JP2014192460A - R−t−x系圧粉磁石の製造方法、及びr−t−x系圧粉磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】保磁力を向上させることができるR-T-X系圧粉磁石の製造方法、及びR-T-X系圧粉磁石を提供する。
【解決手段】R2T14X化合物を含む主相と、Rリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有するR-T-X系圧粉磁石の製造方法であって、次の工程を備える。(1)R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する準備工程。(2)原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る成形工程。(3)磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる接触工程。(4)添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる拡散工程。
【選択図】なし
【解決手段】R2T14X化合物を含む主相と、Rリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有するR-T-X系圧粉磁石の製造方法であって、次の工程を備える。(1)R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する準備工程。(2)原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る成形工程。(3)磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる接触工程。(4)添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる拡散工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、R-T-X系圧粉磁石の製造方法、及びR-T-X系圧粉磁石に関する。特に、保磁力を向上させることができるR-T-X系圧粉磁石の製造方法に関する。
近年、モータや発電機などの用途に高性能磁石である希土類磁石が広く利用されている。希土類磁石としては、Nd-Fe-B系磁石(ネオジム磁石)といったR-T-X系磁石(Rは希土類元素、Tは遷移金属元素、XはB及びCの少なくとも一方の元素)が代表的である。R-T-X系磁石は、R-T-X系合金で形成され、通常、強磁性相であるR2T14X化合物を含む主相と、主相の結晶粒界(主相と主相との間)にR2T14XよりもRの濃度が高いRリッチ相を含む粒界相とを含む複相組織を有する。例えば一般的なNd-Fe-B系磁石の場合、Nd-Fe-B系合金における主相がNd2Fe14B化合物であり、粒界相(Rリッチ相)がNdリッチ相である。
R-T-X系磁石の形態としては、R-T-X系合金からなる原料粉末を焼結した焼結磁石や、原料粉末をバインダ樹脂で固化したボンド磁石が主流であるが、原料粉末を圧縮成形した圧粉磁石も開発されている(特許文献1,2を参照)。一般に、焼結磁石は、原料粉末(強磁性相)の比率が高いため磁気特性に優れるが、焼結時に収縮するため寸法精度や形状自由度が低い。ボンド磁石は、バインダ樹脂を混合しているため焼結磁石に比べて磁気特性に劣るものの、寸法精度や形状自由度が高い。一方、特許文献1,2には、多孔質の圧粉磁石において、寸法精度や形状自由度を高める技術が開示されている。
Nd-Fe-B系磁石は通常、高温になるほど減磁され易い。そこで、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)の駆動用モータの用途では、耐熱性を高める目的で、Nd-Fe-B系合金にDyやTbといった重希土類元素を添加して、Ndの一部を重希土類元素に置換することで、保磁力の向上が図られている。特に、Nd-Fe-B系合金中の主相の結晶粒界部分(粒界相)に重希土類元素を集中的に拡散(導入)させることで、重希土類元素の使用量を低減しつつ、保磁力の更なる向上を実現できることが知られている。例えば特許文献3には、Nd-Fe-B系焼結磁石において、焼結磁石体の表面に重希土類元素の化合物を付着させ熱処理することにより、表面から重希土類元素の化合物を焼結磁石体の内部に吸収させ、粒界相を通じて重希土類元素を内部に拡散させる方法が提案されている。
その他、Nd-Fe-B系磁石の保磁力を向上させる方法としては、Nd-Fe-B系合金にHDDR(HD(Hydrogenation-Disproportionation):水素化・不均化,DR(Desorption−Recombination):脱水素・再結合)処理を施して、主相であるR2T14X化合物の結晶粒を微細化することが知られている。
