JP2012186212A - 磁性部材の製造方法及び磁性部材 - Google Patents

磁性部材の製造方法及び磁性部材 Download PDF

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Toru Maeda
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Abstract

【課題】高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に得られる磁性部材の製造方法、及びこの製造方法によって得られた磁性部材を提供する。
【解決手段】以下の準備工程と、水素化工程と、成形工程と、脱水素工程とを備え、水素化工程における熱処理は、揺動式炉を用いる。準備工程は、添加元素に希土類元素(以下、Rで示す)と、Feと、B、C及びNから選択される1種(以下、Mで示す)とを含有するR-Fe-M系合金からなる原材料を準備する工程である。水素化工程は、原材料を、水素を含む雰囲気中で、R-Fe-M系合金の不均化温度以上の温度で熱処理して磁石用粉末を製造する工程である。成形工程は、磁石用粉末を圧縮成形して粉末成形体を形成する工程である。脱水素工程は、粉末成形体を、減圧雰囲気中又は不活性雰囲気中で、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理して磁性部材を形成する工程である。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類磁石の素材に適した磁性部材の製造方法、及びこの製造方法によって得られた磁性部材に関する。特に、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に得られる磁性部材の製造方法に関する。
モータや発電機などに利用される永久磁石には、希土類磁石が広く利用されている。希土類磁石は、Nd(ネオジム)-Fe-BといったR-Fe-M系合金(R:希土類元素、Fe:鉄、M:ガス元素)からなる焼結磁石やボンド磁石が代表的である。
焼結磁石は、R-Fe-M系合金からなる粉末を圧縮成形した後、焼結することで製造され、ボンド磁石は、R-Fe-M系合金からなる合金粉末と結合樹脂とを混合した混合物を圧縮成形したり、射出成形することで製造される。焼結磁石は、磁性相の密度が高いことで磁気特性に優れるものの、形状の自由度が小さく、例えば、円筒状といった複雑な形状を成形することが困難であり、複雑な形状の場合、焼結材を切削する必要がある。一方、ボンド磁石は、焼結磁石よりも磁気特性に劣るものの、形状の自由度が高く、焼結磁石で作製困難な形状の磁石を比較的容易に作製することができる。
ボンド磁石に利用される粉末では、磁気特性を向上させる方法の一つとして、HDDR処理(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination、HD:水素化及び不均化、DR:脱水素及び再結合)を施すことが行われている。HDDR処理を施すことで、水素の吸収・放出反応によってサブミクロンサイズにまで結晶粒が微細化し、高保磁力の粉末が得られる。HDDR処理を施すことによってボンド磁石を製造する方法は、特許文献1に開示されている。例えば、実施例1において、Nd-Fe-B系合金を微粉砕して得られた平均粒径3.7μmの微粉末を熱処理炉内でHDDR処理し、凝集した微粉末を乳鉢で解粉して平均粒径5.8μmとしたNd-Fe-B系合金磁石粉末を得た後、結合樹脂と混合して圧縮成形し、上記樹脂を硬化させることでボンド磁石を作製している。
特開平1‐132106号公報
しかし、Nd-Fe-B系合金からなる粉末や、この粉末にHDDR処理を施した特許文献1に開示されるような粉末は、粉末を構成する粒子自体の硬度が高く変形し難い。そのため、結合樹脂を混合することによる成形性向上が必要である。また、結合樹脂と粉末とを均一に混合するために、ボンド磁石用の粉末には平均粒径10μm以下といった微粒のものが利用されており、この水準にまで上記粉末を微粉砕する必要がある。以上の従来のボンド磁石の製造方法によれば、成形性向上のために、結合樹脂との混合処理とそれに伴う粉末の微粉砕処理とが必要となり生産性に劣る。従って、結合樹脂を用いずに、粉末の成形性を改善して、希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に製造する方法の開発が望まれる。
