JP2024052784A - 有機電界発光素子用材料及び有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子用材料及び有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子及びそれに適する化合物を提供する。【解決手段】インドロカルバゾール環の一方のNにフェニル基、ビフェニリル基又はターフェニル基が置換し、他方のNに置換トリアジニル基が置換した構造の化合物から選ばれる有機EL素子用材料、及びこの材料を用いた有機EL素子である。ここで、トリアジニル基に置換する置換基はフェニル基又はビフェニリル基であり、インドロカルバゾール環のNに置換する芳香族環の総数は6~8個である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子膜及び有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)に関するものであり、詳しくは、特定の範囲の立体配座数を有する化合物を用いた有機EL素子用材料に関するものである。
有機EL素子に電圧を印加することで、陽極から正孔が、陰極からは電子がそれぞれ発光層に注入される。そして発光層において、注入された正孔と電子が再結合し、励起子が生成される。この際、電子スピンの統計則により、一重項励起子及び三重項励起子が1:3の割合で生成する。一重項励起子による発光を用いる蛍光発光型の有機EL素子は、内部量子効率は25%が限界であるといわれている。一方で三重項励起子による発光を用いる燐光発光型の有機EL素子は、一重項励起子から項間交差が効率的に行われた場合には、内部量子効率が100%まで高められることが知られている。
しかしながら、燐光発光型の有機EL素子に関しては、長寿命化が技術的な課題となっている。
さらに最近では、遅延蛍光を利用した高効率の有機EL素子の開発がなされている。例えば特許文献1には、遅延蛍光のメカニズムの一つであるTTF(Triplet-Triplet Fusion)機構を利用した有機EL素子が開示されている。TTF機構は2つの三重項励起子の衝突によって一重項励起子が生成する現象を利用するものであり、理論上内部量子効率を40%まで高められると考えられている。しかしながら、燐光発光型の有機EL素子と比較すると効率が低いため、更なる効率の改良が求められている。
一方で特許文献2では、TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence)機構を利用した有機EL素子が開示されている。TADF機構は一重項準位と三重項準位のエネルギー差が小さい材料において三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が生じる現象を利用するものであり、理論上内部量子効率を100%まで高められると考えられている。しかしながら燐光発光型素子と同様に寿命特性の更なる改善が求められている。
WO2010/134350号 WO2011/070963号 WO2008/056746号 WO2010/098246号 WO2011/136755号
特許文献3ではインドロカルバゾール化合物について、ホスト材料としての使用を開示している。
特許文献4ではインドロカルバゾール化合物を混合ホストとして使用することを開示している。
特許文献5ではインドロカルバゾール化合物を含む複数のホストを予備混合したホスト材料の使用を開示している。
しかしながら、いずれも十分なものとは言えず、更なる改良が望まれている。また、特定の範囲の立体配座数を持つ化合物を、有機電界発光素子用材料とすることを教えるものはない。
有機EL素子をフラットパネルディスプレイ等の表示素子に応用するためには、素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。本発明は、上記現状に鑑み、高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子及びそれに適する化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の範囲の立体配座数を持つ化合物を有機電界発光素子用材料とすることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記式で表される化合物から選ばれることを特徴とする有機電界発光素子用材料である。
Figure 2024052784000002
また、本発明は、一般式(1)で示され、芳香族炭化水素基及び/又は芳香族複素環基が連結した骨格構造を有し、置換基を含まない骨格構造の分子量が500以上1500以下であり、該骨格構造の配座探索計算により生成される立体配座の数が9~100000個となる構造を有することを特徴とする有機電界発光素子用化合物である。
Figure 2024052784000003
ここで、Arは独立に、置換若しくは未置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~24の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2~10連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基を示す。HetArは、置換若しくは未置換の炭素数3~24の芳香族複素環基を示す。zは2~5の整数を示す。
一般式(1)で表される化合物の中でも、一般式(2)で示され、配座探索計算により生成される立体配座の数が4×2個より大きく4×4n+1個以下である化合物が好ましい。ここで、nはAr2~Ar7の総数から4を引いた整数である。
Figure 2024052784000004
ここで、環Aは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(A2)で表される芳香環を示す。環Bは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(B2)で表される含窒素五員環を示す。
