JP7370358B2 - 防眩フィルム及び画像表示装置 - Google Patents
防眩フィルム及び画像表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7370358B2 JP7370358B2 JP2021082298A JP2021082298A JP7370358B2 JP 7370358 B2 JP7370358 B2 JP 7370358B2 JP 2021082298 A JP2021082298 A JP 2021082298A JP 2021082298 A JP2021082298 A JP 2021082298A JP 7370358 B2 JP7370358 B2 JP 7370358B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glare
- glare film
- film according
- layer
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
一方、防眩層の表面凹凸の粗さの程度を大きくすることにより、映り込みを十分に抑制し、防眩性を高めることができる。しかし、単に表面凹凸の粗さの程度を大きくすると、反射散乱光が強くなり、画像表示装置のコントラストが損なわれるという問題があった。
[1]防眩層を有する防眩フィルムであって、前記防眩フィルムは凹凸表面を有し、前記凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計をAM1、空間周波数0.300μm-1における振幅をAM2と定義した際に、AM1が0.070~0.400μmであり、AM2が0.0050μm以上であり、かつ、AM2<AM1である、防眩フィルム。
[2]表示素子上に、前記[1]に記載の防眩フィルムの前記凹凸表面側の面が前記表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ前記防眩フィルムを最表面に配置してなる画像表示装置。
なお、本明細書において、AA~BBの表記は、AA以上BB以下であることを意味する。
本発明の防眩フィルムは、防眩層を有する防眩フィルムであって、前記防眩フィルムは凹凸表面を有し、前記凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計をAM1、空間周波数0.300μm-1における振幅をAM2と定義した際に、AM1が0.070~0.400μmであり、AM2が0.0050μm以上であり、かつ、AM2<AM1である、ものである。
AM1=空間周波数0.005μm-1における振幅+空間周波数0.010μm-1における振幅+空間周波数0.015μm-1における振幅
図1の防眩フィルム100は、防眩層20を備え、凹凸表面を有している。なお、図1では、防眩層20の表面が防眩フィルムの凹凸表面である。また、図1の防眩フィルム100は、透明基材10上に防眩層20を有している。また、図1の防眩層20は、バインダー樹脂21及び有機粒子22を有している。
なお、図1は模式的な断面図である。すなわち、防眩フィルム100を構成する各層の縮尺、各材料の縮尺、及び表面凹凸の縮尺は、図示しやすくするために模式化したものであり、実際の縮尺とは相違している。図2~図4も同様である。
防眩フィルムの好ましい実施形態は、透明基材上に防眩層を有し、防眩層の透明基材とは反対側の表面が凹凸表面であるものである。
防眩フィルムは、防眩フィルムの製造の容易性、及び、防眩フィルムの取り扱い性の観点から、透明基材を有することが好ましい。
上記の中でも、機械的強度及び寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)が好ましい。TAC、アクリルは光透過性及び光学的等方性の観点で好適である。また、COP、ポリエステルは耐候性に優れる点で好適である。
防眩フィルムを薄膜化したい場合は、透明基材の厚さの好ましい上限は60μmであり、より好ましい上限は50μmである。また、透明基材がポリエステル、COP、アクリル等の低透湿性基材の場合には、薄膜化のための透明基材の厚さの好ましい上限は40μmであり、より好ましい上限は20μmである。大画面の場合であっても、透明基材の厚みの上限が前述した範囲であれば、歪みを生じにくくさせることができる点でも好適である。
透明基材の厚みは、デジマチック標準外側マイクロメーター(ミツトヨ社、品番「MDC-25SX」)などで測定できる。透明基材の厚みは、任意の10点を測定した平均値が上記数値であればよい。
防眩フィルムは凹凸表面を有することを要する。
また、防眩フィルムは、該凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、AM1(空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計)が0.070~0.400μmであり、AM2(空間周波数0.30μm-1における振幅)が0.0050μm以上であり、かつ、AM2<AM1であることを要する。
防眩層上に他の層を有さない場合は、防眩層の表面が当該凹凸表面の条件を満たせばよい。なお、防眩層上に他の層を有する場合には、当該他の層の表面が当該凹凸表面の条件を満たせばよい。
また、本明細書において、「標高」を含む文言は、特に断りがない限り、上記平均高さを基準とした標高を意味するものとする。
凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、空間周波数は「凸部と凸部との間隔の逆数」、振幅は「所定の間隔を備えた凸部の標高の変化量」に概ね相関するといえる。なお、空間周波数0.005μm-1は、間隔が200μm程度であることを示し、空間周波数0.010μm-1は、間隔が100μm程度であることを示し、空間周波数0.015μm-1は、間隔が67μm程度であることを示し、空間周波数0.300μm-1は、間隔が3μm程度であることを示している。また、「所定の間隔を備えた凸部の標高の変化量」は、概ね、所定の間隔を備えた凸部の個々の高さの絶対値に比例するといえる。
よって、AM1が0.070~0.400μmであり、AM2が0.0050μm以上であり、かつ、AM2<AM1である凹凸表面は、下記のi及びiiの凸部群を備えることが間接的に規定されているといえる。
<iの凸部群>
複数の凸部iが間隔67~200μm程度に配置され、凸部iの高さの絶対値が所定の範囲であるもの。
<iiの凸部群>
複数の凸部iiが間隔3μm程度に配置され、凸部iiの高さの絶対値が所定値以上かつiの凸部の高さの絶対値未満のもの。
(x2)任意の凸部iの急斜面に入射した光の反射光は、隣接する凸部iに関わらず、観測者200とは反対側に進行する(図2の破線のイメージ)。
(x3)通常、凸部iと凸部iとの間の領域は、正反射光を生じる略平坦部が形成されやすい。しかし、本実施形態では、凸部iと凸部iとの間の領域には、iiの凸部群が形成されるため、該領域で反射した反射光に占める正反射光の割合を軽減できる。
(x4)凸部iと凸部iとの間の領域で反射した反射光は、隣接する山にぶつかりやすい。このため、当該領域で反射した反射光の角度分布は、所定の角度に偏らず、略均等な角度分布となる。
(x5)凸部iの緩い斜面に入射した光の反射光は、観測者200側に進行する(図2の一点鎖線のイメージ)。凸部iの緩い斜面の角度分布は均等であるため、当該反射光の角度分布も特定の角度に偏らずに均等となる。
さらに、上記(x4)及び(x5)より、微量な反射散乱光が生じたとしても、当該反射散乱光の角度分布を均等にすることができる。反射散乱光が微量であっても、当該反射散乱光の角度分布が特定の角度に偏っていると、反射光として認識されてしまう。このため、上記(x4)及び(x5)より、防眩性を極めて良好にすることができる。
また、上記(x1)~(x5)より、観測者に反射散乱光をほとんど感じなくすることができるため、防眩フィルムに漆黒感を付与することができ、ひいては画像表示装置に高級感を付与することができる。
