JP2024051653A - 外用組成物 - Google Patents

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崇寛 堀内
仁哉 中村
卓哉 沖見
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健栄製薬株式会社
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Abstract

【課題】ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを含み、外用組成物として適切な製剤を提供することを目的とする。好ましくは、アミノ酸系カチオン界面活性剤を好適に選択することで、従来のヘパリン類似物質を含む組成物と比較して増強された保湿機能を有する外用組成物を提供する。【解決手段】ヘパリン類似物質と、アミノ酸系カチオン界面活性剤と、HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤と、を含み;前記HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤に対する、前記アミノ酸系カチオン界面活性剤の質量比率が2未満である外用組成物、を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、外用組成物に関する。
ヘパリン類似物質を含む組成物は、外用剤として皮膚などに適用されると、皮膚の保湿作用や、皮膚の抗炎症作用や、血行促進作用などが得られることが知られている(非特許文献1)。そのため、ヘパリン類似物質を含む外用組成物がいくつか提案されており、例えば、特許文献1には、ヘパリン類似物質とアミノ酸成分を含む外用組成物が記載されており、特許文献2には、ヘパリン類似物質と、トコフェロール、抗炎症剤及び鎮痒剤を含む外用剤が記載されている。
また、外用組成物には、カチオン界面活性剤として機能するアシル塩基性アミノ酸アルキルエステル又はその塩を配合することがある。アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルは、界面活性剤としての機能の他、保水機能、皮膚コンディショニング機能、ヘアコンディショニング機能などを発揮することがある(特許文献3)。
特開2021-59524号公報 特開2016―196419号公報 特開昭59-031706号公報
商品名ヒルマイルド添付文書 URL: https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J2001000156_02_A.pdf
本発明者は、ヘパリン類似物質を含む外用組成物に、アミノ酸系カチオン界面活性剤を配合しようとすると、製剤上の問題が発生することを見出した。すなわち、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とが水性溶媒中で共存すると沈殿が生じて、外用組成物として製剤化することが困難であることが分かった。
そこで本発明は、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを含み、さらに所定のノニオン界面活性剤を含むことで、外用組成物として適切な製剤を提供することを目的とする。本発明の外用組成物は、アミノ酸系カチオン界面活性剤を好適に選択することで、好ましくは、従来のヘパリン類似物質を含む組成物と比較して増強された保湿・保水機能を有する。
すなわち本発明は、以下に示す外用組成物に関する。
[1]ヘパリン類似物質と、アミノ酸系カチオン界面活性剤と、HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤と、を含み;前記HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤に対する、前記アミノ酸系カチオン界面活性剤の質量比率が2未満である外用組成物。
[2]前記アミノ酸系カチオン界面活性剤は、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルである、[1]に記載の外用組成物。
[3]前記HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤が、HLB値12以上のノニオン界面活性剤である、[1]又は[2]に記載の外用組成物。
[4]前記ヘパリン類似物質を、前記外用組成物に対して、0.05~1.0質量%の範囲で含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の外用組成物。
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を含む外用組成物であり、好ましくは増強された保湿機能を有するため、例えば、皮膚外用剤として好適に用いられる。
[1. 外用組成物の組成]
本発明の外用組成物は、1)ヘパリン類似物質と、2)アミノ酸系カチオン界面活性剤と、3)HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤とを含有し、通常は水性液状担体を含有し、さらに他の配合成分を含んでいてもよい。
[1-1. ヘパリン類似物質]
ヘパリン類似物質とは、ムコ多糖類の多硫エステル体である。ムコ多糖類とは、動物組織や体液に広く分布するアミノ糖を含む複合多糖であり、例えば、コンドロイチン硫酸などである。ヘパリン類似物質は、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得てもよく、食用獣の組織(例えば、ウシの気管軟骨を含む肺臓)から抽出して得てもよい。また、本発明の外用組成物に含まれるヘパリン類似物質は、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質であってもよい。
