JP2024054867A - ロール状ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法 - Google Patents

ロール状ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法 Download PDF

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Yasunobu Ooka
光 佐藤
Hikari Sato
祐樹 藤田
Yuki Fujita
幸治 大篭
Koji Okago
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Abstract

【課題】1プライで機能性が良好である高坪量のペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであっても、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができる、ロール状ペーパータオル及びその製造方法を提供する。【解決手段】表面にパターン状の印刷を有し、1プライのエンボス加工を施されたペーパータオルが、ロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであって、ペーパータオルの坪量が50g/m2以上200g/m2以下であり、印刷が、全長10mm以上であってペーパータオルの末端側へ流れ方向に略凸型の線分であり、略凸型の部分のうち、線分の両末端を結んだ直線からペーパータオルの流れ方向に平行な距離が3mm以上離れた部分の線の太さが、3mm以上離れた部分以外の部分の線の太さの20%以上100%以下である、ロール状ペーパータオル及びその製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、ロール状ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法に関する。
近年、ハンドタオルロール、キッチンタオルロール等の、厚手の紙をロール状に巻き取ったロール状ペーパータオルが市販されている。
ロール状ペーパータオルの中でも、ペーパータオルの表面に印刷を施したものは、美粧性が良好であることから、様々な製品が開発され、市販されている。
薄葉紙ロールの表面に印刷を施す技術の先行技術文献としては、例えば、特許文献1には二枚以上の帯状の連続衛生薄葉紙が重ねられた連続シートを巻取って円筒状とした衛生薄葉紙ロールであって、連続シートは、エンボス加工が施されているとともに模様が印刷され、かつ、縦方向の乾燥引張り強度が250~450cN/25mm幅であり、横方向の乾燥引張り強度が120~190cN/25mm幅であり、連続衛生薄葉紙は、古紙パルプを80~95%含み、バージンパルプを5~20%含み、米坪が12.5~14.5g/mであることを特徴とする衛生薄葉紙ロールが開示されている。
特開2010-069147号公報
ペーパータオルの中でも、特にキッチンタオルに用いられるようなものは、水を拭き取ったり、繰り返し使ったりすることが多いことから、吸水量が高く、強度が高いことが好まれる。
ペーパータオルの吸水量を高く(多く)し、かつ、強度を高くするには、ペーパータオルの坪量を高くすればよい。しかし、坪量を高くすると紙粉が多くなるため、プリント(印刷)を実施する場合、印刷版に紙粉が溜まりやすくなる。印刷版に紙粉が溜まると、印刷が太く(大きく)なってしまい、印刷版の洗浄が必要になる。一方で、印刷版を細くすると、紙粉が溜まりにくくなるが、印刷の美粧性に劣る。そのため、高坪量で、印刷を有する1プライのロール状ペーパータオルを得ることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、1プライで機能性が良好である高坪量のペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであっても、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができる、ロール状ペーパータオル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行い、表面にパターン状の印刷を有し、1プライのエンボス加工を施されたロール状ペーパータオルにおいて、ペーパータオルの坪量を規定し、印刷の特定の部分の線の太さを所定の数値範囲内にすることで、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができる、ロール状ペーパータオルとすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、表面にパターン状の印刷を有し、1プライのエンボス加工を施されたペーパータオルが、ロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルの坪量が50g/m以上200g/m以下であり、上記印刷が、全長10mm以上であって上記ペーパータオルの末端側へ流れ方向に略凸型の線分であり、上記略凸型の部分のうち、上記線分の両末端を結んだ直線から上記ペーパータオルの流れ方向に平行な距離が3mm以上離れた部分の線の太さが、上記3mm以上離れた部分以外の部分の線の太さの20%以上100%以下であることを特徴とする、ロール状ペーパータオルである。