JP2024057811A - 重合体組成物及びそれからなる3次元造形用材料 - Google Patents

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二朗 佐野
亜希子 織茂
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Abstract

【課題】耐衝撃性、造形性、非ブリード性を有する重合体組成物及び3次元造形材料を提供することを目的とする。【解決手段】脂肪族ポリエステル樹脂とポリヒドロキシウレタン樹脂とを含む重合体組成物を用いる。脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸系樹脂を含むことができ、これらからなる3次元造形用材料を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、重合体組成物及びそれからなる3次元造形用材料に関する。
3次元(3D)CADや3次元コンピューターグラフィックスのデータを元に、立体造形物を作製する3Dプリンターは、近年産業向けを中心に急速に普及している。3Dプリンターの造形方法には、光造形、インクジェット、粉末石膏造形、粉末焼結造形、熱溶解積層造形などの方法があるが、個人向け等の低価格の3Dプリンターの多くは熱溶解積層法を採用している。この熱溶解積層法3Dプリンターにおいては、造形材料として、熱可塑性樹脂のペレットや粉末、あるいはそれらを用いたフィラメントが使用され、該造形材料にはポリ乳酸やABS樹脂、アクリル樹脂、ナイロンなどの樹脂が用いられている。特にポリ乳酸は、比較的低温で溶融し、他の樹脂と比較して造形性や造形物の反りが小さいことから、熱溶解積層法3Dプリンターの材料として適している。
しかし、ポリ乳酸は硬くて脆いため、フィラメントや造形品の耐衝撃性が十分ではなかった。これに対し、耐衝撃性を向上する方法としてポリ乳酸にコア-シェル型ゴムを添加する方法が提案されている。(特許文献1)。
ところで、造形性向上のため、低温での造形が可能とするための造形材料の低溶融粘度化や、より高速での造形の要求が高まっている。これに対し、耐衝撃性と造形性(成形性)を向上する方法としてポリ乳酸にポリグリセリン脂肪酸などの可塑剤を添加する方法などが提案されている(特許文献2)。
特開2016-169456号公報 特許第5333217号公報
しかしながら、ポリ乳酸にコア-シェル型ゴムを添加する方法は、溶融粘度が上がるため、3Dプリンターの造形材料として用いる場合、低温での造形性が悪くなる場合がある。またポリ乳酸にポリグリセリン脂肪酸などの可塑剤を添加する方法は可塑剤が染み出すブリードの問題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性、造形性、非ブリード性を有する重合体組成物及び3次元造形材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、脂肪族ポリエステル樹脂とポリヒドロキシウレタン樹脂とを含む重合体組成物が、前記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]脂肪族ポリエステル樹脂とポリヒドロキシウレタン樹脂とを含む重合体組成物。
[2]前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸系樹脂を含む、[1]に記載の重合体組成物。
[3]前記ポリヒドロキシウレタン樹脂が下記一般式(1)で示される繰り返し構造を有する、[1]又は[2]に記載の重合体組成物。
[一般式(1)中、Xは、直接結合であるか、炭素数1~30の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~40の脂環式炭化水素基又は炭素数6~40の芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合、アミノ結合、スルホニル結合、エステル結合及びウレタン結合から選ばれる何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子又は繰り返し単位1~30の炭素数2~6からなるポリアルキレングリコール鎖の何れかを有していてもよい。Yは、炭素数1~15の脂肪族炭化水素基、炭素数4~15の脂環式炭化水素基又は炭素数6~15芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合又はスルホニル結合の何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子の何れかを有していてもよい。Zは、それぞれ独立に、下記一般式(2)~(5)から選ばれる少なくとも何れかの構造を示し、繰り返し単位内及び繰り返し単位間のいずれにおいても、これらの一般式(2)~(5)から選ばれる2種以上の構造が混在してもよい。
一般式(2)~(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、これらの何れの式を選択した場合も、右側の結合手は酸素原子と結合し、且つ、左側の結合手はXと結合し、Xが直接結合の場合は、他方のZの左側の結合手と結合する。]
[4]前記ポリヒドロキシウレタン樹脂中に含まれるウレタン結合の一部又は全部が、エポキシ基と二酸化炭素との反応物である五員環環状カーボネート基と、アミノ基との付加反応物であり、該付加反応物中における前記二酸化炭素に由来する-O-CO-構造の、ポリヒドロキシウレタン樹脂中に占める割合が1~30質量%である[1]~[3]のいずれかに記載の重合体組成物。
[5]前記ポリヒドロキシウレタン樹脂が、ポリイソシアネート基由来の化学構造Aと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリオールに由来する化学構造Bとを有する、下記一般式(6)で示されるブロック共重合体である、[4]に記載の重合体組成物。
[一般式(6)中、Aは、ポリイソシアネート由来の化学構造であり、Bは、ポリオール由来の化学構造である。mは1~6の何れかの数である。]
[6][1]~[5]のいずれかに記載の重合体組成物からなる3次元造形用材料。
本発明の重合体組成物は、耐衝撃性、造形性、非ブリード性に優れる。このため、本発明の重合体組成物は、3次元造形用材料に肯定的に用いることが期待される。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。なお、本発明において「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[重合体組成物]
本発明の重合体組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂(以下、「(A)成分」と称することがある。)とポリヒドロキシウレタン樹脂(以下、「(B)成分」と称することがある。)とを含む組成物である。
[脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)]