Lは、独立に式(c2)で表される置換若しくは未置換の芳香族基又は連結芳香族基であり、Ar1~Ar7はそれぞれ独立に、Ar1、Ar3及びAr5は2価の、Ar2はi+1価の、Ar4はh+1価の、Ar6はg+1価の、Ar7は1価の炭素数6~24の芳香族炭化水素基、又は炭素数3~16の芳香族複素環基を示し、これらの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、それぞれ独立に置換基Qを有してもよく、置換基を有する場合の置換基Qは、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、又はこれらの炭化水素基中の水素原子が重水素、又はハロゲンで置換された基である。
R1~R3は、それぞれ独立に、置換基Q、又はLを示す。
Lのうち少なくとも1つはAr2~Ar7の総数が4以上である。
a、b、cは置換数を示し、それぞれ独立に0~2の整数を示す。d、e、fは繰り返し数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示す。g、h、iは置換数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示す。
一般式(2)における全てのLに含まれるAr1~Ar7の数の合計が6以上10以下であることがよい。
一般式(2)で表される化合物としては、一般式(3)で示される有機電界発光素子用化合物がある。
Figure 2024052784000005
ここで、環Cは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(C3)で表される芳香環を示す。環Dは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(D3)で表される含窒素五員環を示す。Lは一般式(2)と同意であり、少なくとも一つのLにおけるAr2は、i+1価の置換又は未置換の炭素数3~9の芳香族複素環基を示す。
前記一般式(3)のLが、下記式(c5)で表される基であることができる。
Figure 2024052784000006
ここで、Ar1、Ar3~Ar7、d~iは、式(c2)と同意であり、Xはそれぞれ独立してCH、C-又は窒素を表し、Xのうち少なくとも一つは窒素を表す。
一般式(3)において、L中のiが2~4であり、そのi個の置換基がそれぞれ異なることができる。
一般式(3)において、L中のAr2~Ar7の何れかに、式(4)で示される部分構造を少なくとも1つ有することができる。好ましくは2つ以上有することができる。また、一般式(3)において、Lの何れか一つが式(c5)以外の式(c2)で表される基L2であって、L2中のAr2~Ar7の何れかに、式(4)で示される部分構造を少なくとも1つ有することがよい。
Figure 2024052784000007
一般式(3)において、L中のAr2~Ar7の何れかに、式(5)で示される部分構造を少なくとも1つ有することがよい。
Figure 2024052784000008
一般式(3)において、L中のAr1、Ar3~Ar7が炭素数6の芳香族炭化水素基であることがよい。また、一般式(3)において、Lの少なくとも一つが式(c5)であって、式(c5)中のAr3~Ar7に、式(5)で示される部分構造を少なくとも1つ有することができる。
本発明の好ましい態様を次に示す。
40℃におけるトルエンへの溶解度が1%以上である上記の有機電界発光素子用化合物。
他の態様は、上記の有機電界発光素子用化合物の少なくとも1種を含む有機電界発光素子用材料である。
他の態様は、上記の有機電界発光素子用材料からなる有機層を含む有機電界発光素子である。
他の態様は、上記の有機電界発光素子用材料を、溶媒に溶解又は分散してなる有機電界発光素子用組成物である。
他の態様は、上記の有機電界発光素子用組成物の塗膜からなる有機層を含む有機電界発光素子である。
上記有機層は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び電子阻止層から選ばれる少なくとも一つの層であることがよく、好ましくは発光層である。この発光層には発光性ドーパント材料を含有することができる。
本発明の有機電界発光素子用材料は、本発明の有機電界発光素子用化合物を含む。この化合物は、芳香族複素環を含む芳香環が複数連結した構造を有しており、かつ3次元的に様々な立体配座をとりうるため、立体配座の少ない構造を有する材料に比べ結晶性が低く、本発明の有機電界発光素子用材料を用いることで、アモルファス安定性の高い膜を形成することができる。
本発明の有機電界発光素子用化合物が、インドロカルバゾール骨格を有する化合物である場合は、酸化、還元、励起子の活性状態での安定性が高く、かつ耐熱性の高い有機電界発光素子用材料となり、これから形成された有機薄膜を用いた有機電界発光素子は、高い発光効率及び駆動安定性を示す。
本発明の有機電界発光素子用材料が、本発明の有機電界発光素子用化合物を少なくとも1種含む混合物である場合は、混合物を同一の有機電界発光素子層に用いることで、層内の正孔と電子のキャリアバランスを調整することが可能となり、より高性能な有機EL素子を実現できる。
加えて、本発明の有機電界発光素子用材料は、前述したように様々な立体構造をとりうるため、分子間のパッキングが弱く、有機溶剤への溶解性が高い。そのため、この材料は塗布プロセスにも適応可能である。
有機EL素子の一例を示した模式断面図である。 有機EL素子用化合物の加熱後のXRD測定チャートである。
以下に本発明を実施するための形態について、詳細に記載する。
本発明の有機電界発光素子用化合物は、置換基を含まない芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基の連結のみの骨格構造の分子量が500以上1500以下であり、当該骨格構造の配座探索計算により生成される立体配座の数が9~100000個となる構造を有し、上記一般式(1)で示される。
本発明の有機電界発光素子用化合物は、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基から選ばれる芳香族基の芳香族環が直接結合で連結した骨格構造を有し、これにアルキル基等の非芳香族の置換基を有し得る。すなわち、本明細書でいう骨格構造は芳香族環のみで構成され、それに置換する置換基を含まない。骨格構造は直鎖状であっても、分岐構造であってもよい。
