JP2024050298A - 工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法 - Google Patents

工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な作業を省略可能な操作性のよい工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法を提供する。【解決手段】棒材Wの軸心方向に移動可能な主軸25と、棒材Wを支持するガイドブッシュ26と、ガイドブッシュ26に支持された棒材Wの先端部分を加工する第1工具T1が取り付けられた第1刃物台27と、棒材Wの先端側に向かって棒材Wを付勢可能な送り矢44と、主軸25の動作および第1刃物台27の動作を制御する第1制御装置20と、送り矢44の動作を制御する第2制御装置40とを備え、第1制御装置20は、主軸25が棒材Wを把持している状態で第1刃物台27に棒材Wの先端を加工させ、主軸25を後退させて棒材Wをガイドブッシュ26から引き抜き、第2制御装置40に送り矢44の付勢を解除させ、主軸25による棒材Wの把持を解除させる棒材退避モードを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、主軸と送り矢とを備えた工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法に関する。
従来、工作機械システムには、主軸や刃物台が設けられた加工装置と、加工装置に長尺状の棒材を供給する給材機とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。加工装置の主軸は、把持解除可能に棒材を把持して回転する。主軸は、棒材を把持した状態および把持解除した状態の何れの状態においても棒材の軸心方向に移動可能に構成されている。加工装置には第1制御装置が組み込まれている。第1制御装置は、工作機械システムのオペレータなどが作成した加工プログラム(NCプログラム)や加工装置に設けられた操作パネルを用いた入力操作に従って加工工具が取り付けられた刃物台や主軸などの動作を制御する。第1制御装置が加工プログラムに従って刃物台や主軸の動作を制御することで、棒材の先端部分が所望の形状に加工され、加工された加工済み部分が切り離される。多くの場合、加工工具による加工が開始されてから加工済み部分が切り離されるまで棒材は主軸によって把持されている。加工装置は、加工済み部分が切り離されたら棒材の掴みかえを行う。掴みかえでは、主軸による把持を解除して主軸が棒材の後端側に移動した後、主軸が棒材を再度把持する。加工工具による加工と棒材の掴みかえを複数サイクル繰り返すことで、サイクル数に応じた複数の製品が1本の棒材から製造される。なお、主軸の移動可能距離を超えた長さの製品を製造する場合、1サイクルの中に掴みかえ動作が含まれていることがある。
給材機は、加工装置と並んで加工装置よりも棒材の後端側に設置される。給材機は、送り矢と、送り矢を棒材の軸心方向に移動させる送り矢駆動機構と、送り矢駆動機構の動作を制御する第2制御装置とを備えている。送り矢は、先端にフィンガーチャックを備えている。そのフィンガーチャックが棒材の後端部分を掴むことで、送り矢は棒材と連結される。そして、送り矢駆動機構によって送り矢が棒材の先端側に向かって送り出されることで給材機に投入された棒材が加工装置に供給される。送り矢は、加工装置が加工を行っているときには所定の荷重で棒材の後端側から棒材の先端側に向かって棒材を付勢している。この荷重は、主軸が棒材を把持しているときに棒材と主軸の間に滑りが生じない比較的弱い荷重に設定されている。
特開2005-313267号公報
従来の工作機械システムでは、第1制御装置が刃物台や主軸などの加工装置の動作を制御し、第2制御装置が送り矢などの給材機の動作を制御していた。このため、例えば工作機械システムの電源投入時の立ち上げや工作機械システムのシャットダウンに際して、オペレータが加工装置と給材機の間を行き来して第1制御装置と第2制御装置それぞれに対して所定の手順で指示や操作をするといった煩雑な作業が必要になるという問題があった。また、その作業においてオペレータが作業手順を間違えてしまう虞もあった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、煩雑な作業を省略可能な操作性のよい工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の工作機械システムは、
把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
前記主軸よりも前記棒材の先端側に配置され該棒材を支持するガイドブッシュと、
前記ガイドブッシュに支持された前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
前記第1制御装置は、前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記刃物台に該棒材の先端を加工させ、前記主軸を後退させて該棒材を前記ガイドブッシュから引き抜き、前記第2制御装置に前記送り矢の付勢を解除させ、該主軸による該棒材の把持を解除させる棒材退避モードを有することを特徴とする。
この工作機械システムによれば、前記棒材退避モードにおいて前記送り矢の動作を含む一連の動作が前記第1制御装置による制御で実行されるので、該第1制御装置と前記第2制御装置それぞれに対して所定の手順で指示や操作をする必要がなくなる。
ここで、前記第1制御装置は、前記棒材退避モードにおいて、前記送り矢が前記棒材の先端側に向かって該棒材を付勢している状態で前記刃物台に該棒材の先端を加工させるものであってもよい。
この工作機械システムにおいて、
前記第1制御装置に対して指示を入力する入力部を備え、
前記棒材退避モードは、前記入力部から前記指示が入力されることによって起動するモードであってもよい。
