JP2024047200A - ステータ、および、ステータの製造方法 - Google Patents

ステータ、および、ステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却性能を向上したステータ、および、ステータの製造方法を提供する。【解決手段】冷却性能を向上したステータ、および、ステータの製造方法を提供する。ステータは、ステータコアと、ステータコアに設けられる樹脂部材とを備える。樹脂部材は、周方向に隣接する2つの歯の間に形成されるスロット開口を充填する充填部であって、軸方向に延在する充填部と、充填部の軸方向の一端部に連結する蓋本体部であって、ステータコアよりも軸方向の一方側においてコイルエンドを覆うように周方向に延在する蓋本体部を有する蓋部とを含む。蓋本体部は、内周面と、外周面と、内周面に形成された内開口と外周面に形成された外開口とを径方向に繋ぐ少なくとも1つの径方向開放部と、を有する。【選択図】図3A

Description

本開示は、ステータ、および、ステータの製造方法に関する。
従来、磁気的なトルクを伝達するように構成された磁気ギヤード電気機械が知られている。例えば特許文献1で開示される磁気ギヤード電気機械は、径方向内側から順に、複数の永久磁石を支持する内部回転子、複数の磁極片を含む磁極片回転子、および、ステータを備える。ステータは、ステータコア、ステータコアに設けられるステータコイル、および、ステータコアの内周面側に設けられる複数のステータ磁石を備える。
特許第5643857号公報
例えばステータコイルの銅損などに起因してステータの温度は上昇するので、ステータの冷却設計が望まれる。しかしながら、特許文献1には具体的構成の開示はない。
本開示の目的は、冷却性能を向上したステータ、および、ステータの製造方法を提供することである。
本開示の少なくとも一実施形態に係るステータは、
軸線に対して周方向に延在するステータコアと、
前記ステータコアから径方向の一方側に突出する複数の歯であって、前記周方向において間隔を空けて配置された複数の歯と、
前記複数の歯に巻かれる複数のステータコイルであって、前記ステータコアよりも軸方向の一方側に位置するコイルエンドをそれぞれ含む複数のステータコイルと、
前記ステータコアに設けられる樹脂部材と、
を備え、
前記樹脂部材は、
前記周方向に隣接する2つの前記歯の間に形成されるスロット開口を充填する充填部であって、前記軸方向に延在する充填部と、
前記充填部の前記軸方向の一端部に連結する蓋本体部であって、前記ステータコアよりも前記軸方向の前記一方側において前記コイルエンドを覆うように前記周方向に延在する蓋本体部を有する蓋部と、
を含み、
前記蓋本体部は、
内周面と
外周面と、
前記内周面に形成された内開口と前記外周面に形成された外開口とを前記径方向に繋ぐ少なくとも1つの径方向開放部と、
を有する。
本開示の一実施形態に係るステータの製造方法は、
上記のステータの製造方法であって、
前記周方向に並ぶ複数の前記コイルエンドを覆うように金型を配置すると共に、前記金型によって覆われる空間内において、前記少なくとも1つの径方向開放部を形成するための少なくとも1つの中子を前記ステータコアよりも前記軸方向の前記一方側に配置するステップと、
前記金型によって覆われる前記空間に、前記樹脂部材を形成するための液状の樹脂を流し込むと共に、前記スロット開口に液状の前記樹脂を充填するステップと、
前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップと、
前記金型および前記少なくとも1つの中子を除去するステップと、
を備える。
本開示によれば、冷却性能を向上したステータ、および、ステータの製造方法を提供できる。
一実施形態に係る磁気ギヤード電気機械(磁気ギヤード発電機)の概略図。 他の実施形態に係る磁気ギヤード電気機械(磁気ギヤードモータ)の概略図。 一実施形態に係る磁気ギヤード電気機械の内部構造を示す概略図。 一実施形態に係る樹脂部材の概略図。 他の実施形態に係る樹脂部材の概略図。 一実施形態に係る樹脂部材の別の概略図。 他の実施形態に係る樹脂部材の別の概略図。 一実施形態に係るステータの製造方法を示すフローチャート。 ステータの製造方法の開始前におけるステータコアを示す概略図。 一実施形態に係るステータの製造方法における離型性部材の配置を示す概略図。 一実施形態に係る成形金型と少なくとも1つの中子を示す概略図。 完成したステータを示す概略図。 他の実施形態に係るステータの製造方法を示すフローチャート。 他の実施形態に係るステータの製造方法における複数のステータ磁石の配置を示す概略図。 他の実施形態に係るステータの製造方法における複数の補助磁石の配置を示す概略図。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
<1.磁気ギヤード電気機械1の概要>
図1A、図1Bは、本開示の幾つかの実施形態に係る磁気ギヤード電気機械1A,1B(1)の概略図である。以下の説明においては、「軸方向」は磁気ギヤード電気機械1に組み込まれたステータ20の軸線に平行な方向であり、「径方向」はステータ20の軸線を基準とした径方向であり、「周方向」はステータ20の軸線を基準とした周方向である。磁気ギヤード電気機械1は後述の外部回転機器7との間で動力を伝達するための回転軸5を備え、回転軸5の軸線はステータ20の軸線と一致する。回転軸5はハウジング98によって回転可能に支持されている。また、磁気ギヤード電気機械1は外部回転機器7の動力伝達軸8に連結されている。回転軸5は図1A、図1Bで例示されるような中実であってもよいし、動力伝達軸8を収容する円筒形状(図示外)であってもよい。
図1A、図1Bで例示される磁気ギヤード電気機械1は、磁石ロータ10およびステータ20を備える。磁石ロータ10とステータ20はハウジング98に収容される。磁石ロータ10は、周方向に並ぶ複数のロータ磁石19と、複数のロータ磁石19を支持する回転子コア15とを含む。回転子コア15は回転軸5に連結されている。同図では、複数のロータ磁石19が回転子コア15の表面に設けられる表面磁石型(SPM;Surface Permanent Magnet)の構成が採用されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数のロータ磁石19が回転子コア15の内側に配置される埋込磁石型(IPM;Interior Permanent Magnet)の構成が採用されてもよい(図2参照)。
ハウジング98に固定されるステータ20は、周方向に並ぶ複数のステータ磁石29と、複数のステータ磁石29を支持するステータコア25と、ステータコア25に設けられる熱硬化性の樹脂部材60と、樹脂部材60に埋設される複数のステータコイル27とを含む。樹脂部材60はステータ20の冷却性能の向上する機能を有する(詳細は後述する)。ステータコア25に巻かれた状態で樹脂部材60に埋設されるステータコイル27は、ステータコア25よりも軸方向の一方側に位置するコイルエンド21と、他方側に位置する別コイルエンド22とを有する。同図のステータ20では、複数のステータ磁石29がステータコア25の表面に設けられるSPM型の構成が採用されるが、本開示はこれに限定されず、IPM型の構成が採用されてもよい。
図1A、図1Bの磁気ギヤード電気機械1は、ハウジング98に収容される磁極片ロータ30をさらに備える。磁極片ロータ30は、周方向に並ぶ複数の磁極片55と、複数の磁極片55に対して軸方向の両側にそれぞれ配置される一対のフランジ34とを含む。同図で例示される磁極片55は、ステータ20よりも径方向の内側、かつ、磁石ロータ10よりも径方向の外側に配置される。また、磁極片55に対して軸方向の一方側に位置するフランジ34は、回転軸5にベアリングを介して連結されており、他方側に位置するフランジ34は、動力伝達軸8に連結されている。これにより、磁極片ロータ30は動力伝達軸8と一体的に回転でき、回転軸5に対して相対的に回転できる。