上記骨格構造のみの分子量は、500~1500であるが、分子量が低すぎる場合、材料のアモルファス安定性が低下する可能性があり、分子量が高すぎる場合、蒸着製膜する際に必要な加熱温度が上昇し、材料が分解する可能性が高まる。そのため、分子量の範囲は500~1500であり、好ましくは600~1300、より好ましくは700~1100である。
また、本発明の有機電界発光素子用化合物は、配座探索計算により生成される立体配座の数が9~100000個となる骨格構造を有する。立体配座数が少なすぎる場合、材料のアモルファス安定性が低下する可能性がある。また、立体配座数が多すぎる場合、電荷の輸送や発光に関わる構造の体積分率が低下するため、電荷の輸送特性や発光特性が悪化し、優れた有機電界発光素子とならない。そのため、本発明の有機電荷発光素子用化合物が有する骨格構造の立体配座数の範囲は9~100000個であり、好ましくは12~50000個、より好ましくは15~20000である。
ここで、立体配座とは、分子の結合回転や結合方向により取りうる局所安定構造を示し、配座探索計算で生成される複数の立体配座は、お互いが立体配座異性体の関係にある。配座探索の計算は、CONFLEX(コンフレックス社製)やMacroModel(シュレディンガー社製)などのソフトウェアを用いた分子力場法による計算を実行することで、容易に立体配座異性体を求めることができる。好ましい具体的な計算方法は、実施例に記載する。ここで、本明細書でいう立体配座数は、上記骨格構造について計算されるものと解される。
一般式(1)において、Arは、独立に、置換若しくは未置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3~24の芳香族複素環基、又はこれらの芳香族環が2~10連結してなる置換若しくは未置換の連結芳香族基を示す。
Arの具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、インドロインドール、インドロカルバゾール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物から、水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、カルバゾール、インドール、インドロインドール、インドロカルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン又はナフチリジンから水素を除いて生じる基である。
一般式(1)において、HetArは、置換若しくは未置換の炭素数3~24の芳香族複素環基を示す。その具体例としては、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、インドロインドール、インドロカルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール等の芳香族複素環化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、カルバゾール、インドール、インドロインドール、インドロカルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン又はナフチリジンから水素を除いて生じる基である。除かれる水素はz個である。
一般式(1)において、zは2~5の整数を示すが、アモルファス安定性及び電荷の輸送特性の面から、2~4の整数であることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子用化合物の好ましい例として、上記一般式(2)又は一般式(3)で示される化合物がある。
一般式(2)において、環Aは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(A2)で表される芳香環を示す。環Bは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(B2)で表される含窒素五員環を示す。
Lは、独立に式(c2)で表される。Ar1~Ar7はそれぞれ独立に、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、又は炭素数3~16の芳香族複素環基を示し、これらの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、それぞれ独立に置換されていてもよく、その場合の置換基Qは重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数7~38のアラルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数2~40のジアルキルアミノ基、炭素数12~44のジアリールアミノ基、炭素数14~76のジアラルキルアミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数2~20のアシルオキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~20のアルキルスルホニル基、又はこれらの炭化水素基中の水素原子が重水素、又はハロゲンで置換された基を示す。
R1~R3は、それぞれ独立に、上記置換基Q、又はLを示す。
Lは2以上存在し得るが、そのうち少なくとも1つは、Lに含まれるAr2~Ar7の総数が4以上である。a、b、cは置換数を示し、それぞれ独立に0~2の整数を示す。d、e、fは繰り返し数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示す。g、h、iは置換数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示す。Ar2~Ar7の総数は、式(c2)中のe、f、g、h、iの数から算出可能である。
一般式(2)で示される化合物について、配座探索計算により生成される立体配座の数は、4×2個より大きく4×4n+1個以下であることが好ましいが、より好ましくは4×2個より大きく4×4個以下であり、さらに好ましくは4×2n+1個より大きく4×4個以下である。
