JP2016012095A - ギラツキ低減アンチグレアフィルムおよびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ギラツキによる視認性の低下が十分に防止され、70%以上の透過鮮明度を有するアンチグレアフィルムとその作製方法を提供する。
【解決手段】本発明のアンチグレアフィルムは、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm、高さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°、表面粗さRaの範囲が、0.05〜0.3μmであり、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備え、ギラツキを低減する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のアンチグレアフィルムは、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm、高さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°、表面粗さRaの範囲が、0.05〜0.3μmであり、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備え、ギラツキを低減する。
【選択図】図1
Description
本発明は、70%以上の透過鮮明度を有し、ギラツキを低減できるアンチグレアフィルムに関するものである。
パソコンや液晶テレビなどの液晶パネルの表示面側には偏光板があり、偏光板は偏光フィルムとそれを支持するTAC(トリアセチルセルロース)フィルムで構成されている。TACフィルムの表面には液晶パネルの視認性向上のために様々なコーティング処理がされており、特に、眩しさを防ぐ防眩処理技術であるAG(アンチグレア)コーティングが必須とされている。
従来の防眩処理のAGコーティングでは、TACフィルムの表面にコロナ処理やプラズマ処理を施し、次いで、フィラー(シリカ)などの微粒子を混ぜたアクリル樹脂および有機溶剤を、TACフィルムの表面に塗布・乾燥する工程を数回繰り返して、凹凸の形状をTACフィルム表面上に形成し、防眩効果を得ている。しかしながら、従来のAGコーティングでは、乾燥炉の設置や塗布・乾燥工程の繰り返しが必要となるため、大規模な製造設備が必要であり、また処理工数が多いといったコスト面の課題がある。また多量の有機溶剤の使用や、フィラー凝集によるムラや欠点の発生など環境面や品質面で多くの課題がある。
一方、従来から、金型表面に凹凸を形成し、紫外線硬化樹脂や熱可塑性樹脂を用いてTACフィルム上に金型の凹凸を転写成形し、AGコーティングを行う方法も知られているが(例えば、特許文献1〜3を参照。)、白く光って見えるスポット欠点やシミなどの外観欠点が多く問題を抱えているのが実情である。
上述したように、従来のAGコーティングは設備コストが高く、多量の有機溶剤を使用するため環境負荷となっている。また、微粒子の凝集などにより欠点やムラの発生や、低ヘイズのフィルムの生産が難しいなど品質面の問題点がある。ここで、ヘイズとは透明性を示す値で、対象基材の散乱光線透過率を全光線透過率で割ったものを百分率で表したものである。ヘイズ値が小さいほど透明性が高いことを表す。また、像鮮明度は透明フィルムや、プラスチック等を透過してみることのできる物体の像の鮮明度を表す尺度で、試験片の透過光または試験片からの反射光の光線軸に直交する光学櫛を移動させて、光線軸上に櫛の透過部分がある時の光量(M)と、櫛の遮光部分があるとき光量(m)を求め、両者の差(M−m)と和(M+m)との比率で表したものである。
また、従来のAGコーティングによる防眩フィルムは、ギラツキ、白く光って見える白ちゃけ(白点欠点)や、映り込みの問題があり、防眩効果に悪影響を及ぼしている。特に、ギラツキはアンチグレアの表面が粗く、画像がゆがみギラギラ見える現象であるが、高精細のディスプレイの画面上では顕著に現れ、画像のゆがみによる違和感や長時間の目視による疲れを生じる。このため、ギラツキを低減するための早急な改善が必要である。
上記状況に鑑みて、本発明は、ギラツキによる視認性の低下が十分に防止され、70%以上の透過鮮明度を有するアンチグレアフィルムとその作製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルムは、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、下記1),2)の技術的特徴を備え、ギラツキを低減する。
1)ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm、高さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°であり、表面粗さRaの範囲が0.05〜0.25μmである。
2)70%以上の透過鮮明度の光学特性を有する。
1)ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm、高さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°であり、表面粗さRaの範囲が0.05〜0.25μmである。