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルが、合成繊維及びパルプ繊維を含有し、上記ペーパータオルにおける合成繊維の割合が5%以上45%以下であり、パルプ繊維の割合が55%以上95%以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(2)に記載のロール状ペーパータオルであって、上記合成繊維の坪量が8g/m以上55g/m以下であり、かつ、上記パルプ繊維の坪量が38g/m以上160g/m以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)が4N/25mm以上80N/25mm以下であり、上記ペーパータオルの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)に対する、乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)の比率(DMDT/DCDT)が1.2以上4.5以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルの乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)が15N/25mm以上115N/25mm以下であることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記ロールのロール密度が0.06g/cm以上0.19g/cm以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルの紙厚が0.45mm以上1.8mm以下であることを特徴とするものである。
(8)本発明の第8の態様は、(1)から(7)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記エンボスの深さが0.07mm以上2mm以下であることを特徴とするものである。
(9)本発明の第9の態様は、(1)から(8)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルであって、上記ペーパータオルがキッチンタオルであることを特徴とするものである。
(10)本発明の第10の態様は、(1)から(9)のいずれかに記載のロール状ペーパータオルの製造方法であって、上記印刷の印刷速度が50m/分以上600m/分以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、1プライで機能性が良好である高坪量のペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであっても、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができる、ロール状ペーパータオル及びその製造方法を提供することができる。
本発明のロール状ペーパータオルの全体を示す斜視図である。 本発明のロール状ペーパータオルの印刷部分の拡大図である。 マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを濃淡で示す図である。 マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルをグラフで示す図である。 本発明のロール状ペーパータオルのエンボスについて、エンボスの深さの求め方を示す図である。 本発明のロール状ペーパータオルの吸水量の測定方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
1.ロール状ペーパータオル
図1は、本発明のロール状ペーパータオル1の外観を示す斜視図である。本発明のロール状ペーパータオル1は、表面にパターン状の印刷10を有し、1プライのエンボス加工を施されたペーパータオル1xが、ロール状に巻き取られたロール状ペーパータオル1である。なお、ペーパータオル1xは、流れ方向における等間隔において、幅方向にミシン目を施されていることが好ましい(図示しない)。また、印刷10はペーパータオル1xの全体にパターン状に印刷されているが、図1では見やすさのために、幅方向の一列のみ印刷されている態様を示す。
なお、本願発明におけるペーパータオル1xは、様々な紙製品として用いることができ、ワイパー又はキッチンタオルの用途で使用することが好ましいが、キッチンタオルの用途で使用することがより好ましい。また、本願発明は、ワイパー又はキッチンタオルの用途で使用される紙製品であるが、不織布製品として使用されても良い。
また、図1に示すように、ペーパータオル1xの表面のうち、ロール外側に指向した表面を表面1a(ペーパータオル1xの表面)と称し、ロール中心部に指向した表面を裏面1b(ペーパータオル1xの裏面)と称する。なお、後述する水流交絡によって、ペーパータオル1xに含まれる合成繊維の量においては、ペーパータオル1xの表面側(すなわち表面1a側)が多く、裏面1b側が少ないことが好ましい。合成繊維の量が多い面に印刷を施すと、印刷版に紙粉が溜まりにくく、美粧性も良好になる。
(巻長及び巻直径)
ロール状ペーパータオル1の巻長は5m以上24m以下であり、7m以上20m以下であることが好ましく、8m以上16m以下であることがより好ましい。巻長が5m未満であると、巻長が一定以上にならず、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。巻長が24mを超えると代わりにペーパータオル1xの坪量が低くなり、結果としてペーパータオル1xの吸水量が少なくなって、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
また、ロール状ペーパータオル1の巻直径DRは105mm以上155mm以下であることが好ましく、110mm以上140mm以下であることがより好ましく、115mm以上130mm以下であることが更に好ましい。巻直径DRが105mm未満であると巻長が一定以上にならず、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。巻直径DRが155mmを超えるとロール状にした時に大きすぎて使用しにくくなり、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
