JP2024048862A - 反射防止フィルム及びその製造方法、並びに画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルム及びその製造方法、並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】引張応力を付与した状態で加熱しても、反射防止層にクラックが生じ難い反射防止フィルム及びその製造方法、並びに当該反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供する。【解決手段】反射防止フィルム10は、透明フィルム基材11、ハードコート層12及び反射防止層13をこの順に有する。反射防止フィルム10は、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルム及びその製造方法、並びに画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の視認側には、外光の反射による画質低下の防止、コントラスト向上等を目的として、反射防止フィルムが配置されている。反射防止フィルムは、透明フィルム基材上に、屈折率の異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層を備える。
例えば、特許文献1には、ハードコートフィルム上にSiOプライマー層を備え、その上に、高屈折率層としての酸化ニオブ(Nb)層と低屈折率層としての酸化シリコン(SiO)層との交互積層体からなる反射防止層を備える反射防止フィルムが開示されている。
特開2009-47876号公報
近年では、例えば車載用ディスプレイ等において、曲面形状の画像表示面を有する画像表示装置が実用化されている。曲面形状の画像表示面に反射防止フィルムを貼り合わせる際は、反射防止フィルムを画像表示面(曲面)に追従させるため、反射防止フィルムに対して全方向に引張応力を付与した状態で、反射防止フィルムを、温度120℃程度に加熱しながら上記曲面に貼り合わせる必要がある。反射防止フィルムに対して全方向に引張応力を付与した状態で加熱すると、反射防止層に微細なクラックが発生する場合がある。反射防止層の微細なクラックは、ディスプレイの視認性低下の原因となっている。
このため、反射防止フィルムのいずれか1つの辺の方向に引張応力を付与した状態及び上記方向と直交する方向に引張応力を付与した状態(以下、これらをまとめて「引張応力を付与した状態」と記載することがある)で加熱した際に、いずれについても反射防止層にクラックが生じ難い反射防止フィルムが望まれている。
上記に鑑み、本発明は、引張応力を付与した状態で加熱しても、反射防止層にクラックが生じ難い反射防止フィルム及びその製造方法、並びに当該反射防止フィルムを用いた画像表示装置の提供を目的とする。
<本発明の態様>
本発明には、以下の態様が含まれる。
[1]透明フィルム基材、ハードコート層及び反射防止層をこの順に有する反射防止フィルムであって、
前記反射防止層は、屈折率の異なる2層以上の薄膜からなり、
温度120℃の環境下で5分間保持する耐熱性試験を行った際、前記耐熱性試験前後のいずれか1つの辺の方向の寸法変化率、及び前記辺の方向と直交する方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下である、反射防止フィルム。
[2]前記透明フィルム基材は、トリアセチルセルロースフィルムである、前記[1]に記載の反射防止フィルム。
[3]前記反射防止層の厚みが、100nm以上300nm以下である、前記[1]又は[2]に記載の反射防止フィルム。
[4]前記ハードコート層と前記反射防止層との間に配置されたプライマー層を更に備える、前記[1]~[3]のいずれか一つに記載の反射防止フィルム。
[5]前記反射防止層の前記ハードコート層側とは反対側に配置された防汚層を更に備える、前記[1]~[4]のいずれか一つに記載の反射防止フィルム。
[6]前記透明フィルム基材の前記ハードコート層側とは反対側に配置された粘着剤層を更に備える、前記[1]~[5]のいずれか一つに記載の反射防止フィルム。
[7]画像表示パネルと、前記画像表示パネルの視認側に配置された、前記[1]~[6]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムとを備える、画像表示装置。
[8]前記[1]~[6]のいずれか一つに記載の反射防止フィルムの製造方法であって、
前記ハードコート層の前記透明フィルム基材側とは反対側に、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置により前記反射防止層を成膜する工程Saと、
前記工程Saの後、前記反射防止層が形成された積層体を加熱する工程Sbとを備える、反射防止フィルムの製造方法。
[9]前記工程Sbにおいて、温度110℃以上の条件で前記積層体を加熱する、前記[8]に記載の反射防止フィルムの製造方法。
[10]前記工程Saで使用される前記透明フィルム基材は、温度120℃の環境下で5分間保持する耐熱性試験を行った際、前記耐熱性試験前後のいずれか1つの辺の方向の寸法変化率、及び前記辺の方向と直交する方向の寸法変化率が、いずれも0.00%以上0.25%以下である、前記[8]又は[9]に記載の反射防止フィルムの製造方法。
本発明によれば、引張応力を付与した状態で加熱しても、反射防止層にクラックが生じ難い反射防止フィルム及びその製造方法、並びに当該反射防止フィルムを用いた画像表示装置を提供できる。
本発明に係る反射防止フィルムの一例を示す断面図である。 本発明に係る反射防止フィルムの他の例を示す断面図である。 本発明に係る画像表示装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、本明細書中で使用される用語について説明する。「屈折率」は、温度23℃の雰囲気下における波長550nmの光に対する屈折率である。層状物(より具体的には、透明フィルム基材、ハードコート層、粘着剤層等)の「主面」とは、層状物の厚み方向に直交する面をさす。反射防止フィルムを構成する各層の「厚み(膜厚)」の数値は、「平均厚み」である。上記各層の平均厚みは、層を厚み方向に切断した断面の画像から無作為に測定箇所を10箇所選択し、選択した10箇所の測定箇所の厚みを測定して得られた10個の測定値の算術平均値である。
「反射防止フィルムのいずれか1つの辺の方向」とは、長方形又は正方形の反射防止フィルムの4つの辺のうち、いずれか1つの辺に平行な方向を意味する。以下、反射防止フィルムのいずれか1つの辺の方向を、「第1方向」と記載することがある。また、第1方向と直交する方向を、「第2方向」と記載することがある。第1方向は、例えば、後述するロールトゥロール方式のスパッタ法で反射防止層を形成する際のフィルムの搬送方向(以下、「MD方向」と記載することがある)である。第2方向は、例えば、後述するロールトゥロール方式のスパッタ法で反射防止層を形成する際のフィルムの搬送方向と直交する方向(以下、「TD方向」と記載することがある)である。
