JP2024058959A - 菌体外多糖を含む育発毛促進剤 - Google Patents

菌体外多糖を含む育発毛促進剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2024058959A
JP2024058959A JP2022166398A JP2022166398A JP2024058959A JP 2024058959 A JP2024058959 A JP 2024058959A JP 2022166398 A JP2022166398 A JP 2022166398A JP 2022166398 A JP2022166398 A JP 2022166398A JP 2024058959 A JP2024058959 A JP 2024058959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair growth
eps
present
bxeps
rhamnose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022166398A
Other languages
English (en)
Inventor
宗彦 朝山
大作 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibaraki University NUC
Original Assignee
Ibaraki University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibaraki University NUC filed Critical Ibaraki University NUC
Priority to JP2022166398A priority Critical patent/JP2024058959A/ja
Publication of JP2024058959A publication Critical patent/JP2024058959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

【課題】菌体外多糖(EPS)を用いた育発毛促進剤の提供。【解決手段】受託番号FERM BP-22318を有するパラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来の菌体外多糖であって、構成糖としてラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースを含むラムナンであり、ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースの合計モル数に対するラムノースとキシロースの合計モル数の割合が80%以上である菌体外多糖、及び、その菌体外多糖を含む育発毛促進剤。【選択図】図5

Description

本発明は、菌体外多糖を含む育発毛促進剤に関する。
微細藻類由来の様々な菌体外多糖(細胞外多糖; extracellular polysaccharides; EPS)の構造や機能について報告されている。微細藻類のうち藍藻については、例えば、スイゼンジノリ(Aphanothece sacrum)が産生するEPS(サクラン)は、アラビノース、フコース、ラムノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グルコース、及びガラクトサミンを構成糖とする、分岐構造を有する分子量200万ダルトン以上の硫酸化多糖である。特許文献1は、この多糖に脂肪酸や有機酸を導入した配糖体にすることにより、食品の増粘剤や抗ウイルス剤として用いることを開示している。またスピルリナ属Spirulina (Arthrospira)sp.が産生するEPS(スピルラン)は、ラムノース、リボース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、グルコース、グルクロン酸、及びガラクツロン酸を構成糖とする分岐構造を有する分子量26万ダルトンの酸性多糖である。特許文献2は、スピルリナ属Spirulina(Arthrospira)sp.が産生するEPSが、腫瘍転移抑制作用を有すると報告している。
微細藻類のうち緑藻に属するセネデスムス属Scenedesmus sp.が産生するEPSは、ガラクトース、グルコース、マンノース、フコース、グルコサミン、及びキシロースを構成糖とする分岐構造を有する分子量4万ダルトンの多糖であり、タンパク質と結合した糖タンパク質として存在する。この糖タンパク質は抗腫瘍作用を示すことが報告されている(特許文献3)。アオサノリ(Monostroma nitidum)が産生するEPSは、構成糖としてラムノース、グルコース、ガラクトース、及びキシロースを含み、かつウロン酸を含む分岐構造を有する分子量87万ダルトンの多糖であり、抗ヘルペス作用を有すると報告されている(非特許文献1)。
パラクロレラ・ケスレリ(Parachlorella kessleri)PNC1株が産生するEPSは、ガラクトース、マンノース、アラビノース、ラムノース、及びキシロースを構成糖とする分岐構造を有する分子量5~8万ダルトンの多糖である(特許文献4)。このEPSは、ガラクトース含量が全中性単糖中の50~79%と極めて高いこと、毛乳頭細胞増殖賦活作用や毛乳頭細胞におけるVEGF産生促進作用を有し育毛剤として有用であることが示唆されている(特許文献4)。
このように、藍藻や緑藻由来の多糖類の多くは主鎖と側鎖から構成される分岐構造を有している。藍藻や緑藻由来の多糖類については様々な特性や効能が報告されているが、多糖類の機能や安全性に関する共通した知見はまだ十分に得られていない。
本発明者らは、緑藻パラクロレラ属BX1.5株由来のEPSとしての直鎖型ラムナンの製造方法を報告している(特許文献5、非特許文献2)。しかしその機能に関する知見はまだ限られている。
国際公開WO2008/062574 特開平9-176022号公報 特開平6-253881号公報 特開2014-25035号公報 特開2020-117624号公報
Lee et al., Carbohydrate Polymers (2010) 81, 572-577 Sasaki et al., Carbohydrate Polymers (2021) 254, 117252
本発明は、EPSを用いた育発毛促進剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、緑藻パラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来のEPSが、育発毛促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]受託番号FERM BP-22318を有するパラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来の菌体外多糖であって、構成糖としてラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースを含むラムナンであり、ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースの合計モル数に対するラムノースとキシロースの合計モル数の割合が80%以上である菌体外多糖。
[2]ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースのモル比がラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=50~58:30~34:5~9:3~7の範囲にある、上記[1]に記載の菌体外多糖。
[3]精製物である、上記[1]又は[2]に記載の菌体外多糖。
[4]上記[1]に記載の菌体外多糖を含む、育発毛促進剤。
