JP2024048918A - ノイズ対策部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型の機器や狭い場所へ取り付け可能なノイズ対策部材を製造でき、その製造時に磁性体コアの破損を抑制可能な製造方法を提供する。【解決手段】ノイズ対策部材は、磁性体コアと、モールド部材と、を備える。磁性体コアは、肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有する。モールド部材を成形する際には、磁性体コアに保持ピンを接触させて、磁性体コアを保持する。薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、充填体積Cとモールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。【選択図】図1

Description

本開示は、ノイズ対策部材の製造方法に関する。
磁性体コアを備えるノイズ対策部材において、樹脂製のモールド部材によって磁性体コアをモールドする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなノイズ対策部材では、磁性体コアとして、フェライト焼結体が利用される場合がある。
特開2020-005043号公報
上述のようにフェライト焼結体を樹脂モールドする場合、磁性体コアの内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚は、概ね5mm以上とされるのが一般的である。しかし、このようなフェライト焼結体を利用して、磁性体コアの内周側及び外周側に樹脂モールドが付加されると、ノイズ対策部材全体としては、相応にかさ高い構造になる。そのため、このようなノイズ対策部材では、薄型の機器や狭い場所に取り付けることが難しい場合がある。
そこで、本件発明者は、磁性体コアの肉厚を5mm未満にすることを検討している。しかし、磁性体コアの肉厚を5mm未満にする場合、磁性体コアを配置した金型内に溶融樹脂が射出されると、磁性体コアに作用する圧力により、磁性体コアに亀裂が生じる等、磁性体コアの破損を招くことがあった。磁性体コアが破損した場合、ノイズ対策部材としての性能が低下するおそれがある。
本開示の一局面においては、薄型の機器や狭い場所へ取り付け可能なノイズ対策部材を製造でき、その製造時に磁性体コアの破損を抑制可能な製造方法を提供することが望ましい。
以下、本開示の構成について説明する。
(1)本開示の一態様は、ノイズ対策部材の製造方法であって、ノイズ対策部材は、磁性体コアと、モールド部材と、を備える。磁性体コアは、磁性材料の焼結体によって構成され、内周側を貫通する位置に導体を配置可能な形状とされる。モールド部材は、樹脂材料によって形成され、磁性体コアをモールドするように構成される。磁性体コアは、内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有する。モールド部材は、薄肉部の内周側をモールドする部分と薄肉部の外周側をモールドする部分とが、樹脂材料によって一体成形された一体成形品とされている。モールド部材を成形する際には、金型内へ樹脂材料を射出する前に、金型内に配置された磁性体コアに保持ピンを接触させて、磁性体コアを金型内で保持する。金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、金型に充填された樹脂材料の体積である充填体積Cとモールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。
このように構成されるノイズ対策部材の製造方法によれば、上述のようなノイズ対策部材を製造することができる。特に、この製造方法では、金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、充填体積率Eが、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。そのため、保持ピンを退避させないまま、薄肉部の内周側への樹脂材料の充填を完了する場合に比べ、薄肉部において磁性体コアに亀裂が生じるのを抑制することができる。
