JP2024062133A - 打抜き型及び打抜き装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フレキシブルなシート状物品から細長い孔を打抜くための打抜き型に関する。
このようにフレキシブルなシート状物品から細長い孔を打抜く必要は、例えば、包装袋を製造する工程に表われる。例えば、特許文献1は、包装袋を多面付けしたシート状物品から個々の包装袋に分離する際に、個々の包装袋の境界位置で細長い孔を打抜く工程があることを説明している。この打抜き工程によって個々の包装袋に分離して、包装袋が完成するのである。
一般にこの打抜き装置には、打抜きによって生じた打抜きカスを回収する集塵機が設けられているが、前述のように打抜きカスは細長いため、この打抜きカスがパイプ等に詰まって集塵機が故障することがあった。
本発明は、フレキシブルなシート状物品から細長い孔を打抜くための打抜き型であって、その打抜きカスによる集塵機の故障が生じ難い打抜き型を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、フレキシブルなシート状物品から細長い打抜きカスを打抜くための打抜き型において、
この細長い打抜きカスを打抜く打抜き刃と、打抜いたカスの長手方向に交差する方向に延在する細断刃とを備えることを特徴とする打抜き型である。
この細長い打抜きカスを打抜く打抜き刃と、打抜いたカスの長手方向に交差する方向に延在する細断刃とを備えることを特徴とする打抜き型である。
前記細断刃が前記打抜きカスを細片に切断するものであることが望ましい。打抜きカスの長さが5cm以上であってよく、細断刃で切断された細片はこれより短いものである。集塵機の性能によるが、細片の長さは10cm以下であることが望ましい。
前記細断刃は前記打抜きカスの長手方向に垂直な方向に延在していてもよいし、打抜きカスの長手方向に対して斜め方向に延在するものでもよい。また、これらが混在するものであってもよい。
また、この打抜き型は、例えば、前記シート状物品が包装袋を多面付けしたものであり、細長い前記打抜きカスが互に隣接する包装袋の境界位置にあって、その打抜きにより個々の包装袋に分離するものである場合に利用することができる。
もちろん、この打抜き型は打抜き装置に装着して使用することができる。もちろん、この打抜き装置は、前記細片を回収する集塵機を備えることが望ましい。
本発明の打抜き型は、細長い孔を打抜く打抜き刃に加えて、打抜きカスの長手方向に交
差する方向に延在する細断刃を備えるため、打抜きと同時に打抜きカスはより短い細片に切断される。このため、集塵機の故障は生じ難いのである。
差する方向に延在する細断刃を備えるため、打抜きと同時に打抜きカスはより短い細片に切断される。このため、集塵機の故障は生じ難いのである。
以下、角部を丸く面取りして角丸とした包装袋を製造する方法に適用する場合を例として、本発明の打抜き型を説明する。
まず、図1の第1工程に示すように、2枚のフレキシブルなシートを、その巻取りロールから巻き出し、これら2枚のシートを互に重ね合わせながら走行させる。
これら2枚のシートは包装袋を構成する包装フィルムである。包装フィルムとしては任意のフィルムであってよいが、通常、基材フィルムとシーラントとの積層体である。基材フィルムとしては、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムの他、多層構造のプラスチックフィルム、金属箔や紙を積層したプラスチックフィルム、金属蒸着膜やアルミナ等の無機蒸着膜を積層したプラスチックフィルム等が例示できる。シーラントは比較的低温で熱接着する樹脂で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が使用される。
包装袋を構成する2枚のシートは、互に重なり合って等速で走行する。このため、重なった2枚のシートを一体として、積層シートL1と見なすことができる。このような2枚のシートから成る積層シートL1もフレキシブルである。
この積層シートL1を使用して多数の包装袋を製造することができる。すなわち、この実施形態では、積層シートL1の走行方向に沿って2列の包装袋を製造することができる。図1において、P11,P12,P13‥,P21,P22,P23,‥は、個々の包装袋に対応する領域を示している。xは走行方向に延びる積層シートL1の中央線で、この中央線xの左右に、それぞれ、包装袋に対応する領域P11,P12,P13‥とP21,P22,P23,‥とが並んでいる。
なお、2列の包装袋に限らず、積層シートL1の幅を広くすることにより、3列あるいはそれ以上の列の包装袋を製造することも可能である。また、1列とすることもできる。
また、yは、包装袋に対応する領域のうち、走行方向に並ぶ個々の包装袋の間の境界線を示している。したがって、走行方向に延びる中央線xと走行方向に直交する方向に延びる区画線yとで区画されたそれぞれの領域に個々の包装袋が製造される。
