JP2024039287A - 複合構造要素材及び建物構造 - Google Patents

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Soichiro Kushima
幸希 西川
Koki Nishikawa
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Abstract

【課題】対向配置された一対の枠部材と当該一対の枠部材間に亘る透明材料製の板部材とを一体化してなる複合構造要素材において、意匠性の悪化を招くことなく特に板部材の損傷を回避しながら枠部材と板部材とをせん断力を適切に伝達可能な状態で乾式接合する技術を提供する。【解決手段】一対の枠部材10の夫々の内側面に、板部材20の縁部21が嵌め込まれる溝部11が設けられており、乾式接合部30が、板部材20の縁部21に設けられた凹部25と枠部材10の溝部11に設けられた凸部15とを互いに嵌合させてなるコッター式接合部30Aであると共に、コッター式接合部30Aにおいて、互いに嵌合される凹部25及び凸部15の縁部21間に充填されて当該縁部21における応力集中を抑制する緩衝材40を備えた。【選択図】図11

Description

本発明は、対向配置された一対の枠部材と当該一対の枠部材間に亘る透明材料製の板部材とを一体化してなり、前記枠部材と前記板部材とを乾式接合する乾式接合部を備えた複合構造要素材及びそれを利用した建物構造に関する。
2以上の部材を組み合わせて一体化してなる複合構造要素材として、例えば建物構造における梁などの建築材料として利用されるものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1記載の複合構造要素材は、対向配置された一対の木製又は金属製のフランジである枠部材(1)と当該一対の枠部材(1)間に亘る樹脂製のウェブである板部材(2)とを一体化してなるI形異形材として構成されている。また、特許文献1では、枠部材(1)と板部材(2)とを接合する接合部としては、これらが互いに溶接不可な材料で構成されていることから乾式接合を採用しており、当該乾式接合部としては、複数のねじによるねじ式接合部(3)が採用されている。
更に、特許文献1記載の複合構造要素材では、板部材(2)を透明な樹脂製とすることで、審美的に価値の高い外観上の軽やかさを付与している。
特表2010-513755号公報(段落0036、図1等)
特許文献1記載の複合構造要素材では、木製又は金属製の枠部材と透明樹脂製の板部材とを乾式接合する乾式接合部としてねじ式接合部が採用されているので、ねじ式接合部で用いられる複数のねじの頭部が外観に表れることになる上に、枠部材に複数のねじ穴を設けることに起因して枠部材のねじ穴の軸心に直交する方向の厚みが無用に大きくなることで、意匠性が悪化するという問題がある。
また、このような複合構造要素材を特に建物構造においる梁などの建築材料として利用する場合には、枠部材と板部材とを乾式接合する乾式接合部は、特に板部材の破損の要因となる応力集中を適切に抑制しながら適切にせん断力を伝達可能なものが求められる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、対向配置された一対の枠部材と当該一対の枠部材間に亘る透明材料製の板部材とを一体化してなる複合構造要素材において、意匠性の悪化を招くことなく特に板部材の損傷を回避しながら枠部材と板部材とをせん断力を適切に伝達可能な状態で乾式接合する技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、対向配置された一対の枠部材と、
前記一対の枠部材間に亘る状態で設けられた透明材料製の板部材と、
前記枠部材と前記板部材とを乾式接合する乾式接合部と、を備えた複合構造要素材であって、
前記一対の枠部材の夫々の内側面に、前記板部材の縁部が嵌め込まれる溝部が設けられており、
前記乾式接合部が、前記板部材の縁部に設けられた凹部と前記枠部材の溝部に設けられた凸部とを互いに嵌合させてなるコッター式接合部であると共に、
前記コッター式接合部において、互いに嵌合される前記凹部及び前記凸部の縁部間に充填されて当該縁部における応力集中を抑制する緩衝材を備えた点にある。
