JP2024040708A - 食品の品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な食品の品質を、風味を悪化させることなく改良することができる食品の品質改良剤を提供すること。【解決手段】加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する食品の品質改良剤である。加熱変性脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質が、そら豆蛋白質、及び、緑豆蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。加熱変性脂質蛋白質複合体を構成する脂質が、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上であることも好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は食品の品質改良剤に関する。
食品の品質を改良することを目的として食品に添加する品質改良剤が最近注目されている。品質改良剤を食品に添加することで、その食味を大きく変化させることなく、例えばソフトな食感、良好な歯切れ、良好なのど越し、サクサク感、良好な口溶け等を食品に付与できる等の品質改良効果が発揮される。
脂質と蛋白質との脂質蛋白質複合体、特にリン脂質と乳蛋白質との脂質蛋白質複合体はその風味が良好なことから、様々な食品に対する品質改良効果が得られることが知られている。これらの脂質蛋白質複合体は、脂質と蛋白質とを含有する水溶液を機械的手段、具体的にはホモミキサーなどの均質化機で均質化することによって、あるいは超音波処理することによって得ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記の機械的手段だけでは脂質と蛋白質とが十分に複合化されず、得られる脂質蛋白質複合体は乳化性をはじめ、食品の品質改良効果、特に食感の品質改良効果が十分ではなかった。
そのため、食品の品質の十分な改良を得るため、蛋白質と複合体を形成する脂質としてリゾレシチンを使用する方法(例えば、特許文献2参照。)、蛋白質と複合体を形成する脂質として有機酸モノグリセリドを使用する方法(例えば、特許文献3参照。)が行われた。これらの複合体によれば確かに乳化性が向上し、食品の物性的な品質は改良する。しかしこれらの複合体は、食品の品質改良剤としてはその風味に問題があるものであった。
そのため、乳酸発酵させた脂質蛋白質複合体を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)、脂肪酸分解酵素、蛋白質分解酵素、及び乳糖分解酵素からなる群から選ばれる1種又は2種以上の酵素により脂質蛋白質複合体を酵素分解する方法(例えば、特許文献5参照。)などにより風味の改善が行われたが、その異味を十分に低減させることができず、むしろ別の呈味が付与されてしまう問題があった。
ここで、近年は、乳アレルゲンや卵アレルゲンなどの動物アレルゲンを含まない食品や、菜食主義者(ベジタリアン)や完全菜食主義者(ビーガン)であっても食することが可能な食品の開発が求められる場面が多々みられ、そのため、今まで風味面で好ましく用いられていた乳蛋白質以外の、大豆、エンドウ豆、小麦及び米等の植物性蛋白質を食品の品質改良剤として使用することも多くみられるようになってきた。
しかし、植物性蛋白質は乳蛋白質と違って水への溶解度が低く、複合化が行われにくいため、食品の品質改良剤として使用する場合にはその効果が高くない点が問題となっていた。
そのため、脂質蛋白質複合体を凍結変性させた凍結変性脂質蛋白質複合体を使用する方法(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。しかし、この方法は緩慢冷凍という長時間の製造時間が必要であること、冷凍設備と移送手段が必要であるなど時間と手間がかかり、生産性が悪いという問題があった。
特開平05-276886号公報 特開平06-054650号公報 特開平08-000170号公報 特開平09-238612号公報 特開平11-028057号公報 特開2021-122276号公報
したがって、本発明の課題は、様々な食品の品質を、食味を大きく変化させることなく改良することができ、また、簡単な方法で製造可能である、食品の品質改良剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、脂質と蛋白質との複合体を製造する際に、均質化等により脂質と蛋白質とを複合化した後、該複合体を加熱変性させた脂質蛋白質複合体が上記課題を解決可能なことを知見した。本発明は上記知見に基づきなされたものであり、加熱変性脂質蛋白質複合体を有効成分とする食品の品質改良剤を提供するものである。
本発明の品質改良剤は、様々な食品の品質を、食味を大きく変化させることなく改良することができる。
以下、本発明の食品の品質改良剤について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明の食品の品質改良剤は有効成分として加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する。