粒子の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡及び画像処理ソフトウェア(例えば、アメリカ国立衛生研究所製「ImageJ」)を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。本明細書に例示の成分や官能基等は、特記しない限り、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下の説明において参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、説明の都合上、後に説明する図面において、先に説明した図面と同一構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する場合がある。
<第1実施形態:反射防止フィルム>
本発明の第1実施形態に係る反射防止フィルムは、透明フィルム基材、ハードコート層及び反射防止層をこの順に有する反射防止フィルム(積層体)である。第1実施形態に係る反射防止フィルムの反射防止層は、屈折率の異なる2層以上の薄膜からなる。第1実施形態に係る反射防止フィルムは、温度120℃の環境下で5分間保持する耐熱性試験を行った際、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下である。
第1実施形態に係る反射防止フィルムは、上述した構成を備えるため、第1方向及び第2方向のいずれの方向に引張応力を付与した状態で加熱しても、反射防止層にクラックが生じ難い。以下、第1方向及び第2方向のいずれの方向に引張応力を付与した状態で加熱しても、反射防止層にクラックが生じ難い性質を、単に「耐加熱延伸性」と記載することがある。また、温度120℃の環境下で反射防止フィルムを5分間保持する耐熱性試験を、単に「耐熱性試験」と記載することがある。以下、特に断りがない限り、「耐熱性試験」は、反射防止フィルムを対象とする試験である。
なお、耐熱性試験の雰囲気の相対湿度は、例えば1%以下であり、0.5%以下又は0.1%以下であってもよい。
耐熱性試験前後の第1方向又は第2方向の寸法変化率(単位:%)は、耐熱性試験前の第1方向又は第2方向の長さをL1(単位:mm)とし、耐熱性試験後の第1方向又は第2方向の長さをL2(単位:mm)とした場合に、式「寸法変化率=100×(L2-L1)/L1」に従って算出される。第1方向又は第2方向の寸法変化率<0%である場合は、耐熱性試験により第1方向又は第2方向の長さが小さくなることを意味する。一方、第1方向又は第2方向の寸法変化率>0%である場合は、耐熱性試験により第1方向又は第2方向の長さが大きくなることを意味する。寸法変化率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
第1実施形態において、耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも、-0.09%以上であることが好ましく、-0.08%以上であることがより好ましく、-0.07%以上、-0.06%以上又は-0.05%以上であってもよい。また、第1実施形態において、耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも、0.09%以下であることが好ましく、0.07%以下であることがより好ましく、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下又は0.02%以下であってもよい。
第1実施形態において、耐加熱延伸性に更に優れる反射防止フィルムを得るためには、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも、-0.09%以上0.09%以下であることが好ましく、-0.08%以上0.07%以下であることがより好ましく、-0.07%以上0.05%以下であることが更に好ましく、-0.06%以上0.04%以下であることが更により好ましく、-0.05%以上0.03%以下又は-0.05%以上0.02%以下であってもよい。
以下、第1実施形態に係る反射防止フィルムの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、反射防止フィルムの一例を示す断面図である。図1に示す反射防止フィルム10は、透明フィルム基材11、ハードコート層12及び反射防止層13をこの順に有する。反射防止フィルム10は、耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下である。
また、反射防止フィルム10は、ハードコート層12と反射防止層13との間に配置されたプライマー層18と、反射防止層13のハードコート層12側とは反対側に配置された防汚層19とを更に備える。つまり、反射防止フィルム10は、透明フィルム基材11、ハードコート層12、プライマー層18、反射防止層13及び防汚層19をこの順に有する。
反射防止層13は、屈折率の異なる2層以上の薄膜からなる。図1に示す反射防止フィルム10では、反射防止層13は、ハードコート層12側(プライマー層18側)から、高屈折率層14、低屈折率層15、高屈折率層16及び低屈折率層17の4層をこの順に有する。高屈折率層及び低屈折率層の詳細については、後述する。なお、反射防止フィルムの反射防止層は、反射防止層13のような4層構成に限定されず、2層構成、3層構成、5層構成、又は6層以上の積層構成であってもよい。反射防止フィルムの反射防止層は、好ましくは、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層との交互積層体である。空気界面での反射を低減するためには、反射防止フィルムの反射防止層は、最外層(ハードコート層12から最も離れた層)が低屈折率層であることが好ましい。
反射防止フィルムは、図1に示す反射防止フィルム10とは異なる層構成であってもよい。例えば、反射防止フィルムは、図2に示すように、透明フィルム基材11のハードコート層12側とは反対側に配置された粘着剤層21を更に備える、反射防止フィルム20であってもよい。
粘着剤層21を構成する粘着剤は、特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、変性ポリオレフィン、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等のポリマーをベースポリマーとする透明な粘着剤を、適宜に選択して用いることができる。粘着剤層21の厚みは、特に限定されないが、薄層性及び接着性を両立させる観点から、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
粘着剤層21の透明フィルム基材11側とは反対側の主面には、はく離ライナー(不図示)が仮着されていてもよい。はく離ライナーは、例えば、反射防止フィルム20を後述する画像表示パネル101(図3参照)と貼り合わせるまでの間、粘着剤層21の表面を保護する。はく離ライナーの構成材料としては、アクリル、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等から形成されたプラスチックフィルムが好適に用いられる。はく離ライナーの厚みは、例えば、5μm以上200μm以下である。はく離ライナーの表面には、離型処理が施されていることが好ましい。離型処理に使用される離型剤の材料としては、シリコーン系材料、フッ素系材料、長鎖アルキル系材料、脂肪酸アミド系材料等が挙げられる。
