JP2024044003A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート Download PDF

Info

Publication number
JP2024044003A
JP2024044003A JP2022149294A JP2022149294A JP2024044003A JP 2024044003 A JP2024044003 A JP 2024044003A JP 2022149294 A JP2022149294 A JP 2022149294A JP 2022149294 A JP2022149294 A JP 2022149294A JP 2024044003 A JP2024044003 A JP 2024044003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
cushion
push
pad
flap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022149294A
Other languages
English (en)
Inventor
東鉉 金
勝利 今成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP2022149294A priority Critical patent/JP2024044003A/ja
Publication of JP2024044003A publication Critical patent/JP2024044003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】簡単な構成で使用状態を考慮した高さ調整が実現可能な車両用シートを提供すること。【解決手段】本開示の車両用シートは、着座乗員の臀部及び大腿部を支持可能なクッションパッド、及び前記クッションパッドを支持するクッションフレームを備えるシートクッションと、前記着座乗員の背部を支持可能なバックパッド、及び前記バックパッドを支持すると共に前記シートクッションの後端側から延在し前記クッションフレーム側の端部を回転中心として前後方向に傾倒可能に支持されるバックフレームを備えるシートバックと、前記シートクッションに設けられ、前記クッションパッドの後方部分を上方へ押上げ可能なシートクッション押上機構と、前記シートバックが所定の傾倒角度以下のときに、前記シートクッション押上機構による前記クッションパッドの押上げ量が所定の上限値を超えないように制限する押上げ量規制機構と、を含む。【選択図】図4

Description

本開示は、車両用シートに関する。
下記特許文献1には、自動車等に搭載される車両用シートにおいて、車両が駐車され、着座乗員が休息又は睡眠をとるために、シートバックを後方に大きく倒した際、シートクッションとシートバックとの間に生じる段差を解消する構造が記載されている。より詳しくは、シートバックが略水平となる位置まで倒された際に、シートクッションの後方を上方に押し上げることで、シートバックとシートクッションとの間に生じる段差をなくすことが可能な車両用シートが記載されている。
米国特許公開第2019/0143852号
ところで、車両用シートは、シートクッションが運転時の着座乗員の骨盤(あるいは臀部や仙骨)を支持する高さ位置が着座乗員の体格等に合致していると、長時間運転時等における着座乗員の疲労の低減が期待できる。ここで、上記特許文献1に記載された車両用シートは、シートバックの傾倒角度が水平に近い角度に到達したタイミングで、シートバックのリクライニングに連動してシートクッションを機械的に押し上げている。このような構造を採用すると、シートバックが倒されていない状態、例えば運転時のシートバック位置においては、シートクッションを押し上げることはできない。つまり、上記特許文献1の車両用シートは、上述した運転時等における着座乗員の疲労の低減のために、運転時のシートバック位置においてシートクッションの高さを調整するといったことは想定されていない。
本開示は、上述の課題を考慮し、シートの状態を考慮した高さ調整が実現可能な車両用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様に係る車両用シートは、着座乗員の臀部及び大腿部を支持可能なクッションパッド、及び前記クッションパッドを支持するクッションフレームを含むシートクッションと、前記着座乗員の背部を支持可能なバックパッド、及び前記バックパッドを支持すると共に前記シートクッションの後端側から延在し前記クッションフレーム側の端部を回転中心として前後方向に傾倒可能に支持されるバックフレームを含むシートバックと、前記シートクッションに設けられ、前記クッションパッドの後方部分を上方へ押上げ可能なシートクッション押上機構と、前記シートバックが所定の傾倒角度以下のときに、前記シートクッション押上機構による前記クッションパッドの押上げ量が所定の上限値を超えないように制限する押上げ量規制機構と、を含むものである。
