JP2024038315A - 検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリフト電極と電子検出器との間で発生したコンプトン散乱に関する情報を正確に取得する放射線検出装置を提供する。【解決手段】放射線を検出する検出装置は、第1部21と、第1方向において第1部21に対向する第2部22と、第1部21から第2部22に向かって広がる側部23と、を含み、ガスが収容されている容器20と、容器20の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器30と、容器20の内部において電子検出器30よりも第2部の側に位置し、電子検出器30に対向するドリフト電極40と、ドリフト電極40よりも第2部22の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器50と、電子検出器30とドリフト電極40とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つのリング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、放射線を検出する検出装置に関する。
放射線を検出する装置として、例えば特許文献1~3に開示されているように、コンプトン散乱された放射線及びコンプトン散乱によって発生した電子を検出する検出装置が知られている。検出装置は、ガスが収容されている容器と、容器の内部において対向するドリフト電極及び電子検出器と、容器の外部に位置する放射線検出器と、を備える。
国際公開第2017/057674号パンフレット 特開2016-217874号公報 特開2016-161522号公報
ドリフト電極と電子検出器との間で発生したコンプトン散乱に関する情報を正確に取得することが好ましい。情報は、例えば、コンプトン散乱が発生した位置、コンプトン散乱によって発生した反跳電子の飛跡、コンプトン散乱された放射線のエネルギーなどである。しかしながら、ドリフト電極、電子検出器、及び放射線検出器の配置によっては、これらの情報を正確に得ることができない場合がある。
例えば特許文献1~3の検出装置において、容器の内部でコンプトン散乱された放射線は、電子検出器、容器、及び容器の外部の空気を通過した後に放射線検出器に入射する。この場合、放射線と、電子検出器、容器、及び容器の外部の空気との間で相互反応が生じる可能性がある。例えば、放射線が光電吸収されたり、異なるエネルギーを有する放射線が発生したりすることが考えられる。また、電子検出器、容器、及び容器の外部の空気においてコンプトン散乱が生じることも考えられる。これらの現象が生じると、放射線検出器によって検出される放射線のエネルギー、位置などが、ドリフト電極と電子検出器との間で発生したコンプトン散乱に対応しない場合が生じる。このため、検出結果のばらつき、誤差などが生じやすくなる。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得る検出装置を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記ドリフト電極よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、
前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、を備え、
前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置しており、
前記容器は、プラスチックを含み、30mm以下の厚みを有する、又は、金属を含み、20mm以下の厚みを有する、検出装置である。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記第1部の内面と前記電子検出器との間の距離が、10mm以下であってもよい。
本開示の一実施形態は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第1部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、
前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、を備え、
前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置しており、
前記容器は、プラスチックを含み、30mm以下の厚みを有する、又は、金属を含み、20mm以下の厚みを有する、検出装置である。
本開示の一実施形態による検出装置は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、前記補助ドリフト電極及び前記電子検出器を支持する中継基板と、を備えていてもよく、前記ドリフト電極は、前記電子検出器と対向するよう前記補助ドリフト電極に取り付けられていてもよく、前記中継基板は、前記第2部上に配置されていてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記第1部の内面と前記ドリフト電極との間の距離が、10mm以上100mm以下であってもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記第1部は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って見た場合に前記電子検出器に重なる範囲において平坦に広がる外面を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記放射線検出器は、複数の検出素子を含んでいてもよく、前記ドリフト電極は、前記第1方向において前記検出素子と重なる複数の貫通孔を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部に位置し、前記第1方向に交差する方向において前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記第1部よりも前記第2部に近接し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、を備える、検出装置である。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の内部に位置していてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置していてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置は、前記電子検出器と前記ドリフト電極との間に位置し、前記電子検出器及び前記ドリフト電極に対向する電子増幅器を備えていてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記電子検出器は、複数の収集電極を含んでいてもよく、前記電子増幅器は、表面及び裏面を含み、前記ドリフト電極と対向する方向において前記収集電極に重なる貫通孔が形成されている基材と、前記表面に位置する第1電極と、前記裏面に位置する第2電極と、を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記放射線検出器は、前記散乱された放射線によって励起されて蛍光を発するシンチレータと、前記蛍光を検出する光検出器と、を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記放射線検出器は、前記散乱された放射線を検出する半導体検出素子を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置において、前記容器の側部は円筒形を有していてもよい。
本開示の一実施形態による検出装置は、前記容器に接続されている循環路と、前記循環路に挿入されているポンプ及びフィルタと、を備えていてもよい。
本開示の実施形態によれば、放射線検出器の検出精度を高めることができる。