以上、図面を参照しながら第1実施形態に係る反射防止フィルムの構成について説明したが、本発明に係る反射防止フィルムは、上述した構成に限定されない。
例えば、本発明に係る反射防止フィルムは、プライマー層及び防汚層を備えていない反射防止フィルムであってもよい。また、本発明に係る反射防止フィルムは、上述した構成に含まれる層(透明フィルム基材、ハードコート層、プライマー層、反射防止層及び防汚層)とは異なる光学機能層を備えていてもよい。
次に、第1実施形態に係る反射防止フィルムの要素について説明する。
[透明フィルム基材]
透明フィルム基材は、例えば可撓性を有する透明な樹脂フィルムである。透明フィルム基材を構成する材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びシクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。セルロース樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)が挙げられる。これらの材料は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。透明フィルム基材の材料としては、透明性及び強度の観点から、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びセルロース樹脂からなる群より選択される一種が好ましく、COP及びTACからなる群より選択される一種がより好ましく、TACが更に好ましい。つまり、透明フィルム基材としては、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、及びセルロース樹脂フィルムからなる群より選択される一種のフィルムが好ましく、COPフィルム及びTACフィルムからなる群より選択される一種のフィルムがより好ましく、TACフィルムが更に好ましい。
耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率を、-0.10%以上0.10%以下の範囲に容易に調整するためには、透明フィルム基材としては、光学的等方性のフィルムが好ましい。光学的等方性のフィルムとしては、上述したCOPフィルム及びTACフィルムが挙げられる。耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率を-0.10%以上0.10%以下の範囲により容易に調整するためには、透明フィルム基材としては、TACフィルムが好ましい。
透明フィルム基材の厚みは、強度の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。透明フィルム基材の厚みは、取扱い性の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。
透明フィルム基材の一方の主面又は両主面は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、及びカップリング剤処理が挙げられる。
透明フィルム基材の全光線透過率(JIS K 7375-2008)は、反射防止フィルムの透明性を向上させる観点から、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上100%以下である。
[ハードコート層]
ハードコート層は、反射防止フィルムの硬度や弾性率等の機械的特性を高める層である。ハードコート層は、例えば、硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)の硬化物からなる。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、及びメラミン樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。ハードコート層の硬度を高める観点から、硬化性樹脂としては、アクリル樹脂及びアクリルウレタン樹脂からなる群より選択される一種以上が好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。
また、硬化性樹脂組成物としては、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物、及び熱硬化型の樹脂組成物が挙げられる。反射防止フィルムの生産性向上の観点から、硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化型の樹脂組成物が好ましい。紫外線硬化型の樹脂組成物には、紫外線硬化型モノマー、紫外線硬化型オリゴマー及び紫外線硬化型ポリマーからなる群より選択される一種以上が含まれる。紫外線硬化型の樹脂組成物の具体例としては、特開2016-179686号公報に記載のハードコート層形成用組成物が挙げられる。
また、硬化性樹脂組成物は、微粒子を含有してもよい。硬化性樹脂組成物に微粒子を配合することにより、ハードコート層における、硬さの調整、表面粗さの調整、屈折率の調整及び防眩性の調整が可能となる。微粒子としては、例えば、金属(又は半金属)の酸化物粒子、ガラス粒子、及び有機粒子が挙げられる。金属(又は半金属)の酸化物粒子の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、及び酸化アンチモンが挙げられる。有機粒子の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル-スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、及びポリカーボネートが挙げられる。
また、硬化性樹脂組成物は、上記微粒子として、個数平均一次粒子径が1.0μm未満の粒子(以下、「ナノ粒子」と記載することがある)を含んでいてもよい。ハードコート層がナノ粒子を含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなる場合、ハードコート層の表面に、微細な凹凸が形成され、ハードコート層と、その上に形成される層との密着性が向上する傾向がある。
密着性向上に寄与する微細な凹凸形状を形成する観点から、ナノ粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上80nm以下であることが好ましく、25nm以上70nm以下であることがより好ましく、30nm以上60nm以下であることが更に好ましい。
ナノ粒子の材料としては、無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化シリコン(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化マグネシウム等の金属(又は半金属)の酸化物が挙げられる。無機酸化物は、複数種の(半)金属の複合酸化物でもよい。例示の無機酸化物の中でも、密着性向上効果が高いことから、酸化シリコンが好ましい。つまり、ナノ粒子としては、酸化シリコンの粒子(シリカ粒子)が好ましい。ナノ粒子としての無機酸化物粒子の表面には、樹脂との密着性や親和性を高める目的で、アクリル基、エポキシ基等の官能基が導入されていてもよい。
