JP2024036201A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】有利区間の終了を適切に管理しつつ、遊技性を向上させる遊技機を提供する。【解決手段】通常区間と有利区間とを備え、前記有利区間には、第1状態と、当該第1状態における所定条件の成立で移行可能な当該第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態とを備え、前記有利区間中の予め定められたタイミングにおける実行中の前記有利区間の消化ゲーム数と、次に前記第1状態から前記第2状態へ移行するための所定ゲーム数とに基づいて、実行中の当該有利区間を終了させて前記通常区間へ移行させるかを決定可能な区間制御部を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、特許文献1に示すように、有利区間への移行時に決定されたモードに応じてAT状態へ移行するための天井ゲーム数が設定される遊技機が知られている。
特開2022-018553号公報
特許文献1では、モードによっては天井ゲーム数に到達する前に有利区間が終了するため、せっかく消化したゲーム数が無駄になり有利区間の遊技性が損なわれる。
本開示は、有利区間の終了を適切に管理しつつ、遊技性を向上させる遊技機を提供する。
第1の側面は、指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、前記通常区間から移行可能であり前記指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間とを備え、前記有利区間には、第1状態と、当該第1状態における所定条件の成立で移行可能な当該第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態とを備え、前記有利区間中の予め定められたタイミングにおける実行中の前記有利区間の消化ゲーム数と、次に前記第1状態から前記第2状態へ移行するための所定ゲーム数とに基づいて、実行中の当該有利区間を終了させて前記通常区間へ移行させるかを決定可能な区間制御部を備える遊技機である。
また、第1の側面では、前記区間制御部は、前記消化ゲーム数に前記所定ゲーム数を加算し、当該加算結果の演算ゲーム数に基づいて前記有利区間を終了させるかを決定可能な遊技機である。
また、第1の側面では、予め定められた前記タイミングは、前記第2状態の終了時である遊技機である。
また、第1の側面では、前記区間制御部は、前記演算ゲーム数が、予め定められた判定値以上の場合は、前記有利区間を終了させ、前記演算ゲーム数が、前記判定値未満の場合は、前記有利区間を継続させる遊技機である。
また、第1の側面では、前記所定ゲーム数は、抽せんにより決定される遊技機である。
また、第1の側面では、遊技進行に関連するモードを複数備え、前記所定ゲーム数は、前記モードに応じて抽せんにより決定される遊技機である。
また、第1の側面では、前記抽せんは、前記有利区間中の予め定められた前記タイミングに行われる遊技機である。
また、第1の側面では、遊技進行に関連するモードを複数備え、前記所定ゲーム数は、前記モードに応じて予め定められたゲーム数である遊技機である。
また、第1の側面では、前記所定ゲーム数は、予め定められた最大ゲーム数が設定されており、当該最大ゲーム数から所定の候補値に短縮するかの短縮抽せんまたは当該最大ゲーム数から短縮するゲーム数を抽せんする短縮ゲーム数抽せんを行い決定される遊技機である。
本開示によれば、有利区間の終了を適切に管理しつつ、遊技性を向上させる遊技機を提供することができる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。 回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。 第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。 第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。 遊技区間の状態遷移を説明する図である。 スロットマシンの有利区間の継続判定処理の流れを示すフロー図である。 天井ゲーム数の抽せんテーブルの一例である。
[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、スロットマシン1の正面を向いて位置している遊技者から見て、スロットマシン1から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向および「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、または上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、スロットマシン1の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
電飾部は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付ける。