また、ボンド磁石では、形状の自由度が高いものの、粉末を構成する粒子の圧縮による変形性が低いこと、および多量の結合樹脂が存在することから、磁性相の密度が高々80体積%程度であり、磁性相の密度の向上が難しい。従って、磁性相の密度が高く、かつ複雑な形状の希土類磁石を、効率的に得られる磁性部材の製造方法の開発が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、生産性に優れる磁性部材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記本発明の磁性部材の製造方法によって製造された磁性部材を提供することにある。
本発明者らは、ボンド磁石のように結合樹脂を利用することなく、複雑な形状の高密度成形ができ、希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に得ることができる製造方法を検討した。上述のように、従来の原料粉末、即ちNd-Fe-B系合金等の希土類系合金からなる粉末や、この粉末にHDDR処理を施した粉末は、硬くて変形能が小さく成形性に劣り、結合樹脂との混合による成形性確保が不可欠である。そこで、本発明者らは、成形性を高めるために種々検討した結果、HDDR処理を施した粉末ではなく、HD処理のみを施した粉末を圧縮成形し、得られた粉末成形体にDR処理を施すことで、結合樹脂を用いることなく、高密度かつ複雑形状の希土類磁石の素材となる磁性部材を製造することができる、との知見を得た。また、上記HD処理には、一般的な静置式加熱炉を利用するのではなく、ロータリーキルン炉といった揺動式炉を利用することで、水素化を均一的に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる、との知見を得た。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明の磁性部材の製造方法は、希土類系合金からなる磁性部材を製造する方法であって、以下の準備工程と、水素化(HD)工程と、成形工程と、脱水素(DR)工程とを備え、水素化工程における熱処理は、揺動式炉を用いることを特徴とする。
準備工程:添加元素に希土類元素(以下、Rで示す)と、Feと、B、C及びNから選択される1種(以下、Mで示す)とを含有するR-Fe-M系合金からなる原材料を準備する。
水素化工程:上記原材料を、水素を含む雰囲気中で、上記R-Fe-M系合金の不均化温度以上の温度で熱処理して磁石用粉末を製造する。
成形工程:上記磁石用粉末を圧縮成形して粉末成形体を形成する。
脱水素工程:上記粉末成形体を、減圧雰囲気中又は不活性雰囲気中で、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理して磁性部材を形成する。
この方法によれば、水素化工程によって製造された磁石用粉末を構成する各磁性粒子は、もとのR-Fe-M系合金のように単一相の希土類合金から構成されるのではなく、FeやFe化合物といった鉄含有物からなる相と希土類元素の水素化合物からなる相との複数相から構成される。上記鉄含有物の相は、上記R-Fe-M系合金や上記希土類元素の水素化合物に比較して、柔らかく成形性に富む。よって、磁石用粉末を圧縮成形する際、上記各磁性粒子中のFe相といった鉄含有物の相が十分に変形できる。Feなどの鉄含有物が十分に変形することで、磁性粒子同士が互いに噛み合って強固に結合されるため、ボンド磁石のように結合樹脂を介在させることなく、形状自由度の高い粉末成形体を製造することができる。よって、結合樹脂の混合処理とそれに伴う粉末の微粉砕処理を省略することができ、製造工程の簡略化により製造コストの低減を図ることができる。更に、変形性に富む上記鉄含有物の相中に希土類元素の水素化合物が離散しているため、圧縮成形時、各磁性粒子の変形が均一的に行われ、相対密度が高い粉末成形体を容易に成形することができる。
上記圧縮成形後、脱水素工程により、圧縮成形された粉末成形体を構成する各磁性粒子中の希土類元素の水素化合物から水素を除去すると共に、鉄含有物の相と、水素が除去された希土類元素とを化合する。この際、結晶粒がサブミクロンサイズにまで微細化して高保磁力を発現し、希土類磁石の素材に適した磁性部材を効率的に得ることができる。特に、樹脂成分を含まず、相対密度の高い粉末成形体を利用するため、磁性相の密度が高く、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。
かつ、本発明の製造方法によれば、水素化工程における熱処理は、揺動式炉を用いるため、熱処理時に原材料を流動させておくことにより、HD処理が施された磁石用粉末同士が凝集することを防止できる。また、原材料が流動していることにより、炉内の温度ばらつきによって原材料の水素化が不均一となることを抑制することができる。更に、炉内で原材料が揺動することで原材料同士が擦れ合い、原材料表面に存在する水素を通し難い酸化物や窒化物等を除去することができ、原材料の水素化を促進することができる。よって、熱処理後の粉末の解砕工程を省略できる上に、炉内の原材料への水素化を均一に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に得ることができる。