前記指示を入力することで簡単に前記棒材退避モードを起動することができる。
上記課題を解決する本発明の工作機械システムは、
把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
前記第1制御装置は、前記第2制御装置に前記送り矢を動作させて前記棒材の先端部分が前記主軸を貫通して該主軸よりも先端側に突出する位置に該棒材を移動させ、該主軸に該棒材を把持させ、該第2制御装置に該送り矢を動作させて該棒材を先端側に向かって付勢させ、前記刃物台に該棒材の先端を切り落とさせる棒材供給モードを有するものであることを特徴とする。
この工作機械システムによれば、前記棒材供給モードにおいて前記送り矢の動作を含む一連の動作が前記第1制御装置による制御で実行されるので、該第1制御装置と前記第2制御装置それぞれに対して所定の手順で指示や操作をする必要がなくなる。
さらに、この工作機械システムにおいて、
前記第1制御装置に対して指示を入力する入力部を備え、
前記棒材供給モードは、前記入力部から前記指示が入力されることによって起動するモードであってもよい。
前記指示を入力することで簡単に前記棒材供給モードを起動することができる。
上記課題を解決する本発明の工作機械システムの制御方法は、
棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、該棒材を支持するガイドブッシュと、該ガイドブッシュに支持された該棒材の先端部分を加工する加工工具と、該棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢とを備えた工作機械システムの制御方法であって、
前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記加工工具が該棒材の先端を加工する先端加工工程と、
前記先端加工工程に引き続いて実行され、前記主軸を後退させて前記棒材を前記ガイドブッシュから引き抜く棒材引抜工程と、
前記棒材引抜工程に引き続いて実行され、前記送り矢の付勢を解除する付勢解除工程と、
前記付勢解除工程に引き続いて実行され、前記主軸による前記棒材の把持を解除する把持解除工程とを有することを特徴とする。
この工作機械システムの制御方法によれば、先端加工工程、棒材引抜工程、付勢解除工程および把持解除工程が一連に実行されるので、各工程に対して指示や操作をするといった煩雑な作業を省略できる。
ここで、前記先端加工工程は、前記送り矢が該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢している状態で前記加工工具が該棒材の先端を加工する工程であってもよい。
上記課題を解決する本発明の工作機械システムの制御方法は、
棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、該棒材の先端部分を加工する加工工具と、該棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢とを備えた工作機械システムの制御方法であって、
前記送り矢を動作させて前記棒材の先端部分が前記主軸を貫通して該主軸よりも先端側に突出する位置まで該棒材を送り出す棒材送出工程と、
前記棒材送出工程に引き続いて実行され、前記主軸に前記棒材を把持させる把持工程と、
前記把持工程に引き続いて実行され、前記送り矢を動作させて前記棒材を先端側に向かって付勢する付勢工程と、
前記付勢工程に引き続いて実行され、前記加工工具が前記棒材の先端を切り落とす先端切落工程とを有することを特徴とする。
この工作機械システムの制御方法によれば、棒材送出工程、把持工程、付勢工程および先端切落工程が一連に実行されるので、各工程に対して指示や操作をするといった煩雑な作業を省略できる。
また、上記課題を解決する本発明の工作機械システムは、
把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
前記主軸よりも前記棒材の先端側に配置され該棒材を支持するガイドブッシュと、
前記ガイドブッシュに支持された前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
前記第1制御装置は、
前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記刃物台に該棒材の先端を加工させ、前記主軸を後退させて該棒材を前記ガイドブッシュから引き抜き、前記第2制御装置に前記送り矢の付勢を解除させ、該主軸による該棒材の把持を解除させて、該主軸の位置および該送り矢の位置を記憶部に保存する棒材退避モードと、
前記記憶部に保存された前記主軸の位置に該主軸を移動させるとともに前記第2制御装置に前記送り矢を動作させて該記憶部に保存された該送り矢の位置に該送り矢を移動させ、該主軸に該棒材を把持させ、該第2制御装置に該送り矢を動作させて該棒材を先端側に向かって付勢させ、前記刃物台に該棒材の先端を切り落とさせる棒材供給モードとを有するものであることを特徴とする。
この工作機械システムによれば、前記棒材退避モードおよび前記棒材供給モードそれぞにおいて前記送り矢の動作を含む一連の動作が前記第1制御装置による制御で実行されるので該第1制御装置と前記第2制御装置それぞれに対して所定の手順で指示や操作をする必要がなくなる。その上、前記送り矢を原点に移動させるための時間と動力および前記棒材先端が前記主軸よりも先端側になる位置まで該送り矢を原点から移動させる時間と動力を削減できるといった効果も奏する。
本発明によれば、煩雑な作業を省略可能な操作性のよい工作機械システムおよび工作機械システムの制御方法を提供することができる。