巻長は、ロール状ペーパータオル1のミシン目とミシン目の間のペーパータオル1xについて、10枚分の長さを実測する。その後、ロール状ペーパータオル1におけるペーパータオル1xの枚数を実測し、巻長は10枚分の長さとペーパータオル1xの枚数から比例計算で求める。例えば、10枚分の長さが1.80m、ペーパータオル1xの枚数が150枚の場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。なお、ロール状ペーパータオル1にミシン目がない場合は、実測して巻長を測定することができる。また、ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のロール状ペーパータオル1を測定し、測定結果を平均する。
また、ミシン目とミシン目の間の長さ(流れ方向のペーパータオル1xの長さ)は、110mm以上360mm以下が好ましく、160mm以上310mm以下がより好ましく、210mm以上260mm以下が更に好ましい。この範囲にすることで、本願のような吸水量が多い(坪量が高い)ロール状ペーパータオル1を使用する際、使用する面積が適正になり、多くの水を吸収することができる。
(ロール幅及びロール重量)
ロール状ペーパータオル1のロール幅は150mm以上380mm以下であることが好ましく、200mm以上350mm以下であることがより好ましく、250mm以上300mm以下であることが更に好ましい。この範囲にすることで、本願のような吸水量が多い(坪量が高い)ロール状ペーパータオル1を使用する際、使用する面積が適正になり、多くの水を吸収することができる。
また、ロール状ペーパータオル1のロール重量は170g以上460g以下であることが好ましく、250g以上410g以下であることがより好ましく、280g以上360g以下であることが更に好ましい。ロール重量が170g未満であると、巻長が一定以上にならず、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。ロール重量が460gを超えるとペーパータオル1xの坪量が高くなり、結果として印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
なお、ロール質量は、コア(紙管)を含まないロール幅275mmあたりの1ロールの質量とする。ロール幅が275mmでない場合は、比例計算により275mmあたりの質量に換算する。
(コア外径)
また、本発明のロール状ペーパータオル1の芯の外径である、コア外径DIは、30mm以上60mm以下であることが好ましく、34mm以上55mm以下であることがより好ましく、37mm以上50mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが30mm未満であるとロール状にした時に、コアが小さすぎて使用しにくく、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。コア外径DIが60mmを超えるとロール状にした時に、コアが大きすぎて使用しにくくなり、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
コア外径DIは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のロール状ペーパータオル1を測定し、測定結果を平均する。
(ロール密度)
ロール状ペーパータオル1のロール密度は0.06g/cm以上0.19g/cm以下であることが好ましく、0.09g/cm以上0.17g/cm以下であることがより好ましく、0.11g/cm以上0.15g/cm以下であることが更に好ましい。ロール状ペーパータオル1のロール密度が0.06g/cm未満であると、印刷後にエンボスを設ける際にエンボスが深くなって、印刷部で破れる場合があり、印刷部分の美粧性が劣ったり、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣ったりする。ロール状ペーパータオル1のロール密度が0.19g/cmを超えると、エンボスが浅くなって拭き取り性に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
ロール密度は、(ロール質量)÷(ロールの体積)で表される。ロール質量は、ロール幅275mmあたりのロール状ペーパータオル1の質量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径部分の断面積)]×ロール幅(275mmあたりに換算する)で表される。例えば、ロール幅275mmあたりのロール質量(コアを除く)が337g、巻直径119mm、コアの外径が49mmの場合、ロール密度=0.13g/cmとなる。なお、ロール状ペーパータオル1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
2.ペーパータオル
本発明のペーパータオル1xは、合成繊維及びパルプ繊維を含有することが好ましい。合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられるが、本願発明のような、高坪量で所定の印刷を設けるペーパータオル1xを得るには、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。合成繊維として使用される不織布は制限がないが、スパンボンド不織布が好ましい。ポリプロピレンのスパンボンド不織布を用いることで、本願のような高坪量のペーパータオルに印刷を行っても、印刷版に紙粉が溜まりにくく、印刷の美粧性も良好になる。また、ロール状ペーパータオル1としての機能も良好になる。また、パルプ繊維としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等、一般的なパルプ繊維を用いることができる。パルプ繊維におけるNBKPとLBKPの含有割合は、NBKP:LBKP=50:50~100:0が好ましく、NBKP:LBKP=70:30~100:0がより好ましく、NBKP:LBKP=90:10~100:0が更に好ましく、NBKP:LBKP=100:0が最も好ましい。NBKPとしては、例えばラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、NBKPの代わりにNUKP、LBKPの代わりにLUKPを用いることもできる。
