JP2024050033A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷の蓄積が可能で、かつ、一方向の抵抗値が他方向の抵抗値よりも低くなるような整流作用を有する電子部品を提供すること。【解決手段】第1内部電極層と、第2内部電極層と、第1内部電極層と第2内部電極層との間に積層してある誘電体層と、を含む素体を有する電子部品である。Ni酸化物粒子が、第1内部電極層と誘電体層との間の第1境界に存在する。また、誘電体層が、第1境界のNi酸化物粒子および第2内部電極層の両方と接する誘電体大粒子を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、誘電体層および内部電極層を有する電子部品に関する。
電子回路や電源回路などの回路には、セラミックコンデンサ、ダイオード、抵抗、トランジスタ、インダクタなどの様々な電子部品が組み込まれている。回路に含まれる各電子部品は、それぞれ特有の機能を有しているが、単一の電子部品が複数の要素の機能を兼ね備えることができれば、回路を構成する電子部品の種類を削減できる可能性がある。
たとえば、特許文献1が開示しているようなセラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とを積層した構造を有しており、電荷を蓄える機能や、直流電流を通さずに交流電流を通す機能などを有している。このセラミックコンデンサが、上記の機能のみならず、ダイオードのような整流作用を兼ね備えることができれば、回路を簡素化できる可能性がある。
特開2001-220224号公報
本開示における例示的な実施形態の目的は、電荷の蓄積が可能で、かつ、一方向の抵抗値が他方向の抵抗値よりも低くなるような整流作用を有する電子部品を提供することである。
上記の目的を達成するために、本開示の第1の観点に係る電子部品は、
第1内部電極層と、第2内部電極層と、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に積層してある誘電体層と、を含む素体を有し、
Ni酸化物粒子が、前記第1内部電極層と前記誘電体層との間の第1境界に存在し、
前記誘電体層が、前記第1境界の前記Ni酸化物粒子および前記第2内部電極層の両方と接する誘電体大粒子を含む。
誘電体層と内部電極層とを含む従来のセラミックコンデンサでは、特許文献1に示すように、高い抵抗値を有することが好ましいと考えられてきた。これに対して、第1の観点に係る電子部品は、上述した特徴を有することで、一方向の抵抗値を他方向の抵抗値よりも低くすることができる。つまり、第1の観点に係る電子部品は、コンデンサとして電荷の蓄積が可能であると共に、ダイオードのような整流作用を兼ね備えることができる。
好ましくは、前記Ni酸化物粒子が、前記第1内部電極層を介して隣接する2つの前記誘電体層の両方と接している。
前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
好ましくは、前記第1内部電極層は、前記素体の一断面において、平均2個以上の前記Ni酸化物粒子と接している。
前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
前記素体の断面で観測される前記Ni酸化物粒子の合計個数をNP0とし、
前記断面で観測される前記Ni酸化物粒子のうちの前記第1境界に存在する前記Ni酸化物粒子の個数をNP1として、
好ましくは、NP1/NP0が0.6以上である。
前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
前記素体の断面で観測される前記第1内部電極層および前記第2内部電極層の合計長さをLEとし、
前記合計長さLEの範囲において、前記第1内部電極層または前記第2内部電極層と接する前記Ni酸化物粒子の個数をNPLとして、
好ましくは、NPL/LEが0.002個/μm以上である。
前記第1内部電極層および前記第2内部電極層に含まれる金属結晶の平均粒径をdMとし、
前記Ni酸化物粒子の平均粒径をdPとして、
好ましくは、dP/dMが3以上である。
本開示の第2の観点に係る電子部品は、第1内部電極層と、第2内部電極層と、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に積層してある誘電体層と、を含む素体を有し、
p型半導体粒子が、前記第1内部電極層と前記誘電体層との間の第1境界に存在し、
前記誘電体層が、前記第1境界の前記p型半導体粒子および前記第2内部電極層の両方と接する誘電体大粒子を含む。
第2の観点に係る電子部品は、上記の特徴を有することで、一方向の抵抗値を他方向の抵抗値よりも低くすることができる。つまり、第2の観点に係る電子部品は、上述した第1の観点に係る電子部品と同様に、コンデンサとして電荷の蓄積が可能であると共に、ダイオードのような整流作用を兼ね備えることができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る電子部品の断面を示す模式図である。 図2は、図1に示す素体の断面を拡大した模式図である。 図3Aは、誘電体層と内部電極層との境界の一部を拡大した模式図である。 図3Bは、図3Aに示す構造に関係する回路を示す概念図である。 図4Aは、誘電体層と内部電極層との境界の一部を拡大した模式図である。 図4Bは、図4Aに示す構造に関係する等価回路を示す概念図である。 図5Aは、誘電体層と内部電極層との境界の一部を拡大した模式図である。 図5Bは、図5Aに示す構造に関係する回路を示す概念図である。 図6は、Ni酸化物粒子の変形例を示す模式図である。 図7は、AC/DCコンバータ回路の一例を示す回路図である。 図8Aは、図7に示すAC/DCコンバータ回路に入力する交流電圧波形の一例を示すグラフである。 図8Bは、図7に示すAC/DCコンバータ回路から出力される電圧波形の一例を示すグラフである。
以下、本開示の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の積層セラミック電子部品2は、図1に示すように、素体4と、当該素体4の外面に形成してある一対の外部電極6と、を有する。
図1に示す素体4の形状は、通常、略直方体状であって、素体4は、Y-Z平面に沿う2つの端面4a,4bと、2つの端面4a,4bを連結する4つの側面4cと、を有する。ただし、素体4の形状は、特に限定されず、楕円柱状、円柱状、その他角柱状等であってもよい。また、素体4の外形寸法も、特に制限されず、たとえば、X軸方向の長さL0を0.2mm~5.7mm、Y軸方向の幅W0を0.1mm~5.0mm、Z軸方向の高さT0を0.1mm~3.0mmとすることができる。なお、本実施形態において、X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直である。
積層セラミック電子部品2は、一対の外部電極6として、一方の端面4aと接する第1外部電極6aと、他方の端面4bと接する第2外部電極6bと、を有する。第1外部電極6aおよび第2外部電極6aは、X軸方向で互いに接触しないように、電気的に絶縁されている。各外部電極6は、導電性を有していればよく、各外部電極6の仕様(材質、構造、厚みなど)は特に限定されない。各外部電極6は、いずれも、焼付電極層や、樹脂電極層、メッキ電極層などを含んでいてもよく、単層構造を有していてもよいし、複数の電極層を含む積層構造を有していてもよい。たとえば、各外部電極6は、Cuを含む焼付電極層-Niメッキ層-Snメッキ層の三層構造(記載の順番に積層する)を有していてもよい。
素体4は、容量領域40と、容量領域40の外側に位置する外装領域41と、を有する。容量領域40は、X軸およびY軸を含む平面に実質的に平行な誘電体層10と内部電極層20とを有し、容量領域40の内部では、誘電体層10と内部電極層20とがZ軸に沿って交互に積層してある。ここで、「実質的に平行」とは、ほとんどの部分が平行であるが、多少平行でない部分を有していてもよいことを意味し、誘電体層10および内部電極層20は、いずれも、多少、凹凸があったり、傾いていたりしてもよい。
容量領域40の内部電極層20は、第1内部電極層21と第2内部電極層22に類別することができる。各第1内部電極層21の縁辺の一部は、一方の端面4aに露出しており、第1内部電極層21は、それぞれ、第1外部電極6aと電気的に接続している。各第2内部電極層22の縁辺の一部は、他方の端面4bに露出しており、第2内部電極層22は、それぞれ、第2外部電極6bと電気的に接続している。
容量領域40の各誘電体層10は、第1内部電極層21と第2内部電極層22との間に積層してある。換言すると、第1内部電極層21および第2内部電極層22は、誘電体層10を介して互いに絶縁されている。このように、容量領域40は、第1内部電極層21、誘電体層10、および、第2内部電極層22が、記載の順で繰り返し積層してある構造を有する。積層セラミック電子部品2に対して電圧を印加すると、第1外部電極6aおよび第2外部電極6bは、互いに異なる極性を有することとなり、容量領域40の各誘電体層10に対して電圧が印加可能となっている。つまり、各誘電体層10に電荷を蓄積することができ、積層セラミック電子部品2は、誘電体層10および内部電極層20の積層構造により、コンデンサとしての機能を有する。
