JP2024044958A - 口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤 - Google Patents

口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤 Download PDF

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祐一 黒野
友美子 笹木
真佐夫 原
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Abstract

【課題】刺激性の少ない口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤を提供すること。【解決手段】2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位20~70モル%と、アルキル基の炭素数が4~18であるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位30~80モル%とを含有する共重合体を含有する、口腔・咽頭粘膜保護剤または抗炎症剤。【選択図】図4

Description

本発明は、口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤に関する。
口腔・咽頭内には700種類以上の微生物が存在し、清掃不良等により口腔や咽頭粘膜上皮細胞に感染増殖することにより、口腔・咽頭のみならず全身に影響を及ぼすことが知られている。
ホスホリルコリン基含有重合体を、微生物の粘膜上皮細胞への付着防止等に使用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する口腔用微生物付着防止剤を用いて、口腔粘膜上皮細胞への微生物の付着を防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する歯肉炎予防剤を用いて、細菌の内毒素による口腔粘膜上皮細胞からの炎症性サイトカイン産生を抑制し、歯肉炎の発症および炎症を抑える技術が開示されている。
特開2011-153101号公報 特開2015-000853号公報
口腔・咽頭粘膜上皮細胞に対する細菌感染の予防と治療のために、殺菌剤または菌付着防止剤が開発されているが、その多くは強力な殺菌・抗菌作用を示すため、口腔・咽頭粘膜上皮細胞に対して高い刺激性を示すことが多々ある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、刺激性の少ない口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位と、特定のアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位とを所定のモル比で含有する共重合体(以下、「共重合体(P)」と記載することがある)を用いれば、刺激性の少ない口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] 下記式(1):
(式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位20~70モル%と、
下記式(2):
(式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、およびRは、炭素数4~18の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。)
で表されるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位30~80モル%と
を含有する共重合体を含有する口腔・咽頭粘膜保護剤。
[2] さらに、ポビドンヨード、アズレンスルホン酸およびアズレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する前記[1]に記載の口腔・咽頭粘膜保護剤。
[3] さらに、基剤、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤および保存剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する前記[1]または[2]に記載の口腔・咽頭粘膜保護剤。
[4] 下記式(1):
(式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位20~70モル%と、
下記式(2):
(式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、およびRは、炭素数4~18の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。)
で表されるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位30~80モル%と
を含有する共重合体を含有する抗炎症剤。
本発明によれば、口腔・咽頭粘膜上皮細胞への細菌感染を抑制することができ、且つ刺激性の少ない口腔・咽頭粘膜保護剤を得ることができる。
また、本発明によれば、口腔・咽頭粘膜上皮細胞の炎症を抑制することができ、且つ刺激性の少ない抗炎症剤を得ることができる。
図1は、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤を用いて得られた試験例1の蛍光顕微鏡画像である。 図2は、比較例2の口腔・咽頭粘膜保護剤を用いて得られた試験例1の蛍光顕微鏡画像である。 図3は、試験例2で計測したコロニー数を示す棒グラフである。 図4は、試験例3で計測したコロニー数を示す棒グラフである。 図5は、試験例4で算出した平均付着細菌数の差を示す棒グラフである。 図6は、試験例5で算出した水分量No.2および水分量No.1の差を示す棒グラフである。 図7は、試験例9で計測した平均IL-8濃度を示す棒グラフである。