図1Aで例示される磁気ギヤード電気機械1A(1)は、外部回転機器7の一例である原動機7Aからの入力によって駆動されて発電するように構成された磁気ギヤード発電機である。同図で示されるステータコイル27は、電力系統であってもよい電力供給先4と電気的に接続されている。磁気ギヤード発電機としての磁気ギヤード電気機械1Aが発電する原理は以下の通りである。原動機7Aが動力伝達軸8を回転駆動すると、磁極片ロータ30が回転する。複数のロータ磁石19および複数のステータ磁石29に対する複数の磁極片55の相対的な位置関係が変化し、磁石ロータ10とステータ20の間の磁束が変調され、変調された磁場からロータ磁石19が磁力を受けて磁石ロータ10が回転する。このとき、磁極片ロータ30と磁石ロータ10の回転に伴って起こる電磁誘導によってステータコイル27に電流が発生し、磁気ギヤード発電機としての磁気ギヤード電気機械1Aは、電力供給先4に電力を供給できる。
図1Bで例示される磁気ギヤード電気機械1B(1)は、例えば電力系統であってもよい電力供給源6からの電力Pの供給を受けて、外部回転機器7の一例である回転機械7Bを駆動するように構成される磁気ギヤードモータである。回転機械7Bは例えば電動車両であってもよく、この場合、回転機械7Bの動力伝達軸8は電動車両のドライブシャフトである。磁気ギヤードモータとしての磁気ギヤード電気機械1Bが回転機械7Bを駆動する原理は以下の通りである。ステータコイル27の通電により発生する回転磁界によって、磁石ロータ10は回転する。複数のロータ磁石19および複数のステータ磁石29に対する複数の磁極片55の相対的な位置関係が変化し、磁石ロータ10とステータ20の間の磁束が変調されて、磁極片ロータ30が回転し、動力伝達軸8にトルクが出力される。これにより、磁気ギヤードモータとしての磁気ギヤード電気機械1Bは回転機械7Bを駆動する。
図1A、図1Bの磁気ギヤード電気機械1A,1B(1)において、磁極片ロータ30の磁極片55の磁極数をNL、磁石ロータ10のロータ磁石19における磁極の対の数(極対数)をNH、ステータ20のステータ磁石29における磁極の対の数(極対数)をNSとした場合、NL=NH+NSが成立する。この関係式が成立する場合、磁極片ロータ30に対する磁石ロータ10の回転数の比は、NL/NHで表される。本例では、NL/NHが1よりも大きく、磁石ロータ10は高速ロータとして機能し、磁極片ロータ30は低速ロータとして機能する。なお、磁極片55の磁極数NLは、ステータ磁石29の極対数NSよりも少ない。
なお、図1A、図1Bの例では、径方向の外側から順に、ステータ20、磁極片55、および、ロータ磁石19が配置されるが本開示はこれに限定されない。例えば、径方向の外側から順に、ロータ磁石19、磁極片55、および、ステータ20が配置される構成が採用されてもよい。
<2.磁気ギヤード電気機械1の内部構造の概要>
図2は、本開示の一実施形態に係る磁気ギヤード電気機械1の内部構造を示す概略図である。磁極片ロータ30は、周方向に延在する環状ユニット50を含む。環状ユニット50は、外側エアギャップG1を空けてステータ20と対向し、且つ内側エアギャップG2を空けて磁石ロータ10と対向する。環状ユニット50は複数の磁極片55および複数の非磁性体52を有し、各磁極片55と各非磁性体52はいずれも軸方向に延在する。また、複数の磁極片55と複数の非磁性体52は周方向に交互に並ぶ。本例の各磁極片55は軸方向に積層された複数の電磁鋼板によって形成されるが、本開示はこれに限定されない。例えば、各磁極片55の少なくとも一部は圧粉磁心によって形成されてもよい。なお、上述した一対のフランジ34(図1A、図1B参照)は、それぞれ、環状ユニット50の軸方向の両端部に直接的または間接的に連結されている。
なお、本開示の必須の構成要素ではないが、環状ユニット50の外周面の一部または全部がカバー(図示外)によって覆われてもよい。同様に環状ユニット50の内周面の一部または全部もカバー(図示外)によって覆われてもよい。カバーを形成する材料は非磁性材料であることが好ましく、非磁性材料かつ非導電材料であることがさらに好ましい。
また、本開示の必須の構成要素ではないが、複数の磁極片55の少なくとも1つは軸方向に開放された磁極片通風路56を含んでもよい。磁極片通風路56には、空気が軸方向に沿って流れる。この場合、一対のフランジ34にはそれぞれ、磁極片通風路56に連通する通風孔が設けられることが好ましい。
また、詳細な図示は省略するが、複数の非磁性体52の少なくとも1つは軸方向に開放された非磁性体通風路を含んでもよく、この非磁性体通風路に空気が軸方向に流れてもよい。この場合、非磁性体通風路と軸方向に連通する通風孔が、一対のフランジ34にそれぞれ設けられることが好ましい。
<3.一実施形態に係るステータ20の構成の詳細>
図2で例示されるように、ステータ20の構成要素である上述のステータコア25は、軸線に対して周方向に延在する。さらに、ステータ20は、ステータコア25から径方向の一方側(図2の例では径方向の内側)に突出する複数の歯28を含む。複数の歯28は周方向に間隔を空けて配置される。軸方向に延在する各々の歯28は、ステータコア25から径方向の一方側に突出する突起部281と、突起部281の一方側の端部に設けられる先端部282とを有する。周方向において先端部282は突起部281よりも長い。周方向に隣接する2つの歯28の間にある空間はスロット開口9である。上述のステータコイル27は複数の歯28の各々の突起部281に巻かれており、ステータコイル27の一部はスロット開口9に配置される。
ステータ20は、周方向に間隔を空けて配置されるフィンガー23をさらに含む。フィンガー23は、先端部282から径方向の一方側に突出すると共に軸方向に延在する。複数のステータ磁石29の各々は、軸方向に延在する形状を呈する。また、各ステータ磁石29は、周方向に隣接する2つのフィンガー23によって挟まれている。つまり、複数のステータ磁石29は、ステータコア25よりも径方向の一方側において周方向に配置される。なお、図2で例示されるフィンガー23は先端部282と一体的に形成されるが、本開示はこれに限定されない。例えば複数のフィンガー23の少なくとも1つは、先端部282とは別体に形成されてもよい。
上述したように、磁気ギヤード電気機械1は、径方向の外側から順に、ロータ磁石19、磁極片55、および、ステータ20が配置される構成を有してもよい。この場合、「径方向の一方側」は、径方向の外側である。以下の説明では、径方向の一方側が径方向の内側となる構成を主として説明する。
<4.樹脂部材60の構成>
図1A~図4Bを参照し、樹脂部材60の構成の詳細を例示する。図3A、図3Bは、本開示の一実施形態に係る樹脂部材60A,60B(60)を示す概略的な斜視図である。樹脂部材60A,60B(60)は蓋部70A,70B(70)を含む。蓋部70A,70B(70)の構成要素である蓋本体部75A,75B(75)は、ステータコア25よりも軸方向の一方側においてコイルエンド21(図1A、図1B参照)を覆うように周方向に延在する。蓋本体部75は、ステータコア25の周方向の全長に亘ってステータコア25と軸方向に対向する。この蓋本体部75の内部にはコイルエンド21が埋まっている(図1A、図1B参照)。より詳細な一例として、各ステータコイル27を構成する1本のコイル線は歯28に巻かれており、該コイル線はコイルエンド21の折り曲げ部位21A(図4A参照)を構成する複数の湾曲部を有する。そして、これら複数の湾曲部の各々が蓋本体部75に埋まっている。
さらに、図1A、図1Bで例示されるように、樹脂部材60はスロット開口9(図2参照)を充填する充填部65を備える。充填部65は軸方向に延在しており、充填部65の軸方向における一方側の端部である一端部が上述の蓋本体部75に連結する。充填部65は蓋部70と一体的に形成される。図2で示されるように、本例では、複数の充填部65がそれぞれ複数のスロット開口9を充填する。充填部65の内部にはステータコイル27が埋まっている。より詳細な一例として、各ステータコイル27を構成する1本のコイル線は、歯28に沿って延在する(即ち軸方向に延在する)複数の軸方向延在部を有し、該複数の軸方向延在部の各々が充填部65に埋まっている。上記の構造により、樹脂部材60はステータコイル27の少なくとも一部と密着できる。