本発明において脂質蛋白質複合体とは、蛋白質と脂質とを含有し、且つ蛋白質と脂質との間に働く強い親和力により形成される高次構造を持つものを意味する。単に蛋白質と脂質とを含有するものは本発明の脂質蛋白質複合体には包含されない。また本発明において加熱変性脂質蛋白質複合体とは、後述する加熱処理が施された脂質蛋白質複合体を意味する。
まず、本発明の食品の品質改良剤に含まれる脂質蛋白質複合体(以下、単に「複合体」ということがある。)の構成成分である脂質及び蛋白質について述べる。
上記複合体を構成する脂質としては、特に限定されず、任意の脂質を使用することが可能である。脂質の具体例としては、例えば、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明の効果が一層顕著になることから、脂質として、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上を使用することが好ましく、リン脂質を使用することが風味の面からも機能の面からも特に好ましい。すなわち、本発明に用いる脂質は、一部又は全部がリン脂質であることが特に好ましい。上記脂質におけるリン脂質の含有量は、リン脂質とリン脂質以外の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲が好ましく、60:40~100:0の範囲がより好ましく、80:20~100:0の範囲が最も好ましい。本発明においては、目的に応じて、上記脂質の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
なお、リン脂質をレシチンの形で使用する場合は、リン脂質と、レシチンに含有されるその他の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲にある任意のレシチンを使用することができ、好ましくは60:40~100:0のレシチンを、より好ましくは80:20~100:0のレシチンを使用するとよい。
本発明においては、上記リン脂質の由来は特に限定されるものではなく、大豆由来リン脂質、ヒマワリ由来リン脂質、コメ由来リン脂質、紅花由来リン脂質及び菜種由来リン脂質等の植物由来の植物性リン脂質、卵黄由来リン脂質、魚卵由来リン脂質及び乳由来リン脂質等の動物由来の動物性リン脂質、並びに微生物由来の微生物性リン脂質を使用することができる。また、これらの抽出物、精製物あるいは酵素処理品等を使用することも可能である。具体的なリン脂質としてはホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明では、乳アレルゲンや卵アレルゲンを含まない食品とすることが可能な点、菜食主義者(ベジタリアン)や完全菜食主義者(ビーガン)であっても食することができる食品とすることが可能な点で、大豆由来、ヒマワリ由来、コメ由来、紅花由来、菜種由来などの植物由来の植物性リン脂質又は微生物由来の微生物性リン脂質を使用することが好ましく、少量の添加で食品に対して高い品質改良効果が得られる品質改良剤とすることができる点、更には脂質との複合体生成能が高い点から、大豆由来リン脂質及び/又はヒマワリ由来リン脂質を使用することが特に好ましい。
上記複合体を構成する蛋白質としては、特に限定されず、任意の蛋白質を使用することが可能である。蛋白質の具体例としては、例えば、動物性蛋白質、微生物性蛋白質及び植物性蛋白質等が挙げられる。動物性蛋白質としては、例えば、ホエイ蛋白質及びカゼイン蛋白質等の乳蛋白質;並びに低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン及びオボムコイド等の卵蛋白質等が挙げられる。植物性蛋白質としては、グリアジン、グルテニン、プロラミン及びグルテリン等の小麦蛋白質;大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、緑豆蛋白質、ひよこ豆蛋白質及びレンズ豆蛋白質等の豆類蛋白質、並びに米蛋白質等のその他穀類蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明では、乳アレルゲンや卵アレルゲンを含まない食品とすることが可能な点、菜食主義者(ベジタリアン)や完全菜食主義者(ビーガン)であっても食することができる食品とすることが可能な点で、蛋白質は動物性蛋白質を含有しないことが好ましい。すなわち本発明では、蛋白質は微生物性蛋白質及び/又は植物性蛋白質であることが好ましく、植物性蛋白質であることがより好ましい。植物性蛋白質としては、小麦蛋白質、豆類蛋白質及び米蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましく、豆類蛋白質がより好ましい。豆類蛋白質としては、少量の添加で高い品質改良効果が得られる品質改良剤とすることができる点、脂質との複合体生成能が高い点、水溶性が高い点で製造が容易であることに加え、食品の品質改良剤としての効果がとりわけ高いことから、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、緑豆蛋白質、ひよこ豆蛋白質及びレンズ豆蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上を使用すること好ましく、特にそら豆蛋白質及び/又は緑豆蛋白質を使用することが更に好ましい。