本発明は、口腔・咽頭粘膜保護剤および抗炎症剤(以下、これらをまとめて「本発明の剤」と記載することがある)を提供する。ここで、「口腔・咽頭粘膜保護剤」とは、口腔・咽頭粘膜上皮細胞への細菌感染を抑制するために用いられる剤を意味する。言い換えると、「口腔・咽頭粘膜保護剤」とは、口腔・咽頭粘膜上皮細胞を、細菌感染から保護するために用いられる剤を意味する。また、「抗炎症剤」とは、炎症を抑制するために用いられる剤を意味する。本発明の抗炎症剤は、好ましくは口腔・咽頭粘膜上皮細胞の炎症を抑制するために用いられる。
本発明の剤は、
下記式(1)で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位(以下「構成単位(1)」と記載することがある)20~70モル%と、
下記式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位(以下「構成単位(2)」と記載することがある)30~80モル%と
を含有する共重合体(以下「共重合体(P)」と記載することがある)を含有する。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン」とは、「アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンまたはメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン」を意味する。また、本明細書中、「アルキル(メタ)アクリレート」とは「アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート」を意味する。
上記式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基、好ましくはメチル基を示す。
上記式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基、好ましくはメチル基を示す。
式(2)中、Rは、炭素数4~18の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。前記アルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。Rは、好ましくはブチル基である。
共重合体(P)は、構成単位(1)として、1種の構成単位(1)(即ち、2-アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位または2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位)のみを含有していてもよく、2種の構成単位(1)(即ち、2-アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位および2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位)を含有していてもよい。また、共重合体(P)は、構成単位(2)として、1種の構成単位(2)のみを含有していてもよく、2種以上の構成単位(2)を含有していてもよい。
共重合体(P)中の構成単位(1)の含有量は、20~70モル%、好ましくは30~60モル%、より好ましくは30~55モル%である。構成単位(1)の含有量が20モル%未満であると、口腔・咽頭粘膜上皮細胞を保護する効果(以下「口腔・咽頭粘膜保護効果」と記載することがある)および抗炎症効果(以下、口腔・咽頭粘膜保護効果および抗炎症効果を、まとめて「本発明の効果」と記載することがある)が期待できず、構成単位(1)の含有量が70モル%より多いと、構成単位(1)が有する超親水性のために、共重合体(P)の口腔・咽頭粘膜上皮細胞への接着性が低下し、本発明の効果が望めなくなる。なお、本明細書中、共重合体(P)中の各構成単位の含有量の値は、共重合体(P)中の全構成単位(即ち、全繰り返し単位)に対する値である。また、共重合体(P)中の各構成単位の含有量は、共重合体(P)の製造時の各単量体の使用量から算出することができる。
共重合体(P)中の構成単位(2)の含有量は、30~80モル%、好ましくは40~70モル%、より好ましくは45~70%である。構成単位(2)の含有量が30モル%未満であると、共重合体(P)の口腔・咽頭粘膜上皮細胞への接着性が期待できず、構成単位(2)の含有量が80モル%より多いと、構成単位(2)に由来する共重合体(P)の細胞毒性が高まり、低刺激性の効果が望めなくなる。
共重合体(P)は、構成単位(1)および構成単位(2)以外の構成単位(以下「他の構成単位」と記載することがある)を含有していてもよいが、共重合体(P)は、他の構成単位を含有しないことが好ましい。即ち、共重合体(P)は、好ましくは、構成単位(1)および構成単位(2)からなる共重合体である。ここで、「構成単位(1)および構成単位(2)からなる共重合体」とは、全構成単位(即ち、全繰り返し単位)が、構成単位(1)および構成単位(2)からなる共重合体を意味する。共重合体(P)は、より好ましくは2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下「MPC」と記載することがある)およびメタクリル酸ブチルの共重合体(即ち、Rがメチル基であり、Rがメチル基であり、およびRがブチル基である共重合体(P))である。
共重合体(P)の重合形態は特に限定されず、共重合体(P)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、または交互共重合体のいずれでもよい。共重合体(P)は、好ましくはランダム共重合体である。