本実施形態にかかる旋盤システムの正面図である。 図1に示した旋盤システムの内部構成を簡易的に示す平面図である。 図1に示した旋盤システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示した旋盤システムの棒材退避モードの動作を示すフローチャートである。 図1に示した旋盤システムの棒材供給モードの動作を示すフローチャートである。 図4に示した棒材退避モードの変形例の動作を示すフローチャートである。 図5に示した棒材供給モードの変形例の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、本発明をNC旋盤と給材機とを備えた旋盤システムに適用した例を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる旋盤システムの正面図である。
図1に示すように、本実施形態の旋盤システム1は、加工装置であるNC旋盤2と、材料供給装置である給材機4とを備えている。この旋盤システム1が、工作機械システムの一例に相当する。本実施形態のNC旋盤2は、いわゆるスイス型旋盤である。NC旋盤2は、切削室22と、主軸室23と、旋盤操作パネル24とを備えている。切削室22は、棒材W(図2参照)の先端部分を加工する空間が形成された部屋であり、正面側から見てNC旋盤2の右側に配置されている。主軸室23は、主軸25(図2参照)が配置された部屋であり、正面側から見てNC旋盤2の左側に配置されている。
旋盤操作パネル24は、旋盤操作部241と旋盤表示画面242とを有している。旋盤操作部241は、旋盤システム1のオペレータによる入力操作を受け付ける複数のボタンやキー等からなる。この旋盤操作部241が、入力部の一例に相当する。なお、旋盤操作部241は、旋盤表示画面242と一体化されたタッチパネルであってもよい。旋盤システム1のオペレータは、旋盤操作部241や外部コンピューターを用いて作成した加工プログラムを後述する記憶部203(図3参照)に記憶させることができる。また、旋盤システム1のオペレータは、旋盤操作部241を用いて加工プログラムの修正を行い、修正した加工プログラムを記憶部203に記憶させることもできる。さらに、旋盤システム1のオペレータは、旋盤操作部241を用いて旋盤システム1の各構成要素を個別または連携して動作させることもできる。旋盤表示画面242は、記憶部203に記憶された加工プログラム、旋盤システム1の各種設定値およびエラー内容などの旋盤システム1に関する各種情報を表示するディスプレイである。
給材機4は、NC旋盤2に長尺な棒材W(図2参照)を供給する。給材機4は、NC旋盤2と並んで設置される。給材機4には、複数の棒材Wが格納されている。給材機4は、格納された棒材Wのうちの1本をNC旋盤2に向かって送り出す。また、給材機4は、加工によって短くなった棒材Wである残材をNC旋盤2から引き抜いて排出する。残材を排出した後、給材機4は、格納された棒材Wからあらたに1本をNC旋盤2に向かって送り出す。給材機4には、給材機4を操作するための入力装置である給材機操作パネル42が設けられている。
図2は、図1に示した旋盤システムの内部構成を簡易的に示す平面図である。
図2に示すように、NC旋盤2は、主軸25と、ガイドブッシュ26と、第1刃物台27と、背面主軸28と、第2刃物台29とを備えている。主軸25、ガイドブッシュ26、第1刃物台27、背面主軸28および第2刃物台29は、土台である脚の上に配置されている。主軸25、第1刃物台27、背面主軸28および第2刃物台29は、加工プログラムや旋盤操作パネル24(図1参照)からの入力に従って動作する。
主軸25は、Z1軸方向に移動可能である。なお、主軸25は、主軸台によって主軸台とともにZ1軸方向に移動するが、主軸台は図示省略し説明も省略する。Z1軸方向は、水平方向であり、図2においては左右方向である。このZ1軸方向は、棒材Wの軸心方向に相当する。主軸25は、その内部を貫通している棒材Wを把持解除可能に把持するためのコレットチャック251を先端部分に有している。このコレットチャック251が、把持部の一例に相当する。主軸25は、棒材Wを把持して主軸中心線CLを中心として回転可能である。主軸中心線CLの方向はZ1軸方向と一致している。以下、主軸25が棒材Wの先端側に移動することを前進と称し、主軸25が棒材Wの後端側に移動することを後退と称することがある。
ガイドブッシュ26は、土台である脚に固定されている。ガイドブッシュ26の、主軸25が配置された側とは反対側の端面は、切削室22(図1参照)内に露出している。ガイドブッシュ26は、主軸25の内部を貫通した棒材Wの先端側部分をZ1軸方向へ摺動自在に支持する。このガイドブッシュ26の、棒材Wを支持している部分は、主軸25と同期して主軸中心線CLを中心にして回転可能である。ガイドブッシュ26から切削室22内に突出した棒材Wの先端部分が第1刃物台27に取り付けられた第1工具T1によって加工される。この第1工具T1が、加工工具の一例に相当する。ガイドブッシュ26により、加工時の棒材Wの撓みが抑制されるので、特に細長い棒材WをNC旋盤2によって高精度に加工できる。
第1刃物台27は、Z1軸方向と直交しかつ水平方向を向いたX1軸方向と、垂直方向を向いたY1軸方向に移動可能である。この第1刃物台27が、刃物台の一例に相当する。図2では、上下方向がX1軸方向であり、紙面に直交する方向がY1軸方向である。第1刃物台27には、切削加工用工具、突切加工用工具などを含む複数種類の第1工具T1がY1軸方向に並んで櫛歯状に取り付けられている。また、第1工具T1として、エンドミルやドリルなどの回転工具を第1刃物台27に取り付けることもできる。第1刃物台27がY1軸方向に移動することで、これらの複数種類の第1工具T1から任意の第1工具T1が選択される。そして、第1刃物台27がX1軸方向に移動することで、選択されている第1工具T1が主軸25に把持されガイドブッシュ26に支持された棒材Wの先端部分に切り込んで加工したり、棒材Wの加工済み部分を切り離したりする。