なお、本開示のノイズ対策部材の製造方法は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
(2)本開示の一態様では、金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについて、充填体積率Eが、60≦E≦80を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させてもよい。
(3)本開示の一態様では、射出成形機が備えるスクリューの軸方向に垂直な断面の面積A、スクリューの軸方向への移動速度に相当する射出速度B、及びスクリューの軸方向への移動時間に相当する射出時間tに基づいて、充填体積C=A×B×tが算出されてもよい。
(4)本開示の一態様では、保持ピンは、薄肉部に接触する際、薄肉部の外周側にある、薄肉部の肉厚方向に垂直な面に対して接触するように構成されていてもよい。
図1Aは第1実施形態のノイズ対策部材を右前上方から見た斜視図である。図1Bは第1実施形態のノイズ対策部材を右後上方から見た斜視図である。図1Cは第1実施形態のノイズ対策部材の内部構造を示す斜視図である。図1Dは第1実施形態のノイズ対策部材の内部構造の一部を抜粋して示す斜視図である。 図2Aは第1実施形態のノイズ対策部材の平面図である。図2Bは第1実施形態のノイズ対策部材の正面図である。図2Cは第1実施形態のノイズ対策部材の右側面図である。図2Dは第1実施形態のノイズ対策部材の背面図である。図2Eは第1実施形態のノイズ対策部材の底面図である。 図3Aは第2実施形態のノイズ対策部材を右前上方から見た斜視図である。図3Bは第2実施形態のノイズ対策部材を左後上方から見た斜視図である。図3Cは第2実施形態のノイズ対策部材の内部構造を示す斜視図である。図3Dは第2実施形態のノイズ対策部材の使用状態を示す斜視図である。 図4Aは第2実施形態のノイズ対策部材の平面図である。図4Bは第2実施形態のノイズ対策部材の左側面図である。図4Cは第2実施形態のノイズ対策部材の正面図である。図4Dは第2実施形態のノイズ対策部材の右側面図である。図4Eは第2実施形態のノイズ対策部材の底面図である。
次に、上述のノイズ対策部材の製造方法について、例示的な実施形態を挙げて説明する。
(1)第1実施形態
以下、第1実施形態について説明する。図1A、図1B、図1C及び図1Dに示すように、ノイズ対策部材1は、磁性体コア3と、カラー5と、モールド部材7と、導体9とを備える。以下の説明においては、ノイズ対策部材1が備える各部の相対的な位置や向きを簡潔に説明するため、図中に併記した前後左右上下の各方向を利用して説明を行う。これらの各方向は、ノイズ対策部材1の正面図(図2B参照。)に表れる箇所が向けられる方向を前、背面図(図2D参照。)に表れる箇所が向けられる方向を後、左側面図(図示略。左側面図は右側面図と同一に表れる。)に表れる箇所が向けられる方向を左、右側面図(図2C参照。)に表れる箇所が向けられる方向を右、平面図(図2A参照。)に表れる箇所が向けられる方向を上、底面図(図2E参照。)に表れる箇所が向けられる方向を下、と規定する方向である。
磁性体コア3は、磁性材料の焼結体(本実施形態の場合は、フェライトの焼結体。)によって構成されている。磁性体コア3は、内周側を貫通する位置に導体9を配置可能な形状とされる。本実施形態の場合、磁性体コア3は、軸方向に垂直な断面形状が長円形となる扁平な筒状に構成され、その軸方向が図中でいう前後方向に向けられている。そのため、図中でいう前後方向に延びる導体9を、内周側を貫通する位置に配置することができる。
磁性体コア3は、磁性体コア3の内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部3Aを有する。本実施形態の場合、磁性体コア3は、全周にわたって肉厚が4.0mmとされている。すなわち、実施形態の場合は、磁性体コア3全体が薄肉部3Aとなっている。
カラー5は、金属材料(例えばステンレス鋼。)によって形成されている。カラー5は、円筒状の部材で、例えばノイズ対策部材1をボルトで所定の取付位置に固定する際には、ボルトの軸がカラー5の内周側に通される。
導体9は、銅合金製の板状導体(バスバー)である。導体9の長手方向(図中でいう前後方向。)の中央付近には、導体9の幅方向(図中でいう左右方向。)へ突出する突起13が設けられている。この突起13により、導体9がモールド部材7に対して相対的に前後方向へ変位するのを抑制している。