本発明の外用組成物はヘパリン類似物質を含み、通常は組成物に対して 0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは 0.1質量%以上含む。また、本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質を、組成物に対して5質量%以下、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下含む。本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質を、例えば0.1質量%、又は0.3質量%含む。なお、ヘパリン類似物質の含有量は、外用組成物が所望の機能(保湿機能など)を有するように、適宜設定することができる。
[1-2. アミノ酸系カチオン界面活性剤]
本発明の外用組成物に含まれるアミノ酸系カチオン界面活性剤は、長鎖アルキル基(例えば、炭素数8~30)を有するアミノ酸であり得る。長鎖アルキル基を有するアミノ酸であれば、特にその構造は限定されないが;典型的には、中性アミノ酸の高級エステル誘導体や、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルなどが挙げられる。アミノ酸系カチオン界面活性剤は、好ましくは、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルである。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルとは、塩基性アミノ酸のN原子をモノアシル化し、かつ当該塩基性アミノ酸のカルボキシル基をアルキルエステル化した塩基性アミノ酸誘導体である。アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルは、界面活性剤として機能したり、外用組成物のべたつき感を抑えたりすることができ、また、好ましくは、組成物の保湿及び保水機能を高めることもできる。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルにおける「塩基性アミノ酸」単位は、アルギニン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン等の天然アミノ酸由来の単位などであってもよく、ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸由来の単位であってもよい。これら塩基性アミノ酸単位は、光学活性体及びラセミ体のいずれであってもよい。好ましい「塩基性アミノ酸」単位は、L-アルギニン由来である。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルにおけるアシル基は、炭素数8~22の飽和又は不飽和の脂肪酸残基であり、例えばカプリロイル基(炭素数8)、カプリノイル基(炭素数10)、ラウロイル基(炭素数12)、ミリストイル基(炭素数14)、パルミトイル基(炭素数16)、ステアロイル基(炭素数18)などの単一脂肪酸残基のほか、ヤシ油脂肪酸残基、牛脂脂肪酸残基などの天然系の混合脂肪酸残基であってもよい。ヤシ油脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の他、カプリル酸及びカプリン酸などを含む混合脂肪酸である。また、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルにおけるアシル基は、不飽和脂肪酸残基であってもよく、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸残基であってもよい。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルにおけるアルキルエステル単位は、低級アルキル(炭素数1~8程度)エステルであることが好ましく;メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステルなどが例示されるが;メチルエステル又はエチルエステルが好ましい。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルは「塩」であることが好ましく、塩酸塩、硫酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、トルエンスルホン酸塩、脂肪酸塩、酸性アミノ酸塩、ピログルタミン酸塩、ピロリドンカルボン酸塩のような有機酸塩であり得る。これらの中でも塩酸塩、酸性アミノ酸塩、及びピロリドンカルボン酸塩であることが好ましい。ピログルタミン酸やピロリドンカルボン酸は、光学活性体(L体又はD体)又はラセミ体(DL-体)のいずれでもよい。
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩の好適な具体例には、以下の構造式に示されるN-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩(ココイルアルギニンエチルPCAともいう)が挙げられる。これは、市場からも入手可能であり、CAE(登録商標, 味の素ヘルシーサプライ社)として市販されている。
本発明の外用組成物はアミノ酸系カチオン界面活性剤を、組成物に対して0.01質量%以上含むことが好ましく、0.05質量%以上含むことがより好ましく;一方、10.0質量%以下含むことが好ましく、5.0質量%以下含むことがより好ましく、2.0質量%以下含むことがさらに好ましく、1.0質量%以下含むことが特に好ましい。アミノ酸系カチオン界面活性剤が適切な界面活性機能を発揮するためである。また、アミノ酸系カチオン界面活性剤としてのアシル塩基性アミノ酸アルキルエステル又はその塩の配合量は、界面活性機能を発揮しつつ、外用組成物に期待される使用感(べたつき感の抑制など)を改善し、所望の保湿及び保水機能が得られるように設定されればよい。アミノ酸系カチオン界面活性剤の含有率が高すぎると、ミセル化するなどして組成物が懸濁することもあるため、配合量の設定において考慮することができる。なお、本発明の外用組成物は、1又は2種以上のアミノ酸系カチオン界面活性剤を含有することができる。
[1-3. ノニオン界面活性剤]
本発明の外用組成物はHLB値が9.5以上のノニオン界面活性剤(非イオン性界面活性剤ともいう)を含み、当該ノニオン界面活性剤は、外用組成物においてヘパリン類似物質とアミノ酸系界面活性剤との相互作用による沈殿を抑制することが好ましい。つまり、水性液状担体中にヘパリン類似物質とアミノ酸系界面活性剤とが共存すると、沈殿が生じて製剤化が困難であるところ、さらにノニオン界面活性剤を共存させることで、当該沈殿を防止することができる。