ここでnは、Ar2~Ar7の総数から4を引いた整数であるが、このときnは1~7が好ましく、2~5であることがより好ましい。ここで、上記Ar2~Ar7の総数は、一般式(2)は、Lが2つ以上あるので、各LについてのAr2~Ar7の総数の合計であると解される。
一般式(2)において、Ar1~Ar7は、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、又は炭素数3~16の芳香族複素環基を示すが、その具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール等の芳香族化合物から、水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、カルバゾール、インドール、インドロインドール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン又はナフチリジンから水素を除いて生じる基である。
一般式(2)において、a、b、cは置換数を示し、それぞれ独立に0~2の整数を示すが、好ましくは0~1の整数を示す。
d、e、fは繰り返し数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示すが、好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0~3の整数である。
g、h、iは置換数を示し、それぞれ独立に0~5の整数を示すが、好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0~2の整数である。また、d、iのいずれかは1以上の整数であることがよい。
一般式(3)において、環Cは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(C3)で表される芳香環を示す。環Dは2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(D3)で表される含窒素五員環を示す。Lは一般式(2)と同意であり、何れか一つのLにおけるAr2は、i+1価の置換又は未置換の炭素数3~9の芳香族複素環基を示す。
一般式(3)の何れか一つのLが上記式(c5)で示されることが望ましい。式中、Xはそれぞれ独立してCH、C-又は窒素を表し、Xのうちすくなくとも一つ以上は窒素を表わす。Ar1、Ar3~Ar7、d~i等、一般式(2)と共通する記号はそれと同意である。
また、一般式(2)又は一般式(3)におけるL中に、上記式(4)で示される部分構造を少なくとも1つ有することが好ましい。式(4)で示される部分構造を有することで立体配座数がより好ましい値となる。
一般式(3)における式(c5)中の置換数iが2~4であり、その2~4つの置換基がそれぞれ異なる場合が好ましい。置換基が異なることで対称性がくずれ、より多くの立体配座を取りうる。
また、一般式(2)又は一般式(3)におけるL中に、上記式(4)で示される部分構造を少なくとも2つ以上有することが好ましい。上記式(5)で示される部分構造を少なくとも1つ有することがより好ましく、式(c5)中の含窒素六員環上に上記式(5)で示される部分構造を少なくとも1つ有することが更に好ましい。
一般式(2)又は一般式(3)におけるAr1、Ar3~Ar7が炭素数6の芳香族炭化水素基であることが好ましく、Ar1~Ar7の数の合計が6以上10以下であることが好ましい。
また、一般式(2)又は一般式(3)におけるLを構成するAr3~Ar7の何れかに、上記式(4)又は式(5)で示される部分構造を少なくとも1つ有することが望ましい。
以下に一般式(2)で表される有機電界発光素子用化合物の具体例を示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2024052784000009
Figure 2024052784000010
Figure 2024052784000011
Figure 2024052784000012
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Figure 2024052784000023
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Figure 2024052784000039
Figure 2024052784000040
本発明の有機電界発光素子用化合物は、単独で有機電界発光素子用材料として用いることもできるが、本発明の有機電界発光素子用化合物を複数用いることで、又はその他の化合物と混合して有機電界発光素子用材料として用いることで、さらにその機能を向上、又は不足していた特性を補うことができる。本発明の有機電界発光素子用化合物と混合して用いることができる好ましい化合物としては、公知の化合物であれば特に限定されるものではない。
本発明の有機電界発光素子用化合物又は材料は、有機電界発光素子を構成する正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び電子阻止層等の有機層材料として用いることができるが、その中でも正孔輸送層、電子阻止層、発光層、電子輸送層、正孔阻止層材料として用いることが好ましく、さらには、電子阻止層、発光層、正孔阻止層材料として用いることがより好ましい。
有機電界発光素子用材料を使用して、蒸着プロセスにて成膜する場合、本発明の化合物を1種又は2種以上で蒸着源から蒸着して有機層を形成してもよく、公知のホスト材料や燐光、蛍光、遅延蛍光等の発光性ドーパント材料などその他の化合物と同時に異なる蒸着源から蒸着して有機層を形成することもできる。また、蒸着前に本発明の化合物を2種以上で予備混合して予備混合物とし、その予備混合物を1つの蒸着源から同時に蒸着して有機層を形成することもできる。さらに、本発明の化合物を1種又は2種以上と公知のホスト材料や燐光、蛍光、遅延蛍光等の発光性ドーパント材料などと予備混合して予備混合物とし、その予備混合物を1つの蒸着源から同時に蒸着して有機層を形成することもできる。この場合、予備混合に用いる化合物と本発明の有機電界発光素子用化合物は、所望の蒸気圧となる温度差が30℃以下であることが好ましい。