本実施形態では、誘電体層10と第1内部電極層21との接合界面を第1境界31と称することとし、誘電体層10と第2内部電極層22との接合境界を第2境界32と称することとする。なお、本実施形態の説明において、第1内部電極層21と第2内部電極層22とを区別せずに、総称として「内部電極層20」を使用する場合、「内部電極層20」を使用する説明は、第1内部電極層21および第2内部電極層22に共通して関連していることを意味する。
外装領域41は、Z軸方向において、容量領域40の外側に積層してあり、容量領域40の上面および下面を覆っている。また、容量領域40のY軸方向の外側においても、外装領域41が存在していてもよい。つまり、Y軸と交差する容量領域40の側面が、内部電極層20を含まない外装領域41で覆われていてもよい。外装領域41の材質および厚みは、特に限定されない。たとえば、外装領域41は、誘電体層10と同様の組成を有する誘電体化合物を含んでいてもよく、当該誘電体化合物と共にガラス成分を含んでいてもよい。また、外装領域41は、原則として、内部電極層20を含まない領域であるが、静電容量に寄与しないダミー電極を含んでいてもよい。
誘電体層10は、主成分として誘電体化合物を含む。誘電体層10の主成分とは、誘電体層10において80モル%以上を占める成分を意味し、主成分である誘電体化合物の材質は、特に限定されない。たとえば、誘電体層10の主成分は、BaTiO3、Ba(Ti,Zr)O3、(Ba,Ca)TiO3、(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3、(Ca,Sr)TiO3、(Ca,Sr)ZrO3、(Ca,Sr)(Zr,Ti)O3、(K,Na)NbO3などのペロブスカイト構造の誘電体化合物、もしくは、Ba3ZrNb415、Ba3TiNb415、(K,Na)Sr2Nb515などのタングステンブロンズ構造の誘電体化合物から選択することができる。
また、誘電体層10は、主成分と共に、1種または2種以上の副成分を含んでいてもよい。誘電体層10に含まれる副成分の種類、および、副成分の含有率は、特に限定されない。たとえば、誘電体層10は、副成分として、Si化合物、Al化合物、Mn化合物、Mg化合物、Cr化合物、Ni化合物、希土類元素を含む化合物、Li化合物、B化合物、もしくは、V化合物などが含まれていてもよい。なお、誘電体層10の主成分や副成分は、波長分散型X線分光器(WDS)、エネルギー分散型X線分光器(EDS)、レーザアブレーションICP質量分析(LA-ICP-MS)などを用いた成分分析により特定することができる。
各誘電体層10の平均厚みTDLは、1.7μm以下であることが好ましく、0.17μm以上、0.86μm以下であることがより好ましい。また、容量領域40は、少なくとも1つの誘電体層10を含んでいればよく、容量領域40における誘電体層10の積層数は、特に限定されない。たとえば、容量領域40は、20層以上の誘電体層10を含むことが好ましく、50層以上の誘電体層10を含むことが好ましい。なお、誘電体層10の平均厚みTDLは、金属顕微鏡もしくは電子顕微鏡を用いた素体4の断面観察により、算出すればよい。たとえば、5層以上の誘電体層10を解析することが好ましく、解析対象とした各誘電体層10の厚みを、少なくとも30箇所で計測し、誘電体層10の平均厚みTDLを算出することが好ましい。
各誘電体層10は、複数の誘電体粒子11と、隣接する誘電体粒子11の間の界面である粒界17と、を含む。誘電体粒子11は、誘電体層10の主成分を含む結晶粒であり、走査型電子顕微鏡(SEM)や走査型透過電子顕微鏡(STEM)などの電子顕微鏡を用いて素体4の断面を観察することで、誘電体層10中の誘電体粒子11を解析することができる。誘電体粒子11には、誘電体層10の副成分が固溶していてもよく、誘電体粒子11が副成分の固溶によりコアシェル構造を有していてもよい。また、誘電体層10には、所定元素の濃度が誘電体粒子11よりも高い偏析相が含まれていてもよい。
誘電体粒子11の平均粒径dDPは、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。また、誘電体粒子11の平均粒径dDPに対する誘電体層10の平均厚みTDLの比(TDL/dDP)は、1.5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。なお、誘電体粒子11の平均粒径dDPは、誘電体粒子11の円相当径の算術平均値である。たとえば、誘電体層10の断面を観察して、5層以上の誘電体層10を解析することが好ましく、少なくとも50個の誘電体粒子11の円相当径を測定することで、平均粒径dDPを算出することが好ましい。
誘電体粒子11は、誘電体層10の厚み方向(Z軸方向)に沿う断面を解析した場合、大粒子13と小粒子15に類別することができる。つまり、本実施形態の説明において、「誘電体粒子11」は、大粒子13および小粒子12の総称であり、誘電体粒子11は、大粒子13および小粒子12を含む。
大粒子13は、第1境界31(誘電体層10と第1内部電極層21との接合境界)および第2境界32(誘電体層10と第2内部電極層22との接合境界)の両方と接する誘電体粒子11である。つまり、大粒子13は、当該大粒子13を含む誘電体層10の上面および下面の両方に表れている誘電体粒子11である。大粒子13のZ軸方向の長さは、当該大粒子13の存在箇所における誘電体層10の厚みと凡そ一致する。一方、小粒子15は、大粒子13以外の誘電体粒子11である。つまり、第1境界31または第2境界32のいずれか一方にのみ接する誘電体粒子11、および、第1境界31および第2境界32のいずれにも接していない誘電体粒子11が、小粒子15に該当する。
単位長さあたりの誘電体層10に含まれる大粒子13の平均個数は、0.05個/μm以上であることが好ましく、0.1個/μm以上であることがより好ましい。大粒子13の平均個数の上限は、特に限定されず、たとえば、3個/μm以下であってもよい。
上述した大粒子13の平均個数は、容量領域40の断面で観測される誘電体層10の合計長さをLDとし、合計長さLDの誘電体層10に含まれる大粒子13の個数をNDとして、ND/LDで表される。ND/LDを算出する際には、5層以上の誘電体層10を解析することが好ましく、誘電体層10の合計長さLDは30μm以上とすることが好ましい。また、解析視野の縁辺が誘電体層10と略平行となるように解析視野を設定することが好ましく、この場合、誘電体層10と略平行な解析視野の縁辺の長さを、当該解析視野における誘電体層10の長さとみなすことができる。たとえば、図2における各誘電体層10の長さは、それぞれ、解析視野のX軸方向の長さLXとみなしてよい。
各内部電極層20は、導電性を有しており、金属成分を含む。内部電極層20の組成は、特に限定されず、たとえば、内部電極層20は、金属成分として、Ni、Cu、Ag、Pd、Au、およびPtから選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。誘電体層10の主成分が耐還元性を有する場合、内部電極層20の金属成分は、純Ni、または、85wt%以上のNiを含むNi合金であることが好ましい。この場合、Ni合金には、Cu、Cr、Mnなどの副成分が含まれていてもよい。なお、内部電極層20の金属成分は、WDS、EDS、LA-ICP-MSなどを用いた成分分析により特定することができる。
内部電極層20は、共材として、誘電体層10の主成分と同様の組成を有する誘電体化合物の粒子を含んでいてもよい。また、内部電極層20は、SやP等の非金属元素を微量に(たとえば、0.1質量%以下程度)含んでいてもよく、空隙を含んでいてもよい。図1や図2に示すような断面で内部電極層20を観察した場合、内部電極層20が部分的に途切れて見える箇所が存在していてもよい。
内部電極層20は、Z軸方向において、誘電体層10の間に積層してあり、容量領域40における内部電極層20の積層数は、誘電体層10の積層数に応じて決定される。また、各内部電極層20の平均厚みTELは、特に限定されず、たとえば、3μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1μm以下であることがより好ましい。内部電極層20の平均厚みTELは、金属顕微鏡もしくは電子顕微鏡を用いた素体4の断面観察により、算出すればよい。たとえば、5層以上の内部電極層20を解析することが好ましく、解析対象とした各内部電極層20の厚みを、少なくとも30箇所で計測し、内部電極層20の平均厚みTELを算出することが好ましい。