[5]前記菌体外多糖におけるラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースのモル比がラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=50~58:30~34:5~9:3~7の範囲にある、上記[4]に記載の育発毛促進剤。
[6]前記菌体外多糖が精製物である、上記[4]又は[5]に記載の育発毛促進剤。
[7]育毛剤である、上記[4]~[6]のいずれかに記載の育発毛促進剤。
[8]上記[4]~[7]のいずれかに記載の育発毛促進剤を含む、化粧料。
[9]上記[4]~[7]のいずれかに記載の育発毛促進剤を含む、医薬。
[10]育発毛促進のための、上記[8]に記載の化粧料。
[11]育発毛促進のための、上記[9]に記載の医薬。
[12]経皮投与用の、上記[9]又は[11]に記載の医薬。
本発明によれば、EPSを用いて優れた育発毛促進効果をもたらすことができる。
図1はBX1.5乾燥粉末を被験物質としてS9 mix無添加区で得られたエームス試験の結果を示すグラフである。 図2はラットへのBX1.5単回投与試験において対照区及び試験区のラットの剖検所見の例を示す写真である。各スケールバーは100μmを示す。 図3はbxEPSのエタノール析出物(A)及び析出した精製bxEPSの墨汁染色像(B)を示す写真である。 図4は精製bxEPS(A)及びbxEPS抽出物(B)の、4種類の中性単糖(ラムノース、キシロース、グルコース、ガラクトース)の組成比率を示す円グラフである。数字は各単糖のおおよその組成比率(モル比)を示す。 図5は経皮投与試験における各群のマウスの発毛面積比率の経時的変化を示すグラフである。数値は平均値±標準誤差を示す。 図6は経皮投与試験における各群のマウスの体重推移を示すグラフである。数値は平均値±標準誤差を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、緑藻パラクロレラ属、特に好ましくはパラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来の菌体外多糖(EPS)とその育発毛促進用途に関する。好ましい実施形態では、本発明は、パラクロレラ・エスピーBX1.5株由来のEPS(以下、「bxEPS」とも称する)、及びそのEPSを含む育発毛促進剤に関する。
より具体的には、本発明は、パラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来の、構成糖としてラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースを含むラムナンに分類されるEPS、及びそのEPSを含む育発毛促進剤を提供する。
1) 本発明のEPS
本発明のEPSは、緑藻パラクロレラ属、特に好ましくは受託番号FERM BP-22318を有するパラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来のEPSである。本発明のEPSはそれを構成する糖(構成糖)としてラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトース(いずれも、中性単糖)を含む。本発明のEPSは、ラムナン、好ましくは直鎖型ラムナンに分類され得る。本発明のEPSは好ましくは精製物(精製EPS)であり得る。
本発明において「ラムナン」とは、ラムノースを主成分とする多糖をいう。「ラムノースを主成分とする多糖」とは、多糖を構成する構成糖(単糖残基単位)のうちラムノースを最も多い割合(残基数ベース)で含む多糖を指す。「直鎖型ラムナン」とは、その糖鎖が直鎖状であって分岐(側鎖)を全く含まないか又は実質的に含まない、ラムナンを指す。「分岐を実質的に含まない」とは、多糖1分子当たり平均で1個未満の分岐しか有しないことを意味する。本発明において「多糖」及び「多糖類」とは、糖残基の平均重合度が10以上のものを指す。本発明における「多糖」、「多糖類」は、文脈上明らかに異なる場合を除き、特に記載しない限り、糖鎖のみからなるものだけでなく、非糖鎖物質(タンパク質、脂質、又は核酸など)との複合体化等により糖鎖に加えて非糖鎖物質(タンパク質、脂質、又は核酸など)を含むもの、糖鎖に他の修飾を有するもの、又はEPS(細胞外多糖又は菌体外多糖)などを意味し得る。
本発明のEPSの全糖量は、例えば、フェノール硫酸法により測定することができる。本発明のEPS中の全糖量は、70%(w/w)以上であることが好ましく、80%(w/w)以上であることがより好ましく、85%(w/w)以上であることがさらに好ましい。本発明のEPSは、糖の他に、例えばタンパク質等の非糖鎖物質を含んでもよい。本発明のEPSのタンパク質含量は、ローリー法で測定した場合の乾燥重量で、総重量に対して10重量%未満であることが好ましく、5重量%未満であることがより好ましく、4重量%未満であることがさらに好ましい。なお、本発明に関して用いる「重量%」は、質量%と同義であり、「重量/重量%」、「%(w/w)」、又は「wt/wt%」と互換的に使用される。
本発明のEPSのラムナン糖鎖の平均重合度は、典型的には100以上、好ましくは100~30,000、より好ましくは500~20,000、さらに好ましくは1,000~15,000、例えば5,000~15,000であり得るが、これらの範囲に限定されるものではない。
本発明のEPSは、ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースに加えて、他の構成糖をさらに含んでもよいが、含まなくてもよい。本発明のEPSは、例えば、構成糖として、ウロン酸などの酸性単糖をさらに含んでもよい。ウロン酸としては、例えば、ガラクツロン酸、グルクロン酸などが挙げられる。
本発明のEPS、特に精製EPSにおいては、ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースの合計モル数に対する、ラムノースとキシロースの合計モル数の割合(モル比)は好ましくは80%以上であり、より好ましくは82%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは85~95%であり、例えば85~90%であり得る。
本発明のEPS、特に精製EPSにおいては、ラムノースとキシロースのモル比がラムノース:キシロース=1:0.5~1:0.7の範囲にあることが好ましく、例えば、1:0.55~1:0.65の範囲にあることがより好ましい。
本発明のEPSの糖組成は、一般的なEPSと同様に、製造時の培養条件や精製条件等により多少変動し得るが、好ましい実施形態では、本発明のEPS、特に精製EPSにおける単糖組成比率(モル比)は、ラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=50~58:30~34:5~9:3~7の範囲にあり得る。本発明のEPS、特に精製EPSの単糖組成比率(モル比)の典型例は、ラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=54~56:31~33:6~8:4~6の範囲にあるが、これに限定されない。本発明において多糖の単糖組成比率に関する「モル比」という記載は、その多糖に含まれる各単糖のモル数に基づく組成比率を意味する。
本発明のEPSの糖組成は、常法により決定することができる。具体的には、例えば、EPSを硫酸により単糖まで加水分解し、炭酸バリウムを加えて中和した後、イオンクロマトグラフィー法により構成糖を同定・分析することができる。さらに全糖量や他の成分量なども適宜考慮して糖組成を決定することができる。
本発明のEPSは、硫酸化されていないものであり得る。本発明において「硫酸化されていない」とは、糖鎖に硫酸基を有しないか又は実質的に有しないことを意味する。「糖鎖に硫酸基を実質的に有しない」とは、多糖1分子当たり平均で1個未満の硫酸基しか有しないことを意味する。