本発明に含まれる複合体における、蛋白質と脂質との質量比は、蛋白質100質量部に対し脂質が10~250質量部であることが好ましく、20~130質量部であることがより好ましく、80~130質量部であることが更に好ましく、100~130質量部であることが最も好ましい。蛋白質100質量部に対する脂質の質量比を上述の範囲とすることで、食品の品質改良効果が一層高まり、且つ食品の風味が損なわれることがないため好ましい。また、複合体を製造する際に蛋白質と脂質とを含有する水溶液の粘度が高くならないので、該水溶液がゲル状になりにくくなり、その結果複合体の製造が容易となるため好ましい。
上記脂質蛋白質複合体は、例えば、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材、及び脂質や脂質を含有する食品素材を水に添加し、更に必要により後述するその他の成分を水に添加して蛋白質と脂質とを含有する水溶液を調製し、調製した水溶液を均質化することによって得ることができる。この場合、得られる水溶液は脂質蛋白質複合体を含有するものとなる。この際、蛋白質及び/又は蛋白質を含有する食品素材の使用量、並びに脂質及び/又は脂質を含有する食品素材の使用量を、得られる脂質蛋白質複合体における脂質と蛋白質との比が上述の範囲となるように適切に設定することが好ましい。なお、上記蛋白質として、蛋白質を含有する食品素材を使用した場合、また、脂質として、脂質を含有する食品素材を使用した場合、複合体における脂質の含有量及び蛋白質の含有量は、それぞれの食品素材に含まれる純蛋白質含有量及び純脂質含有量を用いて算出するものとする。
上記の蛋白質と脂質とを含有する水溶液中における蛋白質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは5~25質量%、更に好ましくは5~20質量%であり、脂質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは5~25質量%、更に好ましくは5~20質量%である。上記の蛋白質と脂質とを含有する水溶液中の蛋白質及び脂質の含有量を上記の範囲とすることで、混合・撹拌によりダマを解消・分散させることができ、且つ十分に均質化を行うことができ、効率よく脂質蛋白質複合体を製造できるため好ましい。
上述したとおり、脂質蛋白質複合体の製造時に、水溶液中に蛋白質及び脂質以外のその他の成分を含有させることができるが、蛋白質及び脂質を高効率で複合化させる観点から、その他の成分の中でも金属イオン封鎖剤、食塩、無機塩のうちの1種または2種以上が含有させることが好ましく、特に食塩を含有させることが好ましい。なお、食塩を使用する場合の水溶液中における食塩の好ましい含有量は0.1~3%であり、より好ましくは0.3~1質量%である。
水溶液中の水以外のその他の成分の含有量は、蛋白質及び脂質を高効率で複合化させる観点から、15質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
なお、上記均質化に用いる装置としては、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーのような高速せん断乳化釜、コミットロールやマスコロイダーのような高速せん断ミキサー、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられる。この均質化処理は、2段式ホモジナイザーを用いて、例えば、1段目3~100MPa、2段目0~5MPaの均質化圧力にて行えばよい。
本発明の食品の品質改良剤は、上記の脂質蛋白質複合体を加熱変性させた加熱変性脂質蛋白質複合体を有効成分として含有する。
上記加熱変性脂質蛋白質複合体を得るための加熱処理の条件としては、蛋白質の変性温度以上であればよいが、加熱温度は60℃~160℃であることが好ましく、100℃~150℃であることがより好ましく、125~150℃であることが特に好ましい。また、加熱時間は2秒~120分の範囲であることが好ましく、5秒~3分の範囲であることがより好ましく、5秒~15秒の範囲であることがさらに好ましい。
上記加熱処理の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱、あるいは直火等を用いた加熱により行なうことができる。
なお、本発明では、上記加熱処理後に、緩慢冷凍による凍結変性工程をさらに行ってもよいが、加熱変性により十分な品質改良効果が得られること、また、製造工程の簡略化の面から、該凍結変性工程を行なわないことが好ましい。
本発明の食品の品質改良剤に含まれる加熱変性脂質蛋白質複合体は、粉体、顆粒、錠剤等の固形状や、液状、ペースト等の流動状の何れの形態であってもよいが、他の成分との混合性が高い点、そのまま品質改良剤とした際の食品への混合性が良好である点で、粉体、液状及びペースト状の何れかの形態であることが好ましい。
粉体とする場合は、凍結乾燥やスプレードライする方法が挙げられる。
また液剤、ペースト等の流動状の形態とする場合は、上記加熱変性脂質蛋白質複合体を含む水溶液をそのまま用いることができる。
本発明の食品の品質改良剤は、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する水溶液を粉末化したものや、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する水溶液をそのまま使用することもできる。また加熱変性脂質蛋白質複合体と下記のその他の成分とを混合して、常法により粉体、顆粒、錠剤等の固形状や、液剤、ペースト等の流動状の形態に製剤化することもできる。
本発明の食品の品質改良剤が粉体、顆粒、錠剤等の固形状の形態である場合、本発明の食品の品質改良剤における上記加熱変性脂質蛋白質複合体の含有量は、少量の添加で効果を得るという目的のため、加熱変性脂質蛋白質複合体の固形分として5~100質量%であることが好ましく、より好ましくは10~100質量%であり、更に好ましくは50~100質量%であり、更により好ましくは70~100質量%であり、最も好ましくは80~100質量%である。
また、本発明の食品の品質改良剤が液剤、ペースト等の流動状の形態である場合、本発明の食品の品質改良剤における上記加熱変性脂質蛋白質複合体の含有量は、少量の添加で効果を得るという目的、粘度が高すぎず使用しやすいこと、及び保存中の沈殿の生成を避けるため、加熱変性脂質蛋白質複合体の固形分として1~30質量%であることが好ましく、より好ましくは5~20質量%である。
本発明の食品の品質改良剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じ、上記脂質蛋白質複合体以外のその他の成分を含有するものとすることができる。該その他の成分としては、水、アルコール類、油脂、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、糖アルコール、澱粉類、乳や乳製品、卵製品、穀類、食塩、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、その他各種食品素材、微粒二酸化ケイ素・炭酸マグネシウム・リン酸二ナトリウム・酸化マグネシウム等の固結防止剤、ビタミン類、光沢剤、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、有機酸、重炭安等のアルカリ剤、強化剤等が挙げられる。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、卵黄油、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明でいうところの食品は、特に限定されるものではなく、例えば、味噌、醤油、めんつゆ、たれ、だし、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソース、とんかつソース、ふりかけ等の調味料、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、焼肉、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートパテ、チキンナゲット、ミートコロッケ、メンチカツ、つくね、ハム、ソーセージ、ウインナー等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品、ポテトチップス、コーンスナック、煎餅等のスナック類、食パン、菓子パン、デニッシュ・ペストリー、バラエティーブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、米菓、蒸しパン、蒸しケーキ、パイ、どら焼、今川焼き、ホットケーキ、クレープ、バターケーキ、スポンジケーキ、クッキー、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツエル、カットパン、ウェハース、サブレ、マカロン、シュー、ドーナツ、ワッフル、スコーン、発酵菓子、ピザ生地、中華饅頭等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品、パスタ、うどん、ラーメン等の麺類食品、マーガリン、流動ショートニング、ショートニング、ファットスプレッド、風味ファットスプレッド等の油脂加工食品、フラワーペースト、餡等の製菓製パン用素材、チョコレート、キャンディ、ゼリー、アイスクリーム、ガム等の菓子類、饅頭、カステラ等の和菓子類、コーヒー、コーヒー牛乳、紅茶、ミルクティー、豆乳、栄養ドリンク、野菜飲料、食酢飲料、ジュース、コーラ、ミネラルウォーター、スポーツドリンク等の飲料、ビール、ワイン、カクテル、サワー等のアルコール飲料類、牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳や乳製品等が挙げられる。本発明の食品の品質改良剤は、スナック類、ベーカリー食品類、麺類食品、焼き菓子類及び和菓子類等の小麦粉を原料とする食品や油脂加工食品、製菓製パン用素材等に特に好適に使用することができる。
本発明の食品の品質改良剤により改良される食品の品質は、食品の種類によって異なるが、具体的には下記のようなものである。
調味料では、粘り、糸引きが解消され、のど越しの良さが増強されたものとなる。
スープ・ソース類では、特有の粉っぽさが解消され、のど越しの良さが増強されたものとなる。
畜産加工品では、加熱時のドリップが解消され、歩留まりが向上する。
水産加工品では、弾力性が向上し、プリプリとした好ましい食感が増強されたものとなる。
スナック類では、歯切れの良さが増強され、サクサク感を向上できる。
ベーカリー食品類では、ソフト性、口溶けの良さ、歯切れの良さが増強され、ねちゃつき感や油性感が解消されたものとなる。また、電子レンジ、オーブントースターで再加熱した際のソフト性が向上し、歯切れの良さも増強されたものとなる。
調理食品では、粘りが解消され、のど越しの良さが増強されたものとなる。
米飯類では、米粒の過度な軟化や付着を抑制し、生産性を向上できる。
麺類食品では、ソフト性、歯切れの良さ、のど越しの良さが増強され、麺の伸びが抑制されたものとなる。
油脂加工食品では、口溶けの良さが増強され、風味発現性を向上できる。
製菓製パン用素材では、ソフト性、歯切れの良さが増強され、ねちゃつき感が解消されたものとなる。
焼き菓子類では、歯切れ、口溶けの良さが増強されたものとなる。
チョコレートでは、粘度が低下し、口溶けの良さが増強されたものとなる。
和菓子類では、ソフト性、歯切れの良さが増強されたものとなる。
飲料類では、のど越しの良さが増強されたものとなる。
アルコール飲料類では、のど越しの良さが増強されたものとなる。
乳や乳製品では、粘り、糸引きが解消され、のど越しの良さが増強されたものとなる。
また、フライ食品のバッター液に使用した場合は、フライ食品を長時間保管した際のサクサク感、歯切れの消失が防止されたものとなる。
本発明の品質改良剤の食品への添加方法としては、最終的に食品中に本発明の有効成分である、加熱変性脂質蛋白質複合体が添加されていれば特に限定されず、各種添加方法をとることができる。例えば、小麦粉等の生地原料に直接添加して混合することも、また配合水の全て又は一部に分散又は溶解させてこれを生地原料に添加することもできる。また、水溶液の状態で、食品の表面に塗布するか、噴霧して使用することもできる。更には、食品を製造する際に加熱媒体として使用する水や湯に添加することも可能である。なかでも本発明は、ごく少量の使用量で本発明の高い効果が得られる点で、小麦粉等の生地原料に直接添加して混合するか、あるいは配合水の全て又は一部に分散又は溶解させてこれを生地原料に添加する方法によることが好ましい。
食品に対する本発明の品質改良剤の添加量は、特に限定されず、食品の種類や形態、形状等に応じて適宜決定されるが、食品中に、脂質蛋白質複合体の固形分として好ましくは0.002~0.6質量%、より好ましくは0.01~0.3質量%、更に好ましくは0.02~0.3質量である。脂質蛋白質複合体の含有量を上述の範囲とすることで、本発明の効果が確実に奏され、且つ食品は異味が感じられないものとなる。
なお、上記食品がベーカリー食品の場合は、本発明の品質改良剤の添加量は、生地に含まれる穀粉類に対し脂質蛋白質複合体の固形分として好ましくは0.001~0.4質量%、より好ましくは0.01~0.3質量%であることが好ましい。
次に、本発明の食品の品質改良方法について述べる。
本発明の食品の品質改良方法は、食品の製造時に加熱変性脂質蛋白質複合体を添加する工程を含むものである。食品の製造方法や加熱変性脂質蛋白質複合体の添加方法や添加量については、上述のとおりである。
本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<品質改良剤の製造>
〔製造例1〕
そら豆蛋白質(「オルプロテインFP-AC」:オルガノフードテック株式会社製)(蛋白質含有量84.0質量%、脂質含有量5.0質量%、水分含量6質量%)6.3質量部を、60℃に加温した水87.7質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに粉末状大豆レシチン(脂質含有量99質量%、リン脂質含有量90質量%)を6質量部添加し、よく撹拌して十分に分散・乳化させ、予備乳化液を得た。この予備乳化液をバルブ式ホモジナイザー(アルファラバル社製:ホモジナイザー)を用いて、30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で141℃・8秒間殺菌による加熱処理をした後、5℃まで冷却した。これを凍結乾燥し、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Aを得た。得られた品質改良剤A中の複合体の含有量、品質改良剤Aの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例2〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、緑豆蛋白質(「オルプロテインMP-AC」:オルガノフードテック株式会社製)(蛋白質含有量75.0質量%、脂質含有量6.0質量%、水分含量7質量%)7質量部を使用し、水87.7質量部を87質量部に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Bを得た。得られた品質改良剤B中の複合体の含有量、品質改良剤Bの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例3〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、大豆蛋白質(「ProFam(登録商標)974」:ADM社製)(蛋白質含有量85.0質量%、脂質含有量3.0質量%、水分含量6質量%)6質量部を使用し、水87.7質量部を88質量部に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Cを得た。得られた品質改良剤C中の複合体の含有量、品質改良剤Cの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例4〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、エンドウ豆蛋白質(「NUTRALYS(登録商標)S85F」:ロケット社製)(蛋白質含有量85.0質量%、脂質含有量7.0質量%、水分含量4質量%)6質量部を使用し、水87.7質量部を88質量部に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Dを得た。得られた品質改良剤D中の複合体の含有量、品質改良剤Dの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例5〕
