JP2024061524A - 無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法 - Google Patents

無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法を提供する。【解決手段】貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、シリコン半導体表面上に貴金属を析出させるための無電解めっき液組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法に関する。
貴金属は高い導電性、化学的安定性を持つ物質として、電子部品の最終表面処理やワイヤボンディング材料、装飾品等に使用されている。これらの表面処理や装飾品用途では通常、めっき法で貴金属を析出させる。めっき方法としては、電解めっき法および無電解めっき法が挙げられる。無電解めっき法としては、例えば、無電解還元めっき法および無電解置換めっき法等が知られている。無電解還元めっき法においては還元剤により貴金属析出を行う。無電解置換めっき法においては、被めっき面の下地金属と貴金属イオンおよび/または貴金属イオン錯体との置換反応により貴金属析出を行う。
ところで、近年シリコン上に貴金属を配置することが求められている。例えば、特許文献1、2には、シリコン上に置換反応で貴金属を析出させ、貴金属を回収するシステムが提案されている。また、特許文献3には、シリコン等の半導体上に貴金属からなる触媒層を形成し、触媒層近傍のシリコンをエッチングする技術が報告されている。
特開2013-177663号公報 国際公開第2016/163269号明細書 特開2016-58647号公報
特許文献1~3に記載されるような技術は、シリコン加工による構造体形成、ダイシング加工への応用が可能である。一方で、上述した各用途においては、精度よくシリコン半導体上に貴金属を析出させることが好ましい。
ところが、本発明者らが検討した結果、シリコン半導体の表面を無電解貴金属めっきする過程で、既存の貴金属イオン源およびフッ化水素酸を含む貴金属めっき用組成物を使用した場合に、反応性が高いため貴金属析出量の制御が難しく、過剰析出が生じる現象を確認した。これにより、本発明者らは、貴金属めっきの構造制御が困難になる、また、貴金属消費量が増大するという課題に直面した。
したがって、本発明の目的は、シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、フッ素化合物および貴金属イオン源を含む無電解めっき液組成物について、特定の析出抑制剤を添加することにより、シリコン半導体表面での貴金属の析出速度を小さくすることができることを見出し、本発明に至った。
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、
析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、シリコン半導体表面上に貴金属を析出させるための無電解めっき液組成物。
[2] 前記析出抑制剤は、アセトアミド、2-クロロアセトアミド、N-メチルアセトアミド、ニコチンアミド、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アラニン、グリシン、酢酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アラニン、グリシン、アラニン塩酸塩、グリシン塩酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む、[1]に記載の無電解めっき液組成物。
[3] フッ素化合物が、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種以上を含む、[1]または[2]に記載の無電解めっき液組成物。
[4] シリコン半導体が、シリコンおよび/またはシリコン酸化物を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の無電解めっき液組成物。
[5] pHが7.0未満である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の無電解めっき液組成物。
[6] 無電解めっき液組成物をシリコン半導体の表面と接触させる工程を含み、
前記無電解めっき液組成物は、貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、
析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、貴金属の析出方法。
以上、本発明によれば、シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法を提供することができる。
以下、本発明に係る無電解めっき液組成物および貴金属の析出方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
1. 無電解めっき液組成物
まず、本発明の一実施形態に係る無電解めっき液組成物について説明する。本実施形態に係る無電解めっき液組成物は、貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、シリコン半導体表面上に貴金属を析出させるための無電解めっき液組成物である。以下、無電解めっき液組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