なお、図1A、図1Bで例示されるように、本開示の一実施形態に係る樹脂部材60は、充填部65を挟んで蓋部70とは反対側に位置する別蓋部170をさらに含む。別蓋部170は、ステータコイル27のうちステータコア25よりも軸方向の他方側に位置する別コイルエンド22を覆うように周方向に延在する。そして、各充填部65の軸方向における他方側の端部である他端部が別蓋部170に連結する。各充填部65と一体的に形成された本例の別蓋部170は、蓋部70と軸方向に対称な形状を有する。以下では説明を簡略化する都合、蓋部70を詳説し、別蓋部170の詳細の一部または全部を割愛する(図3A、図3Bでは別蓋部170の図示が省略されている)。
図3A、図3Bで例示されるように、蓋部70A,70B(70)の蓋本体部75A、75B(75)は、内周面78と、外周面79と、少なくとも1つの径方向開放部80とを有する。径方向開放部80は、内周面78に形成された内開口88と、外周面79に形成された外開口89とを径方向に繋ぐ(換言すると径方向に連通させる)。磁気ギヤード電気機械1の稼働時、径方向開放部80の内側には空気が流れることができる。
上記構成によれば、通電に伴ってステータコイル27が発熱しても、ステータコイル27で生じた熱は、充填部65を経由して蓋本体部75に伝わるか、あるいは、蓋本体部75に直接的に伝わる。そして、熱は蓋部70から放出される。蓋部70の蓋本体部75が少なくとも1つの径方向開放部80を有するので、蓋本体部75の周囲にある空気にさらされる蓋本体部75の表面積が増大する。従って、蓋部70の放熱性が向上するので、冷却性能を向上したステータ20が実現される。
また、本開示の一実施形態に係る熱可塑性を有する樹脂部材60のガラス転移温度は、130℃以上である。上記構成によれば、ステータコイル27の発熱にも樹脂部材60が十分に耐えることができるので、ステータ20は耐熱性を向上できる。
また、本開示の一実施形態に係るステータ20(図2参照)は、既述の通り、ステータコア25よりも径方向の一方側(図2の例では径方向の内側)において周方向に配置される複数のステータ磁石29を含む。上記構成によれば、ステータ磁石29の発熱によってステータコア25の温度が上昇した場合でも、ステータコア25で生じた熱を樹脂部材60の蓋部70から放出することができる。よって、ステータ20が磁気ギヤード電気機械1に適用される場合でも、ステータ20の冷却性能が十分に発揮されて磁気ギヤード電気機械1は正常に稼働できる。
図3A、図3Bで例示されるように、少なくとも1つの径方向開放部80は、第1径方向開放部81を有する。第1径方向開放部81は、蓋本体部75の軸方向における他方側の端部751に形成されている。つまり、第1径方向開放部81は、径方向に開放されるのみならず軸方向の他方側へ開放されている。また、第1径方向開放部81は、いずれかの歯28と軸方向に対向するように配置される。第1径方向開放部81の一部は、コイルエンド21の折り曲げ部位21Aによって規定される内側空間Eに位置する(図4A、図4B参照)。換言すると、第1径方向開放部81の一部は、折り曲げ部位21Aの内側に配置される。従って、第1径方向開放部81の内開口88である内開口881と、第1径方向開放部81の外開口89である外開口891は、径方向においてコイルエンド21の両側に位置する(図3A、図3B参照)。本開示の一実施形態では、複数のコイルエンド21に対応して複数の第1径方向開放部81が設けられる。即ち、複数の第1径方向開放部81が周方向に等間隔に配置される。但し、本開示はこれに限定されず、第1径方向開放部81の個数は単数であってもよいし、2以上であってもよい。例えば温度上昇が懸念される少なくとも1つの特定のコイルエンド21のみに対応して、少なくとも1つの第1径方向開放部81が設けられてもよい。
上記構成によれば、第1径方向開放部81がコイルエンド21の内側空間Eに位置するので、コイルエンド21と第1径方向開放部81との間の距離を小さくできる。コイルエンド21で生じた熱が第1径方向開放部81に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。
図3A、図3Bで例示されるように、少なくとも1つの径方向開放部80は、第2径方向開放部82を有する。第2径方向開放部82は、周方向に隣接する2つのコイルエンド21の間に位置する(図4A、図4B参照)。従って、第2径方向開放部82の内開口88である内開口882と、第2径方向開放部82の外開口89である外開口892は、いずれも、隣接する2つのコイルエンド21の間に位置する。第2径方向開放部82は、一例として、蓋本体部75の軸方向における一方側の端部752に形成されている。また、本開示の一実施形態に係る第2径方向開放部82は、周方向に隣接する任意の2つのコイルエンド21の間に配置される。即ち、複数の第2径方向開放部82が周方向に等間隔に配置される。但し、本開示はこれに限定されず、第2径方向開放部82の個数は単数であってもよいし、2以上であってもよい。例えば、温度上昇が懸念される特定のコイルエンド21と、該コイルエンド21と隣接するコイルエンド21との間にだけ第2径方向開放部82が設けられてもよい。
上記構成によれば、第2径方向開放部82が周方向に隣接する2つのコイルエンド21の間に位置するので、コイルエンド21と第2径方向開放部82との間の距離を小さくできる。コイルエンド21で生じた熱が第2径方向開放部82に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。
図4A、図4Bで例示されるように、第2径方向開放部82は、周方向長さが軸方向の一方側から他方側に向かうほど短くなるように構成される。そして、第2径方向開放部82の他方側における端部85は、コイルエンド21の一方側の端部24よりも他方側に位置する。また本例では、第2径方向開放部82の端部85は、第1径方向開放部81の軸方向における一方側の端部83よりも他方側に位置する。なお、コイルエンド21の端部24は、折り曲げ部位21Aの一方側の端部と一致する。上記構成によれば、第2径方向開放部82の少なくとも一部はコイルエンド21と周方向に並ぶように配置されるので、コイルエンド21と第2径方向開放部82との間の距離を小さくできる。コイルエンド21で生じた熱が第2径方向開放部82に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。
図4A、図4Bで例示されるように、第1径方向開放部81と第2径方向開放部82は周方向において互いにずれて配置される。同図の例では、複数の第1径方向開放部81と、複数の第2径方向開放部82が周方向において交互に配置される。第1径方向開放部81と前記第2径方向開放部82が周方向において揃う場合、第1径方向開放部81と第2径方向開放部82との間にある蓋本体部75の部位の軸方向長さを確保する必要があるため、蓋本体部75は軸方向に長くなるおそれがある。この点、上記構成によれば、第1径方向開放部81と第2径方向開放部82が周方向において互いにずれることで、蓋本体部75の軸方向長さを短くでき、蓋本体部75のコンパクト化が実現される。
図3Aで例示される蓋部70Aは、蓋本体部75Aからなる。そして、同図で例示される第2径方向開放部82は、蓋本体部75の軸方向の一方側における端部752において、一方側に開放されている。上記構成によれば、第2径方向開放部82が径方向に開放されるのみならず、軸方向の一方側にも開放されるので、第2径方向開放部82における空気の流れが滞るのを抑制できる。第2径方向開放部82と空気との熱交換が促進される構造が実現されるので、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。