粉末状大豆レシチン(脂質含有量100質量%、リン脂質含有量90質量%)を添加せず、且つ水87.7質量部を93.7質量部に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、粉末状の品質改良剤Eを得た。得られた品質改良剤E中の複合体の含有量、品質改良剤Eの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例6〕
粉末状大豆レシチン(脂質含有量100質量%、リン脂質含有量90質量%)を添加せず、且つ水87質量部を93質量部に変更した以外は製造例2と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、粉末状の品質改良剤Fを得た。得られた品質改良剤F中の複合体の含有量、品質改良剤Fの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例7〕
製造例1における加熱処理条件を141℃・8秒から、139℃・4秒に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Gを得た。得られた品質改良剤G中の複合体の含有量、品質改良剤Gの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例8〕
製造例1における加熱処理条件を141℃・8秒から、145℃・10秒に変更した以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、加熱変性脂質蛋白質複合体を含有する粉末状の品質改良剤Hを得た。得られた品質改良剤H中の複合体の含有量、品質改良剤Hの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔製造例9〕
製造例1における加熱処理を行わなかったこと以外は製造例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、未加熱変性の脂質蛋白質複合体を含有しない粉末状の品質改良剤Iを得た。得られた品質改良剤Iの複合体の含有量、品質改良剤Iの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
<乳化活性試験>
製造例1~9で得られた品質改良剤A~Iについて、下記の方法で乳化活性試験を実施した。
〔試験方法〕
品質改良剤40mgを30mlのバイアル瓶に入れ、14mlの60℃に加熱した蒸留水で溶解し水相とした。大豆サラダ油からなる液状油を60℃に加温し油相とした。水相14gに油相6gを添加し、ホモミキサーで30000rpm/30秒間予備乳化し、乳化液を得た。この乳化液に対して超音波処理(ウルトラソニックジェネレーターUS50:株式会社日本精機製作所製)を目盛5で2分間行い、水中油型乳化物を得た。
レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD-2300:株式会社島津製作所製)を使用し、屈折率が1.60-0.20iの条件にて水中油型乳化物の粒度分布測定を実施した。また水中油型乳化物の相分離を評価した。その結果を表2に記載した。
相分離の評価基準:上記試験に用いた水中油型乳化物を5℃冷蔵下にて24時間静置後の状態を目視観察し、下記の基準で評価した。
◎:相分離なし
○:わずかに相分離
△:やや相分離あり
×:相分離
<中華麺の製造>
〔実施例1〕
中華麺用小麦粉(特ナンバーワン:日清製粉製)100質量部、粉末状活性グルテン(エマソフトM1000:理研ビタミン製)1質量部、乾燥卵白1質量部を混合し、小麦粉組成物を得た。一方、粉末かん水(赤:オリエンタル酵母製)1質量部、食塩1質量部、及び、品質改良剤A0.075質量部を水35質量部に添加、分散、溶解し、水溶液を得た。ミキサーを使用し、小麦粉組成物及び水溶液を十分に混合し麺類生地を得た。1晩リタード後、製めん機を用いて、圧延、切断、麺線化した後、100℃の湯で1分間茹で、中華麺Aを得た。得られた中華麺Aについて表3に記載の評価項目を評価した。評価結果を表3に示した。
〔実施例2〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Bを使用した以外は、実施例1の配合及び製法にしたがって中華麺Bを得た。得られた中華麺Bについて表3に記載の評価項目を評価した。評価結果を表3に示した。
〔比較例1〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Eを使用した以外は、実施例1の配合及び製法にしたがって中華麺Eを得た。得られた中華麺Eについて表3に記載の評価項目を評価した。評価結果を表3に示した。