モールド部材7は、樹脂材料(例えばポリアミド。)によって形成され、磁性体コア3,カラー5及び導体9をモールドするように構成される。モールド部材7は、薄肉部3Aの内周側をモールドする部分と薄肉部3Aの外周側をモールドする部分とが、樹脂材料によって一体成形された一体成形品とされている。
モールド部材7には、図2C、図2D及び図2E等に表れるように、左位置決め凹部21、右位置決め凹部22、第1下位置決め凹部23、第2下位置決め凹部24、第3下位置決め凹部25、第4下位置決め凹部26、第1後位置決め凹部27及び第2後位置決め凹部28などが形成されている。
左位置決め凹部21、右位置決め凹部22、第1下位置決め凹部23、第2下位置決め凹部24、第3下位置決め凹部25、第4下位置決め凹部26、第1後位置決め凹部27及び第2後位置決め凹部28は、金型(図示略。)でモールド部材7を成形する際に、金型内において磁性体コア3を所定の位置に位置決めした状態で保持する保持部(図示略。)が磁性体コア3に接触していた箇所である。
左位置決め凹部21及び右位置決め凹部22において磁性体コア3に接触する保持部は、磁性体コア3の左右方向の位置を位置決めする。第1後位置決め凹部27及び第2後位置決め凹部28において磁性体コア3に接触する保持部は、磁性体コア3の前後方向の位置を位置決めする。
本実施形態においては、金型内における樹脂材料の流動経路が、磁性体コア3の前方から後方へと向かうように構成されている。そのため、磁性体コア3は、樹脂材料によって後方へと押される状態になり、第1後位置決め凹部27及び第2後位置決め凹部28において保持部が磁性体コア3に接触すれば、磁性体コア3の前後方向の位置を位置決めすることができる。
第1下位置決め凹部23、第2下位置決め凹部24、第3下位置決め凹部25及び第4下位置決め凹部26において磁性体コア3に接触する保持部は、磁性体コア3の上面側に接触する保持ピン(図示略。)と協働して磁性体コア3の上下方向の位置を位置決めする。磁性体コア3の上面側に接触する保持ピンは、図1A、図1B及び図2Aに破線で示した箇所において、金型内を上下方向に進退可能に構成されている。
そのため、保持ピンは、薄肉部3Aに接触する際、薄肉部3Aの外周側にある、薄肉部3Aの肉厚方向に垂直な面に対して接触する。モールド部材7を成形する際には、金型内へ樹脂材料を射出する前に、保持ピンを下方へと移動させて、金型内に配置された磁性体コア3に保持ピンを接触させる。これにより、磁性体コア3は、上下方向の位置が位置決めされた状態で金型内に保持される。
金型内へ樹脂材料を射出する際には、樹脂材料の射出を開始した後、薄肉部3Aの内周側への樹脂材料の充填が完了する前に、保持ピンを上方へと移動させて、薄肉部3Aから離れる位置へと退避させる。より詳しくは、金型内へ樹脂材料を射出する際の工程には、あらかじめ設定された量の樹脂材料を金型内へ射出する射出工程と、射出工程の完了後に、金型内の樹脂材料に対して圧力をかける保圧工程とが含まれる。
本実施形態の場合、射出工程では、速度制御によって樹脂材料が射出され、事前に設定された速度で射出成形機のスクリューが駆動され、その結果、スクリュー駆動量に応じた量の樹脂材料が射出される。本実施形態の場合、射出工程は約0.24秒である。スクリューが駆動された結果、スクリューが所定の切り替え位置に到達したら、その後は速度制御から圧力制御に切り替えられて、保圧工程に移行する。保圧工程では、金型内の樹脂材料に対し、事前に設定された圧力をかけて、その状態を維持する。本実施形態の場合、保圧工程は約2秒である。
以上のような工程のうち、上述の保持ピンは、射出工程において上方へと退避する。保持ピンを退避させるための具体的な手段は任意であり、例えば、シリンダー等の動力源から動力を伝達して能動的に保持ピンを作動させればよい。保持ピンを上方へ移動させるタイミングは、過度に早いと磁性体コア3の位置ずれを招くおそれがあり、一方、過度に遅いと磁性体コア3に亀裂が生じるおそれがある。