本発明にかかる脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)は、脂肪族構造のモル比率が全体構造に対して最大比率となる樹脂であり、例えば、脂肪族構造以外に、部分的に芳香族構造を有する脂肪族芳香族ポリエステルであってもよい。より具体的には、ジオール・ジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂、オキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明で用いる(A)成分は、3次元プリンターにおける造形性、成形体(造形体)の機械物性の観点からオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂であることが好ましい。(A)成分がオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂と他の脂肪族ポリエステル樹脂との混合物である場合、(A)成分の60重量%以上、特に80~100重量%がオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記のジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂は、下記式(7)で表される脂肪族ジオールに由来する構成単位、及び下記式(8)で表される脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を含んでなる脂肪族ポリエステル樹脂である。
-O-R-O- (7)
-OC-R-CO- (8)
(式(7)中、Rは、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を表す。式(8)中、Rは、2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
式(7)の脂肪族ジオールに由来する構成単位を与える脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、造形性や機械強度の観点から、炭素数が2以上10以下の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4以上6以下の脂肪族ジオールが特に好ましい。例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4-ブタンジオールが特に好ましい。前記脂肪族ジオールは2種類以上を用いることもできる。
式(8)の脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を与えるジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、炭素数が2以上40以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数が4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、コハク酸とアジピン酸が特に好ましい。前記脂肪族ジカルボン酸は2種類以上を用いることもできる。
前記のオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ3-ヒドロキシブチレート、ポリ4-ヒドロキシブチレート、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)、ポリカプロラクトンなどが挙げられ、これらのなかで特に好ましいのは、ポリ乳酸である。
ポリ乳酸を有する樹脂(ポリ乳酸系樹脂)としては、乳酸のホモポリマー、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体等のポリ乳酸系樹脂が挙げられる。
前記乳酸のホモポリマーには、L-乳酸のホモポリマー、D-乳酸のホモポリマーを含む。
乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体において用いられる他のヒドロキシカルボン酸としては、乳酸の光学異性体(L-乳酸に対してはD-乳酸、D-乳酸に対してはL-乳酸)、グリコール酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ-n-酪酸、2-ヒドロキシ-3,3-ジメチル酪酸、2-ヒドロキ-3-メチル酪酸、2-メチル乳酸、2-ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸類、及びカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
このようなポリ乳酸系樹脂における他のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(乳酸の光学異性体を含む)の配合量は、ポリ乳酸系樹脂中の乳酸に由来する構成単位と他のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位との合計に対して15モル%未満で使用するのがよい。
前記ポリ乳酸系樹脂に含まれるポリ乳酸の構成(DL比)としてはモル比として、D-乳酸:L-乳酸=100:0~85:15、又は0:100~15:85であることが好ましい。また、D-乳酸とL-乳酸との構成割合が異なった他のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。D-乳酸のみ、又は、L-乳酸のみを構成単位とするポリ乳酸系樹脂は結晶性樹脂となり、融点が高く、耐熱性、機械的物性に優れる傾向にある。
さらに、前記ポリ乳酸系樹脂は、少量の鎖延長剤残基(鎖延長剤に由来する構成単位)を含んでもよい。
前記ポリ乳酸系樹脂の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L-乳酸又はD-乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、適当な触媒を使用してポリ乳酸系樹脂を得ることができる。なお、ラクチドには、L-乳酸の2量体であるL-ラクチド、D-乳酸の2量体であるD-ラクチド、D-乳酸及びL-乳酸の2量体であるDL-ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合し、重合することによって任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。
本発明において使用され得るポリ乳酸系樹脂は、重量平均分子量が6万~70万であることが好ましく、より好ましくは8万~40万、特に好ましくは10万~30万である。分子量が6万より小さいと機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、70万より大きいと溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る。なお、ここで、ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