そこで、次に、図2に示すように、包装袋の周囲のシール線を形成する。シール線は包装袋の底部シール線と左右両側の側部シール線である。
積層シートL1の走行方向の両サイドに形成するシール線PS1は底部シール線である。また、走行方向に直交する方向に延びる区画線y上に形成されるシール線PS2は包装袋左右両側の側部シール線である。図中、底部シール線PS1は積層シートL1の両サイド端部に形成しているが、端部より内側に底部シール線PS1を形成し、その外側をカットして除去してもよい。
これら底部シール線PS1と左右両側の側部シール線PS2とは常法によって形成することができる。例えば、積層シートL1の走行方向に回転するヒートシールロールを使用して、積層シートL1の両サイドに底部シール線PS1を形成することが可能である。
また、側部シール線PS2は、ヒートシールバーを使用して形成すればよい。ヒートシールバーを使用して側部シール線PS2を形成する際には、一時的に積層シートL1の走行を停止させてもよいし、走行させながら適切なタイミングでヒートシールしてもよい。
こうして底部シール線PS1と左右両側の側部シール線PS2とを形成した積層シートL2を第2図に示す。
なお、後の工程で走行方向に延びる中央線xで積層シートを断裁することにより、この中央線xの位置は包装袋の開口部になる。そして、この開口部から内容物を充填した後、この開口部をシールすることによって包装袋を密封することができる。
次に、こうして底部シール線PS1と左右両側の側部シール線PS2とを形成した積層シートL2を、図3に示す製袋機に投入して包装袋を製造する。
図3に示す製袋機に投入された積層シートL2は、まず、搬送ロールR1と搬送ロールR2との間を走行する。
搬送ロールR1を通り過ぎると、マークセンサによって、積層シートL2の位置が読み取られる。例えば、左右両側の側部シール線PS2等を読み取ることにより、以降の加工を行う位置を制御することができる。
次に、マークセンサと搬送ロールR2との間には、スリット刃が設けられている。図4に示すように、このスリット刃により、積層シートL2を中央線xで切断する。図4はこうして中央線xで切断された積層シートL3を示しており、図4において、Aはこうして形成された切断線を示している。積層シートL3は左右2枚のシートに分断されており、多面付けされた各包装袋には、上部開口部が形成されている。
次に、このスリット刃と搬送ロールR2との間に、角丸型パンチが配置されている。角丸型パンチは、製造する包装袋の4隅に尖った部分がないように面取りして、角部を丸く
するための打抜き装置である。
するための打抜き装置である。
この角丸型パンチとその受け台との間で積層シートL3を挟み、角丸型パンチに設けられた打抜き刃によって、角部を丸くするように角丸を打抜くことができる。図5は、積層シートL3の包装袋角部に対応する位置に角丸を打抜く工程を説明するための説明図である。この工程においても、一時的に積層シートL3の走行を停止させてもよいし、走行させながら適切なタイミングで打抜いてもよい。
この工程では、2種類の位置に角丸を打抜く。そのうち1か所は、個々の包装袋の間の境界を示す区画線yが、積層シートL3の両サイドと交わる位置である。この位置では略Vの字状に積層シートL3を打抜く。図5では、こうしてV字状に打ち抜く打抜き孔を符号B1で示している。もっとも、このVの字を構成する2本の線は直線ではなく、Vの字の内側に向けて突出する滑らかな曲線で構成されている。言い換えると、Vの字を構成する2本の線は、積層シートL3の外側に向けて突出する滑らかな曲線で構成されている。
このVの字を構成する2本の線の交点、すなわち、Vの字の尖った部分は区画線yの線上である。このため、Vの字を構成する2本の線は、区画線yで積層シートL3を切断して個々の包装体に分離したとき、個々の包装体の角部を構成する。そして、この2本の線が滑らかな曲線で構成されているため、個々の包装体に分離したとき、その角部には尖った部分がなく、滑らかな曲線の外形線を持つ。
次に、角丸を打抜くもう1か所の位置は、区画線yが積層シートL3中央の切断線Aと交差する位置である。この交差位置では、個々の包装袋に対応する領域が4つ互に突き合わされている。例えば、領域P11、P12、P21及びP22が集まった位置である(図5参照)。
この位置では略ひし形状に積層シートL3を打抜く。図5では、こうして略ひし形状に打ち抜く打抜き孔を符号B2で示している。
この図5から分かるように、略ひし形状を構成する4本の各線は、区画線yで積層シートL3を切断して個々の包装体に分離したとき、分離形成された4つの個々の包装体の角部を構成する。このため、ひし形状の中心は区画線yと切断線Aとの交点に位置する。また、略ひし形状を構成する4本の各線は、ひし形状の中心に向けて突出する滑らかな曲線で構成されている。
