JP2024051841A - 光学フィルム、並びに、前記光学フィルムを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置、並びに、前記光学フィルムの製造方法、並びに、光学フィルムの選定方法 - Google Patents

光学フィルム、並びに、前記光学フィルムを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置、並びに、前記光学フィルムの製造方法、並びに、光学フィルムの選定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムを提供する。【解決手段】第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、前記第1面は凹凸形状を有し、前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、前記第1面が下記式1を満たす、光学フィルム。Sw×Vmp≦2.00 (式1)[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m2)の値である。]【選択図】図1

Description

本開示は、光学フィルム、並びに、前記光学フィルムを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置、並びに、前記光学フィルムの製造方法、並びに、光学フィルムの選定方法に関する。
テレビ、ノートPC、デスクトップPCのモニター等の画像表示装置の表面には、照明及び人物等の背景の映り込みを抑制したり、表面の反射を抑制したりするために、光学フィルムが設置される場合がある。
光学フィルムとしては、例えば、特許文献1~3等が提案されている。
国際公開第2019/026466号 国際公開第2019/026471号 特開2019-85473号公報
特許文献1~2の光学フィルムは、表面に凹凸が形成された防眩層を有する防眩フィルムである。表面に凹凸形状を有する光学フィルムは、凹凸形状に指紋が入り込むことにより、指紋拭き取り性が低下する傾向がある。防眩フィルムは、防眩性を良好にするほど指紋拭き取り性が低下する傾向が高くなる。特許文献1~2の光学フィルムは、防汚性について何ら検討していない。
特許文献3の光学フィルムは、オレイン酸の滑落角が32°以下であるコートフィルムである。特許文献3のコートフィルムは、指紋を拭き取りやすくすることを課題としているが、指紋拭き取り性が良好とはいえないものであった。
光学フィルムに付着した指紋が十分に拭き取られない場合、指紋成分を有する箇所と、指紋成分を有さない箇所との光学特性のコントラストにより、光学フィルムの見栄えが低下してしまう。特に、反射防止層を有する光学フィルムの場合、指紋成分を有する箇所と、指紋成分を有さない箇所との反射率のコントラストが大きくなり、光学フィルムの見栄えが大きく低下してしまう。
本開示は、表面に凹凸形状を有し、かつ、表面に反射防止層を有する光学フィルムにおいて、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムを提供することを課題とする。本開示は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置を提供することを課題とする。本開示は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムの製造方法を提供することを課題とする。本開示は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムの選定方法を提供することを課題とする。
本開示は、以下の[1]~[7]を提供する。
[1] 第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす、光学フィルム。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
[2] 偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された第一の透明保護板と、前記偏光子の他方の側に配置された第二の透明保護板とを有する偏光板であって、
前記第一の透明保護板及び前記第二の透明保護板の少なくとも一方が、[1]に記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記偏光子とが対向して配置された、偏光板。
[3] 樹脂板又はガラス板上に保護フィルムを貼り合わせた画像表示装置用の表面板であって、前記保護フィルムが[1]に記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記樹脂板又は前記ガラス板とが対向して配置された、画像表示装置用の表面板。
[4] 表示素子と、前記表示素子の光出射面側に配置された光学フィルムを有する画像表示パネルであって、前記光学フィルムとして[1]に記載の光学フィルムを含む、画像表示パネル。
[5] [4]に記載の画像表示パネルを含む、画像表示装置。
[6] [1]に記載の光学フィルムの製造方法であって、
基材上に防眩層を形成する第1の工程と、前記防眩層上に反射防止層を形成する第2の工程とを有する、光学フィルム製造方法。
[7] 下記の選定条件を満たす光学フィルムを選定する、光学フィルムの選定方法。
(光学フィルムの選定条件)
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
本開示の光学フィルム、偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性を良好にすることができる。本開示の光学フィルムの製造方法は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムを、簡易に製造することができる。本開示の光学フィルムの選定方法は、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムを、効率よく選定することができる。
本開示の光学フィルムの一実施形態を示す概略断面図である。 本開示の画像表示パネルの一実施形態を示す断面図である。 純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)を説明するための図である。
以下、本開示の実施形態を説明する。
[光学フィルム]
本開示の光学フィルムは、以下のものである。
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす、光学フィルム。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
図1は、本開示の光学フィルム100の断面形状の概略断面図である。
図1の光学フィルム100は、凹凸形状を有する第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面を有している。図1では、上側の面が第1面、下側の面が第2面である。
図1の光学フィルムは、第1面から第2面に向けて、反射防止層30、防眩層20及び基材10をこの順に有している。
図1は模式的な断面図である。すなわち、光学フィルム100を構成する各層の縮尺、及び凹凸形状の縮尺は、図示しやすくするために模式化したものであり、実際の縮尺とは相違している。図2及び3も同様である。
本開示の光学フィルムは、図1の積層構成に限定されない。例えば、本開示の光学フィルムは、基材を有さない積層構成であってもよい。本開示の光学フィルムは、基材、防眩層及び反射防止層以外の層を有するものであってもよい。
<第1面>
本開示の光学フィルムは第1面を有する。本開示の光学フィルムは、反射防止層の表面が第1面であることが好ましい。
光学フィルムの第1面は、凹凸形状を有し、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上である。第1面が凹凸形状を有さない場合、光学フィルムの防眩性を良好にすることができない。第1面が凹凸形状を有していても、Saが0.05μm未満の場合、光学フィルムの防眩性を良好にすることができない。
第1面は、Saが0.10μm以上であることが好ましく、0.20μm以上であることがより好ましく、0.30μm以上であることがさらに好ましい。
第1面のSaが大きすぎると、光学フィルムの耐擦傷性が低下する場合がある。このため、第1面のSaは、0.80μm以下であることが好ましく、0.60μm以下であることがより好ましく、0.45μm以下であることがさらに好ましい。
第1面のSaの範囲の実施形態は、0.05μm以上0.80μm以下、0.05μm以上0.60μm以下、0.05μm以上0.45μm以下、0.10μm以上0.80μm以下、0.10μm以上0.60μm以下、0.10μm以上0.45μm以下、0.20μm以上0.80μm以下、0.20μm以上0.60μm以下、0.20μm以上0.45μm以下、0.30μm以上0.80μm以下、0.30μm以上0.60μm以下、0.30μm以上0.45μm以下が挙げられる。
光学フィルムの第1面は、下記式1を満たす。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
第1面のSw×Vmpの値が2.00を超える場合、指紋拭き取り性を良好にすることができない。Sw×Vmpと、指紋拭き取り性との関係を以下に説明する。
Swは、第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。本明細書において、「30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)」のことを「純水降下傾斜角」と称する場合がある。指紋には多くの水分が含まれている。このため、第1面のSwが小さいほど、第1面と指紋との付着性が弱くなり、指紋を除去しやすくなる傾向がある。しかし、第1面のSwを小さくするだけでは、指紋拭き取り性を良好にできない場合があった。特に、光学フィルムの防眩性を良好にした場合、第1面のSwを小さくするだけでは、指紋拭き取り性を良好にすることは困難であった。
Vmpは、ISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)である。Vmpは、コア部よりも高さの高い突出した部分の体積を示すパラメータである。コア部は、凹凸形状の中で、平均的な高さを有する部分に相当する。Vmpが大きいほど、コア部よりも突出した部分の体積が大きいことを意味している。本明細書において、「コア部よりも突出した部分」のことを、「突出した凸部」と称する場合がある。SaとVmpとは必ずしも相関しないが、防眩性を良好にするためにSaを大きくすると、Vmpが大きくなる傾向がある。そして、Vmpが大きくなると、突出した凸部の間に指紋が入り込みやすくなるため、指紋拭き取り性が低下しやすくなる。突出した凸部の間に指紋が入り込むことを抑制するために、第1面のVmpを小さくすると、光学フィルムの防眩性を良好にしにくくなる。また、第1面のVmpを小さくするだけでは、光学フィルムの指紋拭き取り性を良好にすることは困難である。
上記のように、Swのみを調整すること、及び、Vmpのみを調整することでは、防眩性を有する光学フィルムの指紋拭き取り性を良好にすることは困難であった。そこで、本開示の光学フィルムは、Sw×Vmpを2.00以下とすることで、指紋拭き取り性を良好にしている。Sw×Vmpが2.00以下であることは、Sw及びVmpが極端に大きくなく、かつ、Sw及びVmpの少なくとも何れかが小さいことを意味している。このため、Sw×Vmpを2.00以下とすることで、光学フィルムの指紋拭き取り性を良好にすることができる。
Sw×Vmpは、1.60以下であることが好ましく、1.40以下であることがより好ましく、1.20以下であることがさらに好ましい。
Sw×Vmpが小さ過ぎることは、Sw及びVmpの少なくとも何れかが小さ過ぎることを意味する。Swが小さ過ぎる場合、反射防止層中のフッ素系化合物及びシリコーン系化合物の含有量が増加し、光学フィルムの耐擦傷性が低下しやすくなる。Vmpが小さ過ぎる場合、Saが小さくなり防眩性が低下しやすくなる。このため、Sw×Vmpは、0.15以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、0.40以上であることがより好ましく、0.60以上であることがより好ましい。
第1面のSw×Vmpの範囲の実施形態は、0.15以上2.00以下、0.15以上1.60以下、0.15以上1.40以下、0.15以上1.20以下、0.25以上2.00以下、0.25以上1.60以下、0.25以上1.40以下、0.25以上1.20以下、0.40以上2.00以下、0.40以上1.60以下、0.40以上1.40以下、0.40以上1.20以下、0.60以上2.00以下、0.60以上1.60以下、0.60以上1.40以下、0.60以上1.20以下が挙げられる。
第1面のSwは、Sw×Vmpを1.60以下にしやすくするため、65(度)以下であることが好ましく、40(度)以下であることがより好ましく、30(度)以下であることがさらに好ましい。
第1面のSwは、光学フィルムの耐擦傷性の低下を抑制するため、10(度)以上であることが好ましく、13(度)以上であることがより好ましく、17(度)以上であることがより好ましい。
第1面のSwの範囲の実施形態は、10度以上65度以下、10度以上40度以下、10度以上30度以下、13度以上65度以下、13度以上40度以下、13度以上30度以下、17度以上65度以下、17度以上40度以下、17度以上30度以下が挙げられる。
本開示の光学フィルムは、第1面の純水接触角が100度以上120度以下であることが好ましく、110度以上115度以下であることがより好ましい。
純水接触角は、第1面側の表面に純水を1.0μL滴下し、着滴10秒後の静的接触角をθ/2法に従って計測することができる。
第1面のVmpは、Sw×Vmpを1.60以下にしやすくするため、0.100(ml/m)以下であることが好ましく、0.080(ml/m)以下であることがより好ましく、0.060(ml/m)以下であることがより好ましく、0.045(ml/m)以下であることがより好ましい。
第1面のVmpは、防眩性を良好にしやすくするため、0.005(ml/m)以上であることが好ましく、0.007(ml/m)以上であることがより好ましく、0.010(ml/m)以上であることがより好ましく、0.020(ml/m)以上であることがより好ましい。
