JP2009149373A - ボトルキャップおよびこのボトルキャップを有する容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボトルキャップ1は、一方の端面がふさがれ、他方の端面が開口し、ボトル2の口部21内に挿入される筒状の収容部12を有する内筒部10と、内部に収容部12が挿入され、一方の端部に内筒部10が螺合し、他方の端部がボトル2の口部21内に挿入される外筒部本体13を有し、ボトル2の口部21に取り付けられる外筒部15と、収容部12の開口を塞ぎ、開口側の端部と着脱可能に嵌合する底蓋部16とを備える。収容部12は、開口側の端部が外筒部本体13の他方の端部から突出している。内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重は1.0未満である。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載されたボトルキャップ100は、図8(A)、(B)に示すように、親キャップ102と、子キャップ101とを有しており、子キャップ101に原料収容部となる内筒101Aが備えられている。内筒101Aにはその下部の開口を塞ぐ底蓋103が装着される。
子キャップ101を親キャップ102の外筒102Aに対して開く方向に回すことで、親キャップ102の外筒102Aにより底蓋103が内筒101Aから脱落され、内筒101A内部の粉末原料がボトル内に放出される。
しかしながら、前述したように、底蓋103は内筒101Aとの嵌合性を高めるために、硬く比重が大きい材料が選択されていたため、リサイクル工程において、ボトルとの分離が困難となる。
このようにすることで、ボトルキャップと、ボトルとを水槽中で分離する際に、ボトルキャップが速やかに水に浮くこととなる。これにより、迅速、かつ容易にボトルとキャップとを分離することができる。
リサイクル工程においてボトルとの分離を行うためには、比重が1未満である材料でキャップを構成する必要があるが、一方で、底蓋部と内筒部の収容部とは確実に嵌合し、開栓前に落下してしまうことを防止しなければならない。このような見地から種々の検討を行った結果、ボトルキャップの原料として、ポリプロピレン系樹脂を採用することが好ましいことがわかった。
内筒部、外筒部および底蓋部を、ポリプロピレン系樹脂を主成分とし、内筒部の収容部の開口の形状、底蓋部の形状を適宜調整することで、収容部と底蓋部とが確実に嵌合し、開栓前に底蓋部が落下しないものとすることができる。
さらに、内筒部、外筒部および底蓋部を、ポリプロピレン系樹脂を主成分とすることで、ボトルキャップを構成する内筒部、外筒部、底蓋部の各部材の比重を確実に1.0未満とすることができる。これにより、各部材が確実に水に浮くこととなり、リサイクル工程においてボトルとの分離を容易に行うことができる。
この構成によれば、突条部の押圧によって底蓋部と外筒部との気密性や液密性を確保しつつ、底蓋部を単一の材料で作製することができる。
この構成によれば、外筒部の下端面に押圧された突条部に対して、押圧逆方向および径方向内向きの抗力が負荷される。このため、周壁部が収容部に押し当てられることとなり、収容部のシール性が向上する。
さらには、前記パッキンの比重が0.95以下であることが好ましい。
外筒部本体は、ボトルの口部内に挿入され、ボトルの口部内面に接触する。ボトルは、一般にPET等の比較的硬度の高い材料で構成されているので、外筒部本体を曲げ弾性率が高い材料で構成すると、外筒部本体がボトルの口部内面との接触により傷ついてしまうことがある。
これに対し、外筒部本体を、曲げ弾性率950MPa以下の樹脂を主成分として構成することで、外筒部本体がボトルの口部内面により傷ついてしまうことを防止できる。
ボトルに液体等を充填し、ボトルにボトルキャップを取り付けた後、加熱殺菌することがある。このとき、底蓋部の平均線膨張係数と収容部の平均線膨張係数差が大きい場合には、底蓋部と収容部との間でゆがみが生じ、底蓋部が落下したり、収容部内の原料が漏れたりしてしまう場合がある。