有機電界発光素子用材料は、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、インクジェット法、印刷法等の種々塗布プロセスにも適用することができる。この場合、本発明の有機電界発光素子用材料を溶剤に溶解又は分散させた溶液(有機電界発光素子用組成物ともいう。)を基板上に塗布した後、加熱乾燥により溶剤を揮発させることで有機層を形成することができる。この際、用いる溶剤は1種類であってもよく、2種類以上の混合でもよい。また、溶液中には本発明以外の化合物として、公知のホスト材料や燐光、蛍光、遅延蛍光等の発光性ドーパント材料を含んでもよく、特性を阻害しない範囲で表面改質剤や分散剤などの添加剤等を含んでもよい。
次に、本発明の材料を用いて作製する素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機電界発光素子の構造はこれに限定されない。
図1は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を表す。本発明の有機EL素子は発光層と隣接して励起子阻止層を有してもよく、また発光層と正孔注入層との間に電子阻止層を有しても良い。励起子阻止層は発光層の陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。本発明の有機電界発光素子では、陽極、発光層、そして陰極を必須の層として有するが、必須の層以外に正孔注入輸送層、電子注入輸送層を有することが良く、更に発光層と電子注入輸送層の間に正孔阻止層を有することがよい。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか、または両者を意味し、電子注入輸送層は、電子注入層と電子輸送層のいずれかまたは両者を意味する。
図1とは逆の構造、すなわち基板1上に陰極7、電子輸送層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、この場合も必要により層を追加、省略することが可能である。
―基板―
本発明の有機電界発光素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については特に制限はなく、従来から有機電界発光素子に用いられているものであれば良く、例えばガラス、透明プラスチック、石英等からなるものを用いることができる。
―陽極―
有機電界発光素子における陽極材料としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3-ZnO)等の非晶質で、透明導電膜を作成可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成しても良く、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合(100μm以上程度)は、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは有機導電性化合物のような塗布可能な物質を用いる場合には印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。膜厚は材料にもよるが、通常10~1000nm、好ましくは10~200nmの範囲で選ばれる。
―陰極―
一方、陰極材料としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物からなる材料が用いられる。このような電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム―カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの陰極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm~5μm、好ましくは50~200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機電界発光素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度は向上し、好都合である。
また、陰極に上記金属を1~20nmの膜厚で形成した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に形成することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
―発光層―
発光層は陽極及び陰極のそれぞれから注入された正孔及び電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層であり発光層には発光性ドーパント材料とホスト材料を含む。
本発明の有機電界発光素子用材料は、発光層におけるホスト材料としては好適に用いられる。更に、公知のホスト材料を1種又は複数種類併用しても良いが、その使用量はホスト材料の合計に対し、5wt%以上95wt%以下であり、好ましくは20wt%以上80wt%以下とすることがよい。
使用できる公知のホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する化合物であることが好ましい。
このような他のホスト材料は、多数の特許文献等により知られているので、それらから選択することができる。ホスト材料の具体例としては、特に限定されるものではないが、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8‐キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
有機電界発光素子用材料は、蒸着源から蒸着するか、溶剤に溶解させ溶液とした後に正孔注入輸送層上に塗布、乾燥することで、発光層を形成することができる。
有機電界発光素子用材料を蒸着して有機層を形成する場合、本発明の材料と共に、その他のホスト材料、及びドーパントを異なる蒸着源から蒸着してもよいし、蒸着前に予備混合して予備混合物とすることで1つの蒸着源から複数のホスト材料やドーパントを同時に蒸着することもできる。
有機電界発光素子用材料の溶液を塗布、乾燥して発光層を形成する場合、その下地となる正孔注入輸送層に用いる材料は発光層溶液に用いた溶剤に対する溶解性が低いことが好ましい。