特許文献3に記載の従来技術では、焼結体からなる磁石素材の表面に重希土類元素の化合物を付着させた後、熱処理することにより、表面から重希土類元素を結晶粒界に沿って内部に拡散させている。一般に、焼結体は、緻密で(相対密度が99%超)、かつ、空隙(開気孔)が少ない(空隙率が1%未満)構造である。そのため、従来技術では、磁石表面から重希土類元素の化合物を内部(中心部)まで浸透させ難く、磁石内部まで重希土類元素を粒界相に拡散させることが困難である。つまり、磁石素材として焼結体を用いた場合、表面から数十μm程度の表面領域にのみ重希土類元素が拡散し、表面から数十μmよりも深い内部領域まで十分に拡散しないと考えられる。したがって、従来技術では、保磁力の向上効果が限定的であり、適用可能な磁石の形状(大きさや厚さ)に制約がある。
さらに、DyやTbといった重希土類元素は、極めて希少な資源であり、また、産出地域も限られることから、将来的に安定確保が難しくなる虞がある。したがって、重希土類元素を使用せずに高保磁力を実現することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、保磁力を向上させることができるR-T-X系圧粉磁石の製造方法を提供することにある。
本発明は、R2T14X(RはNdを含む少なくとも一種の希土類元素、TはFeを含む少なくとも一種の遷移金属元素、XはB及びCから選択される少なくとも一種の元素)化合物を含む主相と、主相の結晶粒界に存在してR2T14XよりもRの濃度が高いRリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有するR-T-X系圧粉磁石に関する。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法は、以下の工程を備える。
(1)R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する準備工程。
(2)原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る成形工程。
(3)磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる接触工程。
(4)添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる拡散工程。
(1)R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する準備工程。
(2)原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る成形工程。
(3)磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる接触工程。
(4)添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる拡散工程。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法によれば、磁石素材がR-T-X系合金からなる原料粉末を圧縮成形した粉末成形体であり、粉末粒子間に空隙が存在する多孔質である。特に、磁石素材となる粉末成形体の空隙率が1体積%以上15体積%以下である。そのため、拡散工程で熱処理した際に、CuやAlといった添加元素を含有する添加元素化合物を磁石素材の表面から内部に浸透させ易く、磁石素材の内部まで上記添加元素を粒界相に拡散させることができる。そして、表面から内部に亘って全体的に上記添加元素を粒界相に拡散させることで、保磁力を向上させることができる。具体的には、熱処理後における磁石素材(即ち、圧粉磁石)の保磁力を、熱処理前における磁石素材(即ち、粉末成形体)の保磁力に比して1kOe(79.58kA/m)以上、より高くは2kOe以上高くすることができる。その結果、例えば15.0kOe以上、特に15.5kOe以上の保磁力を有するR-T-X系圧粉磁石を得ることができる。また、DyやTbといった重希土類元素を使用しない場合であっても、高保磁力を実現できる。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法において、磁石素材に用いる粉末成形体の空隙率は、1体積%以上15体積%以下とする。粉末成形体の空隙率が1体積%未満では、空隙(開気孔)が少なくなるため、添加元素化合物を磁石素材の表面から内部に浸透させ難く、内部まで上記添加元素を粒界相に十分に拡散させることができない。一方、粉末成形体の空隙率が15体積%超では、原料粉末の比率(磁石全体に占めるR2T14X化合物の割合)が低くなるため、最終的に得られるR-T-X系圧粉磁石の磁気特性が低くなる。粉末成形体の空隙率は、2体積%以上10体積%以下が好ましい。空隙率は、粉末成形体の体積に対する粉末成形体中に含まれる空隙量の体積の比を百分率で表したものである。具体的には、粉末成形体の嵩密度(成形密度)を理論密度(真密度)で除して相対密度を求め、求めた相対密度を下記式に代入することで求めることができる。
