提供する。
上記キャップは、ポリオレフィン製の栓本体と内栓と上蓋とを備える。このように少なくとも3つの部材を備えるため、それぞれのバイオマスプラスチック度を柔軟に設定することができる。そして、上記キャップは、吐出口の内周面に密着して吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓のバイオマスプラスチック度Biが上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い。これによって、キャップを開栓する際の開栓トルクを高く維持することができる。このように上記キャップによれば、上蓋のバイオマスプラスチック度Boを高めつつ、キャップの開栓トルクを維持することができる。
上記キャップにおいて、栓本体に対して上蓋を着脱する際に、内栓の表面と、内栓を保持する保持部及び吐出口の内周面の少なくとも一方と、が互いに摺動してよい。上記キャップでは、内栓のバイオマスプラスチック度Biが上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低いため、摺動する際に内栓の表面に生じる摩擦力の低下を抑制することができる。したがって、キャップの開栓トルクを維持しながら、キャップ全体のバイオマスプラスチック度を向上することができる。例えば、栓本体に対して上蓋を着脱する際に、吐出口の内周面と、当該内周面に密着する挿入部の外周面と、が互いに摺動してよい。
上記キャップにおいて、栓本体に設けられた雄ネジと上蓋に設けられた雌ネジが螺合することによって、栓本体と上蓋とが互いに固定されてよい。これによって、上蓋や栓本体のバイオマスプラスチック度を高くしても、開栓トルクを維持することができる。
上記キャップにおいて、栓本体は容器の口部に打栓して装着されるものであり、栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低くてよい。これによって、栓本体の柔軟性を高くして、容器に栓本体を打栓する際に測定される打栓強度を低くすることができる。
上記キャップにおいて、上蓋のバイオマスプラスチック度Boが下記式(1)を満たしてよい。式(1)を満たすことによって、キャップ全体のバイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。
Bo>30% (1)
上記キャップにおいて、内栓のバイオマスプラスチック度Bi、及び栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、下記式(2)を満たしてよい。式(2)を満たすことによって、キャップの開栓トルクの変動を十分に抑制しつつ、容器に栓本体を打栓する際に測定される打栓強度を十分に低くすることができる。
10%>Bm≧Bi (2)
上記キャップにおいて、上蓋が、バイオマス由来のポリエチレンと、ブロックポリプロピレンと、を含み、栓本体が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含み、内栓が、高密度ポリエチレン樹脂を含んでよい。このようなキャップは、低い製造コストで製造可能であるうえに、シール性に優れる。また、このような上蓋は耐衝撃性に優れるため、落下しても割れ難く、耐久性に優れる。
上記キャップにおいて、内栓の質量に対する上蓋の質量の比が5以上であってよい。上記キャップにおいて、キャップ全体の質量に対する上蓋の質量の比が0.5以上であってよい。このようなキャップは、上蓋のバイオマスプラスチック度Boを高くすることによって、キャップ全体のバイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。
本開示の一側面は、上述のいずれかのキャップが装着される口部を有する容器であって、容器のバイオマスプラスチック度Bcが、内栓のバイオマスプラスチック度Biよりも大きい容器を提供する。このような容器を用いることによって、キャップ付き容器のバイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。
上記容器はバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含んでよい。このような容器であれば、容器に必要な諸機能を十分に維持しつつ、バイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。
本開示の一側面は、上述のいずれかのキャップと、当該キャップが装着される口部を有する容器と、を備える、キャップ付き容器を提供する。このようなキャップ付き容器は、上述のいずれかのキャップを備えることから、キャップのバイオマスプラスチック度を高めつつ開栓トルクを維持することができる。また、シール性にも十分に優れるため、漏れを十分に抑制することができる。
上記容器はバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含んでよい。このような容器であれば、容器に必要な諸機能を十分に維持しつつ、キャップ付き容器のバイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。
本開示の一側面は、上述のいずれかのキャップ付き容器と、当該キャップ付き容器に収容される収容物と、を備える、収容物入り容器を提供する。このような収容物入り容器は、上述のいずれかのキャップを備えることから、キャップのバイオマスプラスチック度を高めつつ開栓トルクを維持することができる。また、シール性にも十分に優れるため、漏れを十分に抑制することができる。
バイオマスプラスチック度を高めつつ、開栓トルクを維持することが可能なキャップを提供することができる。そのようなキャップが取り付けられる容器、そのようなキャップを備えるキャップ付き容器及び収容物入り容器を提供することができる。
キャップ付き容器の正面図である。 (A)はキャップ付き容器の平面図である。(B)は、キャップ付き容器の下面図である。 キャップ付き容器の縦断面を分解して示す図である。 内栓が上蓋に取り付けられた状態を示す断面図である。 栓本体と栓本体の開口に挿入される内栓を示す斜視図である。 キャップの断面図である。 容器の口部の断面図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す符号の向きを基準とする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
