JP2024052075A - 掛け布団、及び掛け布団の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保温機能を発揮する部分が腹周りからずれることが抑制される掛け布団、及び掛け布団の製造方法を提供する。【解決手段】長方形状の側地2と、表地21と裏地22との間において仕切られた複数の内部空間のそれぞれに内容物が充填されることによって形成された複数の隆起部3と、を備え、側地2は、第1方向D1に延在すると共に第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って並ぶ長辺2c,2dと、第2方向D2に延在すると共に第1方向D1に沿って並ぶ一対の短辺2eと、を有し、複数の隆起部3は、領域R1から長辺2c,2dのそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在し、かつ第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在する隆起部31と、隆起部31の周囲に位置する隆起部32と、を含み、隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物の量は、隆起部32に充填されている単位体積当たりの内容物の量よりも多い。【選択図】図1
Description
本開示は、掛け布団、及び掛け布団の製造方法に関する。
特許文献1には、腹周りを保温して局部的に冷やさないようにした夏用掛け布団が記載されている。この夏用掛け布団では、布団本体の中央部分に羽毛が充填されることによって、使用者の腹周りを保温する。更に、襟周りや足元には羽毛が充填されていないので、使用者に涼しく感じさせることができる。
ところで、掛け布団は、使用者が睡眠時に寝返りを打つときに、腹周りからずれてしまうことがある。それにより、使用者の腹周りを保温することができなくなることが懸念される。
本開示は、保温機能を発揮する部分が腹周りからずれることが抑制される掛け布団、及び掛け布団の製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係る掛け布団では、(1)長方形状の表地が長方形状の裏地に重ね合わされると共に、表地の外縁と裏地の外縁とが互いに縫い合わされた長方形状の側地と、表地と裏地との間において仕切られた複数の内部空間のそれぞれに内容物が充填されることによって形成された複数の隆起部と、を備える。側地は、第1方向に延在すると共に第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、第2方向に延在すると共に第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有する。複数の隆起部は、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に延在する第1隆起部と、第1隆起部の周囲に位置する第2隆起部と、を含む。第1隆起部に充填されている単位体積当たりの内容物の量は、第2隆起部に充填されている単位体積当たりの内容物の量よりも多い。
この掛け布団では、第1隆起部が、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に延在する。使用者の腹周りに第2方向の中央を含む領域が配置されるように掛け布団が使用者に掛けられた場合、第2方向の中央を含む領域に第1隆起部が配置されるので、使用者の腹周りは保温される。単位体積当たりの内容物の量が第2隆起部よりも多い第1隆起部によって腹周りを保温できるので、腹周りにおける高い保温機能を発揮できる。また、第1隆起部は、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在するので、この掛け布団が使用者に掛けられると、使用者の身体の両側に第1隆起部が位置することとなる。よって、使用者の身体の両側に単位体積あたりの内容物の量が多い第1隆起部が配置されるので、第1隆起部を重しとして機能させることができる。これにより、使用者が寝返りを打ったときにも、使用者の身体の両側に位置する第1隆起部が重しとして機能するので、掛け布団がずれることが抑制される。したがって、第1隆起部によって、高い保温機能を発揮できると共に、使用者の身体から掛け布団がずれることを抑制できる。
(2)上記(1)において、第1隆起部は、側地の第2方向の中央を含む領域から4方向に延在していてもよい。この場合、第1隆起部は、側地の第2方向の中央を含む領域からX字状に放射状に延在する。よって、掛け布団が使用者の身体に掛けられたときに、第1隆起部が使用者の身体に対して4方向に延びるように配置される。したがって、使用者の腹周りの保温機能を一層高めることができる。この掛け布団では、側地の第2方向の両側のそれぞれにおいて2つずつの第1隆起部が配置される。よって、使用者が寝返りを打ったときに掛け布団がずれることがより確実に抑制される。
(3)上記(1)又は(2)において、上記の掛け布団は、側地の第1方向の第1端部において第2方向に沿って並ぶ一対の第1隆起部と、側地の第1方向の第1端部において一対の第1隆起部の間に位置する第2隆起部と、を有してもよい。この場合、使用者の首周りが上記一対の第1隆起部の間に位置するように掛け布団が掛けられることによって、第2隆起部が使用者の首周りを覆う。第2隆起部の単位体積当たりの内容物の量は第1隆起部の単位体積当たりの内容物の量よりも少ないので、第2隆起部は使用者の首の形に適合しやすい。第2方向において一対の第1隆起部が使用者の首周りを挟みこむことができる。したがって、使用者の首に冷気が入り込むことを抑制することができる。その結果、使用者を保温することができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、側地の第2方向の中央に位置する第1隆起部に充填されている単位体積当たりの内容物の量は、側地の第2方向の中央と異なる領域に位置する第1隆起部に充填されている単位体積当たりの内容物の量よりも多くてもよい。この場合、使用者の腹周りに第2方向の中央を含む領域が位置するように掛け布団が掛けられる場合、単位体積あたりの内容物の量がより多い第1隆起部が使用者の腹周りに配置される。したがって、使用者の腹周りをより確実に保温できる。
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、上記の掛け布団は、表地と裏地との間において、表地及び裏地に重ね合わされる長方形状の中間生地を更に備えてもよく、中間生地の外縁は、表地の外縁、及び裏地の外縁の少なくともいずれかと縫い合わされてもよい。第1隆起部は、表地と中間生地との間に位置してもよく、複数の隆起部は、中間生地と裏地との間に位置する複数の第3隆起部を含んでもよい。平面視において、第1隆起部を形成する縫い目の延在方向が、第3隆起部を形成する縫い目の延在方向とは異なっていてもよい。表地と中間生地とを縫い合わせる縫い目と、中間生地と裏地とを縫い合わせる縫い目とが平面視において重なる箇所では、表地と裏地との間に内容物が配置されない。よって、上記箇所は、外気が入りやすく、保温する能力は低い。上記掛け布団では、平面視において、第1隆起部を形成する縫い目の延在方向が、第3隆起部を形成する縫い目の延在方向と異なっている。よって、第1隆起部を形成する縫い目と、第3隆起部を形成する縫い目とが重なる部分を少なくすることができる。これにより、内容物が含まれないことにより保温する能力が低下している部分を少なくすることができるので、保温機能を一層高めることができる。
(6)上記(5)では、第2方向において互いに隣り合う複数の第3隆起部のうち、側地の第2方向の中央により近い第3隆起部は、側地の第2方向の中央からより遠い第3隆起部よりも側地の第1方向の第2端部に寄っていてもよい。人間の身体の形は、頂点が足先に位置する三角形状を呈する。側地の第2方向の中央により近い第3隆起部が側地の第1方向の第2端部に寄っていることにより、第3隆起部の第2方向における並び方を上記三角形状に倣った形状とすることができる。よって、使用者の身体の形状に適合することができるので、身体に対するフィット性を高めることができる。
本開示に係る掛け布団の製造方法は、(7)長方形状の表地が長方形状の裏地に重ね合わされると共に、表地の外縁と裏地の外縁とが互いに縫い合わされ、第1方向に延在すると共に第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、第2方向に延在すると共に第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有する長方形状の側地を備える掛け布団の製造方法である。この掛け布団の製造方法は、裏地に表地を重ね合わせて、表地の外縁と裏地の外縁とにおける、内容物を注入する注入器が入り込む箇所以外の部分を縫い合わせることで側地を形成する工程と、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のうちの一方に向かって延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に表地と裏地とを縫い合わせることで、一対の第1直縫い部を形成する工程と、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のうちの他方に向かって延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に表地と裏地とを縫い合わせることで、一対の第2直縫い部を形成する工程と、一対の第1直縫い部と、一対の第2直縫い部とによって画定される第1内部空間に注入器を挿入し、第1内部空間に内容物を注入する工程と、注入器を外し、第1内部空間を封止する工程と、を備える。この製造方法では、第1内部空間に前述した第1隆起部を形成できるので、前述した掛け布団と同様の効果が得られる。