また、本発明の外用組成物に含まれるノニオン界面活性剤は、HLB値が12以上であることが好ましく、14以上であることがさらに好ましい。ノニオン界面活性剤のHLB値が高いほど、本発明の外用組成物が透明な液状組成物になりやすい。HLB値が高いノニオン界面活性剤は、本発明の外用組成物中でより溶解しやすく、透明な液状組成物になりやすいと考えられる。これらのことは、後述の実施例においても示される。
HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balanceの略)値とは、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値であり、0~20の範囲の数値となり、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高いことを示す。HLB値は、公知の測定法(グリフィン法、デイビス法、アトラス法、川上法など)によって測定されうる。
本発明の外用組成物に複数種のノニオン界面活性剤が含有される場合には、1)非イオン性界面活性剤全体のHLB値が9.5以上であってもよいし、2)複数種の非イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1種が9.5以上であってもよい。ここで、「非イオン性界面活性剤全体のHLB値」は、それぞれの非イオン性界面活性剤の質量分率とHLB値との積の和として求められる。例えば、本発明の外用組成物が、第1の非イオン界面活性剤(A1)(HLB値A1)、第2の非イオン界面活性剤(A2)(HLB値A2)、第3の非イオン界面活性剤(A3)(HLB値A3)の3種の非イオン界面活性剤を、それぞれ、X質量%、Y質量%、Z質量%の割合(X+Y+Z=100)で含む場合、(A1×X+A2×Y+A3×Z)÷100を、「非イオン性界面活性剤全体のHLB値」とすることができる。
ノニオン界面活性剤は、1)エーテル型、2)エステル型、3)エステル・エーテル型、4)その他(アミド型など)に分類されうるが;本発明の外用組成物は、HLB値が9.5以上である限り、いずれの種類のノニオン界面活性剤も含みうる。
1)エーテル型のノニオン界面活性剤は、高級アルコールに酸化オレフィン(酸化エチレンや酸化プロピレン)を付加した化合物であり;ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)グリコールなどであり得る。
ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルの例には、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ラウロマクロゴールともいう)、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンアラキルエーテル、などが含まれる。
ポリオキシエチレン(POE)アルキルフェニルエーテルの例には、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが含まれる。
ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテルの例には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが含まれる。
ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)グリコールの例には、各種ポロキサマーが挙げられる。
エーテル型のノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン(POE)のオキシエチレン単位の繰り返し数や、ポリオキシプロピレン(POP)のオキシプロピレン単位の繰り返し数に応じてHLB値を調整することができ、当該繰り返し数が多いほどHLB値が高くなる傾向がある。
以下は目安として、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルのオキシエチレン単位の繰り返し数とHLB値との関係を述べる。ポリオキシエチレンラウリルエーテルは、オキシエチレンの平均繰り返し数が2であるときにHLB値9.5であるため、オキシエチレンの平均繰り返し数が2以上のポリオキシエチレンラウリルエーテルを用いることができる。ポリオキシエチレンセチルエーテルは、オキシエチレンの平均繰り返し数が5.5であるときにHLB値10.5であるため、平均繰り返し数が約5以上のポリオキシエチレンセチルエーテルを用いることが好ましい。ポリオキシエチレンステアリルエーテルは、オキシエチレンの平均繰り返し数が9であるときにHLB値9であるため、オキシエチレンの平均繰り返し数が9よりも多いポリオキシエチレンステアリルエーテルを用いることが好ましい。ポリオキシエチレンオレイルエーテルは、オキシエチレンの平均繰り返し数が2であるときにHLB値7.5であり、オキシエチレンの平均繰り返し数が15であるときにHLB値16であるため、平均繰り返し数が2超のポリオキシエチレンオレイルエーテルから適宜選択すればよい。ポリオキシエチレンベヘニルエーテルは、オキシエチレンの平均繰り返し数が5であるときにHLB値7であり、平均繰り返し数が10であるときにHLB値10であるから、平均繰り返し数が約10以上のポリオキシエチレンベヘニルエーテルを適宜選択することが好ましい。
2)エステル型のノニオン界面活性剤の例には、グリセリン、ソルビトール又はスクロースなどの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した化合物が含まれる。ラウリン酸グリセリル、ラウリン酸スクロース、ラウリン酸ソルビタンなどはHLB値が9.5未満であると思われるが;ラウリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリルなどは、グリセリンの重合度が高いとHLB値が高まる。例えば、ラウリン酸ポリグリセリルであるラウリン酸デカグリセリル(平均重合度10のポリグリセリンでラウリン酸をエステル化した化合物)は、HLB値=15.5である。