AMが小さすぎると、特に防眩性が不足しやすい。
一方、AM1が大きくなりすぎると、映像の解像度が低下する傾向がある。また、AM1が大きくなりすぎると、凹凸表面とは反対側から入射した光(主として映像光)の中で、凹凸表面で全反射する光の割合が増加し、透過率が低下する傾向がある。また、AM1が大きくなりすぎると、高さの絶対値の大きい凸部が増加し、観測者側に反射する光の割合が増加し、反射散乱光が目立ちやすくなる場合がある。よって、AM1を大きくし過ぎないことは、解像度及び透過率の低下を抑制する観点、及び反射散乱光をより抑制する観点からも好適である。
なお、AM2が大きくなりすぎると、映像の解像度が低下する傾向がある。よって、AM2を大きくし過ぎないことは、解像度の低下を抑制する観点からも好適である。
例えば、AM1の場合、0.070~0.400μm、0.070~0.370μm、0.090~0.400μm、0.090~0.370μm、0.130~0.390μm、0.130~0.370μm、0.150~0.40μm、0.150~0.380μm等の数値範囲の実施形態が挙げられる。
本明細書において、16の測定箇所は、測定サンプルの外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域に関して、縦方向及び横方向を5等分する線を引いた際の、交点の16箇所を測定の中心とすることが好ましい。例えば、測定サンプルが四角形の場合、四角形の外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域を縦方向及び横方向に5等分した点線の交点の16箇所を中心として測定を行い、その平均値でパラメータを算出することが好ましい。なお、測定サンプルが円形、楕円形、三角形、五角形等の四角形以外の形状の場合、これら形状に内接する四角形を描き、該四角形に関して、上記手法により16箇所の測定を行うことが好ましい。
AM1ave=(空間周波数0.005μm-1における振幅+空間周波数0.010μm-1における振幅+空間周波数0.015μm-1における振幅)/3
AM1-1は、0.020~0.150μmであることが好ましく、0.030~0.140μmであることがより好ましく、0.040~0.130μmであることがさらに好ましく、0.050~0.120μmであることがよりさらに好ましい。
AM1-2は、0.020~0.145μmであることが好ましく、0.030~0.135μmであることがより好ましく、0.040~0.125μmであることがさらに好ましく、0.050~0.120μmであることがよりさらに好ましい。
AM1-3は、0.020~0.145μmであることが好ましく、0.030~0.135μmであることがより好ましく、0.040~0.125μmであることがさらに好ましく、0.050~0.120μmであることがよりさらに好ましい。
本明細書において、AM1は、凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計を意味し、AM2は、前記振幅スペクトルに関して、空間周波数0.300μm-1における振幅を意味する。以下、AM1及びAM2の算出手法を説明する。
測定機に要求される水平分解能は、少なくとも5μm以下、好ましくは1μm以下であり、また垂直分解能は、少なくとも0.01μm以下、好ましくは0.001μm以下である。
標高の測定面積は、空間周波数の分解能が0.0050μm-1であることを考慮すると、少なくとも200μm×200μm以上とするのが好ましい。
図5は、標高を表す関数h(x,y)が離散的に得られる状態を示す模式図である。図5に示すように、防眩層の面内の直交座標を(x,y)で表示し、投影面Sp上にx軸方向にΔx毎に分割した線およびy軸方向にΔy毎に分割した線を破線で示すと、実際の測定では凹凸表面の標高は投影面Sp上の各破線の交点毎の離散的な標高値として得られる。
防眩フィルムの凹凸表面は、三次元算術平均粗さSaが0.30μm以上であることが好ましい。また、防眩フィルムの凹凸表面は、三次元平均山間隔Smpが10.00μm以下であることが好ましい。Sa及びSmpを前記範囲とすることにより、標高の高い山が狭い間隔で存在する凹凸表面を得やすくなり、AM1及びAM2を上記範囲としやすくできる。
また、Saは1.00μm以下であることが好ましく、0.80μm以下であることがより好ましく、0.70μm以下であることがさらに好ましい。
また、Smpは1.00μm以上であることが好ましく、1.50μm以上であることがより好ましく、2.00μm以上であることがさらに好ましい。
また、Sa/Smpは0.50以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.25以下であることがさらに好ましい。
本発明の防眩フィルムは、凹凸表面の三次元十点平均粗さSzと、Saとの比(Sz/Sa)が5.0以上であることが好ましく、5.5以上であることがより好ましく、6.0以上であることがさらに好ましい。Sz/Saを5.0以上とすることにより、凹凸表面に一定のランダム性が付与され、凹凸表面に傷等の欠陥が生じた場合に目立ちにくくすることができる。
なお、Sz/Saが大きすぎると、凹凸表面に特異的な箇所が存在することによって、ギラツキ(映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象)が生じたり、局所的に漆黒感が低下したりする可能性がある。このため、Sz/Saは、10.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましく、7.5以下であることがさらに好ましい。
本発明の防眩フィルムは、凹凸表面の三次元スキューネスSskが0.60以下であることが好ましく、0.20以下であることがより好ましく、0以下であることがさらに好ましい。Sskが小さいことは、凹凸表面に、正反射光が生じ得る標高の低い箇所の割合が少ないことを意味する。このため、Sskを0.60以下とすることにより、上述した効果(防眩性、反射散乱光の抑制、漆黒感)をより発揮しやすくすることができる。
Sskが小さくなりすぎると、上記(x5)の作用により反射散乱光が増加する傾向がある。また、Sskが小さくなりすぎると、隣接する山の下部が重なり、角度の大きな斜面が消失し、上記(x2)の作用が低下する可能性がある。このため、Sskは-1.00以上であることが好ましく、-0.80以上であることがより好ましく、-0.70以上であることがさらに好ましい。
防眩フィルムの凹凸表面は、所定の傾斜角分布を有することが好ましい。
具体的には、防眩フィルムの凹凸表面の傾斜角に関して、0度超1度未満の傾斜角をθ1、1度以上3度未満の傾斜角をθ2、3度以上10度未満の傾斜角をθ3、10度以上90度未満の傾斜角をθ4と定義する。そして、θ1、θ2、θ3及びθ4の合計を100%とした際に、θ1、θ2、θ3及びθ4の割合が下記の範囲であることが好ましい。θ1、θ2、θ3及びθ4が下記の範囲であることにより、AM1及びAM2を上記範囲としやすくできる。
θ1≦3.0%
0.5%≦θ2≦15.0%
7.0%≦θ3≦40.0%
50.0%≦θ4≦90.0%
θ2の割合は、12.0%以下であることがより好ましく、10.0%以下であることがさらに好ましく、8.0%以下であることがよりさらに好ましい。θ2の割合の下限は1.0%以上であることがより好ましく、1.5%以上であることがさらに好ましく、2.0%以上であることがよりさらに好ましい。
θ3の割合は、8.5%以上であることがより好ましく、10.0%以上であることがさらに好ましく、12.0%以上であることがよりさらに好ましい。また、θ3の割合は、35.0%以下であることがより好ましく、32.0%以下であることがさらに好ましく、30.0%以下であることがよりさらに好ましい。