本開示に係る掛け布団の製造方法は、長方形状の表地と長方形状の裏地との間に長方形状の中間生地が位置するように、表地と中間生地と裏地とが互いに重ね合わされ、第1方向に延在すると共に第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、第2方向に延在すると共に第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有する長方形状の側地を備える掛け布団の製造方法である。この掛け布団の製造方法は、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のうちの一方に向かって延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に延びる一対の第1マチ部を中間生地に形成する工程と、第2方向の中央を含む領域から一対の長辺のうちの他方に向かって延在し、かつ第1方向及び第2方向の双方に傾斜する方向に延びる一対の第2マチ部を中間生地に形成する工程と、中間生地に表地を重ね合わせて、表地の外縁と、中間生地の外縁とにおける内容物を注入する注入器が入り込む箇所以外の部分を縫い合わせる工程と、表地、中間生地、第1マチ部及び第2マチ部によって画定された内部空間に注入器を挿入し、内部空間に内容物を注入する工程と、注入器を外し、内部空間を封止する工程と、を備える。内容物を注入する工程では、内部空間に注入される単位体積当たりの内容物の量が、内部空間と異なる部分に注入される単位体積当たりの内容物の量より多くなるように内容物を注入する。この製造方法では、当該内部空間に前述した第1隆起部を形成できるので、前述した掛け布団と同様の効果が得られる。
本発明によれば、保温機能を発揮する部分が腹周りからずれることが抑制される掛け布団、及び掛け布団の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本開示に係る掛け布団、及び掛け布団の製造方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る掛け布団1の平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。掛け布団1は、羽毛布団であり、例えばベッドのマットレスの上に載せられて使用される。本実施形態に係る掛け布団1は、例えば、合い掛け布団である。一例として、掛け布団1は夏季に用いられる薄手の掛け布団である。夏季に用いられる薄手の掛け布団であっても、ずれて使用者の腹周りを覆わなくなってしまった場合、使用者のお腹が冷える懸念がある。本実施形態に係る掛け布団1では、後に詳述する複数の隆起部3を備えることにより、身体からの掛け布団1のずれを抑制し、使用者の腹周りを保温することが可能である。
図1は、第1実施形態に係る掛け布団1の平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。掛け布団1は、羽毛布団であり、例えばベッドのマットレスの上に載せられて使用される。本実施形態に係る掛け布団1は、例えば、合い掛け布団である。一例として、掛け布団1は夏季に用いられる薄手の掛け布団である。夏季に用いられる薄手の掛け布団であっても、ずれて使用者の腹周りを覆わなくなってしまった場合、使用者のお腹が冷える懸念がある。本実施形態に係る掛け布団1では、後に詳述する複数の隆起部3を備えることにより、身体からの掛け布団1のずれを抑制し、使用者の腹周りを保温することが可能である。
掛け布団1は、全体として長方形状を呈する。第1方向D1は、掛け布団1の長手方向である。第2方向D2は、掛け布団1の短手方向である。掛け布団1は、側地2と、側地2に形成された複数の隆起部3とを有する。側地2は、掛け布団1の最も外側を構成する生地である。側地2は、長方形状を呈する。側地2は、端部2a(第1端部)と、端部2b(第2端部)とを有する。端部2aは、側地2の第1方向D1の一端に位置する。端部2bは、側地2の第1方向D1の他端に位置する。掛け布団1は、端部2bが使用者の足側を向き、端部2aが使用者の頭側を向くように使用者の身体に掛けられて使用される。
側地2は、表地21と、裏地22とを有する。表地21は、長方形状を呈する。裏地22は、長方形状を呈する。例えば、表地21が有する長辺の長さ及び短辺の長さのそれぞれは、裏地22が有する長辺の長さ及び短辺の長さのそれぞれと等しい。側地2は、表地21が裏地22に重ね合わされると共に、表地21の外縁と裏地22の外縁とが互いに縫い合わされて形成される。側地2は、長辺2c,2d(一対の長辺)と、一対の短辺2eとを有する。長辺2c,2dは、第1方向D1に延在する。長辺2c,2dは、第2方向D2に沿って並んでいる。一対の短辺2eのそれぞれは、第2方向D2に延在する。一対の短辺2eは、第1方向D1に沿って並んでいる。
隆起部3は、内容物Cが側地2の内部に収容されることによって盛り上がった部分である。すなわち、複数の隆起部3は、表地21と裏地22との間において仕切られた複数の内部空間のそれぞれに内容物Cが充填されることによって形成されている。内容物Cは、例えば羽毛である。より詳細には、内容物Cは、チャイナホワイトダックの羽毛である。隆起部3は、縫い目3a,3bから第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する方向(掛け布団1の厚さ方向)に盛り上がっている。縫い目3aは、後述する隆起部31(第1隆起部)を画定する縫い目である。縫い目3bは、縫い目3a以外の縫い目である。縫い目3a,3bは、表地21及び裏地22を互いに接合させるための縫い目(直縫い部)である。複数の隆起部3は、隆起部31(第1隆起部)と、隆起部32(第2隆起部)とを含む。例えば、隆起部31及び隆起部32のそれぞれの平面視における形状は三角形状、四角形状又は五角形状である。
領域R1は、側地2の第2方向D2の中央を含む領域である。領域R1は、矩形の形状を有する。なお、領域R1は菱形状とされていてもよく、領域R1の形状は特に限定されない。領域R2は、隆起部31が配置されている領域のうち、領域R1と異なる領域である。領域R2は、領域R1(領域R1の隣接位置)から長辺2c,2dのそれぞれに向かって延在している。領域R2は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。第1方向D1に対する領域R2の延在方向の傾斜角度は、例えば、10°以上かつ70°以下である。しかしながら、当該傾斜角度は、15°以上、20°以上、25°以上、30°以上、又は40°以上であってもよいし、65°以下、60°以下、又は50°以下であってもよい。図1では、当該傾斜角度が45°である例を示している。領域R2は、領域R1から4方向に延在している。例えば、領域R2は、領域R1からX字状に放射状に延在している。領域R2は、領域R1から少なくとも2方向に延在してもよい。
4個の領域R2のうちの2個は、領域R1から長辺2cに向かって延在している。長辺2cに向かって延在している一対の領域R2のうちの一方は、領域R1から端部2aに向かって延在している。長辺2cに向かって延在している一対の領域R2のうちの他方は、領域R1から端部2bに向かって延在している。4個の領域R2のうちの2個は、領域R1から長辺2dに向かって延在している。長辺2dに向かって延在している一対の領域R2のうちの一方は、領域R1から端部2aに向かって延在している。長辺2dに向かって延在している一対の領域R2のうちの他方は、領域R1から端部2bに向かって延在している。
領域R1から端部2aに延びる一対の領域R2は、長辺2c(又は長辺2d)及び短辺2eにまで達している。すなわち、端部2aにおいて、一対の隆起部31が第2方向D2に沿って並んでいる。例えば、領域R1から端部2bに延びる一対の領域R2は、長辺2c(又は長辺2d)に達しているが、端部2bには達していない。すなわち、本実施形態において、使用者の足側に位置する端部2bには隆起部31が設けられていない。しかしながら、上記の例とは異なり、一対の領域R2の少なくともいずれかが端部2bに達していてもよい。
複数の隆起部31(領域R1及び領域R2)に充填されている内容物Cの重量の総和(以下では「第1重量」とする)は、複数の隆起部31以外(複数の隆起部32)に充填されている内容物Cの重量の総和(以下では「第2重量」とする)よりも多い。第1重量は、例えば、第2重量より多く、かつ第2重量の5倍以下である。第1重量は、第2重量の1.1倍以上、1.5倍以上、又は2倍以上であってもよい。第1重量は、第2重量の3倍以下、2.5倍以下、又は2倍以下であってもよい。一例として、第1重量は、第2重量の2倍である。すなわち、第2重量が100gである場合には、第1重量は200gである。