共重合体(P)の重量平均分子量は、好ましくは10,000~10,000,000である。この重量平均分子量が10,000未満であると口腔・咽頭粘膜上皮細胞への共重合体(P)の接着性が低下し、本発明の効果が望めなくなる場合があり、この重量平均分子量が10,000,000より大きいと、共重合体(P)溶液の粘度が急激に上昇し、本発明の剤を製造することが困難となる場合がある。また、本発明の剤の製造時の混合のしやすさから、共重合体(P)の重量平均分子量は、より好ましくは12,000~5,000,000、さらに好ましくは15,000~1,000,000である。なお、前記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
共重合体(P)は、公知の製造方法(例えば、特開平11-035605または特開2004-196868に記載の方法)により製造することができる。例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、アルキル(メタ)アクリレート、および必要に応じて他の構成単位に相当する単量体を含む単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下かつ窒素等の不活性ガス雰囲気下において、溶液重合等の公知の方法により重合させて共重合体(P)を製造することができる。単量体混合物中の各単量体の含有量比は、共重合体(P)中における各構成単位の含有量比に相当する比に設定すればよい。
共重合体(P)として、上記方法により製造したものを用いることができるが、市販品を用いることもできる。
本発明の剤中の共重合体(P)の含有量は、好ましくは0.01~1.0質量%である。共重合体(P)の含有量が0.01質量%未満であると、本発明の効果が十分でない場合があり、共重合体(P)の含有量が1.0質量%を超えると、その含有量に見合った本発明の効果が得られない場合がある。本発明の効果の観点から、共重合体(P)の含有量は、より好ましくは0.1~0.8質量%、さらに好ましくは0.25~0.75質量%である。なお、本明細書中、本発明の剤中の各含有量の値は、本発明の剤全体に対する値である。
本発明の剤は、さらに、ポビドンヨード、アズレンスルホン酸およびアズレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有していてもよい。前記「アズレンスルホン酸およびアズレンスルホン酸塩」の中で、アズレンスルホン酸塩が好ましく、アズレンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
本発明の剤は、さらに、ポビドンヨードを含有していてもよい。本発明の剤がポビドンヨードを含有する場合、その含有量は、好ましくは0.01~6.0質量%であり、より好ましくは0.05~5.0質量%、さらに好ましくは0.1~1.0質量%である。ポビドンヨードの含有量が0.01質量%未満であると、ポビドンヨードによる殺菌効果のさらなる向上が期待できず、ポビドンヨードの含有量が6.0質量%より多いと、ポビドンヨードに由来する本発明の剤の細胞毒性が高まり、低刺激性の効果が得られない場合がある。
本発明の剤は、さらに、アズレンスルホン酸および/またはその塩(好ましくはアズレンスルホン酸塩、より好ましくはアズレンスルホン酸ナトリウム)を含有していてもよい。本発明の剤がアズレンスルホン酸および/またはその塩を含有する場合、アズレンスルホン酸および/またはその塩の含有量の合計(アズレンスルホン酸またはその塩のいずれか一つのみを含有する場合は、その含有量)は、好ましくは0.001~1.0質量%、より好ましくは0.001~0.1質量%である。前記合計が0.001質量%より少ないと、アズレンスルホン酸および/またはその塩による抗炎症効果が期待できず、前記合計が1.0質量%より多いと、アズレンスルホン酸および/またはその塩が析出して、本発明の剤の安定性が低下する場合がある。
本発明の剤は、さらに、基剤、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤および保存剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有していてもよい。基剤、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤および保存剤は、いずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの含有量は、当業者であれば、適宜設定することができる。
基剤としては、例えば、水、ブドウ水、ヘチマ水、ボダイジュ水、ヤグルマギク水、ユーカリ水、ヨモギ水、リンゴ水、ローズマリー水などの植物関連の水、エタノール、ブタノール、プロピレングリコールなどのアルコール類等が挙げられる。
本発明の剤は、基剤として、水を含有することが好ましい。水としては、医薬品用または化粧品用等として一般的に用いられる水であれば特に限定はなく、例えば、イオン交換水、精製水、注射用水等が挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トルナーレ、トレハロース、トレハロース硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、スクラロース、アドバンテーム、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール等が挙げられる。