また、ポリ乳酸系樹脂は、フィラメントへの成形性の観点から、JIS K7210に基づき190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が10~1/10分であることが好ましく、5~1g/10分であることがより好ましく、3.3~1g/10分であることが特に好ましい。また、示差走査熱量計により測定した融点(Tm)が110~200℃程度であることが成形時の糸引きが減少する傾向にあることから好ましい。
このようなポリ乳酸系樹脂としては市販品を用いることができ、例えば、Nature Works社製「Ingeo4032D」、「Ingeo2500HP」等を用いることができる。
なお、(A)成分は、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ポリヒドロキシウレタン樹脂((B)成分)]
本発明にかかるポリヒドロキシウレタン樹脂((B)成分)は、下記の一般式(1)の繰り返し単位からなるポリヒドロキシウレタン樹脂を含有してなる。
[一般式(1)中、Xは、直接結合であるか、炭素数1~30の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~40の脂環式炭化水素基又は炭素数6~40の芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合、アミノ結合、スルホニル結合、エステル結合及びウレタン結合から選ばれる何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子又は繰り返し単位1~30の炭素数2~6からなるポリアルキレングリコール鎖の何れかを有していてもよい。Yは、炭素数1~15の脂肪族炭化水素基、炭素数4~15の脂環式炭化水素基又は炭素数6~15芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合又はスルホニル結合の何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子の何れかを有していてもよい。Zは、それぞれ独立に、下記一般式(2)~(5)から選ばれる少なくとも何れかの構造を示し、繰り返し単位内及び繰り返し単位間のいずれにおいても、これらの一般式(2)~(5)から選ばれる2種以上の構造が混在してもよい。
一般式(2)~(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、これらの何れの式を選択した場合も、右側の結合手は酸素原子と結合し、且つ、左側の結合手はXと結合し、Xが直接結合の場合は、他方のZの左側の結合手と結合する。]
本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂は、少なくとも、前記した一般式(1)で示される化学構造を繰り返し単位とする。該樹脂は、例えば、1分子中に少なくとも2つの五員環環状カーボネート基を有する化合物(以下、単に「環状カーボネート化合物」と呼ぶ場合がある)と、1分子中に少なくとも2つのアミノ基を有する化合物とをモノマー単位として、これらの重付加反応物として得ることができる。そして、高分子鎖を形成する環状カーボネート化合物と、アミノ基との重付加反応では、下記に示すように、環状カーボネート化合物の開裂が2種類あるため、2種類の構造の生成物が得られることが知られている。
Figure 2024057811000006
したがって、前記したモデル反応の多官能モノマーの重付加反応によって得られるポリヒドロキシウレタン樹脂は、前記一般式(1)示しされる繰り返し構造を有し、前記一般式(1)中のZ部の構造として、前記一般式(2)~(5)の何れかがランダムに混在して含まれる構造になる。なお、一般式(4)及び(5)に示されるように、X部の構造の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基には、脂肪族炭化水素基が結合した基も含まれる。
このように、本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂は、主鎖に、ウレタン結合と水酸基を有した化学構造を持つことに特徴がある。これに対し、従来から工業的に利用されているポリウレタン樹脂の製法では、ウレタン結合をイソシアネート化合物とポリオール化合物とから得ており、主鎖に水酸基を有する構造体を得ることは不可能である。このため、前記構造を有するポリヒドロキシウレタン樹脂は、従来のポリウレタン樹脂とは明確に区別される新規な構造を持った樹脂であるといえる。
主鎖における水酸基の存在は、本発明において特に重要なポイントであり、脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)との相溶性が向上する。
前記ポリヒドロキシウレタン樹脂は、本発明の重合体組成物の耐衝撃性、造形性、非ブリード性の点から、重量平均分子量が10000~100000であることが好ましい。
また、前記のとおり、ポリヒドロキシウレタン樹脂構造中の水酸基を架橋反応に利用するために、ポリヒドロキシウレタン樹脂中の水酸基量を表す水酸基価(JIS K1557)は、100~200mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は120~170mgKOH/gであり、更に好ましくは120~160mgKOH/gの範囲である。これらの水酸基価は、原材料となる環状カーボネート化合物及びアミン化合物の分子量により決定される。後述する使用可能な化合物の中から適切な組み合わせを選定することによって、調整される。水酸基価が高すぎると樹脂が固くなり、ショアA硬度の値が高くなり、柔軟性に欠けるものになってしまい、一方で、水酸基価が低すぎると、脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)との相溶性が悪くなり、造形性が劣る傾向になる。
本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂として、環状カーボネート化合物とアミン化合物とから得られたものを用いることができるが、ここで使用する環状カーボネート化合物は、エポキシ化合物と二酸化炭素との反応によって得られた物であることが好ましい。具体的には、下記のようにして得られる環状カーボネート化合物を用い、本発明にかかるポリヒドロキシウレタン樹脂を合成することが好ましい。例えば、原材料であるエポキシ化合物を、触媒の存在下、0℃~160℃の温度にて、大気圧~1MPa程度に加圧した二酸化炭素雰囲気下で4~24時間反応させる。この結果、二酸化炭素を、エステル部位に固定化した環状カーボネート化合物を得ることができる。
Figure 2024057811000007
前記のようにして、エポキシ基と二酸化炭素を原料として合成された反応物である五員環環状カーボネート基をアミノ基と付加反応させて得られた付加反応物を本発明で用いられるポリヒドロキシウレタン樹脂の一部又は全部とすることにより、このポリヒドロキシウレタン樹脂は、その構造中に、前記付加反応物中における前記二酸化炭素に由来し、二酸化炭素が固定化された-O-CO-結合を有したものとなる。