第1面のVmpの範囲の実施形態は、0.005ml/m以上0.100ml/m以下、0.005ml/m以上0.080ml/m以下、0.005ml/m以上0.060ml/m以下、0.005ml/m以上0.045ml/m以下、0.007ml/m以上0.100ml/m以下、0.007ml/m以上0.080ml/m以下、0.007ml/m以上0.060ml/m以下、0.007ml/m以上0.045ml/m以下、0.010ml/m以上0.100ml/m以下、0.010ml/m以上0.080ml/m以下、0.010ml/m以上0.060ml/m以下、0.010ml/m以上0.045ml/m以下、0.020ml/m以上0.100ml/m以下、0.020ml/m以上0.080ml/m以下、0.020ml/m以上0.060ml/m以下、0.020ml/m以上0.045ml/m以下が挙げられる。
本明細書において、光学フィルムの「純水降下傾斜角」は、例えば、下記(1)~(3)の手順で測定することができる。下記(1)~(3)の手順の測定は、例えば、協和界面科学社の「DropMaster」シリーズの品番「DMo-701」を用いて、付属品として「SA-301」を用いることにより測定できる。
純水は、汎用の純水を用いることができる。純水は、一般的には、比抵抗値が0.1MΩ・cm以上15MΩ・cm以下である。
(1)光学フィルムから2cm×8cmの大きさのサンプルを切り出す。サンプルの第2面側に両面テープを貼り付け、両面テープを介して、サンプルと、傾斜角が0度の水平な台とを固定する。両面テープの大きさは、長さ8cm以上、幅5mmとする。サンプルと台とを固定する際には、サンプルに皺が生じないようにするとともに、サンプルと台との間に気泡が入らないようにする。
(2)サンプルの第1面に30μlの純水を滴下する。
(3)サンプルを設置した台を2°/1秒の速度で徐々に傾斜させる。液滴の先端が0.2835mm以上動いた時に、液滴が流れ落ちたと判定する。液滴が流れ落ちた時の台の角度を、「純水降下傾斜角」とする。「台の角度」は、水平面と台の平面との成す角を意味する。
図3は、純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)を説明するための図である。図3の「θ」は、台の角度に相当する。図3において、符号200は水平面、符号300は台の平面、符号400は液滴を示す。図3では、台の平面300と、液液400との間に位置する光学フィルムを省略している。
本明細書において、Vmp、Vvc及びVvvは、コア部と突出山部を分離する負荷面積率を10%、コア部と突出谷部を分離する負荷面積率を80%、として算出したものである。
本明細書において、Sa、Vmp、Vvv、Vvc及びSal等の表面形状は、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定することが好ましい。共焦点レーザー顕微鏡としては、キーエンス社の「VK-X」シリーズ等が挙げられる。また、前述の「VK-X」シリーズの「マルチファイル解析アプリケーション」を用いることにより、Sa、Vmp、Vvv、Vvc及びSalを簡易に算出することができる。
前述の「VK-X」シリーズを用いて、Sa、Vmp、Vvv、Vvc及びSalを測定する際の測定条件は、実施例に記載の条件に従うことが好ましい。例えば、F-オペレーションは平面傾き補正(領域指定)とすることが好ましい。測定領域は1辺が50μm以上200μm以下の長方形が好ましく、測定点は1辺あたりで500点以上2000点以下であることが好ましい。
本明細書において、表面形状(Sa、Vmp、Vvv、Vvc及びSal)、純水の角度(純水降下傾斜角及び純水接触角)、元素比率(F/無機Si、有機Si/無機Si、F/有機Si等)、光学物性(RSCI、ヘイズ、全光線透過率、透過像鮮明度等)は、特に断りのない限り、16箇所の測定値から最大値及び最小値を除いた14の測定値の平均値を意味する。
本明細書において、16の測定箇所は、測定サンプルの外縁から1cmの領域を余白として除き、残りの領域に関して、縦方向及び横方向を5等分する線を引いた際の、交点の16箇所を測定の中心とすることが好ましい。例えば、測定サンプルが長方形の場合、長方形の外縁から0.5cmの領域を余白として除き、残りの領域を縦方向及び横方向に5等分した点線の交点の16箇所を中心として測定を行う。そして、16箇所の測定値から最大値及び最小値を除いた14の測定値の平均値を、パラメータの値とすることが好ましい。測定サンプルが円形、楕円形、三角形、五角形等の長方形以外の形状の場合、これら形状に内接する長方形を描き、前記長方形に関して、上記手法により16箇所の測定を行うことが好ましい。
本明細書において、表面形状(Sa、Vmp、Vvv、Vvc及びSal)、純水の角度(純水降下傾斜角及び純水接触角)、元素比率(F/無機Si、有機Si/無機Si、F/有機Si等)、光学物性(RSCI、ヘイズ、全光線透過率、透過像鮮明度等)は、特に断りのない限り、温度23±5℃、相対湿度40%以上65%以下で測定したものとする。また、各測定の開始前に、対象サンプルを前記雰囲気に30分以上60分以下晒してから測定を行うものとする。
本開示の光学フィルムは、第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出谷部空間体積であるVvvが0.005ml/m以上0.100ml/m以下であることが好ましい。Vvvは、コア部よりも深さの深い突出した部分の体積を示すパラメータである。Vvvを0.005ml/m以上とすることにより、防眩性をより良好にしやすくできる。Vvvを0.100ml/m以下とすることにより、指紋拭き取り性をより良好にしやすくできる。
Vvvの下限は、0.007ml/m以上であることがより好ましく、0.010ml/m以上であることがさらに好ましい。Vvvの上限は、0.080ml/m以下であることがより好ましく、0.060ml/m以下であることがさらに好ましい。
第1面のVvvの範囲の実施形態は、0.005ml/m以上0.100ml/m以下、0.005ml/m以上0.080ml/m以下、0.005ml/m以上0.060ml/m以下、0.007ml/m以上0.100ml/m以下、0.007ml/m以上0.080ml/m以下、0.007ml/m以上0.060ml/m以下、0.010ml/m以上0.100ml/m以下、0.010ml/m以上0.080ml/m以下、0.010ml/m以上0.060ml/m以下が挙げられる。
本開示の光学フィルムの第1面は、Vvvと、ISO 25178-2:2012に規定されるコア部空間体積であるVvcとの比(Vvv/Vvc)が、0.10以下であることが好ましい。Vvv/Vvcを0.10以下とすることにより、指紋拭き取り性をより良好にしやすくできる。Vvv/Vvcは、0.09以下であることがより好ましく、0.08以下であることがさらに好ましい。
本開示の光学フィルムの第1面は、Vmpと、Vvcとの比(Vmp/Vvc)が、0.10以下であることが好ましい。Vmp/Vvcを0.10以下とすることにより、指紋拭き取り性をより良好にしやすくできる。Vvv/Vvcは、0.09以下であることがより好ましく、0.08以下であることがさらに好ましい。
本開示の光学フィルムの第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される最小自己相関長さであるSalが4.0μm以上12.0μm以下であることが好ましい。
Salは、横方向に着目したパラメータである。Salが小さいほど、第1面は、凹凸が密集している形状を有し、Salが大きいほど、第1面は、凹凸の間隔が広い形状を有している。JIS B0601に規定される「粗さ曲線要素の平均長RSm」の値には、微細な凹凸は殆ど影響せず、大きな凹凸のみが影響する。一方、Salの値には、大きな凹凸が影響するだけではなく、微細な凹凸も影響する点で、RSmと相違している。また、凹凸の間隔が広くても、凸部が小さかったり、凹凸形状が複雑であったりすると、Salは小さくなる傾向がある。また、凸部が単調な形状であると、Salが大きくなる傾向がある。
Salを4.0μm以上とすることにより、指紋拭き取り性をより良好にしやすくできる。Salを12.0μm以下とすることにより、防眩性をより良好にしやすくできる。
Salの下限は、5.0μm以上であることがより好ましく、6.0μm以上であることがさらに好ましい。Salの上限は、11.0μm以下であることがより好ましく、10.0μm以下であることがさらに好ましい。
第1面のSalの範囲の実施形態は、4.0μm以上12.0μm以下、4.0μm以上11.0μm以下、4.0μm以上10.0μm以下、5.0μm以上12.0μm以下、5.0μm以上11.0μm以下、5.0μm以上10.0μm以下、6.0μm以上12.0μm以下、6.0μm以上11.0μm以下、6.0μm以上10.0μm以下が挙げられる。
本開示の光学フィルムは、第1面側の表面領域をX線光電子分光法により分析して得られる元素比率が、下記の式2~4を満たすことが好ましい。
3.5≦F/無機Si≦10.0 (式2)
0.08≦有機Si/無機Si≦1.00 (式3)
5.0≦F/有機Si≦50.0 (式4)
[式2~4中、「F」はフッ素元素の比率であり、「無機Si」は無機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率であり、「有機Si」は有機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率である。]
本明細書において「第1面側の表面領域」とは、第1面側の表面から深さ10nmまでの領域を表す。本明細書において、「X線光電子分光法」のことを、「XPS」と称する場合がある。第1面側の表面領域の元素比率は、例えば、実施例に記載の手法により測定できる。
光学フィルムの第1面の表面領域において、無機Siは、主にシリカ粒子に由来する。光学フィルムの第1面の表面領域において、有機Si及びFは、主にレベリング剤に由来する。
Si2p軌道のX線光電子スペクトルから、無機成分と有機成分とをピーク分離することにより、無機Siと有機Siとを分けることができる。
光学フィルムの第1面の表面領域において、無機Siは、第1面の屈折率を低くすることができる一方で、指紋拭き取り性を悪化させる傾向がある。また、光学フィルムの第1面の表面領域において、無機Siに対して有機Si及びFを所定量以上含むことにより、指紋拭き取り性を良好にする傾向がある。さらに、光学フィルムの第1面の表面領域において、有機SiとFとをバランスよく含むことにより、指紋拭き取り性を良好にする傾向がある。したがって、F/無機Siを3.5以上、かつ、有機Si/無機Siを0.08以上、かつ、F/有機Siを5.0以上50.0以下とすることにより、Swを小さくしやすくでき、式1を満たしやすくできる。
また、F/無機Siを10.0以下、かつ、有機Si/無機Siを1.00以下とすることにより、反射防止層の塗工性の低下を抑制しやすくできる。
F/無機Siは、下限が4.0以上であることがより好ましく、4.5以上であることがさらに好ましく、上限が9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることがさらに好ましい。
有機Si/無機Siは、下限が0.10以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましく、上限が0.80以下であることがより好ましく、0.50以下であることがさらに好ましい。
F/有機Siは、下限が10.0以上であることがより好ましく、15.0以上であることがさらに好ましく、22.0以上であることがよりさらに好ましく、上限が40.0以下であることがより好ましく、35.0以下であることがさらに好ましい。
F/無機Siの範囲の実施形態は、3.5以上10.0以下、3.5以上9.0以下、3.5以上8.0以下、4.0以上10.0以下、4.0以上9.0以下、4.0以上8.0以下、4.5以上10.0以下、4.5以上9.0以下、4.5以上8.0以下が挙げられる。
有機Si/無機Siの範囲の実施形態は、0.08以上1.00以下、0.08以上0.80以下、0.08以上0.50以下、0.10以上1.00以下、0.10以上0.80以下、0.10以上0.50以下、0.15以上1.00以下、0.15以上0.80以下、0.15以上0.50以下が挙げられる。
F/有機Siの範囲の実施形態は、5.0以上50.0以下、5.0以上40.0以下、5.0以上35.0以下、10.0以上50.0以下、10.0以上40.0以下、10.0以上35.0以下、15.0以上50.0以下、15.0以上40.0以下、15.0以上35.0以下、22.0以上50.0以下、22.0以上40.0以下、22.0以上35.0以下が挙げられる。
本開示の光学フィルムは、第1面側の表面領域をX線光電子分光法により分析して得られる元素比率に関して、全元素に対する無機Siの割合が2原子%以上20原子%以下であることが好ましい。全元素に対する無機Siの割合を2原子%以上とすることにより、第1面の屈折率を低くしやすくできるため、光学フィルムの反射防止性を良好にしやすくできる。無機Siの割合を20原子%以下とすることにより、F/無機Siを3.5以上、かつ、有機Si/無機Siを0.08以上にしやすくできる。
全元素に対する無機Siの割合は、下限が3原子%以上であることがより好ましく、4原子%以上であることがさらに好ましく、上限が15原子%以下であることがより好ましく、12原子%以下であることがさらに好ましい。
全元素に対する無機Siの割合の範囲の実施形態は、2原子%以上20原子%以下、2原子%以上15原子%以下、2原子%以上12原子%以下、3原子%以上20原子%以下、3原子%以上15原子%以下、3原子%以上12原子%以下、4原子%以上20原子%以下、4原子%以上15原子%以下、4原子%以上12原子%以下が挙げられる。
<積層構成>
本開示の光学フィルムは、第1面から第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有する。光学フィルムの第1面側の最表面は反射防止層であることが好ましい。
本開示の光学フィルムは、反射防止層及び防眩層以外の層を有していてもよい。反射防止層及び防眩層以外の層としては、基材、帯電防止層、接着剤層等が挙げられる。
本開示の光学フィルムは、第1面から第2面に向けて、反射防止層、防眩層及び基材をこの順に有することが好ましい。
《基材》
光学フィルムは、製造の容易性、及び、取り扱い性のため、基材を有することが好ましい。