図3Aで例示される蓋部70Aの蓋本体部75Aは、軸方向の一方側の端面である一方側端面755を備える。本例の一方側端面755は、軸方向と直交する平面であり、周方向に延在する。さらに、蓋本体部75Aは、一方側端面755と内周面78とを接続する内側テーパ面758、または、一方側端面755と外周面79とを接続する外側テーパ面759の少なくとも一方を有する。同図の蓋本体部75Aは、内側テーパ面758と外側テーパ面759の双方を有するが、本開示はこれに限定されない。即ち、蓋本体部75Aは、内側テーパ面758または外側テーパ面759のいずれか一方を有し、他方を有さなくてもよい。上記構成によれば、内側テーパ面758または外側テーパ面759の少なくとも一方が設けられることで、蓋本体部75Aが面取りされていない形状を呈する場合に比べて、蓋本体部75Aはコイルエンド21に近接できる。コイルエンド21で生じた熱が蓋本体部75Aに伝わり易い構成が実現されるので、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。
図3Bで例示される蓋部70Bは、上述の蓋本体部75Bと、蓋本体部75Bの端部752に連結されるリング部72をさらに有する。リング部72は、蓋本体部75Bの周方向の全長に亘って、端部752に連結される。図3Bで例示される第2径方向開放部82は、蓋本体部75Bとリング部72との間に形成される。この第2径方向開放部82は、リング部72によって軸方向の一方側から閉塞されており、径方向においてのみ開放される。
上記構成によれば、リング部72が設けられることで蓋部70Bの軸方向長さが増大するので、蓋部70Bの周囲にある空気にさらされる蓋部70Bの表面積が増大する。よって、ステータ20の冷却性能はさらに向上する。また、樹脂部材60を成形する過程において(詳細は後述する)、第2径方向開放部82が形成される場所には後述する中子90(図8参照)が配置されるので、樹脂部材60を形成するための液状の樹脂が流れにくい傾向にある。この点、上記構成によれば、周方向に延在するリング部72を形成するための液状の樹脂の流路が成形過程において配置されるので、第2径方向開放部82が形成される場所の近くにおいて液状の樹脂の流れが滞るのを抑制することもできる。
また、樹脂部材60B(60)を構成する樹脂材料にセラミックフィラーが含まれてもよい。これにより、樹脂部材60Bの熱伝導性の向上と、温度変化に伴う熱収縮の緩和とが実現される。セラミックフィラーが含まれると、樹脂部材60を成形する過程で使用される液状の樹脂の粘度が増大し、液状の樹脂が成形金型100(図8参照)の内部を流れにくくなる傾向がある。この点、リング部72が設けられる樹脂部材60Bによれば、リング部72を形成するための流路が液状の樹脂を流れ易くする流路として機能するので、樹脂部材60Bの成形工程を易化することができる。なお、リング部72が設けられない樹脂部材60A(60)を構成する樹脂材料にセラミックフィラーが含まれてもよい。成形金型100に液状の樹脂を充填するときに採用される充填圧など、樹脂部材60Aの成形工程の諸条件を調整することで、セラミックフィラーを含む液状の樹脂を成形金型100の内部に充填することは可能である。
<5.ステータ20の補足>
磁気ギヤード電気機械1に組み込まれる上述のステータ20は複数のステータ磁石29を備えるが、本開示はこれに限定されない。例えば、ステータ20は、ステッピングモータまたはDCモータなど、磁極片ロータ30を備えないモータに組み込まれてもよい。この場合であっても、既述の理由により、冷却性能を向上したステータ20が実現される。
<6.一実施形態に係るステータ20の製造方法>
図5~図9を参照し、一実施形態に係るステータ20の製造方法を説明する。以下で説明する製造方法の開始前、ステータコア25に複数のステータコイル27が既に設けられている(図6参照)。また、以下の説明では、樹脂部材60Bを備えるステータ20(図3B参照)の製造方法を例示する。
はじめに、図5で示すように、離型性部材45を配置するステップが実行される(S10)。離型性部材45はステータ磁石29と同様の形状を有する。S10の詳細は一例として以下の通りである。図6、図7に示すように、周方向に隣接する2つのフィンガー23の間に離型性部材45が挿入される(図6は離型性部材45の挿入前の状態を示し、図7は挿入後の状態を示す)。結果、周方向に隣接する2つのフィンガー23の間の空間は、軸方向に延在する離型性部材45によって充填される。離型性部材45を形成する材料は、例えばシリコーンまたはポリテトラフルオロエチレンなど離型性に優れる部材である。
次いで、図5に示すように、液状の樹脂を用いて樹脂部材60Bをかたどるための成形金型100と、少なくとも1つの径方向開放部80を形成するための少なくとも1つの中子90とを配置するステップが実行される(S12)。液状の樹脂は樹脂部材60を形成するための材料である。S12の詳細は一例として以下の通りである。
図8で示すように、成形金型100は、周方向に並ぶ複数のコイルエンド21を覆うように配置される第1金型101と、周方向に並ぶ複数の別コイルエンド22を覆うように配置される第2金型102と、複数のフィンガー23および複数の離型性部材45を径方向の内側から覆うように配置される円筒状の第3金型103(図7参照)とを備える。第1金型101は蓋部70B(70)をかたどるための形状を呈する第1溝183を有し、第2金型102は別蓋部170をかたどるための形状を呈する第2溝184を有する。第1溝183はステータコア25よりも軸方向の一方側に位置し、第2溝184はステータ20よりも軸方向の他方側に位置する。第1溝183と第2溝184はいずれも周方向に延在する。なお、第1金型101によって覆われる空間と、第2金型102によって覆われる空間は、複数のスロット開口9のそれぞれと連通する。
S12の詳説を続ける。少なくとも1つの中子90は、第1金型101によって覆われる空間において配置され、より詳細な一例として、第1溝183の内側空間に配置される。少なくとも1つの中子90は、第1径方向開放部81を形成するための第1中子91と、第2径方向開放部82を形成するための第2中子92とを含む。第1中子91は、コイルエンド21の折り曲げ部位21Aによって規定される内側空間Eに配置される。第2中子92は、周方向に隣接する2つのコイルエンド21の間に配置される。第1中子91および第2中子92は、例えばシリコーンまたはポリテトラフルオロエチレンなど離型性に優れる材料によって形成されることが好ましい。また、第2金型102によって覆われる空間にも、上記の中子90が配置される。即ち、第2溝184の内側空間にも上記の中子90が配置される。この配置方法は、第1溝183に中子90を配置する方法と同様であるため、詳説は割愛する。
なお、S12では、第1金型101と第2金型102がそれぞれステータコア25に押し当たる状態が維持されるよう工具(図示外)が用いられる。これにより、後述する液状の樹脂が充填される間、第1金型101と第2金型102がステータコア25から離れることが回避される。
次いで、図5に示すように、成形金型100によって覆われる内側空間に液状の熱硬化性の樹脂を流し込むと共に、スロット開口9に当該樹脂を充填するステップが実行される(S14)。例えば、図8で示されるように、ステータ20の軸方向が鉛直方向となるようにステータコア25を配置する。そして、ステータコア25よりも下側に位置する第1金型101の内側空間に液状の樹脂を流し込む(矢印Q)。これにより、第1溝183の内側空間、複数のスロット開口9、および、第2溝184の内側空間に液状の樹脂が行き渡る。また、複数のステータコイル27は液状の樹脂に浸かる。なお、第1溝183は、リング部72(図3B参照)をかたどるための周方向に延在する部位を含み、当該部位を液状の樹脂は流れる。これにより、第2中子92が配置されることに起因して液状の樹脂の流れが滞るのを回避できる。