これに対し、底蓋部と、前記収容部との25℃〜95℃における平均線膨張係数差を5×10−3/℃以下とすることで、底蓋部と収容部との間でのゆがみを抑制することができる。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態のボトルキャップ1の概要について説明する。
ボトルキャップ1は、一方の端面がふさがれ、他方の端面が開口し、ボトル2の口部21内に挿入される筒状の収容部12を有する内筒部10と、内部に収容部12が挿入され、一方の端部に内筒部10が螺合するとともに、他方の端部がボトル2の口部21内に挿入される外筒部本体13を有し、ボトル2の口部21に取り付けられる外筒部15と、収容部12の前記開口を塞ぐとともに、前記開口側の端部と着脱可能に嵌合する底蓋部16とを備える。
収容部12は、開口側の端部が外筒部本体13の他方の端部から突出している。
当該ボトルキャップ1は、内筒部10を開方向に螺進して収容部12を駆動させ、外筒部本体13の他方の端部により、底蓋部16を収容部12の開口から外すものである。
そして、内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重を1.0未満、好ましくは、0.95以下としている。
なお、このボトルキャップ1と、ボトル2とで容器が構成される。
図1には、前述したボトルキャップ1と、このボトルキャップ1が取り付けられるボトル2とを備えた容器3が開示されている。
ボトル2中には、粉体、液体等が充填される。たとえば、ボトル2中には水等の飲料が充填される。
図2および図3に示すように、ボトルキャップ1は、前述したように、内筒部10、外筒部15、底蓋部16を備える。
内筒部10は、蓋部11と、収容部12とを備える。
蓋部11は、ボトル2の口部21を閉鎖する天面部111と、この天面部111の周縁から下垂する螺合部112とを備える。
天面部111は、たとえば、平面略円形形状である。
螺合部112は、天面部111の周縁を囲む周壁であり、この周壁の内周面にねじが刻設されたものである。
この収容部12は、円筒状であり、一方の端部が天面部111の裏面に固定され、一方の端面が天面部111にて閉鎖されている。収容部12と、蓋部11とは、一体的に構成されている。
収容部12の他方の端面には開口が形成され、この開口には、底蓋部16が嵌め込まれる。収容部12は、外筒部15の外筒部本体13に挿入され、収容部12の開口側の他方の端部は、外筒部本体13の他方の端部から露出する。
周壁部162は、底蓋部16を収容部12の開口に嵌め込んだ際に、収容部12の開口側の端部の側方(外側)に位置し、収容部12の開口側の端部の周囲を囲む。周壁部162の上面162Aは、外筒部本体13の他方の端部の下端面と対向する。
周壁部162の外筒部本体13の端部と対向する上面162Aは、この上面162Aの内周縁側から外周縁側に向かって下方に傾斜した傾斜面となっている。
この傾斜した上面162A上にリング状のパッキンP2が設置されている。パッキンP2の上面も前記上面162Aと同様の傾斜を有する。
また、周壁部162の内側面(収容部12の外面と対向する面)は、垂直面162Bと傾斜面162Cとで構成されている。垂直面162Bは、底蓋部16を収容部12の開口に嵌め込んだ際に、収容部12の外面と略平行になり、収容部12の外面に当接する。
傾斜面162Cは、収容部12の外面から遠ざかるように垂直面162Bの下端部から、下方に傾斜した面である。
嵌合溝163の底面(すなわち、接続部164)上には、リング状のパッキンP1が設置されている。
閉鎖部161を収容部12の開口に押し込むとともに、嵌合溝163に、収容部12の開口側の端部を嵌め込むことで底蓋部16が収容部12に取り付けられることとなる。
外筒部本体13は、無底の円筒状の部材である。
この外筒部本体13は、一方の端部に蓋部11が螺合するとともに他方の端部がボトル2の口部21内に挿入される。
また、この外筒部本体13内部には、収容部12が挿入され、外筒部本体13の他方の端部からは、収容部12の開口側の端部が突出する。収容部12は、その外周面のほとんどが、外筒部本体13により覆われ、収容部12の開口側の端部のみが外筒部本体13の他方の端部から露出する。