背面主軸28は、X2軸方向およびZ2軸方向に移動可能である。なお、背面主軸28は、背面主軸台によって背面主軸台とともにX2軸方向およびZ2軸方向に移動するが、背面主軸台は図示省略し説明も省略する。X2軸方向は上述したX1軸方向と同一の方向であり、Z2軸方向は上述したZ1軸方向と同一の方向である。また、Z2軸方向は、背面主軸28の軸線方向に相当する。図2には、背面主軸28が、ガイドブッシュ26を挟んで主軸25に対向した位置にある様子が示されている。この位置では背面主軸28の回転中心である背面主軸中心線は、主軸中心線CLと同一線上に配置されている。背面主軸中心線の方向はZ2軸方向と一致している。背面主軸28には、主軸25を用いた加工が完了した棒材Wの加工済み部分が、突切加工用の第1工具T1によって切り離されて受け渡される。以下、切り離された加工済み部分を切断済み部分と称する。背面主軸28は、主軸25から受け渡された切断済み部分を把持解除可能に把持する。また、背面主軸28は、X2軸方向およびZ2軸方向に移動することで把持した切断済み部分を移送する。
第2刃物台29は、Y2軸方向へ移動可能である。なお、第2刃物台29は、X2軸方向に移動可能に構成されていてもよい。Y2軸方向は上述したY1軸方向と同一の方向である。第2刃物台29には、切断済み部分を加工するドリルやエンドミル等の第2工具T2が取り付けられている。なお、第2工具T2は、Y2軸方向に並んで第2刃物台29に複数取り付けられている。第2刃物台29のY2軸方向への移動によって、これらの複数の第2工具T2から任意の第2工具T2が選択される。そして、背面主軸28がX2軸方向やZ2軸方向に移動することで、背面主軸28に把持された切断済み部分の切断端側が加工される。この切断端側の加工が完了した切断済み部分が旋盤システム1によって製造された製品になる。なお、背面主軸28を用いた加工を行わない場合もある。その場合、切断済み部分がそのまま製品になる。第2刃物台29には、製品を受け入れる製品受入口291と不図示のシューターとが設けられている。シューターは、第2刃物台29内に設けられている。背面主軸28は、製品を製品受入口291に挿入した後、把持を解除して背面主軸28に設けられたシリンダーによって押し出すことでシューターに製品を投下する。投下された製品は、不図示のコンベアによって所定位置まで移送されて旋盤システム1の外部に設けられた製品貯留部に排出される。
切削室22(図1参照)の下端には、主軸25や背面主軸28を用いた加工によって生じた切り屑や不良品を受け入れる切り屑受入部221が設けられている。主軸25を用いた加工が完了した棒材Wの加工済み部分は、主軸25に対向した位置で主軸25と同期回転した背面主軸28と主軸25とがそれぞれ棒材Wを把持した状態で突切加工用の第1工具T1が加工済み部分を切り離すことで背面主軸28に受け渡される。一方、背面主軸28が加工済み部分を把持していない状態で加工済み部分を切り離した場合、その加工済み部分は、落下することで切り屑受入部221に排出される。
給材機4は、上述した給材機操作パネル42(図1参照)の他に、送り矢44と、送り矢駆動機構45と、送り矢モータ46と、先端センサ47と、原点センサ48とを有している。送り矢44は、不図示のガイドによってZ1軸方向に移動自在に案内されている。送り矢44の先端には、棒材Wの後端を把持するフィンガーチャック441が設けられている。このフィンガーチャック441は、送り矢44の他の部分に対して回転自在に取り付けられることで、主軸中心線CLを回転中心軸として回転自在になっている。フィンガーチャック441が棒材Wの後端を把持することで、送り矢44は棒材Wに連結される。すなわち、フィンガーチャック441が棒材Wを把持している間、送り矢44は棒材ととともにZ1軸方向に移動する。
送り矢駆動機構45は、給材機4の先端側と後端側それぞれに設けられた不図示のプーリと、そのプーリに掛け渡された駆動ベルトによって構成されている。駆動ベルトには、連結部451が固定されている。この連結部451によって駆動ベルトと送り矢44の後端部分とが連結されている。給材機4の後端側に設けられたプーリは、送り矢モータ46の出力軸に固定されている。
送り矢モータ46の出力軸が一方向に回転すると、送り矢駆動機構45と連結部451によって送り矢44はZ1軸に沿ってNC旋盤2に向かって移動する。反対に、送り矢モータ46の出力軸が他方向に回転すると、送り矢駆動機構45と連結部451によって送り矢44はZ1軸に沿ってNC旋盤2から離間する方向に移動する。給材機4内に格納された複数の棒材Wのうち軸心が主軸中心線CLと一致した位置にある棒材Wがフィンガーチャック441によって把持される。そして、送り矢44が移動することで、フィンガーチャック441に把持された棒材Wは、棒材Wの軸心方向に移動する。すなわち、送り矢モータ46の出力軸が一方向に回転すると、棒材Wはその先端側に移動し、送り矢モータ46の出力軸が他方向に回転すると、棒材Wはその後端側に移動する。送り矢モータ46は、送り矢エンコーダ461を有している。なお、送り矢エンコーダ461は、送り矢モータ46とは別に設置されていてもよい。送り矢エンコーダ461によって、送り矢モータ46の回転数や回転量が検出される。送り矢エンコーダ461の検出結果は、第2制御装置40(図3参照)に送信される。
先端センサ47は、棒材Wの先端を検出する。また、原点センサ48は、送り矢44が原点に位置しているか否かを検出する。送り矢44の原点は、送り矢44の移動範囲のうち最も後端側に位置している。これらの先端センサ47と原点センサ48の検出結果は、それぞれ第2制御装置40(図3参照)に送信される。第2制御装置40は、先端センサ47の検出結果と送り矢エンコーダ461の検出結果によって、加工前における棒材Wの先端位置がどの位置にあるかを把握する。これら送り矢エンコーダ461及び先端センサ47が、棒材先端位置検出手段の一例に相当する。また、第2制御装置40は、原点センサ48の検出結果と送り矢エンコーダ461の検出結果によって、送り矢44の位置を把握する。これら送り矢エンコーダ461及び原点センサ48が、送り矢位置検出手段の一例に相当する。
