JP2019182797A - 上気道感染症予防剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への接着及び侵入を抑制することのできる、新規な上気道感染症予防剤を提供する。【解決手段】ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される、上気道感染症予防剤である。【選択図】なし
Description
本発明は、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される上気道感染症予防剤に関する。
上気道感染症は、鼻腔に侵入した細菌が鼻粘膜から咽頭粘膜に感染増殖することが原因となる。主要な起炎菌として、肺炎球菌、インフルエンザ菌が知られており、抗菌薬が次々と開発されている。また、上気道感染症の予防と治療には、国内では含嗽薬やネブライザー療法が勧められている。
一方、ホスホリルコリン基含有重合体を、微生物の細胞への付着防止に使用する技術が知られている。特許文献1は、ホスホリルコリン基含有重合体を含有した口腔用微生物付着防止剤による口腔細胞への微生物の付着防止に関する方法を開示している。また、特許文献2は、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する歯肉炎予防剤を用いて、細菌の内毒素による細胞からの炎症性サイトカイン産生を抑制し、歯肉炎の発症及び炎症を抑える技術が開示されている。
上気道感染症を予防又は治療するために、起炎菌に対する抗菌剤が開発されているが、多剤耐性菌の発生による重症例が知られている。また、上気道感染症の予防又は治療には含嗽やネブライザー療法が勧められているが、含嗽薬を使用した予防・治療効果は限定的であり、ネブライザー療法薬はセフノメキシム塩酸塩の1剤のみの適用しかない。
本発明の課題は、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への接着及び侵入を抑制することのできる、新規な上気道感染症予防剤を提供することにある。
本発明の課題は、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への接着及び侵入を抑制することのできる、新規な上気道感染症予防剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ホスホリルコリン基含有重合体を特定量含む上気道感染症予防剤が、上気道感染症の主たる起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への接着及び侵入を抑制しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の[1]〜[2]である。
[1]ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される、上気道感染症予防剤。
[2]前記ホスホリルコリン基含有重合体が、下記一般式(1a)で表される構成単位を70〜90モル%、下記一般式(1b)で表される構成単位を30〜10モル%含むホスホリルコリン基含有共重合体であり、該共重合体の重量平均分子量が50,000〜1,000,000である、上記[1]に記載の上気道感染症予防剤。
(前記一般式(1a)及び一般式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
[1]ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される、上気道感染症予防剤。
[2]前記ホスホリルコリン基含有重合体が、下記一般式(1a)で表される構成単位を70〜90モル%、下記一般式(1b)で表される構成単位を30〜10モル%含むホスホリルコリン基含有共重合体であり、該共重合体の重量平均分子量が50,000〜1,000,000である、上記[1]に記載の上気道感染症予防剤。
(前記一般式(1a)及び一般式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
本発明の上気道感染症予防剤は、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への付着抑制及び侵入の抑制の効果に優れている。したがって、本発明の上気道感染症予防剤を含嗽薬やネブライザー療法薬に使用することができる。また、上気道感染の予防効果が咽頭上皮細胞への付着抑制及び侵入の抑制によるものであるため、多剤耐性菌が発生することもない。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載において「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10〜90」とすることができる。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載において「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10〜90」とすることができる。
[上気道感染症予防剤]
本発明は、ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される上気道感染症予防剤である。
なお、上気道とは呼吸器のうち鼻腔から咽頭までの気道をいい、上気道感染症の起炎菌とは、特に限定されないが、例えば、肺炎球菌、インフルエンザ菌などが挙げられる。
本発明は、ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される上気道感染症予防剤である。
