JP2024051622A - 切削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークセットのスライド板に沿うスムーズなスライドを可能とすること。【解決手段】チャックテーブル10と、該チャックテーブル10を回転させる回転機構12と、ワークセットWSのウェーハWを切削ブレード24a,24bに切削水を供給して切削する切削機構20と、チャックテーブル10を切削ブレード24a,24bの切削送り方向に移動させる切削送り機構30と、カセット41を載置するカセットステージ40と、ワークセットWSをスライド板73,83上でスライドさせて搬送する搬送機構50と、リングフレームFの下面の水滴を除去する乾燥制御部90を備える切削装置1において、切削水を供給して切削ブレード24a,24bでウェーハWを切削した後に、回転機構12によってチャックテーブル10を回転させてリングフレームFの下面の水滴を除去し、水滴が除去されたリングフレームFの下面をスライド板73,83で支持する。【選択図】図5
Description
本発明は、チャックテーブルに保持されたウェーハを切削ブレードで切削する切削装置に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、円板状の半導体ウェーハ(以下、単に「ウェーハ」と称する)の表面が格子状に配列されたストリートと称される分割予定ラインによって多数の矩形領域に区画され、各矩形領域にICやLSIなどの各種デバイスがそれぞれ形成される。そして、このように多数のデバイスが形成されたウェーハを分割予定ラインに沿って切削することによって、複数の半導体チップが製造される。
ところで、切削装置には、ウェーハとリングフレームとにダイシングテープが貼着されて両者が一体化したワークセットをチャックテーブルに搬送し、該ワークセットをチャックテーブルによって保持し、該ワークセットのウェーハを切削ブレードで切削するものがある。そして、ウェーハが切削されたワークセットを洗浄ユニットで洗浄し、洗浄後のワークセットをカセットに収容するようにしている。
このような切削装置においては、特許文献1に開示されているように、ウェーハが切削されたワークセットのリングフレームを搬送機構の一対のスライド板で持ち上げてチャックテーブルから上方向に離間させている。そして、ワークセットをスライド板の延在方向に沿って水平方向に移動させて洗浄ユニットへと搬送し、洗浄ユニットにおいてワークセットを洗浄した後、洗浄したワークセットをスライド板によって再び持ち上げ、このワークセットをスライド板に沿って水平方向に移動させてカセットに収納するようにしている。
しかしながら、ワークセットをスライド板に沿って水平方向に移動させる際、リングフレームの下面に水滴が付着していると、水滴の表面張力によってワークセットがスライドしにくいという問題がある。また、リングフレームの下面に付着した水滴に切削屑が含まれている場合には、リングフレームの下面やスライド板の上面が切削屑によって傷つき、この傷のためにリングフレームのスライド板に沿うスライドが困難になるという問題も発生する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ワークセットのスライド板に沿うスムーズなスライドを可能とする切削装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、リングフレームに貼着したダイシングテープを介して該リングフレームがウェーハを支持するワークセットのウェーハを切削ブレードで切削する切削装置であって、ワークセットを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを回転させる回転機構と、該チャックテーブルに保持されたワークセットのウェーハを切削ブレードに切削水を供給して切削する切削機構と、該チャックテーブルを該切削ブレードの切削送り方向に移動させる切削送り機構と、ワークセットを収容するカセットを載置するカセットステージと、該カセットと該チャックテーブルとの間においてワークセットをスライド板上でスライドさせて搬送する搬送機構と、該リングフレームの下面の水滴を除去する乾燥制御部と、を備え、切削水を供給して該切削ブレードでウェーハを切削した後に、該乾燥制御部は、該回転機構によって該チャックテーブルを回転させて、該リングフレームの下面の水滴を除去し、該搬送機構は、該乾燥制御部によって水滴が除去された該リングフレームの下面を該スライド板で支持することを特徴とする。