θ4の割合は、55.0%以上であることがより好ましく、57.5%以上であることがさらに好ましく、60.0%以上であることがよりさらに好ましい。また、θ4の割合は、88.0%以下であることがより好ましく、86.5%以下であることがさらに好ましく、85.0%以下であることがよりさらに好ましい。
基準面上に基準面の中心を通る直線を、全域を網羅するように360度放射状に多数置き、3次元粗さ曲面から各直線に基づいて切断した断面曲線を得て、該断面曲線における十点平均粗さ(最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和)を求める。そのようにして得られた多数の十点平均粗さのうち、上位50%を平均することにより、Szが算出される。
Sx=(Zi+1,j-Zi-1,j)/2d
Sy=(Zi,j+1-Zi,j-1)/2d
さらに、(i,j)における基準面に対する傾きStは、下記式(v)として算出される。
防眩層は、反射散乱光の抑制、及び防眩性の中心を担う層である。
防眩層は、例えば、(A)エンボスロールを用いた方法、(B)エッチング処理、(C)型による成型、(D)塗布による塗膜の形成等により形成できる。これら方法の中では、安定した表面形状を得やすくする観点からは(C)の型による成型が好適であり、生産性及び多品種対応の観点からは(D)の塗布による塗膜の形成が好適である。
塗布により塗膜(防眩層)を形成する場合、例えば、バインダー樹脂及び粒子を含む塗布液を塗布して、粒子により凹凸を形成する手段(d1)、任意の樹脂と、前記樹脂と相溶性の悪い樹脂を含む塗布液を塗布して、樹脂を相分離させて凹凸を形成する手段(d2)が挙げられる。(d1)は、(d2)よりもAM1とAM2とのバランスを良好にしやすい点で好ましい。また、(d1)は、(d2)よりもSa及びSmpのバラツキを抑制しやすい点で好ましい。
防眩層の厚みTは、カール抑制、機械的強度、硬度及び靭性とのバランスの観点から、2~10μmであることが好ましく、4~8μmであることがより好ましい。
防眩層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による防眩フィルムの断面写真の任意の箇所を20点選び、その平均値により算出できる。STEMの加速電圧は10kv~30kV、STEMの倍率は1000~7000倍とすることが好ましい。
防眩層は、主として樹脂成分を含み、必要に応じて、有機粒子及び無機微粒子等の粒子、屈折率調整剤、帯電防止剤、防汚剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤及び熱重合開始剤等の添加剤を含む。
防眩層は、バインダー樹脂及び粒子を含むことが好ましい。粒子は有機粒子及び無機粒子が挙げられ、有機粒子が好ましい。すなわち、防眩層は、バインダー樹脂及び有機粒子を含むことがより好ましい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等が挙げられ、シリカが好ましい。
有機粒子は、比重が軽いため、後述する無機微粒子と併用することによって防眩層の表面付近に有機粒子が浮かび上がりやすくなる。このため、有機粒子と無機微粒子とを併用することによって、有機粒子が周期の長い凹凸を形成し、無機微粒子が周期の短い凹凸を形成しやすくなり、AM1及びAM2を上述した範囲としやすくできる。また、防眩層の表面付近に有機粒子が浮かび上がりやすくなることによって、Sa及びSmp等の表面形状を上述した範囲としやすくできる。
粒子として有機粒子のみを用いる場合、AM1及びAM2を上述した範囲としやすくするためには、防眩層中の有機粒子の含有割合を高くすることが好ましい。防眩層中の有機粒子の含有割合を高くすることにより、有機粒子が一面に敷き詰められたような形状となって有機粒子による周期の短い凹凸(AM2)を形成し、さらに、有機粒子が一面に敷き詰められたような形状の中に有機粒子が段積みされた形状が部分的に形成されることによって周期の長い凹凸(AM1)を形成することができる。また、有機粒子が一面に敷き詰められたような形状により、Smpを小さくしやすくできる。さらに、有機粒子が一面に敷き詰められたような形状の中に有機粒子が段積みされた形状が部分的に形成されることにより、Saを大きくしやすくできる。
平均粒子径Dを1.0μm以上とすることにより、AM1が小さくなりすぎることを抑制しやすくできるとともに、Saを0.30μm以上にしやすくできる。また、平均粒子径Dを5.0μm以下とすることにより、AM1が大きくなりすぎることを抑制しやすくできるとともに、Smpを10.00μm以下にしやすくできる。
(A1)防眩フィルムを光学顕微鏡にて透過観察画像を撮像する。倍率は500~2000倍が好ましい。
(A2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(A3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
粒子の含有量を40質量部以上とすることにより、AM1が小さくなりすぎることを抑制しやすくできる。また、粒子の含有量を40質量部以上とすることにより、Saを0.30μm以上、Smpを10.00μm以下にしやすくできる。また、粒子の含有量を200質量部以下とすることにより、AM1が大きくなりすぎることを抑制しやすくできるとともに、防眩層からの粒子の脱落を抑制しやすくできる。なお、後述する無機微粒子を用いない場合、上述した「段積み」を発現するため、粒子の含有量は、上記範囲において比較的多い量とすることが好ましい。
防眩層は、バインダー樹脂及び粒子に加えて、さらに無機微粒子を含むことが好ましい。特に、防眩層は、バインダー樹脂及び有機粒子に加えて、さらに無機微粒子を含むことが好ましい。
防眩層が無機微粒子を含むことにより、相対的に比重の軽い有機粒子が防眩層の表面付近に浮かび上がりやすくなる。さらに、防眩層が無機微粒子を含むことにより、有機粒子に基づく凸部の間に、無機微粒子に基づく微細な凹凸が形成されやすくなる。これらのことから、AM1及びAM2を上述した範囲にしやすくできる。また、有機粒子が防眩層の表面付近に浮かび上がりやすくなることにより、Sa及びSmp等の表面形状を上述した範囲としやすくできる。
また、防眩層が無機微粒子を含むことにより、有機粒子の屈折率と、防眩層の有機粒子以外の組成物の屈折率差との差が小さくなり、内部ヘイズを小さくしやすくできる。
(B1)防眩フィルムの断面をTEM又はSTEMで撮像する。TEM又はSTEMの加速電圧は10kv~30kV、倍率は5万~30万倍とすることが好ましい。
(B2)観察画像から任意の10個の無機微粒子を抽出し、個々の無機微粒子の粒子径を算出する。粒子径は、無機微粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(B3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を無機微粒子の平均粒子径とする。
無機微粒子の含有量を40質量部以上とすることにより、上述した無機微粒子に基づく効果を得やすくすることができる。また、無機微粒子の含有量を200質量部以下とすることにより、防眩層の塗膜強度の低下を抑制しやすくできる。
バインダー樹脂は、機械的強度をより良くする観点から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物等の硬化性樹脂の硬化物を含むことが好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことがより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
(C2)バインダー樹脂として、実質的に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物のみを含み、かつ、電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性化合物として、実質的にモノマー成分のみを含む。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物90に対して熱可塑性樹脂を10以上とすることにより、上述した防眩層塗布液の粘度が上がることによる効果を発揮しやすくできる。また、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物60に対して熱可塑性樹脂を40以下とすることにより、防眩層の機械的強度が低下することを抑制しやすくできる。