本発明のEPSは、典型的には1.5×106~2.5×106ダルトン(Da)、好ましくは1.7×106~2.3×106ダルトン(Da)、より好ましくは2.0×106~2.2×106ダルトン(Da)、例えば、約2.11×106ダルトン(Da)の重量平均分子量(モル質量)を有し得る。なお本発明において「約」とは、±5%の範囲を指す。また本発明において重量平均分子量は、絶対分子量であり得る。
原子間力顕微鏡で本発明のEPSの分子構造を解析することができる。具体的には、例えば、EPSの0.1%(w/w)水溶液を調製し、0.5μLをマイカ上に滴下して自然乾燥し、20N/mのカンチレバーを使用して原子間力顕微鏡(SII社:SPI3800N, SPA300HV)のDFMモードにて分子構造を観察することができる。原子間力顕微鏡で測定される本発明のEPSの1分子の鎖長は、例えば、平均0.5μm~1.2μmであり得るが、これに限定されるものではない。
本発明のEPSは、受託番号FERM BP-22318を有する緑藻パラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株に由来するものであり得る。好ましい実施形態では、本発明のEPSは、BX1.5株により産生・分泌され、細胞外に蓄積される。本発明のEPSは、BX1.5株により細胞外へと産生されるものであり得る。本発明のEPSはまた、BX1.5株により細胞外へと産生されたEPSを抽出・精製したものであり得る。
パラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株は、2016年12月13日(原寄託日)付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE-IPOD)(〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に、受託番号FERM BP-22318の下でブダペスト条約に基づき国際寄託されている。国際寄託当局はこの菌株の原寄託(国内寄託)からブダペスト条約に基づく寄託への移管請求を、2019年10月2日付で受領した。本明細書において、パラクロレラ・エスピーBX1.5株を「BX1.5株」と略記する又は「BX1.5藻」と称することがある。
本発明では、BX1.5株を培養し、BX1.5株により産生されたEPSを回収することにより、本発明のEPSを取得(調製)することができる。好ましい実施形態では、本発明のEPSは、BX1.5株を培養し、EPSを回収し、精製することにより取得(調製)することができる。
本発明のEPSを製造するためには、BX1.5株を通気しながら培養することが好ましい。本発明における培養に関して「通気しながら培養」とは、二酸化炭素及び酸素を含む気体、例えば、空気(大気)、又は空気(大気)と二酸化炭素(CO2)ガスの混合気体(CO2ガス濃度0.04~15%(v/v)など)を培地に送り込みながら行う培養をいう。培養は、屋外培養であっても屋内培養であってもよく、その両方を組み合わせて行ってもよい。通気しながらの培養は、限定されないが、振とう培養(レシプロ式(往復運動による)又はロータリー式(旋回運動による))、撹拌機による撹拌培養、撹拌機構若しくは水流を起こす機構を備えた培養池(例えば、円型、四角型若しくはレースウェイ型)、あるいは円柱型、球型、袋(チューブ)型、若しくは薄層型などの支持体を備え、支持体の表面若しくは内部に培地を流し循環させる培養装置(例えば、特開2013-153744号公報を参照)を用いて行ってもよい。
BX1.5株の培養、特に、本発明のEPSの調製のためのBX1.5株の培養に用いる培地は、緑藻の培養に用いることができる任意の培地であってよい。培地は、通常、炭素源、窒素源、無機栄養素(例えば、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム)などの栄養源を含み得るが、窒素源(窒素の供給源)などの少なくとも一部の栄養源を欠乏した培地(栄養源欠乏培地;例えば、窒素源欠乏培地や、天然又は人工海水など)を用いることが好ましい。培地は、微量栄養素(例えば、ホウ素、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅、コバルトなど)を含んでもよい。培地の例としては、限定されないが、BG11培地(例えば、BG11液体培地)、窒素源欠乏BG11培地、人工海水などが挙げられる。BG11培地の組成は次のとおりである:0.003mM Na2-Mg EDTA、0.029mM クエン酸、0.18mM K2HPO4、0.30mM MgSO4・7H2O、0.25mM CaCl2・2H2O、0.19mM Na2CO3(無水)、0.03mM クエン酸鉄アンモニウム、1ml/L 微量栄養素(微量栄養素の組成:2.86g/L ホウ酸、1.81g/L MnCl2・4H2O、0.22g/L ZnSO4・7H2O、0.39g/L Na2MoO4・2H2O、0.08g/L CuSO4・5H2O、0.049g/L Co(NO3)2・6H2O)、1.5g/L NaNO3。BG11液体培地は、クエン酸鉄アンモニウム以外の上記成分を水に溶解し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌し、別途フィルター滅菌したクエン酸鉄アンモニウムを添加することによって調製できる。本発明のEPSの製造に用いる培地は典型的には液体培地である。培地のpHは、例えば、2~12、6~11、又は7~10であってよい。
本発明に関して、窒素源欠乏培地は、窒素源を含まないか、又は通常の培地(例えば、BG11液体培地)中の窒素源に対して窒素源が乏しい(例えば、通常の培地中の窒素源に対して50%(w/w)以下、例えば、1~20%(w/w)又は2~10%(w/w)の窒素源を含む)培地である。欠乏させる窒素源としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クエン酸鉄アンモニウム等が挙げられる。例えば、窒素源欠乏培地は、上記のBG11液体培地において硝酸ナトリウム(NaNO3)を除外した(添加しない)培地又は50%(w/w)以下の硝酸ナトリウムを添加した培地であってもよい。
BX1.5株の培養、特に、本発明のEPSの調製のためのBX1.5株の培養時の温度は、例えば0~65℃、好ましくは5~40℃、10~40℃、20~35℃又は25~35℃であってもよい。温度は、例えば、恒温培養器(インキュベーター)内で培養を行う場合は恒温培養器内の温度、室内で培養を行う場合は室温を指し、屋外で培養を行う場合は培養槽付近の外気温を指す。
BX1.5株の培養、特に、本発明のEPSの調製のためのBX1.5株の培養時の二酸化炭素濃度は、例えば、0.01%(v/v)~15%(v/v)、好ましくは0.02~4%(v/v)であってよい。EPSの調製のための培養はCO2ガス供給下で行うことが好ましく、1~3%又は1.5~2.5%(v/v)CO2ガス供給下、例えば2%(v/v)CO2ガス供給下で行うことができる。
BX1.5株の培養、例えば、本発明のEPSの調製のためのBX1.5株の培養は、太陽光などの自然光下、又は人工光源による光照射下で行うことができる。太陽光などの自然光下での培養は、屋外培養により実施することができるが、自然光を取り込むことができる屋内又はビニールハウスなどの施設で行ってもよい。人工光源としては、限定するものではないが、例えば、白熱電球、蛍光灯、LED、有機EL、半導体レーザー、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀ランプなどが挙げられる。光の強度(光量子束密度)は、1~3,000μmolフォトン m-2s-1であってよいが、その範囲に限定されない。光照射下の光強度は5μmolフォトンm-2s-1以上であることが好ましく、例えば10~2,000μmolフォトン m-2s-1、20~1,000μmolフォトン m-2s-1又は30~200μmolフォトン m-2s-1、例えば約100μmolフォトン m-2s-1であってもよい。光照射は、連続的であってもよいし、暗所期間を設けて(典型的には明暗サイクルを用いて)行ってもよい。「暗所」とは、光の非照射状態をいう。太陽光を用いる場合、暗所期間は日没から日の出までの期間をいう。暗所は、光を完全に遮蔽した暗黒状態に限られず、漏れ光、作業を行うために必要な薄明かり、又は恒温培養器内の表示部の光などがあってもよい。暗所での光の強度は、例えば、0~3μmolフォトン m-2s-1、好ましくは0~1μmolフォトン m-2s-1であり得る。培養に用いる光は、特定波長又は波長域の光(例えば、白色光)であってもよい。