この二酸化炭素由来の-O-CO-結合(二酸化炭素の固定化量)のポリヒドロキシウレタン樹脂中における含有量は、二酸化炭素の有効利用の立場からはできるだけ高くなる方がよいが、例えば、前記した環状カーボネート化合物を用いることで、本発明で用いるポリヒドロキシウレタン樹脂の構造中に1~30質量%の範囲で、二酸化炭素を含有させることができる。すなわち、前記のポリヒドロキシウレタン樹脂は、その質量のうちの1~30質量%を、原料の二酸化炭素由来の-O-CO-結合が占める樹脂であることを意味する。
前記したエポキシ化合物と二酸化炭素との反応に使用される触媒としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムなどのハロゲン化塩類や、4級アンモニウム塩が好ましいものとして挙げられる。その使用量は、原料のエポキシ化合物100質量部当たり1~50質量部が好ましく、より好ましくは1~20質量部である。また、これら触媒となる塩類の溶解性を向上させるために、トリフェニルホスフィンなどを同時に使用してもよい。
このエポキシ化合物と二酸化炭素との反応は、有機溶剤(反応溶媒)の存在下で行うこともできる。この際に用いる有機溶剤としては、前述の触媒を溶解するものであれば使用可能である。具体的には、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤が、好ましい有機溶剤として挙げられる。
本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂の製造に使用可能な環状カーボネート化合物の構造には特に制限がなく、一分子中に2つ以上の環状カーボネート構造を有するものであれば使用可能である。例えば、ベンゼン骨格、芳香族多環骨格、縮合多環芳香族骨格を持つものや、脂肪族系や脂環式系のいずれの環状カーボネート化合物も使用可能である。以下に使用可能な化合物を例示する。
ベンゼン骨格、芳香族多環骨格、縮合多環芳香族骨格を持つものとして、以下の化合物が例示される。なお、式中のRは、H又はCHである。
Figure 2024057811000008
脂肪族系や脂環式系の環状カーボネート化合物として、以下の化合物が例示される。なお、式中のRは、H又はCHである。
Figure 2024057811000009
Figure 2024057811000010
前記に例示した各種環状カーボネート化合物を組み合わせることで、ポリヒドロキシウレタン樹脂の硬度を調整することが可能である。特に、硬度を低下させる目的においてはポリプロピレングリコール骨格やポリテトラメチレングリコール骨格などの繰り返し単位を有する脂肪族系カーボネート化合物が有用である。
この環状カーボネート化合物を用いたポリヒドロキシウレタン樹脂の例として、ポリイソシアネート基由来の化学構造Aと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリオールに由来する化学構造Bとを有する、下記一般式(6)で示されるブロック共重合体である、ポリヒドロキシウレタン樹脂が挙げられる。
[一般式(6)中、Aは、ポリイソシアネート由来の化学構造であり、Bは、ポリオール由来の化学構造である。mは1~6の何れかの数である。]
このポリイソシアネート基由来の化学構造Aの部分が前記環状カーボネート化合物由来の部分となり、前記一般式(1)におけるYに相当する。また、ポリオール由来の化学構造Bは、前記一般式(1)におけるZ-X-Zに相当する。
前記した一般式(6)で示されるポリヒドロキシウレタン樹脂は、(a)ポリオール、(b)ポリイソシアネート及び、(c)グリセリンカーボネート或いはグリシドールを原料として製造することが可能である。
前記(a)成分であるポリオールは特に限定されず、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に使用されるものである。例えば、カプロラクトン系やアジペート系のポリエステ系ポリオール、ポリプロピレングリコール系やポリエチレンオキサイド系、ポリテトラメチレングリコール系などのポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールなどのいずれも使用可能である。
前記(b)成分であるポリイソシアネートについても、特に限定されない。好ましい化合物を例示すると、前記環状カーボネート化合物と多官能アミン化合物とからなるジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどが挙げられる。このうち、前記環状カーボネート化合物とアミン化合物とからなるジイソシアネートの使用は、二酸化炭素の使用量の増大につながり、好ましい。
前記(c)成分としては、グリセリンカーボネートが使用される。代わりに、グリシドールを使用し得られたエポキシ末端の化合物から二酸化炭素を使用し、環状カーボネート化合物を得てもよい。
一般式(6)で表されるポリヒドロキシウレタン樹脂の製造方法は、前記した(a)成分、(b)成分及び(c)成分を混合することにより得られる。その反応順は、特に限定されない。中でも、まず、(a)成分と(b)成分を反応させ、イソシアネート基が一定量減少した段階で、(c)成分を添加する反応方法が好ましい。反応順をこのようにすれば、分子量が低く反応しやすい(c)成分による反応熱を抑えることができるため、工業的には好ましい。
それぞれの成分の配合比率は、最終的なカーボネート基の濃度を制御するために重要である。例えば、(a)成分と(b)成分の反応モル比率(OH基:NCO基のモル比率)は、1:2~1:1.2の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲は、1:2~1:1.5の範囲である。また、(c)成分の配合比率は、過剰なイソシアネート基のモル比に対して当量が基本であり、当量から10%前後の範囲であれば使用可能である。
前記した一般式(6)で表される化合物の合成は、無溶剤でも有機溶剤(反応溶媒)下でも行うことが可能であり、通常のポリウレタン樹脂の合成で使用される溶剤であれば特に制限なく使用することが可能である。好ましい溶剤を例示すると、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミドN-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。使用した溶剤は、そのままとし、環状カーボネート化合物の溶液として次工程に使用してもよいし、また、必要に応じて減圧留去して、無溶剤状態の環状カーボネート化合物とし、これを次工程に使用してもよい。
また、前記反応は、触媒を使用することで促進することが可能である。その際、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチレンジアミン(DABCO)、ピリジン、ヒドロキシピリジンなどの塩基性触媒や、テトラブチル錫、ジブチル錫ジラウリレートなどのルイス酸触媒などが使用できる。これらの触媒の好ましい使用量は、反応物の総量(100質量部)に対して、0.001~0.1質量部程度である。
反応温度は、前記した溶剤、触媒の種類により最適な温度が変化する。好ましくは、20℃~140℃の範囲内であり、より好ましくは、60℃~120℃で反応が進行するように触媒量を調整するとよい。
