JP2024049403A - ギラツキ低減光学フィルムおよびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギラツキによる視認性の低下が十分に防止されるアンチグレアフィルムとその作製方法を提供する。【解決手段】ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、ランダム凹凸形状の球面状凸面の高さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であり、径dが8μm未満である。径dは、3μm未満であることが好ましい。高さhは、0.6μmより大きく0.9μm未満であることが好ましい。傾斜角θは、50°より大きく60°未満であることが好ましい。【選択図】図7

Description

本発明は、ギラツキを低減できる光学フィルムとその作製方法に関するものである。
パソコンや液晶テレビなどの液晶パネルの表示面側には偏光板があり、偏光板は偏光フィルムとそれを支持するTAC(トリアセチルセルロース)フィルムで構成されている。TACフィルムの表面には液晶パネルの視認性向上のために様々なコーティング処理がされており、特に、眩しさを防ぐ防眩処理技術であるAG(アンチグレア)コーティングが必須とされている。
従来の防眩処理のAGコーティングでは、TACフィルムの表面にコロナ処理やプラズマ処理を施し、次いで、フィラー(シリカ)などの微粒子を混ぜたアクリル樹脂および有機溶剤を、TACフィルムの表面に塗布・乾燥する工程を数回繰り返して、凹凸の形状をTACフィルム表面上に形成し、防眩効果を得ている。しかしながら、従来のAGコーティングでは、乾燥炉の設置や塗布・乾燥工程の繰り返しが必要となるため、大規模な製造設備が必要であり、また処理工数が多いといったコスト面の課題がある。また多量の有機溶剤の使用や、フィラー凝集によるムラや欠点の発生など環境面や品質面で多くの課題がある。
一方、従来から、金型表面に凹凸を形成し、紫外線硬化樹脂や熱可塑性樹脂を用いてTACフィルム上に金型の凹凸を転写成形し、AGコーティングを行う方法も知られているが(例えば、特許文献1~3を参照。)、白く光って見えるスポット欠点やシミなどの外観欠点が多く問題を抱えているのが実情である。
本発明者は、既にギラツキによる視認性の低下が十分に防止されたアンチグレアフィルムを提案しているが(特許文献4を参照)、既存の各種アンチグレアフィルムの表面状態について、表面粗さパラメータを測定したところ、フィルムの外観との間に特定の相関があることを見出し、本発明を完成したものである。
特開2010-224427号公報 特開2006-53371号公報 特開2007-187952号公報 特開2016-12095号公報
上記状況に鑑みて、本発明は、ギラツキによる視認性の低下が十分に防止されるアンチグレアフィルムや拡散シートとその作製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルム及び拡散シートは、ランダム凹凸形状面を有し、ランダム凹凸形状の球面状凸面の高さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であり、径dが8μm未満であることを特徴とする。
かかる構成とされることにより、効果的にギラツキを低減することができる。なお、高さhとは、最大山高さ(Rp)のことであり、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も高い山の高さを表したもののことである。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルム及び拡散シートは、径dが3μm未満であることが好ましい。ブラスト粒子径を10μm未満とすることにより、よりギラツキを抑えることができ、その場合には、径dが3μm未満となる。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルム及び拡散シートは、高さhが0.6μmより大きく0.9μm未満であることが好ましい。
映り込みと黒さはトレードオフの関係となることから、高さhを上記範囲とすることにより、映り込みを抑えつつ、黒さを向上させた構成とすることができる。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルム及び拡散シートは、傾斜角θが50°より大きく60°未満であることが好ましい。
映り込みと黒さはトレードオフの関係となることから、傾斜角θを上記範囲とすることにより、映り込みを抑えつつ、黒さを向上させた構成とすることができる。
次に、本発明の光学フィルムの作製方法について説明する。ここで光学フィルムは、アンチグレアフィルム又は拡散シートを意味する。本発明の光学フィルムの作製方法は、下記a)~d)のステップを備える方法において、ブラスト粒子の粒径Dを小さくすることにより、透明基材表面のギラツキを低減することを特徴とする。
a)透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップ。
b)ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップ。