2)70%以上の透過鮮明度の光学特性を有する。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルムでは、光学フィルム基材表面において、ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm(より好ましい範囲は4〜10μm)、高さhの範囲が1〜4μm(より好ましい範囲は1.5〜3.5μm)、勾配角θの範囲が20〜50°(より好ましい範囲は30〜40°)であり、表面粗さRaの範囲が0.05〜0.3μm(より好ましい範囲は0.05〜0.25μm)である。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルムは、ノンフィラータイプであり、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸を転写成形して作製される。この金型表面の凹部を形成するのにブラスト粒子を衝打させるが、従来と比べて、小粒径でばらつきの小さいブラスト材を用いることにより、金型表面の凹部の径が小さくばらつきの少ない凹部を形成でき、凹部の勾配が大きくなり、ギラツキを低減する。
本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルムは、ノンフィラータイプであり、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸を転写成形して作製される。この金型表面の凹部を形成するのにブラスト粒子を衝打させるが、従来と比べて、小粒径でばらつきの小さいブラスト材を用いることにより、金型表面の凹部の径が小さくばらつきの少ない凹部を形成でき、凹部の勾配が大きくなり、ギラツキを低減する。
次に、本発明のギラツキ低減アンチグレアフィルムの作製方法について説明する。本発明のアンチグレアフィルムの作製方法は、下記a)〜d)のステップを備える。
a)透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップ
b)ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップ
c)ブラスト粒子を衝打したロール状金型を用いて、透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップ
d)転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップ
a)透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップ
b)ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップ
c)ブラスト粒子を衝打したロール状金型を用いて、透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップ
d)転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップ
上記b)のステップで用いるロール状金型は、凹凸形状の球面状凹面の径dの範囲が3〜12μm(より好ましい範囲は4〜10μm)、深さhの範囲が1〜4μm(より好ましい範囲は1.5〜3.5μm)、勾配角θの範囲が20〜50°(より好ましい範囲は30〜40°)であるように作製される。
上記の作製方法で、作製されたアンチグレアフィルムは、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備える。
上記の作製方法で、作製されたアンチグレアフィルムは、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備える。
上記b)のステップにおいて、ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際、ブラスト粒子の粒径Dが10〜40μmである。
また、ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際、ロール状金型に衝打させるブラスト粒子の吐出しエアー圧力を一定に制御し、ロール金型の表面粗さを制御して、凹凸形状面の表面粗さ(Ra)の範囲を0.05〜0.3μmになるようにする。
また、ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際、ロール状金型に衝打させるブラスト粒子の吐出しエアー圧力を一定に制御し、ロール金型の表面粗さを制御して、凹凸形状面の表面粗さ(Ra)の範囲を0.05〜0.3μmになるようにする。
ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際、ロール状金型に衝打させるブラスト粒子の吐出しエアー圧力を一定に制御し、ロール状金型の表面粗さを制御することにより、アンチグレアフィルムのヘイズを安定化させることができる。すなわち、ブラスト粒子の吐出量に対応するエアー流量はロール状金型表面の表面粗さに対応するので、エアー圧力を制御することにより、安定した表面粗さを得ることができ、ヘイズを安定化する。これにより、ギラツキを低減して、高透過鮮明度のアンチグレアフィルムを得る。
ここで、ブラスト粒子の形状は、略真球のものを用いる。ロール金型表面にある一定以上の大きさの白点を軽減し、高品質なアンチグレアフィルムを得ることができるからである。ブラスト粒子を目的とする所定範囲の粒径に分球する際、例えば、所定の開口径を有するメッシュを用いて、所定範囲の粒径に分球するが、その際、ブラスト粒子が細長い形状である場合、ブラスト粒子の姿勢方向によっては、所定の開口径のメッシュの開孔を通り抜けてしまうことが生じる。このため、略真球のものを更に選別して用いる必要がある。
本発明のアンチグレアフィルムは、球状凹凸面の径が小さく均一であり、表面粗さが小さいためギラツキを低減でき、70%以上の透過鮮明度を備えるため、画像の鮮明度に優れるといった効果を有する。
また、本発明のアンチグレアフィルムは、ノンフィラータイプであり、外部ヘイズだけで凹凸面が形成されているため、像鮮明度が高いといった効果を有する。