STEMもしくはSEMと、EDSもしくはWDSと、の組み合わせにより内部電極層20の断面を解析すると、内部電極層20が、金属成分の結晶粒子(以下、金属結晶と称する)を含むことが確認できる。各内部電極層20に含まれる金属結晶の平均粒径dMは、特に限定されず、たとえば、1μm以下であることが好ましく、0.03μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。なお、金属結晶の平均粒径dMは、金属結晶の円相当径の算術平均値である。たとえば、内部電極層20の断面を観察して、5層以上の内部電極層20を解析することが好ましく、解析対象とした各内部電極層20に含まれる少なくとも50個の金属結晶の円相当径を測定することで、平均粒径dMを算出することが好ましい。
図2に示すように、容量領域40には、Ni酸化物粒子30が含まれている。Ni酸化物粒子30は、主としてNiOを含み、誘電体層10および内部電極層20に含まれる元素を僅かに含有していてもよい。Ni酸化物粒子30におけるNiO以外の成分の含有量は特に限定されないが、各Ni酸化物粒子30では、NiおよびOの合計含有率が、80モル%以上であることが好ましい。なお、容量領域40内のNi酸化物粒子30は、図2に示すような素体4の断面でマッピング分析を実施することで、特定することができる。たとえば、Niのマッピング像とO(酸素)のマッピング像とを撮影し、誘電体層10よりもNi濃度が高く、かつ、内部電極層20よりもO濃度が高い領域をNi酸化物粒子30として特定すればよい。
容量領域40のNi酸化物粒子30は、その存在箇所に応じて2つの粒子群に分類することができる。具体的に、容量領域40は、誘電体層10と第1内部電極層21との間の第1境界31に存在するNi酸化物粒子30を含み、第1境界31以外の箇所に存在するNi酸化物粒子30を含んでいてもよい。
本実施形態では、第1境界31に存在するNi酸化物粒子30を「第1Ni酸化物粒子30a」と称し、第1Ni酸化物粒子30a以外のNi酸化物粒子30を「第2Ni酸化物粒子30b」と称することとする。ここで、「第1境界31に存在する」とは、より具体的に、第1Ni酸化物粒子30aが、誘電体層10の誘電体粒子11および第1内部電極層21の金属成分の両方と接していることを意味する。第1Ni酸化物粒子30aは、第1境界31から第1内部電極層21の内部に入り込むように存在していてもよいし、第1境界31から誘電体層10の内部に入り込むように存在していてもよい。
第2Ni酸化物粒子30bは、第1境界31以外の箇所に存在するNi酸化物粒子30である。たとえば、第2境界32に存在するNi酸化物粒子30、内部電極層20に内包されており誘電体層10と接していないNi酸化物粒子30、および、誘電体層10に内包されており内部電極層20と接していないNi酸化物粒子30が、第2Ni酸化物粒子30bに該当する。
第1Ni酸化物粒子30aについてさらに詳述すると、容量領域40は、誘電体層10の大粒子13と接する第1Ni酸化物粒子30aを含み、大粒子13には接しておらず小粒子15と接している第1Ni酸化物粒子30aを含んでいてもよい。換言すると、誘電体層10は、第1Ni酸化物粒子30aと接する大粒子13を含んでおり、第1Ni酸化物粒子30aとは接していない大粒子13を含んでいてもよい。本実施形態では、第1Ni酸化物粒子30aと接する大粒子13を「第1大粒子13a」と称し、第1Ni酸化物粒子30aとは接していない大粒子13を「第2大粒子13b」と称することとする。第1大粒子13aは、第2境界32において、第2内部電極層22の金属成分と接しており、第2Ni酸化物粒子30bとは接していないことが好ましい。
図3Aは、第1Ni酸化物粒子30aと第1大粒子13aとが接触している箇所の断面を拡大した模式図である。図3Aに示すように、第1Ni酸化物粒子30aと第1大粒子13aとの接触箇所では、第1内部電極層21の金属成分、第1Ni酸化物粒子30a、第1大粒子13a、および第2内部電極層22の金属成分が、記載の順序で繋がっている構造が形成されている。積層セラミック電子部品2の容量領域40が、図3Aに示す構造を有することで、ダイオードのような整流作用を得ることができる。
ここで、「ダイオードのような整流作用」とは、一方向の抵抗値が他方向の抵抗値よりも低くなることを意味し、「一方向」および「他方向」とは、積層セラミック電子部品2に印加する電圧の方向を意味する。たとえば、第1外部電極6a側を正極(すなわち第1内部電極層21側を正極)とし、第2外部電極6b側を負極(すなわち第2内部電極層22側を負極)として電圧を印加した場合の抵抗値をRIとする。反対に、第1外部電極6a側を負極とし、第2外部電極6b側を正極として電圧を印加した場合の抵抗値をRIIとする。「一方向の抵抗値が他方向の抵抗値よりも低くなる」とは、RI<RII、もしくは、RI>RIIを満たすことを意味する。このような整流作用が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、ショットキー接合が関係していると考えられる。以下、図3Aおよび図3Bに基づいて、整流作用に関する仮設を説明する。
まず、第1境界31には、第1内部電極層21の金属成分と第1Ni酸化物粒子30aとの接合界面Aが存在しており、第2境界32には、第2内部電極層22の金属成分と第1大粒子13aとの接合界面B2が存在している(図3A参照)。ここで、誘電体層10の主成分である誘電体化合物は、電荷を運ぶキャリアとして自由電子を使用するn型半導体であると考えられる。つまり、誘電体粒子11は、n型半導体粒子としての性質を有すると考えられる。一方、NiOは、酸化物としては珍しく、キャリアとして正孔(ホール)を使用するp型半導体であると考えられる。つまり、Ni酸化物粒子30は、p型半導体粒子としての性質を有すると考えられる。
接合界面Aでは、金属とp型半導体とによるショットキー接合が生じると考えられ、第1Ni酸化物粒子30aから第1内部電極層21に向かって電流が流れ易くなっていると考えられる。一方、接合界面B2では、金属とn型半導体とによるショットキー接合が生じると考えられ、第2内部電極層22から第1大粒子13aに向かって電流が流れ易くなっていると考えられる。上記のような2種類のショットキー接合により、第1Ni酸化物粒子30aと第1大粒子13aとの接触箇所では、図3Bに示す等価回路ECが形成されていると考えられる。
等価回路ECにおけるショットキーダイオードSD-pが、第1内部電極層21と第1Ni酸化物粒子30aとの接合界面Aに相当し、ショットキーダイオードSD-nが、第1大粒子13aと第2内部電極層22との接合界面B2に相当する。また、等価回路ECにおける抵抗R1が第1大粒子13aに相当し、抵抗R2が第1Ni酸化物粒子30aに相当する。等価回路ECでは、左回りに電流が流れやすくなっており、左回りに電流を流した際の抵抗値が、右回りに電流を流した際の抵抗値よりも低くなる。
つまり、第1Ni酸化物粒子30aと第1大粒子13aとの接触箇所では、図3Aに示す破線の向きで電流Iが流れ易くなっていると考えられ、正極を第2内部電極層22、負極を第1内部電極層21として電圧を印加した場合の抵抗値が、反対方向(正極を第1内部電極層21、負極を第2内部電極層22)から電圧を印加した場合の抵抗値よりも低くなると考えられる。上記のとおり、接合界面Aおよび接合界面B2で生じる2種類のショットキー接合が、整流作用の発現に寄与していると考えられる。
なお、図4Aは、第2大粒子13bが存在する箇所の断面を拡大した模式図である。図4Aに示すように、第2大粒子13bの存在箇所では、第1内部電極層21の金属成分、第2大粒子13b、および、第2内部電極層22の金属成分が、記載の順序で繋がっている構造が形成されている。そして、第1境界31は、第1内部電極層21の金属成分と第2大粒子13bとの接合界面B1を含み、第2境界32は、第2内部電極層22の金属成分と第2大粒子13bとの接合界面B2とを含む。
図4Aに示す接合界面B1およびB2では、いずれも、金属とn型半導体とによるショットキー接合が生じると考えられ、内部電極層20から誘電体粒子11(第2大粒子13b)に向かって電流が流れ易くなっていると考えられる。第2大粒子13bの存在箇所では、図4Bに示す回路C1が形成されていると考えられる。
回路C1におけるショットキーダイオードSD-n1が接合界面B1に相当し、抵抗R1が第2大粒子13bに相当し、ショットキーダイオードSD-n2が接合界面B2に相当する。回路C1において、右回りで電流を流す際には(すなわち第1内部電極層21が正極、第2内部電極層22が負極)、接合界面B2のショットキーダイオードSD-n2が障壁となり電流の流れを妨げる。一方、左回りで電流を流す際には(すなわち第1内部電極層21が負極、第2内部電極層22が正極)、接合界面B1のショットキーダイオードSD-n1が障壁となり電流の流れを妨げる。そのため、回路C1では、電圧の向きを変えても抵抗値はほとんど変化しない(右回りに電流を流した際の抵抗値と、左回りに電流を流した際の抵抗値とが、凡そ等しくなる)。第2大粒子13bの存在箇所では、上記のような回路C1が形成されるため、第2大粒子13bは、整流作用の発現には寄与していないと考えられる。