また、外筒部本体13の内周面は、収容部12の外周面に当接している。
さらに、外筒部本体13の他方の端部の端面は、底蓋部16の周壁部162の先端に対向するとともに、パッキンP2に当接している。
外筒部本体13の一方の端部外周面には、ねじが刻設され、螺合部131が形成されている。この外筒部本体13の螺合部131には、蓋部11の螺合部112が螺合する。
この装着部14は、外筒部本体13の外周面から突出した円筒状の部材である。本実施形態では、装着部14は、外筒部本体13の外周面の略中央部分を囲むように設けられ、ボトル2の口部21側の端面が開口している。
この装着部14は、内周面にねじが刻設され、このねじをボトル2の口部21の外周面に刻設されたねじに螺合することで、ボトルキャップ1がボトル2に装着されることとなる。
本実施形態では、装着部14は、外筒部本体13と一体成形されている。
以上のようなボトルキャップ1において、内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重は1.0未満である。なかでも、内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重を0.95以下とすることが好ましく、さらには、0.93以下とすることが特に好ましい。
なかでも、ポリプロピレン系樹脂としては、ブロックポリプロピレンが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ブロックポリプロピレンを使用することで、耐熱性に優れた内筒部10、外筒部15および底蓋部16とすることができ、ボトルキャップ1に熱が加わった際に、ボトルキャップ1に歪みが発生することを抑制できる。
さらには、ポリプロピレン系樹脂としては、ブロックポリプロピレンを使用することで、耐衝撃性を有するという利点がある。
なお、内筒部10、外筒部15および底蓋部16は、ポリプロピレン系樹脂のうち、同じポリプロピレン系樹脂を主成分とすることが好ましい。
なかでも、曲げ弾性率が850MPa以下、450MPa以上であるポリプロピレン系樹脂を使用していることが好ましい。
曲げ弾性率を950MPa以下のポリプロピレン系樹脂は、製造工程において共重合することにより得られる。
なお、内筒部10、底蓋部16も外筒部15と同様の曲げ弾性率が950MPa以下の樹脂成分を主成分としてもよい。ただし、内筒部10が外筒部15により傷ついてしまうことを抑制するためには、外筒部15よりも曲げ弾性率が高く、曲げ弾性率が1300MPa以下の樹脂を主成分とすることが望ましい。
ここで、曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して計測され、ここでは、3点曲げ試験において求めた荷重−たわみ曲線から算出される弾性率である。
E=L3F/4bh3Y
(Eは曲げ弾性率、Lは支点間距離、bは試験片の幅、hは試験片の高さ、Fは荷重-たわみ曲線の始めの直線部分の任意に選んだ点の荷重、Yは荷重Fでのたわみを示す)
底蓋部16および収容部12から厚み1.0mm、3.0mm角のサンプルを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて、室温(25℃)から5℃/分でサンプルを昇温しながらサンプルの面内方向の変位量を計測し、面内方向の線膨張係数を算出する。そして、面内方向の25℃〜95℃における平均線膨張係数を算出する。
すなわち、本実施形態のボトルキャップ1は、底蓋部16に対して、より軟質な材料からなるパッキンP1,P2を設置することにより、底蓋部16と、当該パッキンP1,P2に当接する収容部12および外筒部本体13とのシール性を向上している。
たとえば、パッキンP1,P2は、スチレン系ゴムを主成分とする。このスチレン系ゴムは、たとえば、スチレン共重合体である。
スチレン共重合体としては、たとえば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)である。