一実施形態に係るキャップは、容器の口部に装着され、容器に収容される収容物を吐出する吐出口を有するポリオレフィン製の栓本体と、栓本体の吐出口に挿入される挿入部を有し、挿入部が吐出口の内周面に密着して吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓と、内栓を保持し、内栓とともに栓本体に対して着脱可能に構成されるポリオレフィン製の上蓋と、を備える。内栓のバイオマスプラスチック度Bi(以下、単に「Bi」という。)は上蓋のバイオマスプラスチック度Bo(以下、単に「Bo」という。)よりも低い。すなわち、Bo>Biである。
栓本体のバイオマスプラスチック度Bm(以下、単に「Bm」という。)とBiとの大小関係は、Bm≧Biであってよく、Bm>Biであってもよい。Biを十分に低くすることによって、開栓トルクを十分に小さくすることができる。また、Bmを高くすることによって、キャップ全体のバイオマスプラスチック度を一層高くすることができる。
容器に栓本体を打栓する際に測定される打栓強度を低くする観点から、Bo>Bmであってよい。Bo、Bm、Biの大小関係の例は、Bo>Bm≧Biであってよく、Bo>Bm>Biであってよい。別の例では、Bo>Bi>Bmであってよい。
キャップ全体のバイオマスプラスチック度を高くする観点から、Boは15%以上であってよく、20%以上であってよく、30%以上であってよく、30%超であってよく、35%以上であってもよい。打栓強度を十分に低減する観点から、Boの上限は80%であってよく、60%であってよく、50%であってもよい。
キャップの開栓トルクを十分に安定化させる観点から、Biは5%未満であってよく、1%未満であってよく、0%であってもよい。キャップ全体のバイオマスプラスチック度を高くする観点から、Bmは5%以上であってよく、10%以上であってもよい。一方、打栓式のキャップである場合、打栓強度を低減する観点から、Bmは15%未満であってよく、10%未満であってよく、5%未満であってよく、0%であってもよい。
本明細書におけるバイオマスプラスチック度とは、キャップ、キャップ付き容器又はこれらを構成する各部材の全体質量に対するバイオマス由来成分の質量の割合である。バイオマスプラスチック度は、ASTM D6866にしたがって測定されるプラスチック中の放射性炭素(14C)の濃度を用いて下記式(A)で算定される。
バイオマスプラスチック度(%)=14C濃度(pMC)×0.935 (A)
バイオマスプラスチック度は、材料として用いるプラスチックのうち、植物等のバイオマス由来のプラスチック(バイオマスプラスチック)の割合を変えることで調整することができる。バイオマスプラスチックとしては、バイオマス由来の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。これらは、市販品(例えば、ブラスケム社製、又はインドラマ社製)として入手可能である。バイオマス由来の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等を含む場合、化石燃料由来の各樹脂の使用量が減少するため、環境負荷を低減することができる。
キャップ全体のバイオマスプラスチック度を高くする観点から、内栓の質量に対する上蓋の質量の比は、5以上であってよく、10以上であってよく、20以上であってもよい。当該比の上限は、例えば50であってよい。
キャップ全体のバイオマスプラスチック度を高くする観点から、キャップ全体の質量に対する上蓋の質量の比は、0.5以上であってよく、0.55以上であってもよい。当該比の上限は、例えば0.9であってよい。
上蓋、栓本体及び内栓は、いずれもポリオレフィンを含んでよい。上蓋は、耐衝撃性を向上しつつBoを高くする観点から、ブロックポリプロピレンとバイオマス由来のポリエチレンとを含んでよい。ブロックポリプロピレンは、ホモポリプロピレン中にゴム成分であるエチレンプロピレンゴム(EPR)を分散させたものであってよい。ブロックポリプロピレンは化石燃料由来のブロックポリプロピレン、バイオマス由来のブロックポリプロピレン、又はこれらの混合物であってもよい。耐衝撃性を十分に高くする観点から、上蓋におけるブロックポリプロピレンの含有率は、例えば20質量%以上であってよく、30質量%以上であってよく、40質量%以上であってもよい。Boを十分に高くする観点から、上蓋におけるブロックポリプロピレンの含有率は、例えば85質量%以下であってよく、80質量%以下であってよく、70質量%以下であってもよい。
上蓋に含まれるブロックポリプロピレンの密度は0.88~0.92g/cmであってよく、0.89~0.91g/cmであってもよい。ブロックポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、5~18[g/10min]であってよく、6~14[g/10min]であってよく、7~12[g/10min]であってもよい。本明細書におけるメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgで測定される。
上蓋に含まれるブロックポリプロピレンの曲げ弾性率は、800~1300MPaであってよく、900~1200MPaであってよく、950~1100MPaであってもよい。ブロックポリプロピレンの曲げ弾性率は、JIS K 6922-2:1998又はASTM D790に準拠して測定できる。
上蓋におけるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの含有率は、Boを大きくする観点から、15質量%以上であってよく、20質量%以上であってよく、30質量%以上であってもよい。打栓強度を十分に低減する観点から、上蓋におけるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの含有率は、80質量%以下であってよく、70質量%以下であってよく、60質量%以下であってもよい。