本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂は、前記に列挙したような環状カーボネート化合物と、多官能アミン化合物との反応によって容易に製造できる。また、製造の際に使用する多官能アミン化合物としては、従来公知の化合物のいずれのものも使用できる。好ましいものとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノへキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカンなどの鎖状脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,6-シクロヘキサンジアミン、ピペラジン、2,5-ジアミノピリジンなどの環状脂肪族ポリアミンや、キシリレンジアミンなどの芳香環を持つ脂肪族ポリアミンや、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
前記した成分から得られる本発明にかかるポリヒドロキシウレタン樹脂の製造方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、下記のような方法によって容易に得ることができる。すなわち、反応溶媒の存在下或いは反応溶媒の非存在下で、前記したような環状カーボネート化合物とアミン化合物とを混合し、40~200℃の温度で4~24時間反応させることで得ることができる。
製造に使用可能な反応溶媒としては、使用する原料及び得られたポリヒドロキシウレタン樹脂に対して不活性な有機溶剤であれば、いずれも使用可能である。好ましいものを例示すると、例えば、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
本発明にかかるポリヒドロキシウレタン樹脂の製造は、前記したように、特に触媒を使用せずに行うことができる。しかし、反応を促進させるために、下記に挙げるような触媒の存在下で行うことも可能である。例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)トリエチレンジアミン(DABCO)、ピリジンなどの塩基性触媒、テトラブチル錫、ジブチル錫ジラウリレートなどのルイス酸触媒などが使用できる。これらの触媒の好ましい使用量は、使用するカーボネート化合物とアミン化合物の総量(100質量部)に対して、0.01~10質量部である。
本発明のポリヒドロキシウレタン樹脂には、前記で説明した特有の構造を有するポリヒドロキシウレタン樹脂以外に、必要に応じて、下記に挙げるような種々の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)や、光安定剤(ヒンダードアミン系など)や、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など)や、ガス変色安定剤(ヒドラジン系など)や、加水分解防止剤(カルボジイミドなど)や、金属不活性剤などが挙げられる。これらの添加剤は2種類以上を併用してもよい。同様に、意匠性を付与する目的で金属フィラーや艶消し材、各種顔料を、添加して含有させてもよい。
〔3次元造形用材料〕
本発明の3次元造形用材料は、脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)とポリヒドロキシウレタン樹脂((B)成分)とを含む重合体組成物からなるものである。
この3次元造形用材料は、3次元(3D)プリンター、特に、熱溶解積層法3Dプリンターの材料として適している。
<(A)成分及び(B)成分の含有量>
本発明の重合体組成物における(A)成分と(B)成分の含有量は、(A)成分/(B)成分の重量比で、99/1~70/30であることが好ましく、95/5~75/25であることがより好ましい。
前記範囲よりも(B)成分の含有量が少ないと、耐衝撃性が劣るという問題点を生じることがある。一方、前記範囲よりも(B)成分の含有量が多いと、剛性が劣るという問題点を生じることがある。
<その他の成分>
本発明の重合体組成物は、(A)成分及び(B)成分からなり、その他の成分を実質的に含まない組成物において、その効果を発揮することができるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、(A)成分及び(B)成分以外のその他の樹脂やゴム、添加剤、充填材等を適宜配合することができる。
その他の樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、各種エラストマー等が挙げられる(ただし、これらのうち、本発明に用いる(A)脂肪族ポリエステル樹脂及び(B)コア-シェル型ゴムに該当するものは除くものとする。)。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他の樹脂の配合量は通常、全成分の50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下である。
添加剤としては、酸化防止剤、酸性化合物及びその誘導体、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、難燃剤、衝撃改良剤、発泡剤、着色剤、有機過酸化物や、摩擦抵抗を大きくするための無機添加剤、展着剤、粘着剤等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、ガラスカットファイバー、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラス粉末、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石膏、石膏ウィスカー、焼成カオリン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、金属粉、セラミックウィスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等の無機充填材;澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等の有機充填材等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填材の配合量は通常、全成分の50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下である。
<重合体組成物の製造方法>
本発明の重合体組成物は、(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて用いられるその他の成分を所定の割合で配合し、常法に従って溶融混練し、押出成形等することにより製造される。
<重合体組成物の物性>
(メルトフローレート(MFR))
本発明の重合体組成物のメルトフローレート(MFR)は、5~500/10分であることが好ましく、10~300g/10分であることがより好ましい。重合体組成物のMFRがこの範囲内にあると、低温及び高速造形がしやすくなり造形性が優れるという特徴を発揮することができる。