液状の樹脂を流し込む前、第1金型101によって覆われる空間、複数のスロット開口9、および、第2金型102によって覆われる空間は、例えば真空ポンプを用いて真空にしてもよい。ただし、真空引きは本開示の必須のステップではない。第1金型101に液状の樹脂を流し込むための充填圧を大きくすれば、真空引きを実行しなくても、S14は実行可能である。
次いで、図5に示すように、液状の樹脂を乾燥および硬化させるステップが実行される(S16)。例えば、成形金型100の加熱を通じて液状の樹脂の温度を規定温度まで上昇させる。これにより、液状の樹脂の乾燥および硬化が実行されて、樹脂部材60Bが形成される。次いで、成形金型100と中子90を除去するステップが実行され(S18)、離型性部材45を除去するステップが実行される(S20)。中子90と離型性部材45はそれぞれ離型性を有するので、中子90は樹脂部材60Bから離脱し易く、離型性部材45はフィンガー23から離脱し易い。次いで、隣接する2つのフィンガー23の間にステータ磁石29が配置されるステップが実行される(S22)。S22が実行されることで、図9に示すように、樹脂部材60Bを備えたステータ20が完成する。
上記の製造方法によれば、少なくとも1つの径方向開放部80を含む樹脂部材60を形成することができ、既述の理由により、冷却性能を向上したステータ20の製造方法が実現される。
また、少なくとも1つの中子90が第1中子91と第2中子92を含むので、第1径方向開放部81と第2径方向開放部82を形成することができる。よって、既述の理由により、冷却性能を向上したステータ20の製造方法が実現される。
また、液状の樹脂を充填するステップの実行時(S14)、ステータコア25の軸方向が鉛直方向となるようにステータコア25は配置される。これにより、液状の樹脂がスロット開口9を鉛直方向に沿って下から上に流れることができるので、スロット開口9に液状の樹脂が充填され易くなる。
また、液状の樹脂を充填するステップの前に離型性部材45が配置されるので(S10)、S14の実行時、周方向に隣接する2つのフィンガー23の間に樹脂が入り込むのを抑制できる。さらに、ステータ磁石29が配置されるステップの前に、液状の樹脂を乾燥および硬化させるので(S16)、S16の実行に伴って生じる熱がステータ磁石29に伝わるのを抑制できる。よって、温度上昇に起因するステータ磁石29の減磁を回避できる。
なお、本開示のステータ20の製造方法は上記実施形態に限定されない。樹脂部材60Bに代えて樹脂部材60Aを備えるステータ20が製造される場合には、中子90は第2中子92を含まなくてよい。また、中子90の個数は、複数であるとは限らない。中子90の個数は、樹脂部材60の径方向開放部80の個数と同じである。ステータ20が完成した段階における径方向開放部80の個数が1個であるなら、中子90の個数は1個である。また、液状の樹脂の充填を充填するステップの実行時(S14)、第1金型101がステータコア25に対して上側に位置してもよい。この場合、液状の樹脂は、スロット開口9を鉛直方向に沿って上から下に流れる。あるいは、液状の樹脂を充填するステップの実行時(S14)、ステータコア25は横置きに配置されてもよい。いずれの実施形態においても、上述の利点の少なくとも1つは得られる。
<7.他の実施形態に係るステータ20の製造方法>
図6、図9、図10~図12を参照し、他の実施形態に係るステータ20の製造方法を説明する。以下で説明する製造方法の開始前、ステータコア25に複数のステータコイル27が既に設けられている(図6参照)。以下で説明する方法によって製造されるステータ20の樹脂部材60は、樹脂部材60A,60Bのいずれであってもよい。また、図10で示されるS32、S34、S38は、図5で示される既述のS12、S14、S18と同様であるので、以下ではこれらのステップの説明を簡略化または省略する。
はじめに、図10、図11で示されるように、周方向に隣接する2つのフィンガー23の間にステータ磁石29が配置されるステップが実行される(S30)。次いで、成形金型100と少なくとも1つの中子90が配置されるステップが実行され(S32)、液状の樹脂を充填するステップが実行される(S34)。
次いで、図10で示されるように、充填された液状の樹脂が第1の温度になるよう事前加熱するステップが実行される(S36)。第1の温度は、液状の樹脂が流動性を損なう程度に硬化するための温度である。当該加熱は、例えば、成形金型100の加熱を通じて実行される。S36の実行後の樹脂は水分を内部に含んでいてもよい。その後、成形金型100と少なくとも1つの中子90を除去するステップが実行される(S38)。
次いで、図10で示されるように、複数の補助磁石48が配置されるステップが実行される(S40)。より詳細には図12で例示されるように、複数の補助磁石48は、複数のステータ磁石29に対して径方向の一方側(同図の例では径方向の内側)において周方向に並ぶように配置される。複数の補助磁石48の個数は複数のステータ磁石29の個数と同数であり、各補助磁石48は各ステータ磁石29と径方向に対向する。そして、径方向に対向する補助磁石48とステータ磁石29のそれぞれの磁化方向は互いに同じである。また、補助磁石48の残留磁束密度は、一例として、当該補助磁石48と対向するステータ磁石29の残留磁束密度よりも大きい。
次いで、樹脂の温度が、第1の温度よりも高い第2の温度になるよう加熱するステップが実行される(S42)。第2の温度は、樹脂が完全に乾燥および硬化できる温度であると共に、樹脂のガラス転移温度よりも低い温度である。当該加熱は、高温の空気を直接的に送風することで実行されてもよいし、ステータコア25の加熱を通じて実行されてもよい。これにより、樹脂部材60が形成される。最後に、補助磁石48が除去されて(S44)、ステータ20は完成する(図9参照)。
上記構成によれば、樹脂を第2の温度まで加熱するステップ(S42)において、補助磁石48が配置されているので、S42の実行に伴って生じる熱がステータ磁石29に伝わる場合であっても、補助磁石48の配置によりステータ磁石29の減磁を抑制できる。特に、樹脂部材60のガラス転移温度が高い場合、第2の温度も高まる傾向がある。この点、上記構成によれば、第2の温度が高いことに起因して、S42の実行中にステータ磁石29の温度が高まる場合でも、補助磁石48の配置によりステータ磁石29の減磁は抑制される。
また、充填された樹脂が事前加熱されることで(S36)、樹脂の流動性は失われる。これにより、樹脂の乾燥硬化(S42)よりも前に、成形金型100と中子90を除去できる(S38)。従って、成形金型100と中子90の除去後、かつ、樹脂の乾燥硬化の前に、複数の補助磁石48を配置できる(S40)。成形金型100および中子90が補助磁石48の配置の妨げにならないので、ステータ20の製造方法を易化できる。
<8.まとめ>
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係るステータ(20)は、
軸線に対して周方向に延在するステータコア(25)と、
前記ステータコア(25)から径方向の一方側に突出する複数の歯(28)であって、前記周方向において間隔を空けて配置された複数の歯(28)と、
前記複数の歯(28)に巻かれる複数のステータコイル(27)であって、前記ステータコア(25)よりも軸方向の一方側に位置するコイルエンド(21)をそれぞれ含む複数のステータコイル(27)と、
前記ステータコア(25)に設けられる樹脂部材(60)と、
を備え、
前記樹脂部材(60)は、
前記周方向に隣接する2つの前記歯(28)の間に形成されるスロット開口(9)を充填する充填部(65)であって、前記軸方向に延在する充填部(65)と、
前記充填部(65)の前記軸方向の一端部に連結する蓋本体部(75)であって、前記ステータコア(25)よりも前記軸方向の前記一方側において前記コイルエンド(21)を覆うように前記周方向に延在する蓋本体部(75)を有する蓋部(70)と、