上蓋に含まれるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの密度は0.92~0.99g/cmであってよく、0.94~0.98g/cmであってもよい。バイオマス由来の高密度ポリエチレンの密度は、ASTM D 792又はJIS K6922-2:1998に準拠して測定することができる。上蓋に含まれるバイオマス由来の高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、4~12[g/10min]であってよく、5~10[g/10min]であってよく、6~8[g/10min]であってもよい。上蓋に含まれるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの曲げ弾性率は、900~1600MPaであってよく、1100~1500MPaであってよく、1200~1400MPaであってもよい。バイオマス由来の高密度ポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は、ASTM D2240又はJIS K6922-2:1998に準拠して測定することができる。
栓本体は、シール性を向上して収容物の漏れを十分に抑制する観点、及び、打栓式の栓本体である場合に容器に打栓する際の打栓強度を低減する観点から、直鎖状低密度ポリエチレンを含んでよい。栓本体における直鎖状低密度ポリエチレンの含有率は、60質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、80質量%以上であってよく、90質量%以上であってもよい。
栓本体に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.942g/cm未満であってよく、0.800~0.940g/cmであってよく、0.840~0.935g/cmであってよく、0.890~0.930g/cmであってよく、0.910~0.925g/cmであってよい。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、ASTM D1505又はJIS K6922-2:1998に準拠して測定することができる。
栓本体に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの曲げ弾性率は、打栓強度を好適な範囲とする観点から、30~700MPaであってよく、80~500MPaであってよく、150~400MPaであってよく、200~350MPaであってよい。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は、JIS K 6922-2:1998又はASTM D790に準拠して測定できる。
栓本体は、打栓強度を低減する観点から、バイオマス由来の高密度ポリエチレンを含んでもよい。栓本体におけるバイオマス由来のポリエチレンの含有率は、Bmを大きくする観点から、5質量%以上であってよく、10質量%以上であってよく、15質量%以上であってもよい。打栓強度を十分に低減する観点から、栓本体におけるバイオマス由来のポリエチレンの含有率は、15質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下であってもよい。栓本体はバイオマス由来のプラスチックを含まなくてもよい。
栓本体に含まれるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの密度は0.91~0.99g/cmであってよく、0.93~0.98g/cmであってもよい。栓本体に含まれるバイオマス由来のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、10~30[g/10min]であってよく、15~25[g/10min]であってもよい。栓本体に含まれるバイオマス由来の高密度ポリエチレンの曲げ弾性率は、800~1500MPaであってよく、1000~1400MPaであってよく、1100~1350MPaであってもよい。
内栓は、吐出口に挿入される挿入部を有するとともに、この挿入部は吐出口に挿入されてシールする機能を有するものであることから、高密度ポリエチレンを含んでよい。内栓全体に対する高密度ポリエチレンの含有率は、60質量%以上であってよく、80質量%以上であってよく、90質量%以上であってもよい。内栓は、成形を円滑に行う観点から、スリップ剤又はこれに由来する成分を含んでもよい。栓本体は、打栓強度を低減する観点から、バイオマス由来のプラスチックを含まなくてよい。
内栓に含まれる高密度ポリエチレンは、エチレンの単独重合体及びエチレンとオレフィン化合物との共重合体のどちらであってもよいし、両方を含んでいてもよい。内栓に含まれる高密度ポリエチレンの密度は0.942g/cm以上であってよく、0.948~0.970g/cmであってよく、0.952~0.965g/cmであってよい。高密度ポリエチレンの密度は、ASTM D 792又はJIS K6922-2:1998に準拠して測定することができる。
上記オレフィン化合物としては、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィンなどが挙げられる。高密度ポリエチレン樹脂におけるオレフィン化合物に由来する構造単位の含有率は、15質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、1~8質量%であってよい。
内栓に含まれる高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、6~20[g/10min]であってよく、8~18[g/10min]であってよく、10~14[g/10min]であってもよい。
高密度ポリエチレンの曲げ弾性率は、800MPa以上であってよく、900MPa以上であってよく、950MPa以上であってよい。高密度ポリエチレン樹脂の曲げ弾性率は、ASTM D2240又はJIS K6922-2:1998に準拠して測定することができる。高密度ポリエチレンの曲げ弾性率の上限は、例えば1400MPaであってよい。
一実施形態に係る容器は、上述のキャップが装着される口部を有する。キャップは口部に打栓されて装着されてよい。容器はプラスチック製であってよい。容器は、バイオマスプラスチックを含有してよく、例えば、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(PET)を含有してもよい。容器のバイオマスプラスチック度Bc(以下、単に「Bc」という。)は、10%以上であってよく、20%以上であってもよい。Bcは、50%以下であってよく、40%以下であってもよい。容器は打栓式の容器であってよい。