このとき、ペーパータオル1xにおける合成繊維の割合(含有割合)が5%以上45%以下であることが好ましく、9%以上38%以下であることがより好ましく、12%以上28%以下であることが更に好ましい。合成繊維の割合が5%未満であると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。合成繊維の割合が45%を超えると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
また、ペーパータオル1xにおけるパルプ繊維の割合(含有割合)が55%以上95%以下であることが好ましく、62%以上91%以下であることがより好ましく、72%以上88%以下であることが更に好ましい。パルプ繊維の割合が55%未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。パルプ繊維の割合が95%を超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
さらに、ペーパータオル1xには、一般的な湿潤紙力剤を含有することが好ましい。湿潤紙力剤(固形分(有効成分)換算)の含有率は、パルプ繊維(絶乾)に対して、0.05%以上1.0%以下が好ましく、0.10%以上0.50%以下がより好ましく、0.20%以上0.40%以下が更に好ましい。湿潤紙力剤の含有率を上記の数値範囲内にすることで、本願のような、高坪量で所定の印刷を設けるロール状ペーパータオル1を得ることができる。
また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、ペーパータオル1xに耐熱安定剤、滑剤等を配合することができる。耐熱安定剤としては、例えば、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)等のフェノール系安定剤等が挙げられる。
(坪量)
ペーパータオル1xの坪量は、50g/m以上200g/m以下であり、60g/m以上170g/m以下であることが好ましく、100g/m以上140g/m以下であることがより好ましい。ペーパータオル1xの坪量が50g/m未満であると、ペーパータオル1xが破れやすくなったり、吸水量が低下したりして、結果としてロール状ペーパータオル1の機能に劣る。ペーパータオル1xの坪量が200g/mを超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
また、ペーパータオル1xが上述のように合成繊維及びパルプ繊維を含む場合、ペーパータオル1xに含まれる合成繊維の坪量は、8g/m以上55g/m以下であることが好ましく、12g/m以上45g/m以下であることがより好ましく、15g/m以上38g/m以下であることが更に好ましい。合成繊維の坪量が8g/m未満であると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。合成繊維の坪量が55g/mを超えると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
さらに、ペーパータオル1xに含まれるパルプ繊維の坪量は、38g/m以上160g/m以下であることが好ましく、45g/m以上140g/m以下であることがより好ましく、60g/m以上120g/m以下であることが更に好ましい。パルプ繊維の坪量が38g/m未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。パルプ繊維の坪量が160g/mを超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
なお、ペーパータオル1xの坪量はJIS P 8124に基づいて測定するが、合成繊維及びパルプ繊維の坪量は、後述する水流交絡した後に個別に測定することが困難であるため、例えば、以下の方法で測定する。
まず、0.1M酢酸水溶液と0.1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。約830gの0.1M酢酸水溶液と約160gの0.1M酢酸ナトリウム水溶液を混合してpHが4となるようにし、これを酢酸緩衝液とする。この酢酸緩衝液にセルラーゼオノズカp1500(ヤクルト薬品工業株式会社製)を添加量が1重量%となるように添加する。
セルラーゼオノズカp1500を添加した酢酸緩衝液50mlと、ペーパータオル1x0.5gとをバイアル瓶に入れて、しっかりと蓋をする。次に、180rpm、40℃の条件で24時間振とうした後、バイアル瓶から合成繊維を採取し、合成繊維の質量を測定する。(合成繊維及びパルプ繊維を含む)ペーパータオル1xの質量(0.5g)と採取した合成繊維の質量から、下記式により、合成繊維及びパルプ繊維のそれぞれの坪量を算出する。
合成繊維の坪量=
ペーパータオル1xの坪量×(合成繊維の質量/ペーパータオル1xの質量)
パルプ繊維の坪量=
ペーパータオル1xの坪量×[(ペーパータオル1xの質量-合成繊維の質量)/ペーパータオル1xの質量]
また、上記の方法で測定が困難な場合は、JIS P 8124に基づいて測定したペーパータオル1xの坪量-用いた合成繊維の坪量=パルプ繊維の坪量として求めるが、水流交絡後の原反(原紙)とエンボスを設けたペーパータオル1xの坪量は異なる(エンボス加工後は、坪量が低くなる)ので、下記のように補正することで、最終的な合成繊維及びパルプ繊維のそれぞれの坪量とする。