c)上記ロール状金型を用いて透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップ。
d)転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップ。
本発明の光学フィルムの作製方法は、ブラスト粒子の粒径Dが20μm未満であることが好ましい。
ブラスト粒子の粒径Dが20μm未満とされることにより、金型表面の凹部の径が小さくばらつきの少ない凹部を形成でき、凹部の勾配が大きくなり、ギラツキが低減する。
本発明の光学フィルムの作製方法において、上記b)のステップで作製されるロール状金型は、凹凸形状の球面状凹面の径dが8μm未満、深さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であることが好ましい。
本発明の光学フィルムの作製方法は、径dが3μm未満であり、深さhの範囲が0.6μmより大きく0.9μm未満であり、傾斜角θの範囲が50°より大きく60°未満であることが好ましい。
本発明のアンチグレアフィルムと拡散シート、及び、それらの光学フィルムの作製方法によれば、ギラツキによる視認性の低下が十分に防止されるといった効果を有する。
球形ビーズの円弧面に関する説明図 アンチグレアフィルムの凹凸断面の模式図 アンチグレアフィルムの作製プロセスの概念図 ブラスト粒子径とロール状金型における球面状凹面の径dの相関グラフ ブラスト粒子径とロール状金型における球面状凹面の深さhの相関グラフ ブラスト粒子径と傾斜角θの相関グラフ 二乗平均平方根傾斜(RΔq)と外観の関係を示すグラフ 傾斜角と外観の関係を示すグラフ 最大山高さ(Rp)と外観の関係を示すグラフ 粒子径と外観の関係を示すグラフ 異なるブラスト粒子を用いた場合の、外観と表面粗さパラメータの相関性を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
既存のAGシートの表面状態を表面粗さパラメータで定量化し、外観との相関を検証した。表面粗さについての計測には、ミツトヨ製の表面粗さ測定機(CS-H5000CNC)を使用した。また、測定基準は、JIS B 0601-2001に準拠した。外観基準については、“黒さ”、“映り込み”、“ギラツキ”について、表1に示すように、1~10の基準を設定した。
表1に示すように、“黒さ”については、“白く反射する”場合を1、“やや白く反射する”場合を4、“正面の黒さがやや低下”する場合を6、“斜めから見るとやや白っぽい”場合を8、“画面同等の黒さ”の場合を10とした。また、1と4の間に2、3の基準を設け、これらの内、比較的白く反射する場合を2、比較的黒く反射する場合を3とした。さらに、“4と6の間”の場合を5、“6と8の間”の場合を7、“8と10の間”の場合を9とした。
“映り込み”については、“蛍光灯が鮮明に映り込む”場合を1、“蛍光灯のエッジがややぼやける”場合を2、“蛍光灯のエッジがぼやける”場合を4、“蛍光灯全体がぼけるが、全体像がわかる”場合を6、“蛍光灯の輪郭がわからない”場合を8、“全く映り込まない”場合を10とした。また、“2と4の間”の場合を3、“4と6の間”の場合を5、“6と8の間”の場合を7、“8と10の間”の場合を9とした。
“ギラツキ”については、“著しいギラツキが確認できる”場合を1、“一見でギラツキが確認できる”場合を2、“ギラツキが確認できる”場合を4、“ややギラツキが確認できる”場合を6、“ほぼギラツキが確認できない”場合を8、“ギラツキなし”の場合を10とした。また、“2と4の間”の場合を3、“4と6の間”の場合を5、“6と8の間”の場合を7、“8と10の間”の場合を9とした。
検証に用いた表面粗さパラメータは、表2~4に示す計13種類である。
下記表2に示すように、“高さ方向の山、谷のパラメータ”としては、“最大山高さ(Rp)”、“最大谷深さ(Rv)”、“最大高さ(Rz)”、“平均高さ(Rc)”、“最大断面高さ(Rt)”、“算術平均粗さ(Ra)”の6つを検証に用いた。下記表3に示すように、“高さ方向の振幅平均パラメータ”としては、“二乗平均平方根高さ(Rq)”、“高さ方向の特長平均パラメータ”としては、“スキューネス(Rsk)”、“クルトシス(Rku)”の2つ、“横方向のパラメータ”としては、“要素の平均長さ(Rsm)”、“複合パラメータ”としては、“二乗平均平方根傾斜(RΔq)”を検証に用いた。また、下記表4に示すように、“負荷曲線・確率密度関数のパラメータ”としては、“負荷長さ率(Rmr(c))”、“輪郭曲線の切断レベル差(Rδc)”の2つを検証に用いた。
上記表2において、“最大山高さ(Rp)”とは、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も高い山の高さを表したもののことである。“最大谷深さ(Rv)”とは、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も深い谷の深さを表したものである。“最大高さ(Rz)”とは、基準長さにおける輪郭曲線の中で、最も高い山の高さと最も深い谷の深さの和を求め、表したものである。“平均高さ(Rc)”とは、基準長さにおける輪郭曲線要素の高さの平均値を表したものである。輪郭要素とは隣り合う山と谷を一組としたものである。“最大断面高さ(Rt)”とは、評価長さにおける輪郭曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値との和を求め、表したものである。また、“算術平均粗さ(Ra)”とは、基準長さにおけるZ(x)絶対値の平均を表したものである。