式:空隙率(%)=(1−相対密度)×100
式:空隙率(%)=(1−相対密度)×100
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法の一形態としては、添加元素化合物が、上記添加元素を添加元素化合物に対して5質量%以上含有することが挙げられる。
添加元素化合物が上記添加元素を添加元素化合物に対して5質量%以上含有することで、上記添加元素を粒界相に十分拡散させ易い。添加元素化合物中の上記添加元素の含有量は、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、20質量%以上が特に好ましい。添加元素化合物が上記添加元素のみ含有する、即ち、Cu若しくはAl、又はCuとAlとの合金で形成されていてもよい。一般に、上記添加元素の含有量が多いほど、添加元素化合物の融点が高くなる傾向があることから、添加元素化合物を液相にするために熱処理温度を高くする必要がある。しかしながら、熱処理温度を高くし過ぎる(例えば700℃超)と、R2T14X化合物の結晶粒が粒成長を起こして粗大化することから、磁気特性が低下する虞がある。したがって、添加元素化合物中の上記添加元素の含有量の上限は、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。また、添加元素化合物としては、上記添加元素と異種元素との化合物(例えば合金)の形態とすることで、単独の上記添加元素の融点よりも化合物の融点(共晶温度)を下げることができる。具体的には、上記添加元素とNdとの共晶合金、例えば、Nd-Cu合金、Nd-Al合金、Nd-Cu-Al合金などが挙げられる。このような合金には、共晶温度を下げるためにFeなどの元素を更に添加してもよい。上記添加元素の含有量は、CuとAlとの合計の含有量である。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法の一形態としては、上記添加元素の含有量が、磁石素材に対して0.1質量%以上であることが挙げられる。
上記添加元素の含有量が磁石素材に対して0.1質量%以上であることで、保磁力の向上効果が得られ易い。磁石素材に対する上記添加元素の含有量の上限は2.0質量%が好ましい。これにより、磁気特性を低下させない範囲で上記添加元素を粒界相に均一分散させ易い。上記添加元素の含有量は、保磁力を向上させる観点から、磁石素材に対して、0.2質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上1.5質量%以下が特に好ましい。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法の一形態としては、熱処理後の磁石素材において、粒界相における上記添加元素の濃度が、主相における上記添加元素の濃度に比して1.1倍以上であることが挙げられる。
粒界相における上記添加元素の濃度が主相における上記添加元素の濃度に比して1.1倍以上、即ち10%以上高いことで、上記添加元素が粒界相に集中的に拡散しており、保磁力を効果的に向上させることができる。また、上記添加元素が主相にも拡散することが少なく、磁気特性が低下することを抑制できる。上記添加元素の濃度比(粒界相における上記添加元素の濃度/主相における上記添加元素の濃度)は、5倍以上がより好ましく、10倍以上が更に好ましく、20倍以上が特に好ましい。上記添加元素の濃度は、質量%濃度で表し、CuとAlの合計濃度である。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法の一形態としては、拡散工程における熱処理を、Ar雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気にて400℃以上700℃以下で行うことが挙げられる。
熱処理をAr雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気中で行うことで、主相(R2T14X化合物)や粒界相(Rリッチ相)が酸化したり、窒化することを抑制して、磁気特性が低下することを抑制できる。中でも、10Pa以下の真空雰囲気中で熱処理を行うと、磁石素材(粉末成形体)に存在する空隙(開気孔)中の気体を脱気して、添加元素化合物を磁石素材の内部に浸透させ易い。また、熱処理温度は、添加元素化合物を液相にする温度であればよく、例えば400℃以上とすることが挙げられる。一方で、熱処理温度を高くし過ぎると、上述したようにR2T14X化合物の結晶粒の粗大化に起因して磁気特性が低下することから、熱処理温度は、700℃以下が好ましく、650℃以下がより好ましい。