培養期間は、以下に限定されないが、1時間~50日であってよく、例えば、3~40日、4~40日、3~30日、4~30日、3~20日、4~20日、5~20日、3~15日、3~10日、4~6日、10~20日、10~24日、又は14~20日であってよい。
一実施形態では、本発明のEPSの調製のため、BX1.5株を、1~3%(v/v)CO2ガス及び空気(大気)を通気しながら、窒素源欠乏BG11培地(例えば、BG11液体培地から少なくとも1つの窒素源、例えばNaNO3、を除外した培地)で培養してもよい。一実施形態では、本発明のEPSの調製のため、BX1.5株を、1~3%(v/v)CO2ガス及び空気(大気)を通気しながらBG11培地で屋外培養(以下に限定されないが、通常は7~30日間、好ましくは10~14日間にわたり屋外培養)した後、培養液を遠心分離して菌体塊を回収し、その菌体塊を、1~3%(v/v)CO2ガス及び空気(大気)を通気しながら窒素源欠乏BG11培地(BG11液体培地から少なくとも1つの窒素源、例えばNaNO3、を除外した培地)に移して培養(以下に限定されないが、通常は3~30日間、好ましくは3~15日間、より好ましくは4~6日間にわたり培養)してもよい。
BX1.5株を培養すると、細胞の外側に、EPSが分泌・蓄積される。本発明では、このEPSを回収すればよい。BX1.5株培養物をロータリーエバポレーターなどを用いて濃縮(例えば、10~30倍程度に濃縮)することにより、菌体濃縮液を調製してもよい。BX1.5株培養物又はそれに由来する菌体濃縮液から、細胞破壊処理をすることなく、EPSを回収することが好ましい。その際、例えば、BX1.5株培養物又はそれに由来する菌体濃縮液中の菌体から、細胞破壊処理をすることなく、攪拌等により、EPSを剥がすことが好ましい。さらに、遠心分離により固液分離して、EPSを含む上清を回収することができる。回収した上清に、親水性有機溶媒(エタノール、又はイソプロパノールなど)を添加して攪拌することにより、EPSを不溶化し、溶液中で析出させることができる。回収した析出物は、親水性有機溶媒(エタノール、又はイソプロパノールなど)を添加して洗浄することが好ましい。このようにして析出物を本発明のEPS(精製EPS)として得ることができる。得られたEPSは、アセトン等の有機溶媒を用いて脱水してもよい。有機溶媒を揮発させることによりEPSを脱溶媒した後、そのまま後述の育発毛促進のために使用してもよいし、あるいは、さらに精製してもよいし、又は乾燥してもよい。但し本発明のEPSは、上記の調製方法によって得られるものに限定されない。
2) 本発明のEPSの育発毛促進用途
本発明のEPSは、育発毛促進作用を有し、育発毛促進剤として使用することができる。本発明は、本発明のEPSを含む育発毛促進剤を提供する。本発明において「育発毛促進」とは、毛量がより増加するように毛生えを促進させることを意味し、育毛促進、発毛促進などを包含する。本発明において育毛促進とは、既に生えているか又はまさに発毛しようとしている毛の成長及び/又は維持の状態を向上させることを指し、例えば、毛の成長速度の向上、毛の成長期の期間伸長、毛の成長可能な長さの増加、毛の断面積(毛の太さ)の増加、及び/又は抜け毛の低減などを包含する。本発明において発毛促進とは、脱毛後の毛根(毛包)から新たな毛が生えることを促進することを指す。本発明の育発毛促進剤は、例えば、育毛剤又は発毛剤であってもよい。育毛剤は育毛促進をもたらす剤を意味する。発毛剤は、発毛促進をもたらす剤を意味する。
本発明の育発毛促進剤は、本発明のEPSを有効成分として含み、例えば、育発毛促進のための唯一の有効成分として本発明のEPSを含むものであってもよい。本発明の育発毛促進剤は、育発毛促進用の組成物であり得る。本発明の育発毛促進剤は、本発明のEPSに加えて、例えば担体、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、緩衝剤、矯味剤、保存剤、着色剤などの添加剤を含んでもよい。添加剤は、適宜単独で又は組み合わせて選択することができる。本発明の育発毛促進剤は、他の薬用成分(以下に限定されないが、例えば、血行促進剤、抗炎症剤、皮脂抑制剤、又は保湿剤など)をさらに含んでもよい。
本発明のEPS又は本発明の育発毛促進剤による育発毛促進効果は、任意の発毛・育毛試験系を用いて評価することができるが、例えば、C3H系統マウスを用いた試験によって評価することができる。C3H系統マウスは6~8週齢で毛周期が休止期に入るが、毛周期が再度成長期に入り発毛が始まると、皮膚でのメラニン合成が再開され、それに伴い皮膚がピンク色から黒色へと変化(黒化)する。そのため体色変化(黒化)を指標として、休止期毛包を成長期に移行させる効果や毛の成長・維持に及ぼす効果を評価することができることから、C3H系統マウスは育発毛促進効果を調べるために使用されている。
C3H系統マウスを用いた試験の一実施形態では、C3H系統マウスの背部被毛を剃毛し、本発明のEPSなどの被験物質をその剃毛部分に適用することにより経皮投与し、投与開始から所定の時間経過時点での、その投与区マウスの剃毛部分の状態と、被験物質を投与しない陰性対照区のマウスの剃毛部分の状態とを経時的に評価し、それらを比較することが好ましい。投与区マウスの剃毛部分における発毛面積比率が、陰性対照区のマウスの剃毛部分における発毛面積比率と比較してより早い時期から増加を開始しているか、及び/又は発毛面積比率がより大きく増加している場合、その被験物質(例えば、本発明のEPS)は、育発毛促進作用を有すると判定することができる。
本発明は、本発明のEPS又は本発明の育発毛促進剤を含む、化粧料及び医薬も提供する。本発明の化粧料及び医薬は、育発毛促進、典型的には皮膚での育発毛促進をもたらすことができることから、育発毛促進のためのものであり得る。本発明の化粧料及び医薬は、育毛促進又は発毛促進のためのものであってもよく、例えば、脱毛の進行予防のためのものであってもよい。本発明の化粧料及び医薬は、本発明のEPS又は本発明の育発毛促進剤を、有効成分として含み、例えば、育発毛促進のための唯一の有効成分として含むことができる。
本発明の化粧料は、以下に限定されないが、アイブロウ、マスカラ、白髪染め、ヘアファンデーション、養毛料、育毛剤、シャンプー、リンス、トリートメント、頭皮ケアローションなどの、育発毛促進(例えば、育毛促進)のために適した任意の化粧料であってよい。本発明の化粧料は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号。以下「薬機法」という。)の下での化粧品であってもよいし医薬部外品であってもよい。
本発明の医薬は、軟膏、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、貼付剤などの外用剤であってもよいし、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤などの液体製剤であってもよいが、これらの剤形に限定されない。本発明の医薬は、薬機法の下での医薬品であってもよいし医薬部外品であってもよい。本発明の医薬は、育毛剤又は発毛剤であってもよい。本発明の医薬は非経口製剤であってもよいし、経口製剤であってもよいが、非経口製剤であることが好ましい。本発明の医薬は、経皮投与用(経皮投与製剤)であることが特に好ましい。