無電解めっき液組成物に含まれる貴金属イオン源は、析出する貴金属の元素を貴金属イオンとして供給する成分である。貴金属イオン源が供給する貴金属イオンとしては、金イオン、銀イオン、銅イオン、白金イオン、パラジウムイオン、ルテニウムイオン、ロジウムイオン、オスミウムイオンおよびイリジウムイオン等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、貴金属イオン源から供給される貴金属イオンは、好ましくは金イオン、銀イオン、銅イオン、白金イオン、パラジウムイオンからなる群から選択される1種以上を、より好ましくは金イオン、銀イオン、白金イオン、パラジウムイオンからなる群から選択される1種以上を含む。
貴金属イオン源としては、特に限定されないが、水溶性貴金属塩を用いることができ、例えば、テトラクロロ金(III)酸、亜硫酸金(I)ナトリウム、シアン化金カリウム、ヨウ化金錯イオン等の金イオン源、シアン化銀カリウム、酢酸銀、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、チオ硫酸銀ナトリウム、グルコン酸銀、アルキルスルホン酸銀、例えばメタンスルホン酸銀等の銀イオン源、シアン化銅(I)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、塩化銅(II)、塩化銅(I)等の銅イオン源、ジニトロジアミン白金、ヘキサヒドロキソ白金、ヘキサアンミン白金水酸塩、ヘキサクロロ白金酸塩等の白金イオン源、テトラアンミンパラジウム(II)ジクロライド、テトラアンミンパラジウム塩酸塩、塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)ナトリウム、塩化パラジウム(II)アンモニウム等のパラジウムイオン源、硫酸ルテニウム、ニトロソ塩化ルテニウム、テトラクロロアクアルテニウム酸カリウム、塩化ルテニウム(III)等のルテニウムイオン源、硫酸ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)等のロジウムイオン源、ヘキサクロロオスミウム(IV)酸カリウム、ヘキサクロロオスミウム(IV)酸ナトリウム等のオスミウムイオン源、塩化イリジウム(III)三水和物等のイリジウムイオン源が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
貴金属イオン源の濃度は、特に限定されないが、例えば0.050mM以上、好ましくは0.25mM以上、より好ましくは0.50mM以上である。これにより、シリコン半導体の表面上に十分かつ効率よく貴金属を析出させることができる。また、貴金属イオン源の濃度の上限は、特に限定されないが、例えば100mM以下、好ましくは50mM以下、より好ましくは10mM以下である。これにより過剰な貴金属の析出を抑制することができる。また、上記の濃度であると、無駄な貴金属イオン源を削減することができ経済的である。
また、無電解めっき液組成物は、フッ素化合物を含む。フッ素化合物は、シリコン半導体表面に存在するシリコン酸化物を溶解させることに寄与する。これにより、シリコン半導体の表面にシリコンが露出し、貴金属イオンのシリコンとの置換反応が可能となる。このようなフッ素化合物としては、特に限定されないが、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、フッ素化合物は、好ましくはフッ化水素酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素アンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上を、より好ましくはフッ化水素酸、ヘキサフルオロケイ酸およびフッ化水素アンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上を含む。
無電解めっき液組成物中のフッ素化合物の濃度は、特に限定されないが、例えば0.0010M以上、好ましくは0.050M以上、より好ましくは0.20M以上であることができる。無電解めっき液組成物中のフッ素化合物の濃度は、特に限定されないが、例えば20M以下、好ましくは5.0M以下、より好ましくは1.5M以下であることができる。これにより、シリコン半導体表面のシリコン酸化物を無電解めっき液組成物中に適切に溶解させ、貴金属イオン源の反応性を適切に維持することができる。この結果、無電解めっき液組成物による貴金属の析出性を適度なものに維持することができる。
また、本実施形態に係る無電解めっき液組成物は析出抑制剤を含み、析出抑制剤はカルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む。本実施形態に係る無電解めっき液組成物は、このような析出抑制剤を含むことにより、シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である。これにより、シリコン半導体の表面での貴金属めっきの構造制御を容易にすることができ、所望の析出物の物性などを得ることができる。また、シリコン半導体の表面に適量の貴金属を析出させることができるため、貴金属消費量を抑制でき経済的である。そして、シリコン半導体の表面で貴金属めっきを正確に形成させることにより、微細化が進むデバイスの製造プロセスにも適用することができる。