本発明によれば、スライド板がワークセットを支持する前に該ワークセットのリングフレームの下面に付着した水滴がワークセットの回転による遠心力によって径方向外方に吹き飛ばされて除去されるため、ワークセットのスライド板に沿うスムーズなスライドが可能となる。また、水滴に含まれている切削屑も水滴と共にリングフレームの下面から除去されるため、リングフレームの下面とスライド板の上面が切削屑によって傷つくことがなく、このことによってもワークセットのスライド板に沿うスムーズなスライドが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[切削装置の構成]
まず、本発明に係る切削装置の構成を図1及び図2に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明においては、図1に示す矢印方向をそれぞれX軸方向(左右方向)、Y軸方向(前後方向)、Z軸方向(上下方向)とする。
まず、本発明に係る切削装置の構成を図1及び図2に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明においては、図1に示す矢印方向をそれぞれX軸方向(左右方向)、Y軸方向(前後方向)、Z軸方向(上下方向)とする。
図1に示す切削装置1は、被加工物である円板状のウェーハを切削加工するものであって、単結晶のシリコン母材で構成されたウェーハWは、その表面(図1においては、上面)が格子状に配列されたストリートと称される互いに直交する複数の不図示の分割予定ラインによって多数の矩形領域に区画されており、各矩形領域にはICやLSIなどの各種デバイスがそれぞれ形成されている。そして、ウェーハWとリングフレームFとは、これらに貼着されたダイシングテープTによってワークセットWSとして一体化されている。なお、図5に示すように、リングフレームFの外周の相対向する2箇所には、互いに平行な平坦面Fa,Fbがそれぞれ形成されており、長さの長い一方の一対の平坦面Faの幅は、図示の幅bに設定されている。
本実施形態に係る切削装置1は、所謂デュアルダイサーと称されるものであって、次の構成要素を備えている。すなわち、切削装置1は、ワークセットWSを保持するチャックテーブル10と、該チャックテーブル10を回転させる回転機構12と、該チャックテーブル10に保持されたワークセットWSのウェーハWを分割予定ラインに沿って切削する切削機構20と、チャックテーブル10を切削送り方向(X軸方向)に移動させる切削送り機構30と、ワークセットWSを収容するカセット41を載置するカセットステージ40と、ワークセットWSを把持して該ワークセットWSをY軸方向(前後方向)に沿って搬送する搬送機構50と、切削加工後のウェーハWを洗浄するスピンナ洗浄機構60と、カセット41から取り出されたワークセットWSを仮置きするための第1仮置き機構70及び切削加工後のワークセットWSを仮置きする第2仮置き機構80と、ワークセットWSのリングフレームFの下面に付着した水滴を除去する乾燥制御部90を主要な構成要素として備えている。
以下、切削装置1の主要な構成要素を構成するチャックテーブル10、回転機構12、切削機構20、切削送り機構30、カセットステージ40、搬送機構50、スピンナ洗浄機構60、第1及び第2仮置き機構70,80、乾燥制御部90の構成をそれぞれ順次説明する。
(チャックテーブル)
チャックテーブル10は、円板状の部材であって、その中央部には、多孔質のセラミックなどで構成された円板状のポーラス部材11が組み込まれている。そして、このポーラス部材11は、その上面が円板状のウェーハWを吸引保持する保持面11aを構成している。そして、ポーラス部材11が真空ポンプなどの不図示の吸引源に選択的に接続されることによって、該ポーラス部材11に負圧が発生し、この負圧によってワークセットWSがポーラス部材11の保持面11aに吸引保持される。
チャックテーブル10は、円板状の部材であって、その中央部には、多孔質のセラミックなどで構成された円板状のポーラス部材11が組み込まれている。そして、このポーラス部材11は、その上面が円板状のウェーハWを吸引保持する保持面11aを構成している。そして、ポーラス部材11が真空ポンプなどの不図示の吸引源に選択的に接続されることによって、該ポーラス部材11に負圧が発生し、この負圧によってワークセットWSがポーラス部材11の保持面11aに吸引保持される。
(回転機構)
回転機構12は、チャックテーブル10を垂直な中心軸回りに回転させる機構であって、回転駆動源である不図示の電動モータなどを備えている。