このMFRは、ISO 1133に従い、190℃、荷重1.20kgfで測定される。
(シャルピー衝撃強度)
本発明の重合体組成物は、シャルピー衝撃強度を測定することにより、耐衝撃性の指標とすることができる。
この重合体組成物のシャルピー衝撃強度は、好ましくは20kJ/m以上、より好ましくは25kJ/m以上、更に好ましくは30kJ/m以上である。20kJ/m以上だと、3次元造形用フィラメント及び3次元造形品の耐衝撃性が優れるという特徴を発揮することができる。
このシャルピー衝撃強度は、プランジャータイプ射出成形機を用いて、射出圧力3.5bar、シリンダー温度200℃、金型温度40℃にて、厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片を成形し、この試験片を用いて、ISO179に従って、温度23℃、ノッチなしでシャルピー衝撃試験を行うことで、測定することができる。
(低温造形性)
本発明の重合体組成物は、ペレット形状の造形材料を用いる3D造形装置(3Dプリンター)を用いて造形したとき、スクリュー温度(INPUTの温度)及びノズル温度(OUTPUTの温度)の温度条件が210℃未満で造形可能な場合は、低温造形性があると判断できる。一方、前記温度で、スクリュー回転時に負荷が高く異音がしたり、樹脂がノズルから安定して吐出できないなどの不具合がおきて造形できなかった場合は、低温造形性が悪いと判断できる。低温造形性を有することにより、造形時の省エネルギー化や、造形時の操作性および安全性の向上という特徴を発揮することができる
この低温造形性は、3D造形装置を用い、ノズル径0.8mm、テーブル温度60℃、造形速度20mm/s、前記の温度条件下の条件下にて造形テストを行い、幅1cm×厚み0.5cm×長さ35cmの直方体を、幅方向を積層方向として造形する際の造形の様子などで判断することができる。
[3次元造形用フィラメント]
<3次元造形用フィラメントの製造方法>
本発明の3次元造形用フィラメントは、上述の本発明の3次元造形用材料である重合体組成物を用いて製造される。
本発明の3次元造形用フィラメントの製造方法は特に制限されないが、本発明の重合体組成物を、通常、押出成形等の公知の成形方法により成形する方法や重合体組成物の製造時にそのままフィラメントとする方法等によって得ることができる。例えば、本発明の重合体組成物を押出成形により得る場合、その条件は、通常80~250℃、好ましくは100~230℃である。
<3次元造形用フィラメントの物性等>
本発明の3次元造形用フィラメントの直径は、熱溶解積層法による樹脂成形体の造形に使用するシステムの能力に依存するが、通常1.0mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.6mm以上、特に好ましくは1.7mm以上であり、一方上限は5.0mm以下、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、特に好ましくは3.0mm以下である。
更に径の精度はフィラメントの任意の測定点に対して±5%以内の誤差に納めることが原料供給の安定性の観点から好ましい。特に、本発明の3次元造形用フィラメントは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される径の標準偏差が0.07mm以下、特に0.06mm以下であることが好ましい。
また、本発明の3次元造形用フィラメントは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される真円度が0.93以上、特に0.95以上であることが好ましい。真円度の上限は1.0である。
このように、径の標準偏差が小さく、真円度が高い3次元造形用フィラメントであれば、造形時の吐出ムラが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができるが、前述の本発明の重合体組成物を用いることで、このような標準偏差及び真円度を満たす3次元造形用フィラメントを容易に製造することができる。
また、本発明の3次元造形用フィラメントについて、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される破断ひずみは、30%以上であることが好ましく、100%以上であることがフィラメントの靱性を向上し、3Dプリンターがフィラメントを取り込む際にフィラメントが折れることを抑制できる観点から好ましい。この破断ひずみの上限は特に設定されないが、通常1000%程度である。
<3次元造形用フィラメントの巻回体及びカートリッジ>
本発明の3次元造形用フィラメントを用いて3Dプリンターにより樹脂成形体を製造するにあたり、3次元造形用フィラメントを安定に保存すること、及び、3Dプリンターに3次元造形用フィラメントを安定供給することが求められる。そのために、本発明の3次元造形用フィラメントは、ボビンに巻きとった巻回体として密閉包装されている、又は、巻回体がカートリッジに収納されていることが、長期保存、安定した繰り出し、湿気等の環境要因からの保護、捩れ防止等の観点から好ましい。カートリッジとしては、ボビンに巻き取った巻回体の他、内部に防湿材又は吸湿材を使用し、少なくともフィラメントを繰り出すオリフィス部以外が密閉されている構造のものが挙げられる。
通常、3次元造形用フィラメントをボビンに巻きとった巻回体、又は、巻回体を含むカートリッジは3Dプリンター内又は周囲に設置され、造形中は常にカートリッジからフィラメントが3Dプリンターに導入され続ける。
本発明の3次元造形用フィラメントは靱性に優れることから、3Dプリンターに導入される際にフィラメントが折れにくく、長時間の連続造形が可能という効果を有する。特に本発明の3次元造形用フィラメントは日本における梅雨期(高温多湿環境下)や、冬期(低温環境下)においても、十分な靱性を有することから、年間を通して安定して長時間の連続造形が可能という効果を有する。
[3次元造形用ペレット]
<3次元造形用ペレットの製造方法>
本発明の3次元造形用ペレットは、上述の本発明の3次元造形用材料である重合体組成物を用いて製造される。本発明の3次元造形用ペレットの製造方法は特に制限されるものではないが、上述の重合体組成物の製造時に混練機から所望の断面形状で押し出されたものを、ペレタイザーなどを用いて所望の大きさにカットすることが望ましい。
<3次元造形用ペレットの物性等>
本発明の3次元造形用ペレットの形状は、特に制限されるものではないが、円柱状(断面が楕円のものも含む)、球状、米粒状、円盤状、四角状などが挙げられる。また、成形時に、3次元造形装置のノズル上部に通常設けられているスクリューに良好に噛みこんでいく観点から、ペレットの一番長い部分の長さが10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。また、スクリューへの巻き付きを抑制する観点から、ペレットの一番短い部分の長さが、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
〔樹脂成形体の製造方法〕