図3は、図1に示した旋盤システムのハードウェア構成を示すブロック図である。なお、この図3では、旋盤システム1のハードウェア構成のうち本発明との関連性の低いものは、これまで説明した構成要素を動作させるものであっても図示省略している。
図3に示すように、NC旋盤2は、第1制御装置20と、上述した旋盤操作パネル24と、Z1軸モータ252と、主軸モータ253と、主軸アクチュエータ254とを有している。第1制御装置20は、いわゆるNC(Numerical Control)装置であり、CPU201と、PLC(Programmable Logic Controller)202と、記憶部203とを有している。第1制御装置20は、CPU201による演算機能を有するコンピュータである。第1制御装置20は、記憶部203に記憶されている加工プログラムや旋盤操作パネル24からの入力に従って図2に示した主軸25、第1刃物台27、背面主軸28および第2刃物台29等の各構成要素の動作を制御する。また、記憶部203には、オペレータが作成した加工プログラム以外にラダープログラムやマクロプログラムなどの各種プログラムもあらかじめ記憶されている。図3には、各構成要素を駆動するモータやアクチュエータのうちの一部が示されている。第1制御装置20は、主にNC旋盤2に設けられたサーボモータに対して数値制御を行う。また、第1制御装置20が有しているPLC202は、主にNC旋盤2に設けられたシリンダーやバルブ等のサーボモータ以外の機器の動作をシーケンス制御する。記憶部203は、ROM、HDDおよびSSD等の不揮発性メモリとRAM等の揮発性メモリとから構成されている。
Z1軸モータ252は、第1制御装置20からの指令を受けて回転するサーボモータである。Z1軸モータ252が回転することで主軸25(図2参照)はZ1軸方向に移動する。なお、第1制御装置20とZ1軸モータ252の間には不図示のアンプが設けられており、第1制御装置20がアンプに指令を送信することでZ1軸モータ252が制御されている。以下、アンプについては説明を省略する。Z1軸モータ252は、Z1軸エンコーダ2521を有している。Z1軸エンコーダ2521の出力が第1制御装置20にフィードバックされることで、第1制御装置20は、主軸25(図2参照)のZ1軸における位置を常時把握している。このZ1軸エンコーダ2521が、主軸位置検出手段の一例に相当する。
主軸25(図2参照)には、ビルトインモーター等の主軸モータ253が設けられている。主軸モータ253は、第1制御装置20から指令を受けて回転する。主軸モータ253が回転することで、主軸25および主軸25に把持された棒材W(図2参照)は、主軸中心線CL(図2参照)を中心にして回転する。なお、主軸25と同様に、背面主軸28にも背面主軸モータが設けられているが説明は省略する。主軸アクチュエータ254は、コレットチャック251(図2参照)を動作させるための油圧シリンダー等のアクチュエータである。主軸アクチュエータ254によって不図示のチャックスリーブが先端側に移動することで、コレットチャック251が閉じて棒材Wが主軸25によって把持される。また、チャックスリーブが後端方に移動することで、コレットチャック251が開いて主軸25による棒材Wの把持が解除される。
給材機4は、上述した給材機操作パネル42、送り矢モータ46、先端センサ47および原点センサ48の他に第2制御装置40を有している。第2制御装置40は、給材機4の各構成要素についてシーケンス制御を行う制御装置である。第2制御装置40は、各センサや送り矢エンコーダ461等から受信した情報に基づいて送り矢モータ46や給材機4に設けられた不図示のアクチュエータの動作を制御する。また、第2制御装置40は、第1制御装置20からの動作要求に応じて給材機4の動作を制御する。
送り矢モータ46は、第2制御装置40からの指令を受けて回転するサーボモータである。送り矢モータ46が回転することで送り矢44(図2参照)はZ1軸方向に移動する。上述したように、第2制御装置40は、送り矢44の原点からの移動距離を原点センサ48の検出結果と送り矢エンコーダ461の検出結果によって把握することで、送り矢44のZ1軸方向における位置を常時把握し、給材機4に関する情報として第1制御装置20に送信している。また、第2制御装置40は、新しく供給する棒材Wの先端や電源投入後最初にNC旋盤2に送り出した棒材Wの先端のZ1軸方向における位置を第1制御装置20に送信する。NC旋盤2が加工を開始した後、残材の引き抜き開始までは、第2制御装置40によって送り矢モータ46は基本的に一定のトルクで一方向に回転しようとするように制御される。これにより、棒材Wは、設定された荷重で棒材Wの先端側に向かって送り矢44によって付勢される。この荷重は、主軸25が棒材Wを把持しているときに棒材Wと主軸25との間に滑りが生じる虞が無い比較的弱い荷重に設定される。
給材機操作パネル42は、操作部と表示画面とが一体になったタッチパネルである。なお、給材機4には、給材機操作パネル42の他に非常停止ボタンや送り矢モータ46のトルク設定スイッチ等が設けられている。旋盤システム1のオペレータは、給材機操作パネル42を用いて、送り矢44(図2参照)をZ1軸方向に手動操作で移動させたり、給材機4の各種設定値を入力することができる。また、給材機操作パネル42には、給材機4の各種設定値およびエラー内容などの給材機4に関する各種情報並びに給材機4の操作ボタンが表示される。
第1制御装置20と第2制御装置40とは信号ケーブルで接続されている。第1制御装置20は、信号ケーブルを介して第2制御装置40に動作要求などを送信する。また、第2制御装置40は、信号ケーブルを介して第1制御装置20に送り矢44の位置情報を含む給材機4に関する各種情報を随時送信する。
図4は、図1に示した旋盤システムの棒材退避モードの動作を示すフローチャートである。図4に示す棒材退避モードの動作は、主に図3に示した第1制御装置20が旋盤システム1の動作を制御することによって実行される動作である。詳細には、第1制御装置20が、記憶部203に記憶されたプログラムに基づいてこの動作に関連する演算や判定を実行し、NC旋盤2の各構成要素の動作を制御し、また第2制御装置40に動作要求を送信する。