基材としては、光透過性、平滑性及び耐熱性を備え、さらに機械的強度に優れたものが好ましい。このような基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
プラスチックフィルムの中でも、機械的強度及び寸法安定性のため、延伸加工されたポリエステルフィルムが好ましく、二軸延伸加工されたポリエステルフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。TACフィルム、アクリルフィルムは、光透過性及び光学的等方性を良好にしやすいため好適である。COPフィルム、ポリエステルフィルムは耐候性に優れるため好適である。
基材の厚みは、5μm以上300μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましく、30μm以上120μm以下であることがさらに好ましい。
光学フィルムを薄膜化したい場合は、基材の厚みの好ましい上限は100μm以下であり、より好ましい上限は80μm以下である。また、基材がポリエステル、COP、アクリル等の低透湿性基材の場合には、薄膜化のための基材の厚さの好ましい上限は60μm以下であり、より好ましい上限は40μm以下である。大画面の場合であっても、基材の厚みの上限が前述した範囲であれば、歪みを生じにくくさせることができる点でも好適である。
基材の厚みは、例えば、膜厚測定器で測定できる。膜厚測定器としては、ミツトヨ社のデジマチック標準外側マイクロメーター(品番:MDC-25SX)等が挙げられる。基材の厚みは、任意の10点を測定した平均値が上記数値であればよい。
基材は、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
基材は、JIS K7136:2000のヘイズが10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。
基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理等の物理的な処理を施したり、化学的な処理を施したりしてもよい。また、基材は、表面に易接着層を有するものであってもよい。
《防眩層》
防眩層は、防眩性の中心を担う層である。
防眩層は、例えば、(A)エンボスロールを用いた方法、(B)エッチング処理、(C)型による成型、(D)塗布による塗膜の形成等により形成できる。安定した表面形状を得やすくするためには(C)の型による成型が好適であり、生産性及び多品種対応のためには(D)の塗布による塗膜の形成が好適である。
(C)の手段では、例えば、型に樹脂を流し込み、成形した樹脂を型から取り出すことにより、防眩層を形成することができる。型から取り出した成形した樹脂は、基材上に配置してもよい。型は、防眩層の表面形状を反転した型を用いる。このような型は、例えば、下記の(c1-1)~(c1-2)、あるいは、下記の(c2)の手法で作製することができる。
(c1-1)Sa及びVmp等が所定の範囲となる形状をシミュレーションで作成する。さらに、シミュレーションした形状を反転する。
(c1-2)反転した形状が反映されるように、金属の表面をレーザー光で彫刻したり、金属の表面をフォトリソグラフィにより加工したりすることにより、型を得る。
(c2)汎用の電気鋳造法により、(D)で作製した防眩層の形状を反転した型を得る。
(D)により防眩層を形成する場合、例えば、下記の(d1)及び(d2)の手段が挙げられる。(d1)は、(d2)よりもSa及びVmp等の表面形状の範囲を調整しやすい点で好ましい。
(d1)バインダー樹脂及び粒子を含む塗布液を塗布、乾燥し、粒子に基づく凹凸を有する防眩層を形成する手段。
(d2)任意の樹脂と、前記樹脂と相溶性の悪い樹脂を含む塗布液を塗布して、樹脂を相分離させて凹凸を形成する手段。
-厚み-
防眩層の厚みTは、カール抑制、機械的強度、硬度及び靭性とのバランスのため、2.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上8.0μm以下であることがより好ましく、4.0μm以上6.0μm以下であることがさらに好ましい。
防眩層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡による光学フィルムの断面写真の任意の箇所を20点選び、その平均値により算出できる。STEMの加速電圧は10kv以上30kV以下、STEMの倍率は1000倍以上7000倍以下とすることが好ましい。
-成分-
防眩層は、主として樹脂成分を含むことが好ましい。さらに、防眩層は、必要に応じて、有機粒子及び無機粒子等の粒子、ナノメートル単位の微粒子、屈折率調整剤、帯電防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤及び熱重合開始剤等の添加剤を含むことが好ましい。
防眩層は、バインダー樹脂及び粒子を含むことが好ましい。
粒子は有機粒子及び無機粒子が挙げられ、無機粒子が好ましい。すなわち、防眩層は、バインダー樹脂及び無機粒子を含むことが好ましい。また、防眩層は、バインダー樹脂、無機粒子及び有機粒子を含むことがより好ましい。
―粒子―
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等が挙げられ、シリカが好ましい。無機粒子の中でも、不定形無機粒子が好ましく、不定形シリカがより好ましい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等から選ばれる1種以上の樹脂を含む粒子が挙げられる。
不定形無機粒子とは、大粒径の無機粒子を粉砕した後、分級して得られた特定の形状を持たない無機粒子のことを意味する。
粒子としては、無機粒子を含むことが好ましい。また、粒子として、不定形無機粒子を含むことがより好ましく、不定形無機粒子及び有機粒子を含むことがさらに好ましい。不定形無機粒子としては、不定形シリカが好ましい。
不定形無機粒子は、球形の粒子に比べて、Saを大きくしやすく、Salを小さくしやすい傾向がある。しかし、不定形無機粒子の粒子径分布が広すぎると、Vmpが大きくなりやすくなるため、式1を満たしにくくなる。特に、不定形無機粒子が凝集すると、Vmpはより大きくなり、式1をより満たしにくくなる。一方、不定形無機粒子の粒子径分布が狭すぎると、塗布適性が低下しやすい。このため、不定形無機粒子は、粒子径の体積基準の累積分布が後述する範囲であることが好ましい。しかし、無機粒子は単独で使用すると凝集しやすい。したがって、Sa及び式1を満たしやすくするためには、不定形粒子の粒子径分布を後述する範囲として、かつ、有機粒子を併用することが好ましい。
不定形無機粒子等の無機粒子は、粒子径の体積基準の累積分布d10と、粒子径の体積基準の累積分布d50と、粒子径の体積基準の累積分布d90とが、下記(1)及び(2)の関係を満たす、ことが好ましい。
1.5≦d50/d10≦4.0 (1)
1.0≦d90/d50≦3.0 (2)
d50/d10が1.5以上であることは、粒子径が平均以下の領域における無機粒子の粒度分布が広いことを意味している。d50/d10を1.5以上とすることにより、凹凸表面に細かい凹凸が付与されやすくなるため、Salを小さくしやすくできる。d50/d10を4.0以下とすることにより、防眩層に埋没する無機粒子の量が増えることを抑制し、無機粒子の添加効率を上げることができる。
d90/d50が1.0以上であることは、粒子径が平均以上の領域における無機粒子の粒度分布が広いことを意味している。d90/d50を1.0以上とすることにより、Vmpを大きくしやすく、かつ、Salを大きくしやすくできる。d90/d50を3.0以下とすることにより、Vmpが大きくなり過ぎること、及び、Salが大きくなり過ぎることを抑制しやすくできる。
d50/d10は、下限は2.0以上であることより好ましく、2.3以上であることがさらに好ましく、上限は3.5以下であることより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。
d90/d50は、下限は1.3以上であることより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、上限は2.5以下であることより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。
不定形無機粒子等の無機粒子のd10、d50及びd90は、レーザー回折法により測定することができる。
不定形無機粒子等の無機粒子は、粒子径の体積基準の累積分布d50が、2.5μm以上5.5μm以下であることが好ましく、3.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましく、3.3μm以上4.7μm以下であることがさらに好ましい。
d50を2.5μm以上とすることにより、無機粒子の個数が増え過ぎることを抑制できるため、Salが小さくなり過ぎることを抑制しやすくできる。d50を5.5μm以下とすることにより、無機粒子の個数が減り過ぎることを抑制できるため、Salが大きくなり過ぎることを抑制しやすくできる。
防眩層の厚みTと、不定形無機粒子等の無機粒子のd50とは、d50/Tが0.55以上1.00以下であることが好ましく、0.60以上0.95以下であることがより好ましく、0.70以上0.90以下であることがさらに好ましい。
d50/Tを0.55以上とすることにより、Salを大きくしやすくできる。d50/Tを1.00以下とすることにより、Salを小さくしやすくできる。
防眩層の厚みTと、不定形無機粒子等の無機粒子のd90とは、d90/Tが1.00以上1.50以下であることが好ましく、1.08以上1.45以下であることがより好ましく、1.20以上1.40以下であることがさらに好ましい。
d90/Tを1.00以上とすることにより、Vmpを大きくしやすくできる。d90/Tを1.50以下とすることにより、Vmpを小さくしやすくできる。
不定形無機粒子等の無機粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、8質量部以上40質量部以下であることが好ましく、12質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、15質量部以上28質量部以下であることがさらに好ましい。
不定形無機粒子等の無機粒子の含有量を8質量部以上とすることにより、無機粒子の個数が減り過ぎることを抑制できるため、無機粒子が緻密に配置され、無機粒子の間に谷が形成される。このため、Vvvが所定の値以上となり、さらに、Salが大きくなり過ぎないため、防眩性を良好にしやすくできる。
不定形無機粒子等の無機粒子の含有量を40質量部以下とすることにより、無機粒子の個数が増え過ぎることを抑制できるため、Salが小さくなり過ぎることを抑制しやすくできる。
有機粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上25質量部以下であることが好ましく、3量部以上18質量部以下であることがより好ましく、8質量部以上14質量部以下であることがさらに好ましい。
有機粒子の含有量を1質量部以上とすることにより、無機粒子の凝集を抑制しやすくできる。また、有機粒子の含有量を1質量部以上とすることにより、有機粒子の個数が減り過ぎることを抑制できるため、Vmpが大きくなり過ぎることを抑制しやすくできる。
有機粒子は粒子径分布が比較的均一であるため、有機粒子の含有量が増加すると、Salが小さくなる傾向が強くなる。このため、有機粒子の含有量を25質量部以下とすることにより、Salが小さくなり過ぎることを抑制し、指紋拭き取り性を良好にしやすくできる。
有機粒子の平均粒子径は、1.0μm以上5.0μm以下であることが好ましく、1.2μm以上3.0μm以下であることがより好ましく、1.3μm以上2.5μm以下であることがさらに好ましい。
有機粒子の平均粒子径を1.0μm以上とすることにより、有機粒子の個数が増え過ぎることを抑制できるため、Salが小さくなり過ぎることを抑制しやすくできる。このため、有機粒子の平均粒子径を1.0μm以上とすることにより、指紋拭き取り性を良好にしやすくできる。有機粒子の平均粒子径を5.0μm以下とすることにより、有機粒子の個数が減り過ぎることを抑制できるため、Vmpが大きくなり過ぎることを抑制しやすくできる。
本明細書において、有機粒子の平均粒子径は、レーザー回折法における体積平均値d50として求められる値を意味する。
有機粒子は、粒度分布が狭いものが好ましい。具体的には、有機粒子は、平均粒子径の±0.5μmの範囲内の粒子の割合が、有機粒子の全量の80体積%以上であることが好ましく、85体積%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。不定形無機粒子等の無機粒子の粒度分布を広くする一方で、有機粒子の粒度分布を狭くすることで、Vmpを小さくして式1を満たしやすくできる。
有機粒子の形状としては、球状、円盤状、ラグビーボール状、不定形等が挙げられる。これらの形状の中でも、粒度分布を制御しやすいため、球状の有機粒子が好ましい。
防眩層の厚みに対する有機粒子の平均粒子径(有機粒子の平均粒子径/防眩層の厚み)は、0.20以上0.70以下であることが好ましく、0.23以上0.50以下であることがより好ましく、0.25以上0.35以下であることがさらに好ましい。有機粒子の平均粒子径/防眩層の厚みを前記範囲とすることにより、Vmp、Sa及びSalを上述した範囲にしやすくできる。
―無機微粒子―
防眩層は、バインダー樹脂及び粒子に加えて、さらに無機微粒子を含んでいてもよい。本明細書において、無機微粒子と上述した粒子とは、平均粒子径で区別できる。
防眩層が無機微粒子を含むことにより、粒子の屈折率と、防眩層の粒子以外の組成物の屈折率との差が小さくなり、内部ヘイズを小さくしやすくできる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる微粒子が挙げられる。これらの中でも、内部ヘイズの発生を抑制しやすいシリカが好適である。
無機微粒子の平均粒子径は、1nm以上200nm以下であることが好ましく、2nm以上100nm以下であることがより好ましく、5nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。
―バインダー樹脂―
バインダー樹脂は、耐擦傷性を良好にしやすくするため、熱硬化性樹脂組成物の硬化物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことがより好ましい。