このような析出抑制剤による貴金属の析出抑制のメカニズムについては明らかではない。しかしながら、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸および水溶性カルボン酸塩については、シリコン半導体表面に作用して表面の濡れ性などの物性に影響を及ぼしていることが考えられる。また、ホウ酸およびホウ酸塩については、これら由来のホウ酸化合物がフッ化物イオンと結合する結果、フッ化物イオンによるシリコン半導体表面にあるシリコン酸化物の溶出が抑制され、貴金属の析出の速度が抑制されるものと考えられる。
カルボン酸アミドとしては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸アミドは、アセトアミド、2-クロロアセトアミド、N-メチルアセトアミドおよびニコチンアミド等の水溶性カルボン酸アミドが挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無電解めっき液組成物中のカルボン酸アミドの濃度は、特に限定されないが、例えば0.0050M以上、好ましくは0.010M以上、より好ましくは0.050M以上である。これにより、貴金属の析出速度を十分に減少させることができる。また、無電解めっき液組成物中のカルボン酸アミドの濃度は、特に限定されないが、例えば5.0M以下、好ましくは2.0M以下、より好ましくは1.0M以下である。上記範囲を超えると貴金属の析出速度の減少効果の上昇が少なくなることから、上記範囲内でのカルボン酸アミドの使用は経済的である。
水溶性カルボン酸としては、特に限定されないが、酢酸等の飽和脂肪酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン等のアミノカルボン酸が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、水溶性カルボン酸塩としては、特に限定されないが、例えば上述した水溶性カルボン酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、塩酸塩等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、ラジウム等を1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性カルボン酸塩としては、具体的には、例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リンゴ酸アンモニウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、フタル酸アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、マロン酸アンモニウム、マロン酸ナトリウム、マロン酸カリウム、コハク酸アンモニウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、グルタル酸アンモニウム、グルタル酸ナトリウム、グルタル酸カリウム、アラニン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、アスパラギン酸塩酸塩、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、グルタミン酸塩酸塩、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グリシン塩酸塩、ロイシン塩酸塩、リシン塩酸塩等が挙げられる。
無電解めっき液組成物中の水溶性カルボン酸および水溶性カルボン酸塩の合計の濃度は、特に限定されないが、例えば0.0010M以上、好ましくは0.010M以上、より好ましくは0.050M以上である。これにより、貴金属の析出速度を十分に減少させることができる。また、無電解めっき液組成物中の水溶性カルボン酸および水溶性カルボン酸塩の合計の濃度は、特に限定されないが、例えば5.0M以下、好ましくは2.0M以下、より好ましくは1.0M以下である。上記範囲を超えると貴金属の析出速度の減少効果の上昇が少なくなることから、上記範囲内での水溶性カルボン酸および水溶性カルボン酸塩の使用は経済的である。
ホウ酸およびホウ酸塩としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸のアルカリ金属塩、ホウ酸のアルカリ土類金属塩、ホウ酸アンモニウム等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属については、上述した通りである。
無電解めっき液組成物中のホウ酸およびホウ酸塩の合計の濃度は、特に限定されないが、例えば0.0010M以上、好ましくは0.0050M以上、より好ましくは0.010M以上である。これにより、貴金属の析出速度を十分に減少させることができる。また、無電解めっき液組成物中のホウ酸およびホウ酸塩の合計の濃度は、特に限定されないが、例えば0.25M以下、好ましくは0.20M以下、より好ましくは0.15M以下である。上記範囲を超えると貴金属の析出速度の減少効果の上昇が少なくなることから、上記範囲内でのホウ酸およびホウ酸塩の使用は経済的である。