例えば、合成繊維の坪量が26g/mであり、水流交絡後の原紙の坪量が128g/m、エンボス加工後のペーパータオル1xの坪量が125g/mである場合は、合成繊維の坪量は26×125/128=25g/m、パルプ繊維の坪量は125-25=100g/mとする。
(紙厚及び比容積)
ペーパータオル1xの紙厚は0.45mm以上1.8mm以下であることが好ましく、0.55mm以上1.45mm以下であることがより好ましく、0.75mm以上1.2mm以下であることが更に好ましい。紙厚が0.45mm未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。紙厚が1.8mmを超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。紙厚はシックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。また、測定を10回繰り返して測定結果を平均する。なお、測定は3枚のペーパータオル1xを重ねて測定し、値を1/3にして、紙厚の値とする。
また、ペーパータオル1xの比容積は5cm/g以上15cm/g以下であることが好ましく、6cm/g以上13cm/g以下であることがより好ましく、7cm/g以上11cm/g以下であることが更に好ましい。比容積が5cm/g未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。比容積が15cm/gを超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。比容積は、ペーパータオル1xの紙厚を坪量で割り、単位gあたりの容積cmで表す。
(印刷)
図2は、ロール状ペーパータオル1における印刷10部分の拡大図である。図2に示すように、印刷10は、全長10mm以上であってペーパータオル1xの末端(ペーパータオル1xの最外巻の端縁1e)側へ流れ方向に略凸型の線分10aである。なお、図1及び図2では略凸型の部分が略直角であるが、後述する流れ方向に平行な距離Tが3mm以上離れていれば、略円弧状や略矩形状であってもかまわない。
略凸型の部分のうち、線分10aの両末端10bを結んだ直線10cからペーパータオル1xの流れ方向に平行な距離Tが3mm以上離れた部分10dの線の太さが、3mm以上離れた部分10d以外の部分10eの線の太さの20%以上100%以下であり、35%以上95%以下であることが好ましく、50%以上90%以下であることがより好ましい。20%未満であると、10dが細くなりすぎて、印刷の美粧性に劣る。100%を超えると、印刷版(特に10d部分の印刷版)に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。10eの線の太さに対する10dの線の太さの比率が上記の数値範囲内であることにより、10d部分の印刷版が、10e部分の印刷版より細くなり、紙粉が溜まりにくくなって、印刷版の洗浄頻度が多くならず、かつ、印刷の美粧性も保つことができる。なお、この場合における10dの線の太さは10d部分の1箇所(略凸型の凸部)の太さであり、10eの線の太さは、10e部分のTにおける流れ方向の中央部の線の太さの平均(図2の場合は2カ所)である。
(エンボス)
本発明のロール状ペーパータオル1(ペーパータオル1x)は、エンボス加工が施されてなるものであり、ロールワインダにて施されることが好ましい。なお、エンボス単体の形状は、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄、多角形、文字、線、ロゴ等、特に制限なく用いることができ、本願発明のような高坪量で所定のエンボスを設けるペーパータオル1xを得るには、六角形状が好ましい。
また、エンボスの深さは0.07mm以上2mm以下であることが好ましく、0.3mm以上1.5mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上1.0mm以下であることが更に好ましい。エンボスの深さが0.07mm未満であると、エンボスの凹凸が小さくなる(浅くなる)ことで、拭き取り性に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。深さが2mmを超えると、印刷後にエンボスを設ける際にエンボスが深くなって、印刷部で破れる場合があり、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
エンボスの深さは、マイクロスコープを用いて測定する。マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。また、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更してもよい。
図3は、マイクロスコープによるX-Y平面上の高さプロファイルを示し、ペーパータオル表面の高さが濃淡で表されている。図3の濃淡が周辺と異なる六角形状の部位が個々のエンボスを示している。エンボスの深さは、上記マイクロスコープを用いて上述のエンボスの高低差を測定して求める。なお、測定はペーパータオル1xの表面1a側で行う。また、測定時に、ロール状ペーパータオル1からペーパータオル1xを3周分取り除き、4周目のペーパータオル1xを用いて、ペーパータオルの状態で測定する。また、ミシン目及び印刷部分がある場合は、いずれも避けて測定する。