バインダー樹脂は、本開示の効果を阻害しない範囲で、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
バインダー樹脂の全量に対する硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は、耐擦傷性を良好にしやすくするため、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよい。例えば、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等により、分子骨格の一部を変性したものも使用することができる。
多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、500以上3000以下であることが好ましく、700以上2500以下であることがより好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
また、防眩層塗布液の粘度を調整するなどの目的で、電離放射線硬化性化合物として、単官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものである。促進剤としては、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。
バインダー樹脂が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は、多官能(メタ)アクリレートモノマー及び多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを含むことが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーと多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとの質量比は、5:95~60:40であることが好ましく、20:80~60:40であることがより好ましく、40:60~60:40であることがさらに好ましい。
多官能(メタ)アクリレートモノマーを所定の割合以上とすることにより、防眩層の耐擦傷性を良好にしやすくできる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを所定の割合以上とすることにより、防眩層用塗布液の粘度を高め、防眩層の下方に粒子が沈むことを抑制しやすくできるとともに、粒子に基づく凸部の間にバインダー樹脂が流れ落ちることを抑制しやすくできる。このため、Sa及びVvvを所定の値以上にしやすく、かつSalを所定の値以下にしやすくできる。一方、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの割合が多くなり過ぎると、防眩層の強度が低下する場合がある。また、防眩層用塗布液の粘度が高すぎると、Vmpが大きくなり過ぎたり、Salが小さくなり過ぎたりする場合がある。このため、電離放射線硬化性樹脂組成物は、所定量の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーと、所定量の多官能(メタ)アクリレートモノマーとを含むことが好ましい。
―溶剤、乾燥条件―
防眩層塗布液は、粘度を調節したり、各成分を溶解または分散可能としたりするために溶剤を含むことが好ましい。溶剤の種類によって、塗布、乾燥した後の防眩層の表面形状が異なるため、溶剤の飽和蒸気圧、基材への溶剤の浸透性等を考慮して溶剤を選定することが好ましい。
具体的には、溶剤は、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
防眩層塗布液中の溶剤は、蒸発速度が速い溶剤を主成分とすることが好ましい。溶剤の蒸発速度を速くすることにより、粒子が防眩層の下部に沈むことを抑制し、さらには、粒子に基づく凸部の間にバインダー樹脂が流れ落ちることを抑制しやすくできる。このため、Sa及びVvvを所定の値以上にしやすく、かつSalを所定の値以下にしやすくできる。
主成分とは、溶剤の全量の50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは97質量%以上である。
本明細書において、蒸発速度が速い溶剤は、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした際に、蒸発速度が100以上の溶剤を意味する。蒸発速度が速い溶剤の蒸発速度は、120以上300以下であることがより好ましく、150以上220以下であることがさらに好ましい。
蒸発速度が速い溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン(蒸発速度160)、トルエン(蒸発速度200)、メチルエチルケトン(蒸発速度370)が挙げられる。
一方、蒸発速度が100未満の蒸発速度が遅い溶剤としては、シクロヘキサノン(蒸発速度32)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(蒸発速度44)が挙げられる。
また、防眩層塗布液から防眩層を形成する際には、乾燥条件を制御することが好ましい。
乾燥条件は、乾燥温度及び乾燥機内の風速により制御することができる。乾燥温度は30℃以上120℃以下が好ましく、乾燥風速は0.2m/s以上50m/s以下が好ましい。また、乾燥により防眩層の表面形状を制御するために、電離放射線の照射は塗布液の乾燥後に行うことが好適である。
乾燥条件は、上記の温度範囲及び風速範囲において、2段階の乾燥を実施することが好ましい。そして、1段階目の乾燥に比べて、2段階目の乾燥を、乾燥温度を高温として、かつ、風速を強くすることが好ましい。1段階目にゆっくり乾燥させることで、不定形無機粒子の表面をバインダー樹脂が覆った際に、バインダー樹脂の表面に不定形無機粒子の形状を反映させやすくできる。また、1段階目の乾燥より2段階目の乾燥温度を高温として、風速を強くすることにより、有機粒子の凝集を抑制しやすくできる。したがって、2段階の乾燥とすることにより、Vmpが大きくなり過ぎることを抑制しやすく、かつSalを所定の値以下にしやすくできる。
1段階目の乾燥は、乾燥温度を30℃以上60℃未満、乾燥風速を0.2m/s以上7m/s未満とすることが好ましい。2段階目の乾燥は、乾燥温度を60℃以上120℃以下、乾燥風速を7m/s以上50m/s以下とすることが好ましい。
《反射防止層》
反射防止層は、第1面側の最表面に位置することが好ましい。
反射防止層は、例えば、低屈折率層の単層構造;高屈折率層と低屈折率層の2層構造;3層構造以上の多層構造;が挙げられる。低屈折率層及び高屈折率層は、汎用のウェット法又はドライ法等により形成することができる。ウェット法の場合は前記単層構造又は2層構造が好ましく、ドライ法の場合は前記多層構造が好ましい。
ウェット法は、生産効率及び耐薬品性の点で、ドライ法よりも優れている。
本開示の光学フィルムでは、防眩層の凹凸形状を維持しやすくするため、反射防止層は低屈折率層の単層構造であることが好ましい。
―単層構造又は2層構造の場合―
単層構造は低屈折率層の単層であり、2層構造は高屈折率層及び低屈折率層から形成される。単層構造又は2層構造は、ウェット法により好ましく形成される。
ウェット法により反射防止層を形成する方法としては、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、フッ素樹脂のような低屈折率の樹脂を塗工して形成する手法、バインダー樹脂組成物に低屈折率粒子又は高屈折率粒子を含有させた塗布液を塗工して形成する手法が挙げられる。
ウェット法の中でも、密着性及び耐擦傷性のために、バインダー樹脂組成物に低屈折率粒子又は高屈折率粒子塗布液により、反射防止層を形成することが好ましい。すなわち、低屈折率層は、バインダー樹脂及び低屈折率粒子を含むことが好ましい。また、高屈折率層は、バインダー樹脂及び高屈折率粒子を含むことが好ましい。
低屈折率層の屈折率は、下限は、1.10以上が好ましく、1.20以上がより好ましく、1.26以上がより好ましく、1.28以上がより好ましく、1.30以上がより好ましく、上限は、1.48以下が好ましく、1.45以下がより好ましく、1.40以下がより好ましく、1.38以下がより好ましく、1.32以下がより好ましい。
本明細書において、屈折率は、波長550nmにおける値を意味するものとする。
低屈折率層の厚みは、下限は、80nm以上が好ましく、85nm以上がより好ましく、90nm以上がより好ましく、上限は、150nm以下が好ましく、110nm以下がより好ましく、105nm以下がより好ましい。
低屈折率層のバインダー樹脂は、耐擦傷性をより良くするため、熱硬化性樹脂組成物の硬化物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことがより好ましい。
低屈折率層のバインダー樹脂は、本開示の効果を阻害しない範囲で、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
低屈折率層の硬化性樹脂組成物の硬化物としては、防眩層で例示した硬化性樹脂組成物の硬化物と同様のものが挙げられる。
低屈折率層のバインダー樹脂の全量に対する硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることがさらに好ましい。
低屈折率層のバインダー樹脂は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂として熱可塑性樹脂を含むことにより、低屈折率層用塗布液の粘度を高め、低屈折率層用塗布液が防眩層の凸部の間に流れ落ちにくくなる。このため、バインダー樹脂として熱可塑性樹脂を含むことにより、Sa及びVvvを所定の値以上にしやすく、かつ、Salを所定の値以下にしやすくできる。さらに、第1面の表面近傍に有機Si及びフッ素を残存させやすくなるため、式2~4の元素比率を満たしやすくできる。一方、低屈折率層用塗布液の粘度が高くなり過ぎると、反射防止層用塗布液の塗布時に防眩層の表面に欠陥が生じる場合がある。
熱可塑性樹脂の含有量は、上述した作用及び塗膜強度のため、バインダー樹脂の全量の0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上0.7質量%以下である。
熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂(耐熱ABS樹脂を含む)、AS樹脂、AN樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられ、透明性の観点からアクリル系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、2万以上20万以下であることが好ましく、3万以上15万以下であることがより好ましく、5万以上10万以下であることがさらに好ましい。
低屈折率粒子は、中空粒子及び中実粒子が挙げられる。低屈折率粒子としては、中空粒子及び中実粒子の何れか一方のみを含んでいてもよいが、屈折率を低くするため、中空粒子を含むことが好ましい。低屈折率層の塗膜強度の低下を抑制するためには、中空粒子に加えて、さらに中実粒子を含んでいてもよい。なお、中実粒子を含まず、中空粒子のみを含むことにより、本開示の効果を発揮しやすくできる。
中空粒子及び中実粒子の材質は、シリカ及びフッ化マグネシウム等の無機化合物、有機化合物のいずれであってもよいが、低屈折率化及び強度のためにシリカが好ましい。すなわち、低屈折率層は、中空シリカ粒子を含むことが好ましい。また、低屈折率層は、中空シリカ粒子に加えて、さらに中実シリカ粒子を含むことも好ましい。
中空粒子の平均一次粒子径は、低屈折率層の厚みより小さいものが好ましく、例えば、1nm以上150nm以下が挙げられる。中空粒子の平均一次粒子径は、35nm以上100nm以下であることが好ましく、50nm以上100nm以下であることがより好ましく、60nm以上80nm以下であることがさらに好ましい。
中実粒子の平均一次粒子径は、低屈折率層の厚みより小さいものが好ましく、例えば、0.5nm以上100nm以下が挙げられる。中実粒子の平均一次粒子径は、1nm以上30nm以下であることが好ましく、5nm以上20nm以下であることがより好ましく、10nm以上15nm以下であることがさらに好ましい。
中空粒子及び後述する中実粒子、並びに、後述する高屈折粒子の平均一次粒子径は、以下の(A1)~(A3)の作業により算出できる。
(A1)反射防止部材の断面をTEM又はSTEMで撮像する。TEM又はSTEMの加速電圧は10kv~30kV、倍率は5万~30万倍とすることが好ましい。
(A2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(A3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均一次粒子径とする。
中空粒子の含有量が多くなるほど、バインダー樹脂中の中空粒子の充填率が高くなり、低屈折率層の屈折率が低下する。このため、中空粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して100質量部以上であることが好ましく、150質量部以上であることがより好ましい。
一方で、中空粒子の含有量が多すぎると、中空粒子が損傷したり、脱落したりしやすくなって、低屈折率層の耐擦傷性等の機械的強度が低下する傾向がある。また、中空粒子の含有量が多すぎると、上記式2及び3を満たしにくくなる場合がある。このため、中空粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して300質量部以下であることが好ましく、250質量部以下であることがより好ましい。
中実粒子の含有量は、低屈折率層の耐擦傷性を良好にするために、バインダー樹脂100質量部に対して20質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。
一方で、中実粒子の含有量が多すぎると、中実粒子が凝集しやすくなる。また、中実粒子の含有量が多すぎると、上記式2及び3を満たしにくくなる場合がある。このため、中実粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して100質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