メダル投入部41の投入口には、遊技に用いる遊技価値としてのメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を後述する制御部6(図2参照)に出力する。
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
レバー43は、各回転リール20を回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、演出に変化が生じる。
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(図2参照)。
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図1および図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、図3に示すように、複数の図柄が、当該回転リール20の周方向に沿って間隔を空けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出ボタン46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、図4および図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
第1遊技状態は、図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。二種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
更に詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または特定役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、図5に示すように、一般遊技状態およびAT状態を含む。一般遊技状態とAT状態とは、排他的に成立する関係にある。一般遊技状態は、第1状態の一例であり、AT状態は、第2状態の一例である。
一般遊技状態とは、AT状態でない状態、つまり指示機能にかかる処理としてアシスト機能が発生しない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
AT状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3やスピーカ102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が働いている状態である。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした場合に、第2遊技状態は、一般遊技状態からAT状態へと移行する。AT状態にて遊技が開始されてから予め定められたゲーム数が経過した場合、または、AT状態にて遊技が開始されてからのメダルの払い出し総枚数が所定枚数に達した場合に、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。これにより、AT状態は終了する。
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、指示機能にかかる処理としてアシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
通常区間とは、指示機能にかかる処理としてアシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が一般遊技状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
有利区間は、指示機能にかかる処理としてアシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、AT状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出ボタン46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータ、内部抽せんの結果などが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、区間制御部615、遊技状態制御部616として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の第1遊技状態などに基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびレバー43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、レバー43操作時のRT状態、特別役(ボーナス)中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役が含まれる。
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんしている。一般遊技状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せんフラグが示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せんした役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