3)エステル・エーテル型のノニオン界面活性剤は、ポリエチレングリコールと脂肪酸とからなるエステル化合物(ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル);またはグリセリンやソルビトールなどの多価アルコールと脂肪酸とからなるエステルにオキシエチレンを付加した化合物である。好ましくは、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが例示される。
ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルの例には、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどが含まれる。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの例には、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノラウリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが含まれる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例には、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、各種ポリソルベート{ポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート40(モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート65(トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート85(トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)}などが含まれる。
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの例には、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどが含まれる。
エステル・エーテル型のノニオン界面活性剤も、オキシエチレンの繰り返し数が多いほどHLB値が高まるため、HLB値が9.5以上のエステル・エーテル型のノニオン界面活性剤を適宜選択して本発明の外用組成物に用いることができる。
本発明の外用組成物におけるHLB値が9.5以上のノニオン界面活性剤の含有量は、外用組成物においてヘパリン類似物質とアミノ酸系界面活性剤との相互作用による沈殿を抑制できるように設定すればよい。具体的には、外用組成物におけるHLB値9.5以上のノニオン界面活性剤に対するアミノ酸系カチオン界面活性剤の質量比率を2未満とすることで、当該沈殿を抑制することができる。
また、本発明の外用組成物におけるHLB値が9.5以上のノニオン界面活性剤の含有量は、例えば、組成物全体に対する質量比として、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく;一方、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が高すぎると、HLB値が9.5以上であっても、ミセル化するなどして組成物が懸濁することがある。
[1-4. 水性液状担体]
本発明の外用組成物は、水性液状担体を含む。水性液状担体は、水だけで構成されることもあるし、水と水に溶解する液状担体との混合溶媒であることもあるし、水と水に溶解しない液状担体との混合物であることもある。例えば、本発明の外用組成物が水溶液(例えば、化粧水や美容液)やジェルであれば主な担体を水とすることができるし、乳液であれば水とともに油分(例えば、ワセリンなど)を主な担体とすることができる。
本発明の外用組成物は、水とともに含まれる液状担体として、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコールを含むことができる。さらに、本発明の外用組成物は、液状担体として、エタノールやプロパノールなどの低級アルコールを含んでもよい。ただし、本発明の外用組成物を敏感肌に適用したときの皮膚への刺激を少なくすることが望まれる場合には、外用組成物が低級アルコール、特にエタノールを含まないか、または実質的に含まないことが好ましい。
[1-5. その他の成分]
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質、アミノ酸系カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水性液状担体とともに、その他の成分を含んでいてもよい。例えば、本発明の外用組成物は、他の有効成分(アンチエイジング剤、抗炎症剤、アクネケア剤、抗ヒスタミン剤など)、湿潤剤(セラミド又はセラミド類似成分、リン脂質ポリマー、アロエエキス、アミノ酸系湿潤剤、スクワラン、または多価アルコールなど)、粘稠剤、pH調整剤、防腐剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含みうる。
[2. 外用組成物の製造方法]
本発明の外用組成物は、適切な製剤(例えば、各成分が沈殿していない製剤)として調製される限り、任意の方法で製造されうるが:好ましくは、第1の方法として、1A)水性液状担体にノニオン界面活性剤とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを混合し、1B)得られた混合液にヘパリン類似物質及びその他の成分を加えて混合して製造するか、第2の方法として、2A)水性液状担体にヘパリン類似物質とノニオン界面活性剤とを混合し、2B)得られた混合液にアミノ酸系カチオン界面活性剤及びその他の成分を加えて混合して製造することができる。いずれにしても、ノニオン界面活性剤が存在しない状態で、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを水性液状担体中で共存させないことが好ましい。