低屈折率層は、第1表面が上記式2~4の元素比率を満たしやすくするため、有機Si及びフッ素を含むレベリング剤を含むことが好ましい。有機Si及びフッ素を含むレベリング剤は、分子内に有機Si及びフッ素を含む化合物であってもよい。また、有機Si及びフッ素を含むレベリング剤は、分子内に有機Siを含む化合物と、分子内にフッ素を含む化合物とを併用してもよい。バインダー樹脂との相溶性を良くしやすくするため、低屈折率層は、レベリング剤として、1つの分子内に有機Si及びフッ素を含む化合物を含むことが好ましい。レベリング剤は、分子内にバインダー樹脂と反応性を有する官能基を有することが好ましい。
上記式2~4の元素比率は、主に、レベリング剤の含有量、及び、レベリング剤内の有機Si及びフッ素の割合により調整できる。しかし、レベリング剤の含有量、及び、レベリング剤内の有機Si及びフッ素の割合だけでは、防眩層の凸部の間に流れ落ちる低屈折率層用塗布液の量をコントロールすることは難しい。上記式2~4の元素比率を満たしやすくするためには、低屈折率層用塗布液の粘度を高くしたり、低屈折率層用塗布液の乾燥条件を制御したりして、防眩層の凸部の間に流れ落ちる低屈折率層用塗布液の量を少なくすることが好ましい。
レベリング剤の好ましい含有量は、レベリング剤内の有機Si及びフッ素の割合に応じて、上記式2~4の元素比率を満たすように調整することが好ましい。
本開示の一実施形態では、低屈折率層の全固形分に対するレベリング剤の含有量は、10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。
高屈折率層は、低屈折率層よりも防眩層側に配置することが好ましい。
高屈折率層の屈折率は、下限は、1.53以上が好ましく、1.54以上がより好ましく、1.55以上がより好ましく、1.56以上がより好ましく、上限は、1.85以下が好ましく、1.80以下がより好ましく、1.75以下がより好ましく、1.70以下がより好ましい。
高屈折率層の厚みは、上限は、200nm以下が好ましく、180nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましく、下限は、50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましい。
高屈折率層のバインダー樹脂としては、低屈折率層のバインダー樹脂と同様のものが挙げられる。
高屈折率粒子としては、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、酸化イットリウム及び酸化ジルコニウム等が挙げられる。
高屈折率粒子の平均一次粒子径は、2nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。また、高屈折率粒子の平均一次粒子径は、白化抑制及び透明性の観点から、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がより好ましく、30nm以下がより好ましい。
高屈折率粒子の含有量は、高屈折率層の屈折率が上述した範囲となるような含有量とすればよい。
低屈折率層及び高屈折率層等の反射防止層をウェット法により形成する場合、反射防止層用塗布液の粘度を高くすることが好ましい。反射防止層用塗布液の粘度を高くすることにより、反射防止層用塗布液が防眩層の凸部の間に流れ落ちにくくなるため、防眩層上に反射防止層を形成しても、防眩層の表面形状を維持しやすくできる。このため、反射防止層用塗布液の粘度を適度に高くすることにより、Sa及びVvvを所定の値以上にしやすく、かつ、Salを所定の値以下にしやすくできる。さらに、第1面の表面近傍に有機Si及びフッ素を残存させやすくなるため、式2~4の元素比率を満たしやすくできる。例えば、バインダー樹脂として熱可塑性樹脂を添加したり、電離放射線硬化性樹脂組成物としてオリゴマーの割合を増やしたり、溶剤として粘度の高い溶剤を選択したりすることなどにより、反射防止層用塗布液の粘度を高くすることができる。
一方、反射防止層用塗布液の粘度を高くし過ぎると、反射防止層用塗布液の塗布時に防眩層の表面に欠陥が生じる場合がある。
このため、反射防止層用塗布液の23℃の粘度は、0.1mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
反射防止層用塗布液の溶剤としては、防眩層用塗布液の溶剤として例示したものと同様のものが挙げられる。
反射防止層塗布液から防眩層を形成する際には、乾燥条件を制御することが好ましい。
乾燥条件は、乾燥温度及び乾燥機内の風速により制御することができる。乾燥温度は30℃以上70℃以下が好ましく、乾燥風速は10m/s以上30m/s以下が好ましい。乾燥温度を低温とすることにより、反射防止層用塗布液の粘度を高くしやすくできる。また、風速を強くすることにより、反射防止層用塗布液の粘度を速やかに上げることができる。したがって、反射防止層用塗布液を比較的低温、かつ、強い風速で乾燥することにより、反射防止層用塗布液が防眩層の凸部の間に流れ落ちにくくすることができる。すなわち、反射防止層用塗布液を比較的低温、かつ、強い風速で乾燥することにより、第1面のSa等の表面形状を上述した範囲にしやすくでき、かつ、式1~4を満たしやすくできる。
電離放射線の照射は反射防止層用塗布液の乾燥後に行うことが好適である。
―3層構造以上の多層構造の場合―
ドライ法により好ましく形成される多層構造は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に合計3層以上積層された構成である。多層構造においても、低屈折率層は、光学フィルムの最表面に配置することが好ましい。
高屈折率層は、厚みは10nm以上200nm以下であることが好ましく、屈折率は2.10以上2.40以下であることが好ましい。高屈折率層の厚みは20nm以上70nm以下であることがより好ましい。
低屈折率層は、厚みは5nm以上200nm以下であることが好ましく、屈折率は1.33以上1.53以下であることが好ましい。低屈折率層の厚みは20nm以上120nm以下であることがより好ましい。
<光学特性>
光学フィルムは、下記の手法により測定される全光線反射率であるRSCIが3.0%以下であることが好ましい。
[全光線反射率(RSCI)の測定]
前記光学フィルムの前記第2面側に、透明粘着剤を介して黒色板を貼り合わせたサンプルを作製する。前記サンプルの前記光学フィルム側を光入射面として全光線反射率(RSCI)を測定する。
SCIを3.0%以下とすることにより、照度が強い光が第1面に入射しない環境において、黒表示部の黒味を高めやすくできるため、コントラストを良好にしやすくできる。光学フィルムのRSCIは、2.5%以下であることがより好ましく、2.0%以下であることがさらに好ましい。光学フィルムのRSCIの下限は特に制限されないが、通常は0.1%以上である。
通常、RSCIを3.0%以下とした場合、指紋成分を有する箇所と、指紋成分を有さない箇所との反射率のコントラストが大きくなり、光学フィルムの見栄えが大きく低下しやすくなる。しかし、本開示の光学フィルムは、式1を満たすことにより指紋拭き取り性が良好であるため、RSCIを3.0%以下としても、光学フィルムの見栄えが低下することを抑制しやすくできる。
SCIは、積分球を用いてサンプル表面にあらゆる方向から光を与え、正反射方向に相当するライトトラップを閉じて測定される反射光である。
代表的なRSCIの測定装置は、JIS Z8722:2009の幾何条件cに準拠した構成となっている。より具体的には、代表的なRSCIの測定装置は、積分球分光光度計の光源としてD65を用い、受光器の位置はサンプルの法線に対して+8度であり、受光器の開口角は10度であり、ライトトラップの位置はサンプルの法線に対して-8度であり、視野角は2度又は10度である。本明細書では視野角を2度としている。
上記条件を満たす測定装置としては、例えば、コニカミノルタ社製の積分球分光光度計(商品名:CM-2002)が挙げられる。
サンプルの透明粘着剤の屈折率と、光学フィルムの第2面側の層の屈折率との差は、0.05以内であることが好ましく、0.03以内であることがより好ましく、0.01以内であることがさらに好ましい。サンプルの透明粘着剤の屈折率と、黒色板のバインダー樹脂の屈折率との差は、0.05以内であることが好ましく、0.03以内であることがより好ましく、0.01以内であることがさらに好ましい。
光学フィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
全光線透過率及びヘイズを測定する際の光入射面は、光学フィルムの第2面側とする。
光学フィルムは、JIS K7136:2000のヘイズが20%以上75%以下であることが好ましい。ヘイズは、下限は30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、50%以上であることがよりさらに好ましく、上限は70%以下であることがより好ましく、65%以下であることがさらに好ましい。
ヘイズを20%以上とすることにより、防眩性を良好にしやすくできる。また、ヘイズを75%以下とすることにより、映像の解像度の低下を抑制しやすくできる。
光学フィルムのヘイズの実施形態は、20%以上75%以下、20%以上70%以下、20%以上65%以下、30%以上75%以下、30%以上70%以下、30%以上65%以下、40%以上75%以下、40%以上70%以下、40%以上65%以下、50%以上75%以下、50%以上70%以下、50%以上65%以下が挙げられる。
光学フィルムは、映像の解像度及びコントラストを良好にしやすくするために、内部ヘイズが20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
内部ヘイズは汎用の手法で測定することができ、例えば、光学フィルムの第1表面上に透明粘着剤層を介して透明シートを貼り合わせるなどして、第1表面の凹凸を潰すことにより測定することができる。
光学フィルムは、JIS K7374:2007に準拠して測定した透過像鮮明度に関して、光学櫛の幅が0.125mmの透過像鮮明度をC0.125、光学櫛の幅が0.25mmの透過像鮮明度をC0.25、光学櫛の幅が0.5mmの透過像鮮明度をC0.5、光学櫛の幅が1.0mmの透過像鮮明度をC1.0、光学櫛の幅が2.0mmの透過像鮮明度をC2.0と定義した際に、C0.125、C0.25、C0.5、C1.0及びC2.0の値が下記の範囲であることが好ましい。
0.125は、防眩性を良好にするため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がより好ましい。C0.125は、解像度を良好にするため、1.0%以上が好ましい。C0.125の範囲としては、1.0%以上50%以下、1.0%以上40%以下、1.0%以上30%以下、1.0%以上20%以下が挙げられる。
0.25は、防眩性を良好にするため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がより好ましい。C0.25は、解像度を良好にするため、1.0%以上が好ましい。C0.25の範囲としては、1.0%以上50%以下、1.0%以上40%以下、1.0%以上30%以下、1.0%以上20%以下が挙げられる。
0.5は、防眩性を良好にするため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がより好ましい。C0.5は、解像度を良好にするため、1.0%以上が好ましい。C0.5の範囲としては、1.0%以上50%以下、1.0%以上40%以下、1.0%以上30%以下、1.0%以上20%以下が挙げられる。
1.0は、防眩性を良好にするため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がより好ましい。C1.0は、解像度を良好にするため、1.0%以上が好ましい。C1.0の範囲としては、1.0%以上50%以下、1.0%以上40%以下、1.0%以上30%以下、1.0%以上20%以下が挙げられる。
2.0は、防眩性を良好にするため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がより好ましい。C2.0は、解像度を良好にするため、5.0%以上が好ましい。C2.0の範囲としては、5.0%以上50%以下、5.0%以上40%以下、5.0%以上30%以下、5.0%以上20%以下が挙げられる。
光学フィルムは、防眩性を良好にするため、C0.125、C0.5、C1.0及びC2.0の合計が、200%以下が好ましく、150%以下がより好ましく、100%以下がより好ましく、80%以下がより好ましい。前記合計は、解像度を良好にするため、10.0%以上が好ましい。前記合計の範囲としては、10.0%以上200%以下、10.0%以上150%以下、10.0%以上100%以下、10.0%以上80%以下が挙げられる。
<大きさ、形状等>
光学フィルムは、所定の大きさにカットした枚葉状の形態でもよいし、長尺シートをロール状に巻き取ったロール状の形態であってもよい。枚葉の大きさは特に限定されないが、最大径が2インチ以上500インチ以下程度である。「最大径」とは、光学フィルムの任意の2点を結んだ際の最大長さをいうものとする。例えば、光学フィルムが長方形の場合は、該領域の対角線が最大径となる。光学フィルムが円形の場合は、円の直径が最大径となる。
ロール状の幅及び長さは特に限定されないが、一般的には、幅は500mm以上3000mm以下、長さは500m以上5000m以下程度である。ロール状の形態の光学フィルムは、画像表示装置等の大きさに合わせて、枚葉状にカットして用いることができる。カットする際、物性が安定しないロール端部は除外することが好ましい。
枚葉の形状も特に限定されず、例えば、三角形、四角形、五角形等の多角形、円形、ランダムな不定形等の形状が挙げられる。より具体的には、光学フィルムが四角形状である場合には、縦横比は表示画面として問題がなければ特に限定されない。例えば、横:縦=1:1、4:3、16:10、16:9、2:1等が挙げられるが、デザイン性に富む車載用途やデジタルサイネージにおいては、このような縦横比に限定されない。
光学フィルムの第2表面の表面形状は特に限定されないが、略平滑であることが好ましい。略平滑とは、カットオフ値0.8mmにおける、JIS B0601:1994の算術平均粗さRaが0.03μm未満であることを意味し、好ましくは0.02μm以下である。
[光学フィルムの製造方法]