上述した中でも、無電解めっき液組成物中の析出抑制剤は、好ましくはアセトアミド、2-クロロアセトアミド、N-メチルアセトアミド、ニコチンアミド、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アラニン、グリシン、酢酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アラニン、グリシン、アラニン塩酸塩、グリシン塩酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種または2種以上を、より好ましくはアセトアミド、2-クロロアセトアミド、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、酢酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アラニン、グリシン、アラニン塩酸塩およびグリシン塩酸塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む。
また、本実施形態に係る無電解めっき液組成物は、pH調整剤を含んでもよい。このようなpH調整剤としては、各種酸および/または塩基を用いることができ、こられのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸等が挙げられる。また、塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリン、アンモニア、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等が挙げられる。
また、本実施形態に係る無電解めっき液組成物は、通常溶媒を含む。溶媒としては、特に限定されないが、一般には水が用いられる。しかしながら、無電解めっき液組成物は、溶媒として有機溶媒を含んでもよい。
このような有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒等の各種水と混合可能な有機溶媒が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の脂肪族アルコール系溶媒、エチレングリコール等のグリコール系溶媒等や、グリセリン等のその他多価アルコールが挙げられる。
また、無電解めっき液組成物の溶媒中における水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。特に、無電解めっき液組成物の溶媒は、好ましくは本質的に水からなり、より好ましくは水からなる。
無電解めっき液組成物における溶媒の含有量は、特に限定されず、他の成分の残部とすることができる。より具体的には、無電解めっき液組成物における溶媒の含有量は、例えば、30質量%以上98質量%以下、好ましくは60質量%以上95質量%以下である。
本本実施形態に係る無電解めっき液組成物のpHは、特に限定されないが、好ましくは7.0未満、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下である。また、本実施形態に係る無電解めっき液組成物のpHは、特に限定されないが、好ましくは-2.0以上、より好ましくは-1.5以上、さらに好ましくは-1.0以上である。これにより、無電解めっき液組成物の安定性が向上するとともに、貴金属の析出速度を上述した析出抑制剤により適切に制御できる。
以上説明した本実施形態に係る無電解めっき液組成物は、シリコン半導体表面上に貴金属を析出させるために用いられる。シリコン半導体としては、シリコンおよび/またはシリコン酸化物を含めばよく、また、シリコンは、単結晶シリコンであってもよいし多結晶シリコンであってもよい。また、シリコンには、適宜ドーパントとして各種Si以外の元素、例えばB、P、As、Sb、Ga等が含まれていてもよい。あるいは、シリコン半導体は、ドープされていないシリコン単結晶または多結晶シリコンであってもよい。
以上説明した本実施形態に係る無電解めっき液組成物によれば、まず、フッ素化合物がシリコン半導体表面に存在するシリコン酸化物を溶解させる。これにより、シリコン半導体の表面にシリコンが露出し、次に貴金属イオン源由来の貴金属イオンとシリコンとの間で置換反応が生じてシリコン半導体の表面に貴金属が析出する。この場合において、無電解めっき液組成物中に含まれる析出抑制剤により、シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である。具体的には、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸および水溶性カルボン酸塩については、シリコン半導体表面に作用してシリコン半導体表面の濡れ性などの物性に影響を及ぼしていることが考えられる。また、ホウ酸およびホウ酸塩については、これら由来のホウ酸化合物がフッ化物イオンと結合する結果、フッ化物イオンによるシリコン半導体表面にあるシリコン酸化物の溶出が抑制され、貴金属の析出の速度が抑制されるものと考えられる。
以上より、シリコン半導体の表面での貴金属めっきの構造制御を容易にすることができ、所望の析出物の物性などを得ることができる。また、シリコン半導体の表面に適量の貴金属を析出させることができるため、貴金属消費量を抑制でき経済的である。そして、シリコン半導体の表面で貴金属めっきを正確に形成させることにより、微細化が進むデバイスの製造プロセスにも適用することができる。