また、上記C2において、電離放射線硬化性化合物の全量に対するモノマー成分の割合は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。なお、当該モノマー成分は、多官能性(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。
具体的には、溶剤は、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
主成分とは、溶剤の全量の50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
蒸発速度が速い溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン(蒸発速度160)、トルエン(蒸発速度200)、メチルエチルケトン(蒸発速度370)が挙げられる。
蒸発速度が速い溶剤と、蒸発速度が遅い溶剤との質量比は、99:1~80:20であることが好ましく、98:2~85:15であることがより好ましい。
蒸発速度が遅い溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン(蒸発速度32)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(蒸発速度44)が挙げられる。
乾燥条件は、乾燥温度及び乾燥機内の風速により制御することができる。具体的な乾燥温度としては、30~120℃、乾燥風速では0.2~50m/sとすることが好ましい。また、乾燥により防眩層の表面形状を制御するために、電離放射線の照射は塗布液の乾燥後に行うことが好適である。
防眩フィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
なお、全光線透過率、及び、後述するヘイズを測定する際の光入射面は、凹凸表面とは反対側とする。
ヘイズを60%以上とすることにより、防眩性を良好にしやすくできる。また、ヘイズを98%以下とすることにより、映像の解像度の低下を抑制しやすくできる。
内部ヘイズは汎用の手法で測定することができ、例えば、凹凸表面上に透明粘着剤層を介して透明シートを貼り合わせるなどして、凹凸表面の凹凸を潰すことにより測定することができる。
防眩フィルムは、上述した防眩層及び透明基材以外の層を有していてもよい。その他の層としては、反射防止層、防汚層及び帯電防止層等が挙げられる。
その他の層を有する好適な実施形態としては、防眩層の凹凸表面上に反射防止層を有し、反射防止層の表面が前記凹凸表面である実施形態が挙げられる。なお、前記反射防止層が防汚性を備えることがより好ましい。すなわち、防眩層上に防汚性反射防止層を有し、防汚性反射防止層の表面が前記凹凸表面である実施形態がより好ましい。
反射防止層は、例えば、低屈折率層の単層構造;高屈折率層と低屈折率層の2層構造;3層構造以上の多層構造;が挙げられる。低屈折率層及び高屈折率層は、汎用のウェット法又はドライ法等により形成することができる。ウェット法の場合は前記単層構造又は2層構造が好ましく、ドライ法の場合は前記多層構造が好ましい。
単層構造又は2層構造は、ウェット法により好ましく形成される。
低屈折率層は、防眩フィルムの最表面に配置することが好ましい。反射防止層に防汚性を付与する場合、低屈折率層中に、シリコーン系化合物及びフッ素系化合物等の防汚剤を含ませることが好ましい。
高屈折率層の屈折率は、下限は、1.53以上が好ましく、1.54以上がより好ましく、1.55以上がより好ましく、1.56以上がより好ましく、上限は、1.85以下が好ましく、1.80以下がより好ましく、1.75以下がより好ましく、1.70以下がより好ましい。
ドライ法により好ましく形成される多層構造は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に合計3層以上積層された構成である。多層構造においても、低屈折率層は、防眩フィルムの最表面に配置することが好ましい。
低屈折率層は、厚み5~200nmであることが好ましく、屈折率は1.33~1.53であることが好ましい。低屈折率層の厚みは20~120nmであることがより好ましい。
防眩フィルムは、所定の大きさにカットした枚葉状の形態でもよいし、長尺シートをロール状に巻き取ったロール状の形態であってもよい。また、枚葉の大きさは特に限定されないが、最大径が2~500インチ程度である。「最大径」とは、防眩フィルムの任意の2点を結んだ際の最大長さをいうものとする。例えば、防眩フィルムが長方形の場合は、該領域の対角線が最大径となる。また、防眩フィルムが円形の場合は、直径が最大径となる。
ロール状の幅及び長さは特に限定されないが、一般的には、幅は500~3000mm、長さは500~5000m程度である。ロール状の形態の防眩フィルムは、画像表示装置等の大きさに合わせて、枚葉状にカットして用いることができる。カットする際、物性が安定しないロール端部は除外することが好ましい。
また、枚葉の形状も特に限定されず、例えば、多角形(三角形、四角形、五角形等)や円形であってもよいし、ランダムな不定形であってもよい。より具体的には、防眩フィルムが四角形状である場合には、縦横比は表示画面として問題がなければ特に限定されない。例えば、横:縦=1:1、4:3、16:10、16:9、2:1等が挙げられるが、デザイン性に富む車載用途やデジタルサイネージにおいては、このような縦横比に限定されない。
本発明の画像表示装置は、表示素子上に上述した本発明の防眩フィルムの前記凹凸表面側の面が前記表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ前記防眩フィルムを最表面に配置してなるものである(図3参照)。
液晶表示素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。表示素子が液晶表示素子である場合、バックライトが必要である。バックライトは、液晶表示素子の防眩フィルムが配置されている側とは反対側に配置される。
画像表示装置の有効表示領域とは、画像を表示し得る領域である。例えば、画像表示装置が表示素子を囲う筐体を有する場合、筐体の内側の領域が有効画像領域となる。
なお、有効画像領域の最大径とは、有効画像領域内の任意の2点を結んだ際の最大長さをいうものとする。例えば、有効画像領域が長方形の場合は、該領域の対角線が最大径となる。また、有効画像領域が円形の場合は、該領域の直径が最大径となる。
以下のように、実施例及び比較例の防眩フィルムの測定及び評価を行った。なお、各測定及び評価時の雰囲気は、温度23±5℃、湿度40~65%とした。また、各測定及び評価の開始前に、対象サンプルを前記雰囲気に30分以上晒してから測定及び評価を行った。結果を表1又は表2に示す。
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm×10cmに切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した防眩フィルムの透明基材側をパナック社の光学透明粘着シート(商品名:パナクリーンPD-S1、厚み25μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさのガラス板(厚み2.0mm)に貼り合わせたサンプル1を作製した。