このような車両用シートにおいては、シートクッション押上機構によりシートクッションの高さ位置が調整できる。それに加えて、運転時等、シートバックの傾倒角度が小さいときにのみクッションパッドの押上げ量に上限を設けたため、運転時のクッションパッドの押上げ量が大きくなることがなくなる。また、休息時等、シートバックの傾倒角度が大きいときにはクッションパッドの押上げ量を大きく確保できるため、シートバックとシートクッションとの間に生じる段差をなくすことができる。
本開示の第2の態様に係る車両用シートは、上記本開示の第1の態様に係る車両用シートにおいて、前記シートクッション押上機構は、前記クッションフレームに回転可能に支持されたフラップと、前記フラップを上方に持ち上げ可能なフラップ持ち上げ装置と、を含み、前記押上げ量規制機構は、前記フラップの回転を規制するストッパと、前記シートバックの傾倒角度に連動して前記ストッパを動作させるストッパ作動機構と、を含む。
このような車両用シートにおいては、シートバックの傾倒角度に連動して前記ストッパを動作させるストッパ作動機構を用いることで、別途の操作を要することなく、押上げ量規制機構による押上げ量の制限の有無を切り替えることができる。
本開示の第3の態様に係る車両用シートは、上記本開示の第2の態様に係る車両用シートにおいて、前記フラップ持ち上げ装置は、前記フラップの持ち上げ量を調整可能な操作部を含む。
このような車両用シートにおいては、運転時におけるクッションパッドの押上げ量を、着座乗員等による操作に基づいて自由に変更することができ、クッションパッドの高さ位置を運転時に最適な高さへ簡単に調整できる。
本開示の第4の態様に係る車両用シートは、上記本開示の第2又は3の態様に係る車両用シートにおいて、前記ストッパ作動機構は、前記シートバックと前記ストッパとに連結され、前記シートバックの傾倒角度が前記所定の傾倒角度を超えたときに前記ストッパを動作させるケーブルを含む。
このような車両用シートにおいては、ストッパの動作をケーブルを用いて機械的に行うため、簡単な構造で、シートバックの傾倒動作に連動したストッパの動作を実現できる。
本開示の第5の態様に係る車両用シートは、上記本開示の第1乃至4のいずれかの態様に係る車両用シートにおいて、前記所定の傾倒角度は、水平面に対して垂直な面を基準として40~60°の間の角度である。
このような車両用シートにおいては、押上げ量規制機構による制限の切り替えを適切なタイミングで実現できる。
本開示の車両用シートによれば、シートの状態を考慮した高さ調整が実現可能な車両用シートを提供することができる。
本開示の一実施の形態に係る車両用シートの一例を示す外観斜視図である。 図1に示す車両用シートのフレーム構造の一例を示す斜視図である。 図2に示す車両用シートのシートクッション押上機構に関連する部分のみを拡大して示した拡大斜視図である。 図2に示す車両用シートのシートクッションを下面側の一方向から見た要部拡大斜視図である。 図2に示す車両用シートのシートクッションを下面側から見た要部拡大図である。 図5のA-A線で切断した断面図である。 図6と同様の断面図であって、運転時にシートクッション押上機構を動作させた状態の一例を示したものである。 図6と同様の断面図であって、休息時におけるシートクッション押上機構の状態の一例を示したものである。
以下、図面を参照して本開示を実施するための実施の形態について説明する。なお、以下では本開示の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本開示の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。また、図中に互いに同一又は相当する部材が複数個含まれている場合には、図を見易くするために、そのうちのいくつかにのみ符号を付している場合がある。
図1は、本開示の一実施の形態に係る車両用シートの一例を示す外観斜視図である。また、図2は、図1に示す車両用シートのフレーム構造の一例を示す斜視図である。本実施の形態に係る車両用シート10は、車両、例えば自動車の運転席に取り付けられるシートに適用することができる。この車両用シート10は、図1に示すように、着座乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション12と、着座乗員の背部を支持するシートバック14と、を含む。なお、図1において、矢印FRはシート前方側を示し、矢印UPはシート上方側を示し、矢印Wはシート幅方向を示している。また、ここでは、シート前方側を向いたときの右手方向を「シート右側」、左手方向を「シート左側」と定義する。さらに、本実施の形態では、車両用シート10の前方側、上方側及び幅方向は、車両の前方側、上方側及び幅方向と実質的に一致しているものとする。