内部抽せんによって当せんした役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
更に、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および/または差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数および/またはレンジ(MY)は、区間制御部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数および/またはレンジ(MY)をリセットする。
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
―区間制御部―
区間制御部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
具体的には、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定値に応じて異なっていてもよい。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっていることが挙げられる。
また、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定する際に、AT状態へ移行するための天井ゲーム数を抽せんにより決定可能である。また、区間制御部615は、AT状態の終了時に、次に遊技区間が有利区間である場合の一般遊技状態からAT状態へ移行するための天井ゲーム数を抽せんにより決定する。天井ゲーム数の抽せんについては後述する。また、天井ゲーム数は、所定ゲーム数の一例である。
また、区間制御部615は、有利区間中の予め定められたタイミングにおける実行中の有利区間の消化ゲーム数と、次に一般遊技状態からAT状態へ移行するための天井ゲーム数とに基づいて、実行中の有利区間を終了させて通常区間へ移行させるかを決定可能である。
具体的には、上述したように、区間制御部615は、AT状態の終了時に、次に一般遊技状態からAT状態へ移行するための天井ゲーム数を抽せんにより決定する。そして、実行中の有利区間の消化ゲーム数に天井ゲーム数を加算し、この加算結果の演算ゲーム数が、予め定められた判定値以上の場合は、有利区間を終了させ、予め定められた判定値未満の場合は、有利区間を継続させる。すなわち、AT状態の終了後、有利区間から通常区間に移行する場合と、有利区間を継続させる場合とがある。
ここで、予め定められた判定値は、スロットマシン1のメダル払出の期待値やスロットマシン1におけるメダル払出に関する性能で設定値に依存しないもの、AT状態の1ゲームあたりで獲得できる枚数の期待値(純増枚数)などによってスロットマシン1の機種毎に予め決定された値である。例えば、AT状態で有利区間の後述する終了条件である2400枚を獲得するまでに要するゲーム数として800ゲームが必要な機種の場合は、有利区間の終了条件である上限ゲーム数の4000ゲームから800ゲームを減算した3200ゲームが予め定められた判定値となる。すなわち、次の天井ゲーム数を遊技してAT状態へ移行したとしても、2400枚を獲得することが可能なゲーム数が残っているかで、有利区間を終了させるか、継続させるかが決定される。例えば、有利区間での消化ゲーム数が1000ゲームで、天井ゲーム数が999ゲーム、予め定められた判定値が3200ゲームの場合は、演算ゲーム数は1000+999=1999となり、予め定められた判定値の3200よりも小さいため、AT状態が終了してはいるが有利区間が継続される。また、例えば、有利区間での消化ゲーム数が2500ゲームで、天井ゲーム数が800ゲーム、予め定められた判定値が3200ゲームの場合は、演算ゲーム数は2500+800=3300となり、予め定められた判定値の3200以上であるため、AT状態の終了に伴い、有利区間も終了させ、通常区間へ移行する。
つぎに、区間制御部615が実行する天井ゲーム数の抽せんについて説明する。
本実施形態における天井ゲーム数の抽せんでは、天井ゲーム数の最大ゲーム数から短縮するか否かの短縮抽せんと、短縮抽せんに当せんした場合に短縮するゲーム数を抽せんする短縮ゲーム数抽せんと、が行われる。具体的には、短縮抽せんに当せんした場合に行われる短縮ゲーム数抽せんでは、短縮ゲーム数の候補値として、「50G」「100G」「200G」「500G」があり、この候補値からどの程度短縮させるかの短縮ゲーム数を抽せんにより決定する。例えば、短縮ゲーム数として、「100G」が決定された場合は、天井ゲーム数における最大ゲーム数の「999G」から「100G」を減算した「899G」が天井ゲーム数として決定される。
また、AT状態の終了時に行われる天井ゲーム数の抽せんにより決定された天井ゲーム数は、有利区間を継続する場合は、かかる抽せんで決定された天井ゲーム数がそのまま次にAT状態へ移行するための天井ゲーム数に設定される。一方、有利区間を継続せず、通常区間へ移行する場合は、かかる抽せんで決定された天井ゲーム数は初期化され、その後通常区間から有利区間に移行した際に行われる天井ゲーム数の抽せんにより決定された天井ゲーム数が設定される。そのため、有利区間から通常区間に移行する場合では、AT状態の終了時に行われる天井ゲーム数の抽せんにより決定された天井ゲーム数は、有利区間を計測させるかを判定するための仮の値となる。