香料としては、例えば、サリチル酸メチル、バニリン、ベンジルサクシネート、アネトール、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、エチルリナロール、ナツメグ、シンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、シソ油、冬緑油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油、ハッカ油、ウイキョウ油等が挙げられる。
防腐剤または保存剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
本発明の剤の形態は特に限定されず、例えば、液状、粘性液体、ジェル状、乳化状などの形態が挙げられる。
本発明の剤は、界面活性剤、緩衝剤、抗炎症剤、着色剤および粘稠化剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有していてもよい。界面活性剤、緩衝剤、抗炎症剤、着色剤および粘稠化剤は、いずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの含有量は、当業者であれば、適宜設定することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エチレン付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アシルアミノ酸塩、脂肪酸アミノプロピルベタイン、脂肪酸アミドベタイン等が挙げられる。
緩衝剤として、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸およびこれらの塩等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸およびこの塩、グリチルレチン、アズレン、イプシロン-アミノアプロン酸、アラントイン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等が挙げられる。
粘稠化剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系粘稠化剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子系粘稠化剤、キサンタンガムなどの多糖類等が挙げられる。
本発明の剤の簡便な使用、安全性等の観点からは、液状の本発明の剤を、キャップ付き容器、ポンプ付き容器または個包装容器に充填することが好ましい。
本発明の剤を、適量(0.5mL~20mL程度)、口に含み、咽頭および口腔内を洗浄後、吐き出すことによって、本発明の剤を使用することができる。また、本発明の剤を、適量(0.1mL~5mL程度)、咽頭に塗布または噴霧することによって、本発明の剤を使用することができる。このような使用によって、本発明の口腔・咽頭粘膜保護剤は、口腔・咽頭粘膜上皮細胞への細菌感染を抑制しつつ、口腔・咽頭粘膜上皮細胞を保護することができ、また、本発明の抗炎症剤は、口腔・咽頭粘膜上皮細胞の炎症を抑制することができる。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されない。
[共重合体および単独重合体]
以下の実施例または比較例で使用した共重合体および単独重合体は、以下の通りである。
共重合体(P1):2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)およびメタクリル酸ブチルの共重合体(MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[MPC/メタクリル酸ブチル](モル比)=30/70、重量平均分子量:142,000)
共重合体(P2):MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合体(MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[MPC/メタクリル酸ブチル](モル比)=50/50、重量平均分子量:19,000)
共重合体(P3):MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合体(MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[MPC/メタクリル酸ブチル](モル比)=40/60、重量平均分子量:100,000)
共重合体(Q1):MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合体(MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[MPC/メタクリル酸ブチル](モル比)=80/20、重量平均分子量:600,000)
単独重合体(Q2):MPCの単独重合体(重量平均分子量:200,000)
単独重合体(Q3):富士フイルム和光純薬株式会社より購入したメタクリル酸ブチルの単独重合体(重量平均分子量:180,000、製品名:ポリ(メタクリル酸n-ブチル))
[口腔・咽頭粘膜保護剤の調製]
(実施例1)
共重合体(P1)に水を配合して、共重合体(P1)を0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(実施例2)
共重合体(P1)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、共重合体(P1)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(実施例3)
共重合体(P2)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、共重合体(P2)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(実施例4)