一方、本発明のR-T-X系圧粉磁石は、上記した本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法により得られたものである。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法により得られた本発明のR-T-X系圧粉磁石は、上記添加元素が粒界相に拡散していることで、高保磁力を実現でき、例えば15.0kOe以上、特に15.5kOe以上の保磁力を有する。また、DyやTbといった重希土類元素を使用しない場合であっても、高い保磁力が得られる。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法は、粉末成形体からなる磁石素材に対し、表面にCu及びAlの少なくとも一方の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させ熱処理することで、表面から内部まで上記添加元素を粒界相に拡散させることができる。その結果、R-T-X系圧粉磁石の保磁力を向上させることができる。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法は、原料粉末を準備する準備工程→原料粉末を圧縮成形した粉末成形体の磁石素材を得る成形工程→磁石素材の表面に添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる接触工程→磁石素材を熱処理して添加元素を拡散させる拡散工程を備える。以下、本発明におけるR-T-X系圧粉磁石について説明し、次いでR-T-X系圧粉磁石の製造方法の上記した各製造工程について詳しく説明する。
[R-T-X系圧粉磁石]
R-T-X系圧粉磁石は、R-T-X系合金からなる原料粉末を圧縮成形した粉末成形体で形成され、R2T14X化合物を含む主相と、主相の結晶粒界に存在してR2T14XよりもRの濃度が高いRリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有する。
R-T-X系圧粉磁石は、R-T-X系合金からなる原料粉末を圧縮成形した粉末成形体で形成され、R2T14X化合物を含む主相と、主相の結晶粒界に存在してR2T14XよりもRの濃度が高いRリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有する。
Rは、Ndを含む少なくとも一種の希土類元素であり、希土類元素とは、Sc及びY並びにランタノイドのことである。希土類元素は、軽希土類元素と重希土類元素とに大別することができる。Rは、製造コスト及び磁気特性の観点から少なくともNdを含み、Nd単独であってもよく、Nd以外には、例えばPr,Ce,Dy,Yなどの希土類元素を含んでいてもよい。重希土類元素(Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)は一般に高価であるため、含まないことが好ましい。R-T-X系圧粉磁石におけるRの含有量は、例えば25質量%以上35質量%以下である。
Tは、Feを含む少なくとも一種の遷移金属元素である。Tは、少なくともFeを含み、Fe単独であってもよく、Feの一部が例えばCoに置換されていてもよい。R-T-X系圧粉磁石におけるTの含有量は、例えば62質量%以上74.5質量%以下である。原料のR-T-X系合金には、磁気特性や製造性を改善する目的で、例えばGa,Cu,Al,Siなどの元素を更に添加してもよい。
Xは、B及びCから選択される少なくとも一種の元素である。Xは、B又はC単独であってもよく、Bの一部がCに置換されていてもよい。R-T-X系圧粉磁石におけるXの含有量は、例えば0.5質量%以上3.0質量%以下である。
[準備工程]
準備工程では、R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する。原料粉末は、例えば、R-T-X系合金のインゴットや急冷凝固法(例えばストリップキャスト法)により得られたR-T-X系合金の薄片を粉砕した粉末、アトマイズ法(例えばガスアトマイズ法)により製造したR-T-X系合金の粉末を利用することができる。アトマイズ法により製造した粉末を更に粉砕してもよい。粉砕は、例えばジョークラッシャー、ジェットミル、ボールミルなどを利用することができる。特に、ガスアトマイズ法を採用する場合、非酸化性雰囲気中で粉末を製造することで、実質的に酸素を含有しない粉末(酸素濃度が1000質量ppm以下、好ましくは500質量ppm以下)を得ることができる。原料粉末を構成する粉末粒子は、多結晶体でも単結晶体であってもよい。また、粉砕条件や製造条件を適宜変更することで、粉末の粒度分布や粒子の形状を調整することができる。例えばアトマイズ法で製造した場合、粒子の真球度が高く、流動性や充填性に優れる粉末を得易い。