容器に含まれるバイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(PET)の密度は、1.3~1.5g/cmであってよい。バイオマス由来のPETの密度は、ASTM D 792に準拠して測定することができる。容器に含まれるバイオマス由来のPETの曲げ弾性率は、1.7~3GPaであってよく、2~2.8GPaであってもよい。バイオマス由来のPETの曲げ弾性率は、ASTM D 790に準拠して測定することができる。
一実施形態に係るキャップ付き容器は、上述の容器と、当該容器の口部に装着(打栓)された上述のキャップとを備える。このキャップ付き容器のキャップと容器の両方がバイオマス由来のプラスチックを含むことによって、キャップ付き容器全体のバイオマスプラスチック度を十分に高くすることができる。キャップ付き容器全体のバイオマスプラスチック度は、例えば15%以上であってよく、20%以上であってよく、25%以上であってもよい。キャップ付き容器全体のバイオマスプラスチック度の上限に特に制限はなく、例えば40%であってよく、30%であってもよい。
一実施形態に係る収容物入り容器は、上述のキャップ付き容器と、このキャップ付き容器の収容部に収容された収容物とを備える。収容物は特に限定されず、粉末状の固形物、液体、粘性物等、種々の形態のものが挙げられる。具体的には、食品、調味料、飲料等が挙げられる。収容物は油分を含んでいてもよい。本実施形態の収容物入り容器におけるキャップは開栓トルクを維持できることから、収容物が油分を含んでいても漏れ等の発生を十分に抑制できる。収容物は、例えばドレッシングであってもよい。
図1及び図2に示す一例のキャップ付き容器100は、容器60と容器60の口部に装着されたキャップ50とを備える。キャップ付き容器100には、収容物を収容して収容物入り容器としてもよい。収容物入り容器を開封する際は、ユーザーは容器60を一方の手で掴んで、他方の手でキャップ50の上蓋30を把持する。そして、図2(A)のように平面視したときに、容器60に対して反時計回りに上蓋30を回転させて、収容物入り容器(キャップ付き容器100)を開栓する。上蓋30の表面には、滑り止めのローレットが形成されていてよい。
開栓後、収容物入り容器から収容物の一部又は全部を導出する。その後、必要に応じて容器60に対して時計回りに上蓋30を回転させて収容物入り容器(キャップ付き容器100)を閉栓する。収容物を複数回に分けて使用する場合には、収容物入り容器(キャップ付き容器100)の開栓及び閉栓を繰り返し行うことになる。このため、開栓し易さを維持しつつ、収容物の漏れを抑制する観点から、開栓時のトルク(開栓トルク)を所定の範囲に維持することが好ましい。収容物を一度に使用する場合も、当然、開栓時のトルク(開栓トルク)を所定の範囲に維持することが好ましい。
図3に示すように、キャップ付き容器100は、収容物を収容する収容部を有する容器60と、容器60の口部61に打栓して取り付けられるキャップ50とを備える。キャップ50及び容器60はどちらもプラスチック製である。キャップ50は、容器60の口部61に打栓される栓本体10と、内栓20と、上蓋30とを備える。栓本体10、内栓20、上蓋30、及び容器60の材質は上述したとおりである。栓本体10、内栓20、上蓋30、及び容器60は、各プラスチックのペレット等を準備し、射出成形、ブロー成形等の公知の成形方法で製造することができる。
図4に示すように、内栓20は、上蓋30に取り付けられる。上蓋30は、キャップ50の外装をなす第1周壁部31を有する。第1周壁部31の表面にはローレットが形成されていてよい。上蓋30の内部には、第1周壁部31から上蓋30の中心に向かって、第2周壁部32、第3周壁部33、第4周壁部34が、同心円状にこの順に設けられている。第3周壁部33の内側表面には雌ネジ33aが形成されている。この雌ネジ33aと、図5に示す栓本体10の表面に形成された雄ネジ13とが螺合して、栓本体10と上蓋30とが互いに固定される。このとき、第2周壁部32の先端32Aは、図5に示す栓本体10のフランジ本体12に当接する。このように第2周壁部32は、上蓋30の強度を補強する機能を有する。
図4に戻り、第4周壁部34は、内栓20を保持する保持部36を形成する。第4周壁部34は、先端に上蓋30の中心に向かって突出する凸部35を有する。この凸部35が、内栓20において挿入部22よりも外方に延在するフランジ部25と当接する。すなわち、凸部35の内径は、フランジ部25の外径よりも小さい。このため、フランジ部25と凸部35とが当接することによって、内栓20が上蓋30の内部に設けられる保持部36に保持される。保持部36を形成する第4周壁部34は、変形可能な程度の肉厚を有するともに弾性変形する材質で構成されていてよい。これによって、内栓20と上蓋30とを個別に成形した後に、内栓20を保持部36に嵌め込んで取り付けることができる。
挿入部22は周壁で構成され、中央に空洞部22Aを有する。空洞部22Aを有することによって、挿入部22は外径が小さくなるように変形しやすくなっている。これによって、内栓20を保持部36に円滑に嵌め込んで取り付けることができる。上蓋30の保持部36に取り付けられた内栓20は、栓本体10から上蓋30とともに取り外され、上蓋30とともに栓本体10に装着される。すなわち、栓本体10に対して、内栓20は上蓋30と一体となって着脱される。
図5では、説明のため、内栓20が取り付けられた上蓋30を省略して、栓本体10の吐出口14と吐出口14に挿入される内栓20の挿入部22を図示している。内栓20は、挿入部22と、挿入部22の基端側に、挿入部22よりも大きな外径を有するフランジ部25を有する。フランジ部25は、挿入部22が吐出口14に挿入されたときに、吐出口14を覆って挿入部22とともに吐出口14をシールする機能を有する。
吐出口14を形成する内周面14Aは平滑面となっている。栓本体10は、吐出口14から下方に向かって、雄ネジ13と、フランジ部15とを有している。フランジ部15は、下部に中心から外側に向かって延在する外縁部11を有する。上蓋30を栓本体10に装着すると、第1周壁部31の先端31Aが外縁部11に当接する。外縁部11は、分別回収のため、フランジ部15から切り離し可能なバンド構造を有していてもよい。