シートクッション12は、図1及び図2に示すように、主に、着座乗員の臀部及び大腿部を支持可能なクッションパッド20と、クッションパッド20を支持するクッションフレーム22と、を含む。
クッションパッド20は、主にウレタン等の発泡剤で構成され、その表面が布帛や皮革等の表皮で覆われたものであってよい。このクッションパッド20は、シート幅方向の中央部分に設けられたパッド本体30と、パッド本体30のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のサイドパッド32、32とで構成することができる。パッド本体30とサイドパッド32、32とは、一体又はそれぞれ別々に形成されていてよく、両者の間には第1スリット34が設けられていてよい。また、パッド本体30及びサイドパッド32、32のそれぞれには、任意の位置に第2スリット36が設けられていてよい。図1には、パッド本体30の前後方向中央部に幅方向に延びる第2スリット36が設けられたものが例示されている。
クッションフレーム22は、図2に示すように、シート幅方向の両端部に設けられた一対のクッションサイドフレーム40、40と、クッションフレーム22のシート前方部分を構成するフロントフレーム42と、クッションフレーム22のシート後方部分を構成するリアフレーム44と、を含むものとすることができる。
一対のクッションサイドフレーム40、40は、例えば鋼板により構成された長尺な部材で構成することができる。各クッションサイドフレーム40、40は、複数の短尺なフレーム部材を前後方向に連結して形成することもできる。その際、連結された各フレーム部材は互いに回転可能とすることができる。また、この一対のクッションサイドフレーム40、40は、車両に固定されたスライド装置16にそれぞれがスライド自在に連結されていてよい。
フロントフレーム42は、例えば板金により構成された金属部材であってよい。このフロントフレーム42のシート幅方向の両端部は、一対のクッションサイドフレーム40、40のシート前方端部に連結されていてよい。また、リアフレーム44は、例えば金属製のパイプにより構成することができる。このリアフレーム44のシート幅方向の両端部は、一対のクッションサイドフレーム40、40のシート後方端部にそれぞれ連結されていてよい。
上述した各フレームに囲まれた領域には、クッションパッド20を弾性的に支持可能なパッド支持部としてのシートクッションスプリング46が設けられていてよい。このシートクッションスプリング46は、例えばフロントフレーム42とリアフレーム44との間にかけ渡されるように1乃至複数本(図2では3本)設けられていてよい。シートクッションスプリング46には、ジグザクばね、フォームドワイヤばね又はすだればねを用いることができ、その表面には樹脂コーティングが施されているとよい。
シートバック14は、着座乗員の背部を支持可能なバックパッド50と、バックパッド50を支持すると共にシートクッション12の後端側から延在しクッションフレーム22側の端部を回転中心として前後方向に傾倒可能に支持されるバックフレーム52とを含むものである。
バックパッド50は、クッションパッド20と同様、主にウレタン等の発泡剤で構成され、その表面が布帛や皮革等の表皮で覆われたものであってよい。このバックパッド50は、シート幅方向の中央部分に設けられたバック側パッド本体60と、バック側パッド本体60のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のバック側サイドパッド62、62とを含んでいてよい。
バックフレーム52は、シート幅方向両端に設けられた一対のバックサイドフレーム70、70と、図1及び図2におけるシート上方側に設けられたアッパパイプ72と、同じくシート下方側に設けられたロアパイプ74と、を含むものとすることができる。
一対のバックサイドフレーム70、70は、シート幅方向を板厚方向とする鋼板で構成することができる。この一対のバックサイドフレーム70、70の下方側のシート後方には、シート幅方向に延び両バックサイドフレーム70、70間を連結する連結フレーム76が配設されていてよい。
アッパパイプ72は、両端部が一対のバックサイドフレーム70、70の上端部に連結された、略U字状の金属製パイプで構成することができる。このアッパパイプ72の、シート上方側に位置するシート幅方向に延びる部分には、ヘッドレスト54を高さ調整可能に支持するヘッドレストフレーム78が連結されていてよい。