図5Aは、第1Ni酸化物粒子30aが第1大粒子13aには接触せずに小粒子15と接している箇所の断面を拡大した模式図である。第1Ni酸化物粒子30aが小粒子15と接している場合、第1Ni酸化物粒子30aと接する小粒子15と、第2内部電極層22と接する小粒子15との間には、粒界17が介在する。小粒子15の間の粒界17では、二重ショットキー障壁が生じると考えられる。第1Ni酸化物粒子30aと小粒子15との接触箇所では、粒界17の二重ショットキー障壁により、図5Bに示す回路C2が形成されていると考えられる。
図5Bに示すように、回路C2における二重ショットキー障壁DSBが粒界17に相当する。回路C2では、右回りに電流を流した場合、および、左回りに電流を流した場合のいずれにおいても、二重ショットキー障壁DSBが電流の流れを妨げ、電圧の向きを変えても抵抗値はほとんど変化しない。したがって、小粒子15および粒界17は、整流作用の発現に寄与していないと考えられる。
なお、積層セラミック電子部品2の容量領域40は、誘電体層10、第1内部電極層21、および、第2内部電極層22を、それぞれ、複数有しており、複数の第1境界31が存在する。容量領域40のZ軸方向に沿う断面を観察した場合、Ni酸化物粒子30は、少なくとも1つの第1境界31に存在していればよい。換言すると、容量領域40には、第1Ni酸化物粒子30aと接していない第1内部電極層21および誘電体層10を含んでいてもよい。また、容量領域40は、第1Ni酸化物粒子30aを含む領域と、第1Ni酸化物粒子30aを含まない領域と、を有していてもよい。この場合、第1Ni酸化物粒子30aを含む領域は、整流作用への寄与が高い領域となると考えられる。
容量領域40に含まれる第1内部電極層21の総数をE0とし、総数E0のうち第1Ni酸化物粒子30aと接している第1内部電極層21の数をE1とすると、E0に対するE1の比率(E1/E0)は、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
図2に示すような容量領域40の断面で観測される第1内部電極層21および第2内部電極層22の合計長さをLEとする。また、合計長さLEの範囲において、第1内部電極層21または第2内部電極層22と接するNi酸化物粒子30の個数をNPLとする。単位長さあたりの内部電極層20と接するNi酸化物粒子30の平均個数は、LEに対するNPLの比で表すことができ、NPL/LEは、0.002個/μm以上であることが好ましく、0.005個/μm以上であることがより好ましい。NPL/LEを上記の範囲に設定することで、一方向の抵抗値と他方向の抵抗値との差をより大きくすることができ、整流作用をより高めることができる。
NPL/LEの上限は特に限定されない。たとえば、NPL/LEは0.05個/μm以下であることが好ましく、これにより、高い静電容量を得ることができる。なお、NPL/LEを算出する際には、容量領域40の断面を、500μm2以上、解析することが好ましく、合計長さLEは、500μm以上に設定することが好ましい。また、解析視野の一部の縁辺が内部電極層20と略平行となるように解析視野を設定することが好ましく、この場合、内部電極層20と略平行な解析視野の縁辺の長さを、当該解析視野における内部電極層20の長さとみなすことができる。たとえば、図2に示す断面では、内部電極層20の合計長さLEは、4LX(縁辺の長さLXの4倍)に相当する。図2の断面には、7個のNi酸化物粒子30が存在するため、図2の断面で算出されるNPL/LEは、7/4LX(個/μm)となる。
上述したNPLは、第1Ni酸化物粒子30aおよび第2Ni酸化物粒子30bの合計数に相当するが、整流作用を高める観点では、特に、第1Ni酸化物粒子30aの個数、および、誘電体層10における第1大粒子13aの個数が、重要となると考えられる。
図2に示すような断面において、Ni酸化物粒子30の合計個数をNP0とし、第1Ni酸化物粒子30aの個数をNP1とすると、NP0に対するNP1の比の平均(NP1/NP0)は、0.6以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。つまり、Ni酸化物粒子30は、片方の極に集中して存在することが好ましい。NP1/NP0を0.6以上に設定することで、整流作用をより高めることができる。NP1/NP0の上限は、特に限定されず、断面で観測される全てのNi酸化物粒子30が第1境界31に存在していてもよい(すなわちNP1/NP0=1.0)。NP1/NP0を算出する際には、容量領域40の断面を、200μm2以上、解析することが好ましい。
第1内部電極層21は、容量領域40のZ軸方向に沿う一断面において、平均して2個以上の第1Ni酸化物粒子30a(より好ましくは、3個以上の第1Ni酸化物粒子30a)と接していることが好ましい。つまり、図1に示すような素体4の一断面において、それぞれの第1内部電極層21(1層当たりの第1内部電極層21)と接している第1Ni酸化物粒子30aの平均個数ANPが、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。2≦ANPを満たすことで、一方向の抵抗値と他方向の抵抗値との差をより大きくすることができ、整流作用をより高めることができる。なお、ANPは、図1に示すような断面において、長さL1の各第1内部電極層21と接する第1Ni酸化物粒子30aの個数を計測することで算出すればよい。
誘電体層10は、容量領域40のZ軸方向に沿う一断面において、平均して2個以上の第1大粒子13aを含んでいることが好ましい。つまり、1層当たりの誘電体層10に含まれる第1大粒子13aの平均個数が、2個以上であることが好ましい。また、容量領域40の断面で観測される誘電体層10の合計長さをLDとし、合計長さLDの誘電体層10に含まれる第1大粒子13aの個数をND1とすると、単位長さあたりの誘電体層10に含まれる第1大粒子13aの平均個数は、ND1/LDで表すことができる。このND1/LDは、0.005個/μm以上であることが好ましい。第1Ni酸化物粒子30aと接する第1大粒子13aが、上記の割合で誘電体層10に含まれていることで、整流作用をより高めることができる。
なお、ND1/LDを算出する際には、NPL/LEの場合と同様に、容量領域40の断面を、500μm2以上、解析することが好ましく、合計長さLDは、500μm以上に設定することが好ましい。また、ND1/LDの上限は特に限定されず、たとえば、ND1/LDは2個/μm以下であることが好ましい。
容量領域40は、図6において符号「30a(α)」で示す、α型の第1Ni酸化物粒子30aを含むことが好ましい。α型の第1Ni酸化物粒子30aは、第1内部電極層21を介して隣接する2つの誘電体層10の両方と接している。つまり、α型の第1Ni酸化物粒子30aは、容量領域40の断面において、第1内部電極層21の表裏面を貫通するように存在している。なお、α型の第1Ni酸化物粒子30aは、第2内部電極層22とは接していないことが好ましい。
また、本実施形態では、図6において符号「30a(β)」で示す第1Ni酸化物粒子30aを「β型の第1Ni酸化物粒子30a」と称することとする。β型の第1Ni酸化物粒子30aは、第1内部電極層21を介して隣接する2つの誘電体層10のうちのいずれか一方のみと接している。
図6に示すように、α型の第1Ni酸化物粒子30aは、β型の第1Ni酸化物粒子30aよりも多くの第1大粒子13aと接することができる。つまり、α型の第1Ni酸化物粒子30aは、β型の第1Ni酸化物粒子30aよりも多くの等価回路ECを形成することができると考えられる。そのため、容量領域40がα型の第1Ni酸化物粒子30aを含むことで、整流作用をより高めることができる。
図2に示すような断面において、α型の第1Ni酸化物粒子30aの個数をNPαとし、β型の第1Ni酸化物粒子30βの個数をNPβとすると、NPβ<NPαを満たすことが好ましい。つまり、第1Ni酸化物粒子30aを、素体断面で観測される第1Ni酸化物粒子30aの様態に基づいてα型とβ型に分類した場合、第1Ni酸化物粒子30aは、主としてα型の第1Ni酸化物粒子30aを含むことが好ましい。なお、NPαおよびNPβを計測する際には、NP1/NP0の場合と同様に、容量領域40の断面を、200μm2以上、解析することが好ましい。
Ni酸化物粒子30の平均粒径dPは、特に限定されず、たとえば、0.03μm以上1.5μm以下であることが好ましく、0.05μm以上1μm以下であることがより好ましい。また、Ni酸化物粒子30の平均粒径dPは、内部電極層20に含まれる金属結晶の平均粒径dMよりも大きいことが好ましい。具体的に、dMに対するdPの比(dP/dM)は、3以上であることが好ましく、これにより、整流作用をより高めることができる。なお、dP/dMの上限は、特に限定されず、たとえば、dP/dMは10以下とすることができる。また、Ni酸化物粒子30の平均粒径dPは、容量領域40の断面を観察して、少なくとも5個のNi酸化物粒子30の円相当径を計測することで、算出することが好ましい。