上記表3に示すように、“二乗平均平方根高さ(Rq)”とは、基準長さにおける二乗平均平方根を表したものであり、表面粗さの標準偏差を意味する。“スキューネス(Rsk)”とは、二乗平均平方根高さの三乗によって無次元化した基準長さにおけるZ(x)の三乗平均を表したものであり、スキューネスは摩擦と関係が深いパラメータである。ひずみ度を表しており、正規分布なら0、磨耗面ならマイナスとなる。また、“クルトシス(Rku)”とは、二乗平均平方根高さの四乗によって無次元化した基準長さにおけるZ(x)の四乗平均を表したものであり、クルトシスも摩擦と関係が深いパラメータである。とがり度を表しており、正規分布なら3になる。“要素の平均長さ(Rsm)”とは、基準長さに輪郭曲線要素の長さの平均を表したものである。“二乗平均平方根傾斜(RΔq)”とは、基準長さにおける局部傾斜の二乗平均平方根を表したものである。
また、上記表4に示すように、“負荷長さ率(Rmr(c))”とは、切断レベルにおける輪郭曲線要素の負荷長さの評価長さに対する比率を表したものである。“輪郭曲線の切断レベル差(Rδc)”とは、与えられた二つの負荷長さ率に一致する高さ方向の切断レベルの差を表したものである。
次に、検証に用いた評価試料について説明する。下記表5は、検証に用いた評価試料を列挙したものである。下記表5に示すように、34種類の評価試料(No.1~34)を用いて、各々表面粗さの評価を実施した。基材はPET(ポリエチレン・テレフタレート)とTAC(トリアセチルセルロース)の2種類を用いた。またブラスト材には、ガラスとアルミナの2種類を用いた。
上記表5に示す34種類の評価試料と、表2~4に示す表面粗さパラメータを用いて、表面粗さの評価を実施した結果、下記表6に示すように、表面粗さパラメータと外観レベルの相関係数が算出された。下記表6では、外観と、粒子径及び13種類の表面粗さパラメータ、すなわち、“算術平均粗さ(Ra)”、“二乗平均平方根高さ(Rq)”、“スキューネス(Rsk)”、“クルトシス(Rku)”、“最大山高さ(Rp)”、“最大谷深さ(Rv)”、“最大高さ(Rz)”、“最大断面高さ(Rt)”、“平均高さ(Rc)”、“要素の平均長さ(Rsm)”、“二乗平均平方根傾斜(RΔq)”“負荷長さ率(Rmr(c))”、“輪郭曲線の切断レベル差(Rδc)”の相関係数を示している。
なお、下記表6又は7におけるセルの網掛け部分は、比較的相関性が高いものを示している。
上記表6に示すように、“最大山高さ(Rp)”については、Hzは0.73、黒さは-0.7、映り込みは0.721と何れも相関性が高いことが分かった。また、“最大断面高さ(Rt)”については、Hzは0.715、黒さは-0.7、映り込みは0.778、“二乗平均平方根傾斜(RΔq)”については、Hzは0.873、黒さは-0.744、映り込みは0.852と何れも相関性が高いことが分かった。なお、“二乗平均平方根傾斜(RΔq)”は傾斜角の因子であり傾斜角θと相関がある。
以上から、黒さと映り込み(Hz)はトレードオフの関係にあり、双方に影響が大きいRΔqとRpでバランスをとる必要がある。また、Hzと映り込みには強い相関があることがわかる。そして、ギラツキについては、ブラスト粒子径とのみ相関がみられた。
図7は、二乗平均平方根傾斜(RΔq)と外観の関係を示すグラフであり、(1)は映り込み、(2)は黒さに関するグラフを示している。何れも縦軸は表1で説明した外観基準であり、横軸は二乗平均平方根傾斜(RΔq)を示している。
図7(1)に示すように、二乗平均平方根傾斜(RΔq)の増加に伴い、映り込みが減少していることがわかる。また、図7(2)に示すように、二乗平均平方根傾斜(RΔq)の増加に伴い、黒さが低下していることがわかる。
図8は、傾斜角と外観の関係を示すグラフであり、(1)は映り込み、(2)は黒さに関するグラフを示している。何れも縦軸は表1で説明した外観基準であり、横軸は傾斜角(°)を示している。
図8(1)に示すように、傾斜角の増加に伴い、映り込みが減少していることがわかる。また、図8(2)に示すように、傾斜角の増加に伴い、黒さが低下していることがわかる。このように、RΔqは傾斜角の因子であり、傾斜角θと相関がある。
図9は、最大山高さ(Rp)と外観の関係を示すグラフであり、(1)は映り込み、(2)は黒さに関するグラフを示している。何れも縦軸は表1で説明した外観基準であり、横軸は最大山高さ(Rp)を示している。
図9(1)に示すように、最大山高さ(Rp)の増加に伴い、映り込みが減少していることがわかる。また、図9(2)に示すように、最大山高さ(Rp)の増加に伴い、黒さが低下していることがわかる。
図10は、粒子径と外観の関係を示すグラフであり、(1)はギラツキ、(2)は黒さ、(3)は映り込みに関するグラフを示している。何れも縦軸は表1で説明した外観基準を示している。
図10(1)に示すように、ギラツキについては、粒子径が小さくなるほどギラツキが低下することがわかる。これに対して、図10(2)又は(3)に示すように、黒さや映り込みについては、ギラツキ程の粒子径との相関性はみられないことがわかる。