ロアパイプ74は、両端部が一対のバックサイドフレーム70、70の下端側に連結された、金属製のパイプで構成することができる。バックサイドフレーム70のロアパイプ74の端部が連結された位置には、リクライニング装置18が取り付けられていてよい。このリクライニング装置18を動作させると、シートバック14は前後方向に傾倒することができる。ロアパイプ74は、シートバック14が傾倒動作する際の回転軸としても機能し得る。リクライニング装置18は、その一部がクッションフレーム22の適所に連結されていてよく、これにより、クッションフレーム22とバックフレーム52とは連結され得る。
上述したリクライニング装置18やスライド装置16は、手動式、あるいは電動式で動作されるものとすることができる。これに関連して、本実施の形態に係る車両用シート10は、車両用シート10に含まれる電動式の作動装置を動作させるためのECU(Electronic Control Unit)90を含むことができる。ECU90は、例えばプロセッサ、揮発性及び不揮発性メモリ、及び各種インタフェース(例えば入出力インタフェースや通信インタフェース)が電気的に接続された周知のコンピュータで構成することができる。
ECU90は、車両用シート10に含まれる各種の作動装置の動作指示を行うための操作部92に接続されていてよい。本実施の形態に係る操作部92は、リクライニング装置18やスライド装置16の調整が可能なものであってよく、後述するシートクッション押上機構80のフラップ84の持ち上げ量を調整するものであってもよい。なお、本実施の形態に係る操作部92は、押しボタンスイッチ等の、ECU90に所定の信号を送信することで車両用シート10に含まれる各種の作動装置を電気的に動作させるものを例示したが、これに代えて、車両用シート10に含まれる各種の作動装置を機械的に動作させるものを採用することもできる。
図3は、図2に示す車両用シートのシートクッション押上機構に関連する部分のみを拡大して示した拡大斜視図である。また、図4は、図2に示す車両用シートの内部構造を下面側の一方向から見た要部拡大図である。さらに、図5は、図2に示す車両用シートのシートクッションを下面側から見た要部拡大図である。上述した一連の構成を含む車両用シート10は、さらに、クッションパッド20のシート後方部分を上方へ押上げ可能なシートクッション押上機構80を含む。このシートクッション押上機構80は、図2乃至図5に示すように、クッションフレーム22に支持された支持台82と、クッションフレーム22にシートクッションスプリング46を介して支持された支持台82に回転可能に支持されたフラップ84と、フラップ84の下面側に配設されてフラップ84を上方に持ち上げ可能なフラップ持ち上げ装置86(図6乃至図8も参照)と、を含んでいてよい。
支持台82は、図3乃至図5に示すように、クッションフレーム22のシート後方の略中央部に配設され、クッションフレーム22に固定されたシートクッションスプリング46に取り付けられた板状部材で構成することができる。このように、支持台82がシートクッションスプリング46に取り付けられることにより、シートクッション押上機構80は、シートクッションスプリング46と共にクッションパッド20の下面に接触・支持することができる。
支持台82のシート前方の左右端部近傍には、フラップ84の端部が挿入可能な2つの挿通穴82Aが形成されていてよい。また、支持台82の裏面(下面)側の挿通穴82Aに隣接する位置には、後述するフラップ84の回転軸84Cを回転自在に支持する軸受穴82Cが設けられた突起82Bが形成されていてよい。
フラップ84は、略U字状に折り曲げられた棒状フレーム84Aと、棒状フレーム84Aに3方を包囲された領域を塞ぐように棒状フレーム84Aに取り付けられた成形マット84Bと、棒状フレーム84Aの両端部に設けられ、シート幅方向に沿った同一軸線上に、互いに離れる方向に延在する回転軸84Cと、を含むことができる。棒状フレーム84Aの両端部は、支持台82に設けられた挿通穴82Aに挿通され、この棒状フレーム84Aの両端部に設けられた回転軸84Cは、支持台82の裏面に設けられた軸受穴82Cに挿入されてよい。
フラップ持ち上げ装置86は、フラップ84を上方に持ち上げる、より詳しくはフラップ84を回転軸84Cを中心に回転させるための装置であってよい。このフラップ持ち上げ装置86としては種々のものを採用することができる。例えば、支持台82とフラップ84との間にエアバックを配設し、このエアバックにポンプ等を介して空気等の気体を供給又は排出することで、エアバックを膨張又は収縮させる装置を挙げることができる。また、これに代えて、フラップ84の適所、例えば棒状フレーム84Aの一部にワイヤを固定し、このワイヤを図示しない電動機等で巻き取る装置とすることもできる。なお、本実施の形態においては、支持台82とフラップ84との間にエアバックを膨張又は収縮させる装置を配設した場合を例示する。
フラップ持ち上げ装置86を動作させ、フラップ84が回転軸84Cを中心に回転すると、フラップ84の上方に配設されたクッションパッド20のシート後方部分が上方へ押上げられる。着座乗員等がクッションパッド20の押上げ量を自由に調整できるように、フラップ持ち上げ装置86は操作部92の操作に基づいて動作可能とするとよい。操作部92は、入出力スイッチやタッチパネルといった周知のユーザインタフェースを用いて構成することができる。