ハードコート層におけるナノ粒子の量は、硬化性樹脂100重量部に対して、5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上、20重量部以上又は30重量部以上であってもよい。ナノ粒子の量が5重量部以上であれば、ハードコート層上に形成される層との密着性をより向上させることができる。ハードコート層におけるナノ粒子の量の上限は、硬化性樹脂100重量部に対して、例えば90重量部であり、80重量部であることが好ましく、70重量部であってもよい。
ハードコート層の厚みは、ハードコート層の硬度を高める観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。ハードコート層の厚みは、反射防止フィルムの柔軟性確保の観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは35μm以下、更により好ましくは30μm以下である。
ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側の主面は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、及びカップリング剤処理が挙げられる。ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側に設けられる層(例えば、後述するプライマー層)とハードコート層との密着性を高めるためには、ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側の主面は、プラズマ処理されていることが好ましい。
[プライマー層]
ハードコート層と反射防止層との密着性を高めるためには、ハードコート層と反射防止層との間にプライマー層が設けられることが好ましい。プライマー層の材料としては、シリコン、ニッケル、クロム、スズ、金、銀、白金、亜鉛、チタン、インジウム、タングステン、アルミニウム、ジルコニウム、パラジウム等の金属(又は半金属);これらの金属(又は半金属)の合金;これらの金属(又は半金属)の酸化物、フッ化物、硫化物又は窒化物等が挙げられる。プライマー層を構成する酸化物は、酸化インジウムスズ(ITO)等の複合酸化物でもよい。中でも、プライマー層の材料としては、無機酸化物が好ましく、酸化シリコン、酸化インジウム又はITOが特に好ましい。
ハードコート層と反射防止層との密着性を高めつつ、プライマー層の光透過性を確保するためには、プライマー層の厚みは、0.5nm以上20nm以下であることが好ましく、0.5nm以上10nm以下であることがより好ましく、1.0nm以上10nm以下であることが更に好ましい。
[反射防止層]
反射防止層は、屈折率の異なる2層以上の薄膜からなる。一般に、反射防止層は、入射光と反射光の逆転した位相が互いに打ち消し合うように、薄膜の光学膜厚(屈折率と厚みの積)が調整される。反射防止層を、屈折率の異なる2層以上の薄膜の多層積層体とすることにより、可視光の広帯域の波長範囲において、反射率を小さくできる。
反射防止層を構成する薄膜の材料としては、金属(又は半金属)の酸化物、窒化物、フッ化物等が挙げられる。反射防止層は、好ましくは、高屈折率層と低屈折率層の交互積層体である。
高屈折率層は、屈折率が、例えば1.9以上であり、好ましくは2.0以上である。高屈折率層の材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。中でも、酸化チタン及び酸化ニオブからなる群より選択される一種以上が好ましい。低屈折率層は、屈折率が、例えば1.6以下であり、好ましくは1.5以下である。低屈折率層の材料としては、酸化シリコン、窒化チタン、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン等が挙げられる。中でも酸化シリコンが好ましい。特に、高屈折率層としての酸化ニオブ(Nb)薄膜と、低屈折率層としての酸化シリコン(SiO)薄膜とを交互に積層することが好ましい。低屈折率層と高屈折率層に加えて、屈折率1.6超1.9未満の中屈折率層が設けられてもよい。
高屈折率層及び低屈折率層の膜厚は、それぞれ、5nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。屈折率や積層構成等に応じて、可視光の反射率が小さくなるように、各層の膜厚を設計すればよい。例えば、高屈折率層と低屈折率層の積層構成としては、ハードコート層側から、光学膜厚20nm以上55nm以下の高屈折率層、光学膜厚35nm以上60nm以下の低屈折率層、光学膜厚65nm以上250nm以下の高屈折率層、及び光学膜厚100nm以上150nm以下の低屈折率層からなる4層構成が挙げられる。
反射防止層が、高屈折率層としての酸化ニオブ(Nb)薄膜と、低屈折率層としての酸化シリコン(SiO)薄膜とを交互に積層させた、4層の交互積層体である場合、反射防止層の構成としては、ハードコート層側から、厚み5nm以上20nm以下の酸化ニオブ薄膜、厚み20nm以上60nm以下の酸化シリコン薄膜、厚み25nm以上100nm以下の酸化ニオブ薄膜、及び厚み50nm以上120nm以下の酸化シリコン薄膜をこの順に備える構成が挙げられる。
耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、反射防止層の厚みは、100nm以上300nm以下であることが好ましく、120nm以上280nm以下であることがより好ましく、140nm以上260nm以下であることが更に好ましく、160nm以上240nm以下であることが更により好ましい。なお、本明細書において、「反射防止層の厚み」は、反射防止層を構成する各層の厚みの合計(合計厚み)である。
[防汚層]
反射防止フィルムは、反射防止層のハードコート層側とは反対側に防汚層を備えることが好ましく、反射防止フィルムの最表層として防汚層を備えることがより好ましい。防汚層が設けられることにより、例えば、外部環境からの汚染(指紋、手垢、埃等)の影響を低減できるとともに、反射防止フィルムの表面に付着した汚染物質の除去が容易となる。
反射防止層の反射防止性能の低下を抑制するためには、防汚層は、反射防止層の最表層(例えば低屈折率層)との屈折率差が小さいことが好ましい。防汚層の屈折率としては、1.6以下が好ましく、1.55以下がより好ましい。
防汚層の材料としては、フッ素含有化合物が好ましい。フッ素含有化合物は、防汚性に優れつつ、低屈折率化に寄与し得る。中でも、撥水性に優れ、高い防汚性を発揮できることから、パーフルオロポリエーテル骨格を含有するアルコキシシラン化合物が好ましい。パーフルオロポリエーテル骨格を含有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分枝鎖状のパーフルオロアルキレンオキシド単位を複数有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。炭素原子数1以上4以下の直鎖状又は分枝鎖状のパーフルオロアルキレンオキシド単位としては、例えば、パーフルオロメチレンオキシド単位(-CFO-)、パーフルオロエチレンオキシド単位(-CFCFO-)、パーフルオロプロピレンオキシド単位(-CFCFCFO-)、パーフルオロイソプロピレンオキシド単位(-CF(CF)CFO-)等が挙げられる。