白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社)を用いて、計測ステージにサンプル1が固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、以下の測定条件1及び解析条件1にて、防眩フィルムの凹凸表面の標高を測定及び解析し、AM1及びAM2を算出した。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver9.0.10のMicroscope Applicationを用いた。
対物レンズ:50倍
ImageZoom:1倍
測定領域:218μm×218μm
解像度(1点当たりの間隔):0.22μm
・Instrument:NewView7000 Id 0 SN 073395
・Acquisition Mode:Scan
・Scan Type:Bipolar
・Camera Mode:992x992 48 Hz
・Subtract Sys Err:Off
・Sys Err File:SysErr.dat
・AGC:Off
・Phase Res:High
・Connection Order:Location
・Discon Action:Filter
・Min Mod(%):0.01
・Min Area Size:7
・Remove Fringes:Off
・Number of Averages:0
・FDA Noise Threshold:10
・Scan Length:15um bipolar (6 sec)
・Extended Scan Length:1000 μm
・FDA Res:High 2G
・Removed:None
・Data Fill:On
・Data Fill Max:10000
・Filter:HighPass
・FilterType:GaussSpline
・Filter Window Size:3
・Filter Trim:Off
・Filter Low wavelength:800μm
・Min Area Size:0
・Remove spikes: On
・Spike Height(xRMS):2.5
なお、Low wavelengthは粗さパラメータにおけるカットオフ値λcに相当する。
Surface Map画面上に「Save Data」ボタンを表示させ、解析後の3次元曲面粗さデータを「XYZ File(*.xyz)」形式で保存した。次に、Microsoft社のExcel(登録商標)に書き出しを行い、標高の二次元関数h(x,y)を得た。得られる生データの数は縦992行×横992列=984064点で一辺の長さ(MΔxもしくはNΔy)が218μmであるが、外周データの削除を41回繰り返し実施することにより、縦910行×横910列=828100点で前記一辺の長さが200μmのデータを得た。次に統計解析ソフトR(ver3.6.3)を用いて、標高の二次元関数(縦910行×横910列)における、各行および各列の標高の一次元振幅スペクトルHx’(fx)、Hy’(fy)をそれぞれ計算し、各々の空間周波数の値に対応する振幅の値を平均することで標高の一次元振幅スペクトルH”(f)を得た。各サンプルにつき16箇所の表面に対して標高の一次元関数H”(f)を測定し、各々の空間周波数の値に対応する振幅の値を平均した結果を標高の一次元振幅スペクトルH(f)とした。
次いで、得られたデータから、AM2(空間周波数0.300μm-1における振幅)を抽出するとともに、AM1(空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計)を計算した。また、空間周波数0.005μm-1に対応する振幅であるAM1-1、空間周波数0.010μm-1に対応する振幅であるAM1-2、空間周波数0.015μm-1に対応する振幅であるAM1-3の値を表1に示す。
図6~18に、実施例1~7及び比較例1~6の防眩フィルムの凹凸表面の標高の振幅スペクトルの離散関数H(f)を示す。図中、横軸は空間周波数(単位は「μm-1」)、縦軸は振幅(単位は「μm」)を示す。
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。ヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所製)を用いて、各サンプルのJIS K7361-1:1997の全光線透過率、及びJIS K7136:2000のヘイズを測定した。
なお、光源が安定するよう事前に装置の電源スイッチをONにしてから15分以上待ち、入口開口(測定サンプルを設置する箇所)に何もセットせずに校正を行い、その後に入口開口に測定サンプルをセットして測定した。また、光入射面は透明基材側とした。
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm×10cmに切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した防眩フィルムの透明基材側をパナック社の光学透明粘着シート(商品名:パナクリーンPD-S1、厚み25μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社、商品名:コモグラス DFA2CG 502K(黒)系、厚み2mm)に貼り合わせたサンプル2を作製した。
サンプル2を高さ70cmの水平な台に凹凸表面が上になるように設置し、明室環境下で、照明光の正反射方向となる角度から、下記の評価基準で凹凸表面への照明光の映り込みを評価した。なお、評価の際は、照明の中央から出射する光のサンプル2に対する入射角が10度となるように、照明に対するサンプル2の位置を調整した。また、照明は、Hf32形の直管三波長形昼白色蛍光灯を用い、照明の位置は水平台から鉛直方向2m上方の高さとした。また、サンプルの凹凸表面上の照度が500~1000luxとなる範囲で評価した。また、観測者の目の位置は床から160cm前後とした。観測者は、視力0.7以上の健康な30歳台の人とした。
<評価基準>
◎:照明の輪郭がなく、位置も分からない
〇:照明の輪郭はないが、位置がぼんやりと分かる
△:照明の輪郭と位置がぼんやりと分かる
×:照明の輪郭のぼやけが弱く、位置もはっきりと分かる
1-3で作製したサンプル2を両手で持ち、サンプル2の高さ及び角度を変更(但し、照明の中央から出射する光のサンプル2に対する入射角が10~70度の範囲で変更)しながら評価する点を変更した以外は、1-3と同様にして、凹凸表面への照明光の映り込みを評価した。
1-3で作製したサンプル2を高さ70cmの水平な台に凹凸表面が上になるように設置した。照明からの出射光のうち、最も強い出射角の光がサンプル2にギリギリ入射しないように、照明に対するサンプル2の位置を調整した。当該調整により、観測者を基準としたサンプルの位置は、1-3のサンプルの位置よりも観測者より遠い側に配置されている。
上記の位置にサンプル2を配置し、下記の評価基準で反射散乱光(≒漆黒感)の程度を評価した。観測者の目線は床から160cm前後とした。観測者は、視力0.7以上の健康な30歳台の人とした。
<評価基準>
◎:散乱光の白さが感じられず、十分に黒い
〇:散乱光の白さが僅かに感じられるが、気にならないレベル
×:散乱光の白さが気になるレベルで感じられる
白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社)を用いて、計測ステージに1-1で作製したサンプル1が固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、防眩フィルムの表面形状の測定及び解析を行った。測定条件及び解析条件は、1-1における測定条件1及び解析条件1と同一とした。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver9.0.10(64-bit)のMicroscope Applicationを用いた。なお、実施例6及び7、並びに、比較例3及び6は、表面形状の測定対象から外した。
次に、上記Surface Map画面中に「Save Data」ボタンを表示させ、解析後の3次元曲面粗さデータを保存した。そして、Advanced Texture Applicationにて、前記の保存データを読み込み以下の解析条件2を適用した。