そこで、金型に充填される溶融樹脂の体積(本明細書では充填体積Cと称する。)とモールド部材7の体積Dとに基づき、充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100を算出し、充填体積率Eと保持ピンを上方へ移動させるタイミングとの関係を検証した。充填体積Cについては、射出成形機が備えるスクリューの軸方向に垂直な断面の面積A、スクリューの軸方向への移動速度に相当する射出速度B、及びスクリューの軸方向への移動時間に相当する射出時間tに基づき、充填体積C=A×B×tを算出することができる。
充填体積率Eは、射出開始から射出完了までの時間経過に伴って0%から100%まで変化する値となる。充填体積率EがEx%になるときの充填体積Cxは、Cx=D×(Ex/100)である。したがって、充填体積Cx=D×(Ex/100)となる射出時間txは、tx=Cx/(A×B)であり、tx=D×(Ex/100)/(A×B)である。
以下の検証実験では、上記関係式:tx=D×(Ex/100)/(A×B)に基づき、充填体積率EがEx=50%、60%、70%、80%、90%、100%となる射出時間txを算出した。そして、モールド部材7を成形する際には、上記各射出時間txになったタイミングで保持ピンを上方へと移動させ、Ex=50%、60%、70%、80%、90%、100%に対応する6つの供試体を作成した。
これら6つの供試体について、(A)磁性体コア3の割れ・ずれ、(B)モールド部材7の樹脂外観、(C)モールド部材7の樹脂強度、を評価した。上記(A)については、モールド部材7の一部乃至は全部を剥ぎ取って、磁性体コア3の割れ・ずれを目視で確認し、割れ及びずれがない場合は「A」、割れ又はずれがある場合は「C」と評価した。上記(B)については、モールド部材7の外観を目視で確認し、ピン痕及びウェルド痕無しの場合は「A」、ウェルド痕ありの場合は「B」、ピン痕ありの場合は「C」と評価した。上記(C)については、供試体に対し、冷熱衝撃試験機で-40℃/125℃の温度変化を加え、1000h後のモールド部材7の外観を目視で確認し、変化無しの場合は「A」、薄い線が観察された場合は「B」、樹脂にクラックが発生している場合は「C」と評価した。その上で、総合評価としては、3つの評価項目中、3つ全て評価「A」であれば総合評価は「A」、評価「C」はないものの評価「B」があれば総合評価は「B」、1つでも評価「C」があれば総合評価は「C」とした。評価結果を[表1]に示す。
Figure 2024048918000002
上記[表1]中、充填体積率E=50%で保持ピンを移動させた場合は、磁性体コア3に僅かにずれが生じていたので、評価は「C」、総合評価も「C」となった。充填体積率E=60%~80%で保持ピンを移動させた場合は、3つの評価項目全てが「A」となり、総合評価は「A」となった。充填体積率E=90%で保持ピンを移動させた場合は、モールド部材7の表面にウェルド痕が生じ、冷熱衝撃試験後に薄い線が観察されたので、2つの評価項目で「B」となり、総合評価は「B」となった。ウェルド痕等が実用上問題にならない場合は、総合評価「B」の供試体でも性能上の問題はないが、外観も重視される場合には、充填体積率E=60%~80%で保持ピンを移動させる方が好ましいと言える。充填体積率E=100%で保持ピンを移動させた場合は、磁性体コア3に割れが生じていた。また、モールド部材7の表面にはピン痕が残り、冷熱衝撃試験後にクラックの発生も認められた。よって、各項目とも評価は「C」となり、総合評価も「C」となった。
以上の評価結果から、薄肉部3Aに接触する位置にある保持ピンについては、上述の充填体積率Eが、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部3Aから離れる位置へと退避させることが好ましいと言える。また、モールド部材7の外観も重視される場合は、上述の充填体積率Eが、60≦E≦80を満たす値となる期間内に、保持ピンを薄肉部3Aから離れる位置へと退避させることが好ましいと言える。
以上説明した通り、上述のようなタイミングで保持ピンを退避させることにより、薄肉部3Aの肉厚が0.15mm~0.4mmといった極めて薄い形状の磁性体コア3であっても、亀裂の発生を抑制することができる。よって、ノイズ対策部材1のノイズ対策効果を十分に発揮することができる。また、上述のような亀裂の発生を抑制できれば、不良品の発生を抑制できるので、ノイズ対策部材1の生産性を改善することができる。