なお、上気道とは呼吸器のうち鼻腔から咽頭までの気道をいい、上気道感染症の起炎菌とは、特に限定されないが、例えば、肺炎球菌、インフルエンザ菌などが挙げられる。
(ホスホリルコリン基含有重合体)
ホスホリルコリン基含有重合体としては、特に限定されず、ホスホリルコリン基含有単量体の単独重合体であってもよいし、ホスホリルコリン基含有単量体と他の単量体とを共重合したホスホリルコリン基含有共重合体であってもよいが、ホスホリルコリン基含有共重合体であることが好ましい。
ホスホリルコリン基含有共重合体としては、ホスホリルコリン基含有単量体と疎水性基含有単量体との共重合体であることが好ましい。
ホスホリルコリン基含有重合体としては、特に限定されず、ホスホリルコリン基含有単量体の単独重合体であってもよいし、ホスホリルコリン基含有単量体と他の単量体とを共重合したホスホリルコリン基含有共重合体であってもよいが、ホスホリルコリン基含有共重合体であることが好ましい。
ホスホリルコリン基含有共重合体としては、ホスホリルコリン基含有単量体と疎水性基含有単量体との共重合体であることが好ましい。
疎水性基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ホスホリルコリン基含有単量体と疎水性基含有単量体との共重合体の製造にあたっては、疎水性基含有単量体は、単独でも2種以上の混合物としても用いることができる。共重合体の製造は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等、公知の方法により行うことができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ホスホリルコリン基含有単量体と疎水性基含有単量体との共重合体の製造にあたっては、疎水性基含有単量体は、単独でも2種以上の混合物としても用いることができる。共重合体の製造は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等、公知の方法により行うことができる。
ホスホリルコリン基含有単量体としては、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への付着及び侵入を効果的に抑制する観点から、下記式(2)で示す2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホコリンを用いることが好ましい。
式(2)においてR1は水素原子又はメチル基を示す。
ホスホリルコリン基含有共重合体としては、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への付着及び侵入を効果的に抑制する観点から、上記式(2)で示す2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホコリンとブチル(メタ)アクリレートとの共重合体であることが好ましい。また、該共重合体の中でも、下記一般式(1a)で表される構成単位70〜90モル%、下記一般式(1b)で表される構成単位を30〜10モル%含む共重合体であることがより好ましい。
一般式(1a)で表される構成単位は75〜85モル%であることが好ましく、一般式(1b)で表される構成単位は25〜15モル%であることが好ましい。
一般式(1a)及び一般式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。
一般式(1a)で表される構成単位は75〜85モル%であることが好ましく、一般式(1b)で表される構成単位は25〜15モル%であることが好ましい。
一般式(1a)及び一般式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。
ホスホリルコリン基含有重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10,000〜10,000,000の範囲で選定することができる。
また、ホスホリルコリン基含有共重合体の製造時の混合のしやすさから、ホスホリルコリン基含有共重合体の重量平均分子量は50,000〜5,000,000の範囲が好ましく、50,000〜1,000,000の範囲がより好ましく、500,000〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。なお、ホスホリルコリン基含有共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、ホスホリルコリン基含有共重合体の製造時の混合のしやすさから、ホスホリルコリン基含有共重合体の重量平均分子量は50,000〜5,000,000の範囲が好ましく、50,000〜1,000,000の範囲がより好ましく、500,000〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。なお、ホスホリルコリン基含有共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の上気道感染症予防剤におけるホスホリルコリン基含有重合体の含有量は、0.01〜10質量%の範囲である。配合物の調製のしやすさから、ホスホリルコリン基含有重合体の含有量は、0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
上気道感染症予防剤におけるホスホリルコリン基含有重合体の含有量が0.01質量%未満であると、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への付着抑制及び侵入の抑制の効果が得られにくくなる。一方、上気道感染症予防剤におけるホスホリルコリン基含有重合体の含有量が10質量%を超えると、粘性が大きくなるためにハンドリング性が悪くなる虞がある。