また、本発明のアンチグレアフィルムは、ノンフィラータイプであり、外部ヘイズだけで凹凸面が形成されているため、像鮮明度が高いといった効果を有する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、本発明のアンチグレアフィルムの凹凸断面の模式図である。ベースフィルム(基材)上の凸面樹脂層(AG層)は、紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形されたものである。
凸面樹脂層(AG層)のランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲は3〜12μm、深さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°の範囲内になるように作製している。
以下の実施例では、本発明のアンチグレアフィルムの作製方法の一実施形態について詳細に説明する。
凸面樹脂層(AG層)のランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲は3〜12μm、深さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°の範囲内になるように作製している。
以下の実施例では、本発明のアンチグレアフィルムの作製方法の一実施形態について詳細に説明する。
図2は、アンチグレアフィルムの作製プロセスの概念図を示している。
アンチグレアフィルムの作製プロセスでは、図示しない巻出しロールから巻き出されたベースフィルム10aに対して、上面をロール12、下面をロール11で挟持することにより、ロール13の表面からロール12の表面に搬送した紫外線硬化樹脂を、ベースフィルム10aの上面に塗布する。塗布された紫外線硬化樹脂は、ロール11とロール状金型14の挟持部分でベースフィルム10aが押圧され、ロール状金型14の表面に形成された凸凹のパターンと同一のパターンがベースフィルム10aの上面に塗布した紫外線硬化樹脂に形成される。ロール状金型14表面のパターンと同じパターンが形成された紫外線硬化樹脂は、ベースフィルム10aの下面に設けたUVランプから照射される紫外線により硬化する。このようにして得られたベースフィルム10aは、ロール15によりロール状金型14からリリースされ、ベースフィルム上にアンチグレア層(AG層)が形成されたコーティングフィルム10bとなる。
ここで、ベースフィルムは、PET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルムが好適に用いることができる。
アンチグレアフィルムの作製プロセスでは、図示しない巻出しロールから巻き出されたベースフィルム10aに対して、上面をロール12、下面をロール11で挟持することにより、ロール13の表面からロール12の表面に搬送した紫外線硬化樹脂を、ベースフィルム10aの上面に塗布する。塗布された紫外線硬化樹脂は、ロール11とロール状金型14の挟持部分でベースフィルム10aが押圧され、ロール状金型14の表面に形成された凸凹のパターンと同一のパターンがベースフィルム10aの上面に塗布した紫外線硬化樹脂に形成される。ロール状金型14表面のパターンと同じパターンが形成された紫外線硬化樹脂は、ベースフィルム10aの下面に設けたUVランプから照射される紫外線により硬化する。このようにして得られたベースフィルム10aは、ロール15によりロール状金型14からリリースされ、ベースフィルム上にアンチグレア層(AG層)が形成されたコーティングフィルム10bとなる。
ここで、ベースフィルムは、PET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルムが好適に用いることができる。
このように、アンチグレアフィルムの作製プロセスは、ロール状金型14を用いて、透明基材のベースフィルム表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形し、転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、ベースフィルム表面に微細な凹凸形状の樹脂層を形成させる。
ロール状金型14は、ブラスト粒子を衝打して作製される。
ロール状金型14は、ブラスト粒子を衝打して作製される。
ロール状金型にブラスト粒子を衝打する際のブラスト粒子は、金属酸化物粒子(例えばSiO2やAl2O3など)で、略真球のものを用い、その粒径Dは10〜40μmに調製する。ブラスト粒子の粒径Dが40μmより大きいと、ロール状金型表面の球状凹凸面の径が3〜15μmの範囲外となりやすい傾向があり、目的とするアンチグレアフィルム表面の球状凹凸面の径を小さく均一にすることが難しい。
また、10μm以下の小粒子はブラスト粒子を衝打させる際、エアーを受ける表面積が小さいため、十分加速されず、所望の凹形状を得ることができないため、防眩性を満足するヘイズが得られない。
また、10μm以下の小粒子はブラスト粒子を衝打させる際、エアーを受ける表面積が小さいため、十分加速されず、所望の凹形状を得ることができないため、防眩性を満足するヘイズが得られない。
図3〜7は、ブラスト粒子径とロール状金型における球面状凹面の径dの相関、深さhの相関、表面粗さRaの相関、勾配角θの相関、像鮮明度の相関を示すグラフをそれぞれ示している。それぞれのグラフでは、ヘイズ(Hz)が10%、30%、50%のものをおプロットしている。ヘイズはブラストの圧力、ノズル径、ブラスト粒子の種類によって調整している。
図8に示すように、10〜40μmの範囲の径のブラスト粒子では、粒子径にかかわらず、ヘイズ(Hz)を10〜80%の範囲で揃えることは可能であるが、極端に小粒子(例えば、10μm以下)のものは圧力が十分かからず高ヘイズ化が困難である。