更に、揺動式炉を用いることで、原材料に数mmオーダーから数cmオーダーといった非常に粗大な箔片等を用いても、熱処理を行うと共に、揺動による材料同士の接触により適宜粉砕され、次工程でそのまま圧縮成形可能な程度に粉末化することができ、原材料の大きさの制約を受け難い。上記圧縮成形可能な程度の好ましい範囲は、粉末を構成する粒子の平均粒径が10μm以上500μm以下で、より好ましくは50μm以上350μm以下である。上記平均粒径の範囲であることで金型への充填性を十分に確保し、圧縮成形を適切に施すことができる。また、過度の粉砕を不要とし、上記平均粒径を10μm以上とすることで粉末を構成する全粒子の合計表面積を小さくし、酸化が起こりやすい希土類元素の水素化合物が粉末表面に存在する確率を小さくし、磁気特性の劣化を抑制することができる。更に、揺動式炉を用いて原材料の粉砕を行うことで、水素化工程の前に、原材料を圧縮成形可能な程度に粉末化する粉砕工程を別途設ける必要がなく、生産性を向上することができる上に、粉砕工程及び水素化工程での粉末の酸化を抑制することができる。
本発明の製造方法によれば、粉末成形体の形状自由度が大きいことに加え、圧縮成形された時点での粉末成形体の密度が高いこと、および焼結磁石のように焼結を行わないことから、焼結時等に生じる収縮の異方性に起因する形状の制約がない。従って、上記磁性部材は、例えば、円筒状や瓦状、ポット形状といった複雑な形状であっても、切削加工などを実質的に行うことなく、容易に成形することができる。また、切削加工を不要とすることで、原料の歩留まりを飛躍的に向上したり、希土類磁石の生産性を向上したりすることができる。
上述した製造方法は、さらに、上記水素化工程の後に、上記HD処理が施された磁石用粉末を最大粒径500μm以下程度の粉末に篩い分けする整粒工程を備えることが好ましい。
上記整粒工程は、後工程で行う圧縮成形時に成形し易い程度にHD処理が施された磁石用粉末の粒度を調整する工程である。最大粒径が500μm以下であることで、成形工程における金型への粉末の供給時に、粉末の充填性を高め、粉末成形体の密度を高めることができる。500μm以上の粉末については、原料歩留まりを向上するため、500μm以下に適宜粉砕を行った後使用するのが好ましい。
本発明の製造方法の一形態として、上記R(希土類元素)がNd、上記M(ガス元素)がBであり、Ndの含有量が40体積%以下である形態が挙げられる。
添加元素として含有される希土類元素として、Nd(ネオジム)は、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。このNdの含有量が40体積%以下とすることで、成形性に優れる。
本発明の製造方法の一形態として、上記原材料はストリップキャスト法によって得られたものを含む形態が挙げられる。
ストリップキャスト法とは、水冷された回転するロール上に溶かした金属原料を注ぎ、薄片状に急冷凝固する金属の鋳造方法の一種であり、磁性相の割合が高く均質な鋳造組織が得られ、希土類磁石に必要な磁気特性を高めることができる。
本発明の製造方法の一形態として、上記水素化工程における熱処理温度が600〜950℃である形態が挙げられる。
上記水素化工程の熱処理温度を高めることで、FeやFe化合物といった鉄含有物からなる相のマトリックス化が進行し、硬質の希土類元素の水素化合物が変形の阻害因子になり難くなり磁石用粉末の成形性を高められる。しかし、高過ぎると粉末の溶融固着などの不具合が発生する上、上述した脱水素工程における再結合が困難になり、磁気特性が低下する。上記水素化工程の熱処理温度を600℃以上950℃以下とすると、微細な組織の磁石用粉末となり、このような粉末を利用することで保磁力が高い希土類磁石が得られ易い。
一方、本発明の磁性部材は、上述した本発明の磁性部材の製造方法により得られることを特徴とする。
この構成によれば、高い磁気特性を有する希土類磁石が得られる磁性部材とすることができる。
本発明の磁性部材の製造方法は、結合樹脂を用いることなく、高密度かつ複雑形状の粉末成形体を製造することができ、希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に製造することができる。特に、樹脂成分を含まないので、磁性相の密度が高く、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。かつ、本発明の磁性部材の製造方法は、水素化工程における熱処理に揺動式炉を用いるため、水素化を均一に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。