第1の実施形態に係る検出装置の一例を示す斜視図である。 図1の検出装置の断面図である。 電子検出器の一例を示す斜視図である。 放射線検出器の一例を示す斜視図である。 図1の検出装置の作用を説明するための図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第1変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第2変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第3変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第4変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第5変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る検出装置の第6変形例を示す断面図である。 第2の実施形態に係る検出装置の一例を示す斜視図である。 図12の検出装置の断面図である。 図12の検出装置の作用を説明するための図である。 第3の実施形態に係る検出装置の一例を示す斜視図である。 図15の検出装置の断面図である。 図15の検出装置の作用を説明するための図である。 第3の実施形態に係る検出装置の第1変形例を示す断面図である。 第3の実施形態に係る検出装置の第2変形例を示す断面図である。 第2の実施形態に係る検出装置の一変形例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を示す斜視図である。 第1の共通変形例に係る容器を第1の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を第1の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を第2の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を第2の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を第3の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第1の共通変形例に係る容器を第3の実施の形態に適用した例を示す断面図である。 第2の共通変形例に係る補助ドリフト電極を示す斜視図である。 第2の共通変形例に係る補助ドリフト電極を示す断面図である。 リング電極の一例を示す平面図である。 第2の共通変形例に係る補助ドリフト電極を第2の実施の形態に適用した例を示す断面図である。
以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
本明細書で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補及び複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。例えば、「パラメータBは、例えばA1以上であり、A2以上であってもよく、A3以上であってもよい。パラメータBは、例えばA4以下であり、A5以下であってもよく、A6以下であってもよい。」と記載されている場合を考える。この場合、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下であってもよく、A1以上A5以下であってもよく、A1以上A6以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよく、A2以上A5以下であってもよく、A2以上A6以下であってもよく、A3以上A4以下であってもよく、A3以上A5以下であってもよく、A3以上A6以下であってもよい。
第1の実施の形態
以下、本開示の第1の実施形態に係る検出装置10の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、検出装置10の概要について説明する。図1は、検出装置10の一例を示す斜視図である。図2は、図1の検出装置10の断面図である。
(検出装置)
検出装置10は、容器20と、容器20の内部に位置する電子検出器30、ドリフト電極40及び放射線検出器50と、を備える。容器20は、例えばチャンバーである。容器20の内部には、アルゴンやキセノンなどの希ガスが少なくとも収容されている。容器20の内部には、希ガスに加えて、二酸化炭素やメタンなどの消光作用を有するクエンチングガスが収容されていてもよい。
容器20は、第1面21と、第1方向D1において第1面21に対向する第2面22と、第1面21から第2面22に向かって広がる側面23と、を含む。検出装置10は、第1面21を通って容器20の内部に入射する放射線を検出することを想定している。容器20は、第2面22が床、台などの面に対向又は接するように載置されていてもよい。図1に示すように、容器20は、円筒形を有していてもよい。すなわち、側面23が円形の断面を有していてもよい。図示はしないが、容器20は、円筒形以外の形状、例えば立方体や直方体の形状を有していてもよい。図示はしないが、第1面21は、容器20の外側に向かって凸となるよう湾曲していてもよい。
放射線を放出する対象物は、容器20の外部に位置する。第1面21は、容器の面のうち対象物に最も近接する面である。以下の説明において、第1面21のことを、第1部21とも称する。第2面22のことを、第2部22とも称する。側面23のことを、側部23とも称する。
容器20の材料は、放射線を透過させやすいものであることが好ましい。これにより、容器20を通る間に放射線が容器20によって吸収されたり散乱されたりすることを抑制できる。容器20は、例えば、プラスチック、金属を含んでいてもよい。プラスチックは、繊維強化プラスチックであってもよい。金属を用いる場合、容器20は、単一の金属元素で構成されていてもよく、合金で構成されていてもよい。金属としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金を用いることができる。容器20の軽量化のため、比重が4未満の金属を用いてもよい。
容器20がプラスチックを含む場合、容器20の厚みは、例えば1mm以上であり、5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよい。容器20の厚みは、例えば30mm以下であり、25mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。
容器20が金属を含む場合、容器20の厚みは、例えば2mm以上であり、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。容器20の厚みは、例えば20mm以下であり、15mm以下であってもよく、10mm以下であってもよい。
電子検出器30、ドリフト電極40及び放射線検出器50は、この順で第1部21から第2部22に向かう側に並んでいる。すなわち、ドリフト電極40は、電子検出器30よりも第2部22の側に位置している。放射線検出器50は、ドリフト電極40よりも第2部22の側に位置している。「構成要素Aが構成要素Bよりも第2部22の側に位置している」とは、構成要素Aが、構成要素Bに対して図1の矢印S2で示す側に位置していることを意味する。矢印S2は、第1部21から第2部22に向かう方向を表す。構成要素Bから第2部22までの距離は、構成要素Bから構成要素Aまでの距離よりも長くてもよく、短くてもよい。
電子検出器30は、第2部22よりも第1部21に近接していてもよい。ドリフト電極40及び放射線検出器50は、第1部21よりも第2部22に近接していてもよい。
電子検出器30、ドリフト電極40及び放射線検出器50について詳細に説明する。
容器20の内部に入射した放射線がガスに衝突すると、コンプトン散乱が生じることがある。コンプトン散乱が生じると、反跳電子が発生する。また、反跳電子の飛跡に沿って電離電子が発生する。電子検出器30は、電離電子を検出する。電離電子を検出することにより、反跳電子の飛跡及びエネルギーを算出できる。
図3は、電子検出器30の一例を示す斜視図である。電子検出器30は、複数の収集電極31と、収集電極31を支持する支持基板32と、を含んでいてもよい。収集電極31は、ドリフト電極40に対向している。支持基板32は、第1方向D1に交差する方向に広がる面を含む。収集電極31は、電場によって電子検出器30に引き寄せられた電離電子を検出する。複数の収集電極31は、第1方向D1に交差する方向に並んでいてもよい。例えば、支持基板32は、第1方向D1に直交する方向に広がる面を含んでいてもよい。複数の収集電極31は、第1方向D1に直交する第2方向D2及び第3方向D3に並んでいてもよい。第2方向D2と第3方向D3とは直交していてもよい。
収集電極31は、導電性を有する材料を含む。収集電極31の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等の金属またはこれらを用いた合金などを用いることができる。好ましくは、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などの、高い導電性を有する金属が用いられる。