また、区間制御部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が上限ゲーム数である4000ゲームに達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に達した場合、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
また、区間制御部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態またはAT状態に設定する。
一例として、図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態に設定する。
また、図5に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態に設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から一般遊技状態に移行させる。また、遊技状態制御部616は、遊技区間が有利区間である場合の一般遊技状態での消化ゲーム数が天井ゲーム数に到達した場合は、一般遊技状態からAT状態への移行が確定する。なお、遊技状態制御部616は、AT状態へ移行することにより消化ゲーム数をリセットする。
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
また、遊技中に、設定値を示唆する演出の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、レア役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、などが挙げられる。
図7を用いて、スロットマシン1の有利区間の継続判定処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、AT状態中に、メイン制御部61のCPUが所定のプログラムを実行することで実施される。また、かかる有利区間継続判定処理は、AT状態の最後のゲームから、次のゲームが開始されるまでの間に行われる。
まず、ステップst1において、区間制御部615は、AT状態が終了するか否かを判定する。本実施形態では、AT状態は、AT状態の終了条件、例えば、AT状態のゲーム数を消化した場合や、AT状態のゲーム数を消化後、ATを継続するか否かのAT継続抽せんに当せんしなかった場合などを満たすことで終了する。AT状態が終了すると判定した場合(ステップst1のYES)は、次のステップst2に進む。
ステップst2において、区間制御部615は、天井ゲーム数を抽せんにより決定する。そして、次のステップst3に進む。
ステップst3において、区間制御部615は、演算ゲーム数を算出する。具体的には、AT状態終了時における有利区間の消化ゲーム数に、ステップst2において決定された天井ゲーム数を加算して当該加算結果の演算ゲーム数を算出する。そして、次のステップst4に進む。
ステップst4において、区間制御部615は、ステップst3において算出された演算ゲーム数と予め定められた判定値とを比較する。演算ゲーム数が、予め定められた判定値未満の場合(ステップst4のYES)は、次のステップst5に進む。
ステップst5において、区間制御部615は、有利区間を終了させず、そのまま継続する。そして、処理を終了する。
一方、上述したステップst4において、演算ゲーム数が、予め定められた判定値以上の場合(ステップst4のNO)は、次のステップst6に進む。
ステップst6において、区間制御部615は、有利区間を終了させ、通常区間へ移行させる。すなわち、次のゲームから通常区間に移行し、当該次のゲームのレバー43の操作を契機に区間移行抽せんが行われる。そして、処理を終了する。
以上をまとめると、スロットマシン1(遊技機)は、指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、通常区間から移行可能であり指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間とを備え、有利区間には、一般遊技状態(第1状態)と、当該一般遊技状態(第1状態)における所定条件の成立で移行可能な当該一般遊技状態(第1状態)よりも遊技者にとって有利なAT状態(第2状態)とを備え、有利区間中の予め定められたタイミングにおける実行中の有利区間の消化ゲーム数と、次に第1状態から第2状態へ移行するための天井ゲーム数とに基づいて、実行中の当該有利区間を終了させて通常区間へ移行させるかを決定可能な区間制御部を備えるものである。
<発明の効果>
本実施形態によれば、有利区間の終了を適切に管理しつつ、遊技性を向上させる遊技機を提供することができる。
また、本実施形態では、消化ゲーム数に天井ゲーム数を加算し、当該加算結果の演算ゲーム数に基づいて有利区間を終了させるかを決定可能である。これにより、消化ゲーム数が多いか少ないか、天井ゲーム数が多いか少ないかによって、有利区間を終了させるか、継続させるかを決定することができる。