図11は、異なるブラスト粒子を用いた場合の、外観と表面粗さパラメータの相関性を示すグラフであり、(1)は黒さと傾斜角、(2)は映り込みと傾斜角、(3)は黒さと最大山高さ(Rp)、(4)は映り込みと最大山高さ(Rp)の関係を示している。用いたブラスト粒子は、何れもガラスとアルミナの2種類である。
図11(2)に示すように、映り込みと傾斜角の関係は、用いたブラスト粒子がガラスとアルミナの何れの場合でもほぼ同等の結果となった。また、図11(4)に示すように、映り込みと最大山高さ(Rp)の関係についても、用いたブラスト粒子がガラスとアルミナの何れの場合でもほぼ同等の結果となった。
これに対して、図11(1)に示すように、黒さと傾斜角の関係は、ブラスト粒子としてガラスを用いた場合の方が、アルミナを用いた場合よりも、より黒いという結果となった。また、図11(3)に示すように、黒さと最大山高さ(Rp)の関係は、ブラスト粒子としてガラスを用いた場合の方が、アルミナを用いた場合よりも、より黒いという結果となった。これは、ブラスト粒子によって比重が異なるため入り込む深さによる差があるものと推察される。この場合、ガラスとアルミナではガラスの方が深く入りこむため黒く見えると考えられる。
以上より、ギラツキについては、凹凸形状との相関性がなく、ブラスト粒子径のみ相関がみられた。表面粗さのパラメータの中には、凹凸のピッチを示すパラメータとして、要素の平均長さ(Rsm)が存在するが、ブラスト後の表面は凹凸形状が何層も重なり合っているため、Rsmがブラスト粒子径を端的に表していないものと推察される。
また、黒さと映り込みは、ほぼトレードオフの関係であり、特に表面粗さの高さ方向パラメータ(傾斜角と深さ)との相関が強く、粒子径が大きくなるほど黒さのレベルが向上することがわかった。
図1は、ブラスト材が球形ビーズと仮定した場合の模式図である。図2は、本発明のアンチグレアフィルムの凹凸断面の模式図である。ブラスト粒子の粒径Dは直径であり、D=2Rである。また、図1と図2において、径d、深さh、傾斜角θは同じものである。ベースフィルム(基材)上の凸面樹脂層(AG層)は、紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形されたものである。
凸面樹脂層(AG層)のランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲は8μm未満、深さhの範囲が0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θの範囲が50°より大きく75°未満の範囲内になるように作製している。
以下の実施例では、本発明のアンチグレアフィルムの作製方法の一実施形態について詳細に説明する。
図3は、アンチグレアフィルムの作製プロセスの概念図を示している。
アンチグレアフィルムの作製プロセスでは、図示しない巻出しロールから巻き出されたベースフィルム10aに対して、上面をロール12、下面をロール11で挟持することにより、ロール13の表面からロール12の表面に搬送した紫外線硬化樹脂を、ベースフィルム10aの上面に塗布する。塗布された紫外線硬化樹脂は、ロール11とロール状金型14の挟持部分でベースフィルム10aが押圧され、ロール状金型14の表面に形成された凸凹のパターンと同一のパターンがベースフィルム10aの上面に塗布した紫外線硬化樹脂に形成される。ロール状金型14表面のパターンと同じパターンが形成された紫外線硬化樹脂は、ベースフィルム10aの下面に設けたUVランプから照射される紫外線により硬化する。このようにして得られたベースフィルム10aは、ロール15によりロール状金型14からリリースされ、ベースフィルム上にアンチグレア層(AG層)が形成されたコーティングフィルム10bとなる。
ここで、ベースフィルムは、PET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルムが好適に用いることができる。
このように、アンチグレアフィルムの作製プロセスは、ロール状金型14を用いて、透明基材のベースフィルム表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形し、転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、ベースフィルム表面に微細な凹凸形状の樹脂層を形成させる。
ロール状金型14は、ブラスト粒子を衝打して作製される。
ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際のブラスト粒子は、金属酸化物粒子(例えばSiOやAlなど)で、略真球のものを用い、その粒径Dは20μm未満に調製する。ブラスト粒子の粒径Dが20μm以上であると、ロール状金型表面の球状凹凸面の径が8μmよりも大きくなりやすい傾向があり、目的とするアンチグレアフィルム表面の球状凹凸面の径を小さく均一にすることが難しい。
図4~6は、ブラスト粒子径とロール状金型における球面状凹面の径dの相関、深さhの相関、傾斜角θの相関を示すグラフをそれぞれ示している。それぞれのグラフでは、ヘイズ(Hz)が10%、30%のものをプロットしている。ヘイズはブラストの圧力、ノズル径、ブラスト粒子の種類によって調整している。