棒材退避モードは、旋盤操作部241から第1制御装置20に棒材退避モードの開始を指示する入力が行われることで起動するモードである。具体的には、棒材退避モードは、旋盤操作部241において、棒材退避モードの開始スイッチが押されるか棒材退避モードを指示するコマンドが入力されることで起動する。棒材退避モードは、1日の加工が終了し旋盤システム1を片づける時や段取り作業時にガイドブッシュ26から棒材Wを引き抜く必要がある場合に用いられるモードである。この棒材退避モードが実行されるのは製品の加工が完了した後である。このため、通常は棒材退避モードの開始時点で送り矢44が棒材Wを先端側に向かって付勢している状態で主軸25が棒材Wを把持している。また、棒材Wの先端は、ガイドブッシュ26よりも先端側に突出しているため切削室22内にある。なお、棒材退避モードの開始時に主軸25が棒材Wを把持していない場合には、後述するステップS12の前までに主軸25に棒材Wを把持させる制御を行う。その後、送り矢44が棒材Wを付勢していない場合には、ステップS12の前までに送り矢44に棒材Wを付勢させる。
棒材退避モードでは、まず、第1制御装置20は、記憶部203に記憶されている棒材Wの径情報と棒材退避モードにおける棒材W先端の加工寸法情報を取得して加工指令を生成する(ステップS11)。この加工指令は、棒材Wの先端のバリ取りを行うための加工を行う指令であり、例えば棒材W先端の面取り加工である。加工寸法情報は、旋盤操作部241から書き換え可能であり、書き換えることでR面取り加工や面取り加工(C面取り加工)の切換えや面取り寸法などを変更することができる。なお、棒材Wの径情報は、加工プログラム内の記述から抽出されて記憶部203させている場合もあるが、オペレータが加工プログラムとは別に指定したものを記憶部203に記憶させている場合もある。その後、ステップS11で生成した加工指令に基づいて棒材W先端の加工を実行させる(ステップS12)。このステップS12が、先端加工工程の一例に相当する。
続いて、主軸25を後退させて棒材Wをガイドブッシュ26から引き抜く(ステップS13)。また、主軸25を最も後退した位置である主軸原点までそのまま後退させる。このステップS13が、棒材引抜工程の一例に相当する。なお、棒材Wを引き抜く際にはガイドブッシュ26を傷つけることがないように主軸25の移動速度を低速にし、棒材Wをガイドブッシュ26から引きぬいた後は主軸25を主軸原点まで高速で後退させている。
次いで、第1制御装置20は、第2制御装置40に送り矢モータ46のトルクを停止させることで送り矢44による棒材W先端側への付勢を解除させる(ステップS14)。その後、第1制御装置20は、主軸25に棒材Wの把持を解除させる(ステップS15)。このステップS15が、把持解除工程の一例に相当する。最後に、第1制御装置20は、第2制御装置40に送り矢44を後退させて、把持している棒材Wとともに送り矢44を原点まで移動させる(ステップS16)。移動が完了したら、棒材退避モードを終了する。
図5は、図1に示した旋盤システムの棒材供給モードの動作を示すフローチャートである。図5に示す棒材供給モードの動作は、棒材退避モードの動作と同様に主に図3に示した第1制御装置20が旋盤システム1の動作を制御することによって実行される動作である。詳細には、第1制御装置20が、記憶部203に記憶されたプログラムに基づいてこの動作に関連する演算や判定を実行し、NC旋盤2の各構成要素の動作を制御し、また第2制御装置40に動作要求を送信する。
棒材供給モードは、旋盤操作部241から第1制御装置20に棒材供給モードの開始を指示する入力が行われることで起動するモードである。具体的には、棒材供給モードは、旋盤操作部241において、棒材供給モードの開始スイッチが押されるか棒材供給モードを指示するコマンドが入力されることで起動する。棒材供給モードは、旋盤システム1の電源を投入した後、旋盤システム1が加工を開始できるようにするために用いられるモードである。この棒材供給モードが実行されるときには、多くの場合、主軸25のコレットチャック251が開いた把持解除状態で、送り矢44は原点に位置して棒材Wの先端は主軸25よりも後端側に位置している。
棒材供給モードでは、まず、第1制御装置20は、主軸25のコレットチャック251が閉じていたらコレットチャック251を開いて主軸25を把持解除状態にする(ステップS31)。また、第1制御装置20は、第2制御装置40に棒材Wの先端部分が主軸25を貫通して主軸25よりも先端側に突出する位置まで送り矢44を移動させる(ステップS32)。このステップS32が、棒材送出工程の一例に相当する。なお、第2制御装置40は、電源投入後における先端センサ47の棒材W先端検出とその後の送り矢エンコーダ461の回転量によって棒材Wの先端位置を把握している。そして、ステップS32では、第2制御装置40は、第1制御装置20からの動作要求に従って、先端センサ47が棒材Wの先端を検出してから所定距離だけ送り矢44を前進させる。これにより、棒材Wの先端が主軸25とガイドブッシュ26の間に位置する。また、第2制御装置40は、その所定距離だけ送り矢44が移動させたら送り矢モータ46を停止させて第1制御装置20に棒材Wが所定位置に達した旨を送信する。
ステップS32の送り矢44の移動が完了したら、第1制御装置20は、主軸25に棒材Wを把持させる(ステップS33)。このステップS33が、把持工程の一例に相当する。続いて、第1制御装置20は、第2制御装置40に動作要求を行い送り矢モータ46にトルクを発生させる。これにより、送り矢44が先端側に向かって棒材Wを付勢する(ステップS34)。このステップS34が、付勢工程の一例に相当する。