上気道感染症予防剤におけるホスホリルコリン基含有重合体の含有量が0.01質量%未満であると、上気道感染症の起炎菌の咽頭上皮細胞への付着抑制及び侵入の抑制の効果が得られにくくなる。一方、上気道感染症予防剤におけるホスホリルコリン基含有重合体の含有量が10質量%を超えると、粘性が大きくなるためにハンドリング性が悪くなる虞がある。
さらに、本発明における上気道感染症予防剤は、含嗽薬、ネブライザー薬などの組成物に応用することができ、その形態も特に限定されず、液状、粘性液体、ジェル状、乳化状、などの形態とすることができる。該組成物には、通常使用される湿潤剤、溶剤、界面活性剤、緩衝剤、防腐殺菌剤、抗炎症剤、色素、甘味剤、香料、粘稠化剤などを配合することができる。
湿潤剤としては特に限定はされないが、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトールなどの多価アルコール、ヒアルロン酸、アルギン酸、ジュランガムなどの多糖類などが挙げられる。
溶剤としては特に限定はされないが、精製水、エタノールなどが挙げられる。
溶剤としては特に限定はされないが、精製水、エタノールなどが挙げられる。
界面活性剤としては特に限定はされないが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エチレン付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アシルアミノ酸塩、脂肪酸アミノプロピルベタイン、脂肪酸アミドベタインなどが挙げられる。
緩衝剤としては特に限定はされないが、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸およびこれらの塩などが挙げられる。
防腐殺菌剤としては特に限定はされないが、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサニド、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、安息香酸およびこの塩、パラベン類、塩化アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。
抗炎症剤としては特に限定はされないが、グリチルリチン酸およびこの塩、グリチルレチン、アズレン、イプシロン−アミノアプロン酸、アラントインなどが挙げられる。
甘味剤としては特に限定はされないが、サッカリン、ステビオシド、スクロース、アスパルテーム、甘草抽出物などが挙げられる。
甘味剤としては特に限定はされないが、サッカリン、ステビオシド、スクロース、アスパルテーム、甘草抽出物などが挙げられる。
粘稠化剤としては特に限定はされないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系粘稠化剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子系粘稠化剤、キサンタンガムなどのような多糖類などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<MPC共重合体の合成>
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とブチルメタクリレート(BMA)とを常法にしたがって共重合して、MPC/BMA=80/20(モル比)のMPC共重合体を得た。
MPC共重合体をリン酸生理緩衝食塩水に溶解した溶液を調製し、ゲルろ過クロマトグラフィー(以下GFCと記載)分析により重量平均分子量を算出した。その結果、MPC共重合体の重量平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で600,000であった。
<MPC共重合体の合成>
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とブチルメタクリレート(BMA)とを常法にしたがって共重合して、MPC/BMA=80/20(モル比)のMPC共重合体を得た。
MPC共重合体をリン酸生理緩衝食塩水に溶解した溶液を調製し、ゲルろ過クロマトグラフィー(以下GFCと記載)分析により重量平均分子量を算出した。その結果、MPC共重合体の重量平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で600,000であった。
GFCは、以下の条件で測定した。
<測定条件>
システム:高速液体クロマトグラフィーシステム;CCPS8020シリーズ(東ソー株式会社製)
カラム:SB−802.5 HQおよびSB−806MN HQを直列に接続
溶離液:20mMりん酸バッファー
検出器:RI,およびUV(波長210nm)
流速:0.5mL/分
測定時間:70分
注入量:100μL
ポリマー濃度:0.1重量%
カラムオーブン温度:45℃
<測定条件>
システム:高速液体クロマトグラフィーシステム;CCPS8020シリーズ(東ソー株式会社製)
カラム:SB−802.5 HQおよびSB−806MN HQを直列に接続
溶離液:20mMりん酸バッファー
検出器:RI,およびUV(波長210nm)
流速:0.5mL/分
測定時間:70分
注入量:100μL
ポリマー濃度:0.1重量%
カラムオーブン温度:45℃
(実施例1)
上記のとおり製造したMPC共重合体(MPC/BMA(モル比)=8/2、重量平均分子量600,000の共重合体)に水を配合して、MPC共重合体を3.5質量%含有する水溶液とし、上気道感染症予防剤を調製し、下記評価を行った。
(比較例1)
比較として、MPC共重合体を配合しない水溶液で上気道感染症予防剤を調製し、下記評価を行った。