収集電極31によって検出された電子は、電気信号として処理される。電子検出器30は、電気信号を処理するための回路、配線などを含んでいてもよい。電気信号は、例えば、電子検出器30に接続された図示しないケーブル、ハーメチックコネクタ、配線基板などを介して容器20の外部に伝送されてもよい。
図示はしないが、複数の電子検出器30が第2方向D2又は第3方向D3に並んでいてもよい。これにより、電子を検出できる領域を拡大できる。
ドリフト電極40は、電子検出器30に対向するよう配置されている。例えば、ドリフト電極40は、第1方向D1において電子検出器30に対向している。すなわち、ドリフト電極40は、第1方向D1に直交する方向に広がる面を含む。ドリフト電極40は、電子検出器30の収集電極31の電位よりも低い電位を有する。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間には、図2に示すように、電子検出器30からドリフト電極40に向かう電場E1が生じている。コンプトン散乱によって発生した反跳電子に伴う電離電子は、電場E1により電子検出器30側へ引き寄せられる。
ドリフト電極40は、導電性を有する材料を含む。例えば、ドリフト電極40は、アルミニウム、アルミニウム合金などの、比重が4未満の金属を含む。これにより、ドリフト電極40が比重の大きな金属を含む場合に比べて、ドリフト電極40を通過する放射線がドリフト電極40の影響を受けることを抑制できる。
ドリフト電極40の厚みは、例えば0.01mm以上であり、0.1mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよい。ドリフト電極40の厚みは、例えば2.0mm以下であり、1.0mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよい。ドリフト電極40の厚みを小さくするほど、ドリフト電極40を通過する放射線がドリフト電極40の影響を受けることを抑制できる。
放射線検出器50は、散乱された放射線を検出する。本実施の形態においては、電子検出器30とドリフト電極40との間で散乱された放射線が、ドリフト電極40を透過した後に放射線検出器50によって検出される。放射線検出器50は、放射線検出器50に到達した放射線の位置及びエネルギーを検出できる。
図4は、放射線検出器50の一例を示す斜視図である。放射線検出器50は、複数の検出素子51と、検出素子51を支持する回路基板52と、を含んでいてもよい。複数の検出素子51は、第1方向D1に交差する方向に並んでいてもよい。例えば、複数の検出素子51は、第1方向D1に直交する第2方向D2及び第3方向D3に並んでいてもよい。
放射線を検出できる限りにおいて、検出素子51の構成は任意である。
例えば、検出素子51は、散乱された放射線によって励起されて蛍光を発するシンチレータと、蛍光を検出する光検出器と、を含んでいてもよい。光検出器は、例えばアバランシェフォトダイオードを含んでいてもよい。
検出素子51は、前記散乱された放射線を検出する半導体検出素子を含んでいてもよい。半導体検出素子は、例えば、テルル化亜鉛カドニウムを含む半導体を備えていてもよい。
放射線検出器50は、第1範囲内のエネルギーを有する放射線を検出できる第1の検出素子51と、第1範囲とは異なる第2範囲内のエネルギーを有する放射線を検出できる第2の検出素子51と、を含んでいてもよい。これにより、放射線検出器50が検出できる放射線のエネルギーの範囲を拡大できる。
検出素子51によって検出された放射線は、回路基板52によって電子信号として処理される。回路基板52は、電気信号を処理するための回路、配線などを含んでいてもよい。電気信号は、例えば、回路基板52に接続された図示しないケーブル、ハーメチックコネクタ、配線基板などを介して容器20の外部に伝送されてもよい。
放射線検出器50は、ドリフト電極40に対して電気的に絶縁されている。例えば、放射線検出器50とドリフト電極40との間の距離K1は、電気的な絶縁が確保されるよう設定されている。ドリフト電極40と放射線検出器50との間には、ガス、絶縁体などが位置していてもよい。これにより、ドリフト電極40と放射線検出器50との間で放電などの不良が生じることを抑制できる。
図示はしないが、複数の放射線検出器50が第2方向D2又は第3方向D3に並んでいてもよい。これにより、放射線を検出できる領域を拡大できる。
電子検出器30、ドリフト電極40、放射線検出器50などの、容器20の内部に位置する電気部品は、容器20の内面との間で放電などの不良が生じないように配置されていることが好ましい。例えば、容器20の内部に位置する電気部品と容器20の内面との間に生じる電場が2.5kV/cm以下になるよう、電気部品の配置及び電位が定められていることが好ましい。
(検出装置の製造方法)
次に、検出装置10の製造方法の一例を説明する。
まず、電子検出器30、ドリフト電極40、放射線検出器50、ケーブル、コネクタなどの、容器20の内部に配置される電気部品を準備する。続いて、これらの電気部品に第1の減圧ベーキング処理を施す。例えば、処理で使用する容器の内部を、大気圧よりも低い気圧雰囲気に制御し、容器の内部において電気部品を加熱する。これにより、検出装置10の使用中に電気部品からアウトガスが発生することを抑制できる。雰囲気の圧力は、例えば0.1気圧以下である。減圧ベーキング処理の間、容器の内部の排気を行うことにより、圧力を0.1気圧以下に維持してもよい。加熱温度は、例えば60℃以上であり、100℃以上であってもよい。加熱温度は、125℃以下であってもよい。加熱時間は、2時間以上であってもよく、12時間以上であってもよい。また、検出装置10の容器20に対しても同様に第1の減圧ベーキング処理を施してもよい。
続いて、第1の減圧ベーキング処理が施された電気部品を容器20の内部に配置する。その後、容器20の内部において電気部品に第2の減圧ベーキング処理を施してもよい。
好ましくは、電子検出器30、ドリフト電極40、放射線検出器50、ケーブル、コネクタなどの電気部品において、アウトガスを発生させにくい部品が用いられている。例えば、アルミ電解コンデンサなどの中空部を含む部品は、アウトガスを発生させやすい。この点を考慮し、アルミ電解コンデンサの替わりに積層セラミックコンデンサが用いられることが好ましい。
(検出装置の作用)
次に、図5を参照して、検出装置10の作用の一例を説明する。図5においては、容器20を省略している。
図5において、符号R1は、容器20の第1部21を通過して容器20の内部に入射した放射線を表す。放射線R1は、例えば荷電粒子、ガンマ線、X線、中性子または紫外光等である。放射線R1は、電子検出器30を通過した後、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達する。符号R2は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線を表す。電子検出器30を通過する際に生じる散乱や減衰のため、放射線R2のエネルギーは放射線R1のエネルギーよりも低いことがある。
放射線R2がガスに衝突すると、コンプトン散乱が生じることがある。符号Pは、散乱が生じた位置を表す。位置Pを散乱点とも称する。符号R3は、散乱された放射線を表す。放射線R3は、ドリフト電極40を通過した後、放射線検出器50に到達する。符号R4は、放射線検出器50に到達した放射線を表す。ドリフト電極40を通過する際に生じる散乱や減衰のため、放射線R4のエネルギーは放射線R3のエネルギーよりも低いことがある。放射線R4は、複数の検出素子51の中の1つによって検出される。これにより、放射線R4の到達位置及びエネルギーを算出できる。
符号R5は、コンプトン散乱によって発生した反跳電子を表す。反跳電子R5の飛跡には電子雲が形成される。電子雲の各電子は、電場E1により電子検出器30側へ引き寄せられる。例えば図5に示すように、反跳電子R5の飛跡に沿って順に発生する電子e1、e2が、電子検出器30側へ引き寄せられる。電子e1、e2は、電子e1、e2の位置に対応する収集電極31によって検出される。これにより、電子e1、e2の位置及びエネルギーを算出できる。また、反跳電子R5の飛跡及びエネルギー並びに散乱点Pを算出できる。
本実施の形態においては、上述のように、放射線検出器50が容器20の内部に位置している。このため、放射線検出器50が容器20の外部に位置する場合に比べて、放射線検出器50に到達するまでの間に放射線の散乱、減衰などが生じることを抑制できる。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