防汚層の厚みは、例えば、2nm以上50nm以下である。防汚層の厚みが大きいほど、防汚性が向上する傾向がある。防汚層の厚みは、5nm以上であることが好ましく、6nm以上であることがより好ましい。一方、防眩性を高める観点から、防汚層の厚みは、30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
[反射防止フィルムの好ましい態様]
耐加熱延伸性に特に優れる反射防止フィルムを得るためには、第1実施形態に係る反射防止フィルムは、下記条件1を満たすことが好ましく、下記条件2を満たすことがより好ましく、下記条件3を満たすことが更に好ましい。
条件1:耐熱性試験前後の第1方向及び第2方向の寸法変化率が、いずれも-0.07%以上0.05%以下である。
条件2:上記条件1を満たし、かつ反射防止層の厚みが100nm以上300nm以下である。
条件3:上記条件2を満たし、かつ透明フィルム基材がTACフィルムである。
<第2実施形態:画像表示装置>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像表示装置について説明する。第2実施形態に係る画像表示装置は、画像表示パネルと、画像表示パネルの視認側に配置された、第1実施形態に係る反射防止フィルムとを備える。以下、第1実施形態と重複する内容については説明を省略する。
図3は、第2実施形態に係る画像表示装置の一例を示す断面図である。図3に示す画像表示装置100は、画像表示パネル101と、画像表示パネル101の視認側(図3中の上方側)に配置された、第1実施形態に係る反射防止フィルムの一例である反射防止フィルム10とを備える。画像表示装置100では、反射防止フィルム10の透明フィルム基材11と画像表示パネル101とが粘着剤層21を介して貼り合わせられている。
画像表示パネル101としては、液晶セル、有機ELセル等の画像表示セルを含む画像表示パネルが例示できる。
第2実施形態に係る画像表示装置は、画像表示パネルの視認側に反射防止フィルムが配置されているため、外光の反射が低減され、視認性に優れる。また、第2実施形態に係る画像表示装置は、第1実施形態に係る反射防止フィルム(耐加熱延伸性に優れる反射防止フィルム)を備えるため、曲面形状の画像表示面を備えていても、反射防止層にクラックが発生することを抑制できる。
<第3実施形態:反射防止フィルムの製造方法>
次に、本発明の第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法について説明する。第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法は、第1実施形態に係る反射防止フィルムの好適な製造方法である。以下、第1実施形態と重複する内容については説明を省略する。
第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法は、ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側に、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置により反射防止層を成膜する工程Saと、工程Saの後、反射防止層が形成された積層体を加熱する工程Sbとを備える。第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法は、工程Sa及び工程Sbを備えるため、第1実施形態に係る反射防止フィルムを容易に製造できる。以下、工程Saを、「反射防止層形成工程」と記載する。また、工程Sbを、「反射防止層加熱工程」と記載する。
第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法は、反射防止層形成工程及び反射防止層加熱工程以外の工程(他の工程)を備えていてもよい。他の工程としては、例えば、後述するハードコート層形成工程、ハードコート層の表面処理工程、プライマー層形成工程及び防汚層形成工程が挙げられる。
以下、第3実施形態に係る反射防止フィルムの製造方法の一例が備える各工程について説明する。
[ハードコート層形成工程]
ハードコート層形成工程は、透明フィルム基材の一方の主面にハードコート層を形成する工程である。例えば、透明フィルム基材の一方の主面に硬化性樹脂組成物(ハードコート層形成用組成物)を塗布し、必要に応じて溶媒の除去及び樹脂の硬化を行うことにより、ハードコート層が形成される。ハードコート層形成用組成物は、例えば、上述した硬化性樹脂、及び重合開始剤(例えば光重合開始剤)を含み、必要に応じてこれらの成分を溶解又は分散可能な溶媒を含む。
耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、ハードコート層形成工程に使用する透明フィルム基材は、以下に示す特性を備えていることが好ましい。即ち、温度120℃の環境下で透明フィルム基材を5分間保持する耐熱性試験を行った際、当該耐熱性試験前後において、透明フィルム基材のいずれか1つの辺の方向(例えば、長手方向)の寸法変化率、及び前記辺の方向と直交する方向(例えば、幅方向)の寸法変化率が、いずれも、0.00%以上0.25%以下であることが好ましく、0.00%以上0.20%以下であることがより好ましい。上記透明フィルム基材の寸法変化率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
ハードコート層形成用組成物は、上記成分の他に、微粒子、レベリング剤、粘度調整剤(チクソトロピー剤、増粘剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法等の任意の適切な方法を採用し得る。塗布後の塗膜の乾燥温度は、ハードコート層形成用組成物の組成等に応じて、適切な温度に設定すればよく、例えば、50℃以上150℃以下である。ハードコート層形成用組成物中の樹脂成分が熱硬化性樹脂である場合は、加熱によって塗膜を硬化させる。ハードコート層形成用組成物中の樹脂成分が光硬化性樹脂である場合は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって塗膜を硬化させる。照射光の積算光量は、好ましくは100mJ/cm以上500mJ/cm以下である。
[ハードコート層の表面処理工程]
ハードコート層の表面処理工程では、ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側の主面を表面改質処理する。表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、及びカップリング剤処理が挙げられる。表面改質処理がプラズマ処理である場合、不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスが使用される。また、プラズマ処理における実効パワー密度は、例えば0.001W・min/cm・m以上1W・min/cm・m以下である。なお、実効パワー密度とは、プラズマ出力のパワー密度(W/cm)をロールトゥロール方式によるフィルムの搬送速度(m/min)で割った値である。プラズマ出力が同一でも搬送速度が大きい場合は、実効的な処理パワーは低下する。