次に、図1に示す積層セラミック電子部品2の製造方法の一例を説明する。
まず、誘電体ペーストと、内部電極用ペーストと、を準備する。誘電体ペーストは、誘電体原料粉末(主成分粉末)と副成分粉末とを、公知の有機ビヒクルまたは公知の水系ビヒクルに加えて混錬することで製造することができる。誘電体ペーストには、上記の他に、分散剤、可塑剤、ガラスフリットなどを添加してもよい。一方、内部電極用ペーストは、Ni粉末などの金属粉末、および、NiO粉末を、公知の有機ビヒクルまたは公知の水系ビヒクルに加えて混錬することで製造することができる。内部電極用ペーストには、共材として、誘電体原料粉末を添加してもよく、分散剤、可塑剤などを添加してもよい。
ここで、内部電極用ペーストに添加するNiO粉末が、Ni酸化物粒子30の原料である。前述したNPL/LE、NP1/NP0、ANp、NPα、および、NPβなどは、内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比、NiO粉末の粒径、および、内部電極層20の厚みなどに基づいて制御することができる。第1内部電極層21および第2内部電極層22は、同じ内部電極用ペーストを用いて形成してもよい。ただし、Ni酸化物粒子30を第1境界31に選択的に存在させるためには、第1内部電極用ペーストと、第2内部電極用ペーストと、を準備することが好ましい。
たとえば、第1内部電極用ペーストでは、NiO粉末の平均粒径が、0.03μm以上であることが好ましく、0.05μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。また、第1内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比は、金属粉末100重量部に対して、10重量部以上25重量部以下であることが好ましく、15重量部以上20重量部以下であることがより好ましい。一方、第2内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比は、金属粉末100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。第2内部電極用ペーストにはNiO粉末を添加しなくともよい。第2内部電極用ペーストにNiO粉末を添加する場合、第2内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の平均粒径は、特に限定されず、たとえば、0.8μm以下であることが好ましい。なお、第1内部電極用ペーストおよび第2内部電極用ペーストで使用する金属粉末の平均粒径は、いずれも、0.8μm以下であることが好ましく、0.03μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
また、誘電体層10の大粒子13に関するND/LD、および、ND1/LDなどは、誘電体原料粉末の粒径、および、誘電体層10の厚みなどに基づいて制御することができる。たとえば、誘電体原料粉末の平均粒径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.06μm以上0.2μm以下であることがより好ましい。
次に、誘電体ペーストを、ドクターブレード法などの手法によりシート化することで、グリーンシートを得る。誘電体層10の平均厚みTDLは、グリーンシートの厚みにより制御することができ、グリーンシートの平均厚みは、2μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1μm以下であることがより好ましい。そして、このグリーンシート上に、スクリーン印刷等の各種印刷法や転写法により、内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布する。内部電極層20の平均厚みTELは、グリーンシートの上に塗布した内部電極用ペーストの厚みにより制御することができ、内部電極用ペーストの厚みは2μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1μm以下であることが好ましい。
次に、内部電極用ペーストを塗布したグリーンシートを複数層に渡って積層した後、積層方向にプレスすることでマザー積層体を得る。Ni酸化物粒子30を第1境界31に選択的に存在させるためには、第1内部電極用ペーストを塗布した第1グリーンシートと、第2内部電極用ペーストを塗布した第2グリーンシートとを準備し、第1グリーンシートと第2グリーンシートとを交互に積層すればよい。また、容量領域40内にNi酸化物粒子30を含まない領域を形成する場合には、NiOを含まない内部電極用ペーストを塗布した第3グリーンシートを準備し、第1グリーンシートと第2グリーンシートとを交互に積層した領域と、第3グリーンシートを積層した領域と、を形成すればよい。
なお、マザー積層体の積層方向の最上部および最下部には、内部電極用ペーストを塗布していないグリーンシートを1以上積層する。このように内部電極用ペーストを塗布していないグリーンシートを積層することで、容量領域40の上方および下方に外装領域41を形成することができる。
上記の工程により得られたマザー積層体を、ダイシングもしくは押切りにより所定の寸法に切断し、複数のグリーンチップを得る。グリーンチップは、必要に応じて、可塑剤などを除去するために乾燥させてもよく、乾燥後に水平遠心バレル機などを用いてバレル研磨してもよい。
次に、上記で得られたグリーンチップに対して、脱バインダ処理、および、焼成処理を施し、素体4を得る。
脱バインダ処理の条件は、誘電体ペーストおよび内部電極用ペーストに含まれるバインダの種類に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、昇温速度を5~300℃/時間とすることが好ましく、保持温度を180~400℃とすることが好ましく、温度保持時間を0.5~24時間とすることが好ましい。また、脱バインダ雰囲気は、大気雰囲気(すなわち空気中)もしくは還元性雰囲気とすることができ、大気雰囲気とすることが好ましい。
焼成処理の条件は、誘電体層10の主成分組成や内部電極層20の金属成分に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。たとえば、焼成時の保持温度は、好ましくは1200~1350℃、より好ましくは1220~1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.05~8時間、より好ましくは0.1~3時間である。また、焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、N2とH2との混合ガスを加湿して用いることができる。さらに、内部電極層20をNiやNi合金等の卑金属で構成する場合には、焼成雰囲気中の酸素分圧を、1.0×10-14MPa~1.0×10-10MPaとすることが好ましい。
焼成後の素体4に対して、アニール処理を実施してもよい。たとえば、アニール処理は、誘電体層10を再酸化させるため、もしくは、焼成によって生じた歪を除去するために実施することが好ましい。アニール処理の条件は、誘電体層10の主成分組成などに応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、保持温度を650~1150℃とすることが好ましく、温度保持時間を0~20時間とすることが好ましく、昇温速度および降温速度を50~500℃/時間とすることが好ましい。また、雰囲気ガスは、乾燥したN2ガス、または、加湿したN2ガス等を用いることが好ましい。
上記の脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理において、N2ガスや混合ガス等を加湿するためには、たとえばウェッター等を使用すればよく、この場合、水温は5~75℃程度が好ましい。また、脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理は、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
なお、外部電極6を形成する前に、素体4の端面4aおよび4bを研磨してもよい。研磨の方法としては、たとえば、バレル研磨、サンドブラストまたはレーザーなどが挙げられる。素体4の端面4aおよび4bを研磨することで、内部電極層20と外部電極6とが電気的につながりやすくなる。
次に、素体4の外面に、一対の外部電極6を形成する。外部電極6の形成方法は、特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。以上の工程により、図1に示す積層セラミック電子部品2が得られる。