図4に示すように、蓋部11を開方向、すなわち、図4の上側に螺進させ、蓋部11と外筒部本体13との螺合を解除する。蓋部11と収容部12とは一体的に構成されているため、蓋部11を螺進させる動作に伴い、収容部12、さらには、収容部12に押し込まれた底蓋部16が上側に駆動しようとする。
この際、底蓋部16は、外筒部本体13の端部に対向するとともに、当接しているため、外筒部本体13の端面により、底蓋部16の上側への駆動が阻止され、底蓋部16と、外筒部本体13の端面との衝突(衝合)により、底蓋部16が収容部12から脱落することとなる。
これにより、収容部12内部に収容されていた原料が、ボトル2内部に落下し、ボトル2内部に充填されていた飲料等に混ざることとなる。
さらに、蓋部11を開方向に螺進させると、蓋部11を螺進させる動作に伴い、収容部12が外筒部本体13内を図4上側に向かって摺動する。収容部12を、外筒部本体13内から取り外すことで、ボトルキャップ1が開くことなる。
内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重を1.0未満としているため、リサイクル工程において水槽中でボトルと分離する際に内筒部10、外筒部15および底蓋部16が水に浮くこととなる。これにより、リサイクル工程においてボトルとの分離を容易に行うことができる。
特に、内筒部10、外筒部15および底蓋部16の比重を0.95以下とすることで、内筒部10、外筒部15および底蓋部16が速やかに水に浮くこととなり、リサイクル工程においてボトルとの分離を迅速かつ、容易に行うことができる。
さらに、内筒部10、外筒部15および底蓋部16を、ポリプロピレン系樹脂を主成分とすることで、内筒部10、外筒部15および底蓋部16の各部材の比重を確実に1.0未満とすることができる。
特に、ポリプロピレン系樹脂として、ブロックポリプロピレンを使用することで、収容部12と底蓋部16とを確実に嵌合することができる。
また、底蓋部16の傾斜面162Cの傾斜角度を適宜調整することで、底蓋部16の嵌合溝163に対し、収容部12を確実に嵌合させることができる。
さらに、底蓋部16の周壁部の傾斜面162Cの上部に、垂直面162Bを形成している。この垂直面162Bにより収容部12と底蓋部16との引っかかり量を調整することができ、これにより、開栓時に底蓋部16を確実にはずすことができる。
さらに、パッキンP1,P2を、スチレン系ゴムとすることで、以下のような利点がある。
スチレン系ゴムは、
・圧縮永久歪み、永久伸びに優れたゴム弾性を示す。
・優れた機械的強度を持つ。
・耐候性、耐熱性に優れる。
という3点の利点を有する。これにより、パッキンP1,P2の形状が長期的に保持でき、ボトルキャップの気密性を保持できるというメリットがある。
これに加え、スチレン系ゴムは、
・食品衛生、医療衛生性に優れる。
・カラーリングの自由度が高く通常のプラスチックと同様な着色方法が使用できる。
という利点もある。
これに対し、外筒部本体13の主成分となる樹脂の曲げ弾性率を950MPa以下とすることで、外筒部本体13がボトル2の口部21内面により傷ついてしまうことを防止できる。
これに加え、内筒部10も曲げ弾性率が1300MPa以下の樹脂を主成分として使用することで、開栓動作を行う際に、収容部12が外筒部本体13により傷ついてしまうことを防止できる。
これに対し、底蓋部16と、収容部12との25℃〜95℃における平均線膨張係数差を5×10−3/℃以下とすることで、底蓋部16と収容部12との間でのゆがみを抑制することができる。
たとえば、前記実施形態では、パッキンP1,P2は、スチレン系ゴムを含んで構成されるとしたが、これに限らず、パッキンとして比重が1.0未満の他のエラストマーを使用してもよい。
さらには前記実施形態では、外筒部15の外筒部本体13は、JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が950MPa以下であるポリプロピレン系樹脂を使用するとしたが、これに限られるものではない。
さらに、前記実施形態では、底蓋部16にパッキンP1,P2を設けたが、いずれか一方のパッキンのみであってもよい。さらには、パッキンはなくてもよい。