また、本実施の形態においては、放射線検出器50がドリフト電極40に対向している。ドリフト電極40の厚みが小さく、ドリフト電極40を構成する金属の比重が小さい場合、ドリフト電極40を通過する放射線はドリフト電極40の影響を受けにくい。このことも、放射線検出器50に到達する放射線R4のエネルギーと、散乱された放射線R3のエネルギーとの差を小さくすることに寄与できる。また、放射線検出器50に到達する放射線R4の放射線量と、散乱された放射線R3の放射線量との差を少なくすることに寄与できる。このため、散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
本実施の形態は、散乱される前の放射線R1、R2のエネルギーが未知である場合に特に有用である。
上述した第1の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
図6は、第1変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する電子増幅器60を備えていてもよい。電子増幅器60は、例えば第1方向D1において電子検出器30及びドリフト電極40に対向するよう配置されている。
電子増幅器60は、電子雪崩増幅を生じさせるよう構成されている。例えば、電子増幅器60は、表面631及び裏面632を含む基材63と、表面631に位置する第1電極61と、裏面632に位置する第2電極62と、を含む。第1電極61は電子検出器30に対向している。第2電極62はドリフト電極40に対向している。基材63には、表面631から裏面632まで貫通する複数の貫通孔64が形成されている。図6に示すように、貫通孔64は、ドリフト電極40と対向する方向において、例えば第1方向D1において、電子検出器30の収集電極31と重なっている。1つの貫通孔64に対して複数の収集電極31が重なっていてもよい。
第2電極62の電位は、ドリフト電極40の電位よりも高い。このため、第2電極62とドリフト電極40との間には、第2電極62からドリフト電極40に向かう電場E2が生じる。第1電極61の電位は、第2電極62の電位よりも高い。このため、第1電極61と第2電極62との間には、第1電極61から第2電極62に向かう電場E3が生じる。
第1部21から容器20の内部に入射した放射線のコンプトン散乱が電子増幅器60とドリフト電極40との間で生じる場合について考える。反跳電子の飛跡に形成される電子雲の電子は、電場E2により電子増幅器60側へ引き寄せられる。
電子増幅器60に引き寄せられた電子はガスと衝突し、ガスを電離させる。電離された電子は、貫通孔64の内部において雪崩的に増幅しながら、電子群として第1電極61側に引き寄せられる。貫通孔64を通過した電子は、収集電極31によって検出される。本変形例によれば、電子増幅器60を用いることにより、計測する電子の量が増える。このため、電子の位置などをより高い精度で検出できる。
(第2変形例)
図7は、第2変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する補助ドリフト電極70を備えていてもよい。補助ドリフト電極70は、電子検出器30とドリフト電極40とが対向する方向に広がる面71を含む。例えば、面71は第1方向D1に広がっている。
補助ドリフト電極70は、電子検出器30とドリフト電極40との間の電場の分布の均一性を高めるために設けられている。補助ドリフト電極70は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間を囲っていてもよい。図示はしないが、補助ドリフト電極70は、第1方向D1に沿って並ぶ複数の電極を含んでいてもよい。例えば、補助ドリフト電極70は、複数の電極によって電子検出器30とドリフト電極40との間の空間を囲う、いわゆるケージ状の構造を有していてもよい。補助ドリフト電極70は、絶縁性を有する樹脂などの材料によって固定されていてもよい。
補助ドリフト電極70は、ドリフト電極40と同様に、導電性を有する材料を含む。例えば、補助ドリフト電極70は、アルミニウムなどの比重が4未満の金属を含んでいてもよい。
(第3変形例)
図8は、第3変形例に係る検出装置10を示す断面図である。図8に示すように、放射線検出器50は、容器20の外部に位置していてもよい。例えば放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22を挟んでドリフト電極40と対向していてもよい。
本変形例によれば、放射線検出器50を容器20の外部に配置することにより、放射線検出器50から発生するアウトガスが容器20の内部の環境に影響を及ぼすことを防ぐことができる。これにより、例えば、反跳電子R5の飛跡に形成される電子雲の密度をより高くできる。また、容器20の内部に電子増幅器60が設けられる場合に、電子増幅器60による電子の増幅をより促進できる。
本変形例においては、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3は、ドリフト電極40及び容器20の第2部22を通過した後、放射線検出器50に到達する。第2部22において放射線の散乱、減衰などが生じることを抑制するため、第2部22の厚みは小さいことが好ましい。
(第4変形例)
図9は、第4変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出装置10は、容器20の内部に位置する吸着材81を備えていてもよい。吸着材81は、容器20の内部に位置する電気部品から発生するアウトガスを吸着できる。例えば、吸着材81は、水蒸気、酸素などを吸着できる。吸着材81は、例えばチタンやジルコニウムなどの活性金属あるいは合金のゲッター材料、ゼオライトやシリカゲルなどの吸着材料、あるいはゲッターポンプなどである。
吸着材81は、放射線と干渉しない位置に配置されていることが好ましい。例えば、吸着材81は、容器20の側部23に配置されていてもよい。
(第5変形例)
図10は、第5変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出装置10は、容器20の内部に位置する電気部品から発生するアウトガスを除去するための装置を備えていてもよい。例えば、検出装置10は、容器20に接続されている循環路82と、循環路82に挿入されているポンプ83及びフィルタ84と、を備えていてもよい。
ポンプ83は、容器20の内部のガスを循環路82に吸い込む。フィルタ84は、循環路82に吸い込まれたガスから、水蒸気、酸素などの不要な成分を除去する。不要な成分が除去されたガスは、再び容器20の内部に戻される。
(第6変形例)
図11は、第6変形例に係る検出装置10を示す断面図である。図11に示すように、ドリフト電極40は、複数の貫通孔41を含んでいてもよい。貫通孔41は、ドリフト電極40と放射線検出器50とが対向する方向において、例えば第1方向D1において、検出素子51と重なっていてもよい。
本変形例においては、コンプトン散乱によって散乱された放射線R3の一部は、ドリフト電極40の貫通孔41を通過した後、放射線検出器50に到達する。このため、ドリフト電極40を透過する場合に比べて、ドリフト電極40において放射線の散乱、減衰などが生じることを抑制できる。従って、散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
なお、上述した第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図12は、検出装置10の一例を示す斜視図である。図13は、図12の検出装置10の断面図である。検出装置10は、容器20と、容器20の内部に位置するドリフト電極40、電子検出器30及び放射線検出器50と、を備える。ドリフト電極40、電子検出器30及び放射線検出器50は、この順で第1部21から第2部22に向かう側に並んでいる。すなわち、ドリフト電極40は、電子検出器30よりも第1部21の側に位置している。放射線検出器50は、電子検出器30よりも第2部22の側に位置している。「構成要素Aが構成要素Bよりも第1部21の側に位置している」とは、構成要素Aが、構成要素Bに対して図12の矢印S1で示す側に位置していることを意味する。矢印S1は、第2部22から第1部21に向かう方向を表す。構成要素Bから第1部21までの距離は、構成要素Bから構成要素Aまでの距離よりも長くてもよく、短くてもよい。
ドリフト電極40は、第2部22よりも第1部21に近接していてもよい。電子検出器30及び放射線検出器50は、第1部21よりも第2部22に近接していてもよい。
放射線検出器50は、電子検出器30に対して電気的に絶縁されている。例えば、放射線検出器50と電子検出器30との間の距離K2は、電気的な絶縁が確保されるよう設定されている。電子検出器30と放射線検出器50との間には、ガス、絶縁体などが位置していてもよい。これにより、電子検出器30と放射線検出器50との間で放電などの不良が生じることを抑制できる。