フラップ持ち上げ装置86の動作量、すなわちクッションパッド20の押上げ量の調整は、運転時は主に着座乗員の体形に合わせた高さ位置に調整する目的で調整される。他方、シートバックをシート後方に大きく倒して着座乗員が仮眠や休息をとる場合(以下、このような利用状態を「休息時」あるいは「休息姿勢」という)には、バックパッド50(特にバック側パッド本体60)の高さ位置とクッションパッド20(特にパッド本体30)の高さ位置とを合わせてパット間の段差をなくするために、上述した調整が行われる。ここで、休息時に要求されるクッションパッド20の押上げ量は、運転時に要求されるクッションパッド20の押上げ量に対して十分に大きい。そのため、例えば運転時にフラップ持ち上げ装置86を動作させて、上述した休息時に要求される押上げ量までクッションパッド20を押上げ可能とすると、着座乗員、特に車両の運転者は、運転に適さない高さ位置のクッションパッド20に座って運転することになる。運転に適さない高さのクッションパッド20を利用した運転操作は、着座乗員の疲労を増大させるだけでなく、着座姿勢が不安定になることに起因して安全面でも悪影響が生じ得る。したがって、休息時に要求される押上げ量まで常にクッションパッド20を押し上げ可能とすることは、安全な走行を実施する上で好ましくない。
加えて、運転時にクッションパッド20の高さ調整を行う際、仮に休息時に要求される押上げ量まで押上げが可能であると、調整可能な高さ範囲が大きいために調整作業に時間がかかる傾向がある。本実施の形態に係る車両用シート10では、上述の点を考慮して、クッションパッド20の押上げ量の上限値を規定する押上げ量規制機構100を採用している。以下、この押上げ量規制機構100の概略構成等を説明する。
図6は、図5のA-A線で切断した断面図である。押上げ量規制機構100は、クッションパッド20の押上げ量を、シートバック14の傾倒角度に対応して選択的に制限するものである。具体的には、シートバック14が所定の傾倒角度以下のときに、シートクッション押上機構80によるクッションパッド20の押上げ量が所定の上限値(後述する上限値H1)を超えないように制限するものである。反対に、この押上げ量規制機構100は、シートバック14が所定の傾倒角度を超えたときには、シートクッション押上機構80によるクッションパッド20の押上げ量が所定の上限値H1を超えることを許容する。
押上げ量規制機構100は、主に図4乃至図6に示すように、支持台82の裏面側に配設され、少なくとも、フラップ84の回転を規制するストッパ102と、このストッパ102を動作させるストッパ作動機構104とを含むものであってよい。なお、以下に詳述する押上げ量規制機構100の具体的な構造は単なる一例であって、上述した押上げ量規制機構100の機能を実現し得るものであれば他の構造を採用することもできる。
ストッパ102は、フラップ84の回転、より詳しくはフラップ84の回転可能な角度範囲を規制するものであってよい。このストッパ102は、支持台82の裏面側の、挿通穴82Aに隣接する位置に1つずつ配設され、回転軸84Cの基部84Dに当接可能な当接面102Aを有する略L字状の金属片で構成することができる。このストッパ102は、それぞれが支持台82の裏面に設けられた支持突起112に回転可能に支持された回転シャフト106の端部に取り付けられていてよい。したがって、ストッパ102は、回転シャフト106を介して支持台82の裏面に回転自在に支持され得る。回転シャフト106は、幅方向に延在し、その中間部の2箇所を支持台82の裏面から下方に延びる2つの支持突起112で支持されたものであってよい。
図7は、図6と同様の断面図であって、運転時にシートクッション押上機構を動作させた状態の一例を示したものである。また、図8は、図6と同様の断面図であって、休息時におけるシートクッション押上機構の状態の一例を示したものである。ストッパ102の当接面102Aは、図7及び図8に模式的に示したフラップ持ち上げ装置86の動作に伴ってフラップ84の回転角度が所定の回転規制角度θ1に到達した際に、回転軸84Cの基部84Dに当接することで、フラップ84の回転を規制するものであってよい。換言すると、押上げ量規制機構100は、ストッパ102がフラップ84の回転動作を規制することで、クッションパッド20の押上げ量を選択的に制限するものであってよい。この当接面102Aに当接し得る回転軸84Cの基部84Dは、回転軸84Cの延在方向に交差する方向に屈曲されており、フラップ84の回転動作に追従して回動する部分であってよい。