本開示の光学フィルムの製造方法は、上述した本開示の光学フィルムの製造方法であって、基材上に防眩層を形成する第1の工程と、前記防眩層上に反射防止層を形成する第2の工程とを有するものである。
基材上に防眩層を形成する手段としては、上述した、(A)エンボスロールを用いた方法、(B)エッチング処理、(C)型による成型、(D)塗布による塗膜の形成、が挙げられる。
(A)の方法の場合、例えば、基材上に樹脂層を形成し、樹脂層側からエンボスロールを用いて賦型することにより、基材上に防眩層を形成できる。
(B)の方法の場合、例えば、基材上に光硬化性樹脂の層を形成し、フォトエッチングすることにより、基材上に防眩層を形成できる。
(C)の方法の場合、例えば、型に樹脂を流し込み、成形した樹脂を型から取り出すとともに、基材上に配置することにより、基材上に防眩層を形成することができる。
(D)の方法の場合、例えば、基材上に、上述した(d1)又は(d2)の手法により塗膜を形成することにより、基材上に防眩層を形成することができる。
防眩層上に反射防止層を形成する手段としては、例えば、上述した、ウェット法又はドライ法が挙げられる。
[偏光板]
本開示の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された第一の透明保護板と、前記偏光子の他方の側に配置された第二の透明保護板とを有する偏光板であって、
前記第一の透明保護板及び前記第二の透明保護板の少なくとも一方が、上述した本開示の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記偏光子とが対向して配置されたものである。
<偏光子>
偏光子としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等のシート型偏光子、平行に並べられた多数の金属ワイヤからなるワイヤーグリッド型偏光子、リオトロピック液晶や二色性ゲスト-ホスト材料を塗布した塗布型偏光子、多層薄膜型偏光子等が挙げられる。これらの偏光子は、透過しない偏光成分を反射する機能を備えた反射型偏光子であってもよい。
<透明保護板>
偏光子の一方の側には第一の透明保護板、他方の側には第二の透明保護板が配置される。第一の透明保護板及び第二の透明保護板の少なくとも一方は、上述した本開示の光学フィルムである。
本開示の偏光板は、第一の透明保護板及び第二の透明保護板の一方が上述した本開示の光学フィルムであってもよいし、第一の透明保護板及び第二の透明保護板の両方が上述した本開示の光学フィルムであってもよい。
第一の透明保護板及び第二の透明保護板のうち、本開示の光学フィルムではない透明保護板としては、汎用のプラスチックフィルム及びガラス等を用いることができる。
偏光子と透明保護板とは、接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。接着剤は汎用の接着剤を用いることができ、PVA系接着剤が好ましい。
[画像表示装置用の表面板]
本開示の画像表示装置用の表面板は、樹脂板又はガラス板上に保護フィルムを貼り合わせた画像表示装置用の表面板であって、前記保護フィルムが上述した本開示の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記樹脂板又は前記ガラス板とが対向して配置されたものである。
樹脂板又はガラス板としては、画像表示装置の表面板として汎用的に使用されている樹脂板又はガラス板を用いることができる。
樹脂板又はガラス板の厚みは、強度を良好にするため、10μm以上であることが好ましい。樹脂板又はガラス板の厚みの上限は、通常は5000μm以下である。薄型化のためには、樹脂板又はガラス板の厚みの上限は、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
樹脂板又はガラス板の厚みの範囲の実施形態は、10μm以上5000μm以下、10μm以上1000μm以下、10μm以上500μm以下、10μm以上100μm以下が挙げられる。
[画像表示パネル]
本開示の画像表示パネルは、表示素子と、前記表示素子の光出射面側に配置された光学フィルムを有する画像表示パネルであって、前記光学フィルムとして上述した本開示の光学フィルムを含むものである(図2参照)。
画像表示パネル内において、本開示の光学フィルムは、第2面側が表示素子側を向くように配置することが好ましい。
画像表示パネル内において、本開示の光学フィルムは、表示素子の光出射面側の最表面に配置することが好ましい。
表示素子としては、液晶表示素子、EL表示素子(有機EL表示素子、無機EL表示素子)、プラズマ表示素子等が挙げられ、さらには、マイクロLED表示素子等のLED表示素子が挙げられる。これら表示素子は、表示素子の内部にタッチパネル機能を有していてもよい。
液晶表示素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。
また、本開示の画像表示パネルは、表示素子と光学フィルムとの間にタッチパネルを有するタッチパネル付きの画像表示パネルであってもよい。
画像表示パネルの大きさは特に限定されないが、最大径が2インチ以上500インチ以下程度である。最大径とは、画像表示パネルの面内の任意の2点を結んだ際の最大長さを意味する。
[画像表示装置]
本開示の画像表示装置は、本開示の画像表示パネルを含むものである。
本開示の画像表示装置は、本開示の画像表示パネルを含むものであれば特に限定されない。本開示の画像表示装置は、本開示の画像表示パネルと、前記画像表示パネルに電気的に接続された駆動制御部と、これらを収容する筐体とを備えることが好ましい。
表示素子が液晶表示素子である場合、本開示の画像表示装置にはバックライトが必要である。バックライトは、液晶表示素子の光出射面側とは反対側に配置される。
画像表示装置の大きさは特に限定されないが、有効表示領域の最大径が2インチ以上500インチ以下程度である。
画像表示装置の有効表示領域とは、画像を表示し得る領域である。例えば、画像表示装置が表示素子を囲う筐体を有する場合、筐体の内側の領域が有効画像領域となる。
なお、有効画像領域の最大径とは、有効画像領域内の任意の2点を結んだ際の最大長さをいうものとする。例えば、有効画像領域が長方形の場合は、該領域の対角線が最大径となる。また、有効画像領域が円形の場合は、該領域の直径が最大径となる。
[光学フィルムの選定方法]
本開示の光学フィルムの選定方法は、下記の選定条件を満たす光学フィルムを選定するものである。
(光学フィルムの選定条件)
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
本開示の光学フィルムの選定方法では、追加の選定条件を有していてもよい。追加の選定条件としては、光学フィルムの好適な実施形態が挙げられる。追加の選定条件としては、例えば、下記A~Dが挙げられる。
A:Vmpが0.005ml/m以上0.100ml/m以下。
B:前記光学フィルムが、前記第1面から前記第2面に向けて、前記反射防止層、前記防眩層及び基材をこの順に有する。
C:元素比率が、下記の式2~4を満たす。
3.5≦F/無機Si≦10.0 (式2)
0.08≦有機Si/無機Si≦1.00 (式3)
5.0≦F/有機Si≦50.0 (式4)
D:下記の手法により測定される全光線反射率であるRSCIが3.0%以下。
[全光線反射率(RSCI)の測定]
前記光学フィルムの前記第2面側に、透明粘着剤を介して黒色板を貼り合わせたサンプルを作製する。前記サンプルの前記光学フィルム側を光入射面として全光線反射率(RSCI)を測定する。
本開示の光学フィルムの選定方法によれば、防眩性に優れ、かつ、指紋拭き取り性が良好な光学フィルムを、効率よく選定することができる。
本開示は、以下の[1]~[17]を含む。
[1] 第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす、光学フィルム。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
[2] 前記第1面は、Vmpが0.005ml/m以上0.100ml/m以下である、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される突出谷部空間体積であるVvvが0.005ml/m以上0.100ml/m以下である、[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記第1面は、Vvvと、ISO 25178-2:2012に規定されるコア部空間体積であるVvcとの比(Vvv/Vvc)が、0.10以下である、[3]に記載の光学フィルム。
[5] 前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される最小自己相関長さであるSalが4.0μm以上12.0μm以下である、[1]~[4]の何れかに記載の光学フィルム。
[6] 前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、前記反射防止層、前記防眩層及び基材をこの順に有する、[1]~[5]の何れかに記載の光学フィルム。
[7] 前記防眩層が、バインダー樹脂及び粒子を含む、[1]~[6]の何れかに記載の光学フィルム。
[8] 前記光学フィルムは、前記第1面側の表面領域をX線光電子分光法により分析して得られる元素比率が、下記の式2~4を満たす、[1]~[6]の何れかに記載の光学フィルム。
3.5≦F/無機Si≦10.0 (式2)
0.08≦有機Si/無機Si≦1.00 (式3)
5.0≦F/有機Si≦50.0 (式4)
[式2~4中、「F」はフッ素元素の比率であり、「無機Si」は無機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率であり、「有機Si」は有機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率である。]
[9] 前記X線光電子分光法により分析して得られる元素比率に関して、全元素に対する無機Siの割合が2原子%以上20原子%以下である、[8]に記載の光学フィルム。
[10] 前記光学フィルムは、下記の手法により測定される全光線反射率であるRSCIが3.0%以下である、[1]~[9]の何れかに記載の光学フィルム。
[全光線反射率(RSCI)の測定]
前記光学フィルムの前記第2面側に、透明粘着剤を介して黒色板を貼り合わせたサンプルを作製する。前記サンプルの前記光学フィルム側を光入射面として全光線反射率(RSCI)を測定する。
[11] JIS K7136:2000のヘイズが20%以上75%以下である、[1]~[10]の何れかに記載の光学フィルム。
[12] 偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された第一の透明保護板と、前記偏光子の他方の側に配置された第二の透明保護板とを有する偏光板であって、
前記第一の透明保護板及び前記第二の透明保護板の少なくとも一方が、[1]~[11]の何れかに記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記偏光子とが対向して配置された、偏光板。
[13] 樹脂板又はガラス板上に保護フィルムを貼り合わせた画像表示装置用の表面板であって、前記保護フィルムが[1]~[11]の何れかに記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記樹脂板又は前記ガラス板とが対向して配置された、画像表示装置用の表面板。
[14] 表示素子と、前記表示素子の光出射面側に配置された光学フィルムを有する画像表示パネルであって、前記光学フィルムとして[1]~[11]の何れかに記載の光学フィルムを含む、画像表示パネル。
[15] [14]に記載の画像表示パネルを含む、画像表示装置。
[16] [1]~[11]の何れかに記載の光学フィルムの製造方法であって、
基材上に防眩層を形成する第1の工程と、前記防眩層上に反射防止層を形成する第2の工程とを有する、光学フィルム製造方法。
[17] 下記の選定条件を満たす光学フィルムを選定する、光学フィルムの選定方法。
(光学フィルムの選定条件)
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
前記第1面は凹凸形状を有し、
前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
前記第1面が下記式1を満たす。
Sw×Vmp≦2.00 (式1)
[式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
次に、本開示を実施例により更に詳細に説明するが、本開示はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.測定及び評価
以下のように、実施例及び比較例の光学フィルムの測定及び評価を行った。各測定及び評価時の雰囲気は、温度23±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。また、各測定及び評価の開始前に、対象サンプルを前記雰囲気に30分以上60分以下晒してから測定及び評価を行った。結果を表1又は2に示す。
1-1.表面形状の測定
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm×10cmに切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した防眩フィルムの基材側をパナック社の光学透明粘着シート(商品名:パナクリーンPD-S1、厚み25μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさのガラス板(厚み2.0mm)に貼り合わせたサンプル1を作製した。
共焦点レーザー顕微鏡(VK-X250(制御部)、VK-X260(測定部))を用いて、計測ステージにサンプル1が固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、以下の測定条件1、画像処理条件1及び解析条件1にて、各サンプルの第1面の表面形状の測定及び解析を行った。なお、測定・解析ソフトにはマルチファイル解析アプリケーション(バージョン1.3.1.120)を用いた。
(測定条件1)
レーザー波長:408nm
測定用光学系:共焦点光学系
対物レンズ:150倍
Zoom:1倍
測定領域:93.95μm×70.44μm
測定点の数:1024×768点
測定条件:透明体表面形状/高精度/ダブルスキャンあり