図8に示すように、10〜40μmの範囲の径のブラスト粒子では、粒子径にかかわらず、ヘイズ(Hz)を10〜80%の範囲で揃えることは可能であるが、極端に小粒子(例えば、10μm以下)のものは圧力が十分かからず高ヘイズ化が困難である。
各種測定に用いた測定装置の情報を下記に示す。
像鮮明度の測定には、スガ試験機の写像性測定器(型番:ICM−1T)スリット幅1mmを用いた。また、ヘイズの測定には、スガ試験機のヘイズメータ(型番Hz−2)を用いた。なお、ギラツキの評価は、目視で確認を行った。
像鮮明度の測定には、スガ試験機の写像性測定器(型番:ICM−1T)スリット幅1mmを用いた。また、ヘイズの測定には、スガ試験機のヘイズメータ(型番Hz−2)を用いた。なお、ギラツキの評価は、目視で確認を行った。
ブラスト粒子径を10〜40μmとしロール状金型を作製し、上述の作製方法を用いて、ヘイズ(Hz)値が10%、30%、50%の3種類のフィルムで、かつ、ギラツキが低減されたフィルムを作製し、それらの特性を測定した結果を図3〜7に示す。
先ず、ロール状金型における球面状凹面の径dは、図3のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では3〜10μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)30%では4〜10μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)50%では7〜12μmの範囲である。なお、ヘイズ(Hz)50%の場合、図8に示すように、ブラスト粒子径が10μmでは作製できないことから、図3のグラフにおけるヘイズ(Hz)50%のプロットが10μmの小粒径では現れていない。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の径dの範囲は3〜12μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の径dの範囲は4〜10μmがより好ましいことになる。
先ず、ロール状金型における球面状凹面の径dは、図3のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では3〜10μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)30%では4〜10μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)50%では7〜12μmの範囲である。なお、ヘイズ(Hz)50%の場合、図8に示すように、ブラスト粒子径が10μmでは作製できないことから、図3のグラフにおけるヘイズ(Hz)50%のプロットが10μmの小粒径では現れていない。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の径dの範囲は3〜12μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の径dの範囲は4〜10μmがより好ましいことになる。
次に、ロール状金型における球面状凹面の深さhは、図4のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では1〜2.5μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)30%では2〜3μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)50%では3〜4μmの範囲である。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の深さhの範囲は1〜4μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の深さhの範囲は1.5〜3.5μmがより好ましいことになる。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の深さhの範囲は1〜4μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の深さhの範囲は1.5〜3.5μmがより好ましいことになる。
また、ロール状金型における球面状凹面の表面粗さRaは、図5のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では0.03〜0.15μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)30%では0.07〜0.2μmの範囲であり、ヘイズ(Hz)50%では0.18〜0.3μmの範囲である。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の表面粗さRaの範囲は0.03〜0.3μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の表面粗さRaの範囲は0.05〜0.25μmがより好ましいことになる。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の表面粗さRaの範囲は0.03〜0.3μmであることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の表面粗さRaの範囲は0.05〜0.25μmがより好ましいことになる。