共重合体(P3)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、共重合体(P3)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例1)
口腔・咽頭粘膜保護剤のプラセボとして水を使用した。
(比較例2)
共重合体(Q1)に水を配合して均一になるまで撹拌し、共重合体(Q1)を0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例3)
ポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、ポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例4)
共重合体(Q1)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、共重合体(Q1)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例5)
単独重合体(Q2)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、重合体(Q2)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例6)
単独重合体(Q3)およびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、重合体(Q3)を0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
(比較例7)
ヒアルロン酸ナトリウムおよびポビドンヨードに水を配合して均一になるまで撹拌し、ヒアルロン酸ナトリウムを0.5質量%、およびポビドンヨードを0.5質量%含有する口腔・咽頭粘膜保護剤を調製した。
[口腔・咽頭粘膜保護剤の評価]
(試験例1)頬粘膜上皮細胞への接着性
頬粘膜を擦過して採取した上皮細胞を集細胞遠心装置(サイトスピン3、ライフサイエンスインターナショナルジャパン)を用いてスライドガラス表面に付着させ、Fluorescein isothiocyanate(FITC)で標識した実施例1または比較例2の口腔・咽頭粘膜保護剤を滴下し、室温で5分間静置したのちに3回生理食塩水で洗浄し、洗浄の回数による上皮細胞表面の口腔・咽頭粘膜保護剤の輝度の変化を蛍光顕微鏡で観察した。
図1に実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤を用いて得られた蛍光顕微鏡画像を示し、図2に比較例2の口腔・咽頭粘膜保護剤を用いて得られた蛍光顕微鏡画像を示す。図1および図2に示す結果から、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤は、比較例2の口腔・咽頭粘膜保護剤に比べ、3回洗浄後も頬粘膜上皮細胞へ付着することが確認された。
(試験例2)殺菌力
肺炎球菌臨床分離株2菌種(以下、それぞれを「肺炎球菌No.6」または「肺炎球菌No.8」と記載することがある)を10cfu/mlの濃度に調整した菌液と、実施例1または比較例1のプラセボとを、試験管内で(菌液):(口腔・咽頭粘膜保護剤またはプラセボ)=1:9(体積比)の割合で混合して、混合液を調製した。混合1分後に、混合液の0.1mLを血液寒天平板に塗布し、37℃の5体積%COインキュベーター内で24時間培養した後に、コロニー数を計測した。
図3に、コロニー数の計測結果を示す。なお、図3の縦軸は、コロニー数(単位:個/cell)である。また、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤または比較例1のプラセボのそれぞれにおいて、左側の棒グラフが肺炎球菌No.6を用いた結果を示し、右側の棒グラフが肺炎球菌No.8を用いた結果を示す。図3に示す結果から、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤の殺菌力は、比較例1のプラセボと同程度であったことが確認された。即ち、共重合体(P1)は殺菌力を有さないということが確認された。
(試験例3)Detroit 562細胞への肺炎球菌の接着抑制
咽頭癌由来ヒト上皮細胞Detroit 562細胞(ATCC、VA、USA)を用い、これを96穴のプレートで培養し、コンフルエントになったところで実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤または比較例1のプラセボを添加し、37℃で5分間培養した。その後、被験液を吸引除去し生理食塩水で3回洗浄したのちに、10cfu/mLの肺炎球菌No.6または肺炎球菌No.8を100μL加えて37℃で1時間培養後、生理食塩水で5回洗浄して上皮細胞に付着していない細菌を除去した。そして,1%サポニンを100μL添加後、15分間静置して細胞を溶解したのちに、得られた溶液を血液寒天培地に塗布し、37℃で24時間培養後にコロニー数を計測した。
図4に、Detroit 562細胞に接着した肺炎球菌のコロニー数の計測結果を示す。なお、図4の縦軸は、コロニー数(単位:cfu/100μL/well)である。また、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤または比較例1のプラセボのそれぞれにおいて、左側の棒グラフが肺炎球菌No.6を用いた結果を示し、右側の棒グラフが肺炎球菌No.8を用いた結果を示す。図4に示す結果から、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤は、比較例1のプラセボに対し、Detroit 562細胞への肺炎球菌の付着を、肺炎球菌No.8では約60%、肺炎球菌No.6では約40%抑制したことが確認された。