本発明の磁性部材は、高い磁気特性を有する希土類磁石が得られる磁性部材とすることができる。
図1は、本発明の磁性部材の製造方法における各工程の一例を説明する工程説明図である。
以下、図1に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
<実施形態1>
[概要]
本発明の磁性部材の製造方法は、希土類系合金からなる磁性部材を製造する方法であって、以下の準備工程と、水素化(HD)工程と、成形工程と、脱水素(DR)工程とを備える。
以下、各工程ごとに本例の製造方法を説明する。
[準備工程]
準備工程は、添加元素に希土類元素(以下、Rで示す)と、Feと、B、C及びNから選択される1種(以下、Mで示す)とを含有するR-Fe-M系合金からなる原材料(図1(I))を準備する工程である。
上記原材料は、R-Fe-M系合金の溶湯を例えばストリップキャスト法によって急冷して作製される。この原材料の製造方法には、公知の製造方法を利用してもよい。
(原材料)
添加元素として含有される希土類元素(R)は、Sc(スカンジウム),Y(イットリウム),ランタノイド及びアクチノイドから選択される1種以上の元素とする。特に、Nd,Sm,Pr,Ce,Dy,及びYから選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましく、とりわけ、Nd(ネオジム)は、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができて好ましい。希土類元素の含有量は、希土類元素を含有しないと希土類磁石が得られないことから、0体積%超とし、10体積%以上が好ましく、40体積%未満とする。
添加元素として含有される鉄(Fe)は、一部がCo,Ni,Cu,Al,Si及びNbから選択される少なくとも一種の元素に置換された形態とすることができる。上記元素により、希土類磁石の磁気特性や耐食性を改善することができる。また、鉄の一部が、Ti,V,Cr,Mo,Al,Si,Wから選択される少なくとも一種の元素に置換されていても良い。上記元素により、Sm(Fe11Ti)等のThMn12型の希土類合金構造を安定化することができる。鉄および上記置換元素の合計含有量は、60体積%以上とする。含有量が60体積%未満であると、上記水素化工程後の磁石用粉末において、易変形相であるFe含有相に対して硬質である希土類元素の水素化合物が相対的に多くなり、圧縮成形時の成形性が低下する。また、多過ぎると磁気特性の低下を招くことから、鉄および上記置換元素の合計含有量は90体積%以下が好ましい。
添加元素として含有されるガス元素(M)は、B、C及びNから選択される1種の元素とする。例えば、希土類-Fe-B系合金はNd2Fe14B、希土類-Fe-C系合金はNd2Fe14Cが挙げられる。また、原材料にはガス元素を全く含んでいなくても良い。この場合には、上述の脱水素工程の後に、別途ガス元素を導入しても良い。なお、上記原材料は、不可避不純物の含有を許容する。
上記原材料は、その大きさや形状に特に制約はなく、数10μmの粉末から、数mmオーダーから数cmオーダーといった非常に粗大な薄片等を用いても、次の水素化工程の際に、原材料を粉砕することなく揺動式炉に投入することができる。揺動式炉に投入することができる原材料の大きさは、炉の内径や容積によるが、例えば、その厚みが5mm程度であれば薄線の最大長さは30mm以下が望ましく、正立方体や直方体等のブロック体であれば15mm以下程度が望ましい。上記の大きさであれば、水素化工程の際に十分に流動し粉末化できる。また、複数種の組成や製造方法の原材料を用いても良く、次工程である水素化における揺動式炉での熱処理中に、複数の原材料が均一に混合され、均質な希土類磁石を得ることができる。
[水素化工程]
上記準備工程において準備した原材料を、水素を含む雰囲気中で、上記R-Fe-M系合金の不均化温度以上の温度で熱処理して磁石用粉末を製造する工程である。
上記水素を含む雰囲気は、水素(H2)のみの単一雰囲気、或いは水素とArやN2といった不活性ガスとの混合雰囲気が挙げられる。上記水素化工程の熱処理時の温度は、上記R-Fe-M系合金の不均化反応が進行する温度、即ち不均化温度以上とする。不均化反応とは、希土類元素の優先水素化により、希土類元素の水素化合物と、Fe(或いはFe及びFe化合物)とに分離する反応であり、この反応が生じる下限温度を不均化温度と呼ぶ。上記不均化温度は、上記原材料であるR-Fe-M系合金の組成や希土類元素の種類により異なる。例えば、R-Fe-M系合金がNd2Fe14Bの場合、650℃以上が挙げられる。熱処理時の温度を不均化温度近傍とすると、上記希土類元素の水素化合物の相とFe相といった鉄含有物の相とが多層構造となっている層状形態が得られる。