ストッパ作動機構104は、図7及び図8に示すように、シートバック14の傾倒角度に連動してストッパ102を動作させるものであってよい。本実施の形態においては、ストッパ作動機構104として、ストッパ102を、ストッパ102の当接面102Aの角度が回転規制角度θ1となる位置と回転規制角度θ1よりも大きな回転角度θ2となる位置との間で動作させるものを例示している。なお、上述した傾倒角度とは、シートバック14が車両後方に傾倒した角度を指し、水平面に対して垂直な面を基準とした角度を指すものとする。
ストッパ作動機構104は、上述した動作を実現するために、回転シャフト106を一方向に付勢するコイルバネ108と、ストッパ102とシートバック14とに連結され、シートバック14の傾倒角度に連動してストッパ102を動作させるケーブルとしての引っ張りケーブル110とを含み得る。
コイルバネ108は、一端が支持台82の裏面に支持され、他端が回転シャフト106に取り付けられた第1のカム108Aに支持されることで、回転シャフト106を一方向(例えば図6乃至図8における時計方向)に付勢するものであってよい。なお、このコイルバネ108は、回転シャフト106を一方向に付勢できるものであれば他の付勢手段等に変更することができる。
上述したコイルバネ108に関連して、ストッパ102の回転シャフト106が固定された位置に隣接する位置には、回転シャフト106と略平行に延びる位置決めピン102Bが設けられていてよい。この位置決めピン102Bは、コイルバネ108により一方向に付勢力が付与された回転シャフト106を、所定の回転角度にて保持するように機能し得る。本実施の形態においては、位置決めピン102Bは支持突起112の壁面に当接可能な位置に配設されたものを例示している。これにより、コイルバネ108の付勢力に起因する回転動作は、位置決めピン102Bと支持突起112とが当接することによりそれ以上の回転が規制され得る。位置決めピン102Bと支持突起112とが当接した状態における当接面102Aのなす角度は、回転規制角度θ1であってよい(図7参照)。
引っ張りケーブル110は、シートバック14の傾倒角度に連動して回転シャフト106を他方向に引っ張ることで、ストッパ102を動作させるものであってよい。この引っ張りケーブル110は、金属等で形成されたワイヤと内部にワイヤが挿通された外筒で構成することができる。この引っ張りケーブル110のワイヤは、その一端がストッパ102、具体的にはストッパ102が取り付けられた回転シャフト106の長手方向中間位置に取り付けられた第2のカム110Aに連結されていてよい。また、この引っ張りケーブル110のワイヤの他端は、シートバック14、具体的にはバックフレーム52に固定されたリール110D(図3参照)に巻回されて連結されていてよい。引っ張りケーブル110の外筒は、支持台82の裏面に設けられたクッションフレーム側ブラケット110Bと、バックフレーム52に設けられたバックフレーム側ブラケット110Cとに支持されていてよい。
引っ張りケーブル110は、シートバック14の傾倒角度が所定の傾倒角度よりも大きくなった際に、ワイヤがシートバック14側へ引っ張られるように設定されていてよい。ワイヤがシートバック14側へ引っ張られると、その引っ張り力は第2のカム110Aを介して回転シャフト106に伝達され、回転シャフト106をストッパ102と共に他方向(例えば図6乃至図8における反時計方向)へ、コイルバネ108の付勢力に抗して回転させ得る。ここで、所定の傾倒角度は、例えば水平面に対して垂直な面を基準として40~60の間の任意の角度、例えば55°に設定されていてよい。本実施の形態に係る車両用シート10では、運転姿勢にあるのか休息姿勢にあるのかを、シートバックの傾倒角度に基づいて特定しているといえる。なお、上述した傾倒角度は、適宜変更することができる。具体的には、例えば水平面を基準としたときのシートバック14のなす角度を130~160°とすることもできる。
シートバック14が運転姿勢にあるとき、具体的には、シートバック14の傾倒角度が55°以下であるときは、シートクッション押上機構80によるクッションパッド20の高さ調整は、着座乗員それぞれの運転に最適な高さ位置に調整する目的で実施される。このような運転時に想定されるクッションパッド20の押上げ量、換言すればフラップ84の持ち上げ量は、休息時に比べて小さい。したがって、本実施の形態に係る車両用シート10では、運転時、すなわちシートバック14の傾倒角度が55°以下であるときは、ストッパ102の当接面102Aを回転規制角度θ1に設定することで、フラップ84の回転を規制する。