本構成によれば、枠部材と板部材とを乾式接合する乾式接合部として上記コッター式接合部が採用されているので、板部材の縁部を枠部材の溝部に嵌め込んだ状態で当該板部材の縁部に設けられた凹部を当該枠部材の溝部に設けられた凸部に嵌合させて、枠部材と板部材とがせん断力を伝達可能なように乾式接合されることになる。よって、板部材の縁部を枠部材の溝部に隠蔽させた状態とすることができ、従来のねじ式接合部のようにねじの頭部が外観に表れることがないので、当該乾式接合部による意匠性の悪化を抑制することができる。
更に、このようなコッター式接合部を採用するにあたり、上記緩衝材が、互いに嵌合される凹部及び前記凸部の縁部間に充填されているので、当該縁部における応力集中が抑制されて、当該応力集中による特に透明材料製の板部材の損傷を回避することができる。
従って、本発明により、本発明の主たる課題は、対向配置された一対の枠部材と当該一対の枠部材間に亘る透明材料製の板部材とを一体化してなる複合構造要素材において、意匠性の悪化を招くことなく特に板部材の損傷を回避しながら枠部材と板部材とをせん断力を適切に伝達可能な状態で乾式接合する技術を提供することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記凹部の隅部及び前記凸部の角部に丸みが設けられている点にある。
本構成によれば、上述のように板部材の縁部に設けられた凹部を枠部材の溝部に設けられた凸部に嵌合させて、枠部材と板部材とを乾式接合するコッター式接合部を採用するにあたり、当該凹部の隅部及び当該凸部の角部に丸みが設けられているので、互いに嵌合される凹部及び前記凸部の縁部における応力集中が一層抑制されて、当該応力集中による特に透明材料製の板部材の損傷を一層好適に回避することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記板部材の縁部に設けられた凹部と前記枠部材の溝部に設けられた凸部とが、前記板部材の面外方向に沿った相対移動により嵌合して前記板部材の面内方向の相対移動を拘束するものとして形成されており、
前記枠部材の溝部が、前記板部材の縁部を当該板部材の面内方向に沿って差し込み可能な差し込み用溝部分と、前記差し込み用溝部分に差し込まれた前記板部材の縁部が当該板部材の面外方向に沿って移動することで当該縁部に形成された凹部が嵌合される状態で凸部が設けられた凸部形成部分と、を有し、
前記板部材の縁部に設けられた凹部を前記枠部材の溝部に設けられた凸部に嵌合させた状態で前記差し込み用溝部分に埋め込まれて前記凸部形成部分から前記差し込み用溝部分への前記板部材の縁部の移動を阻止する埋め込み材を備えた点にある。
本構成によれば、板部材の縁部を、板部材の面内方向に沿って枠部材の溝部における上記差し込み用溝部分に差し込んだ後に、板部材の面外方向に沿って枠部材の溝部における上記凸部形成部分に向けて移動させるという簡単な操作で、板部材の縁部に設けられた凹部を枠部材の溝部に設けられた凸部に嵌合させて、枠部材と板部材とを乾式接合することができる。
また、このように上記差し込み用溝部分に差し込まれた板部材の縁部を上記凸部形成部分に移動させて枠部材と板部材とを乾式接合した状態において、上記差し込み用溝部分に埋め込み材が埋め込まれるので、凸部形成部分に移動した後の板部材の縁部に対して当該凹部形成部分に隣接する差し込み用溝部分に埋め込まれた埋め込み材により押圧する形態で、凸部形成部分から差し込み用溝部分への板部材の縁部の移動を阻止して、枠部材の溝部からの板部材の縁部の脱離を防止することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記一対の枠部材としての一対のフランジと前記板部材としてのウェブとを断面H形に一体化してなる点にある。
本構成によれば、これまで説明した一対の枠部材を一対のフランジとし、これまで説明した板部材をウェブとして、これらを一体化してなる断面H形の複合構造要素材を構成することができる。
本発明の第5特徴構成は、ウェブが室内空間に露出される状態で設置された天井小梁を備える建物構造であって、
前記天井小梁が、上記第4特徴構成を有する複合構造要素材で構成されている点にある。
本構成によれば、上述した本発明に係る断面H形の複合構造要素材を、例えば天井材の省略によりウェブが室内空間に露出される状態で設置された天井小梁として好適に利用することができる。即ち、天井小梁のウェブが透明材料製となることから、当該ウェブにより光や視野が遮られることがなくなり、室内空間の解放感を向上できる。