温度を不均化温度+100℃以上に高めると、鉄含有物の相を母相として、この母相中に粒状の希土類元素の水素化合物が分散して存在する分散形態が得られる。この水素化工程の熱処理時の温度を高めることで、Fe相のマトリックス化が進行するため、Feと同時に析出する硬質の希土類元素の水素化合物が変形の阻害因子になり難くなり磁石用粉末の成形性を高められるが、高過ぎると粉末の溶融固着などの不具合が発生する上、後工程での脱水素による再結合が困難になるため、上記熱処理時の温度は1100℃以下が好ましい。特に、上記水素化工程の熱処理時の温度を950℃以下の比較的低めにすると、微細な組織の磁石用粉末となり、このような粉末を利用することで保磁力が高い希土類磁石が得られ易い。熱処理の保持時間は、0.5時間以上5時間以下が挙げられる。
上記水素化工程の熱処理は、揺動式炉を用いて行う。揺動式炉として、ロータリーキルン炉や回転式レトルト炉等の市販品を用いることができる。上記水素化工程における熱処理中、200℃程度の低温領域では合金薄片に水素が吸蔵されて多数のクラックが発生する。このため、揺動式炉を用いて原料粉末を回転する容器内で絶えず流動することによって、材料同士の接触により適宜粉砕され、後述する成形工程における圧縮成形可能な程度に粉末化する。よって、上述した原材料に比較的大きな薄片等を用いることができ、水素化工程の前に、圧縮成形可能な程度に原材料を粉砕する工程を別途設ける必要がなく、生産性を向上することができ、粉砕工程で発生する原材料の酸化を抑制することができる。また、材料同士の接触により、原材料の表面に存在する水素を通し難い酸化物や窒化物等を除去し、新生面を水素雰囲気に露出する。更に、揺動式炉内では、原材料が凝集することがなく、炉内の温度ばらつきによって原材料への水素化が不均一となることもない。従って、炉内の原材料への水素化を均一に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁石用粉末を製造することができる。
(磁石用粉末)
上記水素化工程によって製造された磁石用粉末を構成する各磁性粒子は、鉄含有物を主成分とし、上記鉄含有物の相に希土類元素の水素化合物が離散している。希土類元素の水素化合物は、例えば、NdH2,DyH2が挙げられる。
上記鉄含有物は、Feと、Fe-M合金との双方を含むものとする。Fe-M合金は、例えば、Mがホウ素の場合Fe3Bが挙げられる。Fe-M合金に加えて、純鉄(Fe)を含有することで、成形性に優れる。Fe-M合金の含有量は、鉄含有物を100%とするとき、質量割合で0%〜40%が好ましく、40質量%以下であると、成形性に優れる。鉄含有物或いは希土類元素の水素化合物の含有量、FeとFe-M合金との比率は、当該粉末の原料となる上記R-Fe-M系合金からなる原材料の組成や当該粉末を製造する際の上記熱処理条件(温度,時間,水素分圧等)を適宜変化させることで調整できる。
上記水素化工程によって製造された磁石用粉末を構成する各磁性粒子は、上記希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相とが均一的に存在した形態(水素化工程における熱処理条件に依存した上記層状形態と分散形態)が挙げられる。
上記層状形態は、結合樹脂を用いることなく、磁性相の密度がボンド磁石と同程度(80体積%程度)である希土類磁石を得ることができる。なお、上記層状形態の場合、磁石用粉末を構成する粒子の断面をとったとき、希土類元素の水素化合物の相と鉄含有物の相とが実質的に交互に積層された状態である。上記分散形態は、上記希土類元素の水素化合物の粒子の周囲に鉄含有物成分が均一的に存在することで、上記層状形態よりも鉄含有物成分を変形させ易く、相対密度が85%以上、特に90%以上といった高密度の粉末成形体が得られて好ましい。上記分散形態の場合、図1(II)に示すように、磁石用粉末を構成する磁性粒子1は、その粒子の断面をとったとき、鉄含有物の相2を母相とし、この母相中に複数の粒状の希土類元素の水素化合物の相3が分散して存在しており、隣り合う希土類元素の水素化合物の粒子間に鉄含有物の相2が存在する状態を言う。
上記磁石用粉末を構成する粒子の平均粒径は、特に、10μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以上350μm以下である。10μm以上と比較的大きいことで、過度の粉砕が不要な上、全粒子の合計表面積を小さくし、酸化が起こりやすい希土類元素の水素化合物が粉末表面に存在する確率を相対的に小さくすることができる。ここで、希土類元素の水素化合物は一般に酸化し易い。しかし、上記平均粒径を満たす粉末は、粒子表面に露出する希土類元素の水素化合物が少ないことで酸化し難く、大気中で取り扱える。そのため、例えば、粉末成形体を大気中で成形でき、粉末成形体の生産性に優れる。また、上記磁石用粉末は、上述のように鉄含有物の相を有して成形性に優れることで、例えば、平均粒径が100μm以上といった粗大な粉末であっても、気孔が少なく、相対密度が高い粉末成形体を形成できる。但し、平均粒径が大き過ぎると、圧縮成形時の金型への充填性の低下や、粉末成形体の相対密度の低下を招くことから500μm以下が好ましい。