以上のように構成されるノイズ対策部材1によれば、磁性体コア3の内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部3Aを有する。そのため、肉厚が概ね5mm以上とされるのが一般的であった従来品に比べ、ノイズ対策部材1を薄型化することができる。したがって、このようなノイズ対策部材1であれば、従来品では取り付けが困難であった薄型の機器や狭い場所に対しても、ノイズ対策部材1を取り付けることができる。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態で例示した構成の一部を変更しただけなので、第1実施形態との相違点を中心に詳述し、第1実施形態と同様な部分に関しては、その詳細な説明を省略する。
図3A、図3B及び図3Cに示すように、ノイズ対策部材31は、磁性体コア33と、カラー35と、モールド部材37とを備える。モールド部材37には、前後方向に貫通する貫通孔41(図4C参照。)が形成されている。この貫通孔41には、導体39(例えば、図3Dに示すフラットケーブル。)が通され、これにより導体39が磁性体コア33の内周側を貫通する位置に配置される。
磁性体コア33、カラー35及びモールド部材37は、細部の形状や寸法が第1実施形態とは相違するが、その構成材料等は第1実施形態と同様であり、その機能も第1実施形態と同様である。特に、磁性体コア33は、全周にわたって肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部33Aを有し、この点も第1実施形態と同様である。
モールド部材37には、図4A、図4B、図4D及び図4E等に表れるように、左位置決め凹部51、右位置決め孔部52、第1下位置決め凹部53、第2下位置決め凹部54、第1後位置決め凹部55及び第2後位置決め凹部56などが形成されている。左位置決め凹部51、右位置決め孔部52、第1下位置決め凹部53、第2下位置決め凹部54、第1後位置決め凹部55及び第2後位置決め凹部56は、金型(図示略。)でモールド部材37を成形する際に、金型内において磁性体コア33を所定の位置に位置決めした状態で保持する保持部(図示略。)が磁性体コア33に接触していた箇所である。
左位置決め凹部51及び右位置決め孔部52において磁性体コア33に接触する保持部は、磁性体コア33の左右方向の位置を位置決めする。第1後位置決め凹部55及び第2後位置決め凹部56において磁性体コア33に接触する保持部は、磁性体コア33の前後方向の位置を位置決めする。本実施形態においては、金型内における樹脂材料の流動経路が、磁性体コア33の前方から後方へと向かうように構成されている。そのため、磁性体コア33は、樹脂材料によって後方へと押される状態になり、第1後位置決め凹部55及び第2後位置決め凹部56において保持部が磁性体コア33に接触すれば、磁性体コア33の前後方向の位置を位置決めすることができる。
第1下位置決め凹部53及び第2下位置決め凹部54において磁性体コア33に接触する保持部は、磁性体コア33の上面側に接触する保持ピン(図示略。)と協働して磁性体コア33の上下方向の位置を位置決めする。磁性体コア33の上面側に接触する保持ピンは、図3A、図3B及び図4Aに破線で示した箇所において、金型内を上下方向に進退可能に構成されている。そのため、保持ピンは、薄肉部3Aに接触する際、薄肉部3Aの外周側にある、薄肉部3Aの肉厚方向に垂直な面に対して接触する。モールド部材37を成形する際には、金型内へ樹脂材料を射出する前に、保持ピンを下方へと移動させて、金型内に配置された磁性体コア33に保持ピンを接触させる。これにより、磁性体コア33は、上下方向の位置が位置決めされた状態で金型内に保持される。
このような構成を採用することにより、第1実施形態と同様の工程で、モールド部材37を成形することができる。また、第1実施形態と同様のタイミングで保持ピンを退避させることにより、薄肉部33Aの肉厚が0.15mm~0.4mmといった極めて薄い形状の磁性体コア33であっても、亀裂の発生を抑制することができる。よって、ノイズ対策部材31のノイズ対策効果を十分に発揮することができる。また、上述のような亀裂の発生を抑制できれば、不良品の発生を抑制できるので、ノイズ対策部材31の生産性を改善することができる。