回転機構12は、チャックテーブル10を垂直な中心軸回りに回転させる機構であって、回転駆動源である不図示の電動モータなどを備えている。
(切削機構)
デュアルダイサーである本実施形態に係る切削装置1は、切削機構20として、基台2上の左側(-X軸側)においてにY軸方向に沿って並設された第1切削ユニットAと第2切削ユニット21Bを備えている。これらの第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bは、チャックテーブル10を挟んでこれの前後両側(-Y軸側と+Y軸側)に相対向するようにそれぞれ配設されており、これらの第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bには、不図示の撮像ユニットがそれぞれ取り付けられている。ここで、各撮像ユニットは、チャックテーブル10の保持面11a上に保持されたウェーハWを撮像して分割予定ラインの位置を検出するものである。
デュアルダイサーである本実施形態に係る切削装置1は、切削機構20として、基台2上の左側(-X軸側)においてにY軸方向に沿って並設された第1切削ユニットAと第2切削ユニット21Bを備えている。これらの第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bは、チャックテーブル10を挟んでこれの前後両側(-Y軸側と+Y軸側)に相対向するようにそれぞれ配設されており、これらの第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bには、不図示の撮像ユニットがそれぞれ取り付けられている。ここで、各撮像ユニットは、チャックテーブル10の保持面11a上に保持されたウェーハWを撮像して分割予定ラインの位置を検出するものである。
また、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bは、図5に示すように、Y軸方向に沿って配置された回転可能なスピンドル22a,22bと、各スピンドル22a,22bをそれぞれ回転駆動するスピンドルモータ23a,23bを備えており、各スピンドル22a,22bのY軸方向に対向する先端には、円板状の切削ブレード24a,24bがそれぞれ取り付けられている。
そして、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bは、前後一対のZ軸方向移動機構25によってZ軸方向(切り出し送り方向)に上下移動がそれぞれ可能であるとともに、前後一対の不図示のY軸方向移動機構によってY軸方向(割り出し送り方向)の前後移動がそれぞれ可能である。
ここで、各Z軸方向移動機構25は、基台2上の-X軸方向端部に垂直に立設された門型コラム3にそれぞれ配置された公知のボールネジ機構によって構成されており、各ボールネジ機構は、駆動源であるZ軸パルスモータ26と、該Z軸パルスモータ26によって回転駆動される不図示のZ軸ボールネジなどを備えている。したがって、各Z軸方向移動機構25のZ軸パルスモータ26が駆動されて不図示のZ軸ボールネジが正逆転すると、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21B及び不図示の各撮像ユニットもZ軸方向(切り出し送り方向)に沿ってそれぞれ上下移動する。
以上のように、図1に示す切削装置1においては、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSがX軸方向(左右方向)に沿って移動可能であり、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21B及び不図示の各撮像ユニットがY軸方向(前後方向)とZ軸方向(上下方向)に沿ってそれぞれ移動可能である。
(切削送り機構)
切削送り機構30は、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSを切削送り方向(X軸方向)に移動させる機構であって、図2に示すように、X軸方向に沿って互いに平行に配置された一対のガイドレール31と、これらのガイドレール31の間にX軸方向に沿って配設されたX軸リニアレール32と、ガイドレール31に沿ってX軸方向に移動可能な矩形プレート状のスライダ33と、該スライダ33の下面に固設されたX軸コイル可動子34とで構成されている。なお、スライダ33の上面には、チャックテーブル10が回転可能に支持されている。