(解析条件2)
・High FFT Filter:off
・Low FFT Filter:off
・Calc High Frequency:On
・Calc Low Frequency:On
・Filter Trim:On
・Remove spikes: Off
・Spike Height(xRMS):5.00
・Noise Filter Size:0
・Noise Filter Type:2 Sigma
・Fill Data:Off
・Data Fill Max:25
・Trim:0
・Trim Mode:All
・Remove:Plane
・Reference Band:0μm
・Mim Peaks/Valleys Area:0μm2
・Max Peaks/Valleys Area:0μm2
[実施例1]
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社、TD80UL)上に、下記処方の防眩層塗布液1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して、防眩層を形成し、実施例1の防眩フィルムを得た。防眩層の厚みは5.0μmであった。なお、防眩フィルムの防眩層とは反対側のRaは0.012μmであった。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 58.2部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・ウレタンアクリレートオリゴマー 18.2部
(DIC社、商品名:V-4000BA)
・熱可塑性樹脂 23.6部
(アクリルポリマー、三菱レイヨン社、分子量75,000)
・有機粒子 63.6部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径2.0μm、屈折率1.515)
(粒子径1.8~2.2μmの粒子の割合が90%以上)
・無機微粒子分散液 230部
(日産化学社、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤:MIBK、固形分:35.5%)
(平均粒子径12nm)
(無機微粒子の有効成分:81.9部)
・光重合開始剤 5.5部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.8部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 346.8部
・溶剤(シクロヘキサノン) 17.9部
防眩層塗布液1を、表1に記載の番号の防眩層塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~7、及び、比較例1~6の防眩フィルムを得た。防眩層塗布液2~13の組成を以下に示す。
防眩層塗布液1の有機粒子を、「平均粒子径4.0μm、屈折率1.515(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体、粒子径3.8~4.2μmの粒子の割合が90%以上)」である有機粒子に変更した以外は、防眩層塗布液1と同様の組成からなる塗布液。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・有機粒子 129.8部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径2.0μm、屈折率1.515)
(粒子径1.8~2.2μmの粒子の割合が90%以上)
・光重合開始剤 6.4部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.0部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 498.4部
・溶剤(シクロヘキサノン) 55.4部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・有機粒子 99.6部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径2.0μm、屈折率1.515)
(粒子径1.8~2.2μmの粒子の割合が90%以上)
・シリカ粒子 10部
(平均粒子径:4.1μm)
(富士シリシア化学社製、ゲル法不定形シリカ)
・光重合開始剤 6.1部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 1.1部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・溶剤(トルエン) 452.9部
・溶剤(シクロヘキサノン) 50.3部
・溶剤(酢酸エチル) 2.6部
防眩層塗布液1において、有機粒子の添加量を63.6部から50.0部に変更し、無機微粒子分散液の添加量を230部から187部に変更した以外は、防眩層塗布液1と同様の組成からなる塗布液。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・シリカ粒子 14部
(平均粒子径:4.1μm)
(富士シリシア化学社製、ゲル法不定形シリカ)
・光重合開始剤 5部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 150部
・溶剤(MIBK) 35部
・溶剤(酢酸エチル) 5.2部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 65部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・ウレタンアクリレートオリゴマー 35部
(DIC社、商品名:V-4000BA)
・有機粒子 14部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.550)
・シリカ粒子 6部
(平均粒子径:12nm)
(日本アエロジル社製、フュームドシリカ)
・光重合開始剤 5部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・シリコーン系レベリング剤 0.025部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 100部
・溶剤(シクロヘキサノン) 20部
・溶剤(イソプロピルアルコール) 55部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 33部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 52部
(東亜合成社、商品名:M-313)
・熱可塑性樹脂 15部
(アクリルポリマー、三菱レイヨン社、分子量75,000)
・有機粒子 16部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.555)
(粒子径3.2~3.8μmの粒子の割合が90%以上)
・無機微粒子分散液 158部
(日産化学社、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤:MIBK、固形分:40%)
(平均粒子径:12nm)
・光重合開始剤 5部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・シリコーン系レベリング剤 0.20部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 211部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 165部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 91.5部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・ウレタンアクリレートオリゴマー 8.5部
