JP2024034144A - 落下防止装置を備えた掘取機 - Google Patents

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Bunji Horie
健斗 小西
Kento Konishi
隼人 高吉
Hayato Takayoshi
昇吾 下山
Shogo SHIMOYAMA
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Abstract

【課題】掘取機から作物が前方に落下することを防止する。【解決手段】掘取機は、走行車両2に昇降リンク機構3によって昇降可能に連結された機枠17と、機枠17の前部に設けられた掘取具20とを備えた掘取機4であって、掘取機4が走行車両2と共に前方に移動し、掘取具20で作物を掘り起こす作業姿勢から掘取機4が持ち上げられる際に、掘取具20に位置して掘取機4に残留した作物16が掘取具20から前方に落ちることを防止する落下防止部材111が設けられた落下防止装置110を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、落下防止装置を備えた掘取機に関する。
従来、特許文献1に開示された掘取機が知られている。
特許文献1に開示された掘取機は、機枠の前部に掘取具が設けられ、機枠が前方移動することで圃場に栽培された作物を掘取具によって掘り取る。掘取具によって掘り取られた作物は、掘取具の後方に設けられた無端回転体によって後方に搬送される。
特開2021-185846号公報
上述した掘取機で作物を掘り取る場合には、掘取機が連結されたトラクタなどの走行車両は、掘取機の位置を下げた状態で前進を行う。そうすると、掘取機の前端下部に設けられたブレード状の掘取具が土中に入り込み、玉ネギ等の作物の根を切断しながら作物を掘り取ることができる。また、掘取機が畝の端まで達すると、新たな畝の作物の掘り取りを可能とすべく、走行車両は、掘取具を上方に持ち上げて、掘取具を地面から離した状態で転回を行う。
しかしながら、作業機が転回動作を行う前に掘り取られた作物が掘取機に残留している場合、掘り取られた作物は、転がって掘取機の前方から落下してしまうことがある。
本発明は、上述した問題点に鑑みて為されたものであり、掘取機から作物が前方に落下することが防止できる落下防止装置を備えた掘取機を提供することを目的とする。
掘取機は、走行車両に昇降リンク機構によって昇降可能に連結された機枠と、前記機枠の前部に設けられた掘取具とを備えた掘取機であって、前記掘取機が前記走行車両と共に前方に移動し、前記掘取具で作物を掘り起こす作業姿勢から前記掘取機が持ち上げられる際に、前記掘取具に位置して前記掘取機に残留した作物が前記掘取具から前方に落ちることを防止する落下防止部材が設けられた落下防止装置を備える。
落下防止装置は、前記落下防止部材の位置を、前記掘取機が持ち上げられる際の前記位置である落下防止位置と、前記落下防止位置から退避する位置であって、前記作物の掘り起こしを許容する位置である退避位置と、に変更させる位置変更装置を備えてもよい。
前記位置変更装置は、前記落下防止部材が取り付けられ、前記掘取機に当該掘取機の機幅方向に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体と、前記支持体を揺動させて前記落下防止部材の位置を前記落下防止位置と前記退避位置とに変更すべく前記支持体を前記掘取機の姿勢変更または前記昇降リンク機構の揺動に連動させる連動部材とを有してもよい。
前記位置変更装置は、前記落下防止部材が取り付けられ、前記掘取機に当該掘取機の機幅方向に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体と、前記支持体を揺動させて前記落下防止部材の位置を前記落下防止位置と前記退避位置とに変更させるアクチュエータとを有してもよい。
前記支持体は、前記掘取機に連結された基端部材と、前記落下防止部材に連結された先端部材と、前記基端部材に対して前記先端部材を揺動自在に枢支する揺動軸と、前記先端部材が所定の位置よりも後方に揺動することを許容し、前記先端部材が前記所定の位置よりも前方に揺動することを阻止する規制具と、を有してもよい。
落下防止装置は、前記基端部材に対して前記先端部材が前方に揺動する方向に、前記基端部材に対して前記先端部材を付勢する付勢部材を有してもよい。
前記先端部材は、前記落下防止部材に連結された第1部材と、前記揺動軸に枢支された第2部材と、前記第1部材から第2部材までの距離が変更自在となるように、前記第1部
材を第2部材に対して接続する接続部と、を備えており、前記支持体は、前記接続部により基端から先端までの長さが変更自在とされてもよい。
上記の落下防止装置を備えた掘取機によれば、掘取機から作物が前方に落下することが防止できる。
掘取機が第1姿勢とされている作業機の側面図である。 第1姿勢とされている掘取機の側面図である。 第2姿勢とされている掘取機の側面図である。 落下防止装置が設けられた機枠の平面図である。 掘取機が第1姿勢のときの姿勢調整機構の側面図である。 掘取機が第2姿勢のときの姿勢調整機構の側面図である。 掘取機が第3姿勢のときの姿勢調整機構の側面図である。 (a)は作物を案内する幅を狭めた場合、(b)は幅を広めた場合の作物を案内する機構の平面図である。 図5のZ1-Z1線で切断した姿勢調整機構の断面図である。 姿勢調整機構を上から見た図であって規制部材の構造を断面で示した図である。 左前方から見た落下防止装置の斜視図である。 幅寸法調整機構による落下防止部材の幅寸法調整手順を示した図である。 連動部材により落下防止部材を揺動させる機構を示した側面図である。 落下防止部材が落下防止位置にある落下防止装置と、落下防止部材が退避位置にある落下防止装置とを比較して示した側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、作業機1(対地作業機)の全体構成を示す概略側面図を示している。作業機1は、走行車両(走行体)として例示するトラクタ2と、トラクタ2の後方に昇降リンク機構3を介して装着された掘取機4と、を有している。なお、走行車両はトラクタ2でなくても良い。
本実施形態においては、図1に矢印A1方向で示す方向(トラクタ2の前進方向)を前方といい、矢印A2で示す方向(トラクタ2の後進方向)を後方といい、矢印A3で示す方向を前後方向として説明する。
また、前後方向A3に直交する方向である水平方向(左右方向)を機幅方向K1(図4参照)として説明する。機幅方向K1は、掘取機4(機枠17)の幅方向である。作業機1(掘取機4)の幅方向の中央部から右方、或いは、左方へ向かう方向を機幅方向K1の外方(機幅方向外方)として説明する。つまり、機幅方向外方は、作業機1(掘取機4)の幅方向の中心から機幅方向K1に離れる方向である。機幅方向外方とは反対の方向を、機幅方向K1の内方(機幅方向内方)として説明する。つまり、機幅方向内方は、機幅方向K1に作業機1(掘取機4)の幅方向の中心に近づく方向である。
図1に示すように、トラクタ2は、左及び右の前輪(図示省略)並びに左及び右の後輪5によって走行可能に支持された車体9を有している。なお、トラクタ2は、車輪の代わりにクローラを備えるものであっても良い。車体9の後部には、オペレータ(運転者)が座るための運転席30が備えられている。また、車体9の後部には、油圧装置6が搭載されている。油圧装置6の左側面及び右側面にリフトアーム7が設けられている。リフトアーム7は、機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能であり、油圧装置6の油圧力によって駆動されて上方に揺動する。油圧装置6の油圧力を解除すると、リフトアーム7は下方に揺動する。油圧装置6の背面には、トップリンクブラケット8が設けられている。車体9の背面には、回転動力を取り出す動力取出し軸であるPTO軸10が設けられている。
図1に示すように、昇降リンク機構3は、本実施形態では、三点リンク機構で構成され
ている。三点リンク機構3は、一本のトップリンク11と、トップリンク11の下方に機幅方向K1に間隔をあけて並べて配置された一対のロワーリンク12とを有している。トップリンク11は、前部がトップリンクブラケット8に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結(枢支)されている。ロワーリンク12は、前部が車体9の側面に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結(枢支)されている。ロワーリンク12は、中途部がリフトアーム7の後部に、リフトロッド13によって連結されている。
トップリンク11の後部とロワーリンク12の後部とは、掘取機4に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結されている。したがって、掘取機4は、トラクタ2の後方に昇降リンク機構3を介して昇降可能に連結され、油圧装置6によって昇降される。詳しくは、リフトロッド13が上方に揺動するとトップリンク11及びロワーリンク12が上方移動して掘取機4が上昇し、リフトロッド13が下方に揺動するとトップリンク11及びロワーリンク12が下方移動して掘取機4が下降する。なお、掘取機4の上下方向の停止位置は、油圧装置6によって任意に位置調節することができる。
図2に示すように、掘取機4は、圃場14(畝15)に栽培された作物16(例えば、玉ねぎ)を掘取具20によって掘り取ると共に掘り取った作物16を搬送体25によって後方(後上方)に搬送する作業機(玉ねぎディガー)である。
図1、図4に示すように、掘取機4は、機枠17を有している。機枠17は、三点リンク機構3に連結される装着フレーム21と、装着フレーム21に固定された伝動ケース22と、伝動ケース22の左方と右方とに(機幅方向K1の両側に)設けられた一対のサポートアーム23と、伝動ケース22及び一対のサポートアーム23を挟むように機幅方向K1で間隔を隔てて配置された一対のサイドフレーム18と、一対のサイドフレーム18の後部同士を連結する連結フレーム19とを有している。
装着フレーム21は、伝動ケース22の左面と右面とにボルト固定された一対の固定プレート26と、一対の固定プレート26の間から前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延びる上部フレーム27と、一対のサポートアーム23の各々から前方に延びる一対の下部フレーム28と、上部フレーム27と一方(左)の下部フレーム28とを連結する第1連結プレート29Lと、上部フレーム27と他方(右)の下部フレーム28とを連結する第2連結プレート29Rと、一対の下部フレーム28同士を連結する連結体32とを有している。
伝動ケース22は、機枠17の幅方向(機幅方向K1)の中央部に配置されている。伝動ケース22には、入力軸24が前方突出状に設けられている。入力軸24は、トラクタ2のPTO軸10にジョイント軸(ユニバーサルジョイント)を介して連結される。PTO軸10からの動力は、入力軸24を介して伝動ケース22内に取り入れられる。
一方のサポートアーム23(第1サポートアーム23Lという)は、伝動ケース22から左方に延びる。詳しくは、第1サポートアーム23Lは、機幅方向K1の軸心を有するパイプ材(筒部材)によって形成されている。第1サポートアーム23Lは、伝動ケース22と左のサイドフレーム18の上部との間に配置されている。第1サポートアーム23Lの右端は左の固定プレート26に固定され、第1サポートアーム23Lの左端は左のサイドフレーム18の上部に連結されている。
他方のサポートアーム23(第2サポートアーム23Rという)は、伝動ケース22から右方に延びる。詳しくは、第2サポートアーム23Rは、機幅方向K1の軸心を有するパイプ材(筒部材)によって形成され、伝動ケース22と右のサイドフレーム18の上部との間に配置されている。第2サポートアーム23Rは、左端が右の固定プレート26に固定され、右端が右のサイドフレーム18の上部に連結されている。
一対のサイドフレーム18のうち一方(左)のサイドフレーム18を第1サイドフレーム18Lといい、他方(右)のサイドフレーム18を第2サイドフレーム18Rという。
図1に示すように、各サイドフレーム18は、いずれも第1フレーム部材34と、第2フレーム部材35とを有している。第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35は、板材によって形成されている。第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35は、板面が機幅方向K1を向くように起立状に配置されている。
第1フレーム部材34は、サポートアーム23における伝動ケース22とは反対側の端部から、下方に延びるように設けられている。第1フレーム部材34の下部は、上部よりも前後幅が長く形成されている。第1フレーム部材34は、下部後端がサポートアーム23の端部の下方に位置するように配備されている。また、第1フレーム部材34は、下部前端が上部フレーム27及び下部フレーム28の前部下方に位置する形成されている。
第2フレーム部材35は、前部が第1フレーム部材34の下部後端に連結されている。言い換えれば、第1フレーム部材34は、第2フレーム部材35の前部から上方に突出している。第2フレーム部材35は、第1フレーム部材34の下部後端からさらに後方に向かって突出するように配備されている。第2フレーム部材35の前部は、第1フレーム部材34の機幅方向K1の外方側の面に重ね合わされて該第1フレーム部材34に連結されている。
図1に示すように、各サイドフレーム18の下端側には、下方から上方に向けて切り欠かれた切欠き部36が設けられている。切欠き部36によって、第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rとの間から、石や土等を第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rの機幅方向K1の外方に逃がすことができる。
図4に示すように、掘取具20は、機枠17の前部に設けられている。また、掘取具20は、第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rの間に配置されている。
図4に示すように、掘取具20は、板材によって形成されている。詳しくは、掘取具20は、板面が上下方向を向くように配置されて、機枠17の前部に取付部材41を介して取り付けられている。機枠17は、前進するトラクタ2によって牽引されることにより前方移動する。図2に示すように、機枠17が前方移動することで、掘取具20は、畝15の上部を前方に移動しながら畝15に栽培された作物16(玉ねぎ等)の根16aを切断しながら該作物16を掘り取る。
図2に示すように、搬送体25は、掘取具20の後方に配置されている。詳しくは、搬送体25は、掘取具20の後方で且つ第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rとの間に設けられている。また、搬送体25は、後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に設けられている。したがって、搬送体25は、掘取具20で掘り取られた作物16を後上方に搬送すると共に、該作物16を後端側25aで畝15(圃場14)の上面15aに落下させる。畝15の上面15aに落下した作物16は、別途作業されるピッカー等によって拾い上げる。
図2に示すように、搬送体25には、入力軸24に伝達された動力が動力伝達装置48を介して伝達される。動力伝達装置48は、第2サポートアーム23R(図4参照)内に収容された伝動軸49と、入力軸24から伝動軸49に動力を伝達するギヤ機構(ベベルギヤ機構、図示略)と、伝動軸49から搬送体25の駆動軸51に動力を伝達する伝動機構(ベルト巻掛け伝動機構)52とを有している。
図2に示すように、搬送体25は、駆動軸51と、駆動輪53と、従動輪54と、無端回走体(無端回転体)55とを含む。
図2に示すように、駆動軸51は、機枠17の後部に配置されている。詳しくは、駆動軸51は、第2フレーム部材35の後部における上下方向の中途部において、左の第2フレーム部材35から右の第2フレーム部材35にわたって配置されている。駆動軸51の端部側は、第2フレーム部材35に軸受けを介して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。
駆動輪53は、機枠17の後部に配置され、左の第2フレーム部材35と右の第2フレーム部材35との間で、駆動軸51の左部と右部とに設けられている。各駆動輪53は、駆動軸51に固定された取付板にボルト等によって固定されている。したがって、駆動輪53は、駆動軸51と一体的に回転する。
図2に示すように、本実施形態にあっては、駆動輪53は、当該駆動輪53の周方向に間隔をあけて且つ全周にわたって配置された複数の歯部53aを有するスプロケットで構成されている。
図2に示すように、従動輪54は、機枠17(第2フレーム部材35)の前部且つ掘取
具20の後方に配置されている。従動輪54は、左の第2フレーム部材35の前部の機幅方向K1の内方側と、右の第2フレーム部材35の前部の機幅方向K1の内方側とに設けられている。つまり、従動輪54は、一対(複数)設けられている。
各従動輪54は、機枠17に取り付けられる支軸58に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回転自在に支持される。
図2に示すように、無端回走体55は、駆動輪53と従動輪54とにわたって巻き掛けられていて駆動輪53から動力が伝達されて周方向(図2において時計回り方向)に循環回走する。無端回走体55は、多数の搬送杆と、複数の無端ベルトとを有する。多数の搬送杆は、無端回走体55の回走方向に等間隔をあけて平行に並べてループ状に配置されている。各搬送杆は、機幅方向K1に延伸するパイプ材によって形成され、且つパイプ材を押しつぶして形成された扁平部をパイプ材の長手方向(機幅方向K1)の両端側及び中央部に有している。
駆動輪53から無端回走体55に動力が伝達されると、駆動輪53が図2の時計回り方向に回転することにより、無端回走体55も時計回り方向に循環回走し、作物16を後上方に搬送する。
図4に示すように、機枠17の前部には、掘取具20の機幅方向K1の一方の側部(左側部)及び他方の側部(右側部)に配置された一対の側板86が設けられている。詳しくは、一対の側板86は、掘取具20の左部に配置された第1側板86Lと、掘取具20の右部に配置された第2側板86Rである。第1側板86L及び第2側板86Rによって、掘取具20で掘り取られる作物16が機幅方向K1の外方に逃げるのを規制することができると共に作物16を掘取具20から搬送体25に案内することができる。
図2に示すように、側板86は、掘取具20よりも上方に配置されている。図4に示すように、側板86は、板面が機幅方向K1を向くように配置され、サイドフレーム18の第1フレーム部材34に複数の取付具87を介して機幅方向K1に位置調整可能に取り付けられている。
複数の取付具87は、側板86と第1フレーム部材34とにわたって挿通されるボルト部材62と、ボルト部材62に螺合されるナット部材63と、側板86と第1フレーム部材34との間に介在され且つボルト部材62に挿通される複数のカラー(スペーサ)89とを有している。側板86は、側板86と第1フレーム部材34との間に配置されるカラー89の数を変更可能となっている。
つまり、図8(a)に示すように、側板86と第1フレーム部材34との間に配置されるカラーの数を多くする(例えば4個とする)と側板86と第1フレーム部材34との間隔を広くすることができる。また、図8(b)に示すように、側板86と第1フレーム部材34との間に配置されるカラーの数を少なくする(例えば1個とする)と側板86と第1フレーム部材34との間隔を狭くすることができる。つまり、図8(a)では作物を案内する側板86同士の幅が狭くなり、図8(b)では作物を案内する側板86同士の幅が広くなる。このように複数の取付具87を用いれば、第1側板86Lと第2側板86Rとの機幅方向K1との間隔を変更する(間隔調節を行う)ことができる。
本実施形態では、側板86の機幅方向K1の位置調整は、カラーによって段階的に行うように構成したが、これに限定されることはない。例えば、ネジ構造によって側板86を機幅方向K1に無段階で位置調節できるようにしてもよい。また、複数の筒を入れ子状に組み合わせた伸縮構造によって側板86を位置調節できるようにしてもよい。
図1に示すように、掘取機4は、三点リンク機構3(昇降リンク機構)が連結される装着フレーム21を備えている。詳しく言えば、三点リンク機構3のトップリンク11の後上部は装着フレーム21を介して掘取機4に連結されている。
図1に示すように、装着フレーム21は、上部フレーム27と、第1連結プレート29Lと、第2連結プレート29Rとを有している。上部フレーム27の下部は伝動ケース22の左面及び右面から前方に突出する延びる一対の固定プレート26の間から、前方上方に向かって延びるように延出した位置に配備されている。第1連結プレート29Lは、上部フレーム27の上端のやや下部と、左の下部フレーム28の前部とを連結している。第2連結プレート29Rは、上部フレーム27の上端のやや下部と、右の下部フレーム28の前部とを連結している。第1連結プレート29L及び第2連結プレート29Rは、上方に向かうにつれてやや後方に移行する傾斜状に配置される。第1連結プレート29Lは機枠17の機幅方向K1の中央部から見て一方側(左方)に設けられ、第2連結プレート29Rは機幅方向K1の中央部から見て他方側(右方)に設けられている。
図5に示すように、第1連結プレート29L及び第2連結プレート29Rの上部は、筒部材47によって上部フレーム27の上部に連結され、上部フレーム27、第1連結プレート29L、第2連結プレート29R及び筒部材47を挿通するボルト60Aと、ボルト60Aにねじ込まれるナット60Bによって、上部フレーム27、第1連結プレート29L、第2連結プレート29Rとが連結されている。
図1に示すように、掘取機4は、当該掘取機4の姿勢を調整する姿勢調整機構92を有している。姿勢調整機構92は、装着フレーム21に設けられている。詳しくは、姿勢調整機構92は、装着フレーム21の上部に設けられている。
姿勢調整機構92は、掘取機4の作業時の姿勢を、第1姿勢S1(図5参照)と、第2姿勢S2(図6参照)と、第3姿勢(図7参照)に姿勢変更する。
図5に示す第1姿勢S1は、作物16を掘り取る作業姿勢である。言い換えれば、第1姿勢S1は、通常の掘り取り作業を行うときの(通常作業時の)作業姿勢ということもできる。第1姿勢S1においては、掘取具20は水平状態である。
図6に示す第2姿勢S2は、掘取機4が第1姿勢S1における状態よりも上方に持ち上げられた姿勢である。より詳しく言えば、第2姿勢S2は、第1姿勢S1よりも、さらに前下がりに傾斜すると共に、前方に掘取機4の位置が移行した状態となる姿勢である。第2姿勢S2は、畝の終端で作業機1を転回させる場合に、掘取機4に高さを高くして地面との接触を回避可能な作業姿勢である。
図7に示す第3姿勢は、掘取具20が第1姿勢S1における状態よりも前下がりに傾斜した姿勢である。第3姿勢は、第1姿勢S1のままでは掘取具20の土への入り込み深さが浅くなる場合に、掘取具20を土に深く入り込ませることを可能とする作業姿勢である。なお、第3姿勢は、第1姿勢S1が水平の姿勢であるか否かにかかわらず、掘取機4全体を前下がりに傾斜させるものとなっている。
次に、図5~図7を参照して、姿勢調整機構92の構造について詳細に説明する。
図5~図7に示すように、姿勢調整機構92は、揺動部材93と、係合部材94と、規制部材65と、付勢部材91aとを有している。
揺動部材93は、上部フレーム27の上部に機幅方向K1に対向するように一対配置されている、詳しくは、上部フレーム27の上部は、機幅方向K1に距離を開けて2つに分岐した上部片27a(左の上部片27a)と、上部片27b(右の上部片27b)とを有している。揺動部材93は、上部片27aの機幅方向K1の内方と、上部片27bの機幅方向K1の内方と、にそれぞれ設けられている。つまり、揺動部材93は一対設けられている。一対の揺動部材93は、機幅方向K1に間隔を隔てて対向配置されている。
一対の揺動部材93は、上部フレーム27の上部に枢支軸96を介して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に支持されている。詳しくは、図9に示すように、一対の揺動部材93は、枢支軸96を介して枢支される被枢支部97を有している。一対の揺動部材93の被枢支部97同士は、筒部材95によって連結されている。枢支軸96は、上部片27a及び上部片27b、一対の揺動部材93及び筒部材95を貫通(挿通)している。これにより、揺動部材93が上部フレーム27の上部に枢支軸96を介して回動可能に支持されている。
図10に示すように、各揺動部材93は、トップリンク連結部101と、係合穴98と、規制部材枢支部100とを有している。
トップリンク連結部101は、被枢支部97から延出され且つ第1連結プレート29Lと第2連結プレート29Rとの間から突出している。図9に示すように、一対のトップリンク連結部101の間にトップリンク11の後端側の連結部11Aが配置されている。連結部11Aは、トップリンク連結部101に連結ピン102を介して機幅方向K1に延伸
する軸心回りに回動可能に連結されている。
図5~図7に示すように、係合穴98は、当該係合穴98とトップリンク連結部101とによって枢支軸96を挟む位置に形成されている。係合穴98は、枢支軸96の軸心を中心とする円弧状の長穴に形成されている。
規制部材枢支部100は、規制部材65を枢支する部分である。規制部材枢支部100は、第1連結プレート29Lと第2連結プレート29Rとの間から上方側に突出している。
係合部材94は、装着フレーム21に設けられている。詳しくは、係合部材94は、図5~図7、図10に示すように、係合穴98を挿通するカラー(筒体)99と、カラー99を第1連結プレート29L及び第2連結プレート29Rに取り付ける取付部材103とを含む。カラー99は、一対の揺動部材93の係合穴98にわたるように配置されている。取付部材は、第1連結プレート29L、第2連結プレート29R、及びカラー99を挿通するボルト部材103A及びボルト部材103Aにネジ込まれるナット部材103Bによって構成されている。カラー99は、ボルト部材103Aの外側に軸心回りに相対回動可能に嵌められている。
係合部材94は、揺動部材93が枢支軸96の軸心回りに揺動すると、係合穴98の一端98aから他端98bにまで相対移動可能である。本実施形態では、係合穴98の一端98aは上端であり、他端98bは下端である。
図5に示すように、掘取機4が第1姿勢S1である場合は、係合部材94は、係合穴98の長手方向の中途部(本実施形態では、係合穴98の長手方向の略中央部98c)に位置している。また、掘取機4が第2姿勢S2である場合は、図6に示すように、係合部材94は、係合穴98の他端98bに位置している。掘取機4を第1姿勢S1から第2姿勢S2に姿勢変更する場合は、昇降リンク機構3を持ち上げ操作する。すると、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると共に係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98b(下端)へ移動する。また、掘取機4を第2姿勢S2から第1姿勢S1に姿勢変更する場合は、昇降リンク機構3を下げ操作する。すると、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると共に係合部材94が係合穴98の他端98b(下端)から中央部98cへ移動する。
さらに、掘取機4が第3姿勢である場合は、図7に示すように、係合部材94は、係合穴98の一端98a(上端)に位置している。掘取機4を第1姿勢S1から第3姿勢に姿勢変更する場合は、昇降リンク機構3を下げ操作する。すると、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると共に係合部材94が係合穴98の中央部98cから一端98a(上端)へ移動する。また、掘取機4を第3姿勢から第1姿勢S1に姿勢変更する場合は、昇降リンク機構3を上げ操作する。すると、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると共に係合部材94が係合穴98の一端98a(上端)から中央部98cへ移動する。
規制部材65は、掘取機4が第1姿勢S1から第3姿勢に姿勢変更するのを規制する。具体的には、図5に示すように、規制部材65は、係合部材94に当接して、揺動部材93の揺動を規制し、係合部材94が係合穴98の中央部98cから一端98aへ移動するのを規制することにより、掘取機4が第1姿勢S1から第3姿勢に姿勢変更するのを規制する。
また、規制部材65は、掘取機4が第2姿勢S2から第1姿勢S1に姿勢変更することを規制する。具体的には、規制部材65は、係合部材94に当接して、揺動部材93の揺動を規制し、係合部材94が係合穴98の他端98bから中央部98cへ移動するのを規制することにより、掘取機4が第2姿勢S2から第1姿勢S1に姿勢変更することを規制する。
図10に示すように、規制部材65は、一対の揺動部材93の間の位置に配置されている。
図5~図7、図10に示すように、規制部材65は、一対の揺動部材93の規制部材枢支部100の間で、該規制部材枢支部100に枢支される被支持部65aを有している。被支持部65aは、第1連結プレート29L、第2連結プレート29Rよりも上方で枢軸
104を介して規制部材枢支部100に枢支されている。詳しくは、被支持部65aには、当該被支持部65aを機幅方向で貫通する筒ボス105が固定されている。筒ボス105は一対の揺動部材93の間に配置されている。枢軸104は、ピンによって構成され、第1連結プレート29L、第2連結プレート29R、筒ボス105及び第2連結プレート29Rに固定されたボス106を貫通している。これにより、規制部材65が枢軸104を介して揺動部材93に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。
図5~図7に示すように、規制部材65は、被支持部65aから下方側に延出された延出部65bを有している。延出部65bは、下部に、係合部材94(カラー99)に当接する規制部65cを有している。規制部65cにおける係合部材94と当接する面は、係合部材94の外周面に合致する円弧面65dを有している。規制部65cが、枢軸104と係合部材94との間で突っ張ることにより揺動部材93の揺動を規制する。詳しくは、規制部材65は、揺動部材93の枢支軸96回りの揺動であって、係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98bへ移動する方向の揺動を規制している。言い換えると、規制部材65は、係合部材94に当接して係合部材94が係合穴98の中央部98c(中途部)から他端98bへ移動するのを規制する規制部65cを有している。
図5に示すように、延出部65bにおける枢支軸96側の面には、ガイド部65eが形成されている。ガイド部65eは、図5において、下方に向かうにつれて後方に移行する傾斜面に形成されている。ガイド部65eは、係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98bへ移動する際に、係合部材94に摺接して規制部65cを係合部材94へと案内する部位である。
図5に示すように、規制部材65は、被支持部65aから前方側に延びるストッパ部65fを有している。ストッパ部65fは、規制部65cが係合部材94から離反する方向(図5の矢印D1方向)に、規制部材65を回動させたときに、筒部材95に当接することにより、規制部材65の矢印D1方向の回動動作を規制する。
図5に示すように、規制部材65は、被支持部65aから上方側に延びる操作部65gを有している。操作部65gの延出端側には挿通穴65hが形成されている。操作部65gの延出端側には、図5に示すように、挿通穴65hに挿通された索体(ロープ)107の一端側が繋がれている。該索体107は、図1に示すように、姿勢調整機構92(操作部65g)から前方へ向けて、運転席30に達する位置まで配策されている。したがって、索体107は、運転席30からオペレータによって引動操作が可能であり、オペレータが索体107を引動操作することにより規制部材65を運転席30から操作可能である。
規制部材65を引動操作することにより、規制部65cが係合部材94から離反する方向に規制部材65を回動させることができる。そして、規制部材65(規制部65c)を係合部材94から離反させることにより、揺動部材93が矢印D4方向に揺動するのが許容され、係合部材94が係合穴98の他端98bから中央部98cへ移動するのが許容される。つまり、規制部材65による規制を解除することができる。
図5に示すように、規制部材65には、バネ掛け部材108が取り付けられている。バネ掛け部材108は、操作部65gの基部に取り付けられている。詳しくは、図10に示すように、バネ掛け部材108は、ボルト部材によって構成され、一端側にねじ部(外周面に雄ネジが切られた部位)108aを有する。ねじ部108aは、操作部65gの基部に形成されたねじ穴109(内周面に雌ねじが切られた穴)にねじ込まれている。また、ねじ部108aには、当該ねじ部108aの緩み止め用のロックナット108bがねじ込まれている。バネ掛け部材108は、規制部材65から機幅方向K1(右方)に突出している。
図5~図7、図10に示すように、付勢部材91aは、引っ張りコイルバネで形成されている。付勢部材91aは、装着フレーム21の右方に配置されている。付勢部材91aの一端側は、バネ掛け部材108に引っ掛けられている。付勢部材91aの他端側は、装着フレーム21に設けられたバネ掛け部132に引っ掛けられている。詳しくは、図10に示すように、装着フレーム21は、第1連結プレート29L、第2連結プレート29Rの上端間にわたって設けられた上板91Cを有し、バネ掛け部132は、上板91Cから
突出する突部に孔を形成することにより構成されている。
付勢部材91aの付勢力は、少なくとも、係合部材94が係合穴98の他端98bと中央部98cとの間を移動する範囲では、規制部材65を係合部材94に当接させる方向に作用する。つまり、付勢部材91aの付勢力は、ガイド部65eが係合部材94に当接している状態において、係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98bに至る手前まで移動する範囲でガイド部65eを係合部材94に押しつける方向に作用する。また、付勢部材91aの付勢力は、図7に示すように、規制部65cが係合部材94に当接している状態で、規制部65cを係合部材94に押し付ける方向に作用する。したがって、規制部材65による規制は、掘取機4が第1姿勢S1から第2姿勢S2に姿勢変更する動作によって自動的に行われる。詳しくは、ガイド部65eは、係合部材94が係合穴98の中央部98cに位置しているときに係合部材94に当接しており、係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98bに向けて移動すると、規制部材65が係合部材94の移動に追従して揺動する。これにより、係合部材94がガイド部65e上を摺動し、ガイド部65eと係合部材94との当接点が規制部65cへと移動する。そして、係合部材94が係合穴98の他端98bに至ると付勢部材91aの付勢力によって、規制部65cが係合部材94に当接する。
以上のようにして、第1姿勢S1から第2姿勢S2に姿勢変更する動作によって規制部材65による規制が自動的に行われる。
ところで、畝15の長手方向の端部側には段差がある場合がある。このような段差がある場合に、トラクタ2が畝15に入り、トラクタ2が前記段差を踏むと、掘取具20の土への入り込み深さが浅くなり、作物16を傷つける場合がある。そこで、そのような場合は、掘取機4が畝15に入る前に、掘取機4を第3姿勢にしておく。第3姿勢では、掘取具20の状態が第1姿勢S1における状態よりも前下がり傾斜状態であるため、掘取具20が土に深く入り込み、作物16を傷つけるのを抑制することができる。掘取機4が畝15に入って所定距離(例えば、2~3m)進むと、掘取機4を第3姿勢から第1姿勢S1に姿勢変更し、その後、第1姿勢S1で畝15の大部分の作物16を掘り取る。畝15の長手方向の端部側に段差がある場合は、畝15の出口側においても掘取機4を第3姿勢にする。
上記構成の掘取機4にあっては、第1姿勢S1では、規制部材65によって第1姿勢S1から第3姿勢に姿勢変更するのが規制されるので、掘取機4が第1姿勢S1から第3姿勢との間で動いて掘り取り作業が不安定になることがなく、安定して掘り取り作業を行える。
また、規制部材65による、第1姿勢S1から第3姿勢への姿勢変更の規制は、第3姿勢から第1姿勢S1に姿勢変更する動作によって自動で行われるので、規制部材65による規制をするのに、オペレータがトラクタ2から降りる必要がなく至便である。
ここで、従来の作業機にあっては、枕地での旋回時などにおいて、掘取機を持ち上げた際、掘取機が前下がりの持ち上げ姿勢となる。このため、掘取機に残留した作物が掘取具から前方側に落下してしまう。落下した作物は、トラクタで踏み潰し、ロスとなる。また、踏み潰しをのがれた作物を別途集めなくてはならず、作業効率が著しく悪くなる。
そこで、本実施形態の掘取機4にあっては、掘取機4が第1姿勢S1から第2姿勢S2持ち上げられたときに、掘取機4に残留した作物16が掘取具20から前方側に落ちるのを防止する落下防止装置110を設けている。
詳しくは、枕地において、三点リンク機構3を上方揺動させると、係合部材94に作用する掘取機4の自重により、係合部材94が係合穴98の他端98b側に移動するように揺動部材93が枢支軸96回りに揺動する。これにより、図3に示すように、掘取機4の後部側が持ち上げられる。掘取機4の後部側が持ち上げられることで、掘取具20が上向き傾斜となると共に前方に相対移動する。
図3に示すように係合部材94が係合穴98の他端98b側に移動した状態では、図2に示す状態(第1姿勢S1の状態)から、掘取機4は引き起こされるように上昇し、図3に示す持ち上げ姿勢S2になる。図3に示す持ち上げ姿勢S2では、掘取機4は前部側よ
りも後部側が高く持ち上げられ、掘取具20がより前方へ傾斜した状態になる。これにより、掘取機4に残留した作物16がより落下しやすくなる。
そこで、図11に示すように、本実施形態の掘取機4は、掘取機4が作業機1(走行車両)に牽引されて作業機1と共に前方に移動し、掘取具20で作物16を掘り起こす作業姿勢(第1姿勢S1)から掘取機4が持ち上げ姿勢(第2姿勢S2)に持ち上げられる際に、掘取具20に位置して掘取機4に残留した作物16が掘取具20から前方に落ちることを防止する落下防止部材111が設けられた落下防止装置110を備えている。つまり、本発明の落下防止装置110は、掘取機4に残留した作物16が掘取具20を通って落下しようとする際に、掘取具20の近傍(本実施形態の場合であれば掘取具20の前方に隣接した位置)に配備されることで、落下する作物16の移動を止めるものとなっている。
なお、落下防止装置110は、作物16の掘取を行っている場合は、作物16の移動を妨げないように構成する必要がある。そのため、落下防止装置110は、作物16が落下する位置に設けられることで作物16の落下をせき止める落下防止部材111のみでなく、落下防止部材の位置を落下防止位置と退避位置とに変更させる位置変更装置112も備えている。
次に、落下防止部材111と位置変更装置112とについて説明する。
図11に示すように、落下防止部材111は、上下方向及び機幅方向K1に延びる平板状の部材である。落下防止部材111は、上下方向の寸法に対して機幅方向K1の寸法の方が長く形成されている。落下防止部材111の機幅方向K1に沿った寸法は、左の側板86から右の側板86までの機幅方向K1に沿った寸法よりもやや短尺となっており、作物16の落下を確実に防止可能となっている。
図12に示すように落下防止部材111は、平板状に形成された落下防止板111aと、落下防止板111aを支持する支持具111bとを有している。落下防止板111aは、作物16を傷つけないように柔軟で可撓性がある弾性部材で形成されている。このような弾性部材には、各種ゴムやエラストマーなどを用いることができる。なお、落下防止板111aには、厚みや材種を変えた複数枚の弾性部材を用いることができる。例えば、柔軟な弾性部材と、やや硬質な弾性部材とを組み合わせた落下防止板111aを用いれば、作物16を傷つけないだけでなく、作物16の落下を確実に止めることができる。つまり、弾性部材の厚みや材種の組み合わせを変えて落下防止板111aを構成すれば、作物16の種類や掘取機4の大きさに合わせて落下防止板111aを適宜選択することが可能となり、掘取機4の利便性が向上するからである。
支持具111bは、左方または右方から見た断面が略L字状に形成された第1支持具115と、落下防止位置において第1支持具115の後方に取付けられる第2支持具116とを備えている。第1支持具115と第2支持具116は、落下防止板111aを前後に挟み込んだ状態で、機幅方向K1に亘って複数設けられるボルト及びナットによって一体に連結されている。つまり、支持具111bは、第1支持具115と第2支持具116との間に上述した落下防止板111aを挟み込んだ状態で連結されることで、落下防止板111aを支持可能となっている。
第1支持具115における左部と右部とには、支持体113の先端部材113bの下端が溶接や螺合などの手段で固定されている。つまり、支持体113の先端部材113bを基端部材113aに対して前後方向に揺動させれば、第2支持具116(支持具111b)も前後揺動する。
落下防止部材111の左端または右端には、落下防止部材111の機幅方向K1に沿った寸法を拡張・減縮可能な幅寸法調整機構117が設けられている。幅寸法調整機構117は、落下防止板111aの左端及び右端に設けられた一対の延長板117aと、機幅方向K1に係合位置を変更可能に一対の延長板117aを落下防止板111aの左端及び右端に係合可能な延長板係合具117bとを有している。延長板117aは、左方または右方から見た場合に落下防止部材111と同様に略L字状の断面形状を備えた部材である。延長板117aは、上述した第1支持具115と同様に略L字状の断面形状を備えた第1延長板支持部117cと、第1延長板支持部117cの後方に配備される第2延長板支持部117dと、第1延長板支持部117cと第2延長板支持部117dとの間に挟み込まれる第1延長板部材117eと、を備えている。つまり、延長板117aは、上述した落下防止部材111と同様な部材を用いて断面構造が等しくなるように形成されている。そのため、延長板117aは、落下防止部材111に上や下に重ね合わせることができ、落下防止部材111に重ね合わされた状態で機幅方向K1にスライドすることが可能となっている。
延長板係合具117bは、落下防止部材111または延長板117aのいずれか一方に形成された第1係合穴117fと、落下防止部材111または延長板117aの他方に形成される第2係合穴117gと、第1係合穴117fと第2係合穴117gとのそれぞれを連通状に挿通する連通ボルト117hと、を備えている。第1係合穴117fと第2係合穴117gは、少なくとも1つは機幅方向K1に沿って長寸な長穴状に形成されており、連通ボルト117hによる係合位置を機幅方向K1に変更可能となっている。
具体的には、図12(a)の拡大図に示すように、第1係合穴117fが機幅方向K1に沿って長寸な長穴状に形成され、第2係合穴117gが丸穴とされた場合を考える。この場合、連通ボルト117hが、第1係合穴117fの機幅方向K1内方の端部を通り、第2係合穴117gを連通するように調整すれば、左の延長板117aの左端から右の延長板117aの右端までの寸法を短くすることができる。
一方、図12(b)の拡大図にあるように、連通ボルト117hが、第1係合穴117fの機幅方向K1外方の端部を通り、第2係合穴117gを連通するように調整すれば、左の延長板117aの左端から右の延長板117aの右端までの寸法を長くすることができる。このように左の延長板117aの左端から右の延長板117aの右端までの落下防止部材111の寸法を変更できるため、複数の取付具87によって左右の側板86間の間隔を変更した場合であっても、当該間隔に応じて落下防止部材111の寸法を調整できる。その結果、落下防止部材111と側板86との隙間が広くなりすぎて、作物16がこの隙間から抜け落ちる不具合、あるいは作物16が隙間に引っ掛かり、掘取機4が破損等するといった不具合を未然に抑制することが可能となる。
位置変更装置112は、落下防止部材111の位置を、落下防止位置と退避位置とに変更させるものである。
なお、「落下防止位置」とは、掘取機が持ち上げられる際の位置であり、第2姿勢S2(持ち上げ姿勢)に持ち上げられた掘取機4から作物16が掘取具20から前方に落ちることを阻止可能な位置である。
また、「退避位置」とは、落下防止位置から退避する位置であって、作物の掘り起こしを許容する位置でとなっている。
つまり、位置変更装置112は、落下防止部材111の位置を変更することで、作物16の移動を阻止したり、作物16の移動を許容したりする。
具体的には、位置変更装置112は、落下防止部材111が取り付けられ、掘取機4に当該掘取機4の機幅方向に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体113と、支持体113を揺動させて落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに変更すべく支持体113を掘取機4の姿勢変更または昇降リンク機構の揺動に連動させる連動部材114とを有している。
支持体113は、掘取機4の連結体32に連結された基端部材113aと、落下防止部材111に連結された先端部材113bと、基端部材113aに対して先端部材113bを揺動自在に枢支する揺動軸113cと、先端部材113bが所定の位置よりも後方に揺動することを許容し、先端部材113bが所定の位置よりも前方に揺動することを阻止する規制具113dと、を有している。
また、本実施形態の掘取機4は、基端部材113aに対して先端部材113bが前方に揺動する方向に、基端部材113aに対して先端部材113bを付勢する付勢部材113eを有している。
図11に示すように、基端部材113aは、左右一対の下部フレーム28同士を連結す
る連結体32に対して、連結体32の左部と、連結体32の右部とにそれぞれ配備されている。連結体32の左部に設けられる基端部材113aを例に挙げれば、基端部材113aは、連結体32に外挿可能な筒状に形成された筒状部136と、筒状部136から前方に向かって突出する突出部137を備えている。前方に向かって突出する突出部137の前端には、揺動軸113cが設けられている。
基端部材113aには図示を省略する締結ボルトが設けられており、基端部材113aは機幅方向K1に延びる連結体32上の任意の位置に固定可能とされている。連結体32の右部に設けられる基端部材113aは、右部の基端部材113aと左右対称な構造を備えており、左右対称である点を除けば右部の基端部材113aと同様な構造を備えている。
先端部材113bは、落下防止部材111に連結された第1部材118と、揺動軸113cに枢支された第2部材119と、第1部材118から第2部材119までの距離が変更自在となるように、第1部材118を第2部材119に対して接続する接続部120と、を備えている。
具体的には、第1部材118は、落下防止部材111の支持具111bの上面に、上下方向に延びるように配備された長板状の部材である。上述したように、第1部材118は、支持具111bの第1支持具115における左部と右部とに、溶接や螺合などの手段で固定されている。第1部材118には、上下方向に等間隔をあけて複数(本実施形態では10個)の第1位置決め穴121が形成されている。
第2部材119は、機幅方向K1に沿って配備された長尺の棒状に形成された本体119aと、本体119aの左部と右部とに上方に向かって突出するように形成された上方突片119bと、本体119aの左端と右端とに下方に向かって突出するように形成された下方突片119cと、を備えている。本実施形態では、下方突片119cは上方突片119bよりも機幅方向K1の外方に位置しているが、下方突片119cは上方突片119bよりも機幅方向K1の内方に位置していてもよい。
第2部材119の上方突片119bの上端には、揺動軸113cが機幅方向K1に軸心を向けるように配備されている。また、下方突片119cには、下方突片119cに対して接続部120を揺動自在に枢支する枢支軸122が、機幅方向K1に軸心を向けるように配備されている。
さらに、本体119aの左部と右部とに、下方突片119c及び接続部120の後方を通って、接続部120の機幅方向K1の外方から、接続部120の前方に延びる第1付勢部材支持片125が形成されている。第1付勢部材支持片125の先端(前端)には、付勢部材113eの上端が支持されている。
接続部120は、第1部材118と第2部材119とを接続する長板状の部材である。接続部120の上端には枢支軸122が配備されており、枢支軸122により接続部120は下方突片119cに対して機幅方向K1を向く軸心回りに揺動自在とされている。接続部120の上端には上下方向に並んで2つの第2位置決め穴123が形成されている。第2位置決め穴123の上下方向の間隔は、上述した第1位置決め穴121と等しくされており、位置決めボルト124を用いて第1位置決め穴121と第2位置決め穴123とを連通状に挿通した上で、接続部120を第1部材118に固定できるようになっている。
つまり、位置決めボルト124を挿通する第1位置決め穴121を、複数設けられたものの中から任意に選ぶことで、接続部120により支持体113の基端から先端までの長さが変更自在となる。例えば、複数の第1位置決め穴121のうち上方に位置する第1位置決め穴121に位置決めボルト124を挿通すれば支持体113の基端から先端までの長さは長くなる。また、下方に位置する第1位置決め穴121に位置決めボルト124を挿通すれば支持体113の基端から先端までの長さは短くなる。このように支持体113は、接続部120により基端から先端までの長さが変更自在とされている。
接続部120の上下方向の中途部(中間位置よりやや下方の位置)には、付勢部材113eの下端を支持する第2付勢部材支持片126が、前方に向かって突出するように設けられている。
揺動軸113cは、基端部材113aに対して先端部材113bを揺動自在に枢支している。具体的には、上述したように先端部材113bには第2部材119が設けられており、第2部材119には上方突片119bが設けられている。揺動軸113cは、上方突片119bの上端と、基端部材113aにおける前方に向かって突出する板状の部分の前端と、を機幅方向K1に沿って連通している。
規制具113dは、先端部材113bが所定の位置よりも後方に揺動することを許容し、先端部材113bが所定の位置よりも前方に揺動することを阻止する部材である。具体的には、本実施形態では、上述した第1付勢部材支持片125が規制具113dの機能を兼備している。つまり、先端部材113bが所定の位置よりも前方に揺動する際には、枢支軸122よりも上方の接続部120は後方に向かって揺動する。ところが、第1付勢部材支持片125は、下方突片119c及び接続部120の後方に配備されている。そのため、後方に向かって揺動する接続部120の上端が第1付勢部材支持片125に接触し、接続部120の前方への揺動が規制される。正確には、枢支軸122よりも下方の接続部120が前方へ揺動することが規制される。なお、接続部120が後方への揺動する際には、枢支軸122よりも上方の接続部120は前方に揺動するため、先端部材113bが所定の位置よりも後方に揺動することは許容される。
付勢部材113eは、上端が第1付勢部材支持片125の先端(前端)に支持されており、下端が第2付勢部材支持片126に支持されている。付勢部材113eは、第1付勢部材支持片125と第2付勢部材支持片126との間に付勢力を発揮することで、所定の位置よりも後方に位置する先端部材113bを前方に向かって付勢している。
連動部材114は、支持体113を揺動させて落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに変更する部材である。連動部材114による落下防止部材111の位置の変更は、掘取機4の姿勢変更または昇降リンク機構3の揺動に連動して行われる。
図3に示す落下防止部材111の位置が「落下防止位置」である。「落下防止位置」は、落下防止部材111の下縁が掘取具20の上方または前方上部となる位置である。つまり、落下防止部材111の下縁が掘取具20の上方または前方上部となる位置を、本発明では「落下防止部材111が掘取具20に位置する」と呼ぶ。
また、図1に示すように、「退避位置」は、「落下防止位置」の前上方に離れた位置である。本実施形態では「退避位置」は、落下防止部材111がロワーリンク12のやや下方となる位置まで離れたものとなっている。しかし、落下防止部材111が作物16の移動を妨げない位置まで離れていれば、「退避位置」はさらに低い位置でも良い。
落下防止部材111が「落下防止位置」にあるときは、落下防止部材111が作物16の落下経路上に存在するため、作物16の落下が防止される。一方、落下防止部材111が「退避位置」にあるときは、落下防止部材111が作物16の移動を妨げない高さまで離間しているので、落下防止部材111が掘り取った作物16を後方に搬送する作業の邪魔になることはない。
具体的には、図11及び図13に示すように、連動部材114は、上端がトップリンク連結部101に連結される連動シャフト127と、連動シャフト127の下端に連結される第1連動部材128と、連結体32の機幅方向K1の中途部(中間よりもやや左寄りの位置)に固定されると共に第1連動部材128の後端が機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動自在に連結される第1固定部材129と、第2部材119の本体119aに固定された第2固定部材130と、第2固定部材130と第1連動部材128との双方に連結される第2連動部材131と、を有している。
連動シャフト127は、上下方向に延びる長尺棒状の部材であり、トップリンク連結部101に連結ピン102を介して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結されている。連動シャフト127の下端は、第1連動部材128の前後方向の中途部に、機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結されている。
第1固定部材129は、連結体32における機幅方向K1の中途側に外挿された筒状の部材であり、機幅方向K1に固定位置を自在に変更できるように連結体32に対して固定
されている。連結体32における第1固定部材129の固定位置は、機幅方向K1の中間位置ではなく、中間位置からいずれかの端部にオフセットされた位置となっている。このようなオフセットした位置に第1固定部材129を取り付けることで、第1固定部材129は入力軸24との物理的干渉を回避することができる。
また、第1固定部材129の上部には上方に向かって突出する板状の部分が形成されており、この突出した部分に第1連動部材128の後端が機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動自在に連結されている。さらに、第2固定部材130は、第2部材119の本体119aに、溶接などの手段を用いて固定されている。
第2連動部材131は、第2固定部材130の上部と、第1連動部材128の前端との双方に枢支されており、双方に対して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結されている。
つまり、連動部材114の第1連動部材128及び第2連動部材131は、連動シャフト127の上下方向に沿った並行運動を、落下防止部材111を前後方向に揺動させる回動運動に変換する平行リンク機構を構成している。
そのため、図13(a)に示すように、連動シャフト127を下方に移動させると、第1連動部材128及び第2連動部材131で構成される平行リンク機構が前方に揺動し、落下防止部材111が前方上方から後方下方に向かって後方に揺動する。その結果、落下防止部材111は、退避位置から落下防止位置に変化する。
また、図13(b)に示すように、連動シャフト127を上方に移動させると、第1連動部材128及び第2連動部材131で構成される平行リンク機構が後方に揺動し、落下防止部材111が後方下方から前方上方に向かって前方に揺動する。その結果、落下防止部材111は、落下防止位置から退避位置に変化する。
図2に示すように、第1姿勢S1にある作業機1では、掘取具20によって掘り取られた作物16が、搬送体25によって掘取具20の後上方に搬送されている。枕地などで作業機1を転回させる際には、掘取具20の損傷等を回避するために姿勢調整機構92を用いて掘取機4の姿勢を、図2に示す第1姿勢S1から、図3に示す第2姿勢S2に変更する。そうすると、図6に示すように、係合部材94に作用する掘取機4の自重により、係合部材94が係合穴98の中央部98cから他端98bに移動するように揺動部材93が枢支軸96回りに揺動する。
また、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると、トップリンク連結部101の位置も枢支軸96回りに図6中に「D」で示す距離(角度)だけ移動(揺動)し、連結ピン102を介してトップリンク連結部101に連結された連動シャフト127が下方に移動する。
そうすると、連動部材114の平行リンク機構が前方に向かって揺動する。具体的には、図13(a)に示すように、平行リンク機構では、第2固定部材130に連結された第2連動部材131の一端(図11においては後方下方の端部)に対して、第2連動部材131の他端(図11においては前方上方の端部)が前方に揺動する。また、第1固定部材129に連結された第1連動部材128の一端(図11においては後方上方の端部)に対して、第1連動部材128の他端(図11においては前方下方の端部)が前方に揺動する。そして、落下防止部材111が前方上方から後方下方に向かって後方に揺動する。
その結果、落下防止部材111が、図14(b)に示す退避位置から図14(a)に示す落下防止位置に変化し、掘取機4に残留した作物16が掘取具20の前方に落下することが防止される。
一方、作業機1の転回が終了し、作物16の掘取作業を再開する際には、掘取具20の位置を畝15(圃場14)の上面15aよりも下方まで下げる。つまり、姿勢調整機構92の状態を、図3に示す第2姿勢S2から、図2に示す第1姿勢S1に戻す。そうすると、係合部材94に作用する掘取機4の自重により、図5に示すように、係合部材94が係合穴98の中央部98cに移動するように揺動部材93が枢支軸96回りに揺動する。
また、揺動部材93が枢支軸96回りに揺動すると、トップリンク連結部101の位置も枢支軸96回りに図中にDで示す角度だけ揺動し、連結ピン102を介してトップリン
ク連結部101に連結された連動シャフト127が上方に移動する。
そうすると、連動部材114の平行リンク機構が後方に向かって揺動する。具体的には、図13(b)に示すように、平行リンク機構では、第2固定部材130に連結された第2連動部材131の一端(図11においては後方下方の端部)に対して、第2連動部材131の他端(図11においては前方上方の端部)が後方に揺動する。また、第1固定部材129に連結された第1連動部材128の一端(図11においては後方上方の端部)に対して、第1連動部材128の他端(図11においては前方下方の端部)が後方に揺動する。そして、落下防止部材111が後方下方から前方上方に向かって前方に揺動する。
その結果、落下防止部材111を、図13(a)に示す落下防止位置から図13(b)に示す退避位置に変化させることが可能となる。そして、落下防止装置110が作物16を掘り取る作業を邪魔することがなくなる。
なお、落下防止部材111の位置を退避位置に移動させることが可能となっても、落下防止部材111が地表面に接触している場合は、地表土壌などが抵抗となって落下防止部材111の位置が退避位置に戻らず、落下防止部材111の位置が落下防止位置のままとなる場合もある。
しかし、上述した落下防止装置110には、付勢部材113eが設けられており、支持体113は落下防止部材111が後方に揺動することを許容する。そのため、走行車両2を前方に移動させて落下防止部材111に前方から力が作用しても、落下防止部材111が後方に揺動して力を受け流すため、落下防止装置110が損傷を受けることはない。
やがて、地表面の高さが低くなって地表面に対して接触しないようになれば、地表土壌などからの抵抗がなくなり、付勢部材113eの復元力により落下防止部材111が前方に揺動する。落下防止部材111の位置を、落下防止位置から退避位置に確実に戻すことが可能となる。
掘取機4では、位置変更装置112は、落下防止部材111が取り付けられ、掘取機4に当該掘取機4の機幅方向K1に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体113と、支持体113を揺動させて落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに変更させるアクチュエータ135とを有してもよい。
よい。
具体的には、上述したアクチュエータ135は、図6に点線で示されるように、基端部材113aと、先端部材113bとの間に配備されている。つまり、アクチュエータ135の後端は、支持体113の基端部材113a、より正確には連結体32における機幅方向K1の右部に設けられている。また、アクチュエータ135の前端は、支持体113の先端部材113b、より正確には第2部材119の本体119aにおける機幅方向K1の右部に設けられている。アクチュエータ135は電動または油圧などによってオペレータが任意に伸縮させることができる。
アクチュエータ135を延伸させれば、連結体32から本体119aまでの距離が遠くなり、基端部材113aに対して先端部材113bを前方に向かって揺動することが可能となり、落下防止部材111の位置を落下防止位置から退避位置に変更することが可能となる。
また、アクチュエータ135を縮退させれば、連結体32から本体119aまでの距離が近くなり、基端部材113aに対して先端部材113bを後方に向かって揺動することが可能となり、落下防止部材111の位置を退避位置から落下防止位置に変更することが可能となる。
なお、アクチュエータ135の伸縮動作はオペレータが手動操作で実施しても良いが、センサなどを設けておいて自動で行っても良い。例えば、掘取機4に、地表面までの距離を計測するセンサやGPSを設けておき、畝15の終端に掘取機4が位置していることを検知する。畝15の終端に掘取機4が位置しているが検出されたら、アクチュエータ135を縮退させて落下防止部材111の位置を退避位置から落下防止位置に変更する。また、転回などが終了して、掘取機4が畝15に入る際には、畝15の入り口に掘取機4が位置していることをセンサ等で検知する。畝15の入り口に掘取機4が位置しているが検出されたら、アクチュエータ135を伸長させて落下防止部材111の位置を落下防止位置から退避位置に変更する。
このようにすれば、手動操作のような手間をかけずに、自動で落下防止部材の位置調整を行うことができ、掘取機4の利便性が大きく向上する。
掘取機4は、走行車両2に昇降リンク機構(三点リンク機構3)によって昇降可能に連結された機枠17と、機枠17の前部に設けられた掘取具20とを備えた掘取機4であって、掘取機4が走行車両2と共に前方に移動し、掘取具20で作物16を掘り起こす作業姿勢(第1姿勢S1)から掘取機4が持ち上げられる際に、掘取具20に位置して掘取機4に残留した作物16が掘取具20から前方に落ちることを防止する落下防止部材111が設けられた落下防止装置110を備えている。
この構成によれば、掘取機4が持ち上げられて傾動しても、掘取機4から作物16が前方に落下することを防止することができる。つまり、作業機1を転回させる際などに地面に落下する作物16を減らすことが可能となり、掘取機4での作物16の収穫量を減らすといった不具合や、圃場に落ちた作物を拾い上げるのに手間がかかったりするといった不具合を未然に防止することが可能となる。
落下防止装置110は、落下防止部材111の位置を、掘取機4が持ち上げられる際の位置である落下防止位置と、落下防止位置から退避する位置であって、作物16の掘り起こしを許容する位置である退避位置と、に変更させる位置変更装置112を備えている。
この構成によれば、位置変更装置112による落下防止部材111の位置の変更により、作物16の落下防止が可能となる状態と、落下防止部材111に邪魔されることなく作物16を収穫する状態とを、切り替える(選択する)ことが可能となる。
位置変更装置112は、落下防止部材111が取り付けられ、掘取機4に当該掘取機4の機幅方向K1に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体113と、支持体113を揺動させて落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに変更すべく支持体113を掘取機4の姿勢変更または昇降リンク機構(三点リンク機構3)の揺動に連動させる連動部材114とを有している。
この構成によれば、掘取機4の姿勢変更または昇降リンク機構(三点リンク機構3)の揺動に連動して、複雑な操作を伴うことなく、落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに切り替えることが可能となる。
位置変更装置112は、落下防止部材111が取り付けられ、掘取機4に当該掘取機4の機幅方向K1に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体113と、支持体113を揺動させて落下防止部材111の位置を落下防止位置と退避位置とに変更させるアクチュエータ135とを有してもよい。
この構成によれば、電動または油圧などによってオペレータが任意に伸縮させることができるアクチュエータ135を用いているので、掘取機4の姿勢が持ち上げ状態になっているかどうかにかかわらず、作物16の落下防止を図ることができる。このようなアクチュエータ135を用いた掘取機4では、作業機1を停止させる際の慣性力が作用する場合などにも、作物16の落下を防止することができる。
支持体113は、掘取機4に連結された基端部材113aと、落下防止部材111に連結された先端部材113bと、基端部材113aに対して先端部材113bを揺動自在に枢支する揺動軸113cと、先端部材113bが所定の位置よりも後方に揺動することを許容し、先端部材113bが所定の位置よりも前方に揺動することを阻止する規制具113dと、を有している。
この構成によれば、支持体113は、地面などに接触して落下防止部材111に後方に力が作用した場合には、後方に揺動が許容されているので、地面からの力を受け流すことができ、位置変更装置112の破損を防止することができる。一方、支持体113は、前方に揺動が規制されているので、作物16が落下しようとする力を受けても支持体113が前方に揺動することがなく、作物16の落下を確実に防止することができる。
落下防止装置110は、基端部材113aに対して先端部材113bが前方に揺動する方向に、基端部材113aに対して先端部材113bを付勢する付勢部材113eを有し
ている。
この構成によれば、付勢部材113eを用いて前方に揺動した先端部材113bを後方に揺動させることができ、支持体113に後方から前方に向かって外力が加わっても、支持体113を前方に揺動させて外力を受け流した上で、外力が作用しなくなったら支持体113を揺動前の状態に自動的に復帰させることができる。このような構成は、例えば作物16の掘り取りを再開した際に、落下防止位置にある落下防止部材111が畝15に接触するなどして外力を受けた場合などに、落下防止部材111の破損を防止する目的で好適に用いられる。
先端部材113bは、落下防止部材111に連結された第1部材118と、揺動軸113cに枢支された第2部材119と、第1部材118から第2部材119までの距離が変更自在となるように、第1部材118を第2部材119に対して接続する接続部120と、を備えており、支持体113は、接続部120により基端から先端までの長さが変更自在とされている。
この構成によれば、第1部材118から第2部材119までの距離を変更することで、落下防止部材111の位置を上下方向に変更することが可能となり、圃場や畝15の上面15aの高さに応じて適切な高さに落下防止部材111の位置を調整することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 作業機(走行車両)
3 昇降リンク機構(三点リンク機構)
4 掘取機
16 作物
17 機枠
20 掘取具
92 姿勢調整機構
110 落下防止装置
111 落下防止部材
111a落下防止板
111b支持具
112 位置変更装置
113 支持体
113a基端部材
113b先端部材
113c揺動軸
113d規制具
113e付勢部材
114 連動部材
118 第1部材
119 第2部材
127 連動シャフト
135 アクチュエータ
S1 第1姿勢
S2 第2姿勢(持ち上げ姿勢)

Claims (7)

  1. 走行車両に昇降リンク機構によって昇降可能に連結された機枠と、前記機枠の前部に設けられた掘取具とを備えた掘取機であって、
    前記掘取機が前記走行車両と共に前方に移動し、前記掘取具で作物を掘り起こす作業姿勢から前記掘取機が持ち上げられる際に、前記掘取具に位置して前記掘取機に残留した作物が前記掘取具から前方に落ちることを防止する落下防止部材が設けられた落下防止装置を備えた掘取機。
  2. 前記落下防止部材の位置を、前記掘取機が持ち上げられる際の前記位置である落下防止位置と、前記落下防止位置から退避する位置であって、前記作物の掘り起こしを許容する位置である退避位置と、に変更させる位置変更装置を備えている請求項1に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
  3. 前記位置変更装置は、
    前記落下防止部材が取り付けられ、前記掘取機に当該掘取機の機幅方向に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体と、
    前記支持体を揺動させて前記落下防止部材の位置を前記落下防止位置と前記退避位置とに変更すべく前記支持体を前記掘取機の姿勢変更または前記昇降リンク機構の揺動に連動させる連動部材とを有している請求項2に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
  4. 前記位置変更装置は、
    前記落下防止部材が取り付けられ、前記掘取機に当該掘取機の機幅方向に延伸する軸心回りに揺動自在に支持された支持体と、
    前記支持体を揺動させて前記落下防止部材の位置を前記落下防止位置と前記退避位置とに変更させるアクチュエータとを有している請求項2に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
  5. 前記支持体は、
    前記掘取機に連結された基端部材と、
    前記落下防止部材に連結された先端部材と、
    前記基端部材に対して前記先端部材を揺動自在に枢支する揺動軸と
    前記先端部材が所定の位置よりも後方に揺動することを許容し、前記先端部材が前記所定の位置よりも前方に揺動することを阻止する規制具と、を有している請求項3に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
  6. 前記基端部材に対して前記先端部材が前方に揺動する方向に、前記基端部材に対して前記先端部材を付勢する付勢部材を有している請求項5に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
  7. 前記先端部材は、
    前記落下防止部材に連結された第1部材と、
    前記揺動軸に枢支された第2部材と、
    前記第1部材から第2部材までの距離が変更自在となるように、前記第1部材を第2部材に対して接続する接続部と、
    を備えており、
    前記支持体は、前記接続部により基端から先端までの長さが変更自在とされている請求項6に記載の落下防止装置を備えた掘取機。
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