(画像処理条件1)
・DCL/BCL:DCL=13000,BCL=65535,処理方法:周囲の画素から補完する
・高さカットレベル:強
(解析条件1)
・領域:全領域
・フィルター種別:ガウシアン
・S-フィルター:0.25μm
・F-オペレーション:平面傾き補正(領域指定)
・L-フィルター:なし
・終端効果の補正:ON
・Sal算出時のs:s=0.20
解析ソフトから、各測定領域の「Sa」、「Vmp」、「Vvv」、「Vvc」、「Sal」を表示させて、測定値とした。
1-2.接触角
<通常の接触角>
実施例及び比較例の光学フィルムを10cm四方に切断した。切断した光学フィルムの基材側を、透明粘着シートを介して、ガラス板(縦10cm×横10cm、厚み2.0mm)に貼り合わせて測定用のサンプルを作製した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、光学フィルムのランダムな部位から選択した。光学フィルムとガラス板とを貼り合わせる際には、光学フィルムに皺が生じないようにするとともに、光学フィルムとガラス板との間に気泡が入らないようにした。
接触角計(DM-300、協和界面科学社)を用いて、各サンプルの第1面側の表面に純水を1.0μL滴下し、着滴10秒後の静的接触角をθ/2法に従って計測した。純水を滴下する際には、シリンジの針部がフッ素樹脂コートされたシリンジを用いた。
<純水降下傾斜角>
明細書本文の(1)~(3)の手順に従い、各サンプルの純水降下傾斜角Swを測定した。測定装置は、接触角計(協和界面科学社の「DropMaster」シリーズの品番「DMo-701」。付属品として「SA-301」を使用)を用いた。
1-3.元素比率
実施例及び比較例の光学フィルムから測定用片を切り出した。X線光電子分光分析装置を用いて、以下に記載する条件で、各測定用片の第1面側の表面領域のC1s軌道、O1s軌道、Si2p軌道、及び、F1s軌道のX線光電子スペクトルを測定した。各X線光電子スペクトルについてピーク分離を行い、F元素及びSi元素等の比率を求めた。また、Si2p軌道のX線光電子スペクトルから、無機ケイ素化合物に帰属するSi元素(無機Si)、及び、有機ケイ素化合物に帰属するSi元素(有機Si)、の割合を求めた。
<測定>
装置:島津製作所社製の商品名「Kratos Nova」
X線源:AlKα
X線出力:150W
エミッション電流:10mA
加速電圧:15kV
測定領域:300×700μm
帯電中和機構:ON
パスエネルギー(ナロースペクトル測定時):40eV
1-4.全光線反射率(RSCI
実施例及び比較例の光学フィルムを10cm×10cmに切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した光学フィルムの基材側をパナック社の光学透明粘着シート(商品名:パナクリーンPD-S1)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社、商品名:コモグラス DFA2CG 502K(黒)系、厚み2mm)に貼り合わせたサンプル2を作製した。
積分球分光光度計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM-2002)を用い、サンプル2の第1面側から、全光線反射率(RSCI)を測定した。積分球分光光度計の光源はD65、受光器の位置はサンプルの法線に対して+8度であり、受光器の開口角は10度であり、ライトトラップの位置はサンプルの法線に対して-8度であり、視野角は2度であった。
1-5.ヘイズ(Hz)
実施例及び比較例の光学フィルムを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。ヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所製)を用いて、各サンプルのJIS K7136:2000のヘイズを測定した。
光源が安定するよう事前に装置の電源スイッチをONにしてから15分以上待ち、入口開口に何もセットせずに校正を行い、その後に入口開口に測定サンプルをセットして測定した。光入射面は基材側とした。
なお、実施例及び比較例の光学フィルムは、何れも全光線透過率が90%以上であった。
1-6.透過像鮮明度
実施例及び比較例の光学フィルムを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。スガ試験機社製の写像性測定器(商品名:ICM-1T)を用いて、JIS K7374:2007に準拠して、サンプルの透過像鮮明度を測定した。光学櫛の幅は0.125mm、0.25mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmの5つとした。測定時の光入射面は基材側とした。C0.125、C0.25、C0.5、C1.0及びC2.0の値と、C0.125、C0.5、C1.0及びC2.0の合計値を表2に示す。
1-7.黒味
サンプルは、1-4で作製したサンプル2を用いた。観測者の目線を床から160cm前後に変更した以外は、1-4と同様にして、サンプルを観察した。
下記評価ポイントに基づき、20人の被験者が評価した。20人の被験者は、20歳台~50歳台の各年代で5名ずつとした。20人の評価の平均点を算出し、下記基準によりランク付けした。下記基準のランクが高いほど、黒表示部の黒味が良好であるといえる。
<評価ポイント>
(1)白さが感じられず十分に黒く感じられるもの:3点
(2)黒いがやや白さが感じられるもの:2点
(3)白さが気になるもの:1点
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が2.0以上2.5未満
C:平均点が1.5以上2.0未満
D:平均点が1.5未満
1-8.防眩性
明室環境下で、高さ70cmの水平な台に、1-4で作製したサンプル2の凹凸表面が上になるように設置した。その際、照明光の概ね真下になるようにサンプルを設置した。サンプルを正面から観察して(ただし、観察者が照明光を遮らないようにした)、下記の評価基準で凹凸表面への照明光の映り込みを評価した。
照明は、Hf32形の直管三波長形昼白色蛍光灯を用い、照明の位置は水平台から鉛直方向2m上方の高さとした。サンプルの凹凸表面上の照度が500lux以上1000lux以下となる範囲で評価した。観測者の目線は床から120cm前後とした。観測者は、視力0.7以上の健康な30歳台の人とした。
<評価基準>
A:照明の輪郭がなく、位置も分からない
B:照明の輪郭はないが、位置がぼんやりと分かる
C:照明の輪郭と位置がぼんやりと分かる
D:照明の輪郭のぼやけが弱く、位置もはっきりと分かる
1-9.指紋拭き取り性
下記の人工垢0.1mlをウエスに染み込ませた。染み込ませる時間は10秒とした。ウエスは、日本製紙クレシア社の商品名「キムタオル ワイパー」を用いた。
ウエスに染み込ませた人工垢を、ゴムの表面に300g/cmの荷重で転写した。ゴムの形状は、直径12mmの円柱形状とした。転写時間は5秒とした。ゴムの表面に転写した人工垢を、300g/cmの荷重でサンプル2の第1面に転写した。転写時間は5秒とした。分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM-600d)を用い、サンプル2の第1面側から、人工垢が転写した箇所の全光線反射SCIのL値、a値及びb値を測定した。得られたL値、a値及びb値を、L1、a1及びb1とする。
次いで、人工垢を転写したサンプル2の黒色板側を、学振摩耗試験機(テスター産業(株)製、商品名「AB-301」)の土台に貼り合わせた。前記試験機の摩擦子にウエスを取り付け、下記の拭き取り条件でサンプル2の第1面に転写した人工垢を拭き取った。ウエスは、アズワン社の商品名「ASPURE PROPREA II」を用いた。分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM-600d)を用い、サンプル2の第1面側から、人工垢を拭き取った箇所の全光線反射SCIのL値、a値及びb値を測定した。得られたL値、a値及びb値を、L2、a2及びb2とする。
下記式により、色差(ΔE)を算出し、色差の値により下記基準によりランク付けした。下記基準のランクが高いほど、指紋拭き取り性が良好であるといえる。
ΔE={(L1-L2)+(a1-a2)+(b1-b2)1/2
<人工垢>
オレイン酸を約45質量%、トリオレインを約25質量%、オレイン酸コレステロールを約20質量%、流動パラフィンを約4%、スクアレンを約4%、コレステロールを約2%含む液体(伊勢久社製の人工垢(JIS C9606:2007の汚染液に準拠))。
<拭き取り条件>
・移動速度:100mm/秒
・荷重:150g/cm
・拭き取り回数:片道1回
<評価基準>
A:色差が2以下
B:色差が2超4以下
C:色差が4超7以下
D:色差が7超
1-10.総合評価
防眩性及び指紋拭き取り性の2つの評価を元に、下記の基準で総合評価を行った。
<評価基準>
A:2つの評価の全てがAであるもの。
B:2つの評価のうち、1つがAであり、1つがBであるもの。
C:2つの評価のうち、2つともBであるもの。
D:2つの評価の中に、1つでもC又はDがあるもの。
2.光学フィルムの作製
[実施例1]
基材(厚み80μmのトリアセチルセルロース樹脂フィルム、富士フイルム社)上に、下記の防眩層塗布液1を塗布した。次いで、50℃、風速2m/sで40秒間乾燥し、さらに、70℃風速15m/sで45秒間乾燥した。次いで、酸素濃度200ppm以下の窒素雰囲気下にて積算光量が50mJ/cmになるように紫外線を照射して、厚み5.5μmの防眩層を形成した。
次いで、防眩層上に、下記の低屈折率層塗布液1を塗布した。次いで、40℃、風速20m/sで15秒間乾燥し、さらに、70℃風速15m/sで30秒間乾燥した。次いで、酸素濃度200ppm以下の窒素雰囲気下にて積算光量が150mJ/cmになるように紫外線を照射して、厚み0.10μmの低屈折率層を形成し、実施例1の光学フィルムを得た。低屈折率層の屈折率は1.31であった。
<防眩層塗布液1>
・ウレタンアクリレートA 50部
(新中村化学工業社、商品名:U-1100H:分子量800、官能基数6)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 40部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 23部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.2μm、d50:3.8μm、d90:6.5μm)
・有機粒子B 8部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 195部
・溶剤(シクロヘキサノン) 5部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 15部
<低屈折率層塗布液1>
・多官能アクリレート 100部
(東亜合成社製、商品名「アロニックス M-400」)
・アクリルポリマー 0.5部(重量平均分子量:40,000)
・中空シリカ粒子 180部
(平均一次粒子径75nm、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理されてなる粒子)
・反応性官能基を有するフッ素系シリコーン系レベリング剤 600部
(信越化学社、商品名「KY1203」、固形分:20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins社、商品名「Omnirad127」)
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 11,000部
・溶剤(1-メトキシ-2-プロピルアセテート) 1,300部
[実施例2,3,5,6]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液2~5に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2,3,5,6の光学フィルムを得た。
[実施例4]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液2に変更し、低屈折率層塗布液1を下記の低屈折率層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光学フィルムを得た。
[実施例7]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液6に変更し、防眩層の厚みを4.8μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の光学フィルムを得た。
[実施例8]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液2に変更し、低屈折率層塗布液1を下記の低屈折率層塗布液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の光学フィルムを得た。低屈折率層の屈折率は1.36であった。
[比較例1]
低屈折率層塗布液1を下記の低屈折率層塗布液4に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学フィルムを得た。
[比較例2~3]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液2~3に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2~3の光学フィルムを得た。
[比較例4]
防眩層塗布液1を下記の防眩層塗布液7に変更し、防眩層の厚みを5.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の光学フィルムを得た。
<防眩層塗布液2>
・ウレタンアクリレートA 50部
(新中村化学工業社、商品名:U-1100H:分子量800、官能基数6)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 40部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 21部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.2μm、d50:3.8μm、d90:6.5μm)