まず、図3のように線分ABを引き、図4の高さプロファイルを得る。なお、線分ABは、エンボスを横切るように引けばよい。また、線分ABは、ペーパータオル1xの幅方向(CD方向)になるように引くが、エンボスとエンボスの間隔が例えば2mm以上開いている場合は、線分を斜め方向に引いたり、流れ方向に引いたりしてもよい。高さプロファイルは、実際のペーパータオル1xの試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線Sであるが、ノイズ(ペーパータオル1xの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、凹凸の高低差の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、図4の(測定)断面曲線Sを重み平均ラジオボタンのフィルターのサイズを±12とし、スムージングした図5の断面曲線Wを得る。なお、重み平均ラジオボタンのフィルターを用いたスムージングは、上記の解析ソフトを使用すれば、自動で得られる。そして、図5に示すグラフにおいて、グラフの凸部H1と、凸部H1に隣接する凸部H2の縦軸のそれぞれの最大値の平均値を算出し、凸部H1と凸部H2とに挟まれる凹部D1における縦軸の最小値を求める。このようにして求められた最大値の平均値から最小値を差し引いた数値を暫定的なエンボスの深さとする。そして、図5に示すように、断面曲線上において連続する計2カ所(凹部D1と、凸部H2と凸部H3に挟まれる凹部D2の連続する計2カ所)について同様の測定を行う(この時点で2つの測定結果が得られる)。その後、ペーパータオル1xの流れ方向にロール状ペーパータオル1を90度ずつ3回に分けて回転させた各位置において上記同様の測定を行い(流れ方向における測定位置は計4カ所となる)、合計8カ所(2×4)の平均値をエンボスの深さとして最終的に採用する。
(吸水量)
本発明において、ペーパータオル1xの1mあたりの吸水量が270g以上600g以下であることが好ましく、310g以上560g以下であることがより好ましく、360g以上490g以下であることが更に好ましい。1mあたりの吸水量が270g未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。1mあたりの吸水量が600gを超えると、印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
また、ペーパータオル1xの1gあたりの吸水量が2.5g以上5.7g以下であることが好ましく、2.9g以上5.3g以下であることがより好ましく、3.3g以上4.8g以下であることが更に好ましい。1gあたりの吸水量が2.5g未満であると、ペーパータオル1xの吸水量に劣り、結果としてロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
なお、ペーパータオル1xの各吸水量は以下のように測定する。
まず、ペーパータオル1xを採取し、一片が7.6cm(3インチ)の正方形の型版を用いてカットし、一辺7.6cmの矩形の試験片200を作製する。その後、吸水前の試験片200の質量を電子天秤で測定しておく。そして、試験片200をホルダー220(試験片200の3点を固定するジグで、ジグは水分を吸収しない金属からなる)にセットする。
次に、市販のバットに、蒸留水を深さ2cm入れ、ホルダー220にセットした試験片200を蒸留水中に2分間浸漬する。2分浸漬後に試験片200をホルダー220と共に蒸留水から取り出し、図6に示すように、試験片200の1つの隅部200dに帯210を貼り付ける。帯210は、測定するサンプルと同じペーパータオル1xを幅2mm×長さ15mmの大きさに切り、試験片200の隅部200dから中心に向かって6mmの部分に貼り付ける。次に、ホルダー220と試験片200を、隅部200dに対向する隅部200aが上になるようにして空の水槽内に設置した棒にぶら下げ、水槽の蓋を閉めて10分間、放置する。その後、ホルダー220と試験片200を水槽から取り出し、帯210とホルダー220を外し、電子天秤で試験片200の質量を測定する。蒸留水に浸す前後での試験片200の質量変化から、試験片200の1mあたりの蒸留水の吸水量(g(水)/m(ペーパータオル)を計算する。さらに、1mあたりの吸水量(g(水)/m(ペーパータオル))を試験片200の坪量で割ることにより、1mあたりの吸水量(g(水)/m(ペーパータオル))/坪量(g(ペーパータオル)/m(ペーパータオル))=1gあたりの吸水量(g(水)/g(ペーパータオル))を算出する。測定は各サンプル5回ずつ行い、平均値を採用する。
なお、本測定は、JIS P 8111法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で行う。また、蒸留水は23±1℃に保持する。
(DMDT及びDCDT)
ペーパータオル1xの、JIS P 8113に基づく乾燥時におけるMD方向の引張強度DMDT(Dry Machine Direction Tensile Strength)は15N/25mm以上115N/25mm以下であることが好ましく、20N/25mm以上100N/25mm以下であることがより好ましく、35N/25mm以上80N/25mm以下であることが更に好ましい。また、乾燥時におけるCD方向の引張強度DCDT(Dry Cross Direction Tensile Strength)は4N/25mm以上80N/25mm以下であることが好ましく、6N/25mm以上65N/25mm以下であることがより好ましく、10N/25mm以上50N/25mm以下であることが更に好ましい。DMDTが15N/25mm未満であるか、又はDCDTが4N/25mm未満であると、いずれも印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。DMDTが115N/25mmを超えるか、又はDCDTが80N/25mmを超えると、いずれもペーパータオル1xの強度が低く、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
なお、この場合のMD方向及びCD方向とは、ペーパータオル1xの製造時における製造方向(流れ方向)がMD方向であり、CD方向はMD方向に直交する方向である。