図4と図5を参照しながら、上蓋30を栓本体10に装着して閉栓する手順を説明する。挿入部22と吐出口14とが対向するようにして上蓋30を栓本体10に被せる。上蓋30と栓本体10の中心線が一致するように被せると、上蓋30の第3周壁部33の雌ネジ33aと栓本体10の雄ネジ13とが接する。栓本体10に対して上蓋30を平面視で時計回りに回すと、上蓋30の雌ネジ33aと栓本体10の雄ネジ13とが螺合する。上蓋30の時計回りを継続すると、上蓋30が栓本体10に向かうように回転軸方向に沿って徐々に移動する。この移動に伴って、内栓20の挿入部22が、吐出口14に挿入される。
吐出口14に挿入された挿入部22は、栓本体10に対して上蓋30が近づくにつれて徐々に挿入される。このとき、内栓20は、上蓋30における保持部36の上面36A(天井面)によって吐出口14に向かうように押しつけられて吐出口14に挿入される。このとき、内栓20は、上蓋30とともに時計回りに回転しながら、挿入部22が吐出口14に挿入されてもよい。この場合、挿入部22の外周面24と吐出口14の内周面14Aは、回転方向及び回転軸方向に摺動しながら挿入部22が吐出口14に挿入される。
上蓋30の第1周壁部31の先端31A及び第2周壁部32の先端33Aが、それぞれ、栓本体10のフランジ部15のフランジ本体12及び外縁部11に当接した時点で、装着が完了する。このように、第2周壁部32は、第1周壁部31とともに、上蓋30の締め過ぎを抑制する機能を有する。このようにして、内栓20が保持部36に保持された上蓋30を、栓本体10に装着してキャップ50を閉栓することができる。
挿入部22が吐出口14に挿入される際、挿入部22の外周面24と吐出口14の内周面14Aは回転方向に摺動しなくてもよい。この場合、挿入部22の外周面24と吐出口14の内周面14Aは回転軸方向に摺動して、挿入部22が吐出口14に挿入される。そして、上蓋30の保持部36の上面36Aと、フランジ部25の上面25Aとが回転方向に摺動する。このように、内栓20は、上蓋30を栓本体10に装着する際に、上蓋30及び栓本体10の少なくとも一方と回転方向に沿って摺動する摺動面を有する。この摺動面の材質は、上蓋30を栓本体10に装着に必要な回転トルクの大きさに影響する。
図6には、上蓋30を栓本体10に装着した状態の断面を示している。内栓20の挿入部22は、栓本体10の吐出口に挿入され、吐出口は密閉されている。挿入部22の外周面24は、吐出口の内周面14Aに密着して吐出口を封止している。
図6と図5を参照しながら、キャップ50を開栓する手順を説明する。栓本体10に対して上蓋30を平面視で反時計回りに回すと、互いに螺合している上蓋30の雌ネジ33aと栓本体10の雄ネジ13との作用によって、上蓋30が栓本体10から離れるように回転軸方向に沿って徐々に移動する。
吐出口14に挿入されていた挿入部22は、栓本体10から上蓋30が離れるにつれて徐々に抜去される。このとき、内栓20のフランジ部25は、上蓋30で保持部36を形成する第4周壁部34の先端にある凸部35に当接する。内栓20は、上蓋30とともに反時計回りに回転しながら、吐出口14から挿入部22が抜去されてもよい。この場合、挿入部22の外周面24と吐出口14の内周面14Aは、回転方向及び回転軸方向に摺動しながら吐出口14から挿入部22が抜去される。
このようにして、上蓋30は内栓20を保持部36に保持したまま、栓本体10から取り外される。吐出口14から挿入部22が抜去される際、挿入部22の外周面24と吐出口14の内周面14Aは回転方向に沿って摺動せず、回転軸方向に沿ってのみ摺動してもよい。この場合、上蓋30の保持部36における第4周壁部34の凸部35と、フランジ部25の先端とが回転方向に沿って摺動する。このように、内栓20は、キャップ50を開栓する際に、上蓋30及び栓本体10の少なくとも一方と回転方向に沿って摺動する摺動面を有する。この摺動面の材質は、キャップ50を開栓するために必要なトルク(開栓トルク)の大きさに影響する。
キャップ50では、上蓋と内栓とを一部材としてではなく、上蓋30と内栓20とが別部材として構成されている。このため、上蓋30と内栓20とを互いに異なる材質とすることができる。上蓋30のBoよりも内栓20のBiを小さくすることによって、摺動面における摩擦力の低下を抑制することができる。これによって、キャップ50が意図せずに開いたり、収容物が漏れたりする現象を十分に抑制することができる。開栓トルクの最大値は、例えば、60~80Nmであってよい。また、内栓20のBiを低くする又は0にする代わりに上蓋30のBo及び栓本体10のBmを高くすることによって、キャップ50全体のバイオマスプラスチック度を高くすることができる。
次に、図3,図6,図7を参照しながら、キャップ50を容器60の口部61に取り付ける手順を説明する。キャップ50の栓本体10の下端と、容器60の口部61とが対向するように、キャップ50と容器60とを配置する。キャップ50の中心線と容器60の中心線が一致するように、キャップ50と容器60の位置合わせをする。容器60の口部61には、全周にわたって外方に突出する第1突起部61Bと第2突起部61Cが形成されている。この第1突起部61Bと第2突起部61Cの間に凹部61Aが形成されている。容器60の口部61と、この口部61に挿入される栓本体10の溝部17とは、相補的な形状を有する。また、第1突起部61Bと凹部61Aは、栓本体10の溝部17における突起17Aと相補的な形状を有する。
位置合わせ後、キャップ50と容器60とを互いに対向する方向に付勢する。そうすると、栓本体10の外縁部11の内側に形成された溝部17の入口の突起17Aが、口部61における第1突起部61Bを乗り越えて凹部61Aに嵌まる。これによって、第1突起部61Bが、溝部17に挿入されて固定される。このようにして、栓本体10の溝部17に容器60の口部61が嵌合して、容器60にキャップ50が打栓されたキャップ付き容器100を得ることができる。打栓に必要な打栓強度は、打栓の際に弾性変形する栓本体10の外縁部11の柔軟性や摩擦力によって変わると考えられる。
栓本体10のバイオマスプラスチック度Bmが、上蓋30のバイオマスプラスチック度Boよりも低くてよい。これによって、上蓋30のバイオマスプラスチック度を高くする一方で、栓本体10を柔軟にするとともに摩擦力を小さくして、容器60にキャップ50(栓本体10)を打栓する際に必要な打栓強度を低くすることができる。打栓する前に、収容物を容器60に導入し、その後打栓をすれば、収容物入り容器を得ることができる。
内栓20のBi及び栓本体10のBmを低くする又は0にする代わりに上蓋30のBoを高くすることによって、キャップ50全体のバイオマスプラスチック度を高めつつ、開栓トルクを維持でき且つ打栓強度を低くすることができる。