を含み、
前記蓋本体部(75)は、
内周面(78)と、
外周面(79)と、
前記内周面(78)に形成された内開口(88)と前記外周面(79)に形成された外開口(89)とを前記径方向に繋ぐ少なくとも1つの径方向開放部(80)と、
を有する。
上記1)の構成によれば、通電に伴ってステータコイル(27)が発熱しても、ステータコイル(27)で生じた熱は、充填部(65)を経由して蓋本体部(75)に伝わるか、あるいは、蓋本体部(75)に直接的に伝わる。そして、熱は蓋部(70)から放出される。蓋部(70)の蓋本体部(75)が少なくとも1つの径方向開放部(80)を有するので、蓋本体部(75)の周囲にある空気にさらされる蓋本体部(75)の表面積が増大する。従って、蓋部(70)の放熱性が向上するので、冷却性能を向上したステータ(20)が実現される。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載のステータ(20)であって、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、前記コイルエンド(21)の折り曲げ部位(21A)によって規定される内側空間(E)に位置する第1径方向開放部(81)を有する。
上記2)の構成によれば、第1径方向開放部(81)がコイルエンド(21)の内側空間(E)に位置するので、コイルエンド(21)と第1径方向開放部(81)との間の距離を小さくできる。コイルエンド(21)で生じた熱が第1径方向開放部(81)に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。
3)幾つかの実施形態では、上記1)または2)に記載のステータ(20)であって、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンド(21)の間に位置する第2径方向開放部(82)を有する。
上記3)の構成によれば、第2径方向開放部(82)が周方向に隣接する2つのコイルエンド(21)の間に位置するので、コイルエンド(21)と第2径方向開放部(82)との間の距離を小さくできる。コイルエンド(21)で生じた熱が第2径方向開放部(82)に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。
4)幾つかの実施形態では、上記3)に記載のステータ(20)であって、
前記第2径方向開放部(82)は、前記蓋本体部(75)の前記一方側の端部(752)において、前記一方側に開放される。
上記4)の構成によれば、第2径方向開放部(82)が径方向に開放されるのみならず、軸方向の一方側にも開放されるので、第2径方向開放部(82)における空気の流れが滞るのを抑制できる。第2径方向開放部(82)と空気との熱交換が促進される構造が実現されるので、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。
5)幾つかの実施形態では、上記3)に記載のステータ(20)であって、
前記蓋部(70)は、前記蓋本体部(75)の前記軸方向における前記一方側の端部(752)に連結されるリング部(72)をさらに有し、
前記第2径方向開放部(82)は、前記蓋本体部(75)と前記リング部(72)との間に形成される。
上記5)の構成によれば、リング部(72)が設けられることで蓋部(70)の軸方向長さが増大するので、蓋部(70)の周囲にある空気にさらされる蓋部(70)の表面積が増大する。よって、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。また、樹脂部材(60)を成型する過程において、第2径方向開放部(82)が形成される場所には中子(90)が配置されるので、樹脂部材(60)を形成するための液状の樹脂が流れにくい傾向にある。この点、上記5)の構成によれば、周方向に延在するリング部(72)を形成するための液状の樹脂の流路が成型過程において配置されるので、第2径方向開放部(82)が形成される場所の近くにおいて液状の樹脂の流れが滞るのを抑制することもできる。
6)幾つかの実施形態では、上記3)から5)のいずれかに記載のステータ(20)であって、
前記第2径方向開放部(82)は、周方向長さが前記軸方向の他方側に向かうほど短くなるように構成され、
前記第2径方向開放部(82)の前記他方側の端部(85)は、前記コイルエンド(21)の前記一方側の端部(24)よりも前記他方側に位置する。
上記6)の構成によれば、第2径方向開放部(82)の少なくとも一部はコイルエンド(21)と周方向に並ぶように配置されるので、コイルエンド(21)と第2径方向開放部(82)との間の距離を小さくできる。コイルエンド(21)で生じた熱が第2径方向開放部(82)に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。
7)幾つかの実施形態では、上記4)に記載のステータ(20)であって、
前記蓋本体部(75)は、
前記軸方向の前記一方側の端面である一方側端面(755)と、
前記一方側端面(755)と前記内周面(78)とを接続する内側テーパ面(758)、または、前記一方側端面(755)と前記外周面(79)とを接続する外側テーパ面(759)の少なくとも一方と、を有する。
上記7)の構成によれば、内側テーパ面(758)または外側テーパ面(759)の少なくとも一方が設けられることで、蓋本体部(75)が面取りされていない形状を呈する場合に比べて、蓋本体部(75)はコイルエンド(21)に近接できる。よって、コイルエンド(21)で生じた熱が蓋本体部(75)に伝わり易い構成が実現されるので、ステータ(20)の冷却性能はさらに向上する。
8)幾つかの実施形態では、上記1)から7)のいずれかに記載のステータ(20)であって、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、
前記コイルエンド(21)の折り曲げ部位(21A)によって規定される内側空間(E)に位置する第1径方向開放部(81)と、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンド(21)の間に配置される第2径方向開放部(82)と、
を有し、
前記第1径方向開放部(81)と前記第2径方向開放部(82)は、前記周方向において互いにずれている。
第1径方向開放部(81)と前記第2径方向開放部(82)が周方向において揃う場合、第1径方向開放部(81)と第2径方向開放部(82)との間にある蓋本体部(75)の部位の軸方向長さを確保する必要があるため、蓋本体部(75)は軸方向に長くなるおそれがある。この点、上記8)の構成によれば、第1径方向開放部(81)と第2径方向開放部(82)が周方向において互いにずれることで、蓋本体部(75)の軸方向長さを短くでき、蓋本体部(75)のコンパクト化が実現される。
9)幾つかの実施形態では、上記1)から8)のいずれかに記載のステータ(20)であって、
前記ステータコア(25)よりも前記径方向の前記一方側において前記周方向に配置される複数のステータ磁石(29)をさらに備える。
上記9)の構成によれば、ステータ磁石(29)の発熱によってステータコア(25)の温度が上昇した場合でも、ステータコア(25)で生じた熱を樹脂部材(60)の蓋部(70)から放出することができる。よって、ステータ(20)が磁気ギヤード電気機械(1)に適用される場合でも、冷却性能が十分に発揮されて磁気ギヤード電気機械(1)は正常に稼働できる。
10)幾つかの実施形態では、上記1)から9)のいずれかに記載のステータ(20)であって、
前記樹脂部材(60)のガラス転移温度は130℃以上である。
上記10)の構成によれば、ステータコイル(27)の発熱にも樹脂部材(60)が十分に耐えることができるので、ステータ(20)は耐熱性を向上できる。
11)本発明の少なくとも一実施形態に係るステータ(20)の製造方法は、