また、ペーパータオル1xの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)に対する、乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)の比率(DMDT/DCDT)は1.2以上4.5以下であることが好ましく、1.4以上4.0以下であることがより好ましく、1.6以上3.5以下であることが更に好ましい。比率が4.5を超えるとDCDTが低くなってペーパータオル1xが破れやすくなったり、印刷時に破れやすくなったりして、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
(WMDT及びWCDT)
ペーパータオル1xの、旧JIS S 3104に基づく湿潤時におけるMD方向の引張強さWMDT(Wet Machine Direction Tensile Strength)が13N/25mm以上100N/25mm以下であることが好ましく、18N/25mm以上85N/25mm以下であることがより好ましく、25N/25mm以上73N/25mm以下であることが更に好ましい。また、湿潤時におけるCD方向の引張強さWCDT(Wet Cross Direction Tensile Strength)が3N/25mm以上65N/25mm以下であることが好ましく、4N/25mm以上55N/25mm以下であることがより好ましく、9N/25mm以上45N/25mm以下であることが更に好ましい。WMDTが13N/25mm未満であるか、又はWCDTが3N/25mm未満であると、いずれもペーパータオル1xの強度が低く、印刷時に破れやすくなったりして、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。WMDTが100N/25mmを超えるか、又はWCDTが65N/25mmを超えると、いずれも印刷版に紙粉が溜まりやすくなるため、印刷版の洗浄頻度が増える(多くなる)。
また、ペーパータオル1xの湿潤時におけるCD方向の引張強度(WCDT)に対する、湿潤時におけるMD方向の引張強度(WMDT)の比率(WMDT/WCDT)は1.3以上4.6以下であることが好ましく、1.5以上4.1以下であることがより好ましく、1.7以上3.6以下であることが更に好ましい。比率が4.6を超えるとWCDTが低くなってペーパータオル1xが破れやすくなったり、印刷時に破れやすくなったりして、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
さらに、ペーパータオル1xの乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)に対する、湿潤時におけるMD方向の引張強度(WMDT)の比率((WMDT/DMDT)×100(%))は50%以上95%以下であることが好ましく、65%以上93%以下であることがより好ましく、70%以上91%以下であることが更に好ましい。同様に、ペーパータオル1xの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)に対する、湿潤時におけるCD方向の引張強度(WCDT)の比率((WCDT/DCDT)×100(%))は43%以上89%以下であることが好ましく、60%以上86%以下であることがより好ましく、65%以上83%以下であることが更に好ましい。比率((WMDT/DMDT)×100(%))が50%未満であるか、又は比率((WCDT/DCDT)×100(%))が43%未満であると、いずれもペーパータオル1xが湿潤時に破れやすくなったり、印刷時に破れやすくなったりして、ロール状ペーパータオル1としての機能に劣る。
(破断伸び)
ペーパータオル1xのMD方向の破断伸びは、20%以上65%以下であることが好ましく、28%以上53%以下であることがより好ましく、33%以上48%以下であることが更に好ましい。また、ペーパータオル1xのCD方向の破断伸びは、50%以上100%以下であることが好ましく、60%以上95%以下であることがより好ましく、70%以上90%以下であることが更に好ましい。ペーパータオル1xのMD方向又はCD方向の破断伸びを上記の範囲内にすることで、印刷時にペーパータオル1xと印刷版の接する圧力がコントロールしやすくなり、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができるロール状ペーパータオル1を得ることができる。なお、ペーパータオル1xの各方向の破断伸びは、JIS P 8113に基づいて測定する。
3.ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法
ペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1の製造方法としては、ペーパータオル1xが合成繊維及びパルプ繊維を含むキッチンタオルである場合は、例えば(1)所定のスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、(2)印刷、(3)エンボス処理、(4)ロール巻取り加工の順で製造することができる。