[プライマー層形成工程]
プライマー層形成工程は、ハードコート層の一方の主面(ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側の主面)にプライマー層を形成(成膜)する工程である。プライマー層の成膜方法は、特に限定されず、ウェットコーティング法及びドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法等のドライコーティング法が好ましい。また、第3実施形態では、反射防止層形成工程においてロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を使用するため、生産性を高める観点から、プライマー層の成膜方法としては、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を用いて成膜する方法(ロールトゥロール方式のスパッタ法)が好ましい。
ロールトゥロール方式のスパッタ法では、長尺のフィルム(例えば、ハードコート層が形成された透明フィルム基材)を長手方向(MD方向)に搬送しながら、例えば、プライマー層及び反射防止層を連続成膜できる。スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス、及び必要に応じて酸素等の反応性ガスを成膜室内に導入しながら成膜が行われる。プライマー層として酸化物層を成膜する場合、スパッタ法による酸化物層の成膜は、酸化物ターゲットを用いる方法、及び金属(又は半金属)ターゲットを用いる反応性スパッタのいずれでも実施できる。
スパッタ法を実施するための電源としては、例えば、DC電源、AC電源、RF電源、及び、MFAC電源(周波数帯が数kHz~数MHzのAC電源)が挙げられる。スパッタ法における放電電力は、例えば1kW以上100kW以下であり、好ましくは1kW以上50kW以下である。スパッタ法を実施する際の成膜ロールの表面温度は、例えば-25℃以上25℃以下であり、好ましくは-20℃以上0℃以下である。スパッタ法を実施する際の成膜室内の圧力は、好ましくは0.01Pa以上10Pa以下であり、より好ましくは0.05Pa以上5Pa以下であり、更に好ましくは0.1Pa以上1Pa以下である。
[反射防止層形成工程]
反射防止層形成工程では、ハードコート層の透明フィルム基材側とは反対側(例えば、ハードコート層表面又はプライマー層表面)に、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置により反射防止層を成膜する。つまり、第3実施形態では、ロールトゥロール方式のスパッタ法により、反射防止層の各層を成膜する。反射防止層形成工程でスパッタ法を実施する際は、例えば、上述した[プライマー層形成工程]で説明した条件の中で成膜条件を適宜設定することができる。
ロールトゥロール方式のスパッタ法により反射防止層の各層を成膜すると、加熱環境下において反射防止フィルムが収縮しやすくなることが、本発明者らの検討により判明した。反射防止層を形成する積層体(例えば、透明フィルム基材とハードコート層とを少なくとも有するフィルム状積層体)をロールトゥロール方式で搬送する際、上記積層体に対して搬送方向に張力が付与されるため、上記積層体に残留応力が発生し、加熱環境下において反射防止フィルムが収縮しやすくなるものと推測される。
[防汚層形成工程]
防汚層形成工程は、反射防止層のハードコート層側とは反対側に防汚層を形成する工程である。防汚層形成工程では、例えば、フッ素含有化合物を材料として用い、ドライコーティング法で防汚層を形成する。ドライコーティング法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、及びCVD法が挙げられ、真空蒸着法が好ましい。
[反射防止層加熱工程]
反射防止層加熱工程は、反射防止層が形成された積層体(以下、「反射防止層付きフィルム」と記載することがある)を加熱する工程である。反射防止層付きフィルムを加熱することにより、例えば反射防止層付きフィルムの残留応力の少なくとも一部が除去されて、加熱環境下における反射防止フィルムの収縮が抑制される。その結果、耐加熱延伸性に優れる反射防止フィルムが得られる。なお、防汚層形成工程を設ける場合、反射防止層加熱工程は、防汚層形成工程の前に実施しても後に実施してもよい。防汚層形成工程を設ける場合、耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、反射防止層加熱工程は、防汚層形成工程の後に実施することが好ましい。
第3実施形態では、反射防止層形成工程においてロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を使用するため、生産性を高める観点から、反射防止層加熱工程では、ロールトゥロール方式で反射防止層付きフィルムを搬送しながら加熱することが好ましい。加熱する際の加熱装置としては、例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター等が挙げられる。
耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、反射防止層加熱工程における反射防止層付きフィルムの加熱温度は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることが更に好ましく、130℃以上又は140℃以上であってもよい。また、耐加熱延伸性により優れる反射防止フィルムを得るためには、反射防止層加熱工程における反射防止層付きフィルムの加熱時間は、30秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましく、2分以上であることが更に好ましく、5分以上、10分以上又は15分以上であってもよい。
反射防止フィルムの透明性低下を抑制するためには、反射防止層加熱工程における反射防止層付きフィルムの加熱温度は、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましい。また、反射防止フィルムの透明性低下を抑制するためには、反射防止層加熱工程における反射防止層付きフィルムの加熱時間は、30分以下であることが好ましく、20分以下であることがより好ましい。
耐熱性試験前後の反射防止フィルムの第1方向及び第2方向の寸法変化率は、いずれも反射防止層加熱工程における加熱条件(詳しくは、加熱温度、加熱時間等)を変更することにより調整できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、使用した透明フィルム基材(TACフィルム及びPETフィルム)の耐熱性試験前後の寸法変化率は、以下の方法により測定した。
<透明フィルム基材の耐熱性試験前後の寸法変化率の測定方法>