また、前記実施形態では、内筒部10、外筒部15、底蓋部16を、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするものであるとしたが、これに限られない。
たとえば、ポリエチレン(PE)、サーモプラスチックオレフィン(TPO)およびサーモプラスチックエラストマー(TPE)を使用し、内筒部10、外筒部15、底蓋部16の比重を1.0未満、好ましくは0.95未満としてもよい。
たとえば、底蓋部16と、外筒部本体13の開口周縁との間にヒンジ部を形成し、底蓋部16が開動するようなものとしてもよい。
すなわち、ボトルキャップは、
一方の端面がふさがれ、他方の端面が開口し、ボトルの口部内に挿入され、内部に原料が収容される筒状の収容部を有する内筒部と、
内部に前記収容部が挿入され、一方の端部に前記内筒部が螺合するとともに、他方の端部が前記ボトルの口部内に挿入される外筒部本体を有し、前記ボトルの口部に取り付けられる外筒部と、
前記収容部の開口に着脱可能に嵌合する底蓋部とを備え、
前記収容部は、前記開口側の端部が前記外筒部本体の他方の端部の開口から突出し、
前記内筒部を開方向に螺進して前記収容部を駆動させ、前記外筒部本体の他方の端部により、前記底蓋部を前記収容部の前記開口から外すボトルキャップであって、
前記底蓋部と、前記外筒部本体の前記他方の端部との間に接続部が形成されており、
前記底蓋部を前記収容部の前記開口から外した状態において、前記底蓋部と、前記外筒部本体との間には原料をボトル内に排出するための隙間が形成されるとともに、前記接続部を介して前記底蓋部と、前記外筒部本体とが接続されている構造であってもよい。
以下、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のボトルキャップ1は、底蓋部16からパッキンP1,P2を除くとともに、底蓋部16によるシール性を向上するための突条部45を周壁部162と同一材料によりこれに一体成形した点で第一実施形態と相違する。
図6(a)は本実施形態の底蓋部16の縦断面図であり、同図(b)は下面図である。
そして、本実施形態の外筒部15は、下端面39が径方向の外向きに下り傾斜している。
なお、本実施形態において収容部12の下端24とは、収容部12の開口端近傍の所定長さの領域をいう。
本実施形態の底蓋部16は、スロープ部422をテーパー状とすることで、閉鎖部161を収容部12の下端24に対して容易に押入することができる。
突条部45は、図5に示すように蓋部11が外筒部15に螺合装着された状態で、外筒部15の下端面39より押圧されて周壁部162と下端面39との間をシールする突片である。
収容部12は、外筒部15の外筒部本体13よりも長く形成され、内筒部10の蓋部11が外筒部15に完全に螺着されると、収容部12の下端突起部25は外筒部15の下端34より下方に突出する。
かかる状態で収容部12に投入物200を投入し、収容部12の下端突起部25を嵌合溝163に圧入嵌合することにより、底蓋部16を収容部12に装着する。
膨出部47と下端突起部25との係合態様については後記に詳述する。
これにより、突条部45を含む底蓋部16の全体が単一の材料からなるため、ボトルキャップ1のリサイクル性が全体に良好となり、また、成形工程が単純でコストメリットに優れる。
図7は、図5にて円VIIで囲った領域に関する拡大図である。同図を参照して、本実施形態のボトルキャップ1における収容部12のシール状態について説明する。
そして、ボトルキャップ1では、図7に示すように、下端24から周壁部162に対して、突条部45が外筒部15の下端面39を外筒部15の軸方向に押し込む向き(図中、上方)の荷重成分Faと、底蓋部16の径方向の外向き(図中、左方)の荷重成分Frと、を含む圧接荷重Pが付与される。
また、嵌合溝163からの収容部12の引き抜きが規制され、底蓋部16や投入物200の自重によって底蓋部16が収容部12から容易に離脱することが防止される。
そして、突条部45の外側面451を下端面39よりも急峻に傾斜させることで、これらの面同士は接触しない。