また、本実施形態では、AT状態の終了時に、有利区間を終了させて通常区間へ移行させるか、有利区間を継続させるかを決定可能である。これにより、AT状態の終了後、一律に有利区間を終了させて通常区間へ移行させるのではなく、有利区間を継続させることも可能とすることで、遊技性を向上させることができる。すなわち、AT状態が終了した後も有利区間が継続している場合があるため、AT状態が終了したことによる遊技者の興趣の低下を防止することができ、また、かかる遊技者の興趣の低下を防止することに伴い、AT状態の終了が遊技を止める契機となることを防止することができる。また、遊技者にとっては、遊技区間が有利区間であることが報知されない場合は、AT状態が終了しても有利区間が終了しているかが分からなく、AT状態が終了したから遊技を止めるのではなく、AT状態の終了後も遊技を継続することの動機付けとすることができる。
また、本実施形態では、実行中の有利区間の消化ゲーム数に天井ゲーム数を加算することで算出された演算ゲーム数と判定値とを比較することで、有利区間を終了させるか、継続させるかを決定可能である。これにより、天井ゲーム数に到達する前に、有利区間を終了されることがないようにすることができる。例えば、判定値を有利区間の終了条件である2400枚を獲得するまでに最低限必要なゲーム数を考慮した値とすることで、仮に、天井ゲーム数に到達することでAT状態に移行した場合であっても、AT状態の利益を十分に付与することができ、遊技性を向上させることができる。
また、本実施形態では、天井ゲーム数を抽せんにより決定することで、消化ゲーム数に固定の天井ゲーム数を加算して演算ゲーム数が算出される場合よりも、変化に富んだ遊技性にすることができる。
また、本実施形態では、有利区間を終了させるか、継続させるかを決定する際に天井ゲーム数を抽せんにより決定する。これにより、前もって天井ゲーム数を決定しておく場合に比べ、最新の消化ゲーム数を元に有利区間を終了させるかを決定することができる。また、天井ゲーム数の抽せんと、有利区間を終了させるか、継続させるかの決定とを、同じトリガーで処理することができ、CPUの処理を軽減することができる。
また、本実施形態では、天井ゲーム数は、最大ゲーム数から短くなる方向に決定される。これにより、天井ゲーム数を短縮させることに興趣をもたせることができる。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
前記実施形態の一般遊技状態には、CZが含まれてもよい。そのため、第1状態の一例はCZであってもよい。この場合には、CZからAT状態へ移行可能である。また、前記実施形態では、第2状態の一例をAT状態としたが、これに限定されず、第2状態の一例はCZであってもよい。この場合には、CZ以外の一般遊技状態から天井ゲーム数を消化することによりCZに移行可能である。また、前記実施形態では、有利遊技状態として、ATやボーナスを例示したが、有利遊技状態には、ARTが含まれてもよい。CZとは、ATへの突入確率やリプレイ確率がCZでない場合よりも高い遊技状態である。ARTは、リプレイ確率が一般遊技状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。そして、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が上限の4000ゲームに至る前や、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである有利遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
設定値を示唆する演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となることなどが、更に含まれてもよい。
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、有利区間搭載型のスロットマシンであればよく、ARTタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。
また、前記実施形態では、AT状態の終了時に、有利区間を継続させるか、終了させるかを判定しているが、かかるAT状態の終了には、有利区間を上限ゲーム数である4000ゲーム消化した場合や、最大差枚数2400枚に到達することで有利区間が終了することに伴いAT状態が終了する場合、エンディング演出が実行されるエンディング状態に移行した後に終了する場合は含まなくてもよい。ここで、エンディング状態は、有利区間の上限ゲーム数である4000ゲームまで残り50ゲームに到達した場合や、最大差枚数2400枚の前である2200枚を超えた場合などに移行する状態である。すなわち、エンディング状態に移行してAT状態が終了する場合は、当該AT状態の終了時に、有利区間の上限まで遊技されており、前記実施形態の有利区間を継続させるか、終了させるかの判定をする必要性が乏しいためである。
また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示してもよい。具体的に、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることが告知されてもよい。
前記実施形態でAT状態の終了時に行われる天井ゲーム数の抽せんは、AT状態の終了時に行われる場合に限定されず、AT状態の開始からこのAT状態の終了時までの他のタイミングに行ってもよい。
また、天井ゲーム数の抽せんは、上述した短縮抽せんと、短縮ゲーム数抽せんとを行う場合に限定されない。
例えば、短縮抽せんに当せんした場合は、初期の天井ゲーム数から予め定められた天井ゲーム数に短縮してもよい。本例の場合は、例えば、初期の天井ゲーム数が999ゲームであり、短縮抽せんに当せんした場合は、500ゲームに短縮する。
また、予め定められた天井ゲーム数の最大ゲーム数から所定の候補値に短縮するかの短縮抽せんを行ってもよい。本例の場合は、所定の候補値として、「0G」「50G」「100G」「200G」「500G」があり、この候補値から短縮ゲーム数を抽せんにより決定する。例えば、短縮抽せんで「0G」が決定された場合は、最大ゲーム数の「999G」が天井ゲーム数として設定され、「100G」が決定された場合は、最大ゲーム数の「999G」から「100G」を減算した「899G」が天井ゲーム数として設定される。
また、天井ゲーム数の抽せんは、複数の天井ゲーム数から、抽せんにより天井ゲーム数を選択してもよい。本例の場合は、天井ゲーム数の候補値として、「100G」「200G」「500G」「999G」があり、この候補値から天井ゲーム数を抽せんにより決定する。例えば、天井ゲーム数として、「500G」が決定された場合は、この「500G」が天井ゲーム数として設定される。
また、天井ゲーム数は、抽せんにより決定される場合に限定されず、固定のゲーム数に決定されてもよい。また、抽せんにより決定する天井ゲーム数は1つの値の決め打ちでもよいし、また、設定値毎に当該設定値に応じた値が決められていてもよい。
また、通常区間から有利区間への移行時に行われる天井ゲーム数の抽せんと、AT状態の終了時に行われる天井ゲーム数の抽せんとは、同じ抽せんであってもよいし、異なる抽せんであってもよい。
また、一般遊技状態では、遊技進行に関連するモードを複数備え、天井ゲーム数は、モードに応じて決定してもよい。具体的には、AT状態の終了後、天井ゲーム数の抽せんをする前に移行するモードを抽せんにより決定し、この決定されたモードによって、短縮抽せんの当せん確率と、短縮ゲーム数抽せんで抽せんする短縮ゲーム数の候補値の抽せん確率が異なっていてもよい。ここで、モードは、遊技進行に関連するものであって、本実施形態では、ATを継続するか否かのAT継続抽せんの当せん確率が異なる状態である。具体的に、一般遊技状態は、「モードA」「モードB」「モードC」「モードD」の、4つのモードから構成される。また、AT状態の終了後、有利区間を継続させる場合の一般遊技状態では、抽せんにより決定された4つのモードのいずれかで遊技がされる。一方、AT状態の終了後、有利区間を継続せず、通常区間へ移行する場合は、かかる抽せんで決定されたモードは初期化され、通常区間から有利区間に移行した際に行われる抽選により決定されたモードで遊技がされる。そのため、有利区間から通常区間に移行する場合では、AT状態の終了時に行われる抽せんにより決定されたモードは、天井ゲーム数を抽選するための仮のモードとなる。
そして、例えば、天井ゲーム数の短縮抽せんの当せん確率が「モードA」は「10%」、「モードB」は「30%」、「モードC」は「50%」、「モードD」は「90%」の確率で当せんする。また、「モードA」は短縮ゲーム数の候補値「50G」が「50%」、「100G」が「25%」、「200G」が「15%」、「500G」が「10%」の確率で当せんし、「モードD」は短縮ゲーム数の候補値「50G」が「10%」、「100G」が「15%」、「200G」が「25%」、「500G」が「50%」の確率で当せんしてもよい。本変形例では、モードに応じて天井ゲーム数が多くなったり少なくなったりする。これにより、モードの影響を受けて変動する天井ゲーム数によって、有利区間を終了させるか、継続させるかを変化させることができ、遊技性を向上させることができる。
また、天井ゲーム数は、モードに応じて予め定められたゲーム数であってもよい。本例の場合は、天井ゲーム数として、「モードA」は「999G」、「モードB」は「500G」、「モードC」は「200G」、「モードD」は「100G」が予め定められていてもよい。
また、設定値によって、天井ゲーム数の抽せんの有利度が異なってもよい。すなわち、設定値が高い場合は、短い天井ゲーム数が決定されやすく、設定値が低い場合は、長い天井ゲーム数が決定されやすくなってもよい。具体的には、図8(A)に示すように、設定値毎にどのモードに滞在するかのモード抽せんの確率が異なって設定されている。例えば、設定値が低い「1」の場合は、「モードA」が当せんされる確率が高く(50%)、「モードD」が当せんされる確率が低く(10%)設定されており、設定値が高い「6」の場合は、「モードA」が当せんされる確率が低く(10%)、「モードD」が当せんされる確率が高く(50%)設定されている。そして、図8(B)に示すように、滞在中のモードによって、天井ゲーム数が当せんされる確率が異なって設定されている。例えば、モードAは、長い天井ゲーム数が当せんされやすく、モードDは、短い天井ゲーム数が当せんされやすくなっている。上述したように、モードAは設定値が低い場合に当せんされる確率が高いモードであり、モードDは設定値が高い場合に当せんされる確率が高いモードであるため、設定値が低い場合は、比較的長い天井ゲーム数が決定されやすく、設定値が高い場合は、比較的短い天井ゲーム数が決定されやすくなる。高い設定値ほど遊技者にとって出玉的に有利であるため、天井ゲーム数も比較的短くなる。逆に、低い設定値ほど遊技者にとって出玉的に不利であるため、天井ゲーム数も比較的長く(高く)なる。このように構成することにより、設定値が天井ゲーム数に影響を与え、ひいては、有利区間を終了させるか、継続させるかにも設定値が影響を与えることができる。