隆起部31は、表地21と裏地22との間に形成された側地2の内部の空間である内部空間S1,S2を有する。内部空間S1は隆起部31の内部空間であり、内部空間S2は隆起部32の内部空間である。平面視において(第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する方向に沿って見たときに)第2方向D2の中央に位置する領域R1に形成される隆起部31の内部空間S1は、表地21と、裏地22と、縫い目3aとによって画定される。当該中央に位置する領域R1以外の領域R2に形成される隆起部31の内部空間S1は、表地21と、裏地22と、縫い目3a,3bとによって画定される。
領域R1に位置する隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量は、領域R2に位置する隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量よりも多い。「内容物Cの量」は、内容物Cの重量を示している。領域R1に位置する隆起部31の平面視における単位面積当たりの内容物Cの重量が、領域R2に位置する隆起部31の平面視における単位面積当たりの内容物Cの重量より大きくてもよい。すなわち、平面視における領域R1の面積で、領域R1に位置する隆起部31に充填されている内容物Cの重量を割った値が、平面視における領域R2の総面積で、領域R2に位置する複数の隆起部31に充填されている内容物Cの重量の総和を割った値よりも大きくてもよい。
隆起部32は、隆起部31の周囲に位置する。隆起部32は、端部2aにおいて第2方向D2に沿って並ぶ一対の隆起部31の間に位置する。更に、領域R1から長辺2cに向かって延在している一対の隆起部31の間、長辺2dに向かって延在している一対の隆起部31の間、及び、端部2bに向かって延在している一対の隆起部31の間、のそれぞれに隆起部32が設けられる。
端部2aにおいて第2方向D2に沿って並ぶ一対の隆起部31の間に位置する複数の隆起部32に充填される内容物Cの重量の総和は、例えば、5gである。長辺2cに向かって延在している一対の隆起部31の間に位置する複数の隆起部32に充填される内容物Cの重量の総和は、例えば、10gである。長辺2dに向かって延在している一対の隆起部31の間に位置する複数の隆起部32に充填される内容物Cの重量の総和は、例えば、10gである。端部2bに向かって延在している一対の隆起部31の間に位置する複数の隆起部32に充填される内容物Cの重量の総和は、例えば、75gである。一例として、複数の隆起部31に充填された内容物Cの重量の総和と、複数の隆起部32に充填された内容物Cの重量の総和との比は、2:1である。
隆起部32は、例えば、内部空間S1よりも容積が小さい内部空間S2を有する。内部空間S2は、表地21と、裏地22と、縫い目3a及び縫い目3bの少なくとも一方とによって画定される。隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量は、隆起部32に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量よりも多い。隆起部31の平面視における単位面積当たりの内容物Cの重量が、隆起部32の平面視における単位面積当たりの内容物Cの重量より多くてもよい。すなわち、平面視における領域R1及び領域R2の面積の和で、複数の隆起部31に充填されている内容物Cの重量の総和を割った値が、平面視における領域R1及び領域R2以外の領域の総面積で、複数の隆起部32に充填されている内容物Cの重量の総和を割った値よりも大きくてもよい。
図3の(a)、図3の(b)、及び図3の(c)は、本実施形態に係る掛け布団1の製造方法の例を説明するための図である。まず、図3の(a)に示されるように、裏地22に表地21を重ね合わせて、スリット1a,1b,1c以外の箇所において、表地21の外縁と裏地22の外縁とを縫い合わせる。スリット1a,1b,1cは、表地21と裏地22とが互いに縫い合わされていない箇所に相当する。スリット1a,1b,1cは、内容物Cを注入する注入器(ノズル)を挿入する箇所である。スリット1aは、例えば、端部2aに設けられている。例えば、一対のスリット1bのそれぞれが長辺2c,2dのそれぞれに設けられている。スリット1cは、例えば、端部2bに設けられている。
次に、図3の(b)に示されるように、側地2の第2方向D2の中央を含む領域から長辺2c(図3の(b)では左側)に向かって延在し、かつ第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に表地21と裏地22とを縫い合わせて一対の直縫い部3a1(第1直縫い部)を形成する。例えば、一対の直縫い部3a1のうちの一方が長辺2cに達している。一対の直縫い部3a1のうちの他方が端部2a(図3の(b)では上端)に達するように、直縫い部3a1を形成する。
側地2の第2方向D2の中央を含む領域から長辺2d(図3の(b)では右側)に向かって延在し、かつ第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に表地21と裏地22とを縫い合わせて一対の直縫い部3a2(第2直縫い部)を形成する。例えば、一対の直縫い部3a2のうちの一方が長辺2dに達し、一対の直縫い部3a2のうちの他方が端部2a(図3の(b)では上端)に達するように、直縫い部3a2を形成する。端部2aまで延在している直縫い部3a2は、端部2aまで延在している直縫い部3a1と、端部2aから離隔した位置において交差しており、V字状を呈する。直縫い部3a1と直縫い部3a2との間に、スリット1aが位置する。
側地2の第2方向D2の中央を含む領域から一対の直縫い部3a2と反対側に向かって表地21と裏地22とを縫い合わせることで、一対の直縫い部3a3を形成する。一対の直縫い部3a3は、例えば、一対の直縫い部3a2と平行である。一対の直縫い部3a3のそれぞれは、例えば、長辺2cまで延在している。一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1により近い直縫い部3a3は、スリット1bに達している。すなわち、当該直縫い部3a3は、スリット1bを2つの領域に分断している。一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1により近い直縫い部3a3は、長辺2cまで延在している直縫い部3a1と、長辺2cから離隔した位置において交差している。これにより、一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1により近い直縫い部3a3、及び、長辺2cまで延在している直縫い部3a1はV字状を呈する。
側地2の第2方向D2の中央を含む領域から一対の直縫い部3a1と反対側に向かって表地21と裏地22とを縫い合わせることで、一対の直縫い部3a4を形成する。一対の直縫い部3a4は、例えば、一対の直縫い部3a1と平行である。一対の直縫い部3a4のそれぞれは、例えば、長辺2dまで延在している。一対の直縫い部3a4のうち直縫い部3a2により近い直縫い部3a4は、スリット1bに達している。すなわち、当該直縫い部3a4は、スリット1bを2つの領域に分断している。一対の直縫い部3a4のうち直縫い部3a2により近い直縫い部3a4は、長辺2dまで延在している直縫い部3a2と、長辺2dから離隔した位置において交差している。よって、上記同様、当該直縫い部3a4、及び当該直縫い部3a2はV字状を呈する。
一対の直縫い部3a4のうち直縫い部3a2からより遠い直縫い部3a4は、一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1からより遠い直縫い部3a3と、端部2b(図3の(b)では下端)から離隔した位置において交差している。したがって、上記同様、当該直縫い部3a4、及び当該直縫い部3a3はV字状を呈する。
次に、直縫い部3a1,3a2,3a3,3a4によって画定された第1内部空間(図3の(b)ではX字状に形成された空間内)に注入器を挿入し、当該第1内部空間に内容物Cを注入する。例えば、スリット1bからX字状に形成された当該第1内部空間に注入器を挿入して当該第1内部空間に内容物Cを注入する。より具体的には、スリット1bから注入器を挿入し、当該第1内部空間におけるスリット1bから最も離れた部分から内容物Cを注入及び充填する。当該最も離れた部分への内容物Cの注入が終わったら注入器を引きながら内容物Cの注入及び充填を順次行い、スリット1bの隣接位置における内容物Cの充填が完了した後に、スリット1bから注入器を外す。
次に、例えば、表地21と裏地22との間に形成された当該第1内部空間以外の内部空間である第2内部空間に注入器を挿入し、第2内部空間に内容物Cを注入する。例えば、スリット1aから注入器を挿入して、平面視において上端に位置する三角形状の第2内部空間への内容物Cの注入を行う。そして、スリット1bから注入器を挿入して、平面視において左右両側に位置する三角形状の第2内部空間への内容物Cの注入を行う。更に、スリット1cから注入器を挿入して、平面視において下側に位置する五角形状の第2内部空間への内容物Cの注入を行う。内容物Cの注入においては、第1内部空間の単位体積当たりの内容物Cの量を、第2内部空間の単位体積当たりの内容物Cの量よりも多くするように、内容物Cの充填を行う。なお、上記の例とは異なり、第2内部空間に内容物Cを注入した後に、第1内部空間に内容物Cを注入してもよい。