(検出装置の作用)
次に、図14を参照して、検出装置10の作用の一例を説明する。図14においては、容器20を省略している。
容器20の内部に入射した放射線R1は、ドリフト電極40を通過した後、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達する。符号R2は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線を表す。ドリフト電極40を通過する際に生じる散乱や減衰のため、放射線R2のエネルギーは放射線R1のエネルギーよりも低いことがある。
電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3は、電子検出器30を通過した後、放射線検出器50に到達する。符号R4は、放射線検出器50に到達した放射線を表す。電子検出器30を通過する際に生じる散乱や減衰のため、放射線R4のエネルギーは放射線R3のエネルギーよりも低いことがある。放射線R4は、複数の検出素子51の中の1つによって検出される。これにより、放射線R4の到達位置及びエネルギーを算出できる。
反跳電子R5の飛跡に形成された電子雲の各電子は、電場E1により電子検出器30側へ引き寄せられる。例えば電子e1、e2が、電子e1、e2の位置に対応する収集電極31によって検出される。これにより、電子e1、e2の位置及びエネルギーを算出できる。また、反跳電子R5の飛跡及びエネルギー並びに散乱点Pを算出できる。
本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、放射線検出器50が容器20の内部に位置している。このため、放射線検出器50が容器20の外部に位置する場合に比べて、放射線検出器50に到達するまでの間に放射線の散乱、減衰などが生じることを抑制できる。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
また、本実施の形態においては、ドリフト電極40が電子検出器30よりも第1部21の側に位置している。ドリフト電極40が比重の小さな金属を含む場合、ドリフト電極40を通過する放射線はドリフト電極40の影響を受けにくい。このため、電子検出器30がドリフト電極40よりも第1部21の側に位置する場合に比べて、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線R2のエネルギー減少の割合が小さくなる。言い換えると、容器20に入射した放射線R1のエネルギーと、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線R2のエネルギーとの差の、放射線R1に対する割合が小さくなる。また、放射線R1の放射線量と放射線R2の放射線量との差が小さくなる。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間において期待するコンプトン散乱が生じる確率を高めることができる。また、放射線R2のエネルギー減少の割合を小さくすることにより、計測値として期待する散乱された放射線R3が第2部22側に向かう確率を高めることができる。
一方、本実施の形態においては、散乱された放射線R3が電子検出器30を通過した後に放射線検出器50に到達する。このため、第1の実施の形態の場合に比べて、散乱された放射線が放射線検出器50に到達するまでの間に、放射線の散乱、減衰などが生じやすくなる。この点を考慮し、放射線検出器50は、想定されるエネルギーよりも明らかに小さいエネルギーを有する放射線が検出された場合、この情報を無視してもよい。これにより、誤った散乱点Pが算出されることを抑制できる。
本実施の形態は、散乱される前の放射線R1、R2の種類が既知である場合に特に有用である。本実施の形態によれば、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間において期待するコンプトン散乱が生じる確率を高めることにより、放射線の量、分布などに関する情報を効率的に得ることができる。
上述した第2の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。例えば、第1の実施の形態の第1変形例の場合と同様に、検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する電子増幅器60を備えていてもよい。第1の実施の形態の第2変形例の場合と同様に、検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する補助ドリフト電極70を備えていてもよい。第1の実施の形態の第4変形例の場合と同様に、検出装置10は、容器20の内部に位置する吸着材81を備えていてもよい。第1の実施の形態の第5変形例の場合と同様に、検出装置10は、容器20の内部に位置する電気部品から発生するアウトガスを除去するための装置を備えていてもよい。第1の実施の形態の第6変形例の場合と同様に、ドリフト電極40は、複数の貫通孔41を含んでいてもよい。
第1の実施の形態の第3変形例の場合と同様に、放射線検出器50は、容器20の外部に位置していてもよい。例えば図20に示すように、放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22を挟んで電子検出器30と対向していてもよい。
なお、上述した第2の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第3の実施の形態
次に、本開示の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図15は、検出装置10の一例を示す斜視図である。図16は、図15の検出装置10の断面図である。検出装置10は、容器20と、容器20の内部に位置する電子検出器30、ドリフト電極40及び放射線検出器50と、を備える。
電子検出器30とドリフト電極40とは、第1方向D1に交差する方向において対向している。例えば、電子検出器30とドリフト電極40とは、第1方向D1に直交する第2方向D2において対向していてもよい。
放射線検出器50は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線を検出する。放射線検出器50は、第1部21よりも第2部22に近接していてもよい。図15及び図16に示す例において、放射線検出器50は、第2方向D2において電子検出器30及びドリフト電極40に重なっていない。図示はしないが、放射線検出器50は、第2方向D2において電子検出器30及びドリフト電極40に重なっていてもよい。
(検出装置の作用)
次に、図17を参照して、検出装置10の作用の一例を説明する。図17においては、容器20を省略している。
第1部21から容器20の内部に入射した放射線R1は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達する。符号R2は、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線を表す。
電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3は、放射線検出器50に到達する。符号R4は、放射線検出器50に到達した放射線を表す。
反跳電子R5の飛跡に形成された電子雲の各電子は、電場E1により電子検出器30側へ引き寄せられる。例えば電子e1、e2が、電子e1、e2の位置に対応する収集電極31によって検出される。これにより、電子e1、e2の位置及びエネルギーを算出できる。また、反跳電子R5の飛跡及びエネルギー並びに散乱点Pを算出できる。
本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、放射線検出器50が容器20の内部に位置している。このため、放射線検出器50が容器20の外部に位置する場合に比べて、放射線検出器50に到達するまでの間に放射線の散乱、減衰などが生じることを抑制できる。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