切削送り機構30は、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSを切削送り方向(X軸方向)に移動させる機構であって、図2に示すように、X軸方向に沿って互いに平行に配置された一対のガイドレール31と、これらのガイドレール31の間にX軸方向に沿って配設されたX軸リニアレール32と、ガイドレール31に沿ってX軸方向に移動可能な矩形プレート状のスライダ33と、該スライダ33の下面に固設されたX軸コイル可動子34とで構成されている。なお、スライダ33の上面には、チャックテーブル10が回転可能に支持されている。
ここで、X軸リニアレール32は、円柱状の複数の永久磁石のN極とS極とを交互に接合して軸状に構成されており、その長手方向両端部が軸受35によって基台2上に支持されている。このようにX軸リニアレール32とX軸コイル可動子34によって構成される切削送り機構30は、リニアシャフトモータを構成しており、X軸コイル可動子34に通電すると、磁力による吸引力と反発力が繰り返されて所要の推力が発生する。このため、X軸コイル可動子34に通電することによって、スライダ33をチャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSと共にX軸方向に沿って切削送り方向に移動させることができ、X軸コイル可動子34に印加する電流の方向を変えることによって、スライダ33とこれに支持されたチャックテーブル10のX軸方向に沿う移動方向を変えることができる。なお、切削送り機構30をボールネジ機構によって構成してもよい。
(カセットステージ)
カセットステージ40は、基台2上の+Y軸方向端部(後端部)に配置されており、不図示の昇降機構によってZ軸方向(上下方向)に昇降可能であって、その上には、複数のワークセットWSが収容されたカセット41が載置されている。
カセットステージ40は、基台2上の+Y軸方向端部(後端部)に配置されており、不図示の昇降機構によってZ軸方向(上下方向)に昇降可能であって、その上には、複数のワークセットWSが収容されたカセット41が載置されている。
(搬送機構)
搬送機構50は、カセット41に収容されているワークセットWSを取り出して第1仮置き機構70に仮置きするとともに、切削加工が終了して第2仮置き機構80に仮置きされたワークセットWSをスピンナ洗浄機構60へと搬送するものである。この搬送機構50は、門型コラム3の上部中央部に配置されたY軸方向移動機構51と、このY軸方向移動機構51から延びる連結アーム52と、該連結アーム52の先端に水平に取り付けられた搬送パッド53を備えている。
搬送機構50は、カセット41に収容されているワークセットWSを取り出して第1仮置き機構70に仮置きするとともに、切削加工が終了して第2仮置き機構80に仮置きされたワークセットWSをスピンナ洗浄機構60へと搬送するものである。この搬送機構50は、門型コラム3の上部中央部に配置されたY軸方向移動機構51と、このY軸方向移動機構51から延びる連結アーム52と、該連結アーム52の先端に水平に取り付けられた搬送パッド53を備えている。
上記Y軸方向移動機構51は、不図示のベルト機構によって構成されており、連結アーム52とその先端に取り付けられた搬送パッド53をY軸方向に沿って移動させる機能を果たす。ここで、搬送パッド53の下面には、ワークセットWSのリングフレームFの端部を把持する不図示の把持部が設けられている。
(スピンナ洗浄機構)
スピンナ洗浄機構60は、切削加工が終了したウェーハWを洗浄するためのものであって、ワークセットWSを吸引保持しながら垂直な軸中心回りに所定の速度で回転するスピンナテーブル61と、該スピンナテーブル61上に吸引保持されたワークセットWSに向かって上方から洗浄液を噴射する不図示の噴射ノズルを備えている。
スピンナ洗浄機構60は、切削加工が終了したウェーハWを洗浄するためのものであって、ワークセットWSを吸引保持しながら垂直な軸中心回りに所定の速度で回転するスピンナテーブル61と、該スピンナテーブル61上に吸引保持されたワークセットWSに向かって上方から洗浄液を噴射する不図示の噴射ノズルを備えている。
(第1及び第2仮置き機構)
第1仮置き機構70は、搬送機構50によってカセット41から取り出されたワークセットWSを仮置きするためのものであって、図3に詳細に示すように、縦断面逆L字状のアングル材によって平面視コの字状の枠体71を備えており、この枠体71には、不図示の固定部材に垂直に取り付けられたエアシリンダ72から垂直下方に延びるピストンロッド72aの下端が取り付けられている。したがって、エアシリンダ72を駆動してピストンロッド72aを上下動させることによって、枠体71をZ軸方向(上下方向)に昇降させることができる。