本発明の化粧料又は医薬は、毛、例えば、頭髪、眉毛、まつ毛、及びその他の体毛からなる群から選択される少なくとも1つの毛について育発毛促進をもたらすためのものであり得る。
本発明の化粧料又は医薬は、本発明のEPS又は本発明の育発毛促進剤に加えて、例えば担体、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、緩衝剤、矯味剤、保存剤、着色剤などの、化粧料分野又は製薬分野で許容される添加剤を含んでもよい。添加剤は、適宜単独で又は組み合わせて選択することができる。本発明の化粧料又は医薬は、他の薬用成分(以下に限定されないが、例えば、血行促進剤、抗炎症剤、皮脂抑制剤、又は保湿剤など)をさらに含んでもよい。
本発明のEPSの、化粧料や医薬などの組成物への配合量は、当該組成物の種類にもよるが、多糖の一般的な配合量に従えばよく、例えば、組成物の総重量に対して0.001~20%(w/w)、例えば0.001~10%(w/w)、0.05~5%(w/w)、又は0.1~0.5%(w/w)となる量であってよいが、その範囲に限定されない。
本発明のEPSは変異原性を有さず、高い安全性を有することから、本発明のEPSを含む本発明の育発毛促進剤、化粧料及び医薬も優れた安全性を有している。
本発明のEPS、育発毛促進剤、化粧料、又は医薬は、任意の対象における育発毛促進のために使用することができる。本発明は、本発明のEPS、育発毛促進剤、化粧料、又は医薬を対象に投与することによる、対象における育発毛促進方法も提供する。
本発明における育発毛促進の対象は、好ましくは、ヒト、チンパンジーやゴリラなどの非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、げっ歯類(ハムスター等)などの愛玩動物、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシなどの家畜、実験(試験)動物をはじめとする、有毛の哺乳動物である。本発明における育発毛促進の対象は、ヒトであることが特に好ましい。本発明における育発毛促進の対象は、頭髪、眉毛、まつ毛、及びその他の体毛からなる群から選択される少なくとも1つについて発毛部位の全体又は一部における脱毛又は毛量減少(例えば、毛の本数及び/又は毛の太さの減少)などが認められる対象であってもよいし、頭髪、眉毛、まつ毛、及びその他の体毛からなる群から選択される少なくとも1つについて発毛部位の全体又は一部における脱毛又は毛量減少(例えば、毛の本数及び/又は毛の太さの減少)などを生じやすい遺伝的素因又は環境的素因を有する対象であってもよい。
本発明のEPS、育発毛促進剤、化粧料、又は医薬の、対象への投与経路は、特に限定されないが、好ましくは経皮経路であり得る。対象において脱毛又は毛量減少などが認められるか又はその発生が懸念される部位の皮膚に対し、本発明のEPS、育発毛促進剤、化粧料、又は医薬を適用(例えば、塗布など)することにより、本発明のEPSを経皮投与することができる。本発明のEPS、育発毛促進剤、化粧料、又は医薬を対象の皮膚(例えば、脱毛又は毛量減少などが認められるか又はその発生が懸念される部位の皮膚)に適用し経皮投与することにより、当該皮膚における育発毛促進をもたらすことができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]安全性試験
緑藻パラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株(受託番号FERM BP-22318)を、屋外に設置した培養装置を用いて、BG11液体培地中、大気(60 L/min)とCO2ガス(1.2 L/min)を混合して通気を行いながら、10~14日間培養した(屋外培養)。
培養後、培養液の一部を採取し、約0.5g/Lの割合でミョウバンを添加してBX1.5藻を凝集沈殿させた。この凝集沈殿物を回収し、それをさらにロータリーエバポレーターを用いて最終的に当初の培養液に対して約50~60倍濃縮した。その藻濃縮液をスプレードライヤーを用いて乾燥させ、粉末とした(試料A)。ミョウバンは、食品添加物であり、かつ、菌体凝集沈殿作用を有する。
一方、上記の屋外培養で得たBX1.5藻培養液の一部を採取し、遠心して細胞を回収し、それをトレーに薄く広げ、1週間程度かけて天日乾燥させた後、乾燥物をすり鉢ですり潰し粉末とした(試料B)。
このようにして調製した2種類のBX1.5乾燥粉末(試料A、試料B)の安全性を確認するために、安全性試験を行った。
安全性試験としては、まず、エームス(Ames)試験(復帰突然変異試験)を実施した。エームス試験は、寒天培地上で被験物質を所定のアミノ酸要求性の微生物(指示菌)と接触させたとき、被験物質が変異原性(毒性)を有していれば微生物のDNAに突然変異が誘発され、その結果、所定のアミノ酸なしでも増殖可能に復帰変異した微生物が、寒天培地上でコロニー(復帰変異体コロニー)を形成することに基づく試験である。エームス試験では、被験物質で処理した場合に出現した復帰変異体コロニー数が、被験物質無処理(陰性対照区)で出現した復帰変異体コロニー数の2倍以上に増加し、かつ、用量反応性を示すか又は再現性が認められた場合、復帰変異体コロニー数が増加したと判断し、その被験物質を変異原性陽性と判定した。
指示菌としては、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)4株(TA98、TA100、TA1535、及びTA1537)と大腸菌(Escherichia coli)1株(WP2uvrA)を用いた(いずれも中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センターより入手)。
被験物質としては、上記で調製した試料A(食品添加物ミョウバンを含有)のBX1.5乾燥粉末を用いた。BX1.5乾燥粉末500mgをジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁し、50 mg/mL溶液(BX1.5乾燥粉末重量に基づく濃度;最高濃度溶液)を10 mL調製した。さらに、最高濃度溶液(50 mg/mL)の一部をDMSOで段階希釈し、25 mg/mL、12.5 mg/mL、6.25 mg/mL、及び3.125 mg/mL溶液を調製した。試験区では、このようにして調製した各濃度(50 mg/mL、25 mg/mL、12.5 mg/mL、6.25 mg/mL、及び3.125 mg/mL)のBX1.5溶液(0.1 mL)に、S9 mix添加区(代謝活性化による場合)では代謝活性促進液S9 mix(肝S9とコファクターIの混合物)を0.5 mL添加し、S9 mix無添加区(代謝活性化によらない場合)では0.1 mol/L濃度のNa-リン酸緩衝液(pH7.4)を0.5mL添加し、さらに、両区において指示菌懸濁液0.1 mLを添加して、37℃で20分間インキュベートした後、最少グルコース寒天平板培地上に塗布し、37℃のインキュベーター内で48時間培養した。陰性対照区では、BX1.5溶液の代わりにDMSOを使用して、同様に指示菌を処理及び培養した。陽性対照区ではBX1.5溶液の代わりに陽性対照物質を使用して、同様に指示菌を処理及び培養した。陽性対照物質として、S9 mix添加区ではいずれの菌株についても2-アミノアントラセン(略称:2AA)を使用し、一方、S9 mix無添加区では、TA98、TA100、WP2uvrA株について2-(2-フリル)-3-(5-ニトロ-2-フリル)アクリルアミド(略称:AF-2)、TA1535についてアジ化ナトリウム(略称:NaN3)、TA1537について9-アミノアクリジン塩酸塩(略称:9AA)を使用した。培養後、各培地上に出現したコロニー(指示菌の復帰変異体コロニー)の個数をカウントした。