(DIC社、商品名:V-4000BA)
・有機粒子 2部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径5.0μm、屈折率1.550)
・シリカ粒子 15部
(平均粒子径:4.1μm)
(富士シリシア化学社製、ゲル法不定形シリカ)
・光重合開始剤 1.9部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 7部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 161.1部
・溶剤(シクロヘキサノン) 69部
・溶剤(酢酸エチル) 3.9部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.6部
(日本化薬社、商品名:KAYARAD-PET-30)
・ウレタンアクリレートオリゴマー 49.4部
(DIC社、商品名:V-4000BA)
・有機粒子 3部
(積水化成品社、球状ポリアクリル-スチレン共重合体)
(平均粒子径2.0μm、屈折率1.545μm)
・シリカ粒子 1部
(平均粒子径:12nm
(日本アエロジル社製、フュームドシリカ)
・光重合開始剤 1部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad184)
・光重合開始剤 0.2部
(IGM Resins B.V.社、商品名:Omnirad907)
・光重合開始剤 1.5部
(Lamberti社、ESACUREONE)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、商品名:TSF4460)
・溶剤(トルエン) 98.6部
・溶剤(シクロヘキサノン) 38.7部
・溶剤(イソプロピルアルコール) 44.1部
・溶剤(MIBK) 2.4部
防眩層塗布液3の有機粒子の添加量を300部に変更した以外は、防眩層塗布液1と同様の組成からなる塗布液。
防眩層塗布液3の有機粒子の平均粒子径を3.5μmに変更した以外は、防眩層塗布液3と同様の組成からなる塗布液。
防眩層塗布液3において、有機粒子の平均粒子径を1.5μmに変更し、さらに、有機粒子の添加量を160部に変更した以外は、防眩層塗布液3と同様の組成からなる塗布液。
20:防眩層
21:バインダー樹脂
22:有機粒子
100:防眩フィルム
110:表示素子
120:画像表示装置
200:観測者
Claims (16)
- 防眩層を有する防眩フィルムであって、前記防眩フィルムは凹凸表面を有し、
前記凹凸表面は、三次元平均山間隔Smpが2.524μm以上8.228μm以下であり、かつ、三次元算術平均粗さSaが0.352μm以上0.612μm以下であり、
前記凹凸表面の標高の振幅スペクトルに関して、空間周波数がそれぞれ0.005μm-1、0.010μm-1、0.015μm-1に対応する振幅の合計をAM1、空間周波数0.300μm-1における振幅をAM2と定義した際に、AM1が0.070~0.400μmであり、AM2が0.0050μm以上であり、かつ、AM2<AM1であり、空間周波数0.005μm-1に対応する振幅をAM1-1、空間周波数0.010μm-1に対応する振幅をAM1-2、空間周波数0.015μm-1に対応する振幅をAM1-3と定義した際に、AM1-1が0.020~0.150μm、AM1-2が0.020~0.145μm、AM1-3が0.020~0.145μmである、防眩フィルム。 - AM2が0.0055~0.0550μmである、請求項1に記載の防眩フィルム。
- AM1/AM2が2.0~60.0である、請求項1又は2に記載の防眩フィルム。
- JIS K7136:2000のヘイズが60~98%である、請求項1~3の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記防眩層が、バインダー樹脂及び粒子を含む、請求項1~4の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記防眩層の厚みをT、前記粒子の平均粒子径をDと定義した際に、D/Tが0.20~0.96である、請求項5に記載の防眩フィルム。
- 前記粒子の平均粒子径Dが1.0~5.0μmである、請求項5又は6に記載の防眩フィルム。
- 前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記粒子を40~200質量部含む、請求項5~7の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記粒子が有機粒子である、請求項5~8の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記防眩層が、さらに無機微粒子を含む、請求項5~9の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記無機微粒子を40~200質量部含む、請求項10に記載の防眩フィルム。
- 前記バインダー樹脂が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物及び熱可塑性樹脂を含む、請求項5~11の何れかに記載の防眩フィルム。
- 透明基材上に前記防眩層を有し、前記防眩層の前記透明基材とは反対側の表面が前記凹凸表面である、請求項1~12の何れかに記載の防眩フィルム。
- 前記透明基材が、ポリエステルフィルム又はトリアセチルセルロースフィルムである、請求項13に記載の防眩フィルム。
- 前記防眩層上にさらに反射防止層を有し、前記反射防止層の表面が前記凹凸表面である、請求項1~14の何れかに記載の防眩フィルム。
- 表示素子上に、請求項1~15の何れかに記載の防眩フィルムの前記凹凸表面側の面が前記表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ前記防眩フィルムを最表面に配置してなる画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022182396A JP7468600B2 (ja) | 2020-05-15 | 2022-11-15 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020086214 | 2020-05-15 | ||
JP2020086214 | 2020-05-15 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022182396A Division JP7468600B2 (ja) | 2020-05-15 | 2022-11-15 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021182135A JP2021182135A (ja) | 2021-11-25 |
JP2021182135A5 JP2021182135A5 (ja) | 2022-06-24 |
JP7370358B2 true JP7370358B2 (ja) | 2023-10-27 |
Family
ID=78606507
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021082298A Active JP7370358B2 (ja) | 2020-05-15 | 2021-05-14 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