また、本実施の形態においては、容器20の内部に入射した放射線R1は、電子検出器30、ドリフト電極40などの電気部品を通過することなく、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達できる。このため、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の場合と異なり、容器20に入射した放射線R1のエネルギーおよび放射線量と、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間に到達した放射線R2のエネルギーおよび放射線量とが同等となる。このため、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間において期待するコンプトン散乱が生じる確率を高めることができる。また、放射線R2が放射線R1と同等となることにより、計測値として期待する散乱された放射線R3が第2部22側に向かう確率を高めることができる。
また、本実施の形態においては、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間で散乱された放射線R3は、電子検出器30、ドリフト電極40などの電気部品を通過することなく放射線検出器50に到達できる。このため、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の場合と異なり、散乱された放射線R3のエネルギーおよび放射線量は、放射線検出器50に到達した放射線R4のエネルギーおよび放射線量と同等となる。従って、散乱された放射線R3に関する情報をより正確に得ることができる。
上述した第3の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第3の実施の形態と同様に構成され得る部分について、第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、第3の実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
図18は、第1変形例に係る検出装置10を示す断面図である。検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する電子増幅器60を備えていてもよい。電子増幅器60は、例えば第2方向D2において電子検出器30及びドリフト電極40に対向するよう配置されている。電子増幅器60を用いることにより、計測する電子の量が増える。このため、電子の位置などをより高い精度で検出できる。
(第2変形例)
図19は、第3変形例に係る検出装置10を示す断面図である。図19に示すように、放射線検出器50は、容器20の外部に位置していてもよい。例えば放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22に対向していてもよい。
本変形例によれば、放射線検出器50を容器20の外部に配置することにより、放射線検出器50から発生するアウトガスが容器20の内部の環境に影響を及ぼすことを防ぐことができる。これにより、例えば、反跳電子R5の飛跡に形成される電子雲の密度をより高くできる。また、容器20の内部に電子増幅器60が設けられる場合に、電子増幅器60による電子の増幅をより促進できる。
(その他の変形例)
第1の実施の形態の第2変形例の場合と同様に、検出装置10は、電子検出器30とドリフト電極40との間に位置する補助ドリフト電極70を備えていてもよい。第1の実施の形態の第4変形例の場合と同様に、検出装置10は、容器20の内部に位置する吸着材81を備えていてもよい。第1の実施の形態の第5変形例の場合と同様に、検出装置10は、容器20の内部に位置する電気部品から発生するアウトガスを除去するための装置を備えていてもよい。第1の実施の形態の第6変形例の場合と同様に、ドリフト電極40は、複数の貫通孔41を含んでいてもよい。
なお、上述した第3の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、共通変形例を説明する。共通変形例は、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態のいずれにも適用され得る。
(第1の共通変形例)
図21は、第1の共通変形例に係る容器20を示す斜視図である。図21に示すように、容器20は、第1部21及び側部23と、第1部21と側部23の間に位置するコーナー24と、を含んでいてもよい。第1部21は、平坦に広がっていてもよい。コーナー24は、第1部21及び側部23とは異なる方向に広がる面を含んでいてもよい。
図22は、第1の共通変形例に係る容器20を第1の実施の形態に適用した例を示す断面図である。第1部21は、外面211及び内面212を含む。外面211は、対象物5に対向していてもよい。対象物5は、放射線を放出する。検出装置10は、第1部21を通って容器20の内部に入射する放射線を検出できる。
図22に示すように、外面211は、平坦に広がっていてもよい。好ましくは、外面211は、範囲F1において平坦に広がっている。例えば、対向方向における点P1の位置と点P2の位置の差が10mm以下である。これにより、対象物5から電子検出器30までの距離を短くできる。このため、測定の分解能を高めることができる。範囲F1は、電子検出器30とドリフト電極40とが対向する方向(以下、対向方向とも称する)に沿って見た場合に電子検出器30に重なる範囲である。外面211上の点P1は、対向方向に沿って見た場合に、電子検出器30の中心点に重なる。外面211上の点P2は、対向方向に沿って見た場合に、電子検出器30の端部に重なる。
符号K3は、電子検出器30と第1部21の内面212との間の、対向方向における距離を表す。距離K3を短くすることにより、対象物5から電子検出器30までの距離を短くできる。距離K3は、例えば10mm以下であり、5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよい。距離K3は、0mmであってもよい。すなわち、電子検出器30が内面212に接していてもよい。
図22に示すように、内面212は、平坦に広がっていてもよい。これにより、電子検出器30の全域にわたって距離K3を短くできる。
図22に示すように、コーナー24は、容器20の外側に向かって突出するように湾曲していてもよい。これにより、容器20の剛性を高めることができる。
図23は、第1の共通変形例に係る容器20を第1の実施の形態に適用したその他の例を示す断面図である。図23に示すように、放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22を挟んでドリフト電極40と対向していてもよい。
図24は、第1の共通変形例に係る容器20を第2の実施の形態に適用した例を示す断面図である。好ましくは、外面211は、範囲F2において平坦に広がっている。例えば、対向方向における点P3の位置と点P4の位置の差が10mm以下である。これにより、対象物5からドリフト電極40までの距離を短くできる。このため、測定の分解能を高めることができる。範囲F2は、対向方向に沿って見た場合にドリフト電極40に重なる範囲である。外面211上の点P3は、対向方向に沿って見た場合に、ドリフト電極40の中心点に重なる。外面211上の点P4は、対向方向に沿って見た場合に、ドリフト電極40の端部に重なる。
符号K4は、ドリフト電極40と第1部21の内面212との間の距離を表す。距離K4を短くすることにより、対象物5からドリフト電極40までの距離を短くできる。距離K4は、例えば100mm以下であり、70mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。一方、ドリフト電極40が内面212に接触すると、ドリフト電極40が容器20に電気的に接続されてしまう。従って、距離K4を一定以上に維持するか、若しくは、ドリフト電極40と内面212との間に絶縁体を配置することが好ましい。距離K4は、例えば10mm以上であり、20mm以上であってもよく、30mm以上であってもよい。
図25は、第1の共通変形例に係る容器20を第2の実施の形態に適用したその他の例を示す断面図である。図25に示すように、放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22を挟んで電子検出器30と対向していてもよい。
図26は、第1の共通変形例に係る容器20を第3の実施の形態に適用した例を示す断面図である。好ましくは、外面211は、範囲F3において平坦に広がっている。例えば、側部23の面方向における点P5の位置と点P6の位置の差が10mm以下である。これにより、電子検出器30とドリフト電極40との間の空間(以下、対向空間とも称する)と、対象物5との間の距離を短くできる。このため、測定の分解能を高めることができる。範囲F3は、側部23の面方向に沿って見た場合に対向空間に重なる範囲である。外面211上の点P5は、側部23の面方向に沿って見た場合に、対向空間の中心点に重なる。外面211上の点P6は、側部23の面方向に沿って見た場合に、電子検出器30のドリフト電極40との対向面又はドリフト電極40の電子検出器30との対向面に重なる。