準備工程では、R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する。原料粉末は、例えば、R-T-X系合金のインゴットや急冷凝固法(例えばストリップキャスト法)により得られたR-T-X系合金の薄片を粉砕した粉末、アトマイズ法(例えばガスアトマイズ法)により製造したR-T-X系合金の粉末を利用することができる。アトマイズ法により製造した粉末を更に粉砕してもよい。粉砕は、例えばジョークラッシャー、ジェットミル、ボールミルなどを利用することができる。特に、ガスアトマイズ法を採用する場合、非酸化性雰囲気中で粉末を製造することで、実質的に酸素を含有しない粉末(酸素濃度が1000質量ppm以下、好ましくは500質量ppm以下)を得ることができる。原料粉末を構成する粉末粒子は、多結晶体でも単結晶体であってもよい。また、粉砕条件や製造条件を適宜変更することで、粉末の粒度分布や粒子の形状を調整することができる。例えばアトマイズ法で製造した場合、粒子の真球度が高く、流動性や充填性に優れる粉末を得易い。
原料粉末を構成する粉末粒子の平均粒径は、例えば1μm以上500μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上400μm以下とすることが挙げられる。粉末粒子を微細化するほど、R2T14X化合物の結晶粒径を小さくして磁気特性の向上効果が期待できるが、表面積が増えて粉末粒子に含まれるNdが酸化し易くなる。さらに、粉砕に要する時間が長くなり、生産性の低下を招く虞がある。したがって、平均粒径が10μm以上の粉末を用いることが好ましい。また、平均粒径が比較的大きい粉末(平均粒径が50μm以上、特に100μm以上)の場合、粗粉砕のみで対応でき、微粉砕を省略できるので、粉砕工程を簡略化できる。一方、平均粒径が大き過ぎると、後工程の成形工程において、圧縮成形時の充填性(成形性)の低下を招くことから、平均粒径が500μm以下の粉末を用いることが好ましい。
さらに、原料粉末は、R-T-X系合金の粉末をそのまま利用する他、HDDR処理を施したR-T-X系合金の粉末を利用してもよいし、HD処理のみ施したR-T-X系合金の粉末を利用することも可能である。R-T-X系合金にHD処理を施すと、R-T-X系合金中のR2T14X化合物は、例えば、RH2,Fe2X,Feの3相に分解する不均化反応を生じる。一方、HD処理を施した後、DR処理を施すと、再結合反応が生じて、微細な結晶粒のR2T14X化合物が形成される。HD処理のみ施した粉末は、HDDR処理又はHD処理を施していない未処理の粉末やHDDR処理を施した粉末に比較して変形し易く、圧縮成形時の成形性に優れる。また、HD処理を施した粉末を用いる場合は、成形工程の後、粉末成形体(磁石素材)に対してDR処理を施す。一方、未処理の粉末を用いる場合は、成形工程の後、粉末成形体(磁石素材)に対してHDDR処理を施してもよい。上記したHDDR処理、HD処理及びDR処理の条件は、例えば特許文献1,2に記載の公知の条件を採用することができる。
[成形工程]
成形工程では、原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る。粉末成形体(磁石素材)の空隙率が上記数値範囲内であることで、後工程の拡散工程において、CuやAlといった添加元素を含有する添加元素化合物を磁石素材の表面から内部に浸透させ易い。空隙率は、圧縮成形条件(成形圧力など)を適宜変更することで、調整することができる。成形圧力は、例えば800kgf/cm2(78.5MPa)以上1600kgf/cm2(157.0MPa)以下とすることが挙げられる。その他、圧縮成形時に金型を加熱することで、原料粉末の変形を促進して成形性を高めたり、非酸化性雰囲気中で原料粉末を圧縮成形することで、粉末粒子の酸化を防止できるので、好ましい。空隙率は、添加元素化合物の浸透性(添加元素の拡散性)、及び最終的に得られる磁石の磁気特性の観点から、2体積%以上10体積%以下が好ましい。
成形工程では、原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る。粉末成形体(磁石素材)の空隙率が上記数値範囲内であることで、後工程の拡散工程において、CuやAlといった添加元素を含有する添加元素化合物を磁石素材の表面から内部に浸透させ易い。空隙率は、圧縮成形条件(成形圧力など)を適宜変更することで、調整することができる。成形圧力は、例えば800kgf/cm2(78.5MPa)以上1600kgf/cm2(157.0MPa)以下とすることが挙げられる。その他、圧縮成形時に金型を加熱することで、原料粉末の変形を促進して成形性を高めたり、非酸化性雰囲気中で原料粉末を圧縮成形することで、粉末粒子の酸化を防止できるので、好ましい。空隙率は、添加元素化合物の浸透性(添加元素の拡散性)、及び最終的に得られる磁石の磁気特性の観点から、2体積%以上10体積%以下が好ましい。
[接触工程]