耐熱性試験前後の寸法変化率を測定するための試験片として、レーザー加工機(GCC社製「LaserPro Spirit GLS」)を用いて、測定対象の透明フィルム基材(TACフィルム及びPETフィルムのいずれか)から、100mm×100mmのサイズ(長手方向の長さ:100mm、幅方向の長さ:100mm)の試験片を切り出した。なお、試験片に使用した透明フィルム基材は、後述する反射防止フィルムの作製に使用する透明フィルム基材からサンプリングしたものであった。また、試験片を切り出す際の雰囲気温度及び相対湿度は、それぞれ20℃及び50%であった。次いで、試験片を、温度120℃かつ相対湿度1%以下の乾燥オーブン(エスペック社製「PH-202」)中で5分間静置する耐熱性試験を行った後、温度20℃かつ相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置し、耐熱性試験前後の寸法変化率を求めた。即ち、試験片の各方向(長手方向及び幅方向)の寸法変化率を、耐熱性試験前の温度20℃かつ相対湿度50%における各方向の長さLa(100mm)と、耐熱性試験後に温度20℃かつ相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後で測定した各方向の長さLbとから、式「寸法変化率=100×(Lb-La)/La」により算出した。
<実施例1の反射防止フィルムの作製>
[ハードコート層形成工程]
紫外線硬化性アクリル系樹脂組成物(DIC社製「GRANDIC PC-1070」)に、オルガノシリカゾル(日産化学社製「MEK-ST-L」、シリカ粒子の個数平均一次粒子径:50nm、シリカ粒子の粒子径分布:30nm~130nm、固形分濃度:30重量%)を添加し、ハードコート層形成用組成物を調製した。調製したハードコート層形成用組成物中のシリカ粒子の量は、上記紫外線硬化性アクリル系樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対して、40重量部であった。次いで、透明フィルム基材としてのTACフィルム(富士フイルム社製「フジタック」、厚み:80μm)の一方の主面に、上記ハードコート層形成用組成物を塗布し、塗膜を形成した。なお、使用したTACフィルムは、耐熱性試験前後の長手方向の寸法変化率が0.19%であり、耐熱性試験前後の幅方向の寸法変化率が0.20%であった。
次に、上記塗膜を、温度80℃で3分間加熱することにより乾燥させた後、紫外線照射により硬化させた。紫外線照射する際は、光源として高圧水銀ランプを使用し、積算光量を200mJ/cmとした。これにより、TACフィルムの一方の主面に厚み4μmのハードコート層を形成した。
[ハードコート層の表面処理工程]
次いで、ロールトゥロール方式のプラズマ処理装置により、0.5Paの真空雰囲気下、ハードコート層が形成されたTACフィルムを搬送しながら、ハードコート層の一方の主面をプラズマ処理した。プラズマ処理する際は、不活性ガスとしてアルゴンガスを用い、実効パワー密度を0.014W・min/cm・mとした。これにより、TACフィルムと、プラズマ処理されたハードコート層とを備える積層体(以下、「光学フィルムF1」と記載することがある)を得た。
[プライマー層形成工程]
次いで、光学フィルムF1を、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置に導入し、成膜室内を1×10-4Paまで減圧した。次いで、光学フィルムF1を搬送しながら、アルゴンガスと酸素ガスとを98:2の体積比で導入し、成膜ロールの表面温度を-8℃とし、スパッタ法により、ハードコート層の一方の主面に厚み2nmのITO層(プライマー層)を形成した。プライマー層の形成には、ターゲット材料として、酸化インジウムと酸化スズとを90:10の重量比で含有するITOターゲットを用いた。また、スパッタ法により成膜する際は、電源をMFAC電源とし、放電電力を6kWとし、成膜室内の圧力を0.5Paとした。
[反射防止層形成工程]
プライマー層の形成に続いて、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置を用いてプライマー層形成後の光学フィルムF1を搬送しながら、スパッタ法により、プライマー層の一方の主面に、第1層:厚み14nmのNb層(屈折率:2.33)、第2層:厚み40nmのSiO層(屈折率:1.46)、第3層:厚み29nmのNb層、及び第4層:厚み94nmのSiO層をこの順に成膜した。これにより、プライマー層の一方の主面に、4層構成(第1層、第2層、第3層及び第4層からなる4層構成)の反射防止層を形成した。第1層~第4層の各層の成膜では、いずれも、成膜ロールの表面温度を-8℃とし、電源をMFAC電源とした。また、第1層及び第3層の成膜では、いずれも、Nbターゲットを用い、アルゴンガスと酸素ガスとを90:10の体積比で導入し、成膜室内の圧力を0.6Paとし、放電電力を30kWとした。第2層及び第4層の成膜では、いずれも、Siターゲットを用い、アルゴンガスと酸素ガスとを70:30の体積比で導入し、成膜室内の圧力を0.5Paとし、放電電力を20kWとした。
[防汚層形成工程]
コーティング剤(信越化学工業社製「SHIN-ETSU SUBELYN KY1903-1」、有効成分:パーフルオロポリエーテル骨格を含有するアルコキシシラン化合物)を乾燥して固化したものを蒸着源として用い、蒸着源の加熱温度を260℃にして、真空蒸着法により反射防止層の一方の主面に厚み7nmの防汚層を形成した。これにより、TACフィルムと、ハードコート層と、プライマー層と、反射防止層と、防汚層とを備える積層体(以下、「光学フィルムF2」と記載することがある)を得た。
[反射防止層加熱工程]
次いで、光学フィルムF2を、ロールトゥロール方式の搬送装置により搬送しながら、熱風オーブンを用いて温度140℃で2分加熱した。これにより、実施例1の反射防止フィルムを得た。
<実施例2の反射防止フィルムの作製>
反射防止層加熱工程における加熱条件を、「温度140℃で5分」に変更したこと以外は、実施例1と同じ作製方法により、実施例2の反射防止フィルムを得た。
<実施例3の反射防止フィルムの作製>
反射防止層加熱工程における加熱条件を、「温度140℃で15分」に変更したこと以外は、実施例1と同じ作製方法により、実施例3の反射防止フィルムを得た。
<比較例1の反射防止フィルムの作製>
反射防止層加熱工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同じ作製方法により、比較例1の反射防止フィルムを得た。
<比較例2の反射防止フィルムの作製>
TACフィルムの代わりにPETフィルム(東レ社製「50U48」、厚み:50μm)を用いたこと、及び反射防止層加熱工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同じ作製方法により、比較例2の反射防止フィルムを得た。なお、使用したPETフィルムは、耐熱性試験前後の長手方向の寸法変化率が0.30%であり、耐熱性試験前後の幅方向の寸法変化率が0.19%であった。
<比較例3の反射防止フィルムの作製>
TACフィルムの代わりにPETフィルム(東レ社製「50U48」、厚み:50μm)を用いたこと、及び反射防止層加熱工程における加熱条件を「温度160℃で2分」に変更したこと以外は、実施例1と同じ作製方法により、比較例3の反射防止フィルムを得た。なお、使用したPETフィルムは、耐熱性試験前後の長手方向の寸法変化率が0.30%であり、耐熱性試験前後の幅方向の寸法変化率が0.19%であった。
<測定方法及び評価方法>