こうして区画線yと積層シートL3の両サイドとが交わる位置、及び区画線yと積層シートL3中央の切断線Aと交わる位置に角丸B1,B2を打抜いて形成された積層シートL4は、多数の包装袋P11,P12,P13‥,P21,P22,P23,‥が多面付されたシートであって、これを区画線yでカッティングすることにより、個々の包装袋に分離することができる(図6参照)。図7は、こうして分離された個々の包装体を示している。
しかしながら、このように個々の包装体に分離するためには、角丸B1,B2の形成位置とカッティング位置とが厳密に一致していなければならない。
仮に、角丸B1,B2の形成位置が区画線yからずれたり、あるいは角丸B1,B2の形成位置が正確であったとしても区画線yからずれた位置でカッティングされた場合には、それぞれの包装袋の角部に細くて鋭利なツノ部Hが生じる結果になる。図8は、このようなツノ部Hが生じた包装袋を示している。
そこで、この実施形態では、積層シートL4を区画線yでカッティングする代わりに、区画線yを挟む位置で積層シートL4を打抜くことで、多少に位置ずれが生じた場合にも、細くて鋭利なツノ部Hが発生することを防いでいる。この打抜き装置は、図3に示すように、積層シートL4の搬送経路に沿って、搬送ロールR2の後に配置されている。この打抜き装置は、走行する積層シートL4の上方に配置された打抜き型と、この打抜き型に向かい合って、積層シートL4の上方に配置された受け台とで構成されており、打抜き型を下降させて受け台との間で積層シートL4を挟むことにより、打抜き型に設けられた刃により、打抜くことができる。この打抜き工程の際にも、一時的に積層シートL4の走行を停止させることもできるし、走行させながら適切なタイミングで打抜くことも可能である。
そして、この打抜き工程によって個々の包装袋に分離されるから、この打抜き装置の後には包装袋のデリバリ装置が配置されている。また、打抜き装置の下方には、打抜きによって生じた打抜きカスを回収する集塵機が配置されている。デリバリ装置は任意のデリバリ装置でよく、この例では、分離された個々の包装袋を積み重ねて排出するデリバリ装置を使用している。また、集塵機も常用の集塵機でよく、例えば、真空吸引パイプを集塵タンクにつないで、打抜きカスを真空吸引して集塵タンクにためる集塵機を使用できる。
次に、図9は、この打抜き工程で使用するその打抜き型1の一部を示す斜視図で、この打抜き型1は打抜き装置に装着されている。
この打抜き型1は、支持板11と、その表面に埋め込まれて積層シートL4を切断する刃12とで構成されており、刃12の刃先は積層シートL4の方向、すなわち、下方を向いている。そして、刃12は、直線状に延在する2本の打抜き刃1211,1212とこの2本の打抜き刃1211,1211の間に配置された細断刃122とで構成されている。2本の打抜き刃1211,1212は互いに平行となるように配置されており、細断刃122はこれら打抜き刃1211,1212同士を繋いでいる。なお、この実施形態では、細断刃122は3本設けられており、この3本の細断刃1221,1222,1223はいずれも打抜き刃1211,1212に垂直な方向に延在しているが、斜め方向に延在するものであってもよい。また、打抜き刃1211,1212に垂直な方向に延在する細断刃と斜め方向に延在する細断刃とが混在していてもよい。
支持板11としては、例えばベニヤ板等の板状材料が使用できる。また、刃12としては、一般にトムソン刃として知られる帯状の鋼鉄製刃を好ましく使用できる。
そして、図10(a)はこの打抜き型1を使用して個々の包装袋に分離する工程を示しており、図10(b)はその要部を示している。これらの図から分かるように、互いに平行な2本の打抜き刃1211,1212は、区画線yを挟んで、しかも、これら打抜き刃1211,1212が区画線yに平行な方向に延在するように配置されている。また、この打抜き刃1211,1212は、いずれも、積層シートL4の両サイドに位置する角丸B1から積層シートL3中央の切断線Aに位置する角丸B2まで延在して、これら角丸B1及び角丸B2を切断するように配置されている。
これから分かるように、打抜き刃1211と打抜き刃1212との間の幅は、区画線yを挟んで、角丸B1の両端を切断することができる幅であり、また、角丸B2の両端を切断することができる幅である。
そして、このため、打抜き刃1211、角丸B1、打抜き刃1212及び角丸B2で囲まれる細長い領域が打抜きカス2として打抜かれる。図10(b)においては、この打抜きカス2ハッチンングを施して示している。
そして、このように積層シートL4を、2本の打抜き刃1211,1212で切断するから、これら打抜き刃1211と打抜き刃1212との間の幅の範囲内で打抜き位置がずれたときでも、製造された包装袋の角部には、ツノ部Hが生じることがない。すなわち、多少の位置ずれの有無に拘わらず、ツノ部Hがなく、角部を丸く面取りして角丸とした包装袋を製造することができるのである。