(試験例4)含嗽後の頬粘膜擦過上皮細胞への付着細菌数
喫煙歴のない健常成人15名を対象とし、水道水20mLで口腔型含嗽を15秒間3回行ったあと、片側の頬粘膜を綿棒で軽く擦過して表層の上皮細胞を除去した。その後、もう1回水道水20mLで15秒間口腔型含嗽を行った後、同じ部位の頬粘膜を再度綿棒で擦過して上皮細胞を採取し、それを1mLの生理食塩水に添加および撹拌して上皮細胞浮遊液No.1を作製した。
次いで20mLの実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤または比較例1のプラセボのそれぞれで、口腔型含嗽を15秒間1回行った。その3時間後に20mLの水道水で1回軽く口を漱いだのちに、含嗽前に粘膜上皮細胞を採取した部位と同じ箇所を綿棒で擦過して上皮細胞を採取し、それを1mLの生理食塩水に添加および撹拌して、上皮細胞浮遊液No.2を作製した。
上皮細胞浮遊液No.1およびNo.2のそれぞれを集細胞遠心装置で遠心して、上皮細胞の塗抹標本を作製し、グラム染色後に20個の上皮細胞に付着する細菌数を計測し、上皮細胞浮遊液No.1の平均付着細菌数および上皮細胞浮遊液No.2の平均付着細菌数の差(即ち、「上皮細胞浮遊液No.1の平均付着細菌数-上皮細胞浮遊液No.2の平均付着細菌数の差」、本明細書中「平均付着細菌数の差」と記載することがある)を算出した。
図5に、平均付着細菌数の差を示す。なお、図5の縦軸は、平均付着細菌数の差(単位:個/cell)である。図5に示す結果から、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤は、比較例1のプラセボに比べ、頬粘膜擦過上皮細胞への細菌付着を約60%抑制した。
(試験例5)乾燥抑制効果
口腔・咽頭粘膜保護効果の1つである、口腔・咽頭粘膜保護剤の乾燥抑制効果を調査した。本試験例では、喫煙歴のない健常成人3名を対象とした。まず水道水20mLで口腔型含嗽を15秒間1回行ったあと、20mLの実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤または比較例1のプラセボで口腔型含嗽を15秒間1回行い、その直後に舌尖から約10mm後方の舌背中央部の水分量No.1を口腔水分計ムーカス(登録商標)(株式会社ライフ)で計測した。その後、舌表面に4つ折りにしたティッシュペーパーを軽く乗せ5秒間静置して、舌表面の水分を吸収し、ティッシュペーパーを除去した直後に、再度、舌の同じ部位の水分量No.2を計測し、水分量No.2および水分量No.1の差(即ち、「水分量No.2-水分量No.1」)を算出した。なお、口腔水分計ムーカスによる測定値は、相対値であるため、無単位である。
図6に、水分量No.2および水分量No.1の差を示す。なお、図6の縦軸は、水分量No.2および水分量No.1の差である。図6の結果から示されるように、実施例1の口腔・咽頭粘膜保護剤は、比較例1のプラセボに比べ、水分量No.2および水分量No.1の差を約80%改善し、舌表面の乾燥を抑制した。
(試験例6)希釈時の殺菌力
唾液等の分泌物によって、口腔・咽頭中の保護剤は絶えず希釈されるため、保護剤が、その製品設計における推奨濃度よりも低濃度で口腔・咽頭へ適用される場合、その効果を長時間保つことができない場合がある。そこで、口腔・咽頭粘膜保護剤について、希釈の影響を調査した。
詳しくは、生理食塩水で段階希釈した実施例2~4または比較例3~7の口腔・咽頭粘膜保護剤(各150μL)に、菌液(生理食塩水中の6.4×10cfu/mLのミュータンスレンサ球菌(NBRC13955))50μLを接種して、混合物を調製した。接種から15秒後に各混合物から20μLの試料を採取し、採取した試料をBrain Heart Infusion培地で10倍希釈し、口腔・咽頭粘膜保護剤と菌液との反応を停止した。この希釈液を17時間嫌気培養し、希釈液の濁りの有無を目視で確認することによって、菌の増殖の有無を判断した。詳しくは、希釈液に濁りが確認された場合、菌の増殖が有ったと判断し、希釈液に濁りが確認されなかった場合、菌の増殖が無かったと判断した。
比較例3の口腔・咽頭粘膜保護剤で菌の増殖が無かった希釈倍率に対する、実施例2~4または比較例4~7の腔咽頭粘膜保護剤で菌の増殖が無かった希釈倍率の比(即ち、「実施例2~4または比較例4~7の腔咽頭粘膜保護剤で菌の増殖が無かった希釈倍/比較例3の口腔・咽頭粘膜保護剤で菌の増殖が無かった希釈倍率」)を算出した。実施例2~4または比較例4~7の腔咽頭粘膜保護剤について、前記比が2以上の場合は、希釈時の殺菌力が優れる(〇)と評価し、前記比が2未満の場合は、希釈時の殺菌力が優れない(×)と評価した。また、比較例3の口腔・咽頭粘膜保護剤は、希釈時の殺菌力が優れない(×)と評価した。結果を、下記表1および2に示す。
(試験例7)殺菌に要する時間
口腔・咽頭粘膜保護剤について、殺菌に要する時間を調査した。本試験例では、生理食塩水で8倍に希釈した実施例2~4または比較例3~7の口腔・咽頭粘膜保護剤(各150μL)に、菌液(生理食塩水中の6.4×10cfu/mLのミュータンスレンサ球菌(NBRC13955))50μLを接種して、混合物を調製した。接種から所定時間経過後に、各混合物から20μLの試料を採取し、採取した試料をBrain Heart Infusion培地で10倍希釈した。この希釈液を17時間嫌気培養し、希釈液の濁りの有無を目視で確認することによって、菌の増殖の有無を判断した。詳しくは、希釈液に濁りが確認された場合、菌の増殖が有ったと判断し、希釈液に濁りが確認されなかった場合、菌の増殖が無かったと判断した。