キャップ50の栓本体10は、外縁部11をフランジ本体12から切り離すための切り込みを有していてもよい。すなわち、外縁部11がフランジ本体12から分離可能なバンド部材であってもよい。ユーザーが収容物入り容器を使用した後、バンド部材で構成される外縁部11をフランジ本体12から切り離すことによって、栓本体10(キャップ50)を容器60から取り外すことができる。これによって、廃棄時の分別回収を円滑に行うことができる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、キャップは打栓式のものに限定されず、ねじ止め式のものであってもよい。また、キャップは、上蓋、栓本体、及び内栓以外の部材を備えていてもよい。
本開示は、以下の[1]~[14]の内容を含む。
[1]容器の口部に装着され、前記容器に収容される収容物を吐出する吐出口を有するポリオレフィン製の栓本体と、
前記吐出口に挿入される挿入部を有し、前記挿入部が前記吐出口の内周面に密着して前記吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓と、
前記内栓を保持し、前記内栓とともに前記栓本体に対して着脱可能に構成されるポリオレフィン製の上蓋と、を備え、
前記内栓のバイオマスプラスチック度Biが前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い、キャップ。
[2]前記栓本体に対して前記上蓋を着脱する際に、前記内栓の表面と、前記内栓を保持する保持部及び前記吐出口の内周面の少なくとも一方と、が互いに摺動する、[1]に記載のキャップ。
[3]前記栓本体に設けられた雄ネジと、前記上蓋に設けられた雌ネジとが螺合することによって、前記栓本体と前記上蓋とが互いに固定される、[1]又は[2]に記載のキャップ。
[4]前記栓本体は前記容器の口部に打栓して装着されるものであり、
前記栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い、[1]~[3]のいずれか一つに記載のキャップ。
[5]前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boが下記式(1)を満たす、[1]~[4]のいずれか一つに記載のキャップ。
Bo>30% (1)
[6]前記内栓のバイオマスプラスチック度Bi、及び前記栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、下記式(2)を満たす、[1]~[5]のいずれか一つに記載のキャップ。
10%>Bm≧Bi (2)
[7]前記上蓋が、バイオマス由来のポリエチレンと、ブロックポリプロピレンと、を含み、
前記栓本体が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含み、
前記内栓が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、[1]~[6]のいずれか一つに記載のキャップ。
[8]前記内栓の質量に対する前記上蓋の質量の比が5以上である、[1]~[7]のいずれか一つに記載のキャップ。
[9]キャップ全体の質量に対する前記上蓋の質量の比が0.5以上である、[1]~[8]のいずれか一つに記載のキャップ。
[10]上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のキャップが装着される前記口部を有する容器であって、
前記容器のバイオマスプラスチック度Bcが、前記内栓のバイオマスプラスチック度Biよりも大きい、容器。
[11]前記容器がバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含む、[10]に記載の容器。
[12]上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のキャップと、当該キャップが装着される前記口部を有する容器と、を備える、キャップ付き容器。
[13]前記容器がバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含む、[12]に記載のキャップ付き容器。
[14]
上記[12]又は[13]に記載のキャップ付き容器と、前記キャップ付き容器に収容される収容物と、を備える、収容物入り容器。
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
(比較例1,2、実施例1~4)
<原材料の準備>
以下の原材料を準備した。
(A)化石燃料由来のブロックポリプロピレン(PP)
サンアロマー株式会社製、商品名「PM761A」、密度:0.90g/cm、MFR:9.5g/10min、曲げ弾性率:1050MPa
(B)化石燃料由来の高密度ポリエチレン(HDPE-F)
日本ポリエチレン株式会社製、商品名「HJ580」、密度:0.96g/cm、MFR:12.0g/10min、曲げ弾性率:1000MPa
(C)バイオマス由来の高密度ポリエチレン(HDPE-B1)
Braskem社製、商品名「SHC7260」、バイオマスプラスチック度:94%以上、密度:0.959g/cm、MFR:7.2g/10min、曲げ弾性率:1365MPa
(D)バイオマス由来の高密度ポリエチレン(HDPE-B2)
Braskem社製、商品名「SHA7260」、バイオマスプラスチック度:94%以上、密度:0.955g/cm、MRF:20g/10min、曲げ弾性率:1250MPa
(E)化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
LOTTE CHEMICAL社製、商品名「UL814」、密度:0.924g/cm、MFR:20g/10min、曲げ弾性率:304MPa
(F)バイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(PET)
Indorama社製、商品名「RAMPET N1B」、バイオマスプラスチック度:30%以上、固有粘度:0.8dl/g
(G)着色剤(赤)
大日精化工業株式会社製、商品名「14Q3408RD-SE」
(H)着色剤(白)
東洋インキ製造株式会社製、商品名「TET 1YA550WHT」
(I)スリップ剤(S)