図27は、第1の共通変形例に係る容器20を第3の実施の形態に適用したその他の例を示す断面図である。図27に示すように、放射線検出器50は、第2部22の外側に位置していてもよい。放射線検出器50は、第2部22に対向していてもよい。
(第2の共通変形例)
図28及び図29は、第2の共通変形例に係る補助ドリフト電極70を示す斜視図及び断面図である。補助ドリフト電極70は、複数のリング電極72を含んでいてもよい。複数のリング電極72は、対向方向に沿って並んでいる。リング電極72は、ドリフト電極40に向くリング第1面73と、リング第1面73の反対側に位置するリング第2面74と、を含む。
図30は、リング電極72を示す平面図である。リング電極72には開口721が形成されている。開口721は、対向方向において、電子検出器30に重なる。リング電極72は、対向方向において、電子検出器30に重なっていなくてもよい。リング電極72は、対向方向において、ドリフト電極40に重なっていてもよい。リング電極72は、平面視において幅W1を有する。幅W1は、例えば5mm以上であり、6mm以上であってもよく、8mm以上であってもよい。幅W1は、例えば30mm以下であり、25mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。幅W1は、リング電極72の外縁を構成する円の半径R11と、リング電極72の内縁を構成する円の半径R12の差である。
リング電極72は、導電性を有するワイヤから構成されていてもよい。例えば、まず、第1端及び第2端を有するワイヤを準備する。続いて、ワイヤを円形又は多角形に変形させ、第1端と第2端とを接続する。これによって、リング電極72が得られる。この場合、リング電極72の幅W1は、ワイヤの断面の寸法に対応する。例えば、ワイヤの断面が円形である場合、リング電極72の幅W1は、ワイヤの断面の直径に等しい。ワイヤの材料は、例えば金属である。
補助ドリフト電極70は、対向方向において隣接する2つのリング電極72の間に配置されているスペーサ75を含んでいてもよい。スペーサ75は、対向方向において隣接する2つのリング電極72の間の距離K5を定める。距離K5は、リング電極72の数、電子検出器30とドリフト電極40との間の電圧などに応じて定められる。距離K5は、例えば2mm以上であり、5mm以上であってもよく、8mm以上であってもよい。距離K5は、例えば30mm以下であり、20mm以下であってもよく、15mm以下であってもよい。
ドリフト電極40は、補助ドリフト電極70に取り付けられていてもよい。例えば、補助ドリフト電極70は、ドリフト電極40とリング電極72との間に位置するスペーサ75を含んでいてもよい。ドリフト電極40及び複数のリング電極72を含む構造体のことを、ドリフトケージ45とも称する。
図29に示すように、補助ドリフト電極70は、対向方向において隣接する2つのリング電極72を電気的に接続する配線76を含んでいてもよい。補助ドリフト電極70は、対向方向において隣接するドリフト電極40とリング電極72とを電気的に接続する配線76を含んでいてもよい。補助ドリフト電極70は、配線76の経路に挿入された抵抗器77を含んでいてもよい。隣接する2つのリング電極72を電気的に接続することにより、2つのリング電極72の間の電圧を調整できる。これにより、対向方向に並ぶリング電極72の電位を段階的に変化させることができる。例えば、ドリフト電極40の電位が-4000Vであり、電子検出器30の電位が0Vであり、20枚のリング電極72がドリフト電極40と電子検出器30の間に配置されていると仮定する。この場合、ドリフト電極40から電子検出器30に向かって並ぶ複数のリング電極72の電位を、-3800V、-3600V、-3400V、・・・というように段階的に変化させることができる。これにより、ドリフト電極40と電子検出器30との間の空間に形成される電場の均一性を高めることができる。
対向方向において隣接する2つのリング電極72の間の電圧は、例えば50V以上であり、100V以上であってもよく、150V以上であってもよい。対向方向において隣接する2つのリング電極72の間の電圧は、例えば500V以下であり、400V以下であってもよく、300V以下であってもよい。
図29に示すように、補助ドリフト電極70は、中継基板90によって支持されていてもよい。中継基板90は、電子検出器30を支持していてもよい。例えば、中継基板90は、電子検出器30を支持する第1基板91と、補助ドリフト電極70を支持する第2基板92と、を含んでいてもよい。第2基板92は、第1基板91と補助ドリフト電極70との間に位置していてもよい。検出装置10が電子増幅器60を備える場合、電子増幅器60も中継基板90によって支持されていてもよい。
図31は、第2の共通変形例に係る補助ドリフト電極70を第2の実施の形態に適用した例を示す断面図である。放射線検出器50は、容器20の外部に位置していてもよい。この場合、中継基板90は、第2部22上に配置されてもよい。第2部22において中継基板90を用いて補助ドリフト電極70を支持することにより、ドリフト電極40を第1部21に固定することなく、ドリフト電極40を第1部21に対向させることができる。
図31に示すように、中継基板90は、容器20の内部から外部へ延びる第3基板93を含んでいてもよい。中継基板90は、電子検出器30と第1基板91とを電気的に接続するワイヤ95を含んでいてもよい。電子検出器30の電気信号は、ワイヤ95、第1基板91及び第3基板93を介して容器20の外部に伝送される。
(他の態様)
本開示の他の態様は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記ドリフト電極よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、を備える、検出装置である。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の内部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記第1部は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って見た場合に前記電子検出器に重なる範囲において平坦に広がる外面を含んでいてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記第1部の内面と前記電子検出器との間の距離が、10mm以下であってもよい。
本開示の他の態様は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第1部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、を備える、検出装置である。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の内部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記第1部は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って見た場合に前記ドリフト電極に重なる範囲において平坦に広がる外面を含んでいてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記第1部の内面と前記ドリフト電極との間の距離が、10mm以上100mm以下であってもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記ドリフト電極は、複数の貫通孔を含んでいてもよい。
本開示の他の態様は、放射線を検出する検出装置であって、
第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
前記容器の内部に位置し、前記第1方向に交差する方向において前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
前記第1部よりも前記第2部に近接し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、を備える、検出装置である。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の内部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置は、前記電子検出器と前記ドリフト電極との間に位置し、前記電子検出器及び前記ドリフト電極に対向する電子増幅器を備えていてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記電子検出器は、複数の収集電極を含み、