このとき、製造方法の(1)水流交絡において、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を得る。水流交絡の方法に関しては、例えば、特開2018-193634号公報に記載された方法で行うことが好ましい。また、製造方法の(2)印刷は原紙を印刷版に通すことによって表面に印刷を施すが、このとき印刷速度が50m/分以上600m/分以下であることが好ましく、100m/分以上450m/分以下であることがより好ましく、150m/分以上300m/分以下であることが更に好ましい。印刷速度を上記の範囲内にすることで、本願のような高坪量のペーパータオル1xに印刷を行っても、印刷版に紙粉が溜まりにくく、印刷の美粧性も良好にすることができる。さらに、製造方法の(3)エンボス処理では、マッチドスチール(スチールマッチ)による熱エンボス処理をロールワインダにて実施することが好ましく、エンボスパターンとしては、六角形状であることが好ましい。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(1)水流交絡、(2)印刷、(3)エンボス処理、(4)ロール巻取り加工の工程を経て、表1に記載された実施例1~19及び比較例1~8のロール状ペーパータオルを作製した。全ての実施例及び比較例のロール状ペーパータオルに関して上述の各パラメーターを測定し、かつ、下記の各評価を行った。全ての測定結果及び評価を表1に示す。
坪量:ペーパータオルの坪量を実測して、下記の通り評価を行った。
40g/m未満:1点
40g/m以上50g/m未満:2点
50g/m以上60g/m未満:3点
60g/m以上100g/m未満:4点
100g/m以上:5点
印刷部分の美粧性:ペーパータオルの印刷部分を観察して、以下の通り官能評価を行った。
特に優れる:5点、優れる:4点、良好:3点、劣る:2点、特に劣る:1点
なお、30人の平均値を算出し、四捨五入して有効数値1桁にした。
印刷版の洗浄頻度:ペーパータオルの印刷工程における印刷版の洗浄頻度を、通常表面に印刷を施すことの多いトイレットロールの印刷工程における印刷版の洗浄頻度と比較して、以下の通り評価を行った。
150%以上:1点
130%以上150%未満:2点
120%以上130%未満:3点
110%以上120%未満:4点
110%未満:5点
表1に示すように、実施例1~19のロール状ペーパータオルはいずれも坪量が十分なものであり、印刷部分の美粧性に優れ、かつ、印刷版の洗浄頻度も少なかった。一方で比較例1~8のロール状ペーパータオルは坪量が不十分であるか、印刷部分の美粧性に劣るか、又は印刷版の洗浄頻度が多いものであった。
以上より、本発明のロール状ペーパータオルは、1プライで機能性が良好である高坪量のペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであっても、印刷版の洗浄が多くならず、印刷の美粧性を良好に保つことができる、ロール状ペーパータオル及びその製造方法を提供することができる。
1 ロール状ペーパータオル
1a 表面
1b 裏面
1e ペーパータオルの最外巻の端縁
1x ペーパータオル
10 印刷
10a 線分
10b 両末端
10c 両末端を結んだ直線
10d 流れ方向に3mm以上離れた部分
10e 10d以外の部分
200 試験片
200a、200d 隅部
210 帯
220 ホルダー

Claims (10)

  1. 表面にパターン状の印刷を有し、1プライのエンボス加工を施されたペーパータオルが、ロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルであって、
    前記ペーパータオルの坪量が50g/m以上200g/m以下であり、
    前記印刷が、全長10mm以上であって前記ペーパータオルの末端側へ流れ方向に略凸型の線分であり、
    前記略凸型の部分のうち、前記線分の両末端を結んだ直線から前記ペーパータオルの流れ方向に平行な距離が3mm以上離れた部分の線の太さが、前記3mm以上離れた部分以外の部分の線の太さの20%以上100%以下であることを特徴とする、ロール状ペーパータオル。
  2. 前記ペーパータオルが、合成繊維及びパルプ繊維を含有し、
    前記ペーパータオルにおける合成繊維の割合が5%以上45%以下であり、パルプ繊維の割合が55%以上95%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のロール状ペーパータオル。
  3. 前記合成繊維の坪量が8g/m以上55g/m以下であり、かつ、前記パルプ繊維の坪量が38g/m以上160g/m以下であることを特徴とする、請求項2に記載のロール状ペーパータオル。
  4. 前記ペーパータオルの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)が4N/25mm以上80N/25mm以下であり、
    前記ペーパータオルの乾燥時におけるCD方向の引張強度(DCDT)に対する、乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)の比率(DMDT/DCDT)が1.2以上4.5以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  5. 前記ペーパータオルの乾燥時におけるMD方向の引張強度(DMDT)が15N/25mm以上115N/25mm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  6. 前記ロールのロール密度が0.06g/cm以上0.19g/cm以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  7. 前記ペーパータオルの紙厚が0.45mm以上1.8mm以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  8. 前記エンボスの深さが0.07mm以上2mm以下であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  9. 前記ペーパータオルがキッチンタオルであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオルの製造方法であって、前記印刷の印刷速度が50m/分以上600m/分以下であることを特徴とする、ロール状ペーパータオルの製造方法。
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