接種から15秒以下で菌の増殖が無かった場合は殺菌に要する時間が短い(◎)と評価し、接種から30秒以下で菌の増殖が無かった場合は殺菌に要する時間がやや短い(〇)と評価し、接種から30秒よりも長くても、菌の増殖が有った場合は殺菌に要する時間が長い(×)と評価した。結果を、下記表1および2に示す。
(試験例8)刺激性
口腔・咽頭粘膜保護剤の刺激性を調査した。10質量%FBS(ウシ胎児血清)添加DMEM/F12培地にて予め培養したヒト頬粘膜由来癌細胞HO-1-N-1をトリプシン処理し、1.0×10cells/mLの細胞懸濁液を調製した。96wellプレートに細胞懸濁液を0.1mL(1.0×10cells/well)ずつ添加し、24時間培養を継続し、細胞を接着させた後、実施例2~4または比較例3~7の口腔・咽頭粘膜保護剤(各0.1mL)を添加した。前記添加から24時間培養後、培地を除去し、50μg/mLのニュートラルレッド溶液を添加することにより生細胞にニュートラルレッドを取り込ませた。前記添加から3時間後、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、1体積%酢酸/50体積%エタノール水溶液にてニュートラルレッドを抽出し、抽出液の550nmの吸光度を測定した。口腔・咽頭粘膜保護剤を無添加の場合の吸光度を細胞生存率100%として、各口腔・咽頭粘膜保護剤を使用した場合の細胞生存率を算出し、50%阻害濃度(IC50)を計算した。
前記IC50が0.1質量%以上の場合は刺激性が低い(〇)と評価し、前記IC50が0.1質量%未満の場合は刺激性が高い(×)と評価した。結果を、下記表1および2に示す。
以上の結果から、本発明の口腔・咽頭粘膜保護剤は、口腔・咽頭粘膜上皮細胞への細菌感染を抑制しつつ、口腔・咽頭粘膜上皮細胞を保護することができることが分かる。
[抗炎症剤の調製]
(実施例5)
共重合体(P1)に水を配合して、共重合体(P1)を0.5質量%含有する抗炎症剤を調製した。
(比較例8)
抗炎症剤のプラセボとして水を使用した。
[抗炎症剤の評価]
(試験例9)抗炎症作用
抗炎症剤の抗炎症作用を調査した。本試験例では、咽頭癌由来ヒト上皮細胞Detroit 562細胞(ATCC、VA、USA)を24穴のプレートで培養し、コンフルエントになったところで、実施例5の抗炎症剤または比較例8のプラセボを500μL添加し、37℃で5分間培養した。その後、実施例5の抗炎症剤または比較例8のプラセボを吸引除去し、吸引除去後に残った細胞を3回生理食塩水で洗浄し、洗浄後の細胞に、培養液で1μg/mLに調整したPam3CSK4(InvivoGen)を1mL添加し、37℃で24時間培養した。そして培養上清を-80℃に保存し、後日ヒトIL-8測定用ELISAキット(Thermo Fisher Scientific)を用いてIL-8の濃度を計測した。なお、このような実験を本試験例では5回行い、IL-8の濃度の平均値を算出した。
上記のようにして得られた結果(平均IL-8濃度)を図7に示す。図7の結果から示されるように、実施例5の抗炎症剤は、比較例8のプラセボに比べ、IL-8の産生を45%抑制し、抗炎症作用を示した。
以上の結果から、本発明の抗炎症剤は、口腔・咽頭粘膜上皮細胞の炎症を抑制できることが分かる。
本発明によれば、口腔・咽頭粘膜上皮細胞への細菌感染を抑制することができ、且つ刺激性の少ない口腔・咽頭粘膜保護剤を得ることができる。
また、本発明によれば、口腔・咽頭粘膜上皮細胞の炎症を抑制することができ、且つ刺激性の少ない抗炎症剤を得ることができる。

Claims (4)

  1. 下記式(1):

    (式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
    で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位20~70モル%と、
    下記式(2):

    (式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、およびRは、炭素数4~18の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。)
    で表されるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位30~80モル%と
    を含有する共重合体を含有する口腔・咽頭粘膜保護剤。
  2. さらに、ポビドンヨード、アズレンスルホン酸およびアズレンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する請求項1に記載の口腔・咽頭粘膜保護剤。
  3. さらに、基剤、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤および保存剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する請求項1または2に記載の口腔・咽頭粘膜保護剤。
  4. 下記式(1):

    (式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
    で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位20~70モル%と、
    下記式(2):

    (式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、およびRは、炭素数4~18の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。)
    で表されるアルキル(メタ)アクリレートに基づく構成単位30~80モル%と
    を含有する共重合体を含有する抗炎症剤。
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