[耐熱性試験前後の寸法変化率の測定方法]
耐熱性試験前後の寸法変化率を測定するための試験片として、レーザー加工機(GCC社製「LaserPro Spirit GLS」)を用いて、各反射防止フィルムから、100mm×100mmのサイズ(MD方向の長さ:100mm、TD方向の長さ:100mm)の試験片を切り出した。試験片を切り出す際の雰囲気温度及び相対湿度は、それぞれ20℃及び50%であった。次いで、各試験片を、温度120℃かつ相対湿度1%以下の乾燥オーブン(エスペック社製「PH-202」)中で5分間静置する耐熱性試験を行った後、温度20℃かつ相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置し、耐熱性試験前後の寸法変化率を求めた。即ち、各試験片の各方向(MD方向及びTD方向)の寸法変化率を、耐熱性試験前の温度20℃かつ相対湿度50%における各方向の長さL1(100mm)と、耐熱性試験後に温度20℃かつ相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後で測定した各方向の長さL2とから、式「寸法変化率=100×(L2-L1)/L1」により算出した。
[耐加熱延伸性の評価方法]
耐加熱延伸性を評価するための試験片として、レーザー加工機(GCC社製「LaserPro Spirit GLS」)を用いて、各反射防止フィルムから、MD方向の長さが100mmであり、かつTD方向の長さが10mmである試験片1と、MD方向の長さが10mmであり、かつTD方向の長さが100mmである試験片2とを切り出した。試験片(試験片1及び試験片2のいずれか)を切り出す際の雰囲気温度及び相対湿度は、それぞれ20℃及び50%であった。
次いで、恒温槽付き精密万能試験機(島津製作所社製「オートグラフAG-IS」)のチャック(チャック間距離:50.000mm)に試験片1をセットし、雰囲気温度120℃及び引張速度2mm/minの条件で、チャック間距離が50.875mmになるまで試験片1をMD方向に延伸した。次いで、延伸後の試験片1を光学顕微鏡にて観察し、クラック(反射防止層の白濁)の有無を確認した。そして、クラックが確認されなかった場合、Aと判定した。一方、クラックが確認された場合、Bと判定した。
また、恒温槽付き精密万能試験機(島津製作所社製「オートグラフAG-IS」)のチャック(チャック間距離:50.000mm)に試験片2をセットし、雰囲気温度120℃及び引張速度2mm/minの条件で、チャック間距離が50.875mmになるまで試験片2をTD方向に延伸した。次いで、延伸後の試験片2を光学顕微鏡にて観察し、クラック(反射防止層の白濁)の有無を確認した。そして、クラックが確認されなかった場合、Aと判定した。一方、クラックが確認された場合、Bと判定した。
試験片1の判定結果及び試験片2の判定結果が、いずれもAである場合、「耐加熱延伸性に優れている」と評価した。一方、試験片1の判定結果及び試験片2の判定結果の少なくとも一方がBである場合、「耐加熱延伸性に優れていない」と評価した。
<結果>
実施例1~3及び比較例1~3について、耐熱性試験前後の寸法変化率、及び耐加熱延伸性の判定結果を表1に示す。
Figure 2024048862000002
表1に示すように、実施例1~3では、耐熱性試験前後のMD方向及びTD方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下であった。実施例1~3では、耐加熱延伸性の試験片1(MD方向)及び試験片2(TD方向)の判定結果が、いずれもAであった。よって、実施例1~3の反射防止フィルムは、耐加熱延伸性に優れていた。
表1に示すように、比較例1及び2では、耐熱性試験前後のMD方向の寸法変化率が、-0.10%未満であった。比較例2及び3では、耐熱性試験前後のTD方向の寸法変化率が、-0.10%未満であった。比較例1~3では、耐加熱延伸性の試験片1(MD方向)及び試験片2(TD方向)の判定結果の少なくとも一方がBであった。よって、比較例1~3の反射防止フィルムは、耐加熱延伸性に優れていなかった。
以上の結果から、本発明によれば、耐加熱延伸性に優れる反射防止フィルムを提供できることが示された。
10、20 反射防止フィルム
11 透明フィルム基材
12 ハードコート層
13 反射防止層
18 プライマー層
19 防汚層
21 粘着剤層
100 画像表示装置
101 画像表示パネル

Claims (10)

  1. 透明フィルム基材、ハードコート層及び反射防止層をこの順に有する反射防止フィルムであって、
    前記反射防止層は、屈折率の異なる2層以上の薄膜からなり、
    温度120℃の環境下で5分間保持する耐熱性試験を行った際、前記耐熱性試験前後のいずれか1つの辺の方向の寸法変化率、及び前記辺の方向と直交する方向の寸法変化率が、いずれも-0.10%以上0.10%以下である、反射防止フィルム。
  2. 前記透明フィルム基材は、トリアセチルセルロースフィルムである、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記反射防止層の厚みが、100nm以上300nm以下である、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記ハードコート層と前記反射防止層との間に配置されたプライマー層を更に備える、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記反射防止層の前記ハードコート層側とは反対側に配置された防汚層を更に備える、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  6. 前記透明フィルム基材の前記ハードコート層側とは反対側に配置された粘着剤層を更に備える、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  7. 画像表示パネルと、前記画像表示パネルの視認側に配置された、請求項1に記載の反射防止フィルムとを備える、画像表示装置。
  8. 請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法であって、
    前記ハードコート層の前記透明フィルム基材側とは反対側に、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置により前記反射防止層を成膜する工程Saと、
    前記工程Saの後、前記反射防止層が形成された積層体を加熱する工程Sbとを備える、反射防止フィルムの製造方法。
  9. 前記工程Sbにおいて、温度110℃以上の条件で前記積層体を加熱する、請求項8に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  10. 前記工程Saで使用される前記透明フィルム基材は、温度120℃の環境下で5分間保持する耐熱性試験を行った際、前記耐熱性試験前後のいずれか1つの辺の方向の寸法変化率、及び前記辺の方向と直交する方向の寸法変化率が、いずれも0.00%以上0.25%以下である、請求項8に記載の反射防止フィルムの製造方法。

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