積層セラミック電子部品2の製造後、もしくは、使用前(積層セラミック電子部品2を回路に組み込む前)には、整流作用の方向を把握するためのスクリーニング試験を実施する。積層セラミック電子部品2では、整流作用により、電圧を印加する方向に応じて抵抗値が変化するが、積層セラミック電子部品2の外観を観察するだけでは、整流作用の方向を把握することはできない。そのため、スクリーニング試験では、積層セラミック電子部品2に対して直流電圧を印加し、抵抗値が低くなる方向と、抵抗値が高い方向と、を判別する。本実施形態では、抵抗が低い方向を「順方向」とし、抵抗が高い方向を「逆方向」とする。
積層セラミック電子部品2に対して順方向で電圧を印加した際の抵抗値をRLowとし、逆方向で電圧を印加した際の抵抗値をRHighとする。積層セラミック電子部品2では、RHigh/RLowは、10以上であることが好ましく、50以上であるより好ましく、100以上であることがさらに好ましい。なお、上述した整流作用に関する仮説(図3Bに示す等価回路EC)を鑑みると、本実施形態の積層セラミック電子部品2では、第1内部電極層21側を負極、第2内部電極層22側を正極として電圧を印加した際に、低い抵抗値RLowが得られると考えられる。
本実施形態の積層セラミック電子部品2は、たとえば、図7に示すようなAC/DCコンバータ回路に適用できる可能性がある。図7のAC/DCコンバータ回路は、交流を直流に変換する整流回路であり、図7のC1~C3がコンデンサ、R3~R6が抵抗、D1~D5がダイオードである。
図7において太線で囲った回路Fは、4つのダイオードD2~D5によるブリッジを含む全波整流回路である。この回路Fに対して、図8Aに示すような電圧波形を有する交流電圧を入力すると、負電圧分が正電圧に変換される。一方、図7において破線で囲った回路G1、および、一点鎖線で囲った回路G2は、いずれも、回路Fから出力される全波整流後の電圧を分圧して、電圧値を下げる回路である。回路G1は、コンデンサC1、ダイオードD1、抵抗R3および、抵抗R4を有しており、これら3種の電子部品で全波整流後の電圧を分圧する。一方、回路G2は、コンデンサC2、および、抵抗R6を有しており、これら2種の電子部品で全波整流後の電圧を分圧する。
図8Bの実線で示すグラフが、回路G1から出力された分圧後の電圧Voutの波形であり、図8Bの破線で示すグラフが、回路G2から出力された分圧後の電圧Vout2の波形である。コンデンサと抵抗の2種で分圧する回路G2の場合、図8Bに示すように、電圧波形の位相がずれてしまうと共に、負電圧が発生してしまう。一方、コンデンサ、ダイオード、および、抵抗の3種で分圧する回路G1の場合、位相のずれ、および、負電圧の発生を、いずれも、抑制することができる。また、回路G1から出力される電圧の0Vからの立ち上がりは、入力した交流電圧(図8A)のゼロクロス(ゼロ地点)と一致している。なお、例えば、回路G1のコンデンサC1を図示しない抵抗に置き換えた場合、回路G1が通常の分圧回路となる。この場合、図示しない抵抗で損失が発生する。回路G1において、図示しない抵抗ではなくコンデンサC1を使用することで、損失はコンデンサC1のtanδ成分のみとなり、損失が抑えられる。
AC/DCコンバータ回路では、通常、回路G2のように部品の種類を削減すると、正常な分圧が困難となるため、回路の簡素化が容易ではない。本実施形態の積層セラミック電子部品2は、コンデンサとしての機能を有する(すなわち誘電体層10に電荷を蓄積できる)と共に、ダイオードのような整流作用を有する。そのため、回路G1に含まれる3種の電子部品(コンデンサ、ダイオード、および抵抗)を、1種の積層セラミック電子部品2で代用でき、回路を簡素化できる可能性がある。なお、回路G1のコンデンサ、ダイオード、および、抵抗を、1種の積層セラミック電子部品2で代用する場合、耐電圧を十分に確保するために、複数の積層セラミック電子部品2を直列に繋いでもよい。
(実施形態のまとめ)
本実施形態の積層セラミック電子部品2は、第1内部電極層21、第2内部電極層22、および、第1内部電極層21と第2内部電極層22との間に積層してある誘電体層10を有する。素体4の容量領域40は、第1内部電極層21と誘電体層10との間の第1境界31に存在する第1Ni酸化物粒子30aを有している。そして、誘電体層10が、第1境界31の第1Ni酸化物粒子30a、および、第2内部電極層22と接する第1大粒子13aを含んでいる。
積層セラミック電子部品2は、上記のとおり、第1内部電極層21、第2内部電極層22、および、誘電体層10が積層してある容量領域40を有しているため、誘電体層10に電荷を蓄積することができる。すなわち、積層セラミック電子部品2は、コンデンサとしての機能を有する。従来の積層セラミックコンデンサについては、高い抵抗値を有することが好ましいと考えられてきた(特許文献1参照)。これに対して、本実施形態の積層セラミック電子部品2では、順方向の抵抗値が逆方向の抵抗値よりも低くなるような整流作用(具体的に、RHigh/RLowが10以上である整流作用)が得られる。整流作用が得られる理由は必ずしも明らかではないが、2種類のショットキー接合が整流作用の発現に関係していると考えられる。具体的に、第1大粒子13aと第1Ni酸化物粒子30aとの接触箇所で、図3Bに示すような等価回路ECが形成されていると考えられ、この等価回路ECによって、整流作用が発現すると考えられる。
なお、図3Bに示す等価回路ECを形成する観点では、p型半導体粒子が、第1境界31に存在し、誘電体層10の第1大粒子13aと接していればよい。つまり、図2および図3Aにおいて、符号「30a」で示す粒子は、Ni酸化物粒子(NiO)に必ずしも限定されず、p型半導体粒子であればよい。
素体4の容量領域40は、第1内部電極層21を介して隣接する2つの誘電体層10と接するα型の第1Ni酸化物粒子30aを含んでいることが好ましい。α型の第1Ni酸化物粒子30aは、他の第1Ni酸化物粒子30aよりも多くの第1大粒子13aと接触できる可能性がある。つまり、容量領域40がα型の第1Ni酸化物粒子30aを含むことで、整流作用をより高めることができる(RHigh/RLowをより大きくすることができる)。
それぞれの第1内部電極層21と接している第1Ni酸化物粒子30aの平均個数ANPが、2個以上であることが好ましい。積層セラミック電子部品2が、当該要件を満たすことで、整流作用をより高めることができる。
素体4の断面で観測されるNi酸化物粒子30の合計個数をNP0とし、第1Ni酸化物粒子30aの個数をNP1として、NP1/NP0が0.6以上であることが好ましい。上記の要件を満たすことで、整流作用をより高めることができる。
単位長さ当たりの内部電極層20と接するNi酸化物粒子30の平均個数(NPL/LE)が、0.002個/μm以上であることが好ましい。積層セラミック電子部品2が、当該要件を満たすことで、整流作用をより高めることができる。
内部電極層20に含まれる金属結晶の平均粒径をdMとし、Ni酸化物粒子30の平均粒径をdPとして、dP/dMが3以上であることが好ましい。積層セラミック電子部品2が、当該要件を満たすことで、整流作用をより高めることができる。
なお、上述したANPやNP1/NP0を算出するために容量領域40の断面を解析する際には、第1内部電極層21と第2内部電極層22とを、以下に示す3つの方法のいずれかにより、識別すればよい。
たとえば、容量領域40の断面を観察した際に、Ni酸化物粒子30と接している内部電極層20、誘電体層10、および、Ni酸化物粒子30と接していない内部電極層20が、記載の順に繰り返し積層してあることが確認できる場合がある。この場合、誘電体層10を介して対向する一対の内部電極層20のうち、Ni酸化物粒子30と接している内部電極層20を第1内部電極層21として識別し、Ni酸化物粒子30と接していない内部電極層20を第2内部電極層22として識別すればよい。
また、一対の内部電極層20の両方がNi酸化物粒子30と接している場合には、より多くのNi酸化物粒子30と接している側の内部電極層20を第1内部電極層21として識別し、他方側の内部電極層20を第2内部電極層22として識別すればよい。
また、断面観察の前に、スクリーニング試験を実施することで第1内部電極層21と第2内部電極層22とを識別してもよい。たとえば、スクリーニング試験により、低い抵抗値RLowが得られた際の正極側を第2外部電極6bとして識別し、負極側を第1外部電極6aとして識別する。そして、断面観察時に、第1外部電極6aに接続されている内部電極層20を第1内部電極層21として識別し、第2外部電極6bに接続されている内部電極層20を第2内部電極層22として識別してもよい。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本開示は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、外部電極6は、素体4の1つの側面に存在するパット状の電極であってもよい。この場合、パット状の外部電極6は、スルーホール電極またはビアホール電極を介して、内部電極層20と電気的に接続していてもよい。