より具体的には、運転時は、フラップ持ち上げ装置86の作用によってフラップ84がクッションパッド20と共に上方に持ち上げられ、図7に示す位置まで回転すると、ストッパ102の当接面102Aがフラップ84の回転軸84Cの基部84Dに当接する。この当接により、フラップ84はそれ以上回転できなくなる。したがって、運転時におけるフラップ84は、図6に示した回転前の状態と、図7に示したストッパ102の当接面102Aに当接することでそれ以上の回転が制限された状態との間で、適宜その持ち上げ量が調整可能となる。なお、図7に示した、ストッパ102の当接面102Aと回転軸84Cの基部84Dとが当接したときのクッションパッド20の押上げ量(フラップ84の持ち上げ量)H1が、シートバックの傾倒角度が55°以下の場合における所定の上限値に相当する。また、運転時におけるクッションパッド20の押上げ量の調整は、着座乗員等による操作部92の入力操作に基づいて実施されてよい。
運転時における押上げ量規制機構100は、図6及び図7に示すように、コイルバネ108より回転シャフト106に一方向に回転する付勢力が付与されているが、引っ張りケーブル110からの引っ張り力は生じていない。これにより、回転シャフト106及びこの回転シャフト106に取り付けられたストッパ102は、一方向に回転力が発生し、ストッパ102に設けられた位置決めピン102Bと支持突起112とが当接する位置にて保持されている。
他方、シートバック14が休息姿勢にあるとき、具体的には、シートバック14の傾倒角度が55°を超えるときは、クッションパッド20の押上げ量を、例えばクッションパッド20とバックパッド50の高さ位置が一致する程度まで大きく確保する必要がある。これに関連して、本実施の形態に係る車両用シート10では、休息姿勢においてクッションパッド20の押上げ量を制限しない。具体的には、休憩時のフラップ84は、図8に示すように、フラップ持ち上げ装置86の作用によって、図7に示す状態におけるクッションパッド20の押上げ量H1よりも大きな押上げ量H2を実現することができる。
休息時における押上げ量規制機構100は、図8に示すように、コイルバネ108より回転シャフト106に一方向に回転する付勢力が付与されているのに加えて、引っ張りケーブル110からの引っ張り力が一方向とは反対の他方向に発生する。引っ張りケーブル110からの引っ張り力はコイルバネ108の付勢力に比して大きいため、回転シャフト106及びこの回転シャフト106に取り付けられたストッパ102は、コイルバネ108の付勢力に抗して他方向に回転するよう動作する。このストッパ102の回転動作により、ストッパ102の当接面102Aの角度は、シートバック14の傾倒角度に比例して大きくなり、回転規制角度θ1よりも大きな回転角度θ2をなす位置まで移動する。この引っ張りケーブル110により他方向に回転するストッパ102の回転角度θ2は、シートバック14の傾倒角度が大きくなるのに比例して大きくなる。これにより、フラップ84の回転軸84Cの基部84Dと当接面102Aとが当接しない位置までストッパ102を動作させることができ、シートクッション押上機構80の押上げ量H2が所定の上限値H1を超えることが許容されるようになる。
以上説明した通り、本実施の形態に係る車両用シート10によれば、運転時においてはシートクッション押上機構80によりクッションパッド20の高さ位置を調整することができるのに加えて、その際のクッションパッド20の押上げ量が所定の上限値を超えないようにその可動域が制限される。これにより、クッションパッド20が運転に適さない高さ位置まで押し上げられることをなくすることができる。他方、本実施の形態に係る車両用シート10は、休息時においてはクッションパッド20の押上げ量の制限をなくして大きく押し上げることができる。そのため、休息時にはクッションパッド20とバックパッド50の高さ位置を合わせることでシート間の段差を実質的になくすことができる。さらに、上述した押上げ量規制機構100による押上げ量の制限を、シートバック14の傾倒角度に連動して自動的に切り替えられるため、車両用シートの姿勢に合わせたクッションパッド20の高さ調整を、別途の操作を必要とすることなく実現することができる。
本開示は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本開示の技術思想に含まれるものである。
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
20 クッションパッド
22 クッションフレーム
46 シートクッションスプリング
50 バックパッド
52 バックフレーム
80 シートクッション押上機構
82 支持台
84 フラップ
86 フラップ持ち上げ装置
100 押上げ量規制機構
102 ストッパ
104 ストッパ作動機構
106 回転シャフト

Claims (5)

  1. 着座乗員の臀部及び大腿部を支持可能なクッションパッド、及び前記クッションパッドを支持するクッションフレームを備えるシートクッションと、
    前記着座乗員の背部を支持可能なバックパッド、及び前記バックパッドを支持すると共に前記シートクッションの後端側から延在し前記クッションフレーム側の端部を回転中心として前後方向に傾倒可能に支持されるバックフレームを備えるシートバックと、