第1仮置き機構70は、搬送機構50によってカセット41から取り出されたワークセットWSを仮置きするためのものであって、図3に詳細に示すように、縦断面逆L字状のアングル材によって平面視コの字状の枠体71を備えており、この枠体71には、不図示の固定部材に垂直に取り付けられたエアシリンダ72から垂直下方に延びるピストンロッド72aの下端が取り付けられている。したがって、エアシリンダ72を駆動してピストンロッド72aを上下動させることによって、枠体71をZ軸方向(上下方向)に昇降させることができる。
そして、枠体71の左右(-X軸側と+X軸側)の側壁71aの内側には、Y軸方向(前後方向)に沿って配置された細長い矩形状のスライド板73が開閉可能にそれぞれ配置されている。ここで、各スライド板73は、駆動源であるロータリアクチュエータ74(図1及び図3~図5には、一方のみ図示)によって開閉され、図3に示す水平な閉状態と、図4に示す矢印方向に回動した垂直な開状態を維持することができる。なお、図5に示すように、枠体71の左右の側壁71aの内幅Bは、ワークセットWSのリングフレームFの平坦面Faの幅bよりも若干大きく設定されており(B>b)、左右一対のスライド板73が図3に示すように閉じている状態においては、ワークセットWS(リングフレームF)は、左右のスライド板73上に載置された状態で該スライド板74の上面に沿ってY軸方向にスライドすることができる。
また、第2仮置き機構80は、切削加工が終了したワークセットWSを第1仮置き機構70から受け取ってスピンナ洗浄機構60の上方へとスライドさせて仮置きし、この仮置きしたワークセットWSをスピンナ洗浄機構60のスピンナテーブル61へと受け渡すものであって、その構成は、第1仮置き機構70のそれと同じである。すなわち、第2仮置き機構80は、平面視コの字状の枠体81を備えており、この枠体81には、不図示の固定部材に垂直に取り付けられたエアシリンダ82から垂直下方に延びるピストンロッド82aの下端が取り付けられている。
また、枠体81の左右(-X軸側と+X軸側)の側壁81aの内側には、Y軸方向(前後方向)に沿って配置された細長い矩形状のスライド板83が開閉可能にそれぞれ配置されている。ここで、各スライド板83は、駆動源であるロータリアクチュエータ84によって開閉され、図3に示す水平な閉状態と、図4に示す垂直な開状態を維持することができる。なお、ロータリアクチュエータ74,84は、エアまたは電力で回動する。
(乾燥制御部)
乾燥制御部90は、切削機構20によって切削水を用いてウェーハWを切削した後に回転機構12によってチャックテーブル10をワークセットWSと共に回転させることによって、ワークセットWSのリングフレームFの下面に付着した水滴を遠心力によって径方向外方へと吹き飛ばして除去する機能を果たすものであって、その作用の詳細については後述する。
乾燥制御部90は、切削機構20によって切削水を用いてウェーハWを切削した後に回転機構12によってチャックテーブル10をワークセットWSと共に回転させることによって、ワークセットWSのリングフレームFの下面に付着した水滴を遠心力によって径方向外方へと吹き飛ばして除去する機能を果たすものであって、その作用の詳細については後述する。
[切削装置の作用]
次に、以上のように構成された切削装置1の作用について説明する。
次に、以上のように構成された切削装置1の作用について説明する。
ウェーハWの切削加工に際しては、カセット41に収容されているワークセットWSが搬送機構50によって取り出されて第1仮置き機構70に仮置きされる。すなわち、Y軸方向移動機構51によって搬送パッド53がカセット41に向けて+Y軸方向に移動してカセット41内のワークセットWSを把持した後、該搬送パッド53が-Y軸方向に移動し、図3に示すように、把持したワークセットWSのリングフレームFを第1仮置き機構70の閉じ状態(水平状態)にある左右一対のスライド板73上に載置する。そして、搬送パッド53は、ワークセットWSを把持したまま、-Y軸方向へと移動してワークセットWSのリングフレームFを左右のスライド板73上でスライドさせながら、図3に示すように、該ワークセットWSをその下方に待機するチャックテーブル10の上方位置へと移動させる。なお、チャックテーブル10は、図1に示す切削送り機構30によって+X軸方向へと移動して図3に示す位置(第1仮置き機構70の下方位置)において待機している。