また、本開示の電子部品は、第1内部電極層21、第2内部電極層22、および、誘電体層10を、それぞれ、少なくとも1つ有していればよく、図1に示すような積層型セラミック電子部品2に限定されない。
以下、本開示をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本開示はこれら実施例に限定されない。
(実験1)
実験1では、以下に示す手順で、実施例A1、比較例1および比較例2に係る積層セラミック電子部品を製造した。
実施例A1
まず、平均粒径が0.09μmである(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3粉末(主成分粉末)と、副成分粉末MgCO3粉末、Y23粉末、MnCO3粉末、V25粉末、および、SiO2粉末)とを用いて、誘電体層の原料である誘電体ペーストを作製した。また、内部電極層の原料として、第1内部電極用ペーストと、第2内部電極用ペーストと、を作製した。第1内部電極用ペーストには、平均粒径が0.18μmであるNi粉末と、平均粒径が0.15μmであるNiO粉末とを添加し、第1内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比は、Ni粉末100重量部に対して17重量部とした。一方、第2内部電極用ペーストには、平均粒径が0.18μmであるNi粉末を添加し、NiO粉末は添加しなかった。
次に、誘電体ペーストをPETフィルム上に塗布してシート化することで、厚さ0.65μmのグリーンシートを得た後、このグリーンシートの上に第1内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布することで、第1グリーンシートを作製した。また、誘電体ペーストをPETフィルム上に塗布してシート化することで、厚さ0.65μmのグリーンシートを得た後、このグリーンシートの上に第2内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布することで、第2グリーンシートを作製した。なお、第1内部電極用ペーストの塗布量、および、第2内部電極用ペーストの塗布量は、焼成後の内部電極層の平均厚みTELが0.55μmとなるように、制御した。
次に、第1グリーンシートと第2グリーンシートとを、交互に積層し、加圧することで、マザー積層体を得た。この際、マザー積層体の積層方向の最上部および最下部には、内部電極用ペーストを塗布していないグリーンシートを積層した。また、第1グリーンシートと第2グリーンシートの積層数は、容量領域における誘電体層の積層数が350層となるように、制御した。また、焼成後の外装領域41の厚みは20μm以上となるように、制御した。
上記のマザー積層体を所定のサイズに切断して、グリーンチップを得た後、これらグリーンチップに対して、脱バインダ処理、焼成処理、および、アニール処理を施した。そして、素体の各端面に、Cuを主成分とする焼結体を含む外部電極を形成した。以上の工程により、図1と同様の断面構造を有する積層セラミック電子部品が得られた。この積層セラミック電子部品における素体の平均寸法は、L0×W0=0.7mm×0.45mmであった。
比較例1
比較例1では、第1内部電極層、および、第2内部電極層を、いずれも、NiO粉末を含まない内部電極用ペーストを用いて形成した。具体的に、比較例1では、平均粒径が0.18μmであるNi粉末を用いて内部電極用ペーストを作製し、当該内部電極用ペーストには、NiO粉末を添加しなかった。そして、厚さ0.65μmのグリーンシートの上に上記内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布し、第1グリーンシートおよび第2グリーンシートを得た。なお、比較例1では、実施例A1と同じ仕様の誘電体ペーストを使用し、グリーンシートの厚みも実施例A1と同程度に制御した。上記以外の製造条件は、実施例A1と同様として、比較例1に係る積層セラミック電子部品を製造した。
比較例2
比較例2では、実施例A1と同じ仕様の第1内部電極用ペーストおよび第2内部電極用ペーストを用いて、第1内部電極層および第2内部電極層を形成した。ただし、比較例2では、実施例A1とは異なる条件で誘電体層を形成した。具体的に、比較例2では、平均粒径が0.04μmである(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3粉末(主成分粉末)を含む誘電体ペーストを準備し、当該誘電体ペーストを用いて、厚さ0.65μmのグリーンシートを作製した。上記のとおり、比較例2で使用した(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3粉末は、実施例A1とは異なる平均粒径を有するが、誘電体ペーストに添加した副成分粉末、および、副成分粉末の配合比は、実施例A1と同様とした。上記以外の製造条件は、実施例A1と同様として、比較例2に係る積層セラミック電子部品を製造した。
素体の断面解析
素体の積層方向の断面(図1および図2に示すような容量領域の断面)をSTEMで観察し、内部電極層の平均厚みTEL(μm)、誘電体層の平均厚みTDL(μm)、および、誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径dDP(μm)を測定した。また、当該断面観察では、EDSによる元素マッピング分析を、5つの解析視野(各解析視野の面積は54μm2)で実施し、Ni酸化物粒子が解析範囲内に存在するか否かを調査した。表1の「Ni酸化物粒子の有無」の欄に「Y」および「N」の記載があるが、「Y」は、Ni酸化物粒子が誘電体層と内部電極層との境界に存在していたことを意味し、「N」は、誘電体層と内部電極層との境界でNi酸化物粒子が観測されなかったことを意味する。
また、上記の断面解析でNi酸化物粒子が特定できた試料では、誘電体層を介して対向する一対の内部電極層のうち、より多くのNi酸化物粒子と接している内部電極層を第1内部電極層として識別し、Ni酸化物粒子との接触箇所が少ない方の内部電極層を第2内部電極層として識別した。
さらに、上記の断面解析では、一方の内部電極層との境界(第1境界31)でNi酸化物粒子と接し、かつ、他方の内部電極層との境界(第2境界32)で内部電極層の金属成分と接している誘電体粒子を第1大粒子(13a)として特定した。表1の「第1大粒子の有無」の欄では、「Y」は、誘電体層10が第1大粒子13aを含んでいたことを意味し、「N」は、誘電体層10が第1大粒子13aを含んでいなかったことを意味する。
整流作用の評価
積層セラミック電子部品に対して任意の方向から4Vの直流電圧を30秒間印加し、その際の積層セラミック電子部品の抵抗値r1を測定した。また、電圧を印加する方向を反転させて、再度、積層セラミック電子部品に対して4Vの直流電圧を30秒間印加し、その際の積層セラミック電子部品の抵抗値r2を測定した。抵抗値r1および抵抗値r2のうち、値が低い方をRLowとし、値が高い方をRHighとして、RLowに対するRHighの比(単位なし)を算出した。
本実験では、RHigh/RLowが10以上であれば、「測定試料が整流作用を有する」と判定した。また、整流作用に関して、RHigh/RLowが50以上100未満の試料を「良好」と判定し、RHigh/RLowが100以上の試料を「特に良好」と判定した。
静電容量の測定
コンデンサとしての特性の有無を判定するために、LCRメータを用いて、積層セラミック電子部品の静電容量(μF)を測定した。この際、測定温度を室温(25℃)に設定したうえで、積層セラミック電子部品に対して、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの信号を入力した。本実験では、静電容量が3.8μF以上であれば、「測定試料がコンデンサとして十分に電荷を蓄積する機能を有する」と判定した。
実施例A1、比較例1、および、比較例2の評価結果を表1に示す。
Figure 2024050033000002
比較例1では、NiO粉末を含まない内部電極用ペーストを使用したため、誘電体層と内部電極層との境界にNi酸化物粒子が存在しておらず、Ni酸化物粒子と接する第1大粒子も誘電体層中に含まれていなかった。比較例2では、誘電体層と内部電極層との境界でNi酸化物粒子が観測された。しかしながら、比較例2の誘電体層は、大粒子(符号13)をほとんど含んでおらず、比較例2の断面解析では、Ni酸化物粒子と接する第1大粒子(符号13a)を検出できなかった。つまり、比較例2では、容量領域内のNi酸化物粒子が、誘電体層の小粒子(符号15)と接しており、大粒子とは接していなかった。
一方、実施例A1の断面解析では、誘電体層と内部電極層との境界でNi酸化物粒子が観測され、かつ、誘電体層中にNi酸化物粒子と接する第1大粒子が存在していることが確認できた。つまり、実施例A1では、図3Aに示すような断面構造が容量領域内に存在することが確認できた。
