JP2024054682A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く改質を進行して、高保磁力のサマリウム-鉄-窒素系希土類磁石を得ることが可能な希土類磁石の製造方法を提供する。【解決手段】本開示の希土類磁石の製造方法は、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成した被覆磁性粉末を準備すること、前記被覆磁性粉末を、磁場中で圧縮成形して磁場成形体を得ること、及び、前記磁場成形体を450~550MPaの圧力で加圧焼結すること、を含み、前記被覆磁性粉末が、前記被覆磁性粉末全体に対して10質量%以上の亜鉛を含有し、前記加圧焼結について、焼結温度をx℃、焼結時間をy秒としたとき、-0.5x+280≦y≦-0.5x+310かつ480≦x≦520の関係を満足する。【選択図】図1

Description

本開示は、希土類磁石の製造方法に関する。本開示は、特に、サマリウム-鉄-窒素系希土類磁石の製造方法に関する。
サマリウム-鉄-窒素系希土類磁石の製造方法としては、例えば、特許文献1には、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に亜鉛を被覆した被覆磁性粉末を加圧焼結する製造方法が開示されている。
特開2021-122061号公報
サマリウム-鉄-窒素系希土類磁石の製造には、バインダとしての機能と、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末中のα-Feを無害化して保磁力を高める改質材としての機能を有する、亜鉛を含有する粉末を用いる。磁性の発現に寄与しない亜鉛の含有量を低減するため、亜鉛を含有する粉末を用いて、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、予め、亜鉛を含有する被膜を形成しておき、その被覆磁性粉末を加圧焼結する。
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末中の磁性相は窒素を含有するため、加圧焼結時には、磁性相中の窒素が乖離しないように、充分に低い温度で加圧焼結する必要があると、従来から考えられていた。しかし、磁性相中の窒素の乖離を回避しようとするあまり、改質が効率良く進行せず、その結果、高保磁力を得られないことがあった。
本開示は、効率良く改質を進行して、高保磁力のサマリウム-鉄-窒素系希土類磁石を得ることが可能な希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の希土類磁石の製造方法は、上記目的を達成するためになされたものであり、次の態様を含む。
すなわち、本開示の希土類磁石の製造方法は、
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成した被覆磁性粉末を準備すること、
前記被覆磁性粉末を、磁場中で圧縮成形して磁場成形体を得ること、及び、
前記磁場成形体を450~550MPaの圧力で加圧焼結すること、
を含み、
前記被覆磁性粉末が、前記被覆磁性粉末全体に対して10質量%以上の亜鉛を含有し、
前記加圧焼結について、焼結温度をx℃、焼結時間をy秒としたとき、
-0.5x+280≦y≦-0.5x+310かつ480≦x≦520
の関係を満足する。
本開示によれば、被覆磁性粉末を、比較的高い温度範囲で、短時間加圧焼結することにより、効率良く改質を進行し、高保磁力のサマリウム-鉄-窒素系希土類磁石を得ることが可能な希土類磁石の製造方法を提供することができる。
図1は、各試料について、焼結温度と焼結時間の関係を示すグラフである。 図2は、実施例1の試料のSEM像である。 図3は、図1の四角で囲まれた部位を拡大したSEM像である。
以下、本開示の希土類磁石の製造方法(以下、単に「本開示の製造方法」ということがある。)の実施形態を、工程毎に、詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石の製造方法を限定するものではない。
〈被覆磁性粉末準備工程〉
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成した被覆磁性粉末を準備する。
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末は、Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がThZn17型、ThNi17型、及びTbCu型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を備えていれば、特に制限はない。市販のサマリウム-鉄-窒素系磁性粉末を用いてもよい。サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒径に、特に制限はないが、例えば、D50で、1.0μm以上、2.0μm以上、又は3.0μmであってよく、6.0μm以下、5.0μm以下、又は4.0μm以下であってよい。サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒径D50は、例えば、乾式レーザ回折・散乱法によって測定される。
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成する方法については、例えば、ロータリーキルン炉を用いる方法が挙げられる。ロータリーキルン炉を用いる方法は、攪拌ドラム内に、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末と、亜鉛を含有する粉末とを装入し、攪拌ドラムを加熱しながら回転する。そして、液相拡散又は固相拡散によって、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成することができる。被膜形成は、真空中又は不活性ガス雰囲気中で行われることが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気が含まれる。