発光性ドーパント材料としては、蛍光発光ドーパント、燐光発光ドーパント、遅延蛍光発光ドーパントのいずれを用いても良いが、発光効率の面では燐光発光ドーパントと遅延蛍光発光ドーパントが好ましい。また、これらの発光性ドーパントは1種類のみが含有されていてもよく、2種類以上のドーパントが含有されていても良い。
燐光発光ドーパントとしては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体を含有するものがよい。具体的には、J.Am.Chem.Soc.2001,123,4304や特表2013-53051号公報に記載されているイリジウム錯体が好適に用いられるが、これらに限定されない。また、燐光発光ドーパント材料の含有量はホスト材料に対して0.1~30wt%であることが好ましく、1~20wt%であることがより好ましい。
燐光発光ドーパント材料は、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。
Figure 2024052784000041
Figure 2024052784000042
蛍光発光ドーパントを使用する場合、蛍光発光ドーパントとしては、特に限定されないが例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリジン化合物、8-キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等が挙げられる。好ましくは縮合芳香族誘導体、スチリル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、オキサジン誘導体、ピロメテン金属錯体、遷移金属錯体、又はランタノイド錯体が挙げられ、より好ましくはナフタレン、ピレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベンゾ[a]アントラセン、ペンタセン、ペリレン、フルオランテン、アセナフソフルオランテン、ジベンゾ[a,j]アントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]ナフタレン、ヘキサセン、ナフト[2,1-f]イソキノリン、α‐ナフタフェナントリジン、フェナントロオキサゾール、キノリノ[6,5-f]キノリン、ベンゾチオファントレン等が挙げられる。これらは置換基としてアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、又はジアリールアミノ基を有しても良い。また、蛍光発光ドーパント材料の含有量は、ホスト材料に対して0.1~20%であることが好ましく、1~10%であることがより好ましい。
熱活性化遅延蛍光発光ドーパントを使用する場合、熱活性化遅延蛍光発光ドーパントとしては、特に限定されないがスズ錯体や銅錯体等の金属錯体や、WO2011/070963号公報に記載のインドロカルバゾール誘導体、Nature 2012,492,234に記載のシアノベンゼン誘導体、カルバゾール誘導体、Nature Photonics 2014,8,326に記載のフェナジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、スルホン誘導体、フェノキサジン誘導体、アクリジン誘導体等が挙げられる。また、熱活性化遅延蛍光発光ドーパント材料の含有量は、ホスト材料に対して0.1~90%であることが好ましく、1~50%であることがより好ましい。
-注入層-
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
-正孔阻止層-
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで発光層中での電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔阻止層には、本発明の材料を含有させることが好ましいが、公知の正孔阻止層材料を用いることもできる。
-電子阻止層-
電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで発光層中での電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
電子阻止層の材料としては、公知の電子阻止層材料を用いることができ、また後述する正孔輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。電子阻止層の膜厚は好ましくは3~100nmであり、より好ましくは5~30nmである。
-励起子阻止層-
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は2つ以上の発光層が隣接する素子において、隣接する2つの発光層の間に挿入することができる。
励起子阻止層の材料としては、公知の励起子阻止層材料を用いることができる。例えば、1,3-ジカルバゾリルベンゼン(mCP)や、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)-4-フェニルフェノラトアルミニウム(III)(BAlq)が挙げられる。
-正孔輸送層-
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。正孔輸送層には従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。かかる正孔輸送材料としては例えば、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン誘導体、アリールアミン誘導体及びスチリルアミン誘導体を用いることが好ましく、アリールアミン化合物を用いることがより好ましい。
-電子輸送層-