次に、注入器を外し、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に表地21と裏地22とを縫い合わせて直縫い部3a5,3a6を形成する。直縫い部3a5,3a6は領域R1を画定する縫い目であって、一対の直縫い部3a5及び一対の直縫い部3a6によって領域R1が画定される。各直縫い部3a5は、例えば、各直縫い部3a1の延長線上に設けられる。すなわち、一対の直縫い部3a5のうちの一方(図3の(c)では左下の直縫い部3a5)の一端は、長辺2cまで延在している直縫い部3a1の一端と接続されている。一対の直縫い部3a5のうちの一方の他端は、一対の直縫い部3a4のうち直縫い部3a2からより遠い直縫い部3a4(図3の(c)では下側の直縫い部3a4)の一端と接続されている。
一対の直縫い部3a5のうちの他方(図3の(c)では右上の直縫い部3a5)の一端は、端部2aまで延在している直縫い部3a1の一端と接続されている。一対の直縫い部3a5のうちの他方の他端は、一対の直縫い部3a4のうち直縫い部3a2により近い直縫い部3a4(図3の(c)では上側の直縫い部3a4)の他端と接続されている。
各直縫い部3a6は、例えば、各直縫い部3a2の延長線上に設けられる。一対の直縫い部3a6のうちの一方(図3の(c)では右下の直縫い部3a6)の一端は、長辺2dまで延在している直縫い部3a2の一端と接続されている。一対の直縫い部3a6のうちの一方の他端は、一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1からより遠い直縫い部3a3(図3の(c)では下側の直縫い部3a3)の一端と接続されている。
一対の直縫い部3a6のうちの他方(図3の(c)では左上の直縫い部3a6)の一端は、端部2aまで延在している直縫い部3a2の一端と接続されている。一対の直縫い部3a6のうちの他方の他端は、一対の直縫い部3a3のうち直縫い部3a1により近い直縫い部3a3(図3の(c)では上側の直縫い部3a3)の一端と接続されている。
次に、隆起部31を画定する直縫い部3a1,3a2,3a3,3a4,3a5,3a6以外の縫い目3bを形成する。例えば、複数の縫い目3bのうちの少なくともいずれかは、隆起部31を横切るように形成される。複数の縫い目3bは、例えば、直縫い部3a1,3a4,3a5と平行である縫い目3bと、直縫い部3a2,3a3,3a6と平行である縫い目3bとを含む。縫い目3bを形成した後には、第1内部空間及び第2内部空間を封止する。より具体的には、スリット1a,1b,1cが形成されている部分における表地21及び裏地22を互いに縫い合わせることによって、第1内部空間及び第2内部空間を封止する。本実施形態において、「封止」とは、内容物が掛け布団の内部から外部に漏れるのが抑制されること、及び、複数の領域の間に位置するスリットが内容物の充填によって塞がれることの双方を示している。
続いて、第1実施形態に係る掛け布団1、及び掛け布団1の製造方法の作用効果について説明する。図1及び図2に示されるように、隆起部31が、側地2の領域R1から長辺2c,2dのそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在し、かつ第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在する。使用者の腹周りに領域R1が配置されるように掛け布団1が使用者に掛けられた場合、領域R1に隆起部31が配置されるので、使用者の腹周りは保温される。単位体積当たりの内容物Cの量が隆起部32よりも多い隆起部31によって腹周りを保温できるので、腹周りにおける高い保温機能を発揮できる。また、隆起部31は、側地2の領域R1から長辺2c,2dのそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在するので、この掛け布団1が使用者に掛けられると、使用者の身体の両側に隆起部31が位置することとなる。よって、使用者の身体の両側に単位体積あたりの内容物Cの量が多い隆起部31が配置されるので、隆起部31を重しとして機能させることができる。これにより、使用者が寝返りを打ったときにも、使用者の身体の両側に位置する隆起部31が重しとして機能するので、掛け布団1がずれることが抑制される。したがって、隆起部31によって、高い保温機能を発揮できると共に、使用者の身体から掛け布団がずれることを抑制できる。
本実施形態においては、領域R1及び領域R2以外の領域(本実施形態ではX字状の領域以外の領域)には、内容物Cの充填密度がより高い隆起部31が配置されない。X字状を呈する隆起部31以外の領域(隆起部32が形成された領域)は、例えば、使用者の手足を覆う部分である。したがって、X字状を呈する隆起部31以外の領域が使用者の手足を覆うことにより、使用者の手足は、腹回りと比較して保温されることが抑えられる。よって、使用者の手足から放熱することができる。
本実施形態においては、隆起部31は、領域R1から4方向に延在している。この場合、隆起部31は、領域R1からX字状に放射状に延在する。よって、掛け布団1が使用者の身体に掛けられたときに、隆起部31が使用者の身体に対して4方向に延びるように配置される。したがって、使用者の腹周りの保温機能を一層高めることができる。この掛け布団1では、側地2の第2方向D2の両側のそれぞれにおいて2つずつの隆起部31が配置される。よって、使用者が寝返りを打ったとき掛け布団1がずれることがより確実に抑制される。
本実施形態では、掛け布団1は、端部2aにおいて第2方向D2に沿って並ぶ一対の隆起部31と、端部2aにおいて一対の隆起部31の間に位置する隆起部32と、を有してもよい。この場合、使用者の首周りが上記一対の隆起部31の間に位置するように掛け布団1が掛けられることによって、隆起部32が使用者の首周りを覆う。本実施形態では、平面視三角形状を呈する複数の隆起部32が使用者の首周りを覆う。隆起部32の単位体積当たりの内容物Cの量は隆起部31の単位体積当たりの内容物Cの量よりも少ないので、隆起部32は使用者の首の形に適合しやすい。第2方向D2において一対の隆起部31が使用者の首周りを挟みこむことができる。したがって、使用者の首に冷気が入り込むことを抑制することができる。その結果、使用者を保温することができる。また、使用者の首周りを保温することによって、使用者の脳に送られる血液を保温することができる。
本実施形態においては、領域R1に位置する隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量は、領域R2に位置する隆起部31に充填されている単位体積当たりの内容物Cの量よりも多くてもよい。この場合、使用者の腹周りに領域R1が位置するように掛け布団1が掛けられる場合、単位体積あたりの内容物Cの量がより多い隆起部31が使用者の腹周りに配置される。したがって、使用者の腹周りをより確実に保温できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る掛け布団について図4~図6を参照しながら説明する。第2実施形態に係る掛け布団1Aの一部の構成は、掛け布団1の一部の構成と重複するため、以降では、掛け布団1の内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。図4は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの平面図である。図5は、掛け布団1Aの後述する中間生地23と裏地22との間の部分を模式的に示す平面図である。図6は、図4のVI-VI線に沿った断面図である。掛け布団1Aは、例えば、平面視において掛け布団1と同一の輪郭形状を有する。掛け布団1Aは、側地2Aと、複数の隆起部3Aと、マチ部4とを有する。
次に、第2実施形態に係る掛け布団について図4~図6を参照しながら説明する。第2実施形態に係る掛け布団1Aの一部の構成は、掛け布団1の一部の構成と重複するため、以降では、掛け布団1の内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。図4は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの平面図である。図5は、掛け布団1Aの後述する中間生地23と裏地22との間の部分を模式的に示す平面図である。図6は、図4のVI-VI線に沿った断面図である。掛け布団1Aは、例えば、平面視において掛け布団1と同一の輪郭形状を有する。掛け布団1Aは、側地2Aと、複数の隆起部3Aと、マチ部4とを有する。
側地2Aは、表地21と、裏地22と、中間生地23とを有する。中間生地23は、例えば、長方形状を呈する。例えば、中間生地23の第1方向D1における長さは、表地21の第1方向D1における長さと等しい。例えば、中間生地23の第2方向D2における長さは、表地21の第2方向D2における長さと等しい。中間生地23は、表地21と裏地22との間に位置しており、表地21及び裏地22に重ね合わされる。
中間生地23の外縁は、例えば、表地21の外縁、及び裏地22の外縁と縫い合わされる。しかしながら、中間生地23の外縁は、表地21の外縁、及び裏地22の外縁のいずれかと縫い合わされていてもよい。すなわち、中間生地23の外縁は、表地21の外縁、及び裏地22の外縁の少なくともいずれかと縫い合わされてもよい。