〔比較例2〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Fを使用した以外は、実施例1の配合及び製法にしたがって中華麺Fを得た。得られた中華麺Fについて表3に記載の評価項目を評価した。評価結果を表3に示した。
〔比較例3〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Iを使用した以外は、実施例1の配合及び製法にしたがって中華麺Iを得た。得られた中華麺Iについて表3に記載の評価項目を評価した。評価結果を表3に示した。
評価基準:
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良
×:不良
表3から明らかなように、製造例1及び2の品質改良剤を使用した実施例1、2の中華麺は、しなやかさがあり、歯切れとのど越しが良好であった。また、優れた湯戻し性を有し、更には麺の伸びが抑制されていた。これに対し、製造例5、6及び9の品質改良剤を使用した比較例1、2及び3の中華麺は、しなやかさ、歯切れと、のど越しが不良であり、麺の伸びが抑制されていなかった。これらの結果から、本発明の食品の品質改良剤によれば、麺類の品質を改良できることが明らかとなった。
<食パンの製造>
〔実施例3〕
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部からなる中種配合の全原材料を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度26℃)を得た。この中種生地を生地ボックスに入れ、28℃、相対湿度80%RHにて4時間、中種発酵を行った。中種発酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、強力粉30質量部、上白糖6質量部、脱脂粉乳2質量部、食塩1.8質量部、品質改良剤A0.075質量部及び水22.5質量部を添加し、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、ショートニング(「プレミアムショートCF」:株式会社ADEKA製)5質量部を投入し、更に低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行い、食パン生地(捏ね上げ温度28℃)を得た。得られた食パン生地は、フロアタイムを30分とり、220gに分割・丸めし、ベンチタイムを30分とった後、モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れた。これを38℃、相対湿度85%RHで50分のホイロをとった後、200℃の固定オーブンで40分焼成して、プルマン型食パンAを得た。得られたプルマン型食パンAについて表4に記載の評価項目を評価した。評価結果を表4に示した。
〔実施例4〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Bを使用した以外は、実施例3の配合及び製法にしたがってプルマン型食パンBを得た。得られたプルマン型食パンBについて表4に記載の評価項目を評価した。評価結果を表4に示した。
〔比較例4〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Eを使用した以外は、実施例3の配合及び製法にしたがってプルマン型食パンEを得た。得られたプルマン型食パンEについて表5に記載の評価項目を評価した。評価結果を表5に示した。
〔比較例5〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Fを使用した以外は、実施例3の配合及び製法にしたがってプルマン型食パンFを得た。得られたプルマン型食パンFについて表4に記載の評価項目を評価した。評価結果を表4に示した。
〔比較例6〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Iを使用した以外は、実施例3の配合及び製法にしたがってプルマン型食パンIを得た。得られたプルマン型食パンIについて表4に記載の評価項目を評価した。評価結果を表4に示した。
専門パネラー10名による評価
◎:8割以上が良好と評価
○:5割以上8割未満が良好と評価
△:2割以上5割未満が良好と評価
×:2割未満が良好と評価
表4から明らかなように、製造例1及び2の品質改良剤を使用した実施例3、4のプルマン型食パンは、ソフトな食感であった。これに対し、製造例5、6及び9の品質改良剤を使用した比較例4、5及び6のプルマン型食パンは、ソフト性、しとり感及び歯切れの評価項目の1つ又は2つ以上が不良であった。この結果から、本発明の食品の品質改良剤によれば、プルマン型食パンの品質を改良できることが明らかとなった。
<スポンジケーキの製造>
〔実施例5〕
全卵180質量部、上白糖100質量部、品質改良剤A0.075質量部、及びケーキ用起泡性乳化脂(「トルテ」:株式会社ADEKA製)15質量部をミキサーボウルに投入し、これを縦型ミキサーにてワイヤーホイッパーを使用して、低速で10秒混合後、高速で、比重が0.35となるまで起泡した。次いで、薄力粉100質量部及びベーキングパウダー1質量部をミキサーボウルに添加し、低速30秒混合した後、更にスポンジケーキ練り込み用油脂(「リスグラシュー」:株式会社ADEKA製)10質量部を添加し、更に低速30秒混合、中速10秒混合し、スポンジケーキ生地を得た。(比重は0.45前後)7号のスポンジケーキ型に底紙と側紙をあて、ここに得られたスポンジケーキ生地450gを流し入れ、固定オーブンを使用し、180℃で30分焼成し、スポンジケーキAを得た。得られたスポンジケーキAは、好ましいしっとり感があり、更に、ソフトで口溶けのよい食感であった。