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。電子輸送層には、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントロリン等の多環芳香族誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム(III)誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、ビピリジン誘導体、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体等が挙げられる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を超えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。
有機電界発光素子用化合物として例示した化合物300、122、337、338、335、339、019、600、161、181、160、及び比較のための化合物1~10について、配座探索計算を実施した。配座探索計算は、CONFLEX(コンフレックス社製)という計算ソフトウェアに計算対象構造の原子座標および結合様式を入力し、局所安定構造からの配座探索範囲を20kcal/molに設定した上で、分子力学法(力場:MMFF94s)により計算した。配座探索計算により生成される立体配座の算出結果を表1に示す。なお、上記化合物はいずれも、芳香族環が連結した構造を有し、非芳香族置換基を有しないので、化合物自体が置換基を含まない骨格構造となる。
化合物番号は、上記例示化合物に付した番号および下記の比較のための化合物に付した番号に対応する。
Figure 2024052784000043
また、上記化合物について、トルエンへの溶解性試験を行った結果を表1に示す。溶解性試験は、各化合物が1wt%となるようにトルエンを添加し、それを水温40℃の水浴にて15分間超音波撹拌した後の溶け残りの有無で判定した。溶解性試験において、Aは溶け残り無し、Bは溶け残り有りを意味する。
Figure 2024052784000044
実施例12
膜厚110nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを25nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを30nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を10nmの厚さに形成した。そして、ホストとして化合物300を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が10wt%となる蒸着条件で共蒸着した。次に、電子輸送層としてET-1を20nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
実施例13~18
実施例12において、ホストとして化合物122、019、600、161、181、又は160のいずれかを用いた以外は実施例12と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例11~13
実施例12において、ホストとして化合物1、2、又は3のいずれかを用いた以外は実施例12と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例12~18及び比較例11~13で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることがわかった。
作製した有機EL素子の輝度、駆動電圧、輝度半減寿命を表2に示す。
表2~8において、電圧、輝度、電流効率、電力効率は駆動電流20mA/cm2時の値であり、初期特性である。LT90は、初期輝度9000cd/m2時に輝度が初期輝度の90%まで減衰するまでにかかる時間であり、寿命特性である。なお、いずれの特性(電圧、輝度、LT90)も、基準比較例(表2では比較例11)の特性を100%とした相対値で表記してある。
Figure 2024052784000045
実施例19
膜厚110nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを25nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを30nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を10nmの厚さに形成した。そして、ホストとして化合物338を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が10wt%となる蒸着条件で共蒸着した。次に、電子輸送層としてET-1を20nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
実施例20、比較例14~15
実施例19において、ホストとして化合物337、化合物4、化合物5のいずれかを用いた以外は実施例19と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例19~20及び比較例14~15で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることがわかった。
作製した有機EL素子の特性を表3に示す。基準比較例は比較例14である。
Figure 2024052784000046
実施例21
膜厚110nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを25nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを30nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を10nmの厚さに形成した。そして、ホストとして化合物335を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が10wt%となる蒸着条件で共蒸着した。次に、電子輸送層としてET-1を20nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
比較例16
実施例21において、ホストとして化合物6を用いた以外は実施例21と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例21及び比較例16で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることがわかった。