更に、上記磁石用粉末は、その外周に絶縁材料からなる絶縁被覆を具える形態とすることができる。絶縁被覆を具える粉末を用いることで、電気抵抗が高い希土類磁石が得られ、例えば、この磁石をモータに利用した場合、渦電流損を低減できる。絶縁被覆は、例えば、Si,Al,Tiなどの酸化物の結晶性被膜や非晶質のガラス被膜、ケイ酸ナトリウムやリン酸鉄等の無機金属塩、シリコーン等の有機ケイ素化合物、Me-Fe-O(Me=Ba,Sr,Ni,Mnなどの金属元素)といったフェライトやマグネタイト(Fe3O4)からなる被膜が挙げられる。また、熱伝導性を向上する目的で、Si-N、Si-C系のセラミックス被覆を施してもよい。
[成形工程]
上記水素化工程で得られた磁石用粉末を圧縮成形(図1(III))して粉末成形体を形成する工程である。
上記磁石用粉末は、圧縮性に優れることから、圧縮成形時の圧力が比較的小さくても高密度の粉末成形体を得ることができ、例えば、8ton/cm2以上15ton/cm2以下とすることができる。また、上記磁石用粉末は、各磁性粒子が十分に変形できることで磁性粒子同士の接合性に優れ(粒子表面の凹凸の噛み合いによって生じる強度(所謂ネッキング強度)の発現)、強度が高く、製造中に崩壊し難い粉末成形体が得られ、複雑な形状の粉末成形体であっても、容易に形成することができる。
その他、圧縮成形時、成形用金型を適宜加熱することで、変形を促進することができ、高密度の粉末成形体が得られ易くなる。
(粉末成形体)
上記圧縮成形が施された粉末成形体4(図1(IV))は、相対密度(粉末成形体の真密度に対する実際の密度)が高い粉末成形体、例えば、相対密度が80%以上のものである。相対密度が高いほど、最終的に磁性相の比率を高められる。このような高密度の粉末成形体を利用することで、磁気特性の高い希土類磁石を得られる。粉末成形体の相対密度は高い程よいため、その上限は特に設けない。
[脱水素工程]
上記成形工程で得られた粉末成形体を、減圧雰囲気中又は不活性雰囲気中で、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理して磁性部材を形成する工程である。
脱水素工程では、希土類元素の水素化合物から水素を除去すると共に、上記鉄含有物と、水素が除去された希土類元素とを化合し、希土類磁石の素材となる磁性部材を得るため、非水素雰囲気にて熱処理を行う。非水素雰囲気には、不活性雰囲気や減圧雰囲気が挙げられる。不活性雰囲気は、例えば、ArやN2が挙げられる。減圧雰囲気は、標準の大気雰囲気よりも圧力を低下させた真空状態を言い、最終真空度は、10Pa以下が好ましい。減圧雰囲気で希土類元素の水素化合物から水素の除去を行うと、希土類元素の水素化合物が残存し難く、希土類-鉄系合金化を完全に起こさせることができ、得られる磁性部材を素材とすることで、磁気特性に優れる希土類磁石が得られるため、好ましい。
上記脱水素処理時の温度は、上記粉末成形体の再結合温度(分離していた鉄含有物と希土類元素とが化合する温度)以上とする。再結合温度は、粉末成形体(成形体を構成する磁性粒子)の組成により異なるものの、代表的には、600℃以上が挙げられる。この温度が高いと水素を十分に除去できる。但し、上記脱水素処理時の温度は、高過ぎると蒸気圧の高い希土類元素が揮発して減少したり、磁性部材の結晶の粗大化により希土類磁石の保磁力が低下する恐れがあるため、1000℃以下が好ましい。この脱水素工程における熱処理の保持時間は、10分以上600分(10時間)以下が挙げられる。この脱水素処理は、従来のHDDR処理のDR処理に相当し、公知のDR処理の条件を適用できる。
(磁性部材)
上記脱水素工程を経て得られた磁性部材5(図1(V))は、例えば、単一の原材料を用いた場合には、実質的に、R-Fe-M系合金の相から構成される単一形態からなる。上記単一形態は、上記磁石用粉末の原料に用いたR-Fe-M系合金と実質的に同じ組成からなるものである。
(希土類磁石)
上記磁性部材を適宜着磁することで、希土類磁石6(図1(VI))を製造できる。
[効果]
本発明の磁性部材の製造方法によれば、成形工程において、結合樹脂を用いることなく、高密度かつ複雑形状の粉末成形体を製造することができ、希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に製造することができる。かつ、本発明の磁性部材の製造方法は、水素化工程における熱処理に揺動式炉を用いるため、水素化を均一に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。