[3. 外用組成物の剤形・用途]
本発明の外用組成物は水性液状製剤である限り、水性製剤、エマルション製剤(水中油型エマルション、油中水型エマルションのいずれもよい)、サスペンション製剤、ゲル製剤など、剤形は特に限定されない。また、本発明の外用組成物は、化粧品の剤形として、プレスト、液状(リキッド)、ジェル、練り(バーム)、マッド、クリーム、乳液、ローション、フォーム(バブル)、フィルム、水、ペンシル、スプレー(ミスト)等であり得る。
本発明の外用組成物のpHは5~7の範囲に調整されていることが好ましい。外用組成物の皮膚などの患部への浸透性を高めやすいからである。
本発明の外用組成物の粘度は、製剤の剤形、及び組成物を皮膚に適用するときに求められる使用感に応じて、適宜調整されうる。例えば、組成物の粘度が低い方が、皮膚に適用されたときに濡れ広がりやすさを有しやすく;組成物の粘度が高い方が、皮膚に適用されたときに馴染みやすさを有しやすい。例えば目安として、本発明の外用組成物が水溶液であれば粘度400~1300mPa・sの範囲にあり、乳液であれば粘度2000~12000mPa・sの範囲にあり得る。粘度は、レオメーター条件:25℃、0.33rpm 90秒後の粘度として測定される。
本発明の外用組成物は、容器に充填されているが、例えば、遮光容器に充填されている。また、本発明の外用組成物はポンプ又はスプレータイプの容器に充填されることで、皮膚への適用を簡便にすることができる。
本発明の外用組成物を適用する患部は、皮膚、毛髪、膣、粘膜などであり得るが;好ましくは、外用組成物は皮膚に適用されることで使用されうる。皮膚に適用するには、外用組成物を直接皮膚にすりこんだり、外用組成物を染み込ませたガーゼなどを皮膚に貼ったりすることができる。例えば、特に保湿が求められる患部、例えば、顔、粉ふきがあるひざやかかと、背中、などが例示されるが、特に限定されない。皮膚に適用する頻度は、特に限定されないが、1日1~数回程度でありうる。
本発明の外用組成物は、皮膚に適用されることで、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用などを発揮することが期待され;それにより、肌荒れやあれ性の改善、あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防いだり、肌を整えて皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ、などの効果が得られうる。
本発明の外用組成物は、特に、皮膚への保湿作用が高いため、皮膚の保湿剤として用いられることが好ましい。
以下において本発明を、実施例を参照して説明するが、これら実施例の記載によって本発明が限定して解釈されてはならない。
実施例及び比較例で用いたアミノ酸系カチオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを以下にまとめた。
表2~表4に示すように、ヘパリン類似物質と、アミノ酸系カチオン界面活性剤であるN-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩と、各種ノニオン界面活性剤と、を精製水に配合した組成物を調製して、実施例又は比較例の組成物とした。具体的には、表2~表4に示す処方にしたがって、精製水に、ノニオン界面活性剤とアミノ酸系カチオン界面活性剤を添加して80℃にて加熱撹拌した後;冷却後、ヘパリン類似物質を加えて攪拌溶解した。
各実施例及び比較例で得られた組成物について、目視で外観観察をして透明であるか、懸濁(白濁又は微濁)しているかを確認したのち、さらに150メッシュのフィルターにてろ過をして沈殿物の有無を確認した。それぞれの確認結果を、表2~表4に示す。
なお、各実施例と同様の処方を製造するために、精製水に、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを混合すると沈殿が生じ、その後にノニオン界面活性剤を添加しても、沈殿が消失することはなかった。一方、各実施例と同様の処方を、ヘパリン類似物質とノニオン界面活性剤を混合してから、アミノ酸系カチオン界面活性剤を添加して製造すると、沈殿のない組成物を得ることができた。
表2~表4の比較例1に示すように、0.1質量%のヘパリン類似物質と0.1質量%のN-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩(CAE)を精製水に配合した組成物は白濁し沈殿が生じた。この沈殿物は、特に限定されないが、ヘパリン類似物質とCAEとの反応物と考えられた。
表2の実施例1~9及び比較例2~4はそれぞれ、0.1質量%のヘパリン類似物質と0.1質量%のCAEとともに、1質量%の各種ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エーテル型のノニオン界面活性剤)を配合した組成物である。比較例2~4の組成物は、比較例1と同様に、白濁し沈殿が生じたのに対して、実施例1~9の組成物では沈殿が生じなかった。比較例2~4の組成物には、HLB値が9以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されているのに対して、実施例1~9の組成物には、HLB値が9.5~20のポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されている。このように、一定以上のHLB値を有するノニオン界面活性剤を配合すると、沈殿のないヘパリン類似物質とCAEを含む水性液体組成物が得られることがわかる。
また、実施例1~9のうち、実施例2,5,6,7及び9の組成物は透明であったのに対して、実施例1、3、4及び8の組成物は白濁していた。実施例1、3、4及び8の組成物にはHLB値が9.5~11.5のポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されているのに対して、実施例2,5,6,7及び9の組成物にはHLB値が14.5~20のポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されている。このように、一定以上のHLB値を有するノニオン界面活性剤を配合すると、透明なヘパリン類似物質とCAEとを含有する水性液体組成物が得られることがわかる。なお、白濁は、特に限定されないが、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルの一部がミセル化して懸濁しているものと考えられた。