図3に示すように、ワークセットWSがチャックテーブル10の上方へと移動すると、図4に示すように、エアシリンダ72が起動されてピストンロッド72aが下降し、このピストンロッド72aに取り付けられた枠体71もワークセットWSと共に下降する。すると、ロータリアクチュエータ74が駆動されて枠体71の左右一対のスライド板73が図3に示す閉状態(水平状態)から矢印方向に90°回動して図4に示す開き状態(垂直状態)となるため、第1仮置き機構70に仮置きされていたワークセットWSがチャックテーブル10へと受け渡される。
上述のように、ワークセットWSがチャックテーブル10へと受け渡されると、チャックテーブル10のポーラス部材11が不図示の吸引源に接続される。すると、ポーラス部材11に負圧が発生し、この負圧に引かれてワークセットWSがチャックテーブル10の保持面11a上に吸引保持される。このように、ワークセットWSがチャックテーブル10の保持面11a上に吸引保持されると、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSが図1に示す切削送り機構30によって切削機構20に向かって-X軸方向へと移動してウェーハWが切削機構20による切削加工に供される。
すなわち、図1に示す切削機構20においては、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bの各撮像ユニットによるウェーハWの表面の撮像によって画像が得られると、その画像に基づくパターンマッチング処理によって切削すべき分割予定ラインが検出される。このようにウェーハWの分割予定ラインが検出されると、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bの各切削ブレード24a,24b(図5参照)のY軸方向の位置が前後一対の不図示の各Y軸方向移動機構によってそれぞれ割り出され、これらの切削ブレード24a,24bのY軸方向の位置が切削すべき分割予定ラインの位置に合わせられる。
そして、上記状態から第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bの各切削ブレード24a,24bがそれぞれ高速で回転駆動されながら、前後一対の各Z軸方向移動機構25によって所定の切込量分だけそれぞれ下降するとともに、切削送り機構30によってチャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSがX軸方向に移動する。すると、ウェーハWは、第1切削ユニット21Aと第2切削ユニット21Bの各切削ブレード24a,24bによって分割予定ラインに沿って切削される。なお、ウェーハWの切削加工においては、各切削ブレード24a,24bによるウェーハWの加工領域には、不図示の切削水供給源から切削水がそれぞれ供給される。
上述のような作業が一方向の全ての分割予定ラインに対して行われると、回転機構12によってチャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSが90°だけ回転され、ウェーハWに対して、切削が終了した分割予定ラインと直交する他方向の分割予定ラインに沿う切削が同様になされる。
以上のようにしてウェーハWに対する切削加工が終了すると、切削送り機構30によってチャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSが図5に示すように第1仮置き機構70に向かって図示矢印方向に移動するが、その過程において、乾燥制御部90は、回転機構12によってチャックテーブル10を回転させ、該チャックテーブル10に保持されているワークセットWSのリングフレームFの下面に付着している水滴を遠心力によって径方向外方に吹き飛ばして除去する。具体的には、本実施形態では、チャックテーブル10を所定の角度範囲(本実施形態では、90°以内)において回転方向を交互に反転させながら、つまり、回転方向を図5の矢印c方向(反時計方向)と矢印d方向(時計方向)に交互に往復反転させながら第1仮置き機構70に向けて移動させる。すると、切削加工中にワークセットWSのリングフレームFの下面に付着した切削水の水滴が遠心力によって径方向に吹き飛ばされてリングフレームFの下面から確実に除去される。