各種測定に用いた測定装置の情報を下記に示す。
像鮮明度の測定には、スガ試験機の写像性測定器(型番:ICM-1T)スリット幅1mmを用いた。また、ヘイズの測定には、スガ試験機のヘイズメータ(型番Hz-2)を用いた。なお、ギラツキの評価は、目視で確認を行った。
ブラスト粒子径を20μm未満としロール状金型を作製し、上述の作製方法を用いて、ヘイズ(Hz)値が10%、30%の2種類のフィルムで、かつ、ギラツキが低減されたフィルムを作製し、それらの特性を測定した結果を図4~6に示す。
先ず、ロール状金型における球面状凹面の径dは、図4のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが20μm未満の場合、ヘイズ(Hz)10%では6μm未満であり、ヘイズ(Hz)30%では7μm未満である。
これから、ブラスト粒子径が20μm未満の場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の径dの範囲は8μm未満であることがわかる。
次に、ロール状金型における球面状凹面の深さhは、図5のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが20μm未満の場合、ヘイズ(Hz)10%では2μm未満であり、ヘイズ(Hz)30%では2.7μm未満である。
これから、ブラスト粒子径が20μm未満の場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の深さhの範囲は2.7μm未満であることがわかる。
また、ロール状金型における球面状凹面の傾斜角θは、図6のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが20μm未満の場合、ヘイズ(Hz)10%では34°以上であり、ヘイズ(Hz)30%では38°以上となっている。
ブラスト粒子径が20μm未満の場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の傾斜角θの範囲は33°以上であることがわかる。球面状凹面の傾斜角θの範囲は35°より大きいことがわかる。
本発明は、防眩フィルムとして有用である。
10a ベースフィルム
10b コーティングフィルム
11,12,13,15 ロール
14 ロール状金型

Claims (9)

  1. ランダム凹凸形状面を有し、前記ランダム凹凸形状の球面状凸面の高さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であり、径dが8μm未満であることを特徴とするアンチグレアフィルム。
  2. 前記径dが3μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のアンチグレアフィルム。
  3. 前記高さhが0.6μmより大きく0.9μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンチグレアフィルム。
  4. 前記傾斜角θが50°より大きく60°未満であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のアンチグレアフィルム。
  5. ランダム凹凸形状面を有し、前記ランダム凹凸形状の球面状凸面の高さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であり、径dが8μm未満であることを特徴とする拡散シート。
  6. 透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、
    ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップと、
    上記ロール状金型を用いて透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップと、
    転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップと、
    を備える方法において、
    前記ブラスト粒子の粒径Dを小さくすることにより、前記透明基材表面のギラツキを低減することを特徴とする光学フィルムの作製方法。
  7. 前記ブラスト粒子の粒径Dが20μm未満であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの作製方法。
  8. 前記ロール状金型は、
    前記凹凸形状の球面状凹面の径dが8μm未満、深さhが0.5μmより大きく1μm未満、傾斜角θが50°より大きく75°未満であることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学フィルムの作製方法。
  9. 前記径dが3μm未満であり、
    前記深さhの範囲が0.6μmより大きく0.9μm未満であり、
    前記傾斜角θの範囲が50°より大きく60°未満である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の光学フィルムの作製方法。
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