JP2022182396A Active JP7468600B2 (ja) | 2020-05-15 | 2022-11-15 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022182396A Active JP7468600B2 (ja) | 2020-05-15 | 2022-11-15 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7370358B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7347627B2 (ja) * | 2021-10-28 | 2023-09-20 | 大日本印刷株式会社 | 防眩フィルム及び画像表示装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002196116A (ja) | 2000-12-25 | 2002-07-10 | Nitto Denko Corp | アンチグレア層、アンチグレアフィルムおよび光学素子 |
JP2007187952A (ja) | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、その製造方法、そのための金型の製造方法、及び表示装置 |
JP2010160398A (ja) | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Nippon Shokubai Co Ltd | 防眩性積層体 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013061636A (ja) * | 2011-08-23 | 2013-04-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 防眩性前面板 |
JP6201684B2 (ja) * | 2013-11-26 | 2017-09-27 | 凸版印刷株式会社 | El素子、照明装置、ディスプレイ装置、及び液晶ディスプレイ装置 |
KR20160015163A (ko) * | 2014-07-30 | 2016-02-12 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 방현 필름 |
JP6796997B2 (ja) * | 2016-11-07 | 2020-12-09 | フクビ化学工業株式会社 | 防眩性および反射防止性を有する透明基板用の中間積層体と透明基板の製造方法 |
JP7335719B2 (ja) * | 2017-12-11 | 2023-08-30 | 株式会社ダイセル | 防眩フィルム並びにその製造方法及び用途 |
-
2021
- 2021-05-14 JP JP2021082298A patent/JP7370358B2/ja active Active
-
2022
- 2022-11-15 JP JP2022182396A patent/JP7468600B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002196116A (ja) | 2000-12-25 | 2002-07-10 | Nitto Denko Corp | アンチグレア層、アンチグレアフィルムおよび光学素子 |
JP2007187952A (ja) | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、その製造方法、そのための金型の製造方法、及び表示装置 |
JP2010160398A (ja) | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Nippon Shokubai Co Ltd | 防眩性積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023009185A (ja) | 2023-01-19 |
JP2021182135A (ja) | 2021-11-25 |
JP7468600B2 (ja) | 2024-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11960162B2 (en) | Anti-glare film and image display device | |
JP2023083363A (ja) | 防眩フィルム及び画像表示装置 | |
JP7192777B2 (ja) | 防眩フィルム及びそれを用いた表示装置 | |
JP2024052839A (ja) | 防眩フィルム及び画像表示装置 | |
JP7468600B2 (ja) | 防眩フィルム及び画像表示装置 | |
WO2020246314A1 (ja) | 防眩フィルム、並びにそれを用いた防眩性物品、タッチパネル及び表示装置、並びに防眩フィルムの選定方法 | |
CN116699738B (zh) | 防眩膜和图像显示装置 | |
JP6565096B2 (ja) | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 | |
JP2024074903A (ja) | 防眩フィルム及び画像表示装置 | |
WO2023074774A1 (ja) | 防眩フィルム、並びに、それを用いた偏光板、表面板、画像表示パネル及び画像表示装置 | |
JP7347627B2 (ja) | 防眩フィルム及び画像表示装置 | |
JP7409575B1 (ja) | 光学フィルム、画像表示パネル及び画像表示装置 | |
WO2023210621A1 (ja) | 光学フィルム、画像表示パネル及び画像表示装置 | |
JP7380960B1 (ja) | 光学フィルム、画像表示パネル及び画像表示装置 | |
TWI840203B (zh) | 光學膜、影像顯示面板及影像顯示裝置 | |
CN118140162A (zh) | 防眩膜、以及使用该防眩膜的偏振片、表面板、图像显示面板和图像显示装置 | |
CN118159879A (zh) | 防眩膜、以及使用该防眩膜的偏振片、表面板、图像显示面板和图像显示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220615 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220615 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20220615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220705 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220722 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220816 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221115 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20221115 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20221122 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20221129 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20230113 |
|
C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211 Effective date: 20230117 |
|
C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22 Effective date: 20230411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7370358 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |