JP2024034205A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体を交換位置に移動させた際に、駆動力に基づく移動体の意図しない着脱方向の移動を抑制できる記録装置を提供する。【解決手段】記録装置は、媒体に記録を行う記録部20又は記録部20のメンテナンスを行うメンテナンス部を含む移動体20Mが、移動可能及び着脱可能に構成される。記録装置は、移動体20Mと、移動体20Mを、移動方向Bに沿って案内する第1案内部37と、第1案内部37から分岐し、移動体20Mを、移動方向Bと交差する着脱方向Zに沿って案内する第2案内部38,39と、規制部51とを備える。規制部51は、移動体20Mが、第1案内部37から第2案内部38,39が分岐する位置であって着脱可能な交換位置PH1にある場合に、移動体20Mを移動方向Bに移動させる駆動力に基づく移動体20Mの着脱方向Zに沿った移動を規制する。【選択図】図11

Description

本発明は、用紙等の媒体に記録する記録部を備える記録装置に関する。
例えば、特許文献1には、記録部を備える記録装置が開示されている。この記録装置においては、ヘッドユニット(移動体の一例)が、ガイドレールに沿って移動する。ヘッドユニットは第1方向(移動方向の一例)に沿って移動することで、複数の停止位置に配置される。記録装置は、停止位置の1つとして記録部を交換可能な交換位置を有する。第1方向に延びるガイドレールにおける交換位置には、ガイドレールの延在方向である第1方向と交差する第2方向に延在する交換用のガイドレールが接続されている。つまり、交換位置でガイドレールは分岐し交換用のガイドレールと接続されている。交換位置以外の位置では、例えば、ヘッドユニット側のガイドローラーがガイドレールの壁部に規制されるため、移動体の第2方向への変位が規制される。ヘッドユニットは、ラックピニオン機構等の移動機構を介して第1方向に移動するように駆動される。
特開2022-55781号公報
しかし、特許文献1に記載の記録装置において、移動体がメンテナンスや交換のために交換位置にある状態で、さらに移動体を第1方向に移動させようとすると、駆動力によって移動体が意図せず第2方向に移動する可能性があるという課題がある。なお、移動体は、ヘッドユニット等の記録部に限らず、記録ヘッドに対してメンテナンスを行うキャップ部やワイパー部等のメンテナンス部などの移動体においても、同様の課題が生じ得る。
上記課題を解決する記録装置は、媒体に記録を行う記録部又は前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンス部を含む移動体が、移動可能及び着脱可能に構成された記録装置であって、前記移動体と、前記移動体を、移動方向に沿って案内する第1案内部と、前記第1案内部から分岐し、前記移動体を、前記移動方向と交差する着脱方向に沿って案内する第2案内部と、前記移動体が、前記第1案内部から前記第2案内部が分岐する位置であって着脱可能な交換位置にある場合に、前記移動体を前記移動方向に移動させる駆動力に基づく前記移動体の前記着脱方向に沿った移動を規制する規制部とを備える。
第1実施形態における記録装置を示す斜視図である。 記録装置の内部構成を示す模式正断面図である。 モーションユニットを示す斜視図である。 記録部を示す斜視図である。 記録部および調整ユニットの部分を示す斜視図である。 モーションユニットの要部を示す斜視図である。 記録部が交換位置にある状態を示す模式正面図である。 交換位置から記録部を取り外した状態を示す模式正面図である。 移動体および移動体を案内するガイドレールを示す模式正面図である。 規制機構を備えたモーションユニットを示す斜視図である。 交換位置にある記録部と規制機構を示す正面図である。 記録部が交換位置にある状態のときの規制機構を示す拡大した模式正面図である。 被規制部が規制部の規制面に当たった状態を示す模式正面図である。 記録部を交換位置から抜き取る過程を示す正面図である。 同じく記録部を交換位置から抜き取る過程を示す正面図である。 同じく記録部を交換位置から抜き取る過程を示す正面図である。 第2実施形態における記録部が交換位置にある状態のときの規制機構を示す正面図である。 規制機構を示す正面図である。 記録部を交換位置から抜き取る過程を示す正面図である。 記録部を交換位置から抜き取る過程を示す正面図である。
以下、実施形態を、図面を参照して説明する。記録装置11は、例えば、複合機である。記録装置11は、スキャン機能、コピー機能および印刷機能を含む複数の機能を有する。図面では、記録装置11は、水平な設置面に置かれているものとする。記録装置11の設置面に直交するZ軸のうち、上方向を+Z方向、下方向を-Z方向とし、Z軸と直交する2つの軸をそれぞれX軸、Y軸とする。また、X軸と平行なX方向は、+X方向と-X方向との両方向を含む。X軸と平行なX方向は、媒体Mの幅方向であるので、幅方向Xともいう。Y軸と平行なY方向とは、+Y方向と-Y方向との両方向を含む。Y軸と平行なY方向を水平方向Yともいう。Z軸と平行なZ方向を鉛直方向Zともいう。
<記録装置11の全体構成>
図1に示すように、記録装置11は、直方体状をなす装置本体12と、装置本体12の上部に配置される画像読取部13とを備える。装置本体12は、用紙等の媒体Mを搬送する搬送経路T(図2参照)を有する。
画像読取部13は、読取部13Aと自動原稿給送部13Bとを備える。自動原稿給送部13Bは、原稿トレイ13Cに載置された原稿Dを、読取部13Aへ給送するとともに、読取部13Aが読み取った後の原稿Dを排出トレイ13Dへ排出する。また、読取部13Aは、搬送中の原稿Dを読み取るフィード式の読取機能に加え、自動原稿給送部13Bを開けると露出する原稿台上にセットされた原稿Dを読み取るフラットベッド式の読取機能も有する。
記録装置11は、装置本体12に操作部14を有してもよい。操作部14は、例えば、タッチパネルよりなる表示部14Aを有してもよい。すなわち、ユーザーは、表示部14Aをタッチ操作することで、記録装置11に指示を与えることが可能であってもよい。
記録装置11は、複数の媒体Mを収容可能なカセット15を備えてもよい。カセット15は、1段または複数段(図1では例えば4段)備えられてもよい。カセット15は、把手15Aを用いたX軸方向のスライドにより着脱可能な状態で装置本体12の下部に挿着されている。
図1に示すように、装置本体12は、その側面11Sに複数のカバー扉16~18を備える。複数のカバー扉16~18は、ユーザーが開閉操作するための把手16A~18Aを有する。第1カバー扉16は、媒体Mを載置可能な給送トレイ16Tを備える。給送トレイ16Tは、ユーザーが開閉操作するための把手16Bを有する。
図1に示すように、記録装置11は、媒体M(図2参照)に記録する記録部20を有する。記録部20は、カセット15から給送された媒体Mおよび給送トレイ16Tから給送された媒体Mに記録する。
記録装置11は、記録後の媒体M(図2参照)が排出される排出部19を有する。排出部19は、装置本体12から排出された媒体Mを積載する排出トレイ19Aを備える。
<記録装置11の内部構成>
次に、図2を参照して記録装置11の内部構成について説明する。
記録装置11は、媒体Mを搬送する搬送部21と、媒体Mに記録する記録部20とを備える。記録部20は、インク等の液体を吐出する記録ヘッド20Hを有する。記録部20は、記録ヘッド20Hから液体を吐出することで媒体Mに記録する。さらに、記録装置11は、記録部20をメンテナンスするメンテナンス部として、キャップ部60とワイパー部70(図3参照)とを備える。
搬送部21は、媒体Mが搬送される図2に破線で示す搬送経路Tを有する。Y-Z面に示されるA-B座標系は、直交座標系である。A方向は、記録部20と対向する記録位置における媒体Mの搬送方向に等しい。A方向の上流に向かう方向を-A方向、下流に向かう方向を+A方向と称する。本実施形態において、A方向は、+A方向に進むほど-Y方向および+Z方向に進む向きに傾いた方向とされている。具体的には、A方向は、水平方向Yに対して30°~80°の角度の範囲で傾斜した方向であり、特に図2では、水平方向Yに対して概ね60°傾斜している。このように、A方向は、媒体Mの搬送方向が、水平方向Yおよび鉛直方向Zの両方向と鋭角に交差する方向である。
図2に示すように、記録部20は、媒体Mを支持する支持部として機能する搬送ベルト25Bと対向する方向であるB方向に移動可能に構成される。B方向は、水平面に対して鋭角な所定角度だけ傾く方向である。B方向は、記録ヘッド20Hが搬送ベルト25Bに近づく方向を+B方向、搬送ベルト25Bから離れる方向を-B方向とする方向である。B方向は、+B方向に進むほど-Y方向及び-Z方向に進む方向である。本実施形態のB方向は、Y-Z平面においてA方向と直交している。
記録部20は、図2に二点鎖線で示す交換位置PH1と、図2に実線で示す記録位置PH4との間で移動可能に構成される。記録部20は、交換位置PH1から+B方向に移動することで、少なくとも交換位置PH1と記録位置PH4とを含む複数の位置に移動可能である。本例では、記録部20の移動方向であるB方向を第1移動方向Bともいう。この第1移動方向Bは、鉛直方向Z及び水平方向Yと交差する方向である。
記録位置PH4は、記録ヘッド20Hが媒体Mに対してインク等の液体を吐出することで記録を行う位置である。交換位置PH1は、ユーザー又はサービスマン等の作業者が記録部20をメンテナンス等のために交換する位置である。装置本体12内に、交換位置PH1にある記録部20を検知可能な第1センサーSE1を備えてもよい。第1センサーSE1によって交換位置PH1に達した記録部20が検知されると、モーター41の駆動が停止されてもよい。また、第1センサーSE1が記録部20を検知したときの記録部20の位置を記録部20の移動経路上の原点としてもよい。
排出部19は、排出トレイ19Aの載置面19Bに積層された媒体Mが収容される空間部を有する。本実施形態では、排出トレイ19Aを取り外すと露出する交換作業口12Aを介して、記録部20及びキャップ部60を交換することが可能である。つまり、記録部20とキャップ部60は装置本体12に対して着脱可能に構成される。
また、カセット15に収容された媒体Mは、ピックアップローラー22及び搬送ローラー対23,24によって、搬送経路Tに沿って搬送される。搬送経路Tには、外部装置から延びる搬送路T1と、装置本体12に設けられた給送トレイ16Tから延びる搬送路T2とが合流している。
また、搬送経路Tに沿う位置には、搬送ベルト25Bと、複数の搬送ローラー対26と、複数のフラップ27と、媒体MのX方向の幅を検出する媒体幅センサーSE4とが配置されている。搬送ベルト25Bは、一対のローラー25Aに巻き掛けられている。搬送ベルト25Bは、記録部20と対向する記録位置で媒体Mが支持する。フラップ27は、媒体Mが搬送される経路を切り替える機能を有する。
搬送経路Tは、媒体幅センサーSE4と対向する領域で湾曲部を形成し、この湾曲部より下流の領域ではA方向に延びている。搬送経路Tは、搬送ベルト25Bよりも下流の部分に、排出部19に向かう搬送路T3および搬送路T4と、媒体Mの表裏を反転させる反転路T5とを有する。なお、反転路T5は、両面記録時に、第1面の記録を終えた媒体Mを第2面が記録面となる向きに反転させる。なお、搬送ベルト25Bは、媒体Mを吸着するエアー吸着方式や静電吸着方式などを採用してもよい。
記録部20は、搬送ベルト25BとB方向に対向する位置に記録ヘッド20Hを有する。記録部20は、媒体Mの幅方向Xの全体に渡って液体を吐出可能である。すなわち、記録ヘッド20Hは、媒体Mの幅方向Xの全域をカバーする範囲で一斉に記録可能な複数のノズルを有するラインヘッドである。但し、記録部20は、キャリッジに搭載されて媒体Mの幅方向Xに移動しながらインクを吐出するシリアル記録方式でもよい。
記録装置11は、記録部20に対してメンテナンスを行うメンテナンス部の一例であるキャップ部60を備える。キャップ部60は、記録部20と搬送ベルト25Bとの間に対して第1移動方向Bと交差する第2移動方向Aに進退可能に設けられる。キャップ部60は、記録部20が記録位置PH4から-B方向に退避した退避位置に位置する場合に、記録ヘッド20Hを覆う。
キャップ部60は、記録ヘッド20Hに対してメンテナンスを行うキャップ位置PC2と、キャップ位置PC2から-A方向に退避した退避位置PC1とに移動可能である。装置本体12内に、退避位置PC1にあるキャップ部60を検知可能な第2センサーSE2を備えてもよい。第2センサーSE2がキャップ部60を検知したときのキャップ部60の位置をキャップ部60の移動経路上の原点としてもよい。記録部20は、記録位置PH4から-B方向へ所定距離だけ退避した被払拭位置(図示略)に移動可能である。キャップ部60は、被払拭位置から少し下降した被キャップ位置PH3(図7参照)にある記録ヘッド20Hを覆うキャッピングを行う。記録装置11が、記録動作中にあるとき、キャップ部60は、退避位置PC1で待機する。キャップ部60は、移動経路の一方の端部位置を交換位置PC3とする。
また、記録装置11は、所定方向に沿って移動して記録部20に対してメンテナンスを行うワイパー部70(図3を参照)を備える。ワイパー部70は、メンテナンス部の一例を構成する。
また、記録装置11は、記録装置11の制御を司る制御部100を備える。また、装置本体12内には、インク等の液体を収容する液体収容部101と、インク等の廃液を貯留する廃液貯留部102とが設けられる。液体収容部101は、不図示のチューブを介して記録ヘッド20Hへインク等の液体を供給する。記録ヘッド20Hは、液体収容部101から供給されたインク等の液体を吐出する。
図2に示す排出トレイ19Aは、装置本体12から取り外し可能に構成される。記録部20の交換は、排出トレイ19Aを取り外すと露出する交換作業口12Aを介して行われる。また、キャップ部60の交換も、同じ交換作業口12Aを介して行われる。制御部100は、記録部20の交換指示を受け付けると、記録部20を交換位置PH1に移動させる。また、制御部100は、キャップ部60の交換指示を受け付けると、キャップ部60を交換位置PC3(図9参照)に移動させる。
<モーションユニット30の構成>
次に、図3を参照してモーションユニット30の構成を説明する。
図3に示すように、記録装置11は、モーションユニット30を備える。モーションユニット30は、本体の骨格となる本体フレーム33を有する。本体フレーム33は、X方向に所定距離を隔てて対向する一対のサイドフレーム34,34と、一対のサイドフレーム34,34間を連結する複数の横フレーム35とを有する。
モーションユニット30は、記録部20と、キャップ部60と、ワイパー部70とを、それぞれ互いに交差する移動方向に沿って移動可能に保持する。モーションユニット30は、記録部20を移動方向の一例としての第1移動方向B(B方向)に移動させる第1移動機構31(図4、図7を参照)を備える。さらに、モーションユニット30は、キャップ部60を第2移動方向A(A方向)に移動させる第2移動機構65(図7参照)と、ワイパー部70を第3移動方向X(X方向)に移動させる第3移動機構(図示略)とを備える。このように、記録装置11は、記録部20を第1移動体20Mとして有し、キャップ部60を第2移動体60Mとして有し、さらにワイパー部70を第3移動体70Mとして有する。
一対のサイドフレーム34、34のそれぞれが対向する2つの内面には、記録部20を第1移動方向Bに移動可能に案内するガイド部材36が1つずつ組み付けられている。2つのガイド部材36は、本体フレーム33におけるX方向の中央に対してほぼ対称に配置されている。このため、-X方向側のガイド部材36について説明し、+X方向のガイド部材36の説明を省略する。
図3に示されるように、ガイド部材36は、第1移動方向Bに延びる第1案内部37と、第1案内部37の途中の部位から分岐してZ方向に延びる第2案内部38,39とを有する。各案内部37~39は、いずれも+X方向に開口する溝型レールである。記録部20のガイドローラー44(図4参照)が第1案内部37の溝内に挿入される。第1案内部37は、記録部20を第1移動方向Bに案内する。
<記録部20、キャップ部60およびワイパー部70の構成について>
次に、図3を参照して、記録部20の詳細な構成について説明する。
記録部20は、+B方向の下端部に記録ヘッド20Hを備える。記録部20は、幅方向Xの両側部に取着された複数のコロ等のガイドローラー44(図4参照)が、第1案内部37に案内されることで、第1移動方向Bに移動可能な状態で本体フレーム33に組み付けられている。一対のサイドフレーム34の内面には、一対の第1案内部37(図3では一方のみ図示)が第1移動方向Bに延びる状態で組み付けられている。
記録部20は、第1案内部37に案内されることで、記録位置PH4と交換位置PH1(いずれも図2参照)とを含む複数の停止位置に移動する。具体的には、記録部20は、第1案内部37に沿って移動することで、交換位置PH1、被払拭位置(図示略)、被キャップ位置PH3および記録位置PH4等の複数の停止位置に+B方向にこの順で停止可能である。
キャップ部60は、複数のキャップ61と、キャップ61を搭載するキャップキャリッジ62とを備える。キャップ部60は、図3に示される退避位置から記録ヘッド20Hと対向するキャップ位置まで+A方向に移動する。キャップ部60は、キャップ位置において、記録ヘッド20Hに対してキャッピング及びクリーニングを行う。キャップ部60は、記録ヘッド20Hを覆うキャッピングに用いられる複数のキャップ61を有する。
ワイパー部70は、図3に示される退避位置で待機し、退避位置から+X方向に移動することで、記録ヘッド20Hのノズルが開口するノズル面(いずれも図示略)を払拭する清掃を行う。図3において、一方のサイドフレーム34には、ワイパー部70が退避位置から清掃可能な清掃領域へ移動するときに挿通可能な貫通孔34Aが形成されている。なお、キャップ部60と干渉することなく清掃を行うことができる限りにおいて、第3移動方向はX方向以外の方向でもよい。また、ワイパー部70も交換位置で交換可能であってもよい。
<記録部20および第1移動機構31の詳細な構成>
図4に示されるように、記録部20が有する記録ヘッド20Hは、幅方向Xに延びている。記録ヘッド20Hの幅方向Xの両端部には、+A方向に向けて一対の板部20Aが突出している。記録部20は、記録ヘッド20Hと、記録ヘッド20Hの幅方向Xの両端部に取り付けられた一対の支持プレート20Sとを有する。なお、一対の支持プレート20Sは、図3に示すバー部材20Bにより連結されている。
図4に示されるように、支持プレート20Sは、A-B面に沿った側板として構成されており、記録部20に対して-B方向へ延びている。支持プレート20SのY方向の外側面におけるB方向両端部には、それぞれ+Y方向及び-Y方向へ延びる円柱状の軸44A設けられている。軸44Aには、被案内部の一例としてのガイドローラー44が回転可能に取着されている。ガイドローラー44は、例えば、円環状のコロよりなる。
第1移動機構31は、例えば、ラックピニオン機構31Aである。ラックピニオン機構31Aは、ラック28および駆動歯車43を含む。駆動歯車43は、ラックピニオン機構31Aの駆動源であるモーター41(図6参照)の動力で駆動される。ラックピニオン機構31Aは、ラック28が延びる第1移動方向Bに記録部20を移動させる。記録部20の記録ヘッド20Hは、複数の単位ヘッド20Uを有する。複数の単位ヘッド20Uは、幅方向Xに並んで配列されている。なお、記録動作が行われない待機時は、複数の単位ヘッド20Uのノズル面が、図3に示される複数のキャップ61により覆われる。
ラック28は、支持プレート20SのX方向の内面に設けられている。ラック28は、ピン28Pを有する。ピン28Pは、ラック28からX方向の外側に向かって突出している。ラック28は、X方向を厚さ方向とする板状の部材であり、B方向に延びている。ラック28の-A方向側の端部には、B方向に並ぶ複数の歯を有する歯部28Aが形成されている。
また、支持プレート20Sには、X方向に貫通し且つB方向に長い長孔20Cが形成されている。長孔20Cには、ピン28Pが挿通されている。これにより、ラック28は、支持プレート20Sに対してB方向に相対移動可能に構成される。記録ヘッド20Hは、支持プレート20Sに対して固定されている。そのため、記録部20は、ラック28に対してB方向に相対移動可能に構成される。
また、図4に示されるように、記録部20は、ラック28と記録部20との間に設けられ、ラック28と記録部20とを離間させる方向に付勢する付勢部29を備える。付勢部29は、例えば、圧縮ばねである。付勢部29は、ラック28と支持プレート20SとをB方向において離間させる向きに付勢している。このため、記録部20がその下降方向であるB方向への移動が規制された状態の下で、ラック28を+B方向へ移動させた場合、付勢部29の圧縮変形を伴ってラック28は記録部20に近づく方向に相対移動する。ピン28Pが長孔20C内を移動できる範囲内で付勢部29は弾性変形する。なお、付勢部29は、圧縮ばねに限らず、引張ばねまたはねじりコイルばねでもよい。
図6に示されるように、付勢部29は、ラック28から水平に延出する第1掛止部28Bと、支持プレート20Sの内面から水平に延出する第2掛止部22Aとに両端が掛止された状態で、B方向に弾性変形可能な状態で保持されている。第1移動機構31を構成する駆動歯車43は、駆動源であるモーター41の動力により回転する。
<調整ユニット46の構成>
次に、図5を参照して、調整ユニット46の構成について説明する。図5に示されるように、本体フレーム33には、調整ユニット46が設けられている。調整ユニット46は、記録ヘッド20Hのノズル面と、媒体Mを支持する搬送ベルト25Bの上面(支持面)との間のギャップを調整する機能を有する。調整ユニット46は、媒体Mの種類に応じてギャップを適切な値に調整する。
調整ユニット46は、カム部材の一例としての偏心カム48と、偏心カム48を回転させるためのカム軸47とを備える。詳しくは、調整ユニット46は、カム軸47、2つの偏心カム48の他、モーター49、調整ねじ57、被検知部材58および位置センサー59を有する。
カム軸47は、幅方向Xに長い部材であり、一方のサイドフレーム34から他方のサイドフレーム34まで延びている。2つの偏心カム48は、カム軸47に取り付けられている。また、2つの偏心カム48の外周面がカム面となっている。図5に示されるように、偏心カム48の外周面は、記録部20の板部20Aの+B方向の部分に接触している。これにより、カム軸47の回動に伴って2つの偏心カム48が回動することで、記録ヘッド20Hの位置がB方向に調整される。また、モーター49は、制御部100(図2参照)により駆動制御されることで、カム軸47を一方向又は逆方向に回動させる。
図5に示される偏心カム48は、その外周面をカム面とする。カム軸47の両端部は、サイドフレーム34に対してベアリング(図示略)を介して回転可能に支持されている。
図5に示されるように、調整ユニット46は、調整ねじ57を有する。調整ねじ57を回転操作することで、偏心カム48のB方向の位置調整が可能である。
カム軸47の端部に取り付けられた被検知部材58は、位置センサー59により検知される。位置センサー59は、例えば、光学式センサーである。位置センサー59は、被検知部材58の光の遮断の有無に基づいて、カム軸47の回動角度を検知する。制御部100は、位置センサー59が検知したカム軸47の回動角度に基づいてモーター49を駆動させることで、偏心カム48の回転角度を調整する。本実施形態では、記録ヘッド20Hの板部20Aが偏心カム48のカム面に接触した状態で、記録部20の下降を停止する。これにより、記録ヘッド20Hは、媒体Mの種類に応じた記録位置PH4に配置される。このように、記録装置11は、記録部20に当接することで、記録部20の位置を規定する偏心カム48を備える。このとき、記録部20は、付勢部29によって、偏心カム48に押し付けられる。付勢部29の圧縮変形によって、ラック28の停止位置の誤差が吸収される。
図6に示されるように、駆動ユニット40は、モーター41と、不図示のギア部と、回転軸42と、駆動歯車43とを含んで構成される。駆動ユニット40は、制御部100(図2参照)によって駆動制御される。モーター41の動力で回転する回転軸42は、Y方向に延びた状態で、その両端部が1組のサイドフレーム34に回転可能に支持されている。駆動歯車43は、回転軸42のY方向の両端部に取り付けられている。駆動歯車43の外周部には、ラック28の歯部28Aと噛み合う歯部43Aが形成されている。モーター41は、不図示のギア部を介して回転軸42および駆動歯車43を一方向又は逆方向に回転させる。このように、駆動ユニット40は、駆動歯車43を回転駆動することで、記録部20をB方向に往復移動させる。
<記録部20の交換について>
図7に示されるように、記録部20は、B方向における搬送ベルト25B(図1参照)から最も離れた交換位置PH1において、ラックピニオン機構31Aの噛み合いが離脱可能とされている。記録部20は、第1移動方向Bに沿って、媒体Mに記録を行う記録位置PH4(図2参照)と、着脱可能な交換位置PH1とに移動可能である。記録部20は、第1案内部37に沿って-B方向に移動された交換位置PH1で、第2案内部38,39に沿って+Z方向に引き上げられることで、ラックピニオン機構31Aの噛み合いが離脱されるようになっている。
図7に示されるように、記録部20が交換位置PH1にあるとき、複数のガイドローラー44は、B方向に延びる第1案内部37と、鉛直方向Zに延びる2つの第2案内部38,39との分岐点に位置する。記録部20は、交換位置PH1にあるとき、ガイドローラー44が2つの第2案内部38,39に沿って鉛直方向Zに移動可能となることで、装置本体12に対して着脱可能になっている。本実施形態では、着脱方向は、鉛直方向Zと等しいため、着脱方向Zともいう。
記録部20は、第1案内部37及び第2案内部38,39によって案内される被案内部の一例としてのガイドローラー44を有する。記録部20が交換位置PH1に位置する場合に、ガイドローラー44は、第1案内部37及び第2案内部38,39のそれぞれの分岐点に位置する。この状態において、ガイドローラー44は、着脱方向Zの移動が可能である。ガイドローラー44が分岐点以外の位置にあるとき、つまり記録部20が交換位置PH1以外の位置にあるときは、ガイドローラー44は第1案内部37の案内面によって第1移動方向B以外の方向(着脱方向Zを含む)への移動が規制されている。
記録部20が図7に示される交換位置PH1にあるとき、その上方に配置された排出トレイ19Aを取り外すと露出する交換作業口12Aを介して作業者は記録部20を着脱可能である。作業者は、記録部20を、第2案内部38,39にガイドローラー44をガイドさせつつ着脱方向Zに移動させることで、記録部20の着脱が可能である。作業者は交換位置PH1にある記録部20のガイドローラー44を2つの第2案内部38,39に案内させながら、記録部20を着脱方向Zに引き上げることで、交換作業口12Aから図8の実線で示すように記録部20を取り出すことが可能である。
<記録部20の案内構成>
図9に示されるように、記録装置11は、媒体Mに記録を行う記録部20を含む移動体20Mを備える。記録装置11では、移動体20Mが移動可能及び着脱可能に構成される。記録装置11は、移動体20Mを、第1移動方向Bに沿って案内する第1案内部37と、第1案内部37から分岐し、移動体20Mを、第1移動方向Bと交差する着脱方向Zに沿って案内する第2案内部38,39とを備える。第1案内部37と第2案内部38,39は、直交していない。なお、第1案内部37は、キャップ部60の移動経路を確保するために途中で分断され、搬送ベルト25B側の位置に配置される第1案内部37Aを含む。
記録装置11は、第1移動機構31として、ラックピニオン機構31Aを備える。ラックピニオン機構31Aは、ラック28及び駆動歯車43を含み、記録部20を第1移動方向Bに移動させる。ラック28は、記録部20に取付けられている。ラック28と噛み合い状態にある駆動歯車43は、モーター41の動力で回転する。モーター41が正転駆動されると、駆動歯車43が図9における時計回り方向に回転し、記録部20が+B方向に下降する。一方、モーター41が逆転駆動されると、駆動歯車43が図9における反時計回り方向に回転し、記録部20が-B方向に上昇する。
図9に示されるように、記録部20が交換位置PH1にあるとき、ラック28は、その長手方向における+B方向側の端部で駆動歯車43との噛み合いが外れる位置にある。ラック28と駆動歯車43との噛み合いが外れることで、駆動歯車43が逆転し続けても、記録部20は交換位置PH1に位置決めされる。但し、駆動歯車43が逆転を継続している間、ラック28は駆動歯車43からの力を受け続ける。
記録部20が第1案内部37に案内されて移動する第1移動方向Bは、鉛直方向Zと交差する方向である。つまり、第1移動方向Bは、着脱方向Zと交差する。また、ラック28は、駆動歯車43よりも上方に位置する。つまり、ラック28は、駆動歯車43に対して、駆動歯車43から受ける力のうち着脱方向Zの成分の力により持ち上がる方向の力を受けた場合に、歯飛びにより振動する位置関係にある。ガイドローラー44が分岐点に位置する場合に、ラック28が持ち上がる方向の力を受けると、ラック28が着脱方向Zへの移動が容易なため、歯飛びにより記録部20の振動を誘発する可能性がある。
<キャップ部60の案内構成>
また、図9に示されるように、記録装置11は、記録部20のメンテナンスを行うメンテナンス部の1つであるキャップ部60を含む移動体60Mを備える。記録装置11では、移動体60Mが移動可能及び着脱可能に構成される。記録装置11は、移動体60Mを、第2移動方向Aに沿って案内する第1案内部64と、第1案内部64から分岐し、移動体60Mを、第2移動方向Aと交差する着脱方向に沿って案内する第2案内部64Aとを備える。第2案内部64Aは、第1案内部64に形成された開口部である。なお、第2案内部64Aは開口部ではあるが、開口部の内壁面の向く方向が第2案内部64Aの着脱方向であるとみなすことができる。この点において、第1案内部64と第2案内部64Aは、直交していない。
キャップ部60は、被案内部の一例としての複数のガイドローラー63を備える。複数のガイドローラー63が第1案内部64に案内されることで、キャップ部60は第1案内部64に沿って第2移動方向Aに移動する。
記録装置11は、第2移動機構65として、ラックピニオン機構65Aを備える。ラックピニオン機構65Aは、ラック66及び駆動歯車68(ピニオン)を含み、キャップ部60を第2移動方向Aに移動させる。ラック66は、キャップ部60に取付けられている。
ラック66と噛み合い状態にある駆動歯車68は、モーター67の動力で回転する。モーター67が正転駆動されると、駆動歯車68が図9における時計回り方向に回転し、キャップ部60が+A方向に上昇する。一方、モーター67が逆転駆動されると、駆動歯車68が図3における反時計回り方向に回転し、キャップ部60が-A方向に下降する。なお、キャップ部60は、記録部20と同様の付勢部29を有してもよい。
キャップ部60が交換位置PC3に位置する場合に、ガイドローラー63は、第1案内部64及び第2案内部64Aの分岐点に位置する。この状態において、ガイドローラー63は、着脱方向の移動が可能である。ガイドローラー63が分岐点以外の位置にあるとき、つまりキャップ部60が交換位置PC3以外の位置にあるときは、ガイドローラー63は第1案内部64の案内面によって第2移動方向A以外の方向(着脱方向を含む)への移動が規制されている。
キャップ部60が第1案内部64に案内されて移動する第2移動方向Aは、鉛直方向Zと交差する方向である。ラック66は、駆動歯車68よりも上方に位置する。つまり、ラック66は、駆動歯車68に対して、駆動歯車68から受ける力のうち着脱方向の成分の力により持ち上がる方向の力を受けた場合に、歯飛びにより振動する位置関係にある。ガイドローラー63が分岐点に位置する場合に、ラック66が持ち上がる方向の力を受けると、ラック66が着脱方向への移動が可能なため、歯飛びによりキャップ部60の振動を誘発する可能性がある。
作業者が、キャップ部60を交換するときは、操作部14を用いて交換を指定する操作を行う。制御部100は、操作部14から操作信号を受け付けると、モーター67を正転駆動させてキャップ部60を交換位置PC3まで移動させる。なお、キャップ部60全体の交換が可能な交換位置の他に、キャップ61のみ交換可能な位置が別途設定されてもよい。
図9に示すように、キャップ部60を交換するときは、キャップ部60は、その移動経路において退避位置PC1とは反対側の端部に設定された交換位置PC3まで移動する。キャップ部60は、交換位置PC3にあるとき、装置本体12に対する着脱が可能である。つまり、キャップ部60は、交換位置PC3において、ラックピニオン機構65Aの噛み合いが離脱可能とされている。具体的には、図9に示される交換位置PC3に配置されるキャップ部60を同図における反時計方向に回動させながら-B方向に引き抜くことで、ラックピニオン機構65Aの噛み合いの離脱および第1案内部64からの離脱が可能になっている。
3種類の移動体20M,60M,70Mを交換位置PH1,PC3に移動させたときにラックピニオン機構31A,65Aにおける歯飛びに起因する移動体20M,60M,70Mの着脱方向への移動(変位)の抑制と、移動体20M,60M,70Mの交換容易性とを両立する。3種類の移動体20M,60M,70Mにおいて、交換位置PH1,PC3で歯飛びを抑制する規制機構50の構成は、基本的に同じである。そのため、以下では、記録部20を移動体の例とし、記録部20を交換位置PH1に移動させるときにラックピニオン機構31Aにおける歯飛びに起因する記録部20の着脱方向Zへの移動の抑制と、記録部20の交換容易性とを両立可能な構成について説明する。
モーター41がマージンを加えた駆動量で駆動されるとき、第1移動体20Mが交換位置PH1に達した後、モーター41がしばらく回転し続ける期間がある。また、第1センサーSE1が、交換位置PH1に達した記録部20を検知すると、モーター41の駆動が停止される構成であっても、記録部20が交換位置PH1にある状態でモーター41が回転する期間が生じる場合がある。
これらの期間で、ラック28は駆動歯車43からの力を受け続ける。この力の着脱方向Zの成分は、+Z方向の力であるので、ラック28の+Z方向の移動を誘発する。そこで、本実施形態では、移動体20Mが交換位置PH1に移動したとき、ラック28が駆動歯車43から受ける力のうち着脱方向Zの成分の力を小さく抑制するために規制機構50を設けている。規制機構50は、ラック28又は記録部20の移動を規制することで、ラック28又は記録部20に対して着脱方向Zと反対側の方向である-Z方向の成分をもつ反力を与える。これにより、ラック28及び記録部20が着脱方向Zの+Z方向(取外し方向)に移動することを抑制する。
<規制機構50の構成>
次に、図10~図16を参照して規制機構50の詳細な構成について説明する。
図10は、規制機構50を備えたモーションユニット30を示す。規制機構50の基本的な構成および原理は、移動体20M,60M,70Mごとに設けられる規制機構50において共通である。そのため、以下では、第1移動体20Mである記録部20に適用される規制機構50の構成を説明する。
図10に示すように、モーションユニット30は、記録部20が交換位置PH1に達した際に記録部20の着脱方向Zの移動を規制する規制機構50を備える。規制機構50は、幅方向Xに一対設けられている。つまり、規制機構50は、移動機構31ごとに1つずつ設けられている。
規制機構50は、本体フレーム33に固定された規制部51と、記録部20側に設けられた被規制部55とを備える。規制部51は、詳しくは、上側の支持フレーム35Uに固定されている。図10では、規制部51と被規制部55とが当接する状態にある。被規制部55が規制部51に当接することで、記録部20は、-B方向へのそれ以上の移動が規制される。
図11は、記録部20が交換位置PH1にある状態を示す。記録部20が交換位置PH1にある状態では、記録部20が有する複数のガイドローラー44は、第1案内部37と第2案内部38,39とが交差する分岐点に位置する。交換位置PH1は、移動体20Mが第2案内部38,39に案内されることが可能な位置であって且つ移動体20Mを着脱可能な位置である。このため、移動体20Mは、着脱方向Zの上向きの力を受けると、着脱方向Zに移動可能である。例えば、移動体20Mが交換位置PH1にある状態で、駆動歯車43が回転していると、ラック28は駆動歯車43から受ける力のうち着脱方向Zの成分の力として+Z方向(上方向)の力を受ける。
図11に示されるように、規制部51は、移動体20M(記録部20)が、第1案内部37から第2案内部38,39が分岐する位置であって着脱可能な交換位置PH1にある場合に、移動体20Mの駆動力による移動体20Mの着脱方向Zへの移動を規制する。
記録部20は、規制部51に当接可能な被規制部55を有する。被規制部55は、ラック28に固定されている。被規制部55は、例えば、円柱状のピンである。記録部20が交換位置PH1に達したときに、記録部20側の被規制部55が当接可能な位置に規制部51は配置されている。そのため、規制部51と被規制部55は、幅方向Xに同じ位置に配置されている。
図12に示されるように、規制部51は、記録部20の被規制部55と当接可能な規制面52を有する。また、規制部51は、記録部20を装着する際に、被規制部55と当接することで被規制部55を案内する案内面53を有する。
規制面52は、着脱方向Zと交差している。規制面52が、着脱方向Zと平行であれば、記録部20の着脱方向Zの移動を規制できないが、着脱方向Zと交差しているので、記録部20の着脱方向Zの移動を規制できる。記録部20の着脱方向Zの移動を規制する力は、規制面52が着脱方向Zと交差している鋭角な角度が直角に近いほど大きい。換言すると、記録部20の着脱方向Zの移動を規制する力は、規制面52の法線方向と着脱方向Zとなす鋭角な角度が小さいほど大きい。記録部20の着脱方向Zの移動を規制する力は、規制面52の法線方向と着脱方向Zとなす角度が直角のときに零になる。
規制面52は、+Z方向に進むほど-Y方向に変位する向きで水平面に対して斜めに傾斜している。規制面52が着脱方向Zと交差していれば、被規制部55が規制面52に当接した際に、記録部20は着脱方向Zの移動を規制する力を成分にもつ反力を受ける。なお、ラック28が駆動歯車43から受ける力及び反力等については後述する。
図12には、記録部20が交換位置PH1で停止した状態を示す。この停止状態では、被規制部55と規制面52とは若干離間している。この状態から記録部20を+Z方向に移動させることで記録部20を取り外す。図12に示される正面視において、規制面52は、着脱方向Zと交差している。このため、規制面52と被規制部55は、着脱方向Zにおいて干渉量d1(オーバーラップ量)だけオーバーラップしている。つまり、記録部20を+Z方向に移動させる際に、被規制部55が規制部51の角部54と干渉する位置関係にある。規制面52を、その法線方向を着脱方向Zに近づける角度にするほど、干渉量d1は大きくなる傾向にある。
図13は、被規制部55が規制面52に当接した状態を示す。記録部20が交換位置PH1に位置する場合に、付勢部29によって、被規制部55が、規制面52に押し付けられる。被規制部55が、規制面52に押し付けられた状態では、付勢部29が弾性変形する。そのため、記録部20を+Z方向に取り外す過程で、付勢部29が圧縮変形することで、被規制部55は規制面52に案内されて-Y方向に変位する。この結果、図14~図16の状態を順次辿ることで、被規制部55が規制部51の角部54を乗り越えることで、記録部20は交換位置PH1から+Z方向に取り外しされる。
このように、記録部20を第2案内部38,39に沿って+Z方向に移動させる過程で、被規制部55は、誘い面として機能する規制面52に沿って-Y方向に誘導される。この誘導によって、付勢部29の圧縮変形を伴ってラック28が支持プレート20Sに対して+B方向に相対移動する。このため、被規制部55が規制部51に邪魔されることなく、記録部20を+Z方向(取外し方向)に取り外すことが可能となっている。
次に、図13を参照して、交換位置PH1に移動する際に記録部20が受ける力及び規制面52から受ける反力等について説明する。
図13に示されるように、駆動歯車43と噛合するラック28は、その歯部28Aが延在する方向である駆動方向Fdに対して所定角度(例えば、20°)をなす圧力角方向Fpの力を駆動歯車43から受ける。つまり、ラック28は、駆動歯車43から圧力角方向Fpの力f0を受けることで、駆動方向Fdに移動する。
圧力角方向Fpの力f0は、駆動方向Fdの力f1と、着脱方向Zの力f2との2つの成分の力に分けられる。力f1は、ラック28を駆動方向Fdに移動させる力である。力f2は、ラック28を着脱方向Z(特に取外し方向+Z)に移動させようとする力である。つまり、力f2は、記録部20が交換位置PH1に達してガイドローラー44が第1案内部37の分岐点に位置する際の記録部20の着脱方向Zへの移動を誘発する。この着脱方向Zの力f2は、記録部20の着脱方向Zの変位によってラック28と駆動歯車43との間で歯飛びを発生させる原因となる。そして、記録部20が交換位置PH1にある状態で、歯飛びが繰り返し発生することで、記録部20は振動する。
ラック28は、駆動歯車43から圧力角方向Fpの力f0を受ける。この力f0の駆動方向Fdの成分が力f1である。力f1は、ラック28の歯部28Aが延在する方向の力である。また、この力f0の着脱方向Zの成分が、力f2である。規制部51は、この力f2を抑制することで、記録部20の着脱方向Zの移動を規制する。
図13に示されるように、被規制部55が規制面52に当接すると、被規制部55は、規制面52から反力f3を受ける。
規制面52は、ラック28が駆動歯車43から受ける力の方向である圧力角方向Fpに対して直交する。このため、ラック28が規制面52から受ける反力f3は、圧力角方向Fpと反対の向きで力f0とほぼ同じ大きさの力である。この反力f3の着脱方向Zの成分の力f4は、力f2と反対の向きで且つ力f2とほぼ同じ大きさである。よって、-Z方向の力f4により+Z方向の力f2が打ち消される。なお、反力f3の駆動方向Fdの成分である力f5によって、力f1は打ち消される。
また、規制面52は、駆動歯車43からラック28に加わる力f0の方向と交差している。特に、本実施形態では、規制面52は、駆動歯車43からラック28に加わる力f0の方向と直交している。また、規制面52は、ラック28の延在方向であるB方向と交差している。本実施形態では、規制面52は、記録部20を装着した状態でのラック28の延在方向であるB方向と鋭角な角度で交差している。
(実施形態の作用)
次に、記録装置11の作用について説明する。ここでは、移動体の1つである記録部20を交換する場合について説明する。
装置本体12の排出トレイ19Aを取り外すことで、装置本体12の開口よりなる交換作業口12Aが露出する。記録部20の交換時は、モーター41の駆動により駆動歯車43が回転し、駆動歯車43と噛み合うラック28が-B方向に移動することで、ラック28が固定された記録部20が交換位置PH1(図2、図7)まで移動する。作業者は交換位置PH1にある記録部20を、2つの第2案内部38,39に沿って鉛直方向Zに引き上げることで、交換作業口12Aから図8の実線で示すように取り出す。
ここで、記録部20が交換位置PH1に達する過程では、制御部100は、駆動源であるモーター41を所定量回転させることで、記録部20を交換位置PH1まで移動させる。このときのモーター41の駆動量は、記録部20が交換位置PH1に確実に到達しうる回転量に設定されるので、記録部20が交換位置PH1に達してからもしばらくは駆動歯車43の回転が継続する。
記録部20が交換位置PH1に達すると、被規制部55が、規制部51の規制面52に当たる。規制面52は、圧力角方向Fpと直交する面であるので、圧力角方向Fpの力f0は、その力f0の方向に対してほぼ直交する規制面52に垂直に受け止められる。ここで、圧力角方向Fpの力f0は、駆動方向Fdの力f1と、着脱方向Zの力f2との2つの力の成分を含む。圧力角方向Fpの力f0が受け止められることで、ラック28は規制面52から圧力角方向の力f0と反対の向きの反力f3を受ける。この反力f3によって、圧力角方向Fpの力f0が打ち消される。つまり、ラック28をZ方向に押し上げようとする力f2が打ち消される。よって、規制機構50によって、ラック28は着脱可能な着脱方向Zへの変位が規制される。この結果、記録部20が交換位置PH1に達したときに、ラック28が駆動歯車43に対して歯飛びを伴ってZ方向に振動する現象を回避できる。
次に、作業者は、交換位置PH1にある記録部20を、複数のガイドローラー44を第2案内部38,39に案内させながら着脱方向Zに抜き取る。図14に示されるように、この記録部20の抜取り過程において、被規制部55は、付勢部29の圧縮変形を伴いつつ規制部51に対して規制面52に沿って+B方向に相対変位する。そして、図15に示されるように、被規制部55は、規制部51の角部54を乗り越えることで、規制部51から外れる。
その後、作業者は、交換すべき新しい記録部20またはメンテナンス作業を終えた記録部20を第2案内部38,39に沿って投下することで、第1案内部37に装着する。ガイドローラー44が第2案内部38,39に沿って自重で分岐点まで移動することで、記録部20は着脱方向Zに移動して第1案内部37に案内されうる位置に装着される。
この記録部20の装着時には、図16に示されるように、被規制部55は、規制部51の案内面53に当接し、その後、規制部51に対して案内面53に沿って+B方向に相対移動する。この結果、記録部20は、被規制部55が規制部51と干渉することなく規制部51を避ける経路をとりながら交換位置PH1に装着される。
記録部20の装着後、作業者が交換終了の旨の操作を操作部14を用いて行うと、この操作信号を入力した制御部100は、モーター41を駆動させることで記録部20を被キャップ位置PH3まで移動させる。この結果、記録部20の記録ヘッド20Hは、キャップ位置PC2に待機するキャップ部60のキャップ61によってキャッピングされる。
次に、キャップ部60を交換する場合について説明する。
装置本体12の排出トレイ19Aを取り外すことで、装置本体12の開口よりなる交換作業口12Aが露出する。キャップ部60の交換時は、モーター67の駆動により駆動歯車68が回転し、駆動歯車68と噛み合うラック66が+A方向に移動することで、ラック66と固定されたキャップ部60が交換位置PC3まで移動する。第1案内部64の+A方向の末端にある挿入口からガイドローラー63を取り外すことで、キャップ部60を装置本体12から取り外す。
ここで、キャップ部60が交換位置PC3に達する過程では、制御部100は、駆動源であるモーター67を所定量回転させることで、キャップ部60を交換位置PC3まで移動させる。このときのモーター67の駆動量は、キャップ部60が交換位置PC3に確実に到達しうる回転量に設定されるので、キャップ部60が交換位置PC3に達してからもしばらくは駆動歯車68の回転が継続する。
キャップ部60が交換位置PC3に達すると、被規制部55が、規制部51の規制面52に当たる。規制面52は、圧力角方向Fpと直交する面であるので、圧力角方向Fpの力は、その力の方向に対してほぼ直交する規制面52に垂直に受け止められる。ここで、圧力角方向Fpの力は、駆動方向Fdの力と、着脱方向Bの力との2つの力の成分を含む。圧力角方向Fpの力が受け止められることで、ラック66は、規制面52から反対方向の力を反力として受ける。この反力によって、圧力角方向Fpの力が打ち消される。つまり、ラック66をB方向に押し上げようとする力の成分が打ち消される。よって、規制機構50によって、ラック66は着脱可能な着脱方向Bへの変位が規制される。この結果、キャップ部60が交換位置PC3に達したときに、ラック66が駆動歯車68に対して歯飛びを伴ってB方向に振動する現象を抑制することができる。
その後、作業者は、交換すべき新しいキャップ部60またはメンテナンス作業を終えたキャップ部60を第2案内部64Aを介して第1案内部64に装着する。ガイドローラー63が第2案内部64Aに沿って自重で分岐点の位置まで移動することで、キャップ部60は着脱方向Bに移動して第1案内部64に案内されうる位置に装着される。装着後、作業者が交換終了の旨の操作を操作部14を用いて行うと、この操作信号を入力した制御部100は、モーター67を駆動させることでキャップ部60を退避位置PC1まで移動させる。
よって、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)記録装置11は、記録部20を含む移動体20M又はメンテナンス部の一例である移動体60M,70Mが、移動可能及び着脱可能に構成される。記録装置11は、例えば移動体20M、第1案内部37、第2案内部38,39及び規制部51を備える。第1案内部37は、移動体20Mを移動方向Bに沿って案内する。第2案内部38,39は、第1案内部37から分岐し、移動体20Mを移動方向Bと交差する着脱方向Zに沿って案内する。規制部51は、移動体20Mが、第1案内部37から第2案内部38,39が分岐する位置であって着脱可能な交換位置PH1にある場合に、移動体20Mの駆動力f0に基づく移動体20Mの着脱方向Zへの移動を規制する。
移動体60M,70Mが交換位置PH1,PC3にある場合に、意図せず、第1案内部37,64の延在方向である第1方向(例えば、第1移動方向B又は第2移動方向A)と交差する第2方向(例えば着脱方向Z,B)に移動すると、種々の問題が誘発される。例えば、ラック28,66と駆動歯車43,68(ピニオン)との歯飛びが発生したり、歯飛びに起因する異音や騒音が発生したり、ラック28,66と駆動歯車43,68との噛合が外れたりするなど種々の問題が誘発される。そのため、移動体60M,70Mが意図せず第2方向に移動することを回避したいという要望がある。
この構成によれば、移動体20Mが交換位置PH1にあるとき、移動体20Mの駆動力f0に基づく着脱方向Zへの移動が規制されるので、移動体20Mの意図しない着脱方向Zの移動を抑制できる。例えば、移動体20Mの意図しない着脱方向Zへの移動に起因する振動や騒音の発生、あるいは移動機構31の動力伝達異常(歯飛びや噛合の外れ等)などの不都合を抑制できる。なお、移動体20Mは、交換可能な交換位置PH1まで移動可能であるため、交換位置PH1まで移動可能な構成を有しない記録装置に比べ、移動体20Mの着脱が容易となる。
(2)移動体20Mは、媒体Mに記録を行う記録部20である。記録部20は、移動方向Bに沿って、媒体Mに記録を行う記録位置PH4と、着脱可能な交換位置PH1と、に移動可能である。この構成によれば、記録部20が交換位置PH1にあるときに、記録部20の振動を抑制することができる。特に、記録部20がラインヘッドの場合には、重量があるため、振動などの影響も大きくなるが、効果的に抑制できる。
(3)規制部51は、記録部20の被規制部55と当接可能な規制面52を有する。規制面52は、着脱方向Zに交差する。この構成によれば、規制面52が、記録部20に設けた被規制部55と当接することで、記録部20の着脱方向Zに沿った移動を規制することができる。
(4)ラック28及び駆動歯車43を含み、記録部20を移動方向Bに移動させるラックピニオン機構31Aを更に備える。ラック28は、記録部20に取付けられ、規制部51に当接可能な被規制部55を有する。規制部51は、被規制部55に当接可能な規制面52を有する。この構成によれば、規制面52が、記録部20に設けられたラック28の被規制部55と当接することで、記録部20の移動を規制することができる。
(5)規制面52は、駆動歯車43からラック28に加わる力の方向と交差する。この構成によれば、駆動歯車43からラック28に加わる力の方向と交差する規制面52で規制することで、ラック28が駆動歯車43によって押し上げられる動きを直接規制できるため、より効果的に記録部20の移動を規制できる。
(6)第1案内部37と第2案内部38,39は、直交しない。規制面52は、ラック28の延在方向と交差する。この構成によれば、駆動歯車43からラック28に加わる力の方向と交差する規制面52で規制する場合と比較して、規制面52と被規制部55との干渉量が小さくなるため、記録部20の着脱が容易になる。
(7)規制部51は、記録部20を装着する際に、被規制部55と当接することで被規制部55を案内する案内面53を有する。この構成によれば、記録部20を装着する際に被規制部55と規制部51との干渉を避けつつ記録部20を交換位置PH1に装着できる。
(8)ラック28と記録部20との間に設けられ、ラック28と記録部20とを離間させる方向に付勢する付勢部29を備える。記録部20が交換位置PH1に位置する場合に、付勢部29によって、被規制部55が、規制面52に押し付けられる。この構成によれば、付勢部29の付勢力に抗してラック28と記録部20を近づけることで、被規制部55を規制面52から離間させ、規制を解除することができる。したがって、記録部20の着脱の際に、規制部51を着脱する必要がなく、交換が容易になる。
(9)記録部20に当接することで、記録部20の位置を規定するカム部材の一例である偏心カム48を更に備える。記録部20は、付勢部29によって、偏心カム48に押し付けられる。この構成によれば、付勢部29によって記録部20を偏心カム48に押し当てることで、記録部20の位置精度を向上させることができる。また、付勢部29を共有することで、コスト抑制、装置の小型化などの効果が得られる。
(10)移動方向Bは、鉛直方向Zと交差する方向である。ラック28は、駆動歯車43よりも上方に位置する。この構成によれば、ラック28が駆動歯車43よりも上方に位置する構成では、駆動歯車43の回転と自重によってラック28と記録部20が上下動する。したがって、意図せず記録部20が移動した場合に、振動や騒音などの課題が発生しやすい。
(11)記録部20は第1案内部37及び第2案内部38,39によって案内される被案内部の一例であるガイドローラー44を有する。記録部20が交換位置PH1に位置する場合に、ガイドローラー44は、第1案内部37及び第2案内部38,39の分岐点に位置する。この構成によれば、記録部20に被案内部を設けることで、ラック28などに設ける構成に比べ、より適切に記録部20を案内することができる。例えば、誤差やガタが乗りにくい。
(12)記録部20は、媒体Mの幅方向Xの全体に渡って液体を吐出可能である。この構成によれば、記録部20は、媒体Mの幅方向Xの全体に渡って液体を吐出可能な、例えば、ラインヘッドである、ラインヘッドは、シリアルヘッドに比べて重いため、意図しない記録部20の移動が悪影響を及ぼしやすいが、意図しない移動を抑制することができる。
(13)移動方向Bは、鉛直方向Z及び水平方向Yと交差する方向である。この構成によれば、斜めに移動することで、装置の水平方向Yの小型化が可能になる。鉛直下方に記録部20の位置を規定する場合は、自重によってカムに押し付けられるが、移動方向Bが斜めである場合は、自重によって押し付ける効果が弱まるため、付勢部29で押し付けることが効果的である。
(14)移動体60Mとしてのキャップ部60に規制機構を適用した場合、記録部20における上記(1)~(13)の効果をキャップ部60においても同様に得ることができる。すなわち、上記(1)~(13)において、記録部20をキャップ部60に、第1案内部37を第1案内部64に、第2案内部38,39を第2案内部64Aに、ラック28をラック66に、駆動歯車43を駆動歯車68に、ガイドローラー44をガイドローラー63に置き換える。これにより、第2移動体60Mとしてのキャップ部60についても、上記(1)~(13)の効果が同様に得られる。移動体70Mとしてのワイパー部70に適用した場合も、同様である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、ラックのそれ以上の移動を規制する規制部の規制面は、圧力角方向Fpに直交する面であったが、第2実施形態の規制面82は、駆動方向Fdに直交する面にしている。
記録装置11は、第1実施形態の規制機構50とは異なる規制機構80を備える。図17に示されるように、規制機構80は、規制部81と、被規制部85とを備える。被規制部85は、ラック28の先端に設けられる。規制部81は、ラック28の先端に形成された被規制部85と当接可能な規制面82を有する。
本実施形態の規制面82は、ラック28の駆動方向Fdと直交する。このため、ラック28の被規制部85が規制面82に当接したときに規制面82から反力f6を受ける。よって、駆動力f0の着脱方向Zの成分である力f2が、反力f6の着脱方向Zの成分である力f7によって一部打ち消される。この場合、駆動力f0の鉛直方向Zの上側の成分の力が少し残ることになるが、ラック28を含む記録部20の自重による-Z方向の力の方が大きいので、記録部20には取り外し方向+Z方向の力が作用しない。このように、本実施形態では、力f7と記録部20の自重の和が、力f2よりも大きくなるように設定されている。
図18に示される正面視において、規制面82に沿う方向は、着脱方向Zと交差している。このため、規制面82と被規制部85は、鉛直方向Zにおいて干渉量d2だけオーバーラップしている。
また、規制面52は、駆動歯車43からラック28に加わる力f0の方向と交差している。本実施形態では、規制面52は、駆動歯車43からラック28に加わる力f0の方向と鋭角な角度で交差している。また、規制面52は、ラック28の延在方向であるB方向と交差している。特に、本実施形態では、規制面52は、ラック28の延在方向であるB方向と直交している。このため、干渉量d2は、前記第1実施形態における干渉量d1よりも小さく抑えられやすい。
次に、図17~図20を参照して、記録装置11の作用について説明する。
記録部20の交換時に、例えば、被キャップ位置PH3から移動を開始した記録部20が交換位置PH1に達すると、ラック28の先端の被規制部85が、規制部81の規制面82に当接する。規制面82は、駆動方向Fdと直交する面であるので、圧力角方向Fpの駆動力f0のうち、駆動方向Fdの成分である力f1を、垂直に受け止められる。このため、ラック28は、規制面82から、力f1と反対の向きで且つ力f1とほぼ同じ大きさの反力f6を受ける。反力f6の着脱方向Zの成分である力f7は、前記第1実施形態における力f4よりも小さい。このため、前記第1実施形態のときよりも効果は少し小さいものの、力f7と記録部20の自重とによって、記録部20の着脱方向Zへの移動を規制できる。この結果、記録部20が交換位置PH1に達したときに、ラック28が駆動歯車43に対して歯飛びを伴ってZ方向に振動する現象が抑制される。よって、歯飛びに起因する異音や騒音の発生を回避できる。
次に、作業者は、交換位置PH1にある記録部20を、複数のガイドローラー44を第2案内部38,39に案内させながら着脱方向Zに抜き取る。図19に示されるように、この記録部20の抜取り過程において、被規制部55は、付勢部29の圧縮変形を伴いつつ規制部51に対して規制面82に沿って+B方向に相対変位する。そして、図20に示されるように、被規制部85は、規制部81の角部84を乗り越えることで、規制部81から外れる。
その後、作業者は、交換すべき新しい記録部20またはメンテナンス作業を終えた記録部20を第2案内部38,39に沿って投下することで、記録部20を第1案内部37に装着する。ガイドローラー44が第2案内部38,39に沿って自重で分岐点まで移動することで、記録部20は着脱方向Zに移動して第1案内部37に案内されうる交換位置PH1に装着される。
この記録部20の装着時には、被規制部85は、規制部81の案内面83に当接し、その後、規制部81に対して案内面53に沿って+B方向に相対移動する。この結果、記録部20は、被規制部85が規制部81と干渉することなく規制部81の角部84を避ける経路をとりながら交換位置PH1に装着される。
記録部20の装着後、作業者が交換終了の旨の操作を操作部14を用いて行うと、この操作信号を入力した制御部100は、モーター41を駆動させることで記録部20を被キャップ位置PH3まで移動させる。この結果、記録部20の記録ヘッド20Hは、キャップ位置PC2に待機するキャップ部60のキャップ61によってキャッピングされる。
以上、詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(15)被規制部55は、ラック28の先端に設けられる。この構成によれば、先端に被規制部55を設けることで、規制面52と被規制部55との干渉量d2がより小さくなるため、記録部20の着脱が容易になる。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
・実施形態では、規制部の誘い面を平坦面とし、被規制部の外周面を曲面としたが、逆でもよい。すなわち、規制面の誘い面を曲面とし、被規制面の外周面を平坦面としてもよい。この場合、被規制部を第1実施形態のような丸棒(円柱状)に替え、角柱状(三角柱状や四角柱状)としてもよい。
・移動体に駆動歯車、装置本体側にラックを設けてもよい。例えば、記録ヘッド20Hに駆動歯車、装置本体12側にラックを設けてもよい。また、例えば、キャップ部60に駆動歯車、装置本体12側にラックを設けてもよい。
・移動体1つ当たりのラックピニオン機構の数は、一対(2つ)に限らず、1つ又は3つ以上の複数でもよい。
・移動体を移動させる移動機構31,65は、ラックピニオン機構に限定されず、これ以外の他の公知の移動機構でもよい。例えば、ベルト式移動機構や、リニアガイド機構、シリンダー駆動機構などであってもよい。
・被規制部55はラックに設けることに限定されない。例えば、ラックピニオン機構で移動させる構成において、記録ヘッド20H又は支持プレート20Sに被規制部55を設けてもよい。
・第1移動体20Mと第2移動体60Mのうち一方のみに規制機構50を採用してもよい。例えば、第1移動体20Mのみに規制機構を適用したり、第2移動体60Mのみに規制機構を適用したりしてもよい。さらに、ワイパー部70のみに規制機構50を適用してもよい。このように必要に応じて規制機構を採用する移動体を適宜選択してもよい。
・記録装置11における複数の移動体に対して、第1実施形態の規制機構50と、第2実施形態の規制機構80とを適用してもよい。
・ワイパー部70に規制機構50,80を採用してもよい。この場合、キャップ部60とワイパー部70との両方に規制機構50を適用してもよいし、ワイパー部70のみに規制機構50を適用してもよい。
・前記各実施形態では、ラックは駆動歯車(ピニオン)の上側(重力方向-Zの反対側)に配置されたが、ラックが駆動歯車の下側に配置されてもよい。この構成においても、移動体が交換位置にある場合に、移動体の駆動力f0に基づく移動体の着脱方向の移動を抑制できる。この場合、ラックと駆動歯車とを、磁石と強磁性体との組み合わせとし、交換位置において、移動体が磁力により自重で落下しにくい構成としてもよい。このような構成においても、規制機構50,80を設けることで、移動体が一層自重で落下しにくくなる。
・規制部51,81は、着脱可能であってもよい。付勢部29を備えない構成や、付勢部を介した相対移動が可能な部材に被規制部を設けた場合、干渉量d1,d2があるために移動体を着脱方向に取り外すことが困難になる。この場合、規制部51,81を着脱可能とし、移動体の交換時に規制部51,81を取り外す構成としてもよい。
・規制部51,81は、着脱方向に沿った移動を完全に止める必要はない。したがって、前記各実施形態では、規制面52によって移動体を着脱方向と鋭角な角度をなす方向に押さえる構成としたが、移動体を着脱方向と直角に押さえるように規制面52を設けてもよい。
・着脱方向は、鉛直方向Zに限定されず、他の方向であってもよい。着脱方向は、例えば、正面視において駆動方向Fdに対して鋭角な角度をなす方向であってもよい。また、着脱方向は、正面視において圧力角方向Fpに対して鋭角な角度をなす方向であってもよい。
・キャップ部60を着脱方向に案内する第2案内部を開口部に替え、ガイドレールとしてもよい。この場合、規制面52,82の法線方向と着脱方向とのなす角度を鋭角にしてもよい。
・第2実施形態において、ラック28の先端と反対側になる後端に被規制部85を設けてもよい。例えば、交換時の移動体の移動方向が前記各実施形態と反対の方向であってもよい。例えば、記録部20の記録位置PH4よりも+B方向側に交換位置PH1があってもよい。この場合、交換作業口12Aは、装置本体12の側面下部に設けられてもよい。
・規制部は、交換位置にある移動体の着脱方向の移動を規制する規制位置と、移動体の着脱方向の移動を許容する非規制位置とに移動可能な可変の構成でもよい。制御部100は、移動体が交換位置に移動する際に不図示のアクチュエーターを駆動制御することで、規制部を規制位置に配置し、移動体の交換位置への移動が終わると、規制部を非規制位置に退避させる。この場合、規制部が移動体を規制する位置はラック以外の部分でもよい。可動式の規制部であれば、例えば、被案内部であるガイドローラーを直接規制してもよい。なお、規制部の規制面は、着脱方向と交差する方向であればよい。この構成であれば、移動体が規制面に当接した際に規制面から移動体が受ける反力によって、移動体の駆動力f0に基づき移動体を着脱方向に移動させようとする力の成分を打ち消す方向の力の成分を付与することができる。よって、移動体の着脱方向の移動を抑制できる。
・移動体は、記録部20、キャップ部60、ワイパー部70に限定されず、これら以外であってもよい。例えば、移動体は、メンテナンス部の1つであるフラッシング部でもよい。ここで、フラッシング部は、記録ヘッドのノズル内のインク等の液体をリフレッシュするためにノズルから媒体M以外の箇所に液体を吐出する空吐出を指す。フラッシング部は、例えば、空吐出された液体を受容可能なフラッシングボックスが搭載されたキャリッジを備える移動体である。この場合、移動機構は、ラックピニオン機構でもよいし、これ以外でもよい。そして、フラッシング部を交換位置にあるときに、フラッシング部が移動方向に移動する駆動力に基づくフラッシング部の着脱方向の移動を規制する規制機構を設けてもよい。
・媒体Mは、用紙に限定されず、合成樹脂製のフィルムや媒体、布、不織布、ラミネート媒体などでもよい。
・記録装置11は、インクジェット方式の記録装置11に限定されず、ドットインパクトプリンターやレーザープリンターでもよい、また、記録装置11は、捺染装置でもよい。
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
(A)記録装置は、媒体に記録を行う記録部又は前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンス部を含む移動体が、移動可能及び着脱可能に構成された記録装置であって、前記移動体と、前記移動体を、移動方向に沿って案内する第1案内部と、前記第1案内部から分岐し、前記移動体を、前記移動方向と交差する着脱方向に沿って案内する第2案内部と、前記移動体が、前記第1案内部から前記第2案内部が分岐する位置であって着脱可能な交換位置にある場合に、前記移動体を前記移動方向に移動させる駆動力に基づく前記移動体の前記着脱方向に沿った移動を規制する規制部とを備える。
この構成によれば、移動体が交換位置にあるとき、移動体を移動方向に移動させる駆動力に基づく着脱方向の移動が規制されるので、移動体の意図しない着脱方向の移動を抑制できる。例えば、移動体の意図しない着脱方向への移動に起因する振動や騒音の発生、あるいは移動機構の動力伝達異常(歯飛びや噛合の外れ等)などの不都合を抑制できる。なお、移動体は、交換可能な交換位置まで移動可能であるため、交換位置まで移動可能な構成を有しない記録装置に比べ、移動体の着脱が容易となる。
(B)上記記録装置において、前記移動体は、媒体に記録を行う前記記録部であり、前記記録部は、前記移動方向に沿って、媒体に記録を行う記録位置と、着脱可能な前記交換位置と、に移動可能であってもよい。
この構成によれば、記録部が交換位置にあるときに、記録部の振動を抑制することができる。特に、記録部がラインヘッドの場合には、重量があるため、振動などの影響も大きくなるが、効果的に抑制できる。
(C)上記記録装置において、前記規制部は、前記記録部の被規制部と当接可能な規制面を有し、前記規制面は、前記着脱方向に交差してもよい。
この構成によれば、規制面が、記録部に設けた被規制部と当接することで、記録部の着脱方向に沿った移動を規制することができる。
(D)上記記録装置は、ラック及び駆動歯車を含み、前記記録部を前記移動方向に移動させるラックピニオン機構を更に備え、前記ラックは、前記記録部に取付けられ、前記規制部に当接可能な被規制部を有し、前記規制部は、前記被規制部に当接可能な規制面を有してもよい。
この構成によれば、規制面が、記録部に設けられたラックの被規制部と当接することで、記録部の移動を規制することができる。
(E)上記記録装置において、前記規制面は、前記駆動歯車から前記ラックに加わる力の方向と交差してもよい。
この構成によれば、駆動歯車からラックに加わる力の方向と交差する規制面で規制することで、ラックが駆動歯車によって押し上げられる動きを直接規制できるため、より効果的に記録部の移動を規制できる。
(F)上記記録装置において、前記第1案内部と前記第2案内部は、直交せず、前記規制面は、前記ラックの延在方向と交差してもよい。
この構成によれば、駆動歯車からラックに加わる力の方向と交差する規制面で規制する場合と比較して、規制面と被規制部との干渉量が小さくなるため、記録部の着脱が容易になる。
(G)上記記録装置において、前記被規制部は、前記ラックの先端に設けられてもよい。
この構成によれば、先端に被規制部を設けることで、規制面と被規制部との干渉量がより小さくなるため、記録部の着脱が容易になる。
(H)上記記録装置において、前記規制部は、前記記録部を装着する際に、前記被規制部と当接することで前記被規制部を案内する案内面を有してもよい。
(I)上記記録装置において、前記ラックと前記記録部との間に設けられ、前記ラックと前記記録部とを離間させる方向に付勢する付勢部を更に備え、前記記録部が前記交換位置に位置する場合に、前記付勢部によって、前記被規制部が、前記規制面に押し付けられてもよい。
この構成によれば、付勢部の付勢力に抗してラックと記録部を近づけることで、被規制部を規制面から離間させ、規制を解除することができる。したがって、記録部の着脱の際に、規制部を着脱する必要がなく、交換が容易になる。
(J)上記記録装置は、前記記録部に当接することで、前記記録部の位置を規定するカム部材を更に備え、前記記録部は、前記付勢部によって、前記カム部材に押し付けられてもよい。
この構成によれば、付勢部によって記録部をカム部材に押し当てることで、記録部の位置精度を向上させることができる。また、付勢部を共有することで、コスト抑制、装置の小型化などの効果が得られる。
(K)上記記録装置において、前記移動方向は、鉛直方向と交差する方向であり、前記ラックは、前記駆動歯車よりも上方に位置してもよい。
この構成によれば、ラックが駆動歯車よりも上方に位置する構成では、駆動歯車の回転と自重によってラックと記録部が上下動する。したがって、意図せず記録部が移動した場合に、振動や騒音などの課題が発生しやすい。
(L)上記記録装置において、前記記録部は前記第1案内部及び前記第2案内部によって案内される被案内部を有し、前記記録部が前記交換位置に位置する場合に、前記被案内部は、前記第1案内部及び前記第2案内部の分岐点に位置してもよい。
この構成によれば、記録部に被案内部を設けることで、ラックなどに設ける構成に比べ、より適切に記録部を案内することができる。
(M)上記記録装置において、前記記録部は、媒体の幅方向の全体に渡って液体を吐出可能であってもよい。
この構成によれば、記録部がラインヘッドである場合、シリアルヘッドに比べて重いため、意図しない記録部の移動が悪影響を及ぼしやすいが、意図しない移動を抑制することができる。
(N)上記記録装置において、前記移動方向は、鉛直方向及び水平方向と交差する方向であってもよい。
この構成によれば、移動体が鉛直方向及び水平方向と交差する斜めに移動することで、装置の水平方向の小型化が可能になる。鉛直下方に記録部の位置を規定する場合は、自重によってカム部材に押し付けられるが、移動方向が斜めである場合は、自重によって押し付ける効果が弱まるため、付勢部で押し付けることが効果的である。
11…記録装置、12…装置本体、12A…交換作業口、13…画像読取装置、14…操作部、14A…表示部、15…カセット、15A…把手、16…第1カバー扉、16A…把手、16T…給送トレイ、17…第1カバー扉、17A…把手、18…第1カバー扉、18A…把手、19…排出部、19A…排出トレイ、19B…積載面、20…記録部、20M…移動体の一例としての第1移動体、20A…板部、20B…バー部材、20C…長孔、20H…記録ヘッド、20S…サイドプレート、20U…単位ヘッド、21…搬送部、22…ピックアップローラー、23…搬送ローラー対、24…搬送ローラー対、25A…プーリー、25B…搬送ベルト、26…搬送ローラー対、27…フラップ、28…ラック、29…付勢部、30…モーションユニット、31…第1移動機構、31A…ラックピニオン機構、33…本体フレーム、34…サイドフレーム、34A…貫通孔、35…横フレーム、35A…主軸、35B…副軸、36…ガイド部材、37,37A…第1案内部、38,39…第2案内部、41…モーター、43…駆動歯車(ピニオン)、44…被案内部の一例としてのガイドローラー、46…調整ユニット、47…カム軸、48…偏心カム、49…ギャップ調整モーター、50…規制機構、51…規制部、52…規制面、53…案内面、54…角部、55…被規制部、57…調整ねじ、58…被検知部材、59…位置センサー、60…キャップ部、60M…移動体の一例としての第2移動体、61…キャップ、62…キャップキャリッジ、63…被案内部の一例としてのガイドローラー、64…第1案内部、64A…第2案内部、65…第2移動機構、65A…ラックピニオン機構、66…ラック、67…モーター、68…駆動歯車(ピニオン)、70…ワイパー部、70M…移動体の一例としての第3移動体、80…規制機構、81…規制部、82…規制面、83…案内面、84…角部、85…被規制部、100…制御部、101…液体収容部、102…廃液貯留部、T…搬送経路、T1…搬送路、T2…搬送路、T3…搬送路、T4…搬送路、T5…反転路、M…媒体、A…移動方向の一例としての第2移動方向(キャップ部の着脱方向)、B…移動方向の一例としての第1移動方向、X…移動方向の一例としての第3移動方向(幅方向)、Y…水平方向、Z…鉛直方向(記録部の着脱方向)、PH1…交換位置、PH3…被キャップ位置、PH4…記録位置、PC1…退避位置、PC2…キャップ位置、PC3…交換位置、SE1…第1センサー、SE4…媒体幅センサー、Fp…圧力角方向、Fd…駆動方向、f0…圧力角方向の力(駆動力)、f1…駆動方向の力、f2…着脱方向の力、f3…反力、f4…反力の着脱方向成分の力、f5…反力の駆動方向成分の力、f6…反力、f7…着脱方向成分の力、d1…干渉量、d2…干渉量。

Claims (14)

  1. 媒体に記録を行う記録部又は前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンス部を含む移動体が、移動可能及び着脱可能に構成された記録装置であって、
    前記移動体と、
    前記移動体を、移動方向に沿って案内する第1案内部と、
    前記第1案内部から分岐し、前記移動体を、前記移動方向と交差する着脱方向に沿って案内する第2案内部と、
    前記移動体が、前記第1案内部から前記第2案内部が分岐する位置であって着脱可能な交換位置にある場合に、前記移動体を前記移動方向に移動させる駆動力に基づく前記移動体の前記着脱方向に沿った移動を規制する規制部と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記移動体は、媒体に記録を行う前記記録部であり、
    前記記録部は、前記移動方向に沿って、媒体に記録を行う記録位置と、着脱可能な前記交換位置と、に移動可能である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記規制部は、前記記録部の被規制部と当接可能な規制面を有し、
    前記規制面は、前記着脱方向に交差する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. ラック及び駆動歯車を含み、前記記録部を前記移動方向に移動させるラックピニオン機構を更に備え、
    前記ラックは、
    前記記録部に取付けられ、
    前記規制部に当接可能な被規制部を有し、
    前記規制部は、前記被規制部に当接可能な規制面を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記規制面は、前記駆動歯車から前記ラックに加わる力の方向と交差する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記第1案内部と前記第2案内部は、直交せず、
    前記規制面は、前記ラックの延在方向と交差する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の記録装置。
  7. 前記被規制部は、前記ラックの先端に設けられる、
    ことを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記規制部は、前記記録部を装着する際に、前記被規制部と当接することで前記被規制部を案内する案内面を有する、
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  9. 前記ラックと前記記録部との間に設けられ、前記ラックと前記記録部とを離間させる方向に付勢する付勢部を更に備え、
    前記記録部が前記交換位置に位置する場合に、前記付勢部によって、前記被規制部が、前記規制面に押し付けられることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 前記記録部に当接することで、前記記録部の位置を規定するカム部材を更に備え、
    前記記録部は、前記付勢部によって、前記カム部材に押し付けられる、
    ことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記移動方向は、鉛直方向と交差する方向であり、
    前記ラックは、前記駆動歯車よりも上方に位置する、
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  12. 前記記録部は前記第1案内部及び前記第2案内部によって案内される被案内部を有し、
    前記記録部が前記交換位置に位置する場合に、前記被案内部は、前記第1案内部及び前記第2案内部の分岐点に位置する、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  13. 前記記録部は、媒体の幅方向の全体に渡って液体を吐出可能である、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  14. 前記移動方向は、鉛直方向及び水平方向と交差する方向である、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
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