以上のように構成されるノイズ対策部材31によれば、磁性体コア33の内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部33Aを有する。そのため、肉厚が概ね5mm以上とされるのが一般的であった従来品に比べ、ノイズ対策部材31を薄型化することができる。したがって、このようなノイズ対策部材31であれば、従来品では取り付けが困難であった薄型の機器や狭い場所に対しても、ノイズ対策部材31を取り付けることができる。
(3)他の実施形態
以上、ノイズ対策部材の製造方法について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、磁性体コア、導体及びモールド部材について、具体的な形状や材料を例示したが、磁性体コア、導体及びモールド部材の形状や材料は、上述の例に限定されない。
また、上記実施形態では、射出工程及び保圧工程の実行時間について、具体的な時間を例示したが、この時間は、モールド部材の形状及び寸法、射出成形機の性能等を考慮して、任意に調整すればよい。
なお、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。上記実施形態のうち、1つの実施形態で例示した構成の少なくとも一部を、当該1つの実施形態以外の上記実施形態で例示した構成に対して付加又は置換してもよい。
1,31…ノイズ対策部材、3,33…磁性体コア、3A,33A…薄肉部、5,35…カラー、7,37…モールド部材、9,39…導体、13…突起、21,51…左位置決め凹部、22…右位置決め凹部、22,52…右位置決め孔部、23,53…第1下位置決め凹部、24,54…第2下位置決め凹部、25…第3下位置決め凹部、26…第4下位置決め凹部、27,55…第1後位置決め凹部、28,56…第2後位置決め凹部、41…貫通孔。

Claims (4)

  1. ノイズ対策部材の製造方法であって、
    前記ノイズ対策部材は、
    磁性材料の焼結体によって構成され、内周側を貫通する位置に導体を配置可能な形状とされる磁性体コアと、
    樹脂材料によって形成され、前記磁性体コアをモールドするように構成されるモールド部材と、
    を備え、
    前記磁性体コアは、内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有し、
    前記モールド部材は、前記薄肉部の内周側をモールドする部分と前記薄肉部の外周側をモールドする部分とが、前記樹脂材料によって一体成形された一体成形品とされており、
    前記モールド部材を成形する際には、
    金型内へ前記樹脂材料を射出する前に、前記金型内に配置された前記磁性体コアに保持ピンを接触させて、前記磁性体コアを前記金型内で保持し、
    前記金型内へ前記樹脂材料を射出する際、少なくとも前記薄肉部に接触する位置にある前記保持ピンについては、前記金型に充填された前記樹脂材料の体積である充填体積Cと前記モールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、前記薄肉部から離れる位置へと退避させる、
    ノイズ対策部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
    前記金型内へ前記樹脂材料を射出する際、少なくとも前記薄肉部に接触する位置にある前記保持ピンについて、前記充填体積率Eが、60≦E≦80を満たす値となる期間内に、前記薄肉部から離れる位置へと退避させる、
    ノイズ対策部材の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
    射出成形機が備えるスクリューの軸方向に垂直な断面の面積A、スクリューの軸方向への移動速度に相当する射出速度B、及びスクリューの軸方向への移動時間に相当する射出時間tに基づいて、前記充填体積C=A×B×tが算出される、
    ノイズ対策部材の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
    前記保持ピンは、前記薄肉部に接触する際、前記薄肉部の外周側にある、前記薄肉部の肉厚方向に垂直な面に対して接触するように構成されている、
    ノイズ対策部材の製造方法。
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