ところで、リングフレームFの下面に付着した水滴を一層効果的に除去するため、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSを往復方向に回転させながら第1仮置き機構70に向かって移動させる際、或る一定の移動距離だけチャックテーブル10とワークセットWSが進んだ時点で、その移動距離の一部(例えば、1/3)だけこれらのチャックテーブル10とワークセットWSを後退させる前進と後退動作を繰り返すようにしてもよい。このようにすることによって、チャックテーブル10とワークセットWSが第1仮置き機構70に到達する時間が長くなり、その分だけチャックテーブル10とワークセットWSの往復方向の回転回数が増えるため、リングフレームFの下面に付着している水滴が一層効果的に除去される。なお、チャックテーブル10とワークセットWSを往復方向に回転させることなく、これらを一方向に連続的に回転させるようにしてもよい。
上述のようにしてリングフレームFの下面から水滴が除去されたワークセットWSが第1仮置き機構70へと移動すると、図6に示すように、第1仮置き機構70の一対のスライド板73がロータリアクチュエータ74によって閉じ、水平状態になった一対のスライド板73上にワークセットWSが載置される。すると、図7に示すように、搬送機構50の搬送パッド53の不図示の把持部がワークセットWSのリングフレームFの一端を把持し、該ワークセットWSを第2仮置き機構80に向けてスライドさせ、第2仮置き機構80の一対のスライド板83へと受け渡す。この場合、ワークセットWSのリングフレームFの下面に付着していた水滴は、ワークセットWSが第1仮置き機構70へと移動する過程で前述のように除去されているため、リングフレームFが第1仮置き機構70の一対のスライド板73と第2仮置き機構80の一対のスライド板83の上を抵抗なくスムーズにスライドすることができ、水滴に含まれていた切削屑によってフレームFの下面とスライド板73,83の上面が傷つくこともない。
そして、第2仮置き機構80の一対のスライド板83に沿ってスライドするワークセットWSがその下方に位置するスピンナ洗浄機構60のスピンナテーブル61の上方位置へと移動すると、ロータリアクチュエータ84によって一対のスライド板83が開いて垂直状態となり、ワークセットWSが第2仮置き機構80からスピンナ洗浄機構60のスピンナテーブル61へと受け渡される。
上述のように、ワークセットWSがスピンナテーブル61へと受け渡されると、該ワークセットWSがスピンナテーブル61上に吸引保持され、スピンナテーブル61が不図示の回転機構によって軸心回りに所定の速度で回転駆動されることによって、該スピンナテーブル61に吸引保持されたワークセットWSもスピンナテーブル61と共に回転する。そして、このように回転するワークセットWSに不図示の洗浄ノズルから洗浄液が噴射されることによって、ウェーハWが洗浄液によって洗浄され、その後、洗浄が完了したワークセットWSは、搬送機構50によって第2仮置き機構80へと受け渡され、前記とは逆に第2仮置き機構80の一対のスライド板83と第1仮置き機構70の一対のスライド板73に沿ってカセット41へと搬送され、カセット41内に収納されることによって、ウェーハWに対する一連の切削加工が終了する。
以上の説明で明らかなように、本実施形態に係る切削装置1によれば、切削機構20による切削加工が終了したウェーハWを備えるワークセットWSが第1仮置き機構70へと移動する過程で、チャックテーブル10とこれに保持されたワークセットWSが往復方向に交互に回転するため、切削加工中にワークセットWSのリングフレームFの下面に付着した切削水の水滴が遠心力によって径方向外方に吹き飛ばされて除去される。このため、ワークセットWSの第1仮置き機構70のスライド板73と第2仮置き機構80のスライド板83に沿うスムーズなスライドが可能となるとともに、水滴に含まれていた切削屑によるリングフレームFの下面とスライド板73,83の上面の傷つきが防がれるという効果が得られる。
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1:切削装置、2:基台、3:門型コラム、10:チャックテーブル、
11:ポーラス部材、11a:保持面、12:回転機構、20:切削機構、
21A:第1切削ユニット、21B:第2切削ユニット、
22a,22b:スピンドル、23a,23b:スピンドルモータ、
24a,24b:切削ブレード、25:Z軸方向移動機構、26:Z軸パルスモータ、 30:切削送り機構、31:ガイドレール、32:X軸リニアレール、
33:スライダ、34:Xコイル可動子、35:軸受、40:カセットステージ、
41:カセット、50:搬送機構、51:Y軸方向移動機構、52:連結アーム、
53:搬送パッド、60:スピンナ洗浄機構、61:スピンナテーブル、
70:第1仮置き機構、71:枠体、71a:側壁、72:エアシリンダ、