本発明の樹脂成形体の製造方法においては、本発明の3次元造形用ペレットや3次元造形用フィラメントを用い、3Dプリンターにより造形することにより樹脂成形体を得る。3Dプリンターによる造形方法としては熱溶解積層法(FDM法)、インクジェット方式、光造形方式、石膏パウダー積層方式等が挙げられ、本発明の3次元造形用フィラメントは、これらの中でも熱溶解積層法に用いることが好ましい。以下、熱溶解積層法の場合を例示して説明する。
<3次元造形用フィラメントを用いた樹脂成形体の製造方法>
3Dプリンターは一般に、チャンバーを有しており、該チャンバー内に、加熱可能な基盤、ガントリー構造に設置された押出ヘッド、加熱溶融器、フィラメントのガイド、フィラメントカートリッジ設置部等の原料供給部を備えている。3Dプリンターの中には押出ヘッドと加熱溶融器とが一体化されているものもある。
押出ヘッドはガントリー構造に設置されることにより、基盤のX-Y平面上に任意に移動させることができる。基盤は目的の3D物体や支持材等を構築するプラットフォームであり、加熱保温することで積層物との密着性を得たり、得られる樹脂成形体を所望の3D物体として寸法安定性を改善したりできる仕様であることが好ましい。押出ヘッドと基盤とは、通常、少なくとも一方がX-Y平面に垂直なZ軸方向に可動となっている。
3次元造形用フィラメントは原料供給部から繰り出され、対向する1組のローラー又はギアーにより押出ヘッドへ送り込まれ、押出ヘッドにて加熱溶融され、先端ノズルより押し出される。CADモデルを基にして発信される信号により、押出ヘッドはその位置を移動しながら原料を基盤上に供給して積層堆積させていく。この工程が完了した後、基盤から積層堆積物を取り出し、必要に応じて支持材等を剥離したり、余分な部分を切除したりして所望の3D物体として樹脂成形体を得ることができる。
押出ヘッドへ連続的に原料を供給する手段は、フィラメント又はファイバーを繰り出して供給する方法、粉体又は液体をタンク等から定量フィーダを介して供給する方法、ペレット又は顆粒を押出機等で可塑化したものを押し出して供給する方法等が例示できるが、工程の簡便さと供給安定性の観点から、フィラメントを繰り出して供給する方法、即ち、前述の本発明の3次元造形用フィラメントを繰り出して供給する方法が最も好ましい。
3Dプリンターにフィラメントを供給する場合、ニップロールやギアロール等の駆動ロールにフィラメントを係合させて、引き取りながら押出ヘッドへ供給することが一般的である。ここでフィラメントと駆動ロールとの係合による把持をより強固にすることで原料供給を安定化させるために、フィラメントの表面に微小凹凸形状を転写させておいたり、係合部との摩擦抵抗を大きくするための無機添加剤、展着剤、粘着剤、ゴム等を配合したりすることも好ましい。フィラメントに太さムラがある場合、フィラメントと駆動ロールとの係合による把持が行えず、駆動ロールが空転しフィラメントを押出ヘッドに供給出来なくなる場合があるが、本発明の3次元造形用フィラメントは、太さムラが少ないため、このような問題を回避することができる。
本発明の重合体組成物は、押出に適当な流動性を得るための温度が、通常190~240℃程度と、通常の3Dプリンターが設定可能な設定可能な温度であり、本発明の製造方法においては、加熱押出ヘッドの温度を通常220℃以下、好ましくは180~210℃とし、また、基盤温度を通常80℃以下、好ましくは50~70℃として安定的に樹脂成形体を製造することができる。
押出ヘッドから吐出される溶融樹脂の温度(吐出温度)は180℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、一方、250℃以下であることが好ましく、240℃以下であることがより好ましく、230℃以下であることが更に好ましい。溶融樹脂の温度が前記下限値以上であると、耐熱性の高い樹脂を押し出す上で好ましく、また、一般に造形物中に糸引きと呼ばれる、溶融樹脂が細く伸ばされた破片が残り、外観を悪化させることを防ぐ観点からも好ましい。一方、溶融樹脂の温度が前記上限値以下であると、樹脂の熱分解や焼け、発煙、臭い、べたつきといった不具合の発生を防ぎやすく、また、高速で吐出することが可能となり、造形効率が向上する傾向にあるために好ましい。
押出ヘッドから吐出される溶融樹脂は、好ましくは直径0.01~1mm、より好ましくは直径0.02~0.5mmのストランド状で吐出される。溶融樹脂がこのような形状で吐出されると、CADモデルの再現性が良好となる傾向にあるために好ましい。
3次元造形用フィラメントを用いて3Dプリンターにより樹脂成形体を製造するにあたり、押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、先に吐出させた樹脂のストランドと、その上に吐出させた樹脂ストランドとの接着性が十分でないことや吐出ムラによって、成形体の表面に凹凸部(段差)が生じることがある。成形体の表面に凹凸部が存在すると、外観の悪化だけでなく、成形体が破損しやすい等の問題が生じることがある。
本発明の3次元造形用フィラメントは径の標準偏差が小さく、真円度が高いことから、造形時の吐出ムラが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができる。
3Dプリンターによって押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、樹脂の吐出を止めた上で次工程の積層箇所にノズルを移動する工程がある。この時、樹脂が途切れずに細い樹脂繊維が生じ、糸を引いたように成形体表面に残ることがある。前記の様な糸引きが発生すると成形体の外観が悪化する等の問題が生じることがある。
本発明の3次元造形用フィラメントは、径の標準偏差が小さく、真円度が高いことに加え、高い破断ひずみを有することから糸引きが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができる。
3Dプリンターによって押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、押し出しヘッドのノズル部に付着することがあり、さらに付着した樹脂が熱によって着色し、黒い異物(黒点や黒条)となることがある。そして、このような異物が成形体中に混入することで、外観の悪化だけでなく、成形体が破損しやすい等の問題が生じることがある。
本発明の3次元造形用フィラメントは、耐熱性に優れ、ノズル部に付着しても熱による着色が生じにくいことから、優れた外観の成形体を安定して製造することができる。
<3次元造形用ペレットを用いた樹脂成形体の製造方法>
本発明の樹脂成形体の製造方法においては、3次元造形用ペレットを用いることもできる。3次元造形用ペレットを用いる場合においても、3次元プリンターは、3次元造形用フィラメントを用いる場合と同様のものを用いることができる。なお、3次元造形用ペレットを用いる場合には、通常、フィラメントのガイド、フィラメントカートリッジ設置部に代えて、原料ホッパーや、押出スクリューを備えた小型押出機を用いる。
〔樹脂成形体の用途〕