その結果、S9 mix添加区及びS9 mix無添加区の両方で、いずれの指示菌についても、試験区での復帰変異体コロニーの増加は認められなかった。図1に、S9 mix無添加区で示された、指示菌毎及びBX1.5濃度毎の、寒天平板培地あたりのコロニー数(平均値±標準偏差)を示す。図1に示すように、試験区は、陰性対照区とほぼ同程度のコロニー数/寒天培地を示した。
以上のエームス試験の結果から、BX1.5藻は変異原性陰性であり、変異原性毒性を有しないことが示された。
続いて、さらなる安全性試験として、ラット単回投与試験を実施してBX1.5乾燥粉末の安全性を評価した。上記で調製した試料A(食品添加物ミョウバンを含有)及び試料B(食品添加物ミョウバンを不含)のBX1.5乾燥粉末を用いた。
BX1.5乾燥粉末(試料A又は試料B)を注射用水に懸濁してBX1.5乾燥粉末10%(w/v)水溶液を調製し、それをSPF(specific-pathogen-free)ラット系統Crl:CD(SD)に単回経口投与した。ラット(4週齢)は7日間の予備飼育期間(馴化期間)の後、各群の平均体重等が均等になるように、それぞれ雄及び雌各5匹からなる3群に無作為に群分けし、本試験に供した。対照区(雌雄各5匹、計10匹)の1群のラットには通常飼料及び飲料水を自由摂取させた。別の試験区1及び試験区2の2群のラット(各試験区について、雌雄各5匹、計10匹)には、通常飼料及び飲料水の自由摂取に加えて、群分け当日に試料A(試験区1)又は試料B(試験区2)由来のBX1.5乾燥粉末10%(w/v)水溶液をBX1.5乾燥粉末2,000mg/kgラット体重の量(20mL/kgラット体重)で1回のみ、強制経口投与した。通常飼料としては固形飼料(CRF-1、オリエンタル酵母工業)を用いた。本試験開始から14日間(BX1.5投与の翌日を投与後1日として投与後14日まで)、各ラットの状態観察及び体重測定を定期的に行った。各測定時点での各群の性別(雄又は雌)毎の体重平均値を算出し、14日間の経時的な体重推移を評価した。
その結果、対照区、試験区1及び試験区2のいずれにおいても、本試験の14日間で、雄ラットの体重は最初の121gから260g程度に問題なく増加し(表1)、また雌ラットの体重も96g程度から170g程度まで問題なく増加した(表2)。試験区1及び試験区2での体重は、対照区での体重と比較して統計学的な有意差を示さなかった。
Figure 2024058959000002
Figure 2024058959000003
単回投与試験完了後、本試験14日目のラットを、4%ペントバルビタールナトリウムの腹腔内投与(40 mg/kg)による麻酔下で腹大動脈からの放血により安楽死させた。剖検の結果、いずれの個体の臓器でも異常は認められなかった。対照区及び2つの試験区のラットより肝臓、腎臓、腺胃部、及び空回腸を摘出し、ホルマリンで固定後、組織切片を作製した。組織切片をヘマトキシリン/エオジン染色剤により染色し、顕微鏡下で観察した。
その結果、試験区1及び試験区2において、肝臓、腎臓、腺胃部、及び空回腸のいずれにおいても、対照区と比較して剖検所見に異常は認められなかった。図2に、対照区及び試験区2のラットから得られた標準的な剖検所見を代表例として示した。
上記のエームス試験の結果とラット単回投与試験の結果から、試料調製過程で添加したミョウバンの有無にかかわらず、BX1.5藻の安全性が高いことが示された。
[実施例2]精製bxEPSの調製
BX1.5株由来の菌体外多糖bxEPSの精製物を以下のようにして調製した。まず、BX1.5株を、BG11液体培地中、大気(60 L/min)とCO2ガス(1.2 L/min)を混合して通気を行いながら、10~14日間屋外培養した。得られた培養液を遠心分離して60倍程度に濃縮し、湿潤菌体塊を採取した。採取した菌体塊を、窒素源欠乏BG11液体培地(BG11液体培地から窒素源となるNaNO3を除外した培地)に移し、大気(60 L/min)とCO2ガス(1.2 L/min)を混合して通気を行いながらさらに4~6日間培養した。得られた培養液を必要に応じてロータリーエバポレーターで20倍程度に濃縮することにより、菌体濃縮液を得た。細胞破壊処理を行わずに菌体濃縮液を攪拌しながら菌体からbxEPSを剥がし、遠心分離により固液分離し、bxEPSを含む上清を回収した。
得られた上清に86%(v/v)エタノールを等量添加し、十分攪拌した後、溶液中に析出物(粗抽出bxEPS)を生じさせた。これをサラシでろ過し、湿潤析出物を回収した。この湿潤析出物に、約2倍量の99.5%(v/v)エタノールを添加し、十分攪拌して析出物(bxEPS)を洗浄した(図3A)。それを遠心(10℃、10,000 x gで10分)し、析出物を回収することにより、精製bxEPSを得た。湿潤状態の精製bxEPSから脱水することを目的とし、等量程度のアセトンを添加し、軽く混ぜた後、アセトンを捨てて、精製bxEPSをドラフトチャンバー内で室温で1日風乾させた。さらに、精製bxEPSを50℃の乾燥機内で半日間乾燥させてアセトンを完全に飛ばし、精製bxEPS乾燥物を得た。
得られた精製bxEPS乾燥物の0.1%(w/v)水溶液を調製し、等量の墨汁液を添加することによって染色した。図3Bは墨汁染色像を示しており、染色されない白く見える部分がbxEPSである。この結果から、高純度の精製bxEPSが得られたことが示された。
[実施例3]精製bxEPS及びbxEPS抽出物の比較
実施例2で得られた精製bxEPSと、従来法によりBX1.5株から得たbxEPS抽出物の比較分析を行った。
BX1.5株由来のbxEPS抽出物は、以下のようにして得た。まず、BX1.5株を2%炭酸ガス供給下、窒素源欠乏BG11液体培地(BG11液体培地から窒素源となるNaNO3を除外した培地)で6日間培養して得た液体培養液495mLに対し、1,485mLのエタノールを添加し、最終濃度70%エタノール液にした。この試料を激しく攪拌した後、室温(25℃)で30分間静置し、その後、6,000 x gで10分間遠心分離して沈殿物を回収した。沈殿物に495mLのエタノールを再度添加し、これを再び激しく攪拌した後、室温(25℃)で30分間静置し、その後、6,000 x gで10分間遠心分離して沈殿物を回収した。以上の抽出・沈殿回収を合計4回繰り返した。得られた抽出物に100mLのアセトンを添加し、一晩をかけてゆっくりと乾燥させた。この乾燥試料を乳鉢ですりつぶし(破砕)、粉末状にしたものをbxEPS抽出物として用いた。
精製bxEPSと、bxEPS抽出物について、液体培養液からの回収率を算出したところ、精製bxEPSは2.11 g/L培養液、bxEPS抽出物は1.59 g/L培養液となり、精製bxEPSではEPSの回収率が向上したことが示された。
精製bxEPSとbxEPS抽出物に含まれる全糖量の測定(定量)を、フェノール硫酸法(Dubois et al., 1956)により行った。具体的には、精製bxEPS及びbxEPS抽出物のそれぞれの乾燥粉末(破砕)bxEPS試料15mgを量りとり、これを蒸留水で100 mLにメスアップし、被験試料(150μg/mL)を調製した。また、検量線作成用の標準物質としてのD-(+)-グルコース(NACALAI TESQUE, Inc., Kyoto, Japan)の0、50、100、150、及び200 μg/mL水溶液を調製した。試験管に、上記で調製した、被験試料(bxEPS乾燥粉末試料150μg/mL)、又は各濃度の標準物質水溶液を200μL入れ、そこに5%フェノールを200 μL加えて攪拌した。その後、濃硫酸1 mLを一気に加えて攪拌し、激しく発熱させ、室温で20分間静置した。静置後、反応液を96穴プレートに入れ、紫外可視分光光度計(UV-1200; Shimadzu Co. Ltd., Kyoto, Japan)を用いて480 nmにおける吸光度を測定した。標準物質の吸光度測定値から検量線を作成し、その検量線に基づいて精製bxEPS及びbxEPS抽出物中の全糖量を計算した。測定は標準物質と被験試料共に2連で行った。全糖量は、精製bxEPS又はbxEPS抽出物の総量に対する全糖の重量の割合(%(w/w))で表した。精製bxEPS中の全糖量は87.04%(w/w)、bxEPS抽出物中の全糖量は73.8%(w/w)であったことから、精製bxEPSはbxEPS抽出物と比較してより高純度であることを裏付ける結果となった。