ところで、この打抜きカス2は、打抜き刃1211,1212が延在する方向、すなわち、角丸B1から角丸B2に至る方向(図示上下方向)を長手方向とする細長い形状を有している。このような細長い打抜きカス2を集塵機に回収しようとすると、吸引パイプ等に詰まって集塵機が故障することがある。
本発明においては、打抜き型1が、打抜き刃1211,1212に加えて細断刃122を有しているから、図11に示すように、この細断刃122によって打抜きカス2が細断される。この実施形態では、細断刃122は3本設けられており、これら3本の細断刃1221,1222,1223は打抜きカス2の長手方向に交差する方向に延在しているから、打抜きカス2は、4つの細片21,22,23,24に細断されている。そして、このように細断されているから、吸引パイプ等が詰まることを防いで、集塵機の故障を予防することができる。
もちろん、細断刃122の数は3本にかぎられず、任意の本数でよい。また、前述のように、この実施形態では、3本の細断刃122はいずれも打抜き刃1211,1212の延在方向に対して垂直な方向に延在しているから、これら3本の細断刃122は、いずれも、打抜きカス2の長手方向に対して垂直な方向に打抜きカス2を細断しているが、細断刃が打抜き刃1211,1212の延在方向に対して斜め方向に延在している場合には、打抜きカス2の長手方向に対して斜め方向に打抜きカス2を細断することになる。
本発明は、打抜きカス2の長さが5cm以上のものに好適に適用することができる。また、集塵機の性能によるが、細断して形成される細片の長さは10cm以下であることが望ましい。より望ましくは細片の長さは1cm以下である。このように細かく裁断することにより、一層確実に集塵機の故障を防ぐことができる。
そして、このように打抜きカス2が、その打抜きと同時にさらに細かい細片に細断されるから、多少の位置ずれの有無に拘わらず角部を丸く面取りした包装袋を製造して、しかも、集塵機の故障を予防することが可能である。
1:打抜き型
11:支持版
12:刃
1211,1212:打抜き刃
122,1221,1222,1223:細断刃
2:打抜きカス 21,22,23,24:細片
L1~L4:積層シート
P11,P12,P13,P21,P22,P23:包装袋に対応する領域又は包装袋
x:走行方向に延びる積層シートの中央線
y:走行方向に直交する方向に延びる区画線
PS1:底部シール線 PS12:側部シール線
A:切断線
B1,B2:角丸
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1211,1212:打抜き刃
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L1~L4:積層シート
P11,P12,P13,P21,P22,P23:包装袋に対応する領域又は包装袋
x:走行方向に延びる積層シートの中央線
y:走行方向に直交する方向に延びる区画線
PS1:底部シール線 PS12:側部シール線
A:切断線
B1,B2:角丸
Claims (9)
- フレキシブルなシート状物品から細長い打抜きカスを打抜くための打抜き型において、
この細長い打抜きカスを打抜く打抜き刃と、打抜いたカスの長手方向に交差する方向に延在する細断刃とを備えることを特徴とする打抜き型。 - 前記打抜きカスの長さが5cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の打抜き型。
- 前記細断刃が前記打抜きカスを細片に切断するものであることを特徴とする請求項1に記載の打抜き型。
- 前記細片の長さが10cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の打抜き型。
- 前記細断刃が前記打抜きカスの長手方向に垂直な方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の打抜き型。
- 前記細断刃が前記打抜きカスの長手方向に対して斜め方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の打抜き型。
- 前記シート状物品が包装袋を多面付けしたものであり、細長い前記打抜きカスが互に隣接する包装袋の境界位置にあって、この打抜きにより個々の包装袋に分離するものであることを特徴とする請求項1に記載の打抜き型。
- 前記請求項1~7のいずれかに記載の打抜き型を装着したことを特徴とする打抜き装置。
- 前記細片を回収する集塵機を備えることを特徴とする請求項8に記載の打抜き装置。
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