・有機粒子B 10部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 185部
・溶剤(シクロヘキサノン) 15部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 15部
<防眩層塗布液3>
・ウレタンアクリレートA 50部
(新中村化学工業社、商品名:U-1100H:分子量800、官能基数6)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 40部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 19部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.2μm、d50:3.8μm、d90:6.5μm)
・有機粒子A 3部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.515)
・有機粒子B 5部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 165部
・溶剤(シクロヘキサノン) 20部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 30部
<防眩層塗布液4>
・ウレタンアクリレートA 50部
(新中村化学工業社、商品名:U-1100H:分子量800、官能基数6)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 40部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 20部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.2μm、d50:3.8μm、d90:6.5μm)
・有機粒子A 8部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.515)
・有機粒子B 2部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 190部
・溶剤(シクロヘキサノン) 10部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 15部
<防眩層塗布液5>
・ウレタンアクリレートA 50部
(新中村化学工業社、商品名:U-1100H:分子量800、官能基数6)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 40部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 10部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.0μm、d50:3.0μm、d90:4.8μm)
・有機粒子A 5部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.515)
・有機粒子B 5部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 170部
・溶剤(シクロヘキサノン) 40部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 5部
<防眩層塗布液6>
・ウレタンアクリレートC 50部
(三菱ケミカル社、商品名:U-1700B:分子量2,000、官能基数10)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 50部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・有機粒子C 11部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径3.0μm、屈折率1.595)
・無機超微粒子 70部
(表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤:MIBK、固形分:30%)
(平均一次粒子径12nm)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 170部
・溶剤(シクロヘキサノン) 25部
<防眩層塗布液7>
・ウレタンアクリレートA 30部
(三菱ケミカル社、商品名:U-1700B:分子量2,000、官能基数10)
・ウレタンアクリレートB 10部
(新中村化学工業社、商品名:U-15HA:分子量2,300、官能基数15)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 60部
(東亜合成社、商品名:M-305)
・シリカ粒子 3部
(表面処理不定形シリカ、d10:1.0μm、d50:3.0μm、d90:4.8μm)
・有機粒子B 0.5部
(球状ポリアクリル-スチレン共重合体、平均粒子径1.5μm、屈折率1.595)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 180部
・溶剤(シクロヘキサノン) 5部
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 25部
<低屈折率層塗布液2>
・多官能アクリレート 180部
(東亜合成社製、商品名「アロニックス M-400」)
・中空シリカ粒子 100部
(平均一次粒子径75nm、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理されてなる粒子)
・反応性官能基を有するフッ素系シリコーン系レベリング剤 600部
(信越化学社、商品名「KY1203」、固形分:20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
・光重合開始剤 5部
(IGM Resins社、商品名「Omnirad127」)
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 11,000部
・溶剤(1-メトキシ-2-プロピルアセテート) 1,300部
<低屈折率層塗布液3>
・多官能アクリレート 100部
(東亜合成社製、商品名「アロニックス M-400」)
・中空シリカ粒子 100部
(平均一次粒子径75nm、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理されてなる粒子)
・アクリルポリマー 0.5部(重量平均分子量:40,000)
・反応性官能基を有するフッ素系シリコーン系レベリング剤 250部
(信越化学社、商品名「KY1203」、固形分:20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
・光重合開始剤 5部
(IGM Resins社、商品名「Omnirad127」)
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 11,000部
・溶剤(1-メトキシ-2-プロピルアセテート) 1,300部
<低屈折率層塗布液4>
・多官能アクリレート 100部
(東亜合成社製、商品名「アロニックス M-400」)
・アクリルポリマー 0.5部(重量平均分子量:40,000)
・中空シリカ粒子 180部
(平均一次粒子径75nm、メタクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理されてなる粒子)
・反応性官能基を有するフッ素系シリコーン系レベリング剤 150部
(信越化学社、商品名「KY1203」、固形分:20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)
・光重合開始剤 5.0部
(IGM Resins社、商品名「Omnirad127」)
・溶剤(メチルイソブチルケトン) 11,000部
・溶剤(1-メトキシ-2-プロピルアセテート) 1,300部
表1の結果から、実施例の光学フィルムは、防眩性及び指紋拭き取り性を良好にし得ることが確認できる。
10:基材
20:防眩層
30:反射防止層
100:光学フィルム
110:表示素子
120:画像表示パネル
200:水平面
300:台の平面
400:液滴

Claims (17)

  1. 第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
    前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
    前記第1面は凹凸形状を有し、
    前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
    前記第1面が下記式1を満たす、光学フィルム。
    Sw×Vmp≦2.00 (式1)
    [式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
  2. 前記第1面は、Vmpが0.005ml/m以上0.100ml/m以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される突出谷部空間体積であるVvvが0.005ml/m以上0.100ml/m以下である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記第1面は、Vvvと、ISO 25178-2:2012に規定されるコア部空間体積であるVvcとの比(Vvv/Vvc)が、0.10以下である、請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される最小自己相関長さであるSalが4.0μm以上12.0μm以下である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  6. 前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、前記反射防止層、前記防眩層及び基材をこの順に有する、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  7. 前記防眩層が、バインダー樹脂及び粒子を含む、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  8. 前記光学フィルムは、前記第1面側の表面領域をX線光電子分光法により分析して得られる元素比率が、下記の式2~4を満たす、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
    3.5≦F/無機Si≦10.0 (式2)
    0.08≦有機Si/無機Si≦1.00 (式3)
    5.0≦F/有機Si≦50.0 (式4)
    [式2~4中、「F」はフッ素元素の比率であり、「無機Si」は無機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率であり、「有機Si」は有機ケイ素化合物に帰属するケイ素元素の比率である。]
  9. 前記X線光電子分光法により分析して得られる元素比率に関して、全元素に対する無機Siの割合が2原子%以上20原子%以下である、請求項8に記載の光学フィルム。
  10. 前記光学フィルムは、下記の手法により測定される全光線反射率であるRSCIが3.0%以下である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
    [全光線反射率(RSCI)の測定]
    前記光学フィルムの前記第2面側に、透明粘着剤を介して黒色板を貼り合わせたサンプルを作製する。前記サンプルの前記光学フィルム側を光入射面として全光線反射率(RSCI)を測定する。
  11. JIS K7136:2000のヘイズが20%以上75%以下である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  12. 偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された第一の透明保護板と、前記偏光子の他方の側に配置された第二の透明保護板とを有する偏光板であって、
    前記第一の透明保護板及び前記第二の透明保護板の少なくとも一方が、請求項1又は2に記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記偏光子とが対向して配置された、偏光板。
  13. 樹脂板又はガラス板上に保護フィルムを貼り合わせた画像表示装置用の表面板であって、前記保護フィルムが請求項1又は2に記載の光学フィルムであり、前記光学フィルムの前記第2面と前記樹脂板又は前記ガラス板とが対向して配置された、画像表示装置用の表面板。
  14. 表示素子と、前記表示素子の光出射面側に配置された光学フィルムを有する画像表示パネルであって、前記光学フィルムとして請求項1又は2に記載の光学フィルムを含む、画像表示パネル。
  15. 請求項14に記載の画像表示パネルを含む、画像表示装置。
  16. 請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、
    基材上に防眩層を形成する第1の工程と、前記防眩層上に反射防止層を形成する第2の工程とを有する、光学フィルム製造方法。
  17. 下記の選定条件を満たす光学フィルムを選定する、光学フィルムの選定方法。
    (光学フィルムの選定条件)
    第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する光学フィルムであって、
    前記光学フィルムは、前記第1面から前記第2面に向けて、反射防止層及び防眩層をこの順に有し、
    前記第1面は凹凸形状を有し、
    前記第1面は、ISO 25178-2:2012に規定される算術平均高さであるSaが0.05μm以上であり、
    前記第1面が下記式1を満たす。
    Sw×Vmp≦2.00 (式1)
    [式1中、「Sw」は、前記第1面において、30μlの純水の液滴が流れ落ちる時の傾斜角(度)である。式1中、「Vmp」は、前記第1面のISO 25178-2:2012に規定される突出山部実体体積(ml/m)の値である。]
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