72a:ピストンロッド、73:スライド板、74:ロータリアクチュエータ、
80:第2仮置き機構、81:枠体、81a:側壁、82:エアシリンダ、
82a:ピストンロッド、84:ロータリアクチュエータ、90:乾燥制御部、
B:枠体の側壁内面の幅、b:リングフレームの平坦面の幅、F:リングフレーム、
Fa,Fb:リングフレームの平坦面、T:ダイシングテープ、
W:ウェーハ、WS:ワークセット
11:ポーラス部材、11a:保持面、12:回転機構、20:切削機構、
21A:第1切削ユニット、21B:第2切削ユニット、
22a,22b:スピンドル、23a,23b:スピンドルモータ、
24a,24b:切削ブレード、25:Z軸方向移動機構、26:Z軸パルスモータ、 30:切削送り機構、31:ガイドレール、32:X軸リニアレール、
33:スライダ、34:Xコイル可動子、35:軸受、40:カセットステージ、
41:カセット、50:搬送機構、51:Y軸方向移動機構、52:連結アーム、
53:搬送パッド、60:スピンナ洗浄機構、61:スピンナテーブル、
70:第1仮置き機構、71:枠体、71a:側壁、72:エアシリンダ、
72a:ピストンロッド、73:スライド板、74:ロータリアクチュエータ、
80:第2仮置き機構、81:枠体、81a:側壁、82:エアシリンダ、
82a:ピストンロッド、84:ロータリアクチュエータ、90:乾燥制御部、
B:枠体の側壁内面の幅、b:リングフレームの平坦面の幅、F:リングフレーム、
Fa,Fb:リングフレームの平坦面、T:ダイシングテープ、
W:ウェーハ、WS:ワークセット
Claims (3)
- リングフレームに貼着したダイシングテープを介して該リングフレームがウェーハを支持するワークセットのウェーハを切削ブレードで切削する切削装置であって、
ワークセットを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを回転させる回転機構と、該チャックテーブルに保持されたワークセットのウェーハを切削ブレードに切削水を供給して切削する切削機構と、該チャックテーブルを該切削ブレードの切削送り方向に移動させる切削送り機構と、ワークセットを収容するカセットを載置するカセットステージと、該カセットと該チャックテーブルとの間においてワークセットをスライド板上でスライドさせて搬送する搬送機構と、該リングフレームの下面の水滴を除去する乾燥制御部と、を備え、
切削水を供給して該切削ブレードでウェーハを切削した後に、
該乾燥制御部は、該回転機構によって該チャックテーブルを回転させて、該リングフレームの下面の水滴を除去し、
該搬送機構は、該乾燥制御部によって水滴が除去された該リングフレームの下面を該スライド板で支持する、切削装置。 - 該乾燥制御部は、該回転機構によって、該チャックテーブルを所定の角度範囲において往復方向に回転させる、請求項1記載の切削装置。
- 該乾燥制御部は、該切削送り機構によって該チャックテーブルを切削送り方向に移動させつつ、該チャックテーブルを回転させる、請求項1または2記載の切削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022157891A JP2024051622A (ja) | 2022-09-30 | 2022-09-30 | 切削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022157891A JP2024051622A (ja) | 2022-09-30 | 2022-09-30 | 切削装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024051622A true JP2024051622A (ja) | 2024-04-11 |
Family
ID=90622662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022157891A Pending JP2024051622A (ja) | 2022-09-30 | 2022-09-30 | 切削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024051622A (ja) |
-
2022
- 2022-09-30 JP JP2022157891A patent/JP2024051622A/ja active Pending
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