上記1)乃至10)の何れかに記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記周方向に並ぶ複数の前記コイルエンド(21)を覆うように金型(第1金型101)を配置すると共に、前記金型(第1金型101)によって覆われる空間内において、前記少なくとも1つの径方向開放部(80)を形成するための少なくとも1つの中子(90)を前記ステータコア(25)よりも前記軸方向の前記一方側に配置するステップ(S12、S32)と、
前記金型(第1金型101)によって覆われる前記空間に、前記樹脂部材(60)を形成するための液状の樹脂を流し込むと共に、前記スロット開口(9)に液状の前記樹脂を充填するステップ(S14、S34)と、
前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップ(S16、S42)と、
前記金型(第1金型101)および前記少なくとも1つの中子(90)を除去するステップ(S18、S38)と、
を備える。
上記11)の構成によれば、少なくとも1つの径方向開放部(80)を含む樹脂部材(60)を形成することができる。よって、上記1)と同様の理由によって冷却性能を向上したステータ(20)の製造方法が実現される。
12)幾つかの実施形態では、上記11)に記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、前記コイルエンド(21)の折り曲げ部位(21A)によって規定される内側空間(E)に位置する第1径方向開放部(81)を有し、
前記少なくとも1つの中子(90)は、前記第1径方向開放部(81)を形成するための第1中子(91)を含む。
上記12)の構成によれば、第1径方向開放部(81)を形成することができる。よって、上記2)と同様の理由によって冷却性能を向上したステータ(20)の製造方法が実現される。
13)幾つかの実施形態では、上記11)または12)に記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記少なくとも1つの径方向開放部(80)は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンド(21)の間に配置される第2径方向開放部(82)を有し、
前記少なくとも1つの中子(90)は、前記第2径方向開放部(82)を形成するための第2中子(92)を含む。
上記13)の構成によれば、第2径方向開放部(82)を形成することができる。よって、上記3)と同様の理由によって冷却性能を向上したステータ(20)の製造方法が実現される。
14)幾つかの実施形態では、上記11)から13)のいずれかに記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記樹脂を充填するステップ(S14、S34)では、前記軸方向が鉛直方向となるように前記ステータコア(25)を配置して、前記樹脂を前記空間に流し込む。
上記14)の構成によれば、液状の樹脂がスロット開口(9)を鉛直方向に流れることができるので、スロット開口(9)に液状の樹脂が充填され易くなる。
15)幾つかの実施形態では、上記11)から14)のいずれかに記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記ステータ(20)は、
前記複数の歯(28)から前記径方向の前記一方側に突出する複数のフィンガー(23)であって、前記周方向に間隔を空けて配置された複数のフィンガー(23)と、
前記周方向に複数のフィンガー(23)と交互に配置される複数のステータ磁石(29)と、
をさらに備え、
前記樹脂を充填するステップ(S14)の実行前、前記周方向に隣接する2つの前記フィンガー(23)の間に離型性部材(45)を配置するステップ(S10)と、
前記金型(第1金型101)および前記少なくとも1つの中子(90)を除去するステップ(S18)の実行後、前記離型性部材(45)を除去するステップ(S20)と、
前記離型性部材(45)を除去するステップ(S20)の実行後、隣接する2つの前記フィンガー(23)の間に前記ステータ磁石(29)を配置するステップ(S22)と、
をさらに備える。
上記15)の構成によれば、液状の樹脂の充填時、周方向に隣接する2つのフィンガー(23)の間に樹脂が入り込むのを抑制できる。また、ステータ磁石(29)の配置前に液状の樹脂を乾燥させて硬化させるので、樹脂の乾燥硬化に伴って生じる熱がステータ磁石(29)に伝わるのを抑制でき、温度上昇に起因したステータ磁石(29)の減磁を回避できる。
16)幾つかの実施形態では、上記11)から14)のいずれかに記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記ステータ(20)は、
前記複数の歯(28)から前記径方向の前記一方側に突出する複数のフィンガー(23)であって、前記周方向に間隔を空けて配置された複数のフィンガー(23)と、
前記周方向に複数のフィンガー(23)と交互に配置される複数のステータ磁石(29)と、
をさらに備え、
前記周方向に隣接する2つの前記フィンガー(23)の間に前記ステータ磁石(29)を配置するステップ(S30)と、
前記複数のステータ磁石(29)に対して前記径方向の前記一方側で前記周方向に並ぶように複数の補助磁石(48)を配置するステップ(S40)と、
前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップ(S42)の実行後、前記複数の補助磁石(48)を除去するステップ(S44)と、
をさらに備える。
上記16)の構成によれば、樹脂の乾燥硬化に伴って生じる熱がステータ磁石(29)に伝わる場合であっても、補助磁石(48)が配置されていることでステータ磁石(29)の減磁を抑制できる。
17)幾つかの実施形態では、上記16)に記載のステータ(20)の製造方法であって、
前記樹脂を充填するステップ(S34)の実行後、かつ、前記金型(第1金型101)および前記少なくとも1つの中子(90)の除去するステップ(S38)の実行前、前記金型(第1金型101)に流し込まれた前記樹脂の温度が第1の温度になるよう事前加熱するステップ(S36)をさらに備え、
前記金型(第1金型101)および前記少なくとも1つの中子(90)を除去するステップ(S38)は、前記事前加熱をするステップ(S36)の実行後、かつ、前記複数の補助磁石(48)を配置するステップ(S40)の実行前に実行され、
前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップ(S42)では、前記補助磁石(48)を配置するステップ(S40)の実行後、前記樹脂の温度が前記第1の温度よりも高い第2の温度になるよう加熱する。
上記17)の構成によれば、充填された樹脂が事前加熱されることで、樹脂の流動性は失われる。これにより、樹脂の乾燥硬化よりも前に金型(第1金型101)と中子(90)を除去できる。従って、金型(第1金型101)と中子(90)の除去後、かつ、樹脂の乾燥硬化の前に、複数の補助磁石(48)を配置することができる。金型(第1金型101)および中子(90)が補助磁石(48)の配置の妨げにならないので、ステータ(20)の製造方法を易化できる。
1 :磁気ギヤード電気機械
5 :回転軸
7 :外部回転機器
8 :動力伝達軸
9 :スロット開口
10 :磁石ロータ
15 :回転子コア
19 :ロータ磁石
20 :ステータ
21 :コイルエンド
21A :折り曲げ部位
22 :別コイルエンド
23 :フィンガー
24 :端部
25 :ステータコア
27 :ステータコイル
28 :歯
29 :ステータ磁石
30 :磁極片ロータ
34 :フランジ
45 :離型性部材
48 :補助磁石
50 :環状ユニット
52 :非磁性体
55 :磁極片
56 :磁極片通風路
60 :樹脂部材
65 :充填部
70 :蓋部
72 :リング部
75 :蓋本体部
78 :内周面
79 :外周面
80 :径方向開放部