    前記シートクッションに設けられ、前記クッションパッドの後方部分を上方へ押上げ可能なシートクッション押上機構と、
    前記シートバックが所定の傾倒角度以下のときに、前記シートクッション押上機構による前記クッションパッドの押上げ量が所定の上限値を超えないように制限する押上げ量規制機構と、を備える、
    車両用シート。
  2. 前記シートクッション押上機構は、前記クッションフレームに回転可能に支持されたフラップと、前記フラップを上方に持ち上げ可能なフラップ持ち上げ装置と、を備え、
    前記押上げ量規制機構は、前記フラップの回転を規制するストッパと、前記シートバックの傾倒角度に連動して前記ストッパを動作させるストッパ作動機構と、を備える、
    請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記フラップ持ち上げ装置は、前記フラップの持ち上げ量を調整可能な操作部を備える、
    請求項2に記載の車両用シート。
  4. 前記ストッパ作動機構は、前記シートバックと前記ストッパとに連結され、前記シートバックの傾倒角度が前記所定の傾倒角度を超えたときに前記ストッパを動作させるケーブルを含む、
    請求項2に記載の車両用シート。
  5. 前記所定の傾倒角度は、水平面に対して垂直な面を基準として40~60°の間の角度である、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用シート。
JP2022149294A 2022-09-20 2022-09-20 車両用シート Pending JP2024044003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022149294A JP2024044003A (ja) 2022-09-20 2022-09-20 車両用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022149294A JP2024044003A (ja) 2022-09-20 2022-09-20 車両用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024044003A true JP2024044003A (ja) 2024-04-02

Family

ID=90480298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022149294A Pending JP2024044003A (ja) 2022-09-20 2022-09-20 車両用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024044003A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017039468A (ja) 車両用シート及び車両
JP2004527278A (ja) カム駆動される自動位置調節ヘッドレストを有する車両用シート組立体
JP4517882B2 (ja) 車両用シート
JP2005313867A (ja) 車両のシートフォールディング装置
KR101440147B1 (ko) 차량의 시트 사이드 볼스터 장치
KR100457396B1 (ko) 차량용 시트의 높이조절장치
JP2024044003A (ja) 車両用シート
JP7111781B2 (ja) 車両用シート
CN113619460B (zh) 车辆座椅的扶手
KR101372108B1 (ko) 시트 높이 조절 연동형 슬라이딩 레버장치
KR101417047B1 (ko) 시트백의 리클라이닝 및 시트쿠션의 슬라이딩 조절장치
JP2009514738A (ja) 乗物用シート
JP4517883B2 (ja) 車両用シート
JP3012765B2 (ja) 座席装置
JPH0811603A (ja) パワーコンフォートシート構造
KR101723101B1 (ko) 세미 록킹 구조를 갖는 차량용 시트의 폴딩 리클라이닝 장치
KR20200002072A (ko) 수평 유지 암레스트 장치
JP5071839B2 (ja) シートバックの中折れ・リクライニング式自動車用シート
KR20020090668A (ko) 자동차의 헤드레스트
KR20220050443A (ko) 전방 틸팅 메커니즘 및 이를 포함하는 헤드레스트
JP2624096B2 (ja) シート装置
KR20090099185A (ko) 자동차 시트 허리지지대
KR200395001Y1 (ko) 차량용 전동식 래그 레스트
JPH1120528A (ja) ヘッドレスト可倒機構付きシート
JP4059811B2 (ja) 車両用シート装置