前記電子増幅器は、表面及び裏面を含み、前記ドリフト電極と対向する方向において前記収集電極に重なる貫通孔が形成されている基材と、前記表面に位置する第1電極と、前記裏面に位置する第2電極と、を含んでいてもよい。
本開示の他の態様による検出装置は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極を備えていてもよい。
本開示の他の態様による検出装置は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、前記補助ドリフト電極及び前記電子検出器を支持する中継基板と、を備えていてもよい。前記ドリフト電極は、前記電子検出器と対向するよう前記補助ドリフト電極に取り付けられていてもよい。前記中継基板は、前記第2部上に配置されていてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記散乱された放射線によって励起されて蛍光を発するシンチレータと、前記蛍光を検出する光検出器と、を含んでいてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記放射線検出器は、前記散乱された放射線を検出する半導体検出素子を含んでいてもよい。
本開示の他の態様による検出装置において、前記容器の側部は円筒形を有していてもよい。
本開示の他の態様による検出装置は、前記容器の内部に位置する吸着材を備えていてもよい。
本開示の他の態様による検出装置は、前記容器に接続されている循環路と、前記循環路に挿入されているポンプ及びフィルタと、を備えていてもよい。
5 対象物
10 検出装置
20 容器
21 第1部
22 第2部
23 側部
24 コーナー
25 第1部分
26 第2部分
30 電子検出器
31 収集電極
32 支持基板
40 ドリフト電極
41 貫通孔
45 ドリフトケージ
50 放射線検出器
51 検出素子
52 回路基板
60 電子増幅器
61 第1電極
62 第2電極
63 基材
64 貫通孔
70 補助ドリフト電極
72 リング電極
73 リング第1面
74 リング第2面
75 スペーサ
76 配線
77 抵抗器
81 吸着材
82 循環路
83 ポンプ
84 フィルタ
90 中継基板
91 第1基板
92 第2基板
93 第3基板
95 ワイヤ

Claims (16)

  1. 放射線を検出する検出装置であって、
    第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
    前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
    前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
    前記ドリフト電極よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、
    前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、を備え、
    前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置しており、
    前記容器は、プラスチックを含み、30mm以下の厚みを有する、又は、金属を含み、20mm以下の厚みを有する、検出装置。
  2. 前記第1部の内面と前記電子検出器との間の距離が、10mm以下である、請求項1に記載の検出装置。
  3. 放射線を検出する検出装置であって、
    第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
    前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
    前記容器の内部において前記電子検出器よりも前記第1部の側に位置し、前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
    前記電子検出器よりも前記第2部の側に位置し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、
    前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、を備え、
    前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置しており、
    前記容器は、プラスチックを含み、30mm以下の厚みを有する、又は、金属を含み、20mm以下の厚みを有する、検出装置。
  4. 前記検出装置は、
    前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って並ぶ複数のリング電極と、隣り合う2つの前記リング電極の間に位置するスペーサと、を含む補助ドリフト電極と、
    前記補助ドリフト電極及び前記電子検出器を支持する中継基板と、を備え、
    前記ドリフト電極は、前記電子検出器と対向するよう前記補助ドリフト電極に取り付けられており、
    前記中継基板は、前記第2部上に配置されている、請求項3に記載の検出装置。
  5. 前記第1部の内面と前記ドリフト電極との間の距離が、10mm以上100mm以下である、請求項3に記載の検出装置。
  6. 前記第1部は、前記電子検出器と前記ドリフト電極とが対向する方向に沿って見た場合に前記電子検出器に重なる範囲において平坦に広がる外面を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検出装置。
  7. 前記放射線検出器は、複数の検出素子を含み、
    前記ドリフト電極は、前記第1方向において前記検出素子と重なる複数の貫通孔を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検出装置。
  8. 放射線を検出する検出装置であって、
    第1部と、第1方向において前記第1部に対向する第2部と、前記第1部から前記第2部に向かって広がる側部と、を含み、ガスが収容されている容器と、
    前記容器の内部に位置し、コンプトン散乱によって発生した電子を検出する電子検出器と、
    前記容器の内部に位置し、前記第1方向に交差する方向において前記電子検出器に対向するドリフト電極と、
    前記第1部よりも前記第2部に近接し、散乱された放射線を検出する放射線検出器と、を備える、検出装置。
  9. 前記放射線検出器は、前記容器の内部に位置している、請求項8に記載の検出装置。
  10. 前記放射線検出器は、前記容器の外部に位置している、請求項8に記載の検出装置。
  11. 前記電子検出器と前記ドリフト電極との間に位置し、前記電子検出器及び前記ドリフト電極に対向する電子増幅器を備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の検出装置。
  12. 前記電子検出器は、複数の収集電極を含み、
    前記電子増幅器は、表面及び裏面を含み、前記ドリフト電極と対向する方向において前記収集電極に重なる貫通孔が形成されている基材と、前記表面に位置する第1電極と、前記裏面に位置する第2電極と、を含む、請求項11に記載の検出装置。
  13. 前記放射線検出器は、前記散乱された放射線によって励起されて蛍光を発するシンチレータと、前記蛍光を検出する光検出器と、を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の検出装置。
  14. 前記放射線検出器は、前記散乱された放射線を検出する半導体検出素子を含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の検出装置。
  15. 前記容器の側部は円筒形を有する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の検出装置。
  16. 前記容器に接続されている循環路と、前記循環路に挿入されているポンプ及びフィルタと、を備える、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の検出装置。
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