上記のとおり製造したMPC共重合体(MPC/BMA(モル比)=8/2、重量平均分子量600,000の共重合体)に水を配合して、MPC共重合体を3.5質量%含有する水溶液とし、上気道感染症予防剤を調製し、下記評価を行った。
(比較例1)
比較として、MPC共重合体を配合しない水溶液で上気道感染症予防剤を調製し、下記評価を行った。
(評価)
咽頭上皮細胞はヒト咽頭癌由来のDetroit 562 cells(ATCC CCL-138、American Type Culture Collection, Manassas, VA)を96穴マイクロプレート(TPP社、No.92696)に播種し、37℃、5%CO2下でコンフルエント状態まで培養した。
培養したDetroit 562 cellsに実施例1及び比較例1で調製した各上気道感染症予防剤を室温で1分間処理した後、肺炎球菌の4菌株(BG7322、D39、L82016、EF3030)と滲出性中耳炎患者の上咽頭由来のインフルエンザ菌4菌株(H1、H2、H3、H4)を添加し、37℃、5%CO2下で接着性試験は1時間、細胞内侵入試験では6時間培養した。
その後、Detroit 562 cellsをサポニン(ナカライテスク社、No.30502-42)で処理し、細胞浮遊菌を肺炎球菌は羊血寒天培地(日水製薬社、No.51001)で、インフルエンザ菌はチョコレート培地 (日本ベクトン・ディッキンソン社、No.251267)で培養し、それぞれのコロニー数をカウントした。
肺炎球菌の咽頭上皮細胞への接着性試験結果(表1及び図1)、インフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への接着性試験結果(表2及び図2)、インフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への侵入性試験結果(表3及ぶ図3)をそれぞれ示した。
なお、上記したインフルエンザ菌株の詳細に関しては「Kurono Y, Shimamura K, Shigemi H, et al. Inhibition of bacterial adherence by nasopharyngeal secretions. Ann Otol Rhinol Laryngol. 1991; 100(6): 455-458.」を参照することができる。
咽頭上皮細胞はヒト咽頭癌由来のDetroit 562 cells(ATCC CCL-138、American Type Culture Collection, Manassas, VA)を96穴マイクロプレート(TPP社、No.92696)に播種し、37℃、5%CO2下でコンフルエント状態まで培養した。
培養したDetroit 562 cellsに実施例1及び比較例1で調製した各上気道感染症予防剤を室温で1分間処理した後、肺炎球菌の4菌株(BG7322、D39、L82016、EF3030)と滲出性中耳炎患者の上咽頭由来のインフルエンザ菌4菌株(H1、H2、H3、H4)を添加し、37℃、5%CO2下で接着性試験は1時間、細胞内侵入試験では6時間培養した。
その後、Detroit 562 cellsをサポニン(ナカライテスク社、No.30502-42)で処理し、細胞浮遊菌を肺炎球菌は羊血寒天培地(日水製薬社、No.51001)で、インフルエンザ菌はチョコレート培地 (日本ベクトン・ディッキンソン社、No.251267)で培養し、それぞれのコロニー数をカウントした。
肺炎球菌の咽頭上皮細胞への接着性試験結果(表1及び図1)、インフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への接着性試験結果(表2及び図2)、インフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への侵入性試験結果(表3及ぶ図3)をそれぞれ示した。
なお、上記したインフルエンザ菌株の詳細に関しては「Kurono Y, Shimamura K, Shigemi H, et al. Inhibition of bacterial adherence by nasopharyngeal secretions. Ann Otol Rhinol Laryngol. 1991; 100(6): 455-458.」を参照することができる。
以上の結果、本発明のホスホリルコリン基含有重合体である、2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン(MPC)とブチルメタクリレート(BMA)の共重合体(MPC/BMA(モル比)=8/2、重量平均分子量600000の共重合体)が、上気道感染症の主たる起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌の咽頭上皮細胞への接着及び侵入を抑制することがわかった。
Claims (2)
- ホスホリルコリン基含有重合体を有効成分として、0.01質量%〜10質量%含有し、上気道感染症の起炎菌の細胞への接着及び侵入を抑制するために使用される、上気道感染症予防剤。
- 前記ホスホリルコリン基含有重合体が、下記一般式(1a)で表される構成単位を70〜90モル%、下記一般式(1b)で表される構成単位を30〜10モル%含むホスホリルコリン基含有共重合体であり、該共重合体の重量平均分子量が50,000〜1,000,000である、請求項1に記載の上気道感染症予防剤。
(前記一般式(1a)及び一般式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
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