接触工程では、磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる。磁石素材の表面に添加元素化合物を接触させる具体的方法としては、例えば、上記化合物の粉末を塗して付着させたり、上記化合物の粉末をスラリーにして塗布や噴霧したり、上記化合物の箔を貼り付けたりすることが挙げられる。その他、物理的蒸着法(例えばスパッタリング法)により上記化合物を成膜してもよい。添加元素化合物を接触させた後、添加元素化合物が磁石素材の表面から剥離しないように、包装材で磁石素材を包み込んでもよい。包装材は、後工程の拡散工程における熱処理時に添加元素化合物や上記添加元素と反応し難い材料で形成されていることが好ましく、例えばMoなどの金属箔を利用することができる。添加元素化合物を接触させる量は、磁石素材の大きさなどに応じて適宜決定すればよい。
接触工程では、磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含有する添加元素化合物を接触させる。磁石素材の表面に添加元素化合物を接触させる具体的方法としては、例えば、上記化合物の粉末を塗して付着させたり、上記化合物の粉末をスラリーにして塗布や噴霧したり、上記化合物の箔を貼り付けたりすることが挙げられる。その他、物理的蒸着法(例えばスパッタリング法)により上記化合物を成膜してもよい。添加元素化合物を接触させた後、添加元素化合物が磁石素材の表面から剥離しないように、包装材で磁石素材を包み込んでもよい。包装材は、後工程の拡散工程における熱処理時に添加元素化合物や上記添加元素と反応し難い材料で形成されていることが好ましく、例えばMoなどの金属箔を利用することができる。添加元素化合物を接触させる量は、磁石素材の大きさなどに応じて適宜決定すればよい。
添加元素化合物は、上記添加元素を添加元素化合物に対して5質量%以上含有することが好ましく、これにより、後工程の拡散工程において、上記添加元素を粒界相に十分拡散させ易い。一方、拡散工程における熱処理により添加元素化合物を液相にすることから、添加元素化合物は低融点であることが好ましく、上記添加元素の含有量は、例えば60質量%以下が好ましい。添加元素化合物としては、例えば上記添加元素とNdとの共晶合金、具体的にはNd-Cu合金、Nd-Al合金、Nd-Cu-Al合金などが挙げられ、融点(共晶温度)が700℃未満であることが好ましく、650℃未満がより好ましい。
さらに、上記添加元素の含有量を磁石素材に対して0.1質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。これにより、主相に上記添加元素が過剰に拡散することを抑制し易く、磁気特性をさせない範囲で上記添加元素を粒界相に均一分散させ易い。
[拡散工程]
拡散工程では、添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる。熱処理は、Ar雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気にて400℃以上700℃以下で行うことが好ましい。熱処理をAr雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気中で行うことで、主相(R2T14X化合物)や粒界相(Rリッチ相)が酸化したり、窒化することを抑制できる。中でも、10Pa以下の真空雰囲気中で熱処理を行うと、磁石素材(粉末成形体)に存在する空隙(開気孔)中の気体を脱気して、添加元素化合物を磁石素材の内部に浸透させ易い。また、熱処理温度は、添加元素化合物を液相にする温度で、かつ、R2T14X化合物の粒成長を抑制する観点から、400℃以上700℃以下が好ましく、650℃以下がより好ましい。一方、熱処理時間は、磁石素材の大きさや液相の添加元素化合物が磁石素材の内部に浸透する時間などに応じて適宜決定すればよく、所定の熱処理温度に達してから、例えば30分以上とすることが挙げられる。
拡散工程では、添加元素化合物が接触した磁石素材を熱処理することにより、添加元素化合物を液相にして磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させる。熱処理は、Ar雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気にて400℃以上700℃以下で行うことが好ましい。熱処理をAr雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気中で行うことで、主相(R2T14X化合物)や粒界相(Rリッチ相)が酸化したり、窒化することを抑制できる。中でも、10Pa以下の真空雰囲気中で熱処理を行うと、磁石素材(粉末成形体)に存在する空隙(開気孔)中の気体を脱気して、添加元素化合物を磁石素材の内部に浸透させ易い。また、熱処理温度は、添加元素化合物を液相にする温度で、かつ、R2T14X化合物の粒成長を抑制する観点から、400℃以上700℃以下が好ましく、650℃以下がより好ましい。一方、熱処理時間は、磁石素材の大きさや液相の添加元素化合物が磁石素材の内部に浸透する時間などに応じて適宜決定すればよく、所定の熱処理温度に達してから、例えば30分以上とすることが挙げられる。