複数の隆起部3Aは、複数の隆起部31A(第1隆起部)を含む。隆起部31Aは、表地21と中間生地23との間に位置する。隆起部31Aは、領域R1及び領域R2に形成されている。領域R1及び領域R2は、マチ部4によって画定されている。領域R1から端部2aに向かって延在している領域R2は、短辺2eに達している。領域R1から端部2aに向かって延在している一対の領域R2のうちの一方は、長辺2cの一端(図4では上端)まで延在している。領域R1から端部2aに向かって延在している一対の領域R2のうちの他方は、長辺2dの一端まで延在している。領域R1から端部2bに向かって延在している領域R2のそれぞれは、長辺2c,2dのそれぞれに達している。長辺2cと交差している領域R2は、端部2bの一端(図4では左端)に達している。長辺2dと交差している領域R2は、端部2bの他端(図4では右端)に達している。
マチ部4は、例えば、一対のマチ部41(第1マチ部)と、一対のマチ部42(第2マチ部)と、一対のマチ部43と、一対のマチ部44とを含む。一対のマチ部41、一対のマチ部42、一対のマチ部43、及び一対のマチ部44は、例えば、立体キルトである。
例えば、一対のマチ部41は、互いに平行に延在している。一対のマチ部41のうちの一方(図4では左側のマチ部41)は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図4では領域R1の下側の頂点)から長辺2cと端部2aとの交点(側地2Aの角部)に向かって延在している。一対のマチ部41の他方(図4では右側のマチ部41)は、領域R1の頂点のうち長辺2dに最も近い点(図4では領域R1の右側の頂点)から端部2a(短辺2e)まで延在している。一対のマチ部41は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。
例えば、一対のマチ部42は、互いに平行に延在している。一対のマチ部42のうちの一方(図4では右側のマチ部42)は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図4では領域R1の下側の頂点)から長辺2dと端部2aとの交点(側地2Aの角部)に向かって延在している。一対のマチ部42の他方(図4では左側のマチ部42)は、領域R1の頂点のうち長辺2cに最も近い点(図4では領域R1の左側の頂点)から端部2a(短辺2e)まで延在している。一対のマチ部42は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。
例えば、一対のマチ部43は、互いに平行に延在している。一対のマチ部43のうちの一方(図4では下側のマチ部43)は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図4では領域R1の下側の頂点)から長辺2cと端部2bとの交点(側地2Aの角部)に向かって延在している。一対のマチ部43の他方(図4では上側のマチ部43)は、領域R1の頂点のうち長辺2cに最も近い点(図4では領域R1の左側の頂点)から長辺2cまで延在している。一対のマチ部43のそれぞれは、例えば、一対のマチ部42のそれぞれと平行に延在している。例えば、マチ部43はマチ部42の延長上に設けられる。
前述したマチ部41,42,43と同様、例えば、一対のマチ部44は、互いに平行に延在している。一対のマチ部44のうちの一方(図4では下側のマチ部44)は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図4では領域R1の下側の頂点)から長辺2dと端部2bとの交点(側地2Aの角部)に向かって延在している。一対のマチ部44の他方(図4では上側のマチ部44)は、領域R1の頂点のうち長辺2dに最も近い点(図4では領域R1の右側の頂点)から長辺2dまで延在している。例えば、一対のマチ部44のそれぞれは、一対のマチ部41のそれぞれと平行に延在している。例えば、マチ部44はマチ部41の延長上に設けられる。
マチ部4は、複数のマチ部47,48を更に有する。例えば、領域R2にはマチ部47,48が形成されている。マチ部47,48によって、領域R2は複数の領域に分割されている。当該複数の領域のそれぞれに隆起部31Aが形成されている。領域R2では、例えば、マチ部47がマチ部42と平行に延在し、マチ部48がマチ部41と平行に延在している。マチ部47,48は、例えば、立体キルトである。
領域R1に配置されている隆起部31Aに充填されている内容物Cの重量は、例えば、50gである。領域R2に配置されている隆起部31Aのうち、端部2bに達している隆起部31A以外の隆起部31A一つ当たりに充填されている内容物Cの重量は、例えば、25gである。領域R2に配置されている隆起部31Aのうち、端部2bに達している隆起部31A一つ当たりに充填されている内容物Cの重量は、例えば、10gである。例えば、掛け布団1Aでは、使用者の足の両側に位置する隆起部31Aにおける内容物Cの重量が、他の隆起部31Aにおける内容物Cの重量よりも小さくなっている。
表地21と中間生地23との間において、例えば、領域R1及び領域R2以外の領域には、内容物Cは充填されていない。この場合、掛け布団1Aでは、X字状を呈する領域R1及び領域R2以外には表地21側に盛り上がる隆起部31Aは形成されていない。しかしながら、上記の例とは異なり、領域R1及び領域R2以外の領域には、隆起部31Aよりも盛り上がりが小さい隆起部32が形成されていてもよい。
複数の隆起部3は、裏地22側に盛り上がる複数の隆起部33(第3隆起部)を更に含む。隆起部33は、中間生地23と裏地22との間に充填された内容物Cによって形成される。複数の隆起部33は、例えば、格子状に配列されている。より具体的には、第1方向D1に沿って並ぶ複数の隆起部33によって構成される複数の組が、第2方向D2に沿って並んでいる。複数の隆起部33は、例えば、長辺2cと長辺2dとの間において隙間なく配列されている。掛け布団1Aは、更に、中間生地23と裏地22との間の内部空間を分断する複数のマチ部45,46を有する。隆起部33の配列は、複数のマチ部45と、複数のマチ部46とによって画定されている。複数のマチ部45、及び複数のマチ部46は、例えば、立体キルトである。
マチ部45は、第1方向D1に延在している。複数のマチ部45は、例えば、第2方向D2に沿って並んでいる。本実施形態においては、マチ部45の本数は、3本である。マチ部46は、第2方向D2に延在している。複数のマチ部46は、例えば、第1方向D1に沿って並んでいる。本実施形態においては、マチ部46の本数は、4本である。
例えば、隆起部33の単位体積当たりの内容物Cの量は、隆起部31Aの単位体積当たりの内容物Cの量よりも少ない。平面視において、隆起部31Aを形成する縫い目の延在方向は、隆起部33を形成する縫い目の延在方向とは異なっている。より具体的には、隆起部31Aを形成する縫い目の延在方向は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して傾斜する方向である。これに対し、隆起部33を形成する縫い目の延在方向は、第1方向D1又は第2方向D2である。一例として、隆起部33一つ当たりに充填されている内容物Cの重量は、44gである。
領域R1に配置された隆起部31Aの内部空間S3は、表地21と、中間生地23と、マチ部41と、マチ部42とによって画定されている。隆起部33の内部空間S4は、中間生地23と、裏地22と、マチ部45と、マチ部46とによって画定されている。内部空間S4の容積は、内部空間S3の容積よりも小さい。
図7及び図8は、掛け布団1Aの製造方法の例を説明するための図である。まず、中間生地23に、マチ部41,42,43,44,47,48を形成する。このとき、マチ部41,42,43,44,47,48を構成するマチ布を用意し、各マチ布を中間生地23に縫い付けることによってマチ部41,42,43,44,47,48を形成する。
次に、表地21がマチ部41~44,47,48を覆うように、表地21を中間生地23に重ね合わせて、内容物Cを注入する注入器(ノズル)が挿入される部分であるスリット1d,1e以外の箇所において、表地21の外縁と、中間生地23の外縁とを縫い合わせる。スリット1dは、長辺2cの端部2b寄りの位置に設けられている。スリット1eは、長辺2dの端部2b寄りの位置に設けられている。
次に、スリット1f,1g,1h,1i,1n,1p以外の箇所において、表地21にマチ部41~44を縫製によって接合する。スリット1f~1i,1n,1pは、内容物Cを注入する注入器を挿入する箇所である。スリット1fは、領域R1の頂点のうち長辺2cに最も近い点の隣接位置において、表地21と中間生地23とマチ部41とマチ部42とによって画定されている。スリット1gは、領域R1の頂点のうち長辺2dに最も近い点の隣接位置において、表地21と中間生地23とマチ部41とマチ部42とによって画定されている。スリット1hは、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点の隣接位置において、表地21と中間生地23とマチ部41とマチ部43によって画定されている。スリット1iは、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点の隣接位置において、表地21と中間生地23とマチ部42とマチ部44とによって画定されている。スリット1nは、マチ部41が延在する方向においてスリット1e,1f,1iと並んでいる。スリット1nは、マチ部47と、マチ部41及びマチ部44のいずれかとによって画定されている。スリット1pは、マチ部42が延在する方向においてスリット1d,1g,1hと並んでいる。スリット1pは、マチ部48と、マチ部42及びマチ部43のいずれかとによって画定されている。