なお、本明細書において、「無電解めっき」としては、基本的には系外からの電圧の印加が不要な化学めっき法、例えば、無電解還元めっき法、および無電解置換めっき法によるめっきが挙げられる。無電解還元めっき方法は、還元剤により貴金属析出を行う方法である。無電解置換めっき方法は、被めっき面の下地金属と貴金属イオンおよび/または貴金属イオン錯体との置換反応により貴金属析出を行う方法である。これらのめっき方法は2種以上を組み合わせて用いることができる。無電解めっきは、析出物の物性などの観点から、無電解置換めっき法を用いることが好ましい。なお、無電解めっきの実施時において補助的に外部から無電解めっき液組成物や被めっき対象物に対して電圧を印加してもよい。
また、本明細書においては、めっき処理において、貴金属がシリコン半導体表面に析出すればよく、必ずしも膜状の貴金属のめっき層が形成されなくてもよい。例えば、本実施形態に係る無電解めっき液組成物によるめっき処理において、貴金属粒子が例えば島状にシリコン半導体表面に析出してもよいし、貴金属が不均質に析出し、シリコン半導体表面の一部が露出しためっき層がシリコン半導体表面に形成されてもよいし、あるいは、貴金属が比較的均一にシリコン半導体表面に析出し、膜状のめっき層がシリコン半導体表面に形成されてもよい。
どのような形態で貴金属をシリコン半導体表面に析出させるかは、そのシリコン半導体の用途に応じて適宜選択することができ、その析出の形態に応じて本実施形態に係る無電解めっき液組成物の組成を調整することができる。
2. 貴金属の析出方法
次に、本実施形態に係る貴金属の析出方法について説明する。本実施形態に係る貴金属の析出方法は、無電解めっき液組成物をシリコン半導体の表面と接触させる工程を含み、前記無電解めっき液組成物は、貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む。なお、本実施形態においては、無電解めっき液組成物として、上述した本実施形態に係る無電解めっき液組成物を用いるものとして説明する。
無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面と接触は、例えば、シリコン半導体を無電解めっき液組成物中に浸漬することにより行うことができる。あるいは、シリコン半導体に対しシャワー、ノズルおよび/またはスプレー等により無電解めっき液組成物を噴霧または吐出することにより行うことができる。
無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面と接触時における無電解めっき液組成物の温度は、特に限定されないが、例えば10℃以上80℃以下、好ましくは15℃以上30℃以下である。これにより、シリコン半導体表面への貴金属の析出速度を適切に調節することができる。
無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面と接触時間は、特に限定されないが、例えば1.0秒以上10分以下、好ましくは10秒以上5.0分以下である。これにより、シリコン半導体表面へ貴金属を所望の量、析出させることができる。
また、無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面と接触時における無電解めっき液組成物の使用量は、例えばシリコン半導体の表面に接触させるのに十分な量であればよく、特に限定されない。例えば、無電解めっき液組成物の使用量は、シリコン半導体の表面を浸漬するのに十分な量であればよい。
また、無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面と接触は、シリコン半導体を静置した状態で行ってもよいし、あるいは、無電解めっき液組成物とシリコン半導体とを攪拌等により流動させつつ行ってもよい。攪拌を行う場合、例えば、50rpm以上100rpm以下、好ましくは100rpm以上1000rpmの攪拌速度で行うことができる。
あるいは、無電解めっき液組成物のシリコン半導体の表面との接触は、シリコン半導体表面を無電解めっき液組成物中に通過させることにより行ってもよい。この場合において、シリコン半導体を静置してもよいし、シリコン半導体をベルトコンベア等により移動させ、一定時間、無電解めっき液組成物の槽に浸漬してもよい。
以上、本実施形態に係る貴金属の析出方法によれば、無電解めっき時において、シリコン半導体の表面で貴金属が析出する速度を比較的小さくすることが可能である。よってシリコン半導体の表面での貴金属めっきの構造制御を容易にすることができ、所望の析出物の物性などを得ることができる。
以上、本発明について好適な実施形態に基づき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1~5および比較例1、2)
(1)無電解めっき液組成物の調製
表1に示すような成分を表1に示す濃度となるように水と混合し、実施例1~5および比較例1、2の組成物を得た。
(2)無電解めっき
まず、パターンが形成されていないシリコン基板(n-Si(100)Low1-100Ω・cm、D&X株式会社製)を1cm×1cmの大きさに切断した。
次に、室温(20℃)に調整した実施例1~5および比較例1、2の組成物(0.1L)にシリコン基板を浸漬して3分間静置し、貴金属(金(Au)または銀(Ag))を析出させた。その後、シリコン基板を10秒間リンス(純水によるオーバーフロー)して、最後に窒素ブローで乾燥させた。
(3)析出量の測定