本実施形態の複合構造要素材の正面図 本実施形態の複合構造要素材の左側面図 本実施形態の複合構造要素材の平面図 図2のA-A断面図 本実施形態の複合構造要素材の斜視図 緩衝材の第1形態例における図4のB-B’部分拡大図 緩衝材の第2形態例における図4のB-B’部分拡大図 本実施形態の複合構造要素材の分解状態を示す斜視図 枠部材の溝部における差し込み用溝部分に対して板部材の縁部を差し込む直前の状態を示す斜視図 板部材の溝部における凸部形成部分に対して板部材の縁部を移動させる直前の状態を示す斜視図 枠部材の溝部における差し込み用溝部分に対して埋め込み材を埋め込む直前の状態を示す斜視図 本実施形態の複合構造要素材で天井小梁を構成した建物構造の実施例を示す図
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態の複合構造要素材(以下「本要素材」と呼ぶ。)100は、図5等に示すように、対向配置された一対のフランジ10(枠部材の一例)と、当該一対のフランジ10間に亘る状態で設けられた透明材料製のウェブ20(板部材の一例)とを断面H形に一体化してなる建築材料として構成されている。
例えば、このような断面H形の本要素材100は、図12に示すように、柱1と梁2とからなる建物構造200において、天井の梁2間に架設されてウェブ20が室内空間Rに露出される状態で設置された天井小梁として利用される。そして、このような建物構造200では、天井小梁として利用された本要素材100のウェブ20が透明材料製となることから、当該ウェブ20により窓3からの日射光や照明光や視野が遮られることがなくなり、室内空間Rの解放感が向上される。
以下、本実施形態の本要素材100の詳細構成について説明する。
尚、図1は本要素材100の正面図であり、図2は本要素材100の左側面図であり、図3は本要素材100の平面図であり、図4は図2のA-A断面図であり、図5は本要素材100の斜視図である。また、以下の説明において、図1の正面図における左右方向及び図3の平面図における左右方向等を長手方向Xと呼び、図1の正面図における上下方向及び図2の左側面図における上下方向等を高さ方向Yと呼び、図2の左側面図における左右方向及び図3の平面図における上下方向等を幅方向Zと呼ぶ。
図1~図5に示すように、本要素材100は、対向配置された一対のフランジ10と、一対のフランジ10間に亘る状態で設けられた透明材料製のウェブ20と、フランジ10とウェブ20とを乾式接合する乾式接合部30と、を備えて構成されている。
一対のフランジ10の夫々は、高さ方向Yにおける厚みや幅方向Zにおける幅が一定で長手方向Xに延在する帯状の木材で構成されている。これら一対のフランジ10は、高さ方向Yにおいて所定の間隔をあけて配置された上下一対のフランジ10からなる。一方、ウェブ20は、長手方向X及び高さ方向Yを面内方向とする透明材料製の樹脂(例えばアクリル樹脂)板やガラス板で構成されている。そして、本要素材100は、ウェブ20が透明であることで、審美的に価値の高い外観上の軽やかさが付与されている。尚、これらフランジ10やウェブ20の材質は適宜改変しても構わない。
乾式接合部30は、このような互いに溶接不可な異種の材料からなるフランジ10とウェブ20とをせん断力を伝達可能な状態で乾式接合するものとして構成されている。更に、本要素材100は、このような乾式接合部30を採用するにあたり、意匠性の悪化を招くことなく特にウェブ20の損傷を回避しながらフランジ10とウェブ20とを乾式接合するための特徴構成を備えており、以下、その詳細を説明する。
図2、図4、図5、及び図8に示すように、夫々のフランジ10において、他方のフランジ10の臨む内側面10aには、幅方向Zにおける略中央の箇所に長手方向Xに延在する溝部11が形成されている。そして、一対のフランジ10の夫々の溝部11には、ウェブ20の上下夫々の縁部21が嵌め込まれる。