次いで、送り矢44の位置情報を使用して、棒材Wの先端を切断する突切加工指令を生成し(ステップS35)、棒材Wの先端を切断可能な位置まで主軸25を前進させ(ステップS36)、第1刃物台27に取り付けられた工具で棒材Wの先端を切断させる(ステップS37)。このステップS37が、先端切落工程の一例に相当する。なお、ステップS37よりも前に、第1刃物台27を制御して突切加工用の第1工具T1の選択に実行しておいてもよい。棒材W先端の切断が完了したら、棒材供給モードを終了する。
以上説明した旋盤システム1によれば、棒材退避モードを起動することで、棒材Wの先端加工と送り矢44の付勢解除を含む一連の動作が第1制御装置20によって実行されるので、旋盤システム1のシャットダウン時などに従来必要であった第1制御装置20と第2制御装置40それぞれに対して所定の手順で指示や操作をする必要がなくなる。このように、NC旋盤2と給材機4を行き来して指示や操作をする煩雑な作業が省略できるので、旋盤システム1の操作性が高まる。さらに、オペレータが操作手順を間違えてしまうことも防止できる。また、旋盤操作部241からの入力で棒材退避モードが起動するので、簡単な作業で棒材退避モードにおける一連の動作を実行できる。さらに、棒材Wの先端を加工してから棒材Wをガイドブッシュ26から引き抜いているので、棒材W先端のバリによってガイドブッシュ26が傷ついてしまうことも防止できる。
また、以上説明した旋盤システム1によれば、棒材供給モードを起動することで、送り矢44の移動や付勢を含む一連の動作が第1制御装置20によって実行されるので、旋盤システム1の立ち上げ時などに従来必要であった第1制御装置20と第2制御装置40それぞれに対して所定の手順で指示や操作をする必要がなくなる。このように、NC旋盤2と給材機4を行き来して指示や操作をする煩雑な作業が省略できるので、旋盤システム1の操作性が高まる。さらに、オペレータが操作手順を間違えてしまうことも防止できる。また、旋盤操作部241からの入力で棒材供給モードが起動するので、簡単な作業で棒材供給モードにおける一連の動作を実行できる。
以上説明した旋盤システム1の制御方法によれば、棒材退避モードを起動することで、先端加工工程、棒材引抜工程、付勢解除工程および把持解除工程が一連に実行されるので、各工程に対してオペレータが指示や操作をするといった煩雑な作業を省略できる。さらに、棒材W先端のバリによってガイドブッシュ26が傷ついてしまうことも防止できる。また、棒材供給モードを起動することで、棒材送出工程、把持工程、付勢工程および先端切落工程がが一連に実行されるので、各工程に対してオペレータが指示や操作をするといった煩雑な作業を省略できる。
続いて、本実施形態の変形例について説明する。以下の説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ構成要素、制御および動作には、これまで用いた符号と同じ符号を付して重複する説明は省略することがある。
図6は、図4に示した棒材退避モードの変形例の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、この変形例の棒材退避モードでは、第2制御装置40に送り矢44を原点まで後退させるステップS16の代わりに、その時点における送り矢44の位置と主軸25の位置を記憶部203を構成する不揮発性メモリに記憶する(ステップS161)。この変形例の棒材退避モードでは、先の実施形態の棒材退避モードの効果に加え、送り矢44を原点に移動させる時間と動力を削減できるといった効果も奏する。
図7は、図5に示した棒材供給モードの変形例の動作を示すフローチャートである。
この変形例の棒材供給モードは、図6に示した変形例の棒材退避モードを実行した後に、旋盤システム1が加工を開始できるようにするために使用するモードである。換言すれば、図6に示した変形例の棒材退避モードとセットで利用する棒材供給モードである。
図7に示すように、この変形例の棒材供給モードでは、まず図6に示した変形例の棒材退避モードのステップS161で記憶した送り矢44の位置と主軸25の位置を取得する(ステップS310)。そして、棒材Wの先端部分が主軸25よりも先端側に突出する位置まで送り矢44を移動させるステップS32の代わりに、ステップS310で取得した位置まで、送り矢44と主軸25を移動させる(ステップS321)。なお、ステップS36の前に、主軸25の移動可能範囲の情報とその時点における主軸25の位置の情報とから、その位置から主軸25が前進可能な距離を演算し、その前進可能距離とステップS35で生成した加工指令における主軸25の前進距離とを比較して後者の方が長ければ旋盤システム1をアラーム停止させてもよい。
この変形例の棒材供給モードでも、先の実施形態の棒材供給モードと同様の効果を奏する。また、ステップ321において、送り矢44を原点まで移動させることなくステップS161で記憶した位置に送り矢44を直接移動させている。これにより、図5に示したステップS32の送り矢44の移動と比較して、ステップS321では送り矢44の移動距離が短くなり、送り矢44を移動させる時間と動力を削減できる。
本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形を行うことができる。例えば、NC旋盤2の背面主軸28および第2刃物台29は省略してもよい。また、第1制御装置20は、棒材退避モードや棒材供給モードにおける各ステップの間や各ステップと並行して他の処理や制御を実行してもよい。
以上説明した各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、他の変形例に適用してもよい。
1 旋盤システム(工作機械システム)
20 第1制御装置
25 主軸
26 ガイドブッシュ
27 第1刃物台(刃物台)
40 第2制御装置
44 送り矢
T1 第1工具(加工工具)
W 棒材

Claims (7)

  1. 把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
    前記主軸よりも前記棒材の先端側に配置され該棒材を支持するガイドブッシュと、