この拡散工程によって、上記添加元素を粒界相に拡散させることで、熱処理後における磁石素材(圧粉磁石)の保磁力を、熱処理前における磁石素材(粉末成形体)の保磁力に比して1kOe以上、より高くは2kOe以上高くすることができる。また、熱処理後の磁石素材において、粒界相における上記添加元素の濃度が、主相における上記添加元素の濃度に比して1.1倍以上であることが好ましい。これにより、上記添加元素が粒界相に集中的に拡散しており、保磁力を効果的に向上させることができる。また、上記添加元素が主相にも拡散することが少なく、磁気特性が低下することを抑制できる。粒界相と主相における上記添加元素の濃度比は、5倍以上がより好ましく、10倍以上が更に好ましく、20倍以上が特に好ましい。
以上説明した本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法によれば、表面から内部に亘って上記添加元素を粒界相に拡散させることができ、保磁力を向上させることができる。本発明の製造方法により得られたR-T-X系圧粉磁石は、上記添加元素が粒界相に拡散していることで、高保磁力を実現でき、例えば15.0kOe以上、特に15.5kOe以上の保磁力を有する。また、DyやTbといった重希土類元素を使用しない場合であっても、高い保磁力が得られる。なお、拡散工程において、熱処理により添加元素化合物を磁石素材の内部に浸透させ、上記添加元素を粒界相に拡散させるが、その際、一部の添加元素化合物や上記添加元素が磁石素材の空隙に残存することを許容する。これらの物質が最終的に磁石中の空隙に存在するようなことがあっても、磁気特性に与える影響は少ない。
(実施例1)
R-T-X系合金、具体的には、Nd:31.0質量%,B:1.0質量%,Co:5.0質量%,Ga:0.5質量%、残部がFe及び不可避的不純物の組成を有するNd-Fe-B系合金を用意した。このNd-Fe-B系合金は、ストリップキャスト法により製造した。そして、Nd-Fe-B系合金に対し、水素雰囲気中で850℃×3時間の熱処理を行ってHD処理を施した後、Ar雰囲気中で超硬合金製乳鉢を用いて粉砕して平均粒径が250μmの原料粉末を作製した。平均粒径は、レーザ回折式粒度分布装置を用いて測定した積算質量が50%となる粒径の値である。
R-T-X系合金、具体的には、Nd:31.0質量%,B:1.0質量%,Co:5.0質量%,Ga:0.5質量%、残部がFe及び不可避的不純物の組成を有するNd-Fe-B系合金を用意した。このNd-Fe-B系合金は、ストリップキャスト法により製造した。そして、Nd-Fe-B系合金に対し、水素雰囲気中で850℃×3時間の熱処理を行ってHD処理を施した後、Ar雰囲気中で超硬合金製乳鉢を用いて粉砕して平均粒径が250μmの原料粉末を作製した。平均粒径は、レーザ回折式粒度分布装置を用いて測定した積算質量が50%となる粒径の値である。
次いで、原料粉末を金型に充填し、直径10mm×高さ10mmの円柱状に圧縮成形して、相対密度が95%(空隙率が5体積%)の粉末成形体を作製した。相対密度は、用意したNd-Fe-B系合金の密度(7.55g/cm3)を真密度として求めた。その後、粉末成形体に対し、5Paの真空雰囲気中で830℃×10分間の熱処理を行ってDR処理を施した。得られた粉末成形体を磁石素材とした。また、この磁石素材の保磁力を測定したところ、13.1kOeであった。保磁力は、30kOe(2.4MA/m)のパルス磁界で着磁した後、BHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いて測定した固有保磁力(iHC)の値である。
次に、磁石素材の表面全周に、Nd-Cu-Al合金(Nd:80質量%,Cu:10質量%、Al:10質量%)の粉末(平均粒径が500μm以下)を塗布して付着させた後、磁石素材をMo箔で包んだ。このNd-Cu-Al合金の融点(共晶温度)は約600℃である。なお、Nd-Cu-Al合金の塗布量は、Cu及びAlの含有量が磁石素材に対して0.2質量%となるようにした。そして、Nd-Cu-Al合金が接触した磁石素材を5Paの真空雰囲気にて650℃×120分間の熱処理を行って拡散処理を施し、R-T-X系圧粉磁石を製造した。この磁石を試料1-1とする。
得られた試料1-1について、保磁力を測定した結果、15.5kOeであった。つまり、試料1-1では、拡散処理後の保磁力が拡散処理前の保磁力に比して2.4kOe向上した。