そして、図4、及び図8に示すように、ウェブ20の縁部21には、長手方向Xに並設された複数の凹部25が形成されており、一方、フランジ10の溝部11には、同じく長手方向Xに並設された複数の凸部15が形成されている。そして、フランジ10とウェブ20とを乾式接合する乾式接合部30は、ウェブ20の縁部21に設けられた複数の凹部25とフランジ10の溝部11に設けられた複数の凸部15とを互いに嵌合させてなるコッター式接合部30Aとして構成されている。このことで、ウェブ20の縁部21をフランジ10の溝部11に嵌め込んだ状態で当該ウェブ20の縁部21に設けられた凹部25を当該フランジ10の溝部11に設けられた凸部15に嵌合させて、フランジ10とウェブ20とがせん断力を伝達可能なように乾式接合されることになる。よって、図5に示すように、ウェブ20の縁部21をフランジ10の溝部11に隠蔽させた状態とすることができ、当該乾式接合部30による意匠性の悪化が抑制される。
更に、図4、図6、及び図7に示すように、上述のようなコッター式接合部30Aを採用するにあたり、互いに嵌合される凹部25と凸部15の縁部間には緩衝材40が充填されている。このことで、フランジ10とウェブ20との間でせん断力が伝達される際に、互いに嵌合される凹部25と凸部15の縁部において応力集中が抑制されて、当該応力集中による特に透明材料製のウェブ20の損傷が回避される。
かかる緩衝材40としては、圧縮力による変形能力を示す展性を有する錫や鉛などの金属材料を用いることが望ましい。また、緩衝材40の形態としては、図6に示す第1形態例や図7に示す第2形態例を採用することができる。
即ち、図6の第1形態例では、凹部25が嵌合される前の凸部15の周囲に予め帯状や板状の緩衝材41(緩衝材40の一例)を巻き付けており、その状態で凹部25を凸部15に嵌合させることで、これら凹部25と凸部15の縁部間に帯状の緩衝材41が介装されることになる。
一方、図7の第2形態例では、凹部25が嵌合される前の凸部15の周囲に粒状(例えば球状、円柱状、円筒状)の緩衝材42(緩衝材40の一例)を複数配置しておき、その状態で凹部25を凸部15に嵌合させることで、これら凹部25と凸部15の縁部間に複数の粒状の緩衝材42が介装されることになる。
尚、上記第1及び第2形態例では、凸部15に凹部25を嵌合させる前の段階で当該凸部15の周囲に緩衝材40を予め設けるものとしたが、実施可能な範囲内において凸部15に凹部25を嵌合させた後に凹部25と凸部15の縁部間に緩衝材40を埋め込むように構成しても構わない。
図6、及び図7に示すように、ウェブ20の縁部21に設けられた複数の凹部25とフランジ10の溝部11に設けられた複数の凸部15とを互いに嵌合させるコッター式接合部30Aにおいて、凹部25の隅部25a及び凸部15の角部15aは、丸みを設けたものとして形成されている。このことで、互いに嵌合される凹部25及び凸部15の夫々の縁部における応力集中が一層抑制されることになる。
また、凸部15の付け根の隅部や、当該隅部に対向する凹部25の角部についても、丸みを設けて応力集中が抑制されている。
上記コッター式接合部30Aにおいて、ウェブ20の縁部21に設けられた凹部25とフランジ10の溝部11に設けられた凸部15とが、ウェブ20の面外方向である幅方向Zに沿った相対移動により嵌合してウェブ20の面内方向である長手方向X及び高さ方向Yの相対移動を拘束するものとして形成されている。具体的には、図4、図6、図7、及び図8に示すように、ウェブ20の縁部21に設けられた凹部25は、幅方向Z視において、蟻溝状に形成されている。一方、フランジ10の溝部11に設けられた凸部15は、幅方向Z視において、凹部25よりは若干小さい断面形状を有し、蟻溝状の凹部25に対して所定の隙間をあけて嵌合する蟻ホゾ状に形成されている。よって、蟻溝状の凹部25と蟻ホゾ状の凸部15とは、幅方向Zに沿った相対移動により嵌合し、その嵌合状態では、凹部25を有するウェブ20と凸部15を有するフランジ10との間で、長手方向Xに沿った相対移動及び高さ方向Yに沿った相対移動が拘束されることになる。
更に、フランジ10の溝部11は、図8に示すように、ウェブ20の縁部21を高さ方向Yに沿って差し込み可能な差し込み用溝部分12と、当該差し込み用溝部分12に差し込まれたウェブ20の縁部21が幅方向Zに沿って移動することで当該縁部21に形成された凹部25が嵌合される状態で凸部15が設けられた凸部形成部分13と、を有するものとして構成されている。即ち、幅方向Zにおいて、差し込み用溝部分12の幅はウェブ20の厚みよりも若干大きいものに設定されており、凸部形成部分13の幅はウェブ30の厚みと略同等のものに設定されている。そして、凸部15は、凸部形成部分13の幅領域の範囲内に延在しており、差し込み用溝部分12には存在していない。具体的に、凸部15は、凸部形成部分13の幅全体に亘って延在しており、その厚みはウェブ20の厚み(凹部25の長さに相当)と略同等のものとされている。