住友化学株式会社製、商品名「A-10」
上述の原材料(A)~(E)及び(G)~(I)を、表1に示す含有率(単位:質量%)でそれぞれ混合して、上蓋用の混合原料、内栓用の混合原料、及び、栓本体用の混合原料を得た。
<上蓋の成形>
上蓋用の混合原料を、射出成形機を用いて240℃で20秒間溶融混練し、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、射出成形装置(ファナック株式会社製、製品名「α―S150iA」)に投入し、金型を用いて、240℃、20秒間の条件で射出成形を行い、図3に示す上蓋30と同様の形状を有する上蓋を得た。上蓋の外径は約37mm、質量は約5.4gであった。
<内栓の成形>
内栓の混合原料を、射出成形機を用いて220℃で20秒間溶融混練し、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、射出成形装置(ファナック株式会社製、製品名「α―S150iA」)に投入し、金型を用いて、220℃、20秒間の条件で射出成形を行い、図3に示す内栓20と同様の形状を有する内栓を得た。内栓のフランジ部の外径は約11.7mm、質量は約0.2gであった。
<栓本体の成形>
栓本体用の混合原料を、射出成形機を用いて220℃で23秒間溶融混錬し、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、射出成形装置(ファナック株式会社製、製品名「α―S150iA」)に投入し、金型を用いて、220℃、23秒間の条件で射出成形を行い、図3に示す栓本体10と同様の形状を有する栓本体を得た。栓本体の吐出口の内径は約6.5mm、外縁部の内径は約28mm、質量は約3.7gであった。
<容器の成形>
原材料(F)を、270℃で18秒間溶融混錬して延伸PET成形機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製、機種:PF8-4B)に投入し、金型を用いて270℃、18秒間の条件で射出及びブロー成形を行って、図3に示す容器60と同様の形状を有する容器を得た。容器の質量は約17gであった。
<各部材とキャップのバイオマスプラスチック度>
原材料の配合比と、原材料におけるバイオマスプラスチック度の値から、上蓋、内栓、栓本体及び容器のバイオマスプラスチック度Bo,Bi,Bm,Bcをそれぞれ算出した。なお、Bo,Bi,Bm,Bcは、原材料におけるバイオマスプラスチック度を最低保証値としたときの計算値である。また、上蓋、内栓及び栓本体のそれぞれの質量と、それぞれのバイオマスプラスチック度Bo,Bi,Bmから、キャップ全体(表2では「キャップ」と表示)のバイオマスプラスチック度Baを算出した。これらの結果を表2に示す。
<キャップの作製>
作製した上蓋、内栓、及び栓本体を用いて、図6に示すような断面構造を有する、比較例1,2及び実施例1~4のキャップを作製した。手順としては、上蓋の保持部に内栓をはめ込んだ後、上蓋の雌ネジと栓本体の雄ネジとを螺合させることによって、栓本体に内栓を有する上蓋を取り付けた。
<開栓トルクの測定>
固定用治具を用いて、キャップを市販のトルク計(株式会社イマダ製、商品名:DTXA-2N-Z)の測定台上に固定した。キャップの上蓋に、当該上蓋の表面に形成されたローレットと相補的な表面形状を有する金属製の開栓治具を被せた。測定員がこの開栓治具と掴み、平面視で反時計回りに開栓治具を回し、開栓に要するトルクを測定した。トルクの測定曲線において、キャップの開け始めから最初に現れる最大のピークを開栓トルク(一次)、回し始めを基準(0°)として約80°回したときに現れる二つ目に大きなピークを開栓トルク(二次)とした。結果は、表2に示すとおりであった。
<打栓強度の測定>
打栓強度の測定には、市販の圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:オートグラフ AGS-X 5kN)を用いた。固定用治具を用いて、作製した容器を口部の開口が上向きになるように固定した。口部の上端にキャップを載置し、このキャップに押え用の治具を被せた。上記圧縮試験機を用いて、この押え用の治具を介してキャップをボトルに向かって押し込んで、打栓が完了するまで、打栓に必要な力を測定した。測定された力の最大値(N)を打栓強度とした。降下スピードは10mm/分、圧縮方向の歪量は3mm歪とした。打栓によって、図1に示すようなキャップ付き容器が得られた。打栓強度の結果は、表2に示すとおりであった。
<液漏れテスト>
容器にサラダ油を入れた後、容器にキャップを打栓して収容物入り容器を製造した。この収容物入り容器を真空パックに入れ、収容物入り容器を横に倒した状態で45℃の恒温槽に15時間保存した。その後、恒温槽から真空パックを取り出して、収容物入り容器からのサラダ油の漏れの有無を目視で確認した。漏れがあったものと「有り」、漏れが無かったものを「無し」と評価した。結果は表2に示すとおりであった。
Figure 2023154927000002
Figure 2023154927000003
表1では、各部材の原材料の合計値が100%からわずかにずれているものがあるが、これは四捨五入の関係によるものである。表1の原材料、及び表2の「バイオマスプラスチック度」の欄に示すとおり、比較例1は、バイオマス由来のプラスチックを用いていないキャップである。これに対し、比較例2は、上蓋、内栓及び栓本体に、一律で16~17質量%のバイオマス由来のプラスチックを用いて作製したキャップである。表2の「評価結果」に示すとおり、比較例2のキャップは、比較例1のキャップに比べて、開栓トルクが一次及び二次ともに大幅に低下した。特に一次の開栓トルクが低下すると、意図せずキャップが開いてしまうことが懸念される。また、比較例2では、比較例1よりも打栓強度が大幅に上昇した。
比較例2で開栓トルクが低下した理由の一つとしては、バイオマスプラスチック度が高くなって、摺動するプラスチック部材同士の摩擦力が小さくなったことが考えられる。また、別の理由としては、比較例1,2は、全て同じ製造設備を用いて製造しているものの、バイオマス由来のプラスチックを配合したことによって、成形後のサイズや形状が微妙に変化したことも考えられる。念のため、比較例1と比較例2の各部材の寸法を測定した結果を表3に示す。表3に示すとおり、わずかに寸法の違いが見受けられるものの、誤差レベルであると考えられる。