また、精製bxEPSとbxEPS抽出物に含まれるタンパク質の量を測定した。具体的には、Modified Lowry Assay Kit(Thermo Fisher Scientific)を用い、ウシ血清アルブミン(BSA)を標準物質として使用して検量線を作成した上で、ローリー法(Lowry et al., 1951)によりタンパク質の定量を行った。具体的には、まず、検量線作成用の標準物質としての希釈アルブミン(BSA)の0、1、5、25、125、250、500、及び1,000 μg/mL水溶液を調製した。試験管に、上述の全糖量の定量のために調製した被験試料(1.5 g/L)、又は調製した各濃度の標準物質水溶液を0.2 mL入れ、そこにModified Lowry Reagent(Thermo Fisher Scientific)を1.0 mL加え、攪拌後、10分間静置した。1×フォーリン-チオカルト試薬を100 μL加えて攪拌後、30分間静置した。静置後、反応液をキュベットに入れ、紫外可視分光光度計(UV-1200; Shimadzu Co. Ltd.)を用いて750 nmにおける吸光度を測定した。標準物質の吸光度測定値から検量線を作成し、その検量線に基づいて精製bxEPS及びbxEPS抽出物中のタンパク質含量を計算した。測定は標準物質と被験試料共に2連で行った。タンパク質含量は、精製bxEPS又はbxEPS抽出物の総量に対するタンパク質の重量の割合(%(w/w))で表した。精製bxEPS中のタンパク質含量は3.13%(w/w)、bxEPS抽出物中のタンパク質含量は9.62%(w/w)であったことから、精製bxEPSはbxEPS抽出物と比較してより高純度であることをさらに裏付ける結果となった。
さらに、精製bxEPS及びbxEPS抽出物の全糖量に含まれる中性単糖の組成分析を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行った。具体的には、精製bxEPS及びbxEPS抽出物(乾燥粉末)のそれぞれのbxEPS試料0.05gを1 mLの72%(v/v)硫酸に溶解し、室温で2時間放置した。得られた溶液に蒸留水8 mLを加え、105℃で20時間加熱して加水分解し、中性単糖を生成した。炭酸バリウムを添加して加水分解液を中和した後、10,000 x gで10分間遠心分離し、水相を回収した。この水溶液(上清)をUSY-1フィルター(ADVANTEC Toyo, Ltd, Tokyo, Japan)で濾過することにより不純物を除去し、フィルターで濾して下に落ちてきた水溶液を回収し、これを凍結乾燥した。HPLCにはAsahipak NH2P-50 3Eカラム(3 mm x 250 mm; Shodex, Tokyo, Japan)2本を備えたShimadzu 10Avpクロマトグラフィーシステム(Shimadzu Co. Ltd.)を使用した。溶離液としては、流速0.2 mL/minの、250 mMリン酸を含む80%アセトニトリル(CH3CN)を用いた。標準物質としては、ラムノース、ガラクトース、アラビノース、グルコース、及びキシロース(NACALAI TESQUE, Inc.)を使用した。上記で調製した凍結乾燥試料を超純水に溶解し、酢酸セルロースフィルター(0.45μm; ADVANTEC Toyo, Ltd)で濾過した後、上清の10μLをカラムに注入した。あらかじめ標準物質の測定値から検量線を作成しておき、その検量線に基づいて精製bxEPS及びbxEPS抽出物中の中性単糖の量を計算した。検出された4種類の中性単糖(ラムノース、ガラクトース、グルコース、及びキシロース)の量に基づき、それぞれの単糖含量(mol%)を、4種類の中性単糖の組成比率の総和を100%とした場合の組成比率で表した。なお中性単糖であるアラビノース、マンノース、フコースの含量は検出限界未満であった。その結果、精製bxEPS中の中性単糖組成は、ラムノース約55%、キシロース約32%、グルコース約7%、ガラクトース約5%となり、ラムノースとキシロースの合計で90%近くを占めることが示された(図4A)。この精製bxEPSは、ラムノースを主成分とすることからラムナンであるといえる。それに対し、bxEPS抽出物中の中性単糖組成は、ラムノース約53%、キシロース約14.3%、グルコース約14.4%、ガラクトース約18.3%であった(図4B)。精製bxEPS中でグルコースとガラクトースが占める割合は、bxEPS抽出物のそれよりもかなり低くなった。ラムノースとキシロースの組成比率がこれほど高いEPSは従来得られておらず、本発明で得られた精製bxEPSは新たな菌体外多糖として利用できると考えられる。
[実施例4]精製bxEPSの育発毛促進効果
動物への精製bxEPSの投与に基づく試験を実施し、精製bxEPSによる育発毛促進効果を調べた。まず、毛周期が休止期にある8週齢のマウス(系統C3H/HeJ、雄、SPFグレード)を、7日間予備飼育して馴化した後、各群の平均体重が均等になるように、それぞれ5匹からなる4群に群分けし、1匹ずつ飼育ゲージに入れて20~24℃で飼育した。群分けの3日前に各マウス個体の背部被毛について、バリカンを用いて縦50 mm x 横30 mmの範囲を、0.5~1 mm程度の高さを残して剃毛した。4群を、それぞれ、無処置区、2%ミノキシジル投与区(陽性対照区)、2% bxEPS投与区、又は0.2% bxEPS投与区として経皮投与試験に用いた。
群分け後、4群の各マウスの背部剃毛部分に、試験初日(0日目)、5、10、15、20、25、30日目に1日1回(合計7回)、1回当たり0.3 mL/匹の被験試料を、無麻酔下で経皮投与した。被験試料として、2% bxEPS投与区のマウスには、実施例2で得られた精製bxEPS 280 mgに45%エタノール 14 mLを添加して調製した2% bxEPS溶液を投与し、0.2% bxEPS投与区のマウスには、実施例2で得られた精製bxEPS 28 mgに45%エタノール 14 mLを添加して調製した0.2% bxEPS溶液を投与した。2%ミノキシジル投与区のマウスには、被験試料として、育発毛促進成分として知られるミノキシジル280 mgに45%エタノール 14 mLを添加して調製した2%ミノキシジル溶液を投与した。無処置区(陰性対照区)のマウスには、背部剃毛部分に何も適用(経皮投与)しなかった。
被験試料の投与開始から35日間、各マウスについて経過観察を行った。体重及び摂餌量は毎日測定した。背部剃毛部分の目視観察を行い、発毛範囲及び皮膚黒化範囲を記録した。試験開始時(0日目)、7日目、14日目、21日目、28日目、35日目に各マウスの写真撮影を行った。写真の画像解析と目視観察結果に基づき、各マウス個体の背部剃毛部分における発毛面積比率を算出した。発毛面積比率は、背部剃毛面積(50 mm x 30 mm = 1500 mm2)のうち、育発毛促進効果により皮膚黒化の促進が認められた面積(=発毛面積)の割合(%)として計算した。有意差検定を一元配置分散分析(ANOVA)法により行い、有意水準p<0.05で有意差が認められた場合は、Tukey法を用いて多重比較による検定を行った。
表3及び図5に、各群の発毛面積比率の経時的変化を平均値±標準誤差で示した。
Figure 2024058959000004
試験終了後、麻酔下で開胸・開腹し、肉眼的観察を行った。続いて、下大静脈よりヘパリン加採血を行い、遠心分離後、血漿を採取し、凍結保存した。採血終了後、剃毛部分の中心を軸として、縦30 mm x 横20 mmの範囲の皮膚を切り出し、10%ホルマリン液に浸漬して保存した。