作製した有機EL素子の特性を表4に示す。規準比較例は、比較例16である。
Figure 2024052784000047
実施例22
膜厚110nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを25nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを30nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を10nmの厚さに形成した。そして、ホストとして化合物339を、発光ドーパントとしてIr(ppy)3をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに発光層を形成した。この時、Ir(ppy)3の濃度が10wt%となる蒸着条件で共蒸着した。次に、電子輸送層としてET-1を20nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
比較例17
実施例22において、ホストとして化合物7を用いた以外は実施例22と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例22及び比較例17で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることがわかった。
作製した有機EL素子の特性を表5に示す。規準比較例は比較例17である。
Figure 2024052784000048
実施例27
溶媒洗浄、UVオゾン処理した膜厚150nmからなるITO付ガラス基板に、正孔注入層としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS):(エイチ・シー・シュタルク株式会社製、商品名:クレビオスPCH8000)を膜厚25nmで製膜した。次に、HT-2:BBPPA=5:5(モル比)の比率で混合した混合物をテトラヒドロフランに溶解して0.4wt%溶液に調製し、スピンコート法により20nm製膜した。次に、嫌気条件下150℃、1時間ホットプレートで溶媒除去し、加熱、硬化を行った。この熱硬化膜は、架橋構造を有している膜であり、溶剤に不溶である。この熱硬化膜は、正孔輸送層(HTL)である。そしてホストとして化合物300を発光ドーパントとしてIr(ppy)3を用い、ホスト:ドーパントの比が95:5(重量比)となるトルエン溶液(1.0wt%)を調製し、スピンコート法により発光層として40nmを製膜した。その後、真空蒸着装置を用いて、Alqを35nm、陰極としてLiF/Alを膜厚170nmで製膜し、この素子をグローブボックス内で封止することにより有機電界発光素子を作製した。
実施例28~29、比較例20
実施例27において、ホストとして化合物160、122、又は1を用いた以外は実施例27と同様にして有機EL素子を作製した。
実施例27~29及び比較例20で作製された有機EL素子は、これに外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれも極大波長530nmの発光スペクトルが観測され、Ir(ppy)3からの発光が得られていることがわかった。
作製した有機EL素子の特性を表6に示す。なお、基準比較例は比較例20である。
Figure 2024052784000049
以上の結果より、特定の範囲の立体配座数を持つ化合物をホストとして使用すると、その範囲外の立体配座数を持つ化合物をホストとして使用した場合と比較し、寿命特性が著しく伸長することがわかる。
実施例で使用した化合物を次に示す。
Figure 2024052784000050
実施例35~36、比較例22~23
本発明の有機電界発光素子用材料である化合物300と122、及び比較の化合物1と2のいずれかをシリコン基板上へ真空蒸着法により成膜することで、有機薄膜を形成した。この有機薄膜を形成した基板を、窒素雰囲気下にて材料のガラス転移温度で24時間加熱した後、薄膜の目視観察及び面外(out-of-plane)X線回折の測定により、アモルファス安定性を評価した。
実施例35~36及び比較例22~23で評価したアモルファス安定性の結果を表7に示す。薄膜の状態において、Cは結晶化を示し、Aは結晶化せずを示す。また、実施例33及び比較例24の加熱後のXRD測定結果を図2に示す。実施例35は実線で示し、比較例22は点線で示す。
Figure 2024052784000051
以上の結果より、比較の化合物の薄膜は加熱後に結晶化していることが観測されたが、本発明の有機電界発光素子用材料の薄膜は、加熱後も結晶化は見られず、アモルファス安定性が高いことが確認された。
本発明の有機電界発光素子用化合物を用いた有機電界発光素子は、優れた発光特性と優れた寿命特性を有する。
1 基板、2 陽極、3 正孔注入層、4 正孔輸送層、5 発光層、6 電子輸送層、7 陰極

Claims (7)

  1. 下記式で表される化合物から選ばれることを特徴とする有機電界発光素子用材料。
    Figure 2024052784000052
  2. 請求項1に記載の有機電界発光素子用材料を含む有機層を有する有機電界発光素子。
  3. 請求項1に記載の有機電界発光素子用材料を、溶媒に溶解又は分散してなる有機電界発光素子用組成物。
  4. 請求項3に記載の有機電界発光素子用組成物の塗膜からなる有機層を含む有機電界発光素子。
  5. 前記有機層が、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び電子阻止層から選ばれる少なくとも一つの層である請求項2又は4に記載の有機電界発光素子。
  6. 有機層が発光層であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記発光層に発光性ドーパント材料を含有することを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
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