81 :第1径方向開放部
82 :第2径方向開放部
83 :端部
85 :端部
88,881,891 :内開口
89,882,892 :外開口
90 :中子
91 :第1中子
92 :第2中子
101 :第1金型(金型)
751 :端部
752 :端部
755 :一方側端面
758 :内側テーパ面
759 :外側テーパ面
E :内側空間

Claims (17)

  1. 軸線に対して周方向に延在するステータコアと、
    前記ステータコアから径方向の一方側に突出する複数の歯であって、前記周方向において間隔を空けて配置された複数の歯と、
    前記複数の歯に巻かれる複数のステータコイルであって、前記ステータコアよりも軸方向の一方側に位置するコイルエンドをそれぞれ含む複数のステータコイルと、
    前記ステータコアに設けられる樹脂部材と、
    を備え、
    前記樹脂部材は、
    前記周方向に隣接する2つの前記歯の間に形成されるスロット開口を充填する充填部であって、前記軸方向に延在する充填部と、
    前記充填部の前記軸方向の一端部に連結する蓋本体部であって、前記ステータコアよりも前記軸方向の前記一方側において前記コイルエンドを覆うように前記周方向に延在する蓋本体部を有する蓋部と、
    を含み、
    前記蓋本体部は、
    内周面と、
    外周面と、
    前記内周面に形成された内開口と前記外周面に形成された外開口とを前記径方向に繋ぐ少なくとも1つの径方向開放部と、
    を有する、
    ステータ。
  2. 前記少なくとも1つの径方向開放部は、前記コイルエンドの折り曲げ部位によって規定される内側空間に位置する第1径方向開放部を有する、
    請求項1に記載のステータ。
  3. 前記少なくとも1つの径方向開放部は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンドの間に位置する第2径方向開放部を有する、
    請求項1または2に記載のステータ。
  4. 前記第2径方向開放部は、前記蓋本体部の前記一方側の端部において、前記一方側に開放される、
    請求項3に記載のステータ。
  5. 前記蓋部は、前記蓋本体部の前記軸方向における前記一方側の端部に連結されるリング部をさらに有し、
    前記第2径方向開放部は、前記蓋本体部と前記リング部との間に形成される、
    請求項3に記載のステータ。
  6. 前記第2径方向開放部は、周方向長さが前記軸方向の他方側に向かうほど短くなるように構成され、
    前記第2径方向開放部の前記他方側の端部は、前記コイルエンドの前記一方側の端部よりも前記他方側に位置する、
    請求項3に記載のステータ。
  7. 前記蓋本体部は、
    前記軸方向の前記一方側の端面である一方側端面と、
    前記一方側端面と前記内周面とを接続する内側テーパ面、または、前記一方側端面と前記外周面とを接続する外側テーパ面の少なくとも一方と、を有する、
    請求項4に記載のステータ。
  8. 前記少なくとも1つの径方向開放部は、
    前記コイルエンドの折り曲げ部位によって規定される内側空間に位置する第1径方向開放部と、
    前記少なくとも1つの径方向開放部は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンドの間に配置される第2径方向開放部と、
    を有し、
    前記第1径方向開放部と前記第2径方向開放部は、前記周方向において互いにずれている、
    請求項1または2に記載のステータ。
  9. 前記ステータコアよりも前記径方向の前記一方側において前記周方向に配置される複数のステータ磁石をさらに備える、
    請求項1または2に記載のステータ。
  10. 前記樹脂部材のガラス転移温度は130℃以上である、
    請求項1または2に記載のステータ。
  11. 請求項1に記載のステータの製造方法であって、
    前記周方向に並ぶ複数の前記コイルエンドを覆うように金型を配置すると共に、前記金型によって覆われる空間内において、前記少なくとも1つの径方向開放部を形成するための少なくとも1つの中子を前記ステータコアよりも前記軸方向の前記一方側に配置するステップと、
    前記金型によって覆われる前記空間に、前記樹脂部材を形成するための液状の樹脂を流し込むと共に、前記スロット開口に液状の前記樹脂を充填するステップと
    前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップと、
    前記金型および前記少なくとも1つの中子を除去するステップと、
    を備える、ステータの製造方法。
  12. 前記少なくとも1つの径方向開放部は、前記コイルエンドの折り曲げ部位によって規定される内側空間に位置する第1径方向開放部を有し、
    前記少なくとも1つの中子は、前記第1径方向開放部を形成するための第1中子を含む、
    請求項11に記載のステータの製造方法。
  13. 前記少なくとも1つの径方向開放部は、前記周方向に隣接する2つの前記コイルエンドの間に配置される第2径方向開放部を有し、
    前記少なくとも1つの中子は、前記第2径方向開放部を形成するための第2中子を含む、
    請求項11または12に記載のステータの製造方法。
  14. 前記樹脂を充填するステップでは、前記軸方向が鉛直方向となるように前記ステータコアを配置して、前記樹脂を前記空間に流し込む、
    請求項11または12に記載のステータの製造方法。
  15. 前記ステータは、
    前記複数の歯から前記径方向の前記一方側に突出する複数のフィンガーであって、前記周方向に間隔を空けて配置された複数のフィンガーと、
    前記周方向に複数のフィンガーと交互に配置される複数のステータ磁石と、
    をさらに備え、
    前記樹脂を充填するステップの実行前、前記周方向に隣接する2つの前記フィンガーの間に離型性部材を配置するステップと、
    前記金型および前記少なくとも1つの中子を除去するステップの実行後、前記離型性部材を除去するステップと、
    前記離型性部材を除去するステップの実行後、隣接する2つの前記フィンガーの間に前記ステータ磁石を配置するステップと、
    をさらに備える、
    請求項11または12に記載のステータの製造方法。
  16. 前記ステータは、
    前記複数の歯から前記径方向の前記一方側に突出する複数のフィンガーであって、前記周方向に間隔を空けて配置された複数のフィンガーと、
    前記周方向に複数のフィンガーと交互に配置される複数のステータ磁石と、
    をさらに備え、
    前記周方向に隣接する2つの前記フィンガーの間に前記ステータ磁石を配置するステップと、
    前記複数のステータ磁石に対して前記径方向の前記一方側で前記周方向に並ぶように複数の補助磁石を配置するステップと、
    前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップの実行後、前記複数の補助磁石を除去するステップと、
    をさらに備える、
    請求項11または12に記載のステータの製造方法。
  17. 前記樹脂を充填するステップの実行後、かつ、前記金型および前記少なくとも1つの中子を除去するステップの実行前、前記金型に流し込まれた前記樹脂の温度が第1の温度になるよう事前加熱するステップをさらに備え、
    前記金型および前記少なくとも1つの中子を除去するステップは、前記事前加熱をするステップの実行後、かつ、前記複数の補助磁石を配置するステップの実行前に実行され、
    前記樹脂を乾燥させて硬化させるステップでは、前記補助磁石を配置するステップの後に、前記樹脂の温度が前記第1の温度よりも高い第2の温度になるよう加熱する、
    請求項16に記載のステータの製造方法。

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