〔比較例7〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Eを使用した以外は、実施例5の配合及び製法にしたがってスポンジケーキEを得た。得られたスポンジケーキEはスポンジケーキAに比べ、ぱさついた食感であり、口溶けは不良であった。
〔比較例8〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Iを使用した以外は、実施例5の配合及び製法にしたがってスポンジケーキIを得た。得られたスポンジケーキIはスポンジケーキAに比べ、ぱさついた食感であり、口溶けは不良であった。
<フラワーペーストの製造>
〔実施例6〕
パーム油25質量部に、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量部及びローカストビーンガム0.05質量部を添加し分散させて油相とした。水38.375質量部、小麦粉1質量部、砂糖30質量部、WPC(ホエイ蛋白質濃縮物)2質量部、品質改良剤A0.075質量部及び、卵黄0.5質量部を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、掻き取り式加熱装置を用いて100℃で2分間加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストAを得た。得られたフラワーペーストAは、粘りが低減され、なめらかで口溶けのよい食感であった。
〔比較例9〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Eを使用した以外は、実施例6の配合及び製法にしたがってフラワーペーストEを得た。得られたフラワーペーストEはフラワーペーストAに比べ、べとつきがあり、口溶けの不良な食感であった。
〔比較例10〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Iを使用した以外は、実施例6の配合及び製法にしたがってフラワーペーストIを得た。得られたフラワーペーストIはフラワーペーストAに比べ、べとつきがあり、口溶けの不良な食感であった。
<ホイップクリームの製造>
〔実施例7〕
パーム核油2.5質量部、パーム核ステアリン2.5質量部、バターオイル30質量部、レシチン0.15質量部、グリセリン脂肪酸エステル0.15質量部を65℃に加温しながら混合し油相を調製した。一方、水59.325質量部、脱脂粉乳5質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.15質量部、品質改良剤A0.075質量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.1質量部、グアーガム0.05質量部を65℃に加温しながら混合し水相を調製した。上記水相と上記油相を混合、乳化して、予備乳化物を調製し、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、起泡性水中油型乳化脂Aを得た。この起泡性水中油型乳化脂A100質量部に上白糖7質量部を添加し、卓上ミキサーでワイヤーホイッパーを用いて起泡したホイップクリームAは、なめらかで瑞々しく、口溶けのよい食感であった。
〔比較例11〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Eを使用した以外は、実施例7の配合及び製法にしたがってホイップクリームEを得た。得られたホイップクリームEはホイップクリームAに比べ、口溶けが悪く、ぼそつきのある食感であった。
〔比較例12〕
品質改良剤Aに代えて、品質改良剤Iを使用した以外は、実施例7の配合及び製法にしたがってホイップクリームIを得た。得られたホイップクリームIはホイップクリームAに比べ、口溶けが悪く、ぼそつきのある食感であった。

Claims (5)

  1. 加熱変性脂質蛋白質複合体を有効成分とする、食品の品質改良剤。
  2. 上記加熱変性脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質が、
    そら豆蛋白質、及び、緑豆蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1記載の食品の品質改良剤。
  3. 上記加熱変性脂質蛋白質複合体を構成する脂質が、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の食品の品質改良剤。
  4. 蛋白質及び脂質を含有する水溶液を均質化する工程、及び
    均質化された水溶液を加熱処理する工程を含む、加熱変性脂質蛋白質複合体の製造方法。
  5. 加熱変性脂質蛋白質複合体を食品に添加する、食品の品質改良方法。
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