次に、表地21と、中間生地23と、マチ部41と、マチ部42と、マチ部43と、マチ部44とによって画定された内部空間(X字状に形成された内部空間)に注入器を挿入し、当該内部空間に内容物Cを注入する。より具体的には、スリット1dから注入器を挿入し、挿入した注入器をスリット1h,1g,1pに更に挿入し、当該内部空間におけるスリット1dから最も離れた部分から内容物Cを注入及び充填する。当該最も離れた部分への内容物Cの注入が終わったら注入器を引きながら内容物Cの注入及び充填を順次行い、スリット1dの隣接位置における内容物Cの充填が完了した後に、スリット1dから注入器を外す。そして、スリット1eから注入器を挿入し、挿入した注入器をスリット1i,1f,1nに更に挿入し、当該内部空間におけるスリット1eから最も離れた部分から内容物Cを注入及び充填する。当該最も離れた部分への内容物Cの注入が終わったら注入器を引きながら内容物Cの注入及び充填を順次行い、スリット1eの隣接位置における内容物Cの充填が完了した後に、スリット1eから注入器を外す。
上記の内部空間に注入される単位体積当たりの内容物Cの量は、当該内部空間と異なる部分(X字状に形成された内部空間以外の空間)に注入される単位体積当たりの内容物Cの量より多い。内容物Cの注入を終えた後には注入器を外し、スリット1d,1eを封止することによって、当該内部空間を封止する。なお、当該内部空間、及び当該内部空間と異なる部分に内容物Cを注入する方法は、上記の方法に限定されない。
更に、マチ部45,46を中間生地23の裏面(マチ部41~44が縫い込まれた面とは反対側の面)に形成する。次に、裏地22がマチ部45,46を覆うように、裏地22を中間生地23に重ね合わせて、スリット1j,1k以外の箇所において、裏地22の外縁と、中間生地23の外縁とを縫い合わせる。スリット1j,1kは、内容物Cを注入する注入器を挿入する箇所である。スリット1j,1kは端部2bに設けられており、マチ部45によってスリット1j,1kが2つの領域(注入器が挿入される領域)に分断されている。
次に、スリット1m以外の箇所において、裏地22にマチ部45,46を縫製によって接合する。スリット1mは、内容物Cを注入する注入器を挿入する箇所である。スリット1mの第2方向D2の位置は、例えば、スリット1j,1kの第2方向D2の位置と同一である。すなわち、スリット1m及びスリット1j,1kは第1方向D1に沿って並ぶように形成される。スリット1mは、例えば、第1方向D1から見て矩形の形状を有する。スリット1mは、マチ部45と、マチ部46と、中間生地23と、裏地22とによって画定される。
次に、裏地22と、中間生地23と、マチ部45と、マチ部46とによって画定された内部空間に注入器を挿入し、当該内部空間に内容物Cを注入する。例えば、平面視におけるスリット1jの左側の部分に注入器を挿入し、挿入した注入器を複数のスリット1mに更に挿入し、当該内部空間におけるスリット1jから最も離れた部分から内容物Cを注入及び充填する。当該最も離れた部分への内容物Cの注入が終わったら注入器を引きながら内容物Cの注入及び充填を順次行う。スリット1jの隣接位置における内容物Cの充填が完了した後には、平面視におけるスリット1jの右側の部分に注入器を挿入し、上記同様に内容物Cの注入及び充填を順次行う。そして、平面視における当該内部空間の左側部分への内容物Cの充填を終えた後にスリット1jを封止する。
そして、平面視におけるスリット1kの左側の部分に注入器を挿入し、上記同様、スリット1kから最も離れた部分から内容物Cを注入及び充填する。その後、注入器を引きながら内容物Cの注入及び充填を順次行い、スリット1kの隣接位置における内容物Cの充填が完了した後には、平面視におけるスリット1kの右側の部分に注入器を挿入する。そして、上記同様に内容物Cの注入及び充填を順次行い、平面視における当該内部空間の右側部分への内容物Cの充填を終えた後にスリット1kを封止する。以上のように、内容物Cの注入を終えた後には、注入器を外し、スリット1j,1kを封止することによって、当該内部空間を封止する。
続いて、第2実施形態に係る掛け布団1A、及び掛け布団1Aの製造方法の作用効果について説明する。図4~図6に示されるように、隆起部31Aは、表地21と中間生地23との間に位置し、隆起部33は、中間生地23と裏地22との間に位置する。平面視において、隆起部31Aを形成する縫い目の延在方向が、隆起部33を形成する縫い目の延在方向とは異なっている。表地21と中間生地23とを縫い合わせる縫い目と、中間生地23と裏地22とを縫い合わせる縫い目とが平面視において重なる箇所では、表地21と裏地22との間に内容物Cが配置されない。よって、上記箇所は、外気が入りやすく、保温する能力は低い。上記掛け布団1Aでは、平面視において、隆起部31Aを形成する縫い目の延在方向が、隆起部33を形成する縫い目の延在方向と異なっている。よって、隆起部31Aを形成する縫い目と、隆起部33を形成する縫い目とが重なる部分を少なくすることができる。これにより、内容物が含まれないことにより保温する能力が低下している部分を少なくすることができるので、保温機能を一層高めることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る掛け布団について説明する。図9は、第3実施形態に係る掛け布団1Bの平面図である。第3実施形態に係る掛け布団1Bの一部の構成は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの一部の構成と重複するため、以降では、掛け布団1Aの内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。掛け布団1Bは、平面視において掛け布団1と同一の輪郭形状を有する。掛け布団1Bは、側地2Aと、複数の隆起部3Bと、マチ部4Bとを有する。
次に、第3実施形態に係る掛け布団について説明する。図9は、第3実施形態に係る掛け布団1Bの平面図である。第3実施形態に係る掛け布団1Bの一部の構成は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの一部の構成と重複するため、以降では、掛け布団1Aの内容と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。掛け布団1Bは、平面視において掛け布団1と同一の輪郭形状を有する。掛け布団1Bは、側地2Aと、複数の隆起部3Bと、マチ部4Bとを有する。
複数の隆起部3Bは、複数の隆起部31B(第1隆起部)を含む。隆起部31Bの形状は、前述した隆起部31Aの形状とは異なっている。隆起部31Bの平面視における輪郭は、一部が丸みを帯びた形状を有する。
マチ部4Bは、一対のマチ部41Bと、一対のマチ部42Bと、一対のマチ部43Bと、一対のマチ部44Bとを含む。一対のマチ部41B、一対のマチ部42B、一対のマチ部43B、及び一対のマチ部44Bは、立体キルトである。
一対のマチ部41Bのうちの一方は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図9では領域R1の下側の頂点)から長辺2cと端部2aとの交点(側地2Aの角部)に向かって直線状に延在している。一対のマチ部41Bのうちの他方は、領域R1の頂点のうち長辺2dに最も近い点(図9では領域R1の右側の頂点)から曲がりながら端部2aまで延在している。このマチ部41Bは、平面視における上方(使用者の頭部側)に突出するように湾曲している。一対のマチ部41Bのそれぞれは、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。
一対のマチ部42Bのうちの一方は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図9では領域R1の下側の頂点)から長辺2dと端部2aとの交点(側地2Aの角部)に向かって直線状に延在している。一対のマチ部42Bのうちの他方は、領域R1の頂点のうち長辺2cに最も近い点(図9では領域R1の左側の頂点)から曲がりながら端部2aまで延在している。このマチ部42Bは、マチ部41Bと同様、平面視における上方(使用者の頭部側)に突出するように湾曲している。一対のマチ部42Bのそれぞれは、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。
一対のマチ部43Bのうちの一方は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図9では領域R1の下側の頂点)から長辺2cと端部2bとの交点(側地2Aの角部)に向かって直線状に延在している。一対のマチ部43Bのうちの他方は、領域R1の頂点のうち長辺2cに最も近い点(図9では領域R1の左側の頂点)から曲がりながら端部2bに向かって延在している。例えば、各マチ部43Bは、各マチ部42Bに連続している。すなわち、直線状に延在しているマチ部43Bは、直線状に延在しているマチ部42Bと一直線上に並んでいる。曲がりながら延在しているマチ部43Bは、曲がりながら延在しているマチ部42Bと滑らかに接続されている。