<試験例>
以下の条件で得られた磁性部材から試験片を作製し、その試験片について磁気特性を評価した。
(試料No.1)
準備工程→水素化工程→成形工程→脱水素工程、という手順で磁性部材の試験片を作製した。
まず、組成が31質量%Nd-Fe-1質量%Bで、ストリップキャスト法により得られた合金薄片の原材料を準備した。この原材料の厚みは3mm程度、大きさは3cm角程度である。
次に、上記原材料を揺動式炉に投入し、水素(H2)雰囲気中で850℃×1時間の熱処理を行い、水素化処理を施した。揺動式炉はロータリーキルン炉を用いた。熱処理後、得られた合金粉末をふるいにかけ、500μm以上の粗粒粉を除去し、磁石用粉末を得た。500μm未満の粉末の割合は、全粉末量に対し、92重量%であった。
続いて、上記磁石用粉末を金型に充填し、圧縮することで粉末成形体を形成した。この加圧成形時の面圧は1176MPaとした。
得られた粉末成形体を、まず水素雰囲気中で800℃まで昇温し、その後真空中で800℃×1時間の熱処理を行い、脱水素処理を施した。この熱処理時の真空度は10Pa以下とした。得られた磁性部材を試料No.1とした。
得られた磁性部材からなる試験片は、円柱状で外径11.3mm、高さ10mmである。
(試料No.2)
準備工程→原材料の粉砕→水素化工程→成形工程→脱水素工程、という手順で磁性部材の試験片を作製した。
試料No.1と同様の原材料を準備し、この原材料をAr雰囲気中で粉砕し、ふるいにかけて500μm以上の粗粒粉を除去して合金粉末を作製した。得られた合金粉末の平均粒径は100μm程度であった。この合金粉末を揺動式炉に投入し、水素雰囲気中で熱処理を行った後、金型に充填し圧縮することで粉末成形体を形成し、この粉末成形体を真空中で熱処理を行った。得られた磁性部材を試料No.2とした。水素雰囲気中での熱処理(水素化)、圧縮成形、真空中での熱処理(脱水素)の各条件、及び試験片の寸法は試料No.1と同様である。
(試料No.3)
準備工程→水素化工程→脱水素工程→成形工程、という手順で磁性部材の試験片を作製した。
試料No.1と同様の原材料を準備し、この原材料を揺動式炉に投入し、水素雰囲気中で850℃×3時間の熱処理を行い、水素化処理を施した。その後、そのまま真空中で800℃×1時間の熱処理を行い、脱水素処理を施した。真空中での熱処理(脱水素)後の粉末には、凝集が見受けられたため、500μmのふるいにかけて軽く解粉しつつ、粗粒粉を除去した。その後、得られた粉末に1176MPaで圧縮成形を行ったが、粉末を構成する粒子同士が接合せず、粉末成形体を形成することができなかった。よって、上記粉末に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂を結合樹脂として、粉末の重量に対して2.0重量%添加して成形した。この成形体を試料No.3として、試料No.1と同様の寸法の試験片を作製した。
(試料No.4)
準備工程→水素化工程→成形工程→脱水素工程、という手順で磁性部材の試験片を作製した。但し、水素化工程の熱処理は、揺動式炉ではなく、静置式炉を用いた。
試料No.1と同様の原材料をアルミナ容器に投入し、静置式炉を用いて、水素雰囲気中で熱処理を行った。この熱処理条件は試料No.1と同様である。得られた粉末は、十分に粉末化しておらず、また、凝集も見受けられたため、500μmのふるいにかけて軽く解粉しつつ、粗粒粉を除去した。その後、得られた磁石用粉末を金型に充填し圧縮することで粉末成形体を形成し、この粉末成形体を真空中で熱処理を行った。得られた磁性部材を試料No.4とした。圧縮成形、真空中での熱処理(脱水素)の各条件、及び試験片の寸法は試料No.1と同様である。
[評価]
上述のようにして作製した各試料について、密度および磁気特性を測定し、試験片の評価を行った。評価結果は、表1に示す。
(密度)
各試験片について、外径、高さ、重量を測定し、試験片の密度(g/cm3)を算出した。外径、高さの測定は、マイクロメーターを用いて行った。
(磁気特性)
各試験片を2.4MA/m(=30kOe)のパルス磁界で着磁した後、理研電子株式会社製直流BHトレーサを用いて磁化曲線を測定し、残留磁束密度Br(T)、固有保磁力iHc(kA/m)、磁束密度Bと減磁界の大きさHとの積の最大値である最大磁気エネルギー積(BH)max(kJ/m3)を求めた。測定時の温度は室温(25℃)とした。
Figure 2012186212
[評価結果]
表1の結果から、磁性部材の製造工程手順を、準備工程→水素化工程→成形工程→脱水素工程とし、水素化工程における熱処理に揺動式炉を用いた試料No.1と、上記製造工程手順において、水素化工程の前に原材料を粉砕した試料No.2は、密度、磁気特性ともに高いことがわかる。