また、内部抽せんの役の種類によって、天井ゲーム数の抽せんの有利度が異なってもよい。すなわち、天井ゲーム数の抽せんを行う際のゲームの内部抽せんによる当せん役が、予め定められた役、例えば、チェリー役やスイカ役などのレア役である場合は、他の役に当せんしている場合に比べ、短い天井ゲーム数が当せんされたり、長いゲームの短縮ゲーム数抽せんに当せんしたりする確率が高く設定されていてもよい。
また、予め定められた判定値は、前記実施形態の固定値に限定されず、設定値や、滞在中の有利区間の状態、滞在中のモードの種類などに応じて変わってもよい。例えば、設定値が高い場合は低い場合に比べ予め定められた判定値が小さくなったり、AT状態の終了後有利区間を継続させる場合にAT状態からCZに移行する場合などの有利区間における遊技の進行状態によっては予め定められた判定値が小さくなったり、AT状態の終了後有利区間を継続させる場合に滞在するモードが遊技者にとって有利なモードである場合は不利なモードに比べ予め定められた判定値が小さくなったりしてもよい。すなわち、判定値は、遊技者にとっての有利度やメダル払出の期待値に応じて、変動してもよい。
前記実施形態では、物理媒体であるメダルの投入および払い出しを行うタイプのスロットマシン1を例示したが、メダルの投入および払い出しは行わずに、メダル数に対応する遊技価値の数をデータ上で管理するタイプのスロットマシン(メダルレス機)に提供してもよい。このようなメダルレス機では、所有中の遊技価値数が遊技者ごとに管理されており、ベットボタンが押されればその所有中のメダル数からベットされる。そのため、ホッパーユニット50を含まずともよい。なお、遊技者の所有する遊技価値は、スロットマシン上で管理されてもよいし、スロットマシンと電気的に接続された遊技価値貸出機上で管理されてもよい。なお、メダルレス機は、「スマートパチスロ」(登録商標)、「管理遊技機」、または「封入式遊技機」などと称されることがある。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。さらに、本実施形態の複数の実施形態のうち、1つの実施形態単体でも実施可能である。なお、本実施形態にかかるスロットマシン1は、特許請求の範囲において請求項1に記載した内容のみでも実施可能であり、請求項1と他請求項とを組み合わせた内容でも実施可能である。
1 スロットマシン(遊技機)
615 区間制御部

Claims (9)

  1. 指示機能にかかる処理を行うことができない通常区間と、前記通常区間から移行可能であり前記指示機能にかかる処理を行うことができる有利区間とを備え、
    前記有利区間には、第1状態と、当該第1状態における所定条件の成立で移行可能な当該第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態とを備え、
    前記有利区間中の予め定められたタイミングにおける実行中の前記有利区間の消化ゲーム数と、次に前記第1状態から前記第2状態へ移行するための所定ゲーム数とに基づいて、実行中の当該有利区間を終了させて前記通常区間へ移行させるかを決定可能な区間制御部を備える遊技機。
  2. 前記区間制御部は、前記消化ゲーム数に前記所定ゲーム数を加算し、当該加算結果の演算ゲーム数に基づいて前記有利区間を終了させるかを決定可能である請求項1に記載の遊技機。
  3. 予め定められた前記タイミングは、前記第2状態の終了時である請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記区間制御部は、
    前記演算ゲーム数が、予め定められた判定値以上の場合は、前記有利区間を終了させ、
    前記演算ゲーム数が、前記判定値未満の場合は、前記有利区間を継続させる請求項2に記載の遊技機。
  5. 前記所定ゲーム数は、抽せんにより決定される請求項1に記載の遊技機。
  6. 遊技進行に関連するモードを複数備え、
    前記所定ゲーム数は、前記モードに応じて抽せんにより決定される請求項1に記載の遊技機。
  7. 前記抽せんは、前記有利区間中の予め定められた前記タイミングに行われる請求項5または請求項6に記載の遊技機。
  8. 遊技進行に関連するモードを複数備え、
    前記所定ゲーム数は、前記モードに応じて予め定められたゲーム数である請求項1に記載の遊技機。
  9. 前記所定ゲーム数は、予め定められた最大ゲーム数が設定されており、当該最大ゲーム数から所定の候補値に短縮するかの短縮抽せんまたは当該最大ゲーム数から短縮するゲーム数を抽せんする短縮ゲーム数抽せんを行い決定される請求項1に記載の遊技機。
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