実施例A1の積層セラミック電子部品は、十分な静電容量を有しており、コンデンサとして誘電体層に電荷を蓄積する機能を有していることが確認できた。また、実施例A1のRHigh/RLowは比較例1および2よりも遥かに大きく、実施例A1の積層セラミック電子部品が、ダイオードのような整流作用を有していることが確認できた。
(実験2)
実験2では、表2に示す実施例B1および実施例B2に係る積層セラミック電子部品を製造し、各実施例の特性を比較した。具体的に、実施例B1では、実施例A1よりも粒度の細かいNiO粉末を用いて第1内部電極用ペーストを作製した。また、実施例B2では、実施例B1よりもさらに粒度が細かいNiO粉末を用いて第1内部電極用ペーストを作製した。NiO粉末の仕様以外の製造条件は、実施例A1と同様とした。
実験2の断面解析では、EDSによる元素マッピング分析を、5つの解析視野(各解析視野の面積は54μm2)で実施し、当該解析範囲で誘電体層と内部電極層との境界に存在するNi酸化物粒子を特定した後、これらNi酸化物粒子を「α型」と「β型」に分類した。そして、α型のNi酸化物粒子の個数NPαと、β型のNi酸化物粒子の個数NPβとを計測した。なお、α型のNi酸化物粒子は、内部電極層を介して隣接する2つの誘電体層と接するNi酸化物粒子であり、β型のNi酸化物粒子は、内部電極層を介して隣接する2つの誘電体層のうちのいずれか一方と接するNi酸化物粒子である(図6参照)。
また、実験2の断面解析では、内部電極層に含まれる金属結晶の平均粒径dM、および、Ni酸化物粒子の平均粒径dPを計測し、dMに対するdPの比(単位なし)を算出した。
実施例B1および実施例B2では、実施例A1と同様に、誘電体層と内部電極層との境界でNi酸化物粒子が観測され、かつ、誘電体層中にNi酸化物粒子と接する第1大粒子が存在していることが確認できた。実験2の評価結果を表2に示す。
Figure 2024050033000003
表2に示すように、α型のNi酸化物粒子の割合が多い実施例A1の方が、α型のNi酸化物粒子の割合が少ない実施例B1よりも、RHigh/RLowが大きくなった。この結果から、α型のNi酸化物粒子が、整流作用の向上に寄与していることがわかった。また、実験2の結果から、dP/dMは3以上であることが好ましいことがわかった。
(実験3)
実験3では、第1内部電極用ペーストおよび第2内部電極用ペーストの両方にNiO粉末を添加して、表3に示す4種の積層セラミック電子部品を製造した。各実施例C1~C4で使用した第1内部電極用ペーストおよび第2内部電極用ペーストには、それぞれ、平均粒径が0.18μmであるNi粉末と、平均粒径が0.2μmであるNiO粉末とを添加し、第1内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比を、第2内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比よりも高くした。NiO粉末の配合比以外の条件は、実験1の実施例A1と同様とした。
実験3の断面解析では、誘電体層を介して対向する一対の内部電極層のうち、より多くのNi酸化物粒子と接している内部電極層を第1内部電極層として識別し、Ni酸化物粒子との接触箇所が少ない方の内部電極層を第2内部電極層として識別した。この際、素体(容量領域)の断面を3視野解析し、各解析視野の面積は54μm2に設定した。そして、Ni酸化物粒子の個数NP0と、第1内部電極層と誘電体層との境界(第1境界31)に存在するNi酸化物粒子の個数NP1と、を計測した。
なお、実施例C1~C4では、実施例A1と同様に、Ni酸化物粒子と接する第1大粒子が誘電体層中に存在していることが確認できた。実験3の評価結果を、表3に示す。
Figure 2024050033000004
表3の結果から、NP1/NP0は、0.6以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましいことがわかった。
(実験4)
実験4では、第1内部電極用ペーストにおけるNiO粉末の配合比を変えて、実施例D1~D3に係る積層セラミック電子部品を製造した。実施例D1~D3では、いずれも、NiO粉末を含まない第2内部電極用ペーストを使用した(つまり、第2内部電極用ペーストの仕様は実施例A1と同じとした)。NiOの配合比以外の製造条件は、実施例A1と同様とした。
実験4の断面解析では、誘電体層を介して対向する一対の内部電極層のうち、より多くのNi酸化物粒子と接している内部電極層を第1内部電極層として識別し、Ni酸化物粒子との接触箇所が少ない方の内部電極層を第2内部電極層として識別した。そして、それぞれの第1内部電極層と接しているNi酸化物粒子の平均個数ANPを計測した。
また、1134μm2の断面に含まれる合計長さ920μm以上の内部電極層を解析して、単位長さの内部電極層と接するNi酸化物粒子の平均個数NPL/LEを算出した。なお、実施例D1~D3では、実施例A1と同様に、Ni酸化物粒子と接する第1大粒子が誘電体層中に存在していることが確認できた。実験4の評価結果を、表4に示す。
Figure 2024050033000005
表4の結果から、ANPは2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましいことがわかった。つまり、第1内部電極層が、素体の一断面において、平均2個以上(より好ましくは平均3個以上)のNi酸化物粒子と接していることが好ましく、これにより、整流作用の更なる向上が図れることがわかった。
また、表4の結果から、NPL/LEは、0.002個/μm以上であることが好ましく、0.005個/μm以上であることがより好ましいことがわかった。
2 … 積層セラミック電子部品
4 … 素体
4a,4b … 端面
4c … 側面
40 … 容量領域
41 … 外装領域
6 … 外部電極
6a … 第1外部電極
6b … 第2外部電極
10 … 誘電体層
11 … 誘電体粒子
13 … 大粒子
13a … 第1大粒子
13b … 第2大粒子
15 … 小粒子
17 … 粒界
20 … 内部電極層
21 … 第1内部電極層
22 … 第2内部電極層
31 … 第1境界
32 … 第2境界
30 … Ni酸化物粒子
30a … 第1Ni酸化物粒子
30b … 第2Ni酸化物粒子

Claims (7)

  1. 第1内部電極層と、第2内部電極層と、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に積層してある誘電体層と、を含む素体を有し、
    Ni酸化物粒子が、前記第1内部電極層と前記誘電体層との間の第1境界に存在し、
    前記誘電体層が、前記第1境界の前記Ni酸化物粒子および前記第2内部電極層の両方と接する誘電体大粒子を含む電子部品。
  2. 前記Ni酸化物粒子が、前記第1内部電極層を介して隣接する2つの前記誘電体層の両方と接している請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
    前記第1内部電極層は、前記素体の一断面において、平均2個以上の前記Ni酸化物粒子と接している請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
    前記素体の断面で観測される前記Ni酸化物粒子の合計個数をNP0とし、
    前記断面で観測される前記Ni酸化物粒子のうちの前記第1境界に存在する前記Ni酸化物粒子の個数をNP1として、
    NP1/NP0が0.6以上である請求項1または2に記載の電子部品。
  5. 前記素体に含まれる前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および、前記誘電体層が、それぞれ複数であり、
    前記素体の断面で観測される前記第1内部電極層および前記第2内部電極層の合計長さをLEとし、
    前記合計長さLEの範囲において、前記第1内部電極層または前記第2内部電極層と接する前記Ni酸化物粒子の個数をNPLとして、
    NPL/LEが0.002個/μm以上である請求項1または2に記載の電子部品。
  6. 前記第1内部電極層および前記第2内部電極層に含まれる金属結晶の平均粒径をdMとし、
    前記Ni酸化物粒子の平均粒径をdPとして、
    P/dMが3以上である請求項1または2に記載の電子部品。
  7. 第1内部電極層と、第2内部電極層と、前記第1内部電極層と前記第2内部電極層との間に積層してある誘電体層と、を含む素体を有し、
    p型半導体粒子が、前記第1内部電極層と前記誘電体層との間の第1境界に存在し、
    前記誘電体層が、前記第1境界の前記p型半導体粒子および前記第2内部電極層の両方と接する誘電体大粒子を含む電子部品。
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