一対のマチ部44Bのうちの一方は、領域R1の頂点のうち端部2bに最も近い点(図9では領域R1の下側の頂点)から長辺2dと端部2bとの交点(側地2Aの角部)に向かって直線状に延在している。一対のマチ部44Bのうちの他方は、領域R1の頂点のうち長辺2dに最も近い点(図9では領域R1の右側の頂点)から曲がりながら端部2bに向かって延在している。前述と同様、例えば、各マチ部44Bは、各マチ部41Bに連続している。すなわち、直線状に延在しているマチ部44Bは、直線状に延在しているマチ部41Bと一直線上に並んでいる。曲がりながら延在しているマチ部44Bは、曲がりながら延在しているマチ部41Bと滑らかに接続されている。以上のように、一対のマチ部41B,42B,43B,44Bのうちの一方は直線状に延在しており、一対のマチ部41B,42B,43B,44Bのうちの他方は曲線状に延在している。
領域R1に配置された隆起部31Bに充填された単位体積当たりの内容物Cの量は、領域R2に配置された隆起部31Bに充填された単位体積当たりの内容物Cの量よりも多い。領域R2に配置された複数の隆起部31Bでは、領域R1に近い領域R2ほど、充填された単位体積当たりの内容物Cの量が多くなっている。
マチ部4Bは、複数のマチ部47B,48Bを更に有する。領域R2において、マチ部47B,48Bが、領域R2が延在する方向と交差するように延在している。すなわち、マチ部47B,48Bは、領域R2を更に複数の領域に分断しており、当該複数の領域のそれぞれに内容物Cが充填される。このように、マチ部47B,48Bによって領域R2は、複数の領域に分割されている。領域R2では、例えば、マチ部47Bがマチ部41B,44Bと交差する方向に延在し、マチ部48Bがマチ部42B,43Bと交差する方向に延在している。マチ部47B,48Bは、例えば、立体キルトである。
領域R1に配置されている隆起部31Bに充填されている内容物Cの重量は、例えば、60gである。端部2aに向かって延在している領域R2(平面視において領域R1よりも上側に位置する領域R2)に配置されている隆起部31Bに充填されている内容物Cの重量は、例えば、領域R1に近い順に25g、15gである。端部2bに向かって延在している領域R2(平面視において領域R1よりも下側に位置する領域R2)に配置されている隆起部31Bに充填されている内容物Cの重量は、例えば、領域R1に近い順に40g、20g、15g、5gである。このように、第2方向D2の中央に位置する領域R1に近い領域R2ほど単位体積あたりの内容物Cの量が多くなっている。
図10は、中間生地23と裏地22との間の部分を示す平面図である。複数の隆起部3Bは、複数の隆起部33B(第3隆起部)を更に含む。隆起部33Bは、その平面視における形状が第2実施形態の隆起部33とは異なっている。
掛け布団1Bは、マチ部45B,46Bを有する。マチ部45Bの構造は、例えば、第2実施形態に係るマチ部45の構造と同一である。マチ部46Bは、側地2Aの第2方向D2における中央の部分が屈曲している。すなわち、平面視において、マチ部46BはV字状を呈する。マチ部46Bは、側地2Aの第2方向D2の両端に位置する長辺2c,2dから離隔するにしたがって端部2b(第2端部)側に延在している。例えば、複数のマチ部46Bが第1方向D1に沿って並んでいる。本実施形態においては、マチ部46Bの本数は、4本である。第2方向D2において互いに隣り合う複数の隆起部33Bのうち、側地2Aの第2方向D2の中央により近い隆起部33Bは、側地2Aの第2方向D2の中央からより遠い隆起部33Bよりも端部2bに寄っている。
例えば、平面視において、隆起部33Bは、台形状又は平行四辺形状を呈する。より具体的には、第1方向D1の両端に位置する複数の隆起部33Bが台形状を呈し、第1方向D1の両端以外に位置する複数の隆起部33Bが平行四辺形状を呈する。第2方向D2の中央側に位置する隆起部33Bは、第2方向D2の両端側に位置する隆起部33Bよりも端部2b側に位置する。よって、第1方向D1に沿って並ぶ2つの隆起部33Bの間の境界線は、第2方向D2に対して傾斜すると共に、第2方向D2の中央に近づくにしたがって端部2bに近づくように延在している。
続いて、第3実施形態に係る掛け布団1Bの作用効果について説明する。第2方向D2において互いに隣り合う複数の隆起部33Bのうち、側地2Aの第2方向D2の中央により近い隆起部33Bは、側地2Aの第2方向D2の中央からより遠い隆起部33Bよりも端部2bに寄っている。人間の身体の形は、頂点が足先に位置する三角形状を呈する。側地2Aの第2方向D2の中央により近い隆起部33Bが側地2Aの第1方向D1の端部2bに寄っていることにより、隆起部33Bの第2方向D2における並び方を上記三角形状に倣った形状とすることができる。よって、使用者の身体の形状に適合することができるので、身体に対するフィット性を高めることができる。
以上、本開示に係る掛け布団の種々の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
以下では、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態では、第1方向D1から見てスリット1mが矩形の形状を有する例について説明した(図8参照)。しかしながら、第1方向D1から見たスリット1mの形状は、外郭の一部が湾曲した形状であってもよい。この場合、スリット1mは、マチ部45と、マチ部46とによって画定され、第1方向D1から見てD字状の形状を有する。すなわち、スリット1mを形成する部分におけるマチ部46の高さ方向(第1方向D1及び第2方向D2と交差する方向)の一端及び他端は、例えば、マチ部45に接合される。当該高さ方向におけるマチ部46の一端と他端との間において、マチ部46は、マチ部45から離隔している。これにより、第1方向D1から見たスリット1mの外郭のうち、直線部分はマチ部45によって形成され、湾曲した形状部分はマチ部46によって形成される。
第2実施形態では、スリット1j,1kが、マチ部45によって2つの領域に分断されている例について説明した。すなわち、スリット1j,1kを画定し、第2方向D2に互いに隣接する生地同士の間に、マチ部45が位置している。しかしながら、スリット1j,1kを画定し、第2方向D2に互いに隣接する生地の一方に、マチ部45が位置してもよい。図11は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの製造方法の変形例を説明するための図である。図11に示されるように、スリット1j,1kは、マチ部45と、マチ部45から第2方向D2に離隔すると共に第2方向D2に延在する生地によって画定されている。スリット1j,1kの第2方向D2の端部からマチ部45が第1方向D1に延在している。
図11の変形例において、スリット1mの第2方向D2の位置は、スリット1j,1kの第2方向D2の位置と同一である。すなわち、スリット1mは、スリット1j又はスリット1kと第1方向D1に沿って並んでいる。マチ部46は、マチ部46の第2方向D2の端部から第1方向D1に折り曲げられた壁部46aを有する。壁部46aは、スリット1mと対向するマチ部46の一端から、第1方向D1に沿うと共にスリット1j,1kから離れるように延在している。マチ部45は、壁部46aと対向する部分にスリット45aを有する。スリット45a及び壁部46aは、第2方向D2に沿って並んでいる。
第2実施形態に係る掛け布団1Aの製造方法の変形例では、例えば、スリット1jに注入器を挿入し、挿入した注入器を複数のスリット1mに更に挿入し、壁部46aが位置する部分である領域R3のうちスリット1jから最も離れた領域R3に内容物Cを注入する。当該領域R3に内容物Cを注入した後には、注入器をスリット45aのうちスリット1jから最も離れたスリット45aに挿入し、当該領域R3に第2方向D2に隣接する領域R4に内容物Cを注入する。その後、注入器を引きながら領域R3及び領域R4に順次内容物Cを注入していく。スリット1jと空間的に接続されている全ての領域R3及び領域R4に内容物Cの充填が完了した後には、スリット1kから注入器を挿入し、上記と同様に領域R3及び領域R4に内容物Cの注入及び充填を順次行う。
第2実施形態では、スリット1j,1kを2つの領域に分断するマチ部45が設けられている例について説明した(図8参照)。すなわち、スリット1j,1kを画定し、第2方向D2に互いに隣接する生地同士の間に、マチ部45が位置している。しかしながら、図12に示されるように、スリット1j,1kを画定し、第2方向D2に互いに隣接する生地の一方に接続されるマチ部45C、及び当該離隔する生地の他方に接続されるマチ部45Dが設けられてもよい。図12は、第2実施形態に係る掛け布団1Aの製造方法の変形例を説明するための図である。図12に示されるように、スリット1j,1kは、第1方向D1に沿って延びるマチ部45Cと、マチ部45Cの隣接位置において第1方向D1に沿って延びるマチ部45Dとの間に設けられている。
図12の変形例において、スリット1mは、マチ部45Cとマチ部45Dとの間に設けられている。マチ部45Cには、第2方向D2にマチ部45Cを貫通するスリット45bが形成されている。スリット45bは、マチ部45Dに第2方向D2に沿って対向している。マチ部45Dには、第2方向D2にマチ部45Cを貫通するスリット45cが形成されている。スリット45cは、マチ部45Cに第2方向D2に沿って対向している。スリット45bの第1方向D1の位置と、スリット45cの第1方向D1の位置とは互いに異なっている。より具体的には、領域R5に設けられたスリット45bの位置は、当該領域R5に隣接する領域R6に設けられたスリット45cの位置よりもスリット1j,1kに近い。