得られた試料1-1の組織を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、SEMに付属のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて主相及び粒界相におけるCu及びAlの濃度を分析した。具体的には、試料1-1の略中心を通るように切断した断面を観察し、表面部(表面から深さおよそ100μmの表面領域)と中央部(表面から深さおよそ5mmの内部領域)での主相及び粒界相におけるCu及びAl(添加元素)の濃度を分析した。組織解析の結果、R2T14X化合物(Nd2Fe14B化合物(但し、Feの一部がCoに置換されているものも含む))の結晶粒からなる主相と、その結晶粒界にRリッチ相(Ndリッチ相)からなる粒界相が存在していることが確認された。主相及び粒界相におけるCu及びAlの各濃度、並びに添加元素の合計濃度、粒界相と主相における添加元素の濃度比を表1に示す。
表1から、試料1-1は、表面だけでなく内部までCuやAlといった添加元素が粒界相に拡散していることが分かる。また、表面から内部に亘って粒界相と主相における添加元素の濃度比が1.1倍以上、より具体的には20倍以上であり、添加元素が粒界相に集中的に拡散していることが分かる。
(実施例2)
相対密度(空隙率)が異なる複数の粉末成形体を作製し、これを磁石素材に用いた以外は、試料1-1と同じ条件でR-T-X系圧粉磁石を製造して、表2に示す試料2-1〜2-6を得た。そして、得られた試料2-1〜2-6について、拡散処理前の磁石素材の保磁力及び拡散処理後の圧粉磁石の保磁力をそれぞれ測定した。拡散処理前と拡散処理後の各保磁力、並びに拡散処理前後の保磁力の増加量を表2に示す。
相対密度(空隙率)が異なる複数の粉末成形体を作製し、これを磁石素材に用いた以外は、試料1-1と同じ条件でR-T-X系圧粉磁石を製造して、表2に示す試料2-1〜2-6を得た。そして、得られた試料2-1〜2-6について、拡散処理前の磁石素材の保磁力及び拡散処理後の圧粉磁石の保磁力をそれぞれ測定した。拡散処理前と拡散処理後の各保磁力、並びに拡散処理前後の保磁力の増加量を表2に示す。
表2から、粉末成形体(磁石素材)の空隙率が1体積%以上15体積%以下である試料2-1〜2-5は、保磁力の増加量が1kOe以上、より具体的には2kOe以上であり、保磁力の向上効果が高いことが分かる。これに対し、粉末成形体の空隙率が1体積%未満の試料2-6では、保磁力の増加量が小さく、保磁力を十分に向上させることができない。特に、粉末成形体の空隙率が2体積%以上10体積%以下である試料2-2〜2-4は、保磁力の増加量が2.4kOe以上であり、保磁力の向上効果が大きく、かつ、得られた圧粉磁石の保持力が15.5kOe以上であり、高い保磁力を有する。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、R-T-X系合金の組成を適宜変更することができる。
本発明のR-T-X系圧粉磁石の製造方法は、R-T-X系希土類磁石の製造に好適に利用することが可能である。
Claims (6)
- R2T14X(RはNdを含む少なくとも一種の希土類元素、TはFeを含む少なくとも一種の遷移金属元素、XはB及びCから選択される少なくとも一種の元素)化合物を含む主相と、前記主相の結晶粒界に存在して前記R2T14XよりもRの濃度が高いRリッチ相を含む粒界相とを含む組織を有するR-T-X系圧粉磁石の製造方法であって、
R-T-X系合金からなる原料粉末を準備する準備工程と、
前記原料粉末を圧縮成形して、空隙率が1体積%以上15体積%以下である粉末成形体からなる磁石素材を得る成形工程と、
前記磁石素材の表面の少なくとも一部に、Cu及びAlから選択される少なくとも一種の添加元素を含む添加元素化合物を接触させる接触工程と、
前記添加元素化合物が接触した前記磁石素材を熱処理することにより、前記添加元素化合物を液相にして前記磁石素材の内部に浸透させ、前記添加元素を前記粒界相に拡散させる拡散工程と、
を備えるR-T-X系圧粉磁石の製造方法。 - 前記添加元素化合物が、前記添加元素を前記添加元素化合物に対して5質量%以上含有する請求項1に記載のR-T-X系圧粉磁石の製造方法。
- 前記添加元素の含有量が、前記磁石素材に対して0.1質量%以上である請求項1又は2に記載のR-T-X系圧粉磁石の製造方法。
- 前記熱処理後の磁石素材において、前記粒界相における前記添加元素の濃度が、前記主相における前記添加元素の濃度に比して1.1倍以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のR-T-X系圧粉磁石の製造方法。
- 前記拡散工程における前記熱処理を、Ar雰囲気又は10Pa以下の真空雰囲気にて400℃以上700℃以下で行う請求項1〜4のいずれか一項に記載のR-T-X系圧粉磁石の製造方法。
- 請求項1に記載のR-T-X系圧粉磁石の製造方法により得られたR-T-X系圧粉磁石。
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