    前記ガイドブッシュに支持された前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
    前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
    前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
    前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
    前記第1制御装置は、前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記刃物台に該棒材の先端を加工させ、前記主軸を後退させて該棒材を前記ガイドブッシュから引き抜き、前記第2制御装置に前記送り矢の付勢を解除させ、該主軸による該棒材の把持を解除させる棒材退避モードを有することを特徴とする工作機械システム。
  2. 前記第1制御装置に対して指示を入力する入力部を備え、
    前記棒材退避モードは、前記入力部から前記指示が入力されることによって起動するモードであることを特徴とする請求項1記載の工作機械システム。
  3. 把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
    前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
    前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
    前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
    前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
    前記第1制御装置は、前記第2制御装置に前記送り矢を動作させて前記棒材の先端部分が前記主軸を貫通して該主軸よりも先端側に突出する位置に該棒材を移動させ、該主軸に該棒材を把持させ、該第2制御装置に該送り矢を動作させて該棒材を先端側に向かって付勢させ、前記刃物台に該棒材の先端を切り落とさせる棒材供給モードを有するものであることを特徴とする工作機械システム。
  4. 前記第1制御装置に対して指示を入力する入力部を備え、
    前記棒材供給モードは、前記入力部から前記指示が入力されることによって起動するモードであることを特徴とする請求項3記載の工作機械システム。
  5. 棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、該棒材を支持するガイドブッシュと、該ガイドブッシュに支持された該棒材の先端部分を加工する加工工具と、該棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢とを備えた工作機械システムの制御方法であって、
    前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記加工工具が該棒材の先端を加工する先端加工工程と、
    前記先端加工工程に引き続いて実行され、前記主軸を後退させて前記棒材を前記ガイドブッシュから引き抜く棒材引抜工程と、
    前記棒材引抜工程に引き続いて実行され、前記送り矢の付勢を解除する付勢解除工程と、
    前記付勢解除工程に引き続いて実行され、前記主軸による前記棒材の把持を解除する把持解除工程とを有することを特徴とする工作機械システムの制御方法。
  6. 棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、該棒材の先端部分を加工する加工工具と、該棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢とを備えた工作機械システムの制御方法であって、
    前記送り矢を動作させて前記棒材の先端部分が前記主軸を貫通して該主軸よりも先端側に突出する位置まで該棒材を送り出す棒材送出工程と、
    前記棒材送出工程に引き続いて実行され、前記主軸に前記棒材を把持させる把持工程と、
    前記把持工程に引き続いて実行され、前記送り矢を動作させて前記棒材を先端側に向かって付勢する付勢工程と、
    前記付勢工程に引き続いて実行され、前記加工工具が前記棒材の先端を切り落とす先端切落工程とを有することを特徴とする工作機械システムの制御方法。
  7. 把持解除可能に棒材を把持して該棒材の軸心方向に移動可能な主軸と、
    前記主軸よりも前記棒材の先端側に配置され該棒材を支持するガイドブッシュと、
    前記ガイドブッシュに支持された前記棒材の先端部分を加工する加工工具が取り付けられた刃物台と、
    前記棒材の後端側から該棒材の先端側に向かって該棒材を付勢可能な送り矢と、
    前記主軸の動作および前記刃物台の動作を制御する第1制御装置と、
    前記送り矢の動作を制御する第2制御装置とを備え、
    前記第1制御装置は、
    前記主軸が前記棒材を把持している状態で前記刃物台に該棒材の先端を加工させ、前記主軸を後退させて該棒材を前記ガイドブッシュから引き抜き、前記第2制御装置に前記送り矢の付勢を解除させ、該主軸による該棒材の把持を解除させて、該主軸の位置および該送り矢の位置を記憶部に保存する棒材退避モードと、
    前記記憶部に保存された前記主軸の位置に該主軸を移動させるとともに前記第2制御装置に前記送り矢を動作させて該記憶部に保存された該送り矢の位置に該送り矢を移動させ、該主軸に該棒材を把持させ、該第2制御装置に該送り矢を動作させて該棒材を先端側に向かって付勢させ、前記刃物台に該棒材の先端を切り落とさせる棒材供給モードとを有するものであることを特徴とする工作機械システム。
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