磁性部材の製造工程の手順として、水素化工程を施して製造した磁石用粉末に圧縮成形を施し粉末成形体を形成し、この粉末成形体に脱水素処理を施すことで、結合樹脂を用いることなく、高密度の粉末成形体が製造できたと考えられる。かつ、水素化工程における熱処理に揺動式炉を用いたため、熱処理時に炉内の原材料への水素化を均一的に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石を得ることができたと考えられる。また、得られた希土類磁石に樹脂成分が含まれないことも、磁気特性の向上に寄与していると考えられる。特に、水素化工程の前に原材料を粉砕しなかった試料No.1では、粉砕時に発生する原材料の酸化が抑えられ、さらに磁気特性を向上することができた。
一方、磁性部材の製造工程の手順を、準備工程→水素化工程→脱水素工程→成形工程とした試料No.3では、試料No.1と比較して、密度、Br、(BH)maxが低いことがわかる。これは、水素雰囲気中での熱処理によって軟質化した原材料が、真空中での熱処理によって硬質に戻ってしまったためである。よって、試料No.3では、成形工程において、粉末を構成する磁性粒子の圧縮による緻密化が困難で、得られた粉末成形体の密度が低く、磁性相の割合が低いため、磁気特性が低くなったと考えられる。また、磁性粒子同士が接合困難で成形性が低いため、結合樹脂を混合してから圧縮成形し粉末成形体を形成したので、得られた希土類磁石に樹脂成分が含まれており、更に磁気特性が低くなったと考えられる。磁性部材の製造工程の手順は試料No.1と同様であるが、水素化工程における熱処理に静置式炉を用いた試料No.4は、試料No.1と比較して、密度、磁気特性ともに低いことがわかる。これは、水素化工程において、粉末化が不十分だった上、原材料同士が凝集してしまい、磁石用粉末の圧密性が低下したためであると考えられる。また、炉内の原材料への水素化が均一に行われなかったため、磁気特性の向上が望めなかったと考えられる。
以上のことより、本発明の磁性部材の製造方法によれば、結合樹脂を用いることなく、高密度の粉末成形体を製造することができ、希土類磁石の素材となる磁性部材を効率的に製造することができる。特に、樹脂成分を含まないので、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。かつ、水素化工程における熱処理に揺動式炉を用いるため、水素化を均一に施すことができ、高い磁気特性を有する希土類磁石の素材となる磁性部材を得ることができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、希土類元素の種類、磁石用粉末の平均粒径、各種の熱処理条件(加熱温度、保持時間)などを適宜変化させることができる。
本発明の磁性部材の製造方法は、各種モータ、特に、ハイブリッド車(HEV)やハードディスクドライブ(HDD)などに具備される高速モータに用いられる永久磁石の原料、素材の製造に好適に利用することができる。
1 磁性粒子 2 鉄含有物の相 3 希土類元素の水素化合物の相
4 粉末成形体 5 磁性部材 6 希土類磁石

Claims (5)

  1. 希土類系合金からなる磁性部材を製造する磁性部材の製造方法であって、
    添加元素に希土類元素(以下、Rで示す)と、Feと、B、C及びNから選択される1種(以下、Mで示す)とを含有するR-Fe-M系合金からなる原材料を準備する準備工程と、
    前記原材料を、水素を含む雰囲気中で、前記R-Fe-M系合金の不均化温度以上の温度で熱処理して磁石用粉末を製造する水素化工程と、
    前記磁石用粉末を圧縮成形して粉末成形体を形成する成形工程と、
    前記粉末成形体を、減圧雰囲気中又は不活性雰囲気中で、当該粉末成形体の再結合温度以上の温度で熱処理して磁性部材を形成する脱水素工程とを備え、
    前記水素化工程における熱処理は、揺動式炉を用いることを特徴とする磁性部材の製造方法。
  2. 前記RがNd、前記MがBであり、前記Ndの含有量が40体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性部材の製造方法。
  3. 前記原材料はストリップキャスト法によって得られたものを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性部材の製造方法。
  4. 前記水素化工程における熱処理温度が600〜950℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性部材の製造方法によって得られることを特徴とする磁性部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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