表3の実施例10~17並びに比較例5及び6はそれぞれ、0.1質量%のヘパリン類似物質と0.1質量%のCAEとともに、1質量%の各種ノニオン界面活性剤を配合した組成物である。実施例10と比較例5及び6はエステル型のノニオン界面活性剤(グリセリンと脂肪酸とのエステル化物)を配合したが;それぞれ、HLB値が15.5、5.5及び3であった。その結果、実施例10の組成物では沈殿が生じなかったが、比較例5及び6の組成物は白濁して沈殿が生じた。このように、一定以上のHLB値を有するノニオン界面活性剤を配合すると、沈殿のないヘパリン類似物質とCAEを含む水性液体組成物が得られることがわかる。
実施例11~17では、HLB値が13.5~15.5の範囲のエステル・エーテル型のノニオン界面活性剤を配合したが、いずれも沈殿は生じなかった。実施例12と13は、いずれもポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)を配合したが、それぞれHLB値が10.5及び15であった。その結果、HLB値が10.5のポリソルベートを配合した実施例12の組成物は白濁したが、実施例13の組成物は透明であった。そのため、一定以上のHLB値を有するノニオン界面活性剤を配合すると、透明なヘパリン類似物質とCAEを含む水性液体組成物が得られることがわかる。
表4の実施例18~25及び比較例7及び8はそれぞれ、実施例17と同様、HLB値が15のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールを配合した組成物である。実施例18と19はそれぞれ、0.1質量%のヘパリン類似物質と0.1質量%のCAEとともに、0.1質量%又は10質量%のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールを配合した組成物であるが、いずれも沈殿の生じない透明な組成物が得られた。
実施例20の組成物は、0.3質量%のヘパリン類似物質と0.1質量%のCAEとともに、1質量%のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールを配合した組成物であるが;ヘパリン類似物質の配合量が0.1質量%の実施例17と同様、沈殿の生じない透明な組成物が得られた。
実施例17及び21~23、並びに比較例7~8の組成物はそれぞれ、0.1質量%のヘパリン類似物質と、0.01~5.0質量%のCAEと、1質量%のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールを配合した組成物である。このうち、2.0及び5.0質量%のCAEを配合した比較例7~8組成物は白濁して沈殿が生じたのに対して;0.01~1.0質量%のCAEを配合した実施例17及び21~23の組成物は沈殿が生じなかった。このように、ノニオン界面活性剤に対するCAEの比率が一定以下であると、沈殿が抑制できることがわかる。
さらに、0.01及び0.1質量%のCAEを配合した実施例17及び21の組成物は、透明な組成物となったのに対して、0.2及び1.0質量%のCAEを配合した実施例22及び23の組成物は微濁な組成物となった。実施例22及び23の組成物の微濁は、特に限定されないが、CAEの一部がミセル化して懸濁しているものと考えられた。
実施例24及び25の組成物はそれぞれ、0.1質量%のヘパリン類似物質と、5.0及び10.0質量%のCAEと、10及び20質量%(CAEの2倍質量に相当する)のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールと、を配合した組成物であるが、微濁又は白濁したものの、沈殿は生じなかった。このように、CAEの含有量が増えても、ノニオン界面活性剤の含有量を増やすことで、沈殿を抑制できることがわかる。また、実施例24及び25の組成物の懸濁又は白濁は、CAE及びモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールのいずれか一方又は両方がミセル化して懸濁しているものと考えられた。
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質とアミノ酸系カチオン界面活性剤とを含みつつ、製剤として、好ましくは皮膚外用製剤として適切に提供される。本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質による保湿保水効果とともに、好ましくはアミノ酸系カチオン界面活性剤による保湿保水効果も発揮するため、優れた保湿剤などとして利用されうる。

Claims (4)

  1. ヘパリン類似物質と、アミノ酸系カチオン界面活性剤と、HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤と、を含み、
    前記HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤に対する、前記アミノ酸系カチオン界面活性剤の質量比率が2未満である外用組成物。
  2. 前記アミノ酸系カチオン界面活性剤は、アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルである、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 前記HLB値9.5以上のノニオン界面活性剤が、HLB値12以上のノニオン界面活性剤である、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 前記ヘパリン類似物質を、前記外用組成物に対して、0.05~1.0質量%の範囲で含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
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