また、突条部45が三角突条であって上端が細幅であることにより、突条部45の変形性が良好になる。このため、上述のように下端面39から抗力Dを受けた突条部45の上端は撓み変形して僅かに押し潰され、突条部45と下端面39とは強く密着することとなる。
なお、突条部45の頂部より嵌合溝163の内側に向かって下る内側面452の傾斜角は、特に限定されない。
外筒部15および底蓋部16がポリプロピレン系樹脂を主成分とする硬質樹脂材料からなる場合には、一例として、周壁部162の上縁46からの突条部45の高さを0.4〜0.8mmとし、オーバーラップ長を0.2〜1.2mmとするとよい。
このとき、突条部45は、下端面39からの抗力Dの径方向成分Drを受けて、径方向の内側に撓むとともに、傾斜した下端面39に沿って上方に滑り上がる。
ここで、溝内突条部43もまた、縦断面形状が上向きの三角形状をなす三角突条である。これにより、端面252からの押圧力により溝内突条部43の上端は撓み変形して僅かに押し潰され、溝内突条部43と端面252とは強く密着することとなる。
したがって、本実施形態のボトルキャップ1においては、収容部12と底蓋部16との間のシール性が良好となる。
次に、本発明の実施例について説明する。
前記実施形態と同様のボトルキャップ1を作製した。
外筒部15、内筒部10は、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ株式会社製、商品名ノバテック)95wt%、着色剤5wt%とした。
外筒部15、内筒部10に使用したポリプロピレン系樹脂は、エチレンとプロピレンとのブロック共重合体であり、その比重は0.91である。
また、外筒部15、内筒部10全体での比重は0.91であった。
さらに、外筒部15、内筒部10に使用したポリプロピレン系樹脂のJIS K7171に準拠した曲げ弾性率は950MPaであった。
試験片としては、15mm(幅)×50mm(長さ)×2mm(厚み)のものを用いた。
底蓋部16としての比重は、0.90である。
ここで、底蓋部16と内筒部10との25℃〜95℃における平均線膨張係数差は、5×10−3/℃であった。
具体的には、平均線膨張係数は以下のようにして計測した。底蓋部16および内筒部10から厚み1.0mm、3.0mm角のサンプルを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて、室温(25℃)から5℃/分でサンプルを昇温しながらサンプルの面内方向の変位量を計測し、面内方向の線膨張係数を算出する。そして、面内方向の25℃〜95℃における平均線膨張係数を算出した。
また、このようなボトルキャップ1では、開栓前に底蓋部16がはずれてしまうことはなかった。
さらに、ボトルに液体を注入し、ボトルキャップ1でボトルを閉めた後、87℃の加熱処理を行い、ホットパックを行った。このとき、ボトルキャップ1の底蓋部16と、内筒部10との間、内筒部10と外筒部15との間に歪みが生じることはなかった。
さらには、外筒部15をボトル2の口部21に挿入する際に、外筒部15が傷ついてしまうことはなかった。なお、ボトル2はPET製である。
2 ボトル
3 容器
10 内筒部
11 蓋部
12 収容部
13 外筒部本体
14 装着部
15 外筒部
16 底蓋部
21 口部
24,34 下端
25 下端突起部
33 上端
39 下端面
43 溝内突条部
45 突条部
46 上縁
47 膨出部
100 ボトルキャップ
101A 内筒
101 子キャップ
102A 外筒
102 親キャップ
103 底蓋
111 天面部
112 螺合部
131 螺合部
161 閉鎖部
162 周壁部
162A 上面
162B 垂直面
162C 傾斜面
163 嵌合溝
164 接続部
200 投入物
P1,P2 パッキン
θ1,θ2 傾斜角
Claims (11)
- 一方の端面がふさがれ、他方の端面に開口が形成され、ボトルの口部内に挿入される筒状の収容部を有する内筒部と、
内部に前記収容部が挿入され、一方の端部に前記内筒部が螺合するとともに、他方の端部が前記ボトルの口部内に挿入される外筒部本体を有し、前記ボトルの口部に取り付けられる外筒部と、