そこで、実施例1では、内栓のみを比較例1で用いたものとし、上蓋及び栓本体を比較例2で用いたものにしてキャップを作製した。その結果、実施例1のキャップでは、開栓トルク(一次)を大幅に回復させることができた。このことから、内栓のバイオマスプラスチック度が、開栓トルク(一次)に大きく影響することが確認された。
実施例2では、実施例1と同様に内栓を比較例1で用いたものとした。一方で、実施例2では、キャップ全体のBaを高くするため、Boを実施例1よりも高くした。その結果、開栓トルク(一次)は、実施例1と同様に比較例2よりも大幅に高かった。この結果から、Boは開栓トルク(一次)にあまり影響しないと考えられる。一方で、打栓強度は、比較例2と同様に比較例1よりもかなり高かった。
実施例3では、実施例1,2と同様に内栓を比較例1で用いたものとした。実施例3では、実施例2よりもBoをさらに高くする一方で、Bmを実施例2よりも低くした。その結果、開栓トルク(一次)は、実施例1,2と同様に比較例2よりも大幅に高く、且つ、打栓強度を実施例2よりも低くすることができた。
実施例4では、キャップ全体のバイオマスプラスチック度Baが実施例2,3と同等に維持されるように、Boを更に高くしつつ、内栓及び栓本体は比較例1と同じものを用いた。その結果、打栓強度を比較例1に近づけることができた。この結果から、バイオマスプラスチック度が高くなると、打栓強度が高くなる傾向にあるものの、栓本体のBmを小さくすることで打栓強度を低くできることが確認された。
比較例1,2及び実施例1~4の結果から、バイオマス由来のプラスチックを用いてバイオマスプラスチック度を高くするにあたり、内栓のBiを上蓋のBoよりも低くすることで、従来と同じ成形装置(金型)を用いながら、開栓トルク(一次)を従来と同等の範囲に安定的に維持できるキャップを製造できることが確認された。
Figure 2023154927000004
表3に示すとおり、全ての比較例及び実施例において同じ金型及び成形装置を用いていることから、部材の質量及びサイズに大きな違いはなかった。表3には、内栓に対する上蓋の質量比、及びキャップ全体に対する上蓋の質量比を示した。他部材に比べて上蓋の質量が大きいため、Boを高くすることによって、キャップ全体のBaを高くすることができる。
バイオマスプラスチック度を高めつつ、開栓トルクを維持することが可能なキャップを提供することができる。そのようなキャップが取り付けられる容器、そのようなキャップを備えるキャップ付き容器及び収容物入り容器を提供することができる。
10…栓本体、11…外縁部、12…フランジ本体、13…雄ネジ、14…吐出口、14A…内周面、15,25…フランジ部、17…溝部、17A…突起、20…内栓、22…挿入部、22A…空洞部、24…外周面、25A…上面、30…上蓋、31…第1周壁部、31A,32A,33A…先端、32…第2周壁部、33…第3周壁部、33a…雌ネジ、34…第4周壁部、35…凸部、36…保持部、36A…上面、50…キャップ、60…容器、61…口部、61A…凹部、61B…第1突起部、61C…第2突起部、100…キャップ付き容器。

Claims (14)

  1. 容器の口部に装着され、前記容器に収容される収容物を吐出する吐出口を有するポリオレフィン製の栓本体と、
    前記吐出口に挿入される挿入部を有し、前記挿入部が前記吐出口の内周面に密着して前記吐出口を封止するポリオレフィン製の内栓と、
    前記内栓を保持し、前記内栓とともに前記栓本体に対して着脱可能に構成されるポリオレフィン製の上蓋と、を備え、
    前記内栓のバイオマスプラスチック度Biが前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い、キャップ。
  2. 前記栓本体に対して前記上蓋を着脱する際に、前記内栓の表面と、前記内栓を保持する保持部及び前記吐出口の内周面の少なくとも一方と、が互いに摺動する、請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記栓本体に設けられた雄ネジと、前記上蓋に設けられた雌ネジとが螺合することによって、前記栓本体と前記上蓋とが互いに固定される、請求項1又は2に記載のキャップ。
  4. 前記栓本体は前記容器の口部に打栓して装着されるものであり、
    前記栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boよりも低い、請求項1又は2に記載のキャップ。
  5. 前記上蓋のバイオマスプラスチック度Boが下記式(1)を満たす、請求項1又は2に記載のキャップ。
    Bo>30% (1)
  6. 前記内栓のバイオマスプラスチック度Bi、及び前記栓本体のバイオマスプラスチック度Bmが、下記式(2)を満たす、請求項1又は2に記載のキャップ。
    10%>Bm≧Bi (2)
  7. 前記上蓋が、バイオマス由来のポリエチレンと、ブロックポリプロピレンと、を含み、
    前記栓本体が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含み、
    前記内栓が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項1又は2に記載のキャップ。
  8. 前記内栓の質量に対する前記上蓋の質量の比が5以上である、請求項1又は2に記載のキャップ。
  9. キャップ全体の質量に対する前記上蓋の質量の比が0.5以上である、請求項1又は2に記載のキャップ。
  10. 請求項1又は2に記載のキャップが装着される前記口部を有する容器であって、
    前記容器のバイオマスプラスチック度Bcが、前記内栓のバイオマスプラスチック度Biよりも大きい、容器。
  11. 前記容器がバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含む、請求項10に記載の容器。
  12. 請求項1又は2に記載のキャップと、当該キャップが装着される前記口部を有する容器と、を備える、キャップ付き容器。
  13. 前記容器がバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを含む、請求項12に記載のキャップ付き容器。
  14. 請求項12に記載のキャップ付き容器と、前記キャップ付き容器に収容される収容物と、を備える、収容物入り容器。
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