また、ロール状金型における球面状凹面の勾配角θは、図6のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では20〜40°の範囲であり、ヘイズ(Hz)30%では30〜45°の範囲であり、ヘイズ(Hz)50%では30〜50°の範囲である。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の勾配角θの範囲は20〜50°であることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の勾配角θの範囲は30〜40°がより好ましいことになる。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルム作製に好適なロール状金型における球面状凹面の勾配角θの範囲は20〜50°であることがわかる。プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、球面状凹面の勾配角θの範囲は30〜40°がより好ましいことになる。
このようなロール状金型を用いて作製したフィルムにおける像鮮明度は、図7のグラフに示すように、ブラスト粒子径Dが10〜40μmの範囲の場合、ヘイズ(Hz)10%では80〜100%であり、ヘイズ(Hz)30%では78〜98%であり、ヘイズ(Hz)50%では50〜78%である。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルムの像鮮明度は、プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、70〜100%となる。
これから、ブラスト粒子径10〜40μmの場合、ギラツキが低減されたフィルムの像鮮明度は、プロットの勾配が小さい範囲を安定的であると考えると、70〜100%となる。
図9(1)に、作製したフィルムの表面拡大図を示す。また、比較用に、図9(2)に、従来のビーズ添加タイプのアンチグレアフィルムの表面拡大図を示す。
図9(1)に示すフィルムの表面拡大図からわかるように、本実施例では、ブラスト粒子径10〜40μmの小粒子で、かつ、ばらつきの小さいブラスト粒子を用いることにより、ロール状金型の表面上に径が小さくばらつきの少ない凹部を形成でき、この金型を用いて作製したフィルムは、ギラツキが低減でき、高い透過鮮明度を備える。
図9(1)に示すフィルムの表面拡大図からわかるように、本実施例では、ブラスト粒子径10〜40μmの小粒子で、かつ、ばらつきの小さいブラスト粒子を用いることにより、ロール状金型の表面上に径が小さくばらつきの少ない凹部を形成でき、この金型を用いて作製したフィルムは、ギラツキが低減でき、高い透過鮮明度を備える。
本発明は、防眩フィルムとして有用である。
11,12,13,15 ロール
14 ロール状金型
14 ロール状金型
Claims (5)
- 光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、
前記ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が3〜12μm、高さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°、表面粗さRaの範囲が、0.05〜0.3μmであり、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備えることを特徴とする、ギラツキ低減アンチグレアフィルム。 - 光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、
前記ランダム凹凸形状の球面状凸面の径dの範囲が4〜10μm、高さhの範囲が1.5〜3.5μm、勾配角θの範囲が30〜40°であり、表面粗さRaの範囲が、0.05〜0.25μmであり、70%以上の透過鮮明度の光学特性を備えることを特徴とする、ギラツキ低減アンチグレアフィルム。 - 透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、
ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップと、
上記ロール状金型を用いて透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップと、
転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップと、
を備える方法において、
前記ロール状金型にブラスト粒子を衝打させる際、前記ブラスト粒子の粒径Dの範囲が10〜40μmであり、
前記ロール状金型は、
前記凹凸形状の球面状凹面の径dの範囲が3〜12μm、深さhの範囲が1〜4μm、勾配角θの範囲が20〜50°であることを特徴とする、ギラツキ低減アンチグレアフィルムの作製方法。 - 透明基材表面に紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、
ブラスト粒子を衝打させて表面が凹凸形状のロール状金型を作製するステップと、
上記ロール状金型を用いて透明基材表面に塗布した紫外線硬化樹脂を転写成形するステップと、
転写成形した紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて、透明基材表面に微細な凹凸形状を形成させるステップと、
を備える方法において、
前記ロール状金型にブラスト粒子を衝打させる際、前記ブラスト粒子の粒径Dの範囲が10〜40μmであり、
前記ロール状金型は、
前記凹凸形状の球面状凹面の径dの範囲が4〜10μm、深さhの範囲が1.5〜3.5μm、勾配角θの範囲が30〜40°であることを特徴とする、ギラツキ低減アンチグレアフィルムの作製方法。 - 上記のロール状金型を作製するステップにおいて、前記ブラスト粒子の形状は、略真球であることを特徴とする請求項3又は4に記載のギラツキ低減アンチグレアフィルムの作製方法。
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