前記収容部の前記開口を塞ぐとともに、前記収容部の前記開口側の端部と着脱可能に嵌合する底蓋部とを備え、
前記収容部は、前記開口側の端部が前記外筒部本体の前記他方の端部から突出し、
前記内筒部を開方向に螺進して前記収容部を駆動させ、前記外筒部本体の前記他方の端部により、前記底蓋部を前記収容部の前記開口から外すボトルキャップであって、
前記内筒部、前記外筒部および前記底蓋部の比重を1.0未満としたボトルキャップ。 - 請求項1に記載のボトルキャップにおいて、
前記内筒部、前記外筒部および前記底蓋部の比重を0.95以下としたボトルキャップ。 - 請求項1または2に記載のボトルキャップにおいて、
前記内筒部、前記外筒部および前記底蓋部は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするボトルキャップ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のボトルキャップにおいて、
前記底蓋部が、
前記収容部の前記開口を塞ぐ閉鎖面部と、
この閉鎖面部の外側に位置し、当該底蓋部を前記収容部の前記開口に取り付けた際に、前記収容部の前記開口側の端部の側方を囲むとともに、上面が前記外筒部本体の前記他方の端部と対向する周壁部と、
前記周壁部と、前記閉鎖面部との間に形成され、前記収容部の前記開口側の端部がはめ込まれる嵌合溝と、
前記周壁部の前記外筒部との対向面上に前記周壁部と同一材料により一体成形された、前記内筒部が前記外筒部に螺合された状態で前記外筒部の下端面に押圧される突条部と、
を有することを特徴とするボトルキャップ。 - 前記外筒部の下端面は外向きに下り傾斜しており、
前記内筒部が前記外筒部に螺合した状態で、
前記周壁部と、前記収容部の前記開口側の端部とは互いに圧接されているとともに、
前記収容部の前記端部から前記周壁部に対して、前記突条部が前記外筒部の前記下端面を前記外筒部の軸方向に押し込む向きの荷重成分と、前記底蓋部の径方向の外向きの荷重成分と、を含む圧接荷重が付与される
ことを特徴とする請求項4に記載のボトルキャップ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のボトルキャップにおいて、
前記底蓋部は、前記収容部の前記開口を塞ぐ閉鎖面部と、
この閉鎖面部の外側に位置し、当該底蓋部を前記収容部の前記開口に取り付けた際に、前記収容部の前記開口側の端部の側方を囲むとともに、上面が前記外筒部本体の前記他方の端部と対向する周壁部と、
前記周壁部と、前記閉鎖面部との間に形成され、前記収容部の前記開口側の端部がはめ込まれる嵌合溝とを有し、
前記周壁部の前記外筒部との対向面上および前記嵌合溝内のうち少なくともいずれか一方には、パッキンが設置され、
前記パッキンは、比重が1.0未満であるボトルキャップ。 - 請求項6に記載のボトルキャップにおいて、
前記パッキンは、比重が0.95以下であるボトルキャップ。 - 請求項6または7に記載のボトルキャップにおいて、
前記内筒部、前記外筒部および前記底蓋部は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とし、
前記パッキンは、スチレン系ゴムを主成分とするボトルキャップ。 - 請求項1から8のいずれかに記載のボトルキャップにおいて、
前記外筒部の前記外筒部本体は、JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が950MPa以下である樹脂を主成分としているボトルキャップ。 - 請求項1から9のいずれかに記載のボトルキャップにおいて、
前記底蓋部の25℃〜95℃における平均線膨張係数と、前記収容部の25℃〜95℃における平均線膨張係数との差が5×10−3/℃以下であるボトルキャップ。 - 請求項1から10のいずれかに記載のボトルキャップと、前記ボトルキャップが取り付けられるボトルとを備えた容器。
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