図9に示すように、フランジ10とウェブ20とが分解された状態において、図10に示すように、ウェブ20の縁部21が、高さ方向Yに沿ってフランジ10の溝部11における凸部15が存在していない上記差し込み用溝部分12に差し込まれる。その後、図11に示すように、ウェブ20の縁部21が、幅方向Zに沿ってフランジ10の溝部11における上記凸部形成部分13に向けて移動される。すると、ウェブ20の縁部21に設けられた凹部25がフランジ10の溝部11に設けられた凸部15に嵌合され、フランジ10とウェブ20とが乾式接合されることになる。
図11に示すように、フランジ10の溝部11において、ウェブ20の縁部21が高さ方向Yに沿って差し込み用溝部分12に差し込まれた後に幅方向Zに沿って凸部形成部分13に向けて移動されて、ウェブ20の縁部21に設けられた凹部25がフランジ10の溝部11に設けられた凸部15に嵌合された状態では、差し込み用溝部分12はウェブ20が存在していない空いた状態となって、凸部形成部分13から差し込み用溝部分12へのウェブ20の縁部21の移動が可能となる。そこで、この状態において、図5にも示すように、差し込み用溝部分12には埋め込み材50が埋め込まれる。
すると、凸部形成部分13に移動した後のウェブ20の縁部21は、当該凹部25形成部分に隣接する差し込み用溝部分12に埋め込まれた埋め込み材50により、幅方向Zに沿って若干押圧される状態となって、凸部形成部分13から差し込み用溝部分12へのウェブ20の縁部21の移動が阻止され、フランジ10の溝部11からのウェブ20の縁部21の脱離が防止される。
尚、埋め込み材50の材質は適宜設定することができるが、本実施形態では、フランジ10と同じ木製とされている。
図2、図5、及び図11に示すように、長手方向X視において、上記溝部11における差し込み用溝部分12は、凸部形成部分13とは反対側の側面を傾斜面11aとする片蟻溝状に形成されている。一方、埋め込み材50は、長手方向X視において、差し込み用溝部分12と略同じ断面形状を有し、片蟻溝状の差し込み用溝部分12に対して隙間なく嵌合するよう上記差し込み用溝部分12の傾斜面11aに接する傾斜面50aを有する片蟻ホゾ状に形成されている。よって、片蟻溝状の差し込み用溝部分12に対して長手方向Xに沿って片蟻ホゾ状の埋め込み材50が挿入され、その状態では、差し込み用溝部分12の傾斜面11aが埋め込み材50の傾斜面50aをフランジ10側に押し付ける形態で両傾斜面11a,50aが密着することで、差し込み用溝部分12からの埋め込み材50の高さ方向への脱落が防止される。
尚、図9~11では、一対のフランジ10のうちの一方側(下側)のフランジ10に対してウェブ20を接合する状態を示しているが、他方側(上側)のフランジ10に対しても同様にウェブ20が接合される。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、対向配置された一対の枠部材を一対のフランジ10とし、当該一対の枠部材間に亘る状態で設けられた透明材料製の板部材をウェブ20として、一対のフランジ10とウェブ20とを断面H形に一体化した複合構造要素材100(図5参照)を、建物構造200(図12参照)における天井小梁として利用する形態を、本発明の実施形態として説明したが、本発明に係る複合構造要素材を本実施形態とは別の形態に構成したり、別の用途に利用したりすることが可能である。
例えば、耐震壁等として利用される格子状壁(例えば、特開2019-070236号公報)を本発明に係る複合構造要素材として構成することもできる。即ち、かかる格子状壁において、例えば木製の枠部材を格子状に配置し、この枠部材の格子状の各開口部において、上下及び左右の一対の枠部材間に亘る状態で透明材料製の例えば樹脂板やガラス板で構成された板部材を設けるにあたり、枠部材と板部材とを乾式接合する乾式接合部として、上記実施形態で説明したコッター式接合部を採用することができる。また、この場合、格子状の枠部材における全ての開口部に板部材を設けるのではなく、市松状に板部材を配置することもできる。
(2)上記実施形態では、凹部25の隅部25a及び凸部15の角部15aに丸みを設けて応力集中を緩和するように構成したが、これら隅部25aや角部15aの形状は応力集中が許容できる範囲内において適宜変更することができる。