蛍光X線膜厚計(FT9500X、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用い無電解めっき後のシリコン基板上に析出した貴金属(AuまたはAg)の蛍光X線強度を測定することにより、シリコン基板上に析出した貴金属の量を評価した。結果を表1に示す。表中、蛍光X線強度の値は5回測定の平均値である。
なお、蛍光X線膜厚計による測定条件は以下の通りである。
測定時間:30秒
励起電圧:45kV
管電流:1000μA
測定元素:貴金属(AuまたはAg)
分析線:Lα
ROI(Region of Interest、蛍光X線強度を求めるエネルギー範囲):9.52~9.89keV)
Figure 2024061524000001
その結果、金の析出に関しては、比較例1における蛍光X線強度の値(1152cps)に対して、実施例1~4における蛍光X線強度の値(872、839、799、307cps)は十分に低いことが確認された。また、銀の析出に関しても、比較例2における蛍光X線強度の値(567cps)に対して、実施例5における蛍光X線強度の値(453cps)は十分に低いことが確認された。
よって、フッ素化合物としてヘキサフルオロケイ酸を含む貴金属めっき用組成物に析出抑制剤を加えることによって、シリコン基板上で貴金属が析出する速度を減少させることがわかった。それにより、シリコン半導体の表面での貴金属めっきの構造制御を容易にすることができると考えられる。
(実施例6~10および比較例3、4)
(1)無電解めっき液組成物の調製
表2に示すような成分を表2に示す濃度となるように水と混合し、実施例6~10および比較例3、4の組成物を得た。
(2)無電解めっき
まず、パターンが形成されていないシリコン基板(n-Si(100)Low1-100Ω・cm、D&X株式会社製)を1cm×1cmの大きさに切断した。
次に、室温(20℃)に調整した実施例6~10および比較例3、4の組成物(0.1L)にシリコン基板を浸漬して3分間静置し、貴金属(金(Au)または銅(Cu))を析出させた。その後、シリコン基板を10秒間リンス(純水によるオーバーフロー)して、最後に窒素ブローで乾燥させた。
(3)析出量の測定
蛍光X線膜厚計(FT9500X、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用い無電解めっき後のシリコン基板上に析出した貴金属(AuまたはCu)の蛍光X線強度を測定することにより、シリコン基板上に析出した貴金属の量を評価した。結果を表2に示す。表中、蛍光X線強度の値は5回測定の平均値である。また、蛍光X線膜厚計による測定条件は、測定元素を除き、上述した条件と同様であった。
Figure 2024061524000002
その結果、金の析出に関しては、比較例3における蛍光X線強度の値(871cps)に対して、実施例6~9における蛍光X線強度の値(742、739、736、198cps)は十分に低いことが確認された。また、銅の析出に関しても、比較例4における蛍光X線強度の値(1390cps)に対して、実施例10における蛍光X線強度の値(659cps)は十分に低いことが確認された。
よって、フッ素化合物としてフッ化水素酸を含む貴金属めっき用組成物においても、析出抑制剤を加えることによって、シリコン基板上で貴金属が析出する速度を減少させることがわかった。それにより、シリコン半導体の表面での貴金属めっきの構造制御を容易にすることができると考えられる。

Claims (6)

  1. 貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、
    析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、シリコン半導体表面上に貴金属を析出させるための無電解めっき液組成物。
  2. 前記析出抑制剤は、アセトアミド、2-クロロアセトアミド、N-メチルアセトアミド、ニコチンアミド、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アラニン、グリシン、酢酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アラニン、グリシン、アラニン塩酸塩、グリシン塩酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1に記載の無電解めっき液組成物。
  3. フッ素化合物が、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸およびテトラフルオロホウ酸からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の無電解めっき液組成物。
  4. シリコン半導体が、シリコンおよび/またはシリコン酸化物を含む、請求項1に記載の無電解めっき液組成物。
  5. pHが7.0未満である、請求項1に記載の無電解めっき液組成物。
  6. 無電解めっき液組成物をシリコン半導体の表面と接触させる工程を含み、
    前記無電解めっき液組成物は、貴金属イオン源と、フッ素化合物と、析出抑制剤とを含み、
    析出抑制剤が、カルボン酸アミド、水溶性カルボン酸、水溶性カルボン酸塩、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群から選択される1種以上を含む、貴金属の析出方法。

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