表3及び図5に示すように、この試験の14日目には、2%ミノキシジル投与区、2% bxEPS投与区、及び0.2% bxEPS投与区で発毛が示されたが、無処置区では発毛が示されなかった。21日目の発毛面積比率は、無処置区 < 2% bxEPS投与区 < 0.2%bxEPS投与区 < 2%ミノキシジル投与区の順で高かった。28日目及び35日目には0.2% bxEPS投与区の発毛面積比率は、2%ミノキシジル投与区の発毛面積比率と同程度まで増加した。この試験の結果から、精製bxEPSは高い育発毛促進効果をもたらすことが示された。
図6に各群のマウスの体重推移を示す。2%ミノキシジル投与区、2% bxEPS投与区、及び0.2% bxEPS投与区のマウスにおいて、無処置区のマウスと比較して体重増加が妨げられることはなく、試験途中で死亡した個体もなかった。また2%ミノキシジル投与区、2% bxEPS投与区、及び0.2% bxEPS投与区のマウスにおいて、無処置区のマウスと比較して摂餌量が低減することもなかった。この結果から、bxEPS経皮投与は動物の成長に悪影響を及ぼすことなく、育発毛促進作用を発揮できることが示された。
本発明のEPSは、経口投与試験や経皮投与試験において十分な安全性を示すことから、新素材として様々な分野で利用できる。例えば、本発明のEPSは、育発毛促進作用を有することから、育発毛促進剤として有利に利用することができる。

Claims (12)

  1. 受託番号FERM BP-22318を有するパラクロレラ・エスピー(Parachlorella sp.)BX1.5株由来の菌体外多糖であって、構成糖としてラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースを含むラムナンであり、ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースの合計モル数に対するラムノースとキシロースの合計モル数の割合が80%以上である菌体外多糖。
  2. ラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースのモル比がラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=50~58:30~34:5~9:3~7の範囲にある、請求項1に記載の菌体外多糖。
  3. 精製物である、請求項1に記載の菌体外多糖。
  4. 請求項1に記載の菌体外多糖を含む、育発毛促進剤。
  5. 前記菌体外多糖におけるラムノース、キシロース、グルコース、及びガラクトースのモル比がラムノース:キシロース:グルコース:ガラクトース=50~58:30~34:5~9:3~7の範囲にある、請求項4に記載の育発毛促進剤。
  6. 前記菌体外多糖が精製物である、請求項4に記載の育発毛促進剤。
  7. 育毛剤である、請求項4に記載の育発毛促進剤。
  8. 請求項4~7のいずれか1項に記載の育発毛促進剤を含む、化粧料。
  9. 請求項4~7のいずれか1項に記載の育発毛促進剤を含む、医薬。
  10. 育発毛促進のための、請求項8に記載の化粧料。
  11. 育発毛促進のための、請求項9に記載の医薬。
  12. 経皮投与用の、請求項9に記載の医薬。
JP2022166398A 2022-10-17 2022-10-17 菌体外多糖を含む育発毛促進剤 Pending JP2024058959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022166398A JP2024058959A (ja) 2022-10-17 2022-10-17 菌体外多糖を含む育発毛促進剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022166398A JP2024058959A (ja) 2022-10-17 2022-10-17 菌体外多糖を含む育発毛促進剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024058959A true JP2024058959A (ja) 2024-04-30

Family

ID=90826984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022166398A Pending JP2024058959A (ja) 2022-10-17 2022-10-17 菌体外多糖を含む育発毛促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024058959A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1894558A1 (en) Agent for external application to the skin
JP6788966B2 (ja) 化粧料
JPH07101871A (ja) 生体ヒアルロン酸合成促進剤
JP2009013240A (ja) 多糖体、その製造方法及びその用途
KR101469797B1 (ko) 콜로이달 골드 제비집 추출물을 유효성분으로 함유하는 항노화 화장료 조성물
EP2833863A1 (fr) Nouveaux composés oligosaccharides et leur utilisation cosmétique
JP6729913B2 (ja) 抗炎症剤
JP2013053094A (ja) 肌のキメ改善剤、及び皮膚バリア機能改善剤
US20230220117A1 (en) Biopolymers for Topical Use
JP2024058959A (ja) 菌体外多糖を含む育発毛促進剤
JP2009298738A (ja) 皮膚外用剤
JP2016138060A (ja) 特定分子結合単位が分子内に含まれている糖蛋白質物質とその利用
JP3802011B2 (ja) 美白剤
JP2009024075A (ja) 多糖体、その製造方法及びその用途
JP2019052113A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤及びヒアルロン酸産生促進用食品
WO2007036667A1 (fr) Utilisation du fer sous forme d'un extrait de pierre comme stimulant de la synthese du collagene par les fibroblastes cutanes
JP2010018580A (ja) ポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体を含有する化粧品組成物
JP2021127322A (ja) ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)mRNA発現促進剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進剤、アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進剤、クローディン−1 mRNA発現促進剤、クローディン−4 mRNA発現促進剤およびオクルディン mRNA発現促進剤
JP2020203930A (ja) 化粧料
JP2010018584A (ja) ポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩を含有する化粧品組成物
JP2015063510A (ja) 肌の保湿機能向上に関わる保湿関連遺伝子発現促進剤
KR20210068811A (ko) 역미셀을 형성하는 발효유화제를 이용한 항노화 조성물
WO2023191015A1 (ja) コラーゲン産生促進剤、化粧料組成物又は皮膚外用剤、及び経口投与剤
JP2010018576A (ja) ポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体を含有する化粧品組成物
JP2010018585A (ja) ポリ−γ−L−グルタミン酸を含有する化粧品組成物