(3)上記実施形態では、凹部25を蟻溝状に形成し、凸部15を蟻ホゾ状に形成したが、これら凹部25及び凸部15の形状は互いに嵌合可能なものであれば適宜変更可能である。
(4)上記実施形態では、フランジ10の溝部11が、ウェブ20の縁部21を高さ方向Yに沿って差し込み可能な差し込み用溝部分12と、差し込み用溝部分12に差し込まれたウェブ20の縁部21が幅方向Zに沿って移動することで当該縁部21に形成された凹部25が嵌合される状態で凸部15が設けられた凸部形成部分13とを有するものとしたが、フランジ10の溝部11におけるこれら差し込み用溝部分12及び凸部形成部分13の配置状態や並びなどについては適宜変更可能である。例えば、フランジの溝部に設けられた凸部とウェブの縁部に設けられた凹部が、例えば高さ方向Yに沿って近接した後に長手方向Xに沿って相対移動することで互いに嵌合可能なものである場合には、フランジの溝部において差し込み用溝部分を省略して凸部形成部分のみとし、ウェブの縁部を高さ方向Yに沿って凸部形成部分に差し込んだ後に長手方向Xに沿って移動させて、ウェブの凹部をフランジの凸部に嵌合させることができる。
(5)上記実施形態では、片蟻溝状の差し込み用溝部分12に対して長手方向Xに沿って片蟻ホゾ状の埋め込み材50を挿入して、当該埋め込み材50により凸部形成部分13から差し込み用溝部分12へのウェブ20の縁部21の移動を阻止するように構成したが、当該埋め込み材50の形態は適宜変更可能であり、例えば、差し込み用溝部分12に対し埋め込み材として硬化剤を充填するように構成しても構わない。
10 フランジ(枠部材)
10a 内側面
11 溝部
12 差し込み用溝部分
13 凸部形成部分
15 凸部
15a 角部
20 ウェブ(板部材)
21 縁部
25 凹部
25a 隅部
30 乾式接合部
30A コッター式接合部
40 緩衝材
41 緩衝材
42 緩衝材
50 埋め込み材
100 複合構造要素材
200 建物構造
R 室内空間
X 長手方向(板部材の面内方向)
Y 高さ方向(板部材の面内方向)
Z 幅方向(板部材の面外方向)

Claims (5)

  1. 対向配置された一対の枠部材と、
    前記一対の枠部材間に亘る状態で設けられた透明材料製の板部材と、
    前記枠部材と前記板部材とを乾式接合する乾式接合部と、を備えた複合構造要素材であって、
    前記一対の枠部材の夫々の内側面に、前記板部材の縁部が嵌め込まれる溝部が設けられており、
    前記乾式接合部が、前記板部材の縁部に設けられた凹部と前記枠部材の溝部に設けられた凸部とを互いに嵌合させてなるコッター式接合部であると共に、
    前記コッター式接合部において、互いに嵌合される前記凹部及び前記凸部の縁部間に充填されて当該縁部における応力集中を抑制する緩衝材を備えた複合構造要素材。
  2. 前記凹部の隅部及び前記凸部の角部に丸みが設けられている請求項1に記載の複合構造要素材。
  3. 前記板部材の縁部に設けられた凹部と前記枠部材の溝部に設けられた凸部とが、前記板部材の面外方向に沿った相対移動により嵌合して前記板部材の面内方向の相対移動を拘束するものとして形成されており、
    前記枠部材の溝部が、前記板部材の縁部を当該板部材の面内方向に沿って差し込み可能な差し込み用溝部分と、前記差し込み用溝部分に差し込まれた前記板部材の縁部が当該板部材の面外方向に沿って移動することで当該縁部に形成された凹部が嵌合される状態で凸部が設けられた凸部形成部分と、を有し、
    前記板部材の縁部に設けられた凹部を前記枠部材の溝部に設けられた凸部に嵌合させた状態で前記差し込み用溝部分に埋め込まれて前記凸部形成部分から前記差し込み用溝部分への前記板部材の縁部の移動を阻止する埋め込み材を備えた請求項1又は2に記載の複合構造要素材。
  4. 前記一対の枠部材としての一対のフランジと前記板部材としてのウェブとを断面H形に一体化してなる請求項1又は2に記載の複合構造要素材。
  5. ウェブが室内空間に露出される状態で設置された天井小梁を備える建物構造であって、
    前記天井小梁が、請求項4に記載の複合構造要素材で構成されている建物構造。
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