亜鉛を含有する粉末は、金属亜鉛及び亜鉛合金の少なくともいずれかを含有する。金属亜鉛とは、合金化されていない亜鉛のことを意味する。亜鉛合金としては、例えば、亜鉛-錫合金、亜鉛-マグネシウム合金、及び亜鉛-アルミニウム等が挙げられる。亜鉛を含有する粉末の粒径に、特に制限はないが、例えば、D50で、0.1μm以上、0.5μm以上、又は1.0μm以上であってよく、10.0μm以下、5.0μm以下、4.0μm以下、又は2.0μm以下であってよい。また、亜鉛を含有する粉末の粒径D50は、例えば、乾式レーザ回折・散乱法によって測定される。
被覆磁性粉末は、被覆磁性粉末全体に対して、10質量%以上、15質量%以上、又は18質量%以上、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下の亜鉛を含有してよい。亜鉛の含有割合が10質量%以上であれば、充分な改質及び結合を得られる。一方、亜鉛の含有割合が30質量%以下であれば、残留磁化の低下を実用上問題のない範囲にすることができる。
〈磁場成形工程〉
被覆磁性粉末を、磁場中で圧縮成形して磁場成形体を得る。これにより、加圧焼結後の焼結体(希土類磁石)に異方性を付与することができる。磁場成形方法は、周知の方法を採用することができる。成形圧力は、例えば、30MPa以上、50MPa以上、又は100MPa以上であってよく、1000MPa以下、500MPa以下、又は200MPa以下であってよい。印加する磁場の大きさは、例えば、500kA/m以上、1000kA/m以上、又は1500kA/m以上であってよく、10000kA/m以下、5000kA/m以下、又は3000kA/m以下であってよい。混合粉末の酸化を抑制するため、磁場成形は、不活性ガス雰囲気中で行われることが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気が含まれる。
〈加圧焼結工程〉
磁場成形体を、450MPa以上、470MPa以上、又は490MPa以上、550MPa以下、530MPa以下、又は500MPa以下の圧力で加圧焼結する。圧力が450MPa以上であれば、後述する焼結時間及び焼結温度との組み合わせで、改質及び結合を有利に進行することができる。一方、圧力が550MPa以下であれば、後述する焼結時間及び焼結温度との組み合わせで、磁性相中の窒素が乖離することはない。
焼結温度をx℃、焼結時間をy秒としたとき、-0.5x+280≦y≦-0.5x+310かつ480≦x≦520の関係を満足する。480≦x≦520の範囲では、-0.5x+280≦yであれば、改質及び結合が不足することはなく、y≦-0.5x+310であれば、磁性相中の窒素が乖離することはない。また、改質及び結合を有利に進行する観点からは、焼結温度は480℃以上、485℃以上、又は490℃以上であってもよい。一方、磁性相中の窒素の乖離を回避する観点からは、焼結温度は520℃以下、515℃以下、又は510℃以下であってもよい。
加圧焼結の方法は、特に限定されず、周知の方法を採用することができる。加圧焼結雰囲気については、磁場成形体及び焼結体の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガス雰囲気には、アルゴンガス雰囲気及び窒素ガス雰囲気を含む。あるいは、真空中で焼結してもよい。
以下、本開示の製造方法を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の製造方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されない。
《試料の準備》
実施例1~6及び比較例1~7の試料を次の要領で準備した。
サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末(日亜化学工業株式会社製Z12)と、金属亜鉛粉末を混合し、それをロータリーキルン炉の攪拌ドラムに装入した。攪拌ドラムを6rpmで攪拌しながら、窒素ガス雰囲気中で、440℃、10分にわたり加熱して、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に亜鉛を被覆し、被覆磁性粉末を得た。被覆磁性粉末全体に対する亜鉛の含有割合は表1に示すとおりであった。そして、被覆磁性粉末を磁場成形し、磁場成形体をアルゴンガス雰囲気中(97000Pa)で、500MPaの圧力で加圧焼結した。加圧焼結の温度及び時間は表1に示すとおりであった。
《評価》
各試料について、室温で磁気特性を測定した。測定には、振動試料型磁力計(VSM)を用いた。また、実施例1の試料については、SEMを用いて組織観察を行った。
磁気特性の評価結果を表1に示す。図1は、各試料について、加圧焼結温度と焼結時間の関係を示すグラフである。図2は、実施例1の試料のSEM像である。図3は、図1の四角で囲まれた部位を拡大したSEM像である。
表1から、すべての実施例について、3000kA/mの高保磁力を得られていることを確認できた。これに対し、図1から、y=-0.5x+310よりも上側、又は焼結温度が520℃よりも高い領域、すなわち、比較例1、比較例4、及び比較例5では、磁性相中の窒素が乖離し、保磁力が非常に低下していることを理解できる。また、y=-0.5x+280より下側、又は焼結温度が480℃よりも低い領域、すなわち、比較例2、比較例3、及び比較例6では、改質が不十分で、高保磁力を得られていないことを理解できる。
図2及び図3から、サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、改質相(Fe-Zn合金相)が形成されていることを認識することができ、この改質相により高保磁力が得られていると考えられる。また、実施例7の試料では、被覆磁性粉末中の亜鉛の含有割合が不足しているため、所望の保磁力を得られていないことを理解できる。
Figure 2024054682000002

Claims (1)

  1. サマリウム-鉄-窒素系磁性粉末の粒子表面に、亜鉛を含有する被膜を形成した被覆磁性粉末を準備すること、
    前記被覆磁性粉末を、磁場中で圧縮成形して磁場成形体を得ること、及び、
    前記磁場成形体を450~550MPaの圧力で加圧焼結すること、
    を含み、
    前記被覆磁性粉末が、前記被覆磁性粉末全体に対して10質量%以上の亜鉛を含有し、
    前記加圧焼結について、焼結温度をx℃、焼結時間をy秒としたとき、
    -0.5x+280≦y≦-0.5x+310かつ480≦x≦520
    の関係を満足する、
    希土類磁石の製造方法。
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