第2実施形態に係る掛け布団1Aの製造方法の変形例では、例えば、スリット1jに注入器を挿入し、挿入した注入器を複数のスリット1mに更に挿入し、領域R6のうちスリット1jから最も離れた領域R6に内容物Cを注入する。当該領域R6に内容物Cを注入した後には、注入器をスリット45bのうちスリット1jから最も離れたスリット45bに挿入し、当該領域R6に隣接する領域R5に内容物Cを注入する。その後、注入器を引きながら領域R6及び領域R5に順次内容物Cを注入していく。スリット1jと空間的に接続されている全ての領域R5及び領域R6に内容物Cの充填が完了した後には、スリット1kから注入器を挿入し、上記と同様に領域R5及び領域R6に内容物Cの注入及び充填を順次行う。
以上、本開示では、掛け布団の複数の実施形態(第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態)及び変形例について説明した。本開示に係る掛け布団は、複数の実施形態又は変形例から選択された実施形態の一部と、当該実施形態とは異なる実施形態又は変形例の残部とが組み合わされた掛け布団であってもよい。すなわち、前述した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、及び変形例の内容は、適宜抽出して組み合わせることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、側地2の第2方向D2の中央を含む領域R1からX字状に放射状に延在する第1隆起部(隆起部31)について説明した。しかしながら、平面視における第1隆起部の形状は、X字状以外の形状であってもよい。例えば、平面視における第1隆起部の形状は、側地の第2方向の中央を含む領域から一対の長辺に向かってV字状に延在していてもよい。
前述の実施形態では、マチ部41とマチ部44とは別の部材であったが、マチ部41とマチ部44とは一体化されていてもよい。同様にマチ部42とマチ部43とは一体化されていてもよい。また、前述の実施形態では、内容物Cが羽毛であり、羽毛布団である掛け布団1について説明した。しかしながら、掛け布団の内容物の種類は、羽毛以外のものであってもよい。内容物は、例えば、合繊わた等のわたであってもよく、内容物としては種々のものを採用することができる。
1,1A,1B…掛け布団、1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1p…スリット、2,2A…側地、2a…端部(第1端部)、2b…端部(第2端部)、2c,2d…長辺、2e…短辺、3,3A,3B…隆起部、3a,3b…縫い目、3a1,3a2,3a3,3a4,3a5,3a6…直縫い部、4,4B…マチ部、21…表地、22…裏地、23…中間生地、31,31A,31B…隆起部(第1隆起部)、32…隆起部(第2隆起部)、33,33B…隆起部(第3隆起部)、41,41B…マチ部(第1マチ部)、42,42B…マチ部(第2マチ部)、43,43B,44,44B,45,45B,45C,45D,46,46B,47,47B,48,48B…マチ部、45a,45b,45c…スリット、46a…壁部、C…内容物、R1,R2,R3,R4,R5,R6…領域、S1,S2,S3,S4…内部空間。
Claims (8)
- 長方形状の表地が長方形状の裏地に重ね合わされると共に、前記表地の外縁と前記裏地の外縁とが互いに縫い合わされた長方形状の側地と、
前記表地と前記裏地との間において仕切られた複数の内部空間のそれぞれに内容物が充填されることによって形成された複数の隆起部と、
を備え、
前記側地は、第1方向に延在すると共に前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、前記第2方向に延在すると共に前記第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有し、
前記複数の隆起部は、
前記側地の前記第2方向の中央を含む領域から一対の前記長辺のそれぞれに向かって少なくとも2方向に延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向の双方に傾斜する方向に延在する第1隆起部と、
前記第1隆起部の周囲に位置する第2隆起部と、
を含み、
前記第1隆起部に充填されている単位体積当たりの前記内容物の量は、前記第2隆起部に充填されている単位体積当たりの前記内容物の量よりも多い、
掛け布団。 - 前記第1隆起部は、前記側地の前記第2方向の中央を含む領域から4方向に延在している、
請求項1に記載の掛け布団。 - 前記側地の前記第1方向の第1端部において前記第2方向に沿って並ぶ一対の前記第1隆起部と、前記側地の前記第1方向の前記第1端部において一対の前記第1隆起部の間に位置する前記第2隆起部と、を有する、
請求項1又は2に記載の掛け布団。 - 前記側地の前記第2方向の中央に位置する前記第1隆起部に充填されている単位体積当たりの前記内容物の量は、前記側地の前記第2方向の中央と異なる領域に位置する前記第1隆起部に充填されている単位体積当たりの前記内容物の量よりも多い、
請求項1又は2に記載の掛け布団。 - 前記表地と前記裏地との間において、前記表地及び前記裏地に重ね合わされる長方形状の中間生地を更に備え、
前記中間生地の外縁は、前記表地の外縁、及び前記裏地の外縁の少なくともいずれかと縫い合わされており、
前記第1隆起部は、前記表地と前記中間生地との間に位置し、
前記複数の隆起部は、前記中間生地と前記裏地との間に位置する複数の第3隆起部を含み、
平面視において、前記第1隆起部を形成する縫い目の延在方向が、前記第3隆起部を形成する縫い目の延在方向とは異なっている、
請求項1又は2に記載の掛け布団。 - 前記第2方向において互いに隣り合う複数の前記第3隆起部のうち、前記側地の前記第2方向の中央により近い前記第3隆起部は、前記側地の前記第2方向の中央からより遠い前記第3隆起部よりも前記側地の前記第1方向の第2端部に寄っている、
請求項5に記載の掛け布団。 - 長方形状の表地が長方形状の裏地に重ね合わされると共に、前記表地の外縁と前記裏地の外縁とが互いに縫い合わされ、
第1方向に延在すると共に前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、前記第2方向に延在すると共に前記第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有する長方形状の側地を備える掛け布団の製造方法であって、
前記裏地に前記表地を重ね合わせて、前記表地の外縁と前記裏地の外縁とにおける、内容物を注入する注入器が入り込む箇所以外の部分を縫い合わせることで前記側地を形成する工程と、
前記側地の前記第2方向の中央を含む領域から一対の前記長辺のうちの一方に向かって延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向の双方に傾斜する方向に前記表地と前記裏地とを縫い合わせることで、一対の第1直縫い部を形成する工程と、
前記側地の前記第2方向の中央を含む領域から一対の前記長辺のうちの他方に向かって延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向の双方に傾斜する方向に前記表地と前記裏地とを縫い合わせることで、一対の第2直縫い部を形成する工程と、
一対の前記第1直縫い部と、一対の前記第2直縫い部とによって画定される第1内部空間に前記注入器を挿入し、前記第1内部空間に前記内容物を注入する工程と、
前記注入器を外し、前記第1内部空間を封止する工程と、
を備える掛け布団の製造方法。 - 長方形状の表地と長方形状の裏地との間に長方形状の中間生地が位置するように、前記表地と前記中間生地と前記裏地とが互いに重ね合わされ、第1方向に延在すると共に前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ一対の長辺と、前記第2方向に延在すると共に前記第1方向に沿って並ぶ一対の短辺と、を有する長方形状の側地を備える掛け布団の製造方法であって、
前記側地の前記第2方向の中央を含む領域から一対の前記長辺のうちの一方に向かって延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向の双方に傾斜する方向に延びる一対の第1マチ部を前記中間生地に形成する工程と、
前記第2方向の中央を含む領域から一対の前記長辺のうちの他方に向かって延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向の双方に傾斜する方向に延びる一対の第2マチ部を前記中間生地に形成する工程と、
前記中間生地に前記表地を重ね合わせて、前記表地の外縁と、前記中間生地の外縁とにおける内容物を注入する注入器が入り込む箇所以外の部分を縫い合わせる工程と、
前記表地、前記中間生地、前記第1マチ部及び前記第2マチ部によって画定された内部空間に前記注入器を挿入し、前記内部空間に前記内容物を注入する工程と、
前記注入器を外し、前記内部空間を封止する工程と、
を備え、
前記内容物を注入する工程では、前記内部空間に注入される単位体積当たりの前記内容物の量が、前記内部空間と異なる部分に注入される単位体積当たりの前記内容物の量より多くなるように前記内容物を注入する、
掛け布団の製造方法。
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