本発明の樹脂成形体の製造方法により製造された樹脂成形体は、長期保存安定性に優れ、表面性状や外観にも優れたものである。このため、文房具;玩具;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車等の各種パーツ;電機・電子機器用資材、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、医療用品等の用途に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(1)原料
<脂肪族ポリエステル樹脂((A)成分)>
A-1…ポリ乳酸系樹脂:Nature Works社製:Ingeo(登録商標)2003D、ポリ乳酸系重合体(ポリ乳酸、D-乳酸:L-乳酸=0.5:99.5(モル比)、重量平均分子量=20万、MFR=6g/10min(210℃,2.16kgf)、Tm:210℃)
<ポリヒドロキシウレタン樹脂((B)成分)>
B-1…ポリヒドロキシウレタン-ポリエーテルポリオ―ル共重合体:大日精化社製、HPU A-1190、B-1中に占める二酸化炭素に由来する-O-CO-構造の割合:8質量%
なお、B-1は、一般式(1)のY、一般式(6)のAが下記式(9)に示す構造を有し、一般式(1)のZ-X-Z、一般式(6)のBが下記式(10)に示す構造を有するポリヒドロキシウレタンと、下記式(12)に示すジイソシアネート化合物との反応物である。
Figure 2024057811000012
Figure 2024057811000013
式(10)において、R’は、下記式(11)に示す構造を有する。
Figure 2024057811000014
Figure 2024057811000015
式(12)における、m、nは整数を示す。なお、m、nの値又は範囲は、当該HPU A-1190が有する値又は範囲である。
(2)評価
<MFR>
実施例及び比較例で得られたペレットについて、ISO 1133(190℃、荷重1.20kgf))にしたがって、MFR(単位:g/10分)を測定した。
<シャルピー衝撃強度>
実施例及び比較例で得られたペレットをプランジャータイプ射出成形機(Xplore Instruments社製 小型混練機XploreMC15付属射出成形機)を用いて、射出圧力3.5bar、シリンダー温度200℃、金型温度40℃にて、厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片を成形した。
この試験片を用い、ISO179に従って、温度23℃、ノッチなしでシャルピー衝撃試験を行った。
<低温造形性>
実施例及び比較例で得られたペレットについて、3D造形装置(Tumaker社製、BIGFoot Pro Pellets)を用いて造形テストを行った。ノズル径0.8mm、テーブル温度60℃、造形速度20mm/sにて、幅1cm×厚み0.5cm×長さ35cmの直方体を、幅方向を積層方向として造形した。
その際、温度条件として、スクリュー温度(INPUT)を190℃、ノズル温度(OUTPUT)を200℃に設定した。
その際の造形性で、低温造形性を以下のように判断した。
・OK…上記温度条件で印刷可能であった。
・NG…上記温度条件では、スクリュー回転時に負荷が高く異音がし、造形できなかった。
〔実施例1~3、比較例1〕
A-1及びB-1を表1に記載の量ずつ配合し、及び酸化防止剤としてBASF社製イルガノックス1010を0.1部加え、同方向2軸押出機((株)テクノベル製:KZW15-45MG、Φ15、L/D=45)にて2kg/hの速度で投入し、200℃で溶融混練を行ない、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2024057811000016

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル樹脂とポリヒドロキシウレタン樹脂とを含む重合体組成物。
  2. 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸系樹脂を含む、請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 前記ポリヒドロキシウレタン樹脂が下記一般式(1)で示される繰り返し構造を有する、請求項1又は2に記載の重合体組成物。
    [一般式(1)中、Xは、直接結合であるか、炭素数1~30の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~40の脂環式炭化水素基又は炭素数6~40の芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合、アミノ結合、スルホニル結合、エステル結合及びウレタン結合から選ばれる何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子又は繰り返し単位1~30の炭素数2~6からなるポリアルキレングリコール鎖の何れかを有していてもよい。Yは、炭素数1~15の脂肪族炭化水素基、炭素数4~15の脂環式炭化水素基又は炭素数6~15芳香族炭化水素基の何れかの基であり、これらの基は、その構造中に、エーテル結合又はスルホニル結合の何れかの結合、或いは、水酸基又はハロゲン原子の何れかを有していてもよい。Zは、それぞれ独立に、下記一般式(2)~(5)から選ばれる少なくとも何れかの構造を示し、繰り返し単位内及び繰り返し単位間のいずれにおいても、これらの一般式(2)~(5)から選ばれる2種以上の構造が混在してもよい。
    一般式(2)~(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、これらの何れの式を選択した場合も、右側の結合手は酸素原子と結合し、且つ、左側の結合手はXと結合し、Xが直接結合の場合は、他方のZの左側の結合手と結合する。]
  4. 前記ポリヒドロキシウレタン樹脂中に含まれるウレタン結合の一部又は全部が、エポキシ基と二酸化炭素との反応物である五員環環状カーボネート基と、アミノ基との付加反応物であり、該付加反応物中における前記二酸化炭素に由来する-O-CO-構造の、ポリヒドロキシウレタン樹脂中に占める割合が1~30質量%である請求項1又は2に記載の重合体組成物。
  5. 前記ポリヒドロキシウレタン樹脂が、ポリイソシアネート基由来の化学構造Aと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリオールに由来する化学構造Bとを有する、下記一般式(6)で示されるブロック共重合体である、請求項4に記載の重合体組成物。
    [一般式(6)中、Aは、ポリイソシアネート由来の化学構造であり、Bは、ポリオール由来の化学構造である。mは1~6の何れかの数である。]
  6. 請求項1又は2に記載の重合体組成物からなる3次元造形用材料。
  7. 請求項3に記載の重合体組成物からなる3次元造形用材料。
  8. 請求項4に記載の重合体組成物からなる3次元造形用材料。
  9. 請求項5に記載の重合体組成物からなる3次元造形用材料。
JP2022164722A 2022-10-13 2022-10-13 重合体組成物及